JP2004286185A - トルクコンバータ自動組付装置 - Google Patents

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JP2004286185A JP2003082192A JP2003082192A JP2004286185A JP 2004286185 A JP2004286185 A JP 2004286185A JP 2003082192 A JP2003082192 A JP 2003082192A JP 2003082192 A JP2003082192 A JP 2003082192A JP 2004286185 A JP2004286185 A JP 2004286185A
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実 竹森
Akio Gocho
明男 牛腸
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Abstract

【課題】オートマチックトランスミッション本体にトルクコンバータを容易に組み付けることができ、また、組み付け時にトルクコンバータ内の残留オイルの垂れを防止して汚損を防ぐことができるトルクコンバータ自動組付装置1を提供する。
【解決手段】オートマチックトランスミッション本体111を倒立姿勢状態に保持し、そのオートマチックトランスミッション本体111の下方位置でトルクコンバータ101をトルクコンバータカバー104の開口穴103aが上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持し、かかる姿勢状態で上昇移動させてオートマチックトランスミッション本体111に組み付ける。これにより、トルクコンバータ101のオートマチックトランスミッション本体111への組み付けを容易ならしめるとともに、トルクコンバータカバー104内の残留オイルが開口穴103aから垂れるのを防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータ自動組付装置に関し、特に、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けるトルクコンバータ自動組付装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば、自動車用オートマチックトランスミッションに組み付けられるトルクコンバータは、トルクコンバータカバー内にステータとタービンランナが同軸上で回転可能に収容された構造を有している。
【0003】
このトルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けるためには、トルクコンバータカバー内のステータとタービンランナに、オートマチックトランスミッション本体のステータシャフトと入力軸をそれぞれ結合する作業が必要である。
【0004】
図5は、オートマチックトランスミッション100の構造を説明する図である。このオートマチックトランスミッション100は、自動車の車体前後方向に延在するように縦置き配置される、四輪駆動用のオートマチックトランスミッションである。
【0005】
オートマチックトランスミッション100のトルクコンバータ101は、ATFオイルを貯留可能な容積空間を内部に有したドーム形状のハウジング部102と、ハウジング部102の後部中央から回転中心軸線に沿って突出し、ハウジング部102の内部と外部との間を連通する開口穴103a(図6、図7参照)が先端に形成されたパイプシャフト部103とを有したトルクコンバータカバー104を備えている。
【0006】
このトルクコンバータカバー104内には、トルクコンバータカバー104と一体に回転されるインペラ105と、インペラ105に対向して同軸上に配置されインペラ105の回転によって回転されるタービンランナ106と、インペラ105とタービンランナ106の間で同軸上に配置され回転されるステータ107が設けられている。タービンランナ106の回転中心位置とステータ107の回転中心位置には、それぞれスプライン穴106a、107aが形成されており、トルクコンバータカバー104のパイプシャフト部103には、先端から軸方向に向かって突出するトルコン爪108が設けられている。
【0007】
オートマチックトランスミッション100のオートマチックトランスミッション本体111は、エンジン側からプロペラ軸側に向かってトルクコンバータケース部112、トランスミッションケース部113を備えている。トルクコンバータケース部112は、ケース前部がエンジン後部に結合されるように形成され、トルクコンバータカバー104のパイプシャフト部103を回転自在に支持すると共に、自動車の前輪(図示せず)を駆動するためのフロントディファレンシャルギヤ114を収容する構成を有している。
【0008】
トランスミッションケース部113は、その内部に変速機構(図示せず)を収容しており、入力軸116とステータシャフト117がトルクコンバータケース部112内に突出するように設けられている。入力軸116は、円筒形状を有するステータシャフト117内を同軸上に延在し、入力軸116の先端部は、ステータシャフト117よりも突出して、先端部の外周囲には、タービンランナ106のスプライン穴106aと嵌合されるスプライン116aが形成されている。また、ステータシャフト117の先端部の外周囲には、ステータ107のスプライン穴107aに嵌合されるスプライン117aが形成されている。
【0009】
そして、トランスミッションケース部113の前面には、オイルポンプハウジング120が取り付けられており、インナロータ118とアウタロータ119が収容されている。インナロータ118は、その中央に切欠穴118aが設けられており、トルクコンバータカバー104のパイプシャフト部103先端のトルコン爪108と係合し、トルクコンバータカバー104の回転に連動して回転されるように構成され、アウタロータ119は、そのインナロータ118の回転によって回転され、オイルを圧送するように構成されている。
【0010】
図6は、タービンランナ106と入力軸116、ステータ107とステータシャフト117、トルコン爪108とインナロータ118がそれぞれ完全に嵌合した組付完了状態を示す説明図であり、図7は、オートマチックトランスミッション本体111に対してトルクコンバータ101が軸方向に離間した組付前状態を示す説明図である。
【0011】
トルクコンバータ101とオートマチックトランスミッション本体111(図5参照)は、トルクコンバータカバー104のパイプシャフト部103内に入力軸116とステータシャフト117を挿入して互いに軸方向に接近させた場合に、双方の位相が一致しているときは、最初にタービンランナ106と入力軸116が嵌合し、次いでステータ107とステータシャフト117が嵌合し、最後にパイプシャフト部103のトルコン爪108がインナーロータ118の切欠穴118aに係合する寸法に形成されている。
【0012】
上記構成を有するオートマチックトランスミッション100の従来のトルクコンバータ組付方法は、オートマチックトランスミッション本体111をその入力軸116とステータシャフト117が上方に向かって突出する起立姿勢状態に保持し、トルクコンバータ101をそのパイプシャフト部103が下方に向かって突出する吊り下げ姿勢状態でオートマチックトランスミッション本体111の上方から下降させて組み付ける方法が採用されていた。
【0013】
この方法の場合、タービンランナ106と入力軸116のスプライン位相及びステータ107とステータシャフト117のスプライン位相が合致するときは、トルクコンバータ101の下降動作のみで結合できるが、互いのスプライン位相が合致しないときは、入力軸116の上にタービンランナ106が載り、或いはステータシャフト117の上にステータ107が載ってしまい、トルクコンバータ101の下降移動のみでは結合することができない。
【0014】
したがって、互いのスプライン位相を合致させるために、トルクコンバータカバー104内のタービンランナ106やステータ107を回転させて、その位相を変更させる作業が必要となるが、入力軸116やステータシャフト117の上にタービンランナ106やステータ107が載った状態で単にトルクコンバータカバー104を回転させても、トルクコンバータカバー104内でタービンランナ106やステータ107が入力軸116やステータシャフト117と一緒に回転する、いわゆる連れ回りを生じて、その位相を変更することができない。
【0015】
そこで、互いのスプライン位相が合致しないときは、トルクコンバータ101を上方に少し持ち上げて、タービンランナ106やステータ107を入力軸116やステータシャフト117から上方に離間させた状態、或いはタービンランナ106やステータ107によって入力軸116やステータシャフト117の上に加えられる荷重を軽減した状態で、トルクコンバータカバー104を少し回転させ、内部のタービンランナ106やステータ107を回転させて、スプラインの位相を変更し、再び下降させる再結合作業を行っていた。
【0016】
この再結合作業は、トルクコンバータ101が約15kgもある重量物であって作業者の負担が大であることから、従来より、トルクコンバータ101の組み付け作業を自動化するトルクコンバータ自動組付装置が種々提案されている。
【0017】
図8は、従来のトルクコンバータ自動組付装置200の一例を示す説明図である。図に示すトルクコンバータ自動組付装置200は、起立姿勢状態に保持されたオートマチックトランスミッション本体111に対して、その上方からトルクコンバータ101を下降させて互いに結合するものであり、トルクコンバータカバー104に取付けられたセンターピース104aを掴持してトルクコンバータ101を吊り下げ支持するクランプ装置201と、そのクランプ装置201を上下方向にフローティング支持してトルクコンバータ101のオートマチックトランスミッション本体111に対する高さ位置を変更可能とするフローティング支持部202と、そのフローティング支持部202を先端に有する支持アーム203を備えている。
【0018】
この装置では、入力軸116とタービンランナ106(図5〜図7参照)、及びステータシャフト117とステータ107(図5〜図7参照)のスプライン位相が一致せず、入力軸116の上にタービンランナ106、或いはステータシャフト117の上にステータ107が載ってしまうときは、フローティング支持部202により、入力軸116やステータシャフト117に対するタービンランナ106やステータ107の荷重を軽減し、連れ回りを抑制した状態でトルクコンバータカバー104を回転させる。そして、入力軸116とタービンランナ106、及びステータシャフト117とステータ107の位相を変更し、位相が一致したところで互いに結合させている(例えば、特許文献1参照)。
【0019】
【特許文献1】
特開平7−136871号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにオートマチックトランスミッション本体111を起立姿勢状態で保持し、その上方からトルクコンバータ101を下降させて組み付ける方法の場合、開口穴103aが下方に向かって開口した姿勢状態でトルクコンバータ101を保持しなければならない。
【0021】
トルクコンバータ101は、オートマチックトランスミッション本体111に組み付ける前に、ATFオイルを使用した動作テストを行っており、トルクコンバータカバー104内には、テスト時のATFオイルが少量残留している。
【0022】
したがって、トルクコンバータ101を上述のような組み付け姿勢状態に保持すると、トルクコンバータカバー104内の残留オイルが開口穴103aから下方に垂れて、周囲を汚損するおそれがあり、垂れたオイルを受け止めるためのオイルパンを設けるなどの対策が必要となる。
【0023】
また、従来のトルクコンバータ自動組付装置200のように、フローティング機構を用いる場合には、構造が複雑で部品数が多く、コスト高を招来し、また、保守作業が煩雑であるなどの問題点を有している。
【0024】
更に、フローティング機構は、可動部分が多く、これら可動部分の隙間誤差が集積されて大きな誤差となるおそれがある。したがって、トルクコンバータ101をオートマチックトランスミッション本体111の同軸上に配置する芯出し位置決めを精度よく容易に行うことは困難であり、組付作業時間が不規則となり、その後の作業に影響を与えるおそれがある。
【0025】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オートマチックトランスミッション本体にトルクコンバータを容易に組み付けることができ、また、組み付け時にトルクコンバータ内の残留オイルの垂れを防止して汚損を防ぐことができるトルクコンバータ自動組付装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明によるトルクコンバータ自動組付装置は、オートマチックトランスミッション本体の入力軸とステータシャフトをトルクコンバータカバーの開口穴からトルクコンバータカバー内に挿入して、入力軸の先端部とステータシャフトの先端部をトルクコンバータカバー内のタービンランナとステータにそれぞれ嵌合させて、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けるトルクコンバータ自動組付装置において、オートマチックトランスミッション本体を入力軸及びステータシャフトが下方に向かって突出する倒立姿勢状態に保持するトランスミッション保持手段と、トランスミッション保持手段により保持したオートマチックトランスミッション本体の下方位置でトルクコンバータをトランスミッションの入力軸と同軸上でかつトルクコンバータカバーの開口穴が上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持するトルクコンバータ保持手段と、トルクコンバータ保持手段を上下方向に往復移動させて、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に対して接近及び離間する方向に移動させる昇降手段と、トルクコンバータ保持手段を回転させて、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に対して回転させる回転手段とを有することを特徴とする。
【0027】
この発明によると、トランスミッション保持手段により、オートマチックトランスミッション本体をその入力軸が上下方向に延在しかつ下方に向かって突出する倒立姿勢状態に保持する。そして、トルクコンバータ保持手段により、オートマチックトランスミッション本体の下方位置でトルクコンバータをトランスミッションの入力軸と同軸上でかつトルクコンバータカバーの開口穴が上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持する。
【0028】
そして、昇降手段によりトルクコンバータ保持手段を上昇移動させ、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付ける。ここで、タービンランナと入力軸、或いはステータとステータシャフトの位相の相違により、上昇移動だけでは組み付けることができないときは、トルクコンバータ保持手段を一旦下降移動させてタービンランナと入力軸、或いはステータとステータシャフトとの間を離間させ、回転手段によりトルクコンバータ保持手段を回転させて、トルクコンバータの回転角度位置を変更してから、再び上昇移動させる。そして、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けることができるまで、昇降手段及び回転手段による動作を繰り返し実行する。
【0029】
これによれば、トルクコンバータをトルクコンバータカバーの開口穴が上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持し、上昇移動させることによってオートマチックトランスミッション本体に組み付けるので、従来のようにトルクコンバータ内の残留オイルが開口穴から下方に向かって垂れるのを防止でき、周囲の汚損を防ぐことができる。これにより、オイルパンの設置などの対策を不要とすることができる。
【0030】
また、従来のようにフローティング機構を設ける必要がないので、構造の簡素化を図り、部品点数の少数化により製造コストを低減できると共に、保守作業の容易化を図ることができる。また、可動部分を少なくすることができ、トルクコンバータとオートマチックトランスミッション本体との芯出し位置決めを容易かつ安定して行うことができる。
【0031】
請求項2の発明は、請求項1に記載のトルクコンバータ自動組付装置において、昇降手段による上昇によりタービンランナとステータが入力軸とステータシャフトにそれぞれ嵌合した組付完了高さ位置までトルクコンバータ保持手段を上昇させることができたか否かを検出する組付完了高さ位置検出センサと、組付完了高さ位置検出センサにより組付完了高さ位置までトルクコンバータを上昇させることができなかったと検出した場合に、トルクコンバータ保持手段を一旦下降させ、予め設定された回転可能高さ位置で回転手段により回転させ、昇降手段により再び上昇させる制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、昇降手段によりトルクコンバータ保持手段を上昇させた場合にタービンランナとステータが入力軸とステータシャフトにそれぞれ嵌合した組付完了高さ位置までトルクコンバータ保持手段を上昇させることができたか否かを組付完了高さ位置検出センサで検出する。
【0033】
そして、組付完了高さ位置までトルクコンバータ保持手段を上昇させることができなかった場合には一旦下降させて、予め設定された回転可能高さ位置で回転手段により回転させ、昇降手段により再び上昇させる制御を制御手段により行わせる。
【0034】
このように、トルクコンバータ保持手段を一旦下降させてから回転させるので、入力軸に対するタービンランナの連れ回りや、ステータシャフトに対するステータの連れ回りを防ぐことができ、入力軸に対するタービンランナの位相や、ステータシャフトに対するステータの位相を容易に変更でき、嵌合作業を迅速に行うことができる。
【0035】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のトルクコンバータ自動組付装置において、タービンランナが入力軸に嵌合しかつステータがステータシャフトよりも下方に離間する回転可能高さ位置にトルクコンバータ保持手段を停止させる回転高さ位置停止手段を有することを特徴とする。
【0036】
この発明によると、タービンランナが入力軸に嵌合しかつステータがステータシャフトよりも下方に離間する回転可能高さ位置にトルクコンバータ保持手段を停止させることができるので、タービンランナと入力軸の嵌合を解除することなく、トルクコンバータを回転させることができ、ステータとステータシャフトの位相を容易に変更することができる。したがって、トルクコンバータのオートマチックトランスミッション本体への組み付け作業を迅速に行うことができる。
【0037】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のトルクコンバータ自動組付装置において、予め設定された搬送路上を搬送可能なパレットにトランスミッション保持手段とトルクコンバータ保持手段を設け、搬送路の搬送途中位置に設定された組付ステージに昇降手段と回転手段を設けたことを特徴とする。
【0038】
この発明によると、パレットにトランスミッション保持手段とトルクコンバータ保持手段を設けているので、オートマチックトランスミッション本体とトルクコンバータとの相対的な芯出し位置決めを迅速かつ容易に行うことができる。
【0039】
また、搬送路の搬送途中位置に設定された組付ステージに昇降手段と回転手段を設けているので、これらの制御を容易なものとすることができる。また、流れ作業によってトルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けることができ、製品コストの低減を図ることができる。
【0040】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のトルクコンバータ自動組付装置において、トルクコンバータ保持手段を組付完了高さ位置に固定するロック手段を有することを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、トルクコンバータ保持手段を組付完了高さ位置に固定することができるので、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に組み付けた後に、昇降装置を下降移動させても、トルクコンバータがオートマチックトランスミッション本体から下方に落下するのを防ぎ、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に取り付けた状態に維持することができる。
【0042】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のトルクコンバータ自動組付装置において、ロック手段をパレットに設けたことを特徴とする。
【0043】
この発明によると、ロック手段をパレットに設けたので、組付ステージでトルクコンバータ保持手段を組付完了高さ位置にロックした後にパレットを組付ステージから移動させた場合であっても、トルクコンバータ保持手段を組付完了高さ位置に保持することができる。したがって、トルクコンバータがオートマチックトランスミッション本体から抜け落ちて下方に落下するのを防ぎ、トルクコンバータをオートマチックトランスミッション本体に取り付けた状態に維持することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0045】
図1は、本実施の形態におけるトルクコンバータ自動組付装置1の構成を概略的に示す全体図、図2は、パレット2の拡大説明図、図3は、組付手段3の拡大説明図、図4は、組付手段の制御系統を説明する説明図である。
【0046】
本実施の形態におけるトルクコンバータ自動組付装置1は、図1に示すように、搬送コンベア4によって矢印方向に搬送されるパレット2と、搬送途中の組付ステージに設置された組付手段3を主たる構成要素としている。
【0047】
パレット2は、平板状の天板部11と、天板部11から下方に向かって延出し搬送コンベア上で天板部11を略水平状態に支持する脚部12を有しており、オートマチックトランスミッション本体111の入力軸116とステータシャフト117(図5参照)がオートマチックトランスミッション本体111から下方に向かって突出する倒立姿勢状態にオートマチックトランスミッション本体111を保持するトランスミッション保持手段13と、トランスミッション保持手段13に保持されたオートマチックトランスミッション本体111の下方位置でトルクコンバータ101を入力軸116及びステータシャフト117と同軸上でかつトルクコンバータカバー104のパイプシャフト部103が上方に向かって突出する正置姿勢状態に保持するトルクコンバータ保持手段14を備えている。
【0048】
トランスミッション保持手段13は、天板部11の上にオートマチックトランスミッション本体111を倒立姿勢状態で載置することにより、予め設定されたパレットセンタ軸線Lp(図2参照)に芯出し位置決めでき、かかる姿勢状態で保持可能な構成を有している。また、本実施の形態では、トランスミッション保持手段13は、パレットセンタ軸線Lpを回転中心としてオートマチックトランスミッション本体111を回転自在に支持し、オートマチックトランスミッション本体111の姿勢状態をパレットセンタ軸線Lpを中心として任意の回転角度位置に変更可能な姿勢変更機構を介して天板部11に支持されている。
【0049】
一方、トルクコンバータ保持手段14は、トルクコンバータ101を正置姿勢状態で載置することにより、トルクコンバータ101の回転中心がパレットセンタ軸線Lpに一致する姿勢状態に芯出し位置決めし、かかる姿勢状態で保持できるように構成されている。具体的には、トルクコンバータ101が載置される載置台15と、その載置台15の下面中央からパレットセンタ軸線Lpに沿って下方に延出する円柱部16と、その円柱部16の下端で径方向外側に向かって延出する円板部17を有しており、載置台15の上面中央には、トルクコンバータ101のセンターピース104aが係入される芯出し孔15aが凹設され、載置台15の上面周縁部には、トルクコンバータカバー104の外周縁部に取り付けられたロケートピン104bを係入可能なロケート孔15bが凹設されている。また、円板部下面17cの中央には、組付手段3のセンターピン46に係合可能なセンタ穴17aが凹設されており、円板部下面17cの周縁部には、組付手段3の係合ピン47が係入される係入穴17bが凹設されている。
【0050】
トルクコンバータ保持手段14は、パレット2に対してパレットセンタ軸線Lpを回転中心として回転自在に移動することができると共に、パレットセンタ軸線Lpに沿って往復移動することができるように、回転機構21と往復移動機構26を介してパレット2に支持されている。
【0051】
回転機構21は、円柱部16をその内径部分で回転自在に支持する円管部22を有しており、円管部22の外周面には、後述するロック手段31のボール32が一部係入可能なV字溝23が周方向に沿って延在するように形成されている。
【0052】
往復移動機構26は、トルクコンバータ保持手段14に保持されたトルクコンバータ101のタービンランナ106とステータ107がトランスミッション保持手段13に保持されたオートマチックトランスミッション本体111の入力軸116とステータシャフト117にそれぞれ嵌合し、更に、パイプシャフト部103のトルコン爪108がインナーロータ118の切欠穴118aに係合した状態(図6参照)となる高さ位置(以下、単に「組付完了高さ位置」という)と、タービンランナ106とステータ107がそれぞれ入力軸116とステータシャフト117から離間し、更にトルコン爪108がインナーロータ118から離間した状態(図7参照)となる高さ位置(以下、単に「組付準備高さ位置」という)との間でトルクコンバータ保持手段14を往復移動可能に支持するものであり、天板部11に対して上下方向に移動自在に支持されかつ付勢手段25によって下方に向かって付勢された台座部27と、その台座部27の下面からパレットセンタ軸線Lpと同軸上で下方に延出する円柱状のハブ部28と、そのハブ部28の中心をパレットセンタ軸線Lpに沿って上下方向に貫通し、回転機構21の円管部22を上下方向に移動自在に支持する貫通孔29によって構成されている。
【0053】
そして、往復移動機構26には、トルクコンバータ保持手段14を組付完了高さ位置に固定可能なロック手段31が設けられている。ロック手段31は、ハブ部28を半径方向に貫通形成されたボール収容孔33内で往復移動自在なボール32と、ハブ部28に嵌合されかつ下方に移動することによってボール32を円管部22の外周面に押接するリング部34と、リング部34を下方に向かって付勢する付勢手段35を有しており、トルクコンバータ保持手段14を組付前高さ位置から組付完了高さ位置まで上昇移動させると、円管部22のV字溝23とボール32との高さ位置が一致し、リング部34によりボール32がボール収容孔33内をパレットセンタ軸線Lpに接近する方向に移動され、ボール32の一部がV字溝23に係入することで円管部22をその高さ位置に固定することができ、また、手動などによってリング部34を上方に持ち上げることによってボール32とV字溝23との係合を解除し、円管部22を所定高さ位置から下方に移動させて、トルクコンバータ保持手段14を組付準備高さ位置に配置することができるように構成されている。
【0054】
一方、組付手段3は、搬送コンベア4の搬送途中位置に予め設定された組付ステージに設けられており、図3に示すように、パレット2のトルクコンバータ保持手段14を上下方向に移動させるための昇降手段40と、回転させるための回転手段49を有している。
【0055】
昇降手段40は、図示していないフロアに固定された基台41の上方位置で上下方向に移動可能に支持されたリフト台42と、そのリフト台42を上下方向に往復移動させるための昇降用エアシリンダ43を備えている。回転手段49は、リフト台42の略中央位置で鉛直方向に延在するステージセンタ軸線Lsを中心として回転自在に支持された係合部44と、その係合部44をステージセンタ軸線Lsを回転中心として回転させるための回転モータ45を備えている。
【0056】
昇降手段40のリフト台42は、昇降用エアシリンダ43による上昇移動によりトルクコンバータ保持手段14の下部に係合部44を当接させて、トルクコンバータ保持手段14を上方に移動させ、組付完了高さ位置まで上昇させ、また、昇降用エアシリンダ43による下降移動によりトルクコンバータ保持手段14から係合部44を下方に離間させ、係合部44をその上端が搬送コンベア4の搬送面よりも下方に位置する待機高さ位置まで下降させる範囲で上下移動できるように構成されている。
【0057】
回転手段49の係合部44は、その上面44aがリフト台42の上昇によりトルクコンバータ保持手段14の円板部下面17cに接面可能な形状に形成されており、上面44aの中央には、トルクコンバータ保持手段14のセンタ穴17aに係入可能なセンターピン46が突設され、上面44aの周縁部には、係入孔17bに係入してトルクコンバータ保持手段14を係合部44と一体に回転させることができる係合ピン47が突設されている。
【0058】
また、組付手段3には、リフト台42の高さ位置を複数の予め設定された高さ位置(回転可能高さ位置)にそれぞれ停止するための回転高さ位置停止手段51を有している。回転高さ位置停止手段51は、係合部44を待機高さ位置から上方に向かって順番に、#1ステップ高さ位置、#2ステップ高さ位置、#3ステップ高さ位置にそれぞれ停止させることができるように構成されている。
【0059】
#1ステップ高さ位置は、トルクコンバータ保持手段14を組付準備高さ位置よりも上方に持ち上げてトルクコンバータ101のタービンランナ106がオートマチックトランスミッション本体111の入力軸116に嵌合しかつステータ107がステータシャフト117よりも下方に離間する高さ位置となるように設定され、#2ステップ高さ位置は、#1ステップ高さ位置よりも上方位置であってトルクコンバータ101のステータ107がステータシャフト117に嵌合しかつトルコン爪108がインナーロータ118よりも下方に離間する高さ位置となるように設定され、#3ステップ高さ位置は、#2ステップ高さ位置よりも上方位置であってトルコン爪108がインナーロータ118に嵌合し、ロック手段31がトルクコンバータ保持手段14を組付完了高さ位置に固定可能な高さ位置となるように設定されている。
【0060】
この回転高さ位置停止手段51は、基台41とリフト台42の脚部48との間で略水平方向に往復移動自在に設けられたスライドプレート52と、そのスライドプレート52を往復移動させるスライドシリンダ53と、スライドプレート53の上部に固定され、スライドプレート52が一方側から他方側に移行するにしたがって階段状に高さが高くなる段差ブロック54を備えている。
【0061】
段差ブロック54は、その上にリフト台42の脚部48を載せることによって、リフト台42を#1ステップ高さ位置に保持する#1ステップ部54A、#2ステップ高さ位置に保持する#2ステップ部54B、#3ステップ高さ位置に保持する#3ステップ部54Cを有している。
【0062】
したがって、スライドシリンダ53でスライドプレート52を所定の付勢力で一方側から他方側(図3では図中右側から左側)に向かって付勢することにより、リフト台42の上昇に応じて、リフト台42の脚部48と基台41との間に#1ステップ部54Aから#3ステップ部54Cまでを順次介在させ、より上側のステップ高さ位置まで上昇したリフト台がそのステップ高さ位置よりも下側のステップ高さ位置まで下降するのを防ぐと共に、スライドプレート52を他方側から一方側(図3では図中左側から右側)に向かって移動させることにより、脚部48と基台41との間から段差ブロック54を引き抜いてリフト台42を下降させることができる。
【0063】
図1及び図3で符号61は、搬送コンベア4上を搬送されるパレット2を組付ステージ上に停止させるためのパレット停止装置である。パレット停止装置61は、搬送コンベア4の搬送面よりも上方に停止爪62を突出させて、その停止爪62にパレット2の側端部を当接させて、パレット2をそのパレットセンタ軸線Lpがステージセンタ軸線Lsと略同一直線上となる位置に停止させ、また、停止爪62を搬送面よりも下方に移動させることによって、その停止を解除することができるように構成されている。
【0064】
図1及び図3で符号63は、リフト台42の高さ位置が待機高さ位置にあるかを検出する待機高さ位置検出センサであり、符号64は、トルクコンバータ保持手段14が組付完了高さ位置にあるかを検出する組付完了高さ位置検出センサである。これらの検出センサは、それぞれ組付手段3に取り付けられている。また、この組付ステージには、パレット2の在席を検出するパレット在席検出センサ65(図4参照)が設けられている。
【0065】
待機高さ位置検出センサ63、組付完了高さ位置検出センサ64、パレット在席検出センサ65は、図4に示すように、制御手段としての制御部71に接続されている。制御部71は、組付ステージの近傍位置に設けられた制御盤(図示せず)内に設けられている。制御部71は、各センサ63、64、65からの検出信号に基づいて組付手段3の昇降用エアシリンダ43、スライドシリンダ53や回転モータ45を制御するように構成されている。尚、図4で符号72は、昇降用エアシリンダ43に圧縮空気を供給するための昇降用電磁弁、符号73は、スライドシリンダ53に圧縮空気を供給するためのスライド用電磁弁、符号74は、回転モータ45を駆動するためのモータドライバである。
【0066】
次に、上記構成を有するトルクコンバータ自動組付装置1を用いたトルクコンバータ組付方法について以下に説明する。
【0067】
まず最初に、パレット2にトルクコンバータ101を保持する作業を行う。トルクコンバータ101のパレット2への保持は、組付ステージよりも上流側位置に設けられたトルクコンバータ保持ステージ(図示せず)で行われる。トルクコンバータ保持ステージでは、トルクコンバータ101を正置姿勢状態で載置台15の上に載置し、トルクコンバータ101のセンターピース104aを載置台15の芯出し穴15aに係入すると共にロケートピン104bをロケート孔15bに係入してパレット2の上に芯出し位置決めし、その回転中心軸線がパレットセンタ軸線Lpに一致した状態で保持する。このトルクコンバータ101のパレット2への保持作業は、作業員により手動で行ってもよく、また、省力機械を用いて自動的に行ってもよい。
【0068】
次に、パレット2にオートマチックトランスミッション本体111を保持する作業を行う。オートマチックトランスミッション本体111のパレット2への保持は、組付ステージよりも上流側でかつトルクコンバータ保持ステージよりも下流側位置に設けられたトランスミッション保持ステージ(図示せず)で行われる。本実施の形態では、最初にオートマチックトランスミッション本体111のトルクコンバータケース部112をパレット2に固定し、次いでトランスミッションケース部113をトルクコンバータケース部112に結合する。
【0069】
具体的には、パレット2の上方位置から、トルクコンバータケース部112を下降させてトルクコンバータ101をそのケース部内に収容するような状態で天板部11の上に載置し、ノックピン(図示せず)により芯出し位置決めしてから固定する。
【0070】
それから、トルクコンバータケース部112の上方よりトランスミッションケース部113をその入力軸116とステータシャフト117が下方に向かって突出する姿勢状態で下降させ、入力軸116とステータシャフト117をトルクコンバータ101のパイプシャフト部103内に挿入し、トルクコンバータケース部112の上に載せ、図示していない結合ボルトによってトルクコンバータケース部112と結合する。これにより、オートマチックトランスミッション本体111をパレット2上に芯出し位置決めし、その入力軸116とステータシャフト117の回転中心軸線がパレットセンタ軸線Lpに一致した倒立姿勢状態でパレット2に固定することができ、トルクコンバータ101とオートマチックトランスミッション本体111を、タービンランナ106と入力軸116、ステータ107とステータシャフト117、トルコン爪108とインナーロータ118のそれぞれが軸方向に離間した組み付け前状態(図7参照)に配置することができる。
【0071】
このオートマチックトランスミッション本体111のパレット2への保持作業は、作業員によって手動により行ってもよく、また、省力機械を用いて自動的に行ってもよい。
【0072】
次に、トルクコンバータ保持手段14を上昇させてトルクコンバータ101をオートマチックトランスミッション本体111に組み付ける作業を行う。この作業は、組付ステージで組付手段3により行われる。
【0073】
まず最初に、トルクコンバータ101とオートマチックトランスミッション本体111を保持したパレット2が組付ステージに搬送されると、パレット停止装置61により、組付ステージ上に停止される。
【0074】
パレット2が組付ステージ上に停止すると、パレット在席検出センサ65がパレット2の在席検出信号を制御部71に送信し、この在席検出信号を受信した制御部71は、組付手段3によるトルクコンバータ組付作業の制御を開始する。
【0075】
ここでは、まず、昇降用電磁弁72の制御によって昇降用エアシリンダ43に圧縮空気を供給し、リフト台42を上方に移動させると共に、スライド用電磁弁73の制御によってスライド用シリンダ53に圧縮空気を供給し、段差ブロック54を基台41とリフト台42の脚部48との間に介在させる方向(図1では左側方向)に向かって付勢する。
【0076】
昇降用エアシリンダ43の駆動によりリフト台42が上方に移動すると、係合部44が搬送コンベア4の搬送面から上方に突出し、トルクコンバータ保持手段14の円板部下面17cに当接され、トルクコンバータ保持手段14は、上方に持ち上げられる。その際、円板部17のセンタ穴17aに係合部44のセンターピン46が係入し、パレット2のパレットセンタ軸線Lpをステージセンタ軸線Lsに一致させるセンタリングを行う。
【0077】
トルクコンバータ保持手段14の上昇によりトルクコンバータ101が上方に移動すると、まず最初に、タービンランナ106と入力軸116が接触する。ここで、タービンランナ106のスプライン穴106aと入力軸116のスプライン116aの位相が一致していない場合には、タービンランナ106の上に入力軸116が当接した状態となり、嵌合することができない。
【0078】
したがって、トルクコンバータ保持手段14を組付完了高さ位置まで上昇させることができず、組付完了高さ位置検出センサ64は、組付未完了信号を出力する。
【0079】
制御部71は、昇降用エアシリンダ43によりリフト台42を上昇させる制御を行ったにもかかわらず、組付完了高さ位置検出センサ64から組付未完了信号が出力されている場合には、リフト台42を一旦下降させる制御を行い、トルクコンバータ保持手段14を下降させ、タービンランナ106を入力軸116から下方に離間させる。
【0080】
そして、モータドライバ74を制御し、回転モータ45により係合部44を所定回転角度だけ回転させる。回転モータ45により係合部44が回転されると、係合部44に係合しているトルクコンバータ保持手段14は、所定回転角度だけ回転してトルクコンバータ101を回転させ、入力軸116に対してタービンランナ106のスプライン穴106aの位相を変更する。
【0081】
制御部71は、係合部44を回転させてタービンランナ106のスプライン穴106aの位相を変更すると、再度、昇降用エアシリンダ43によりリフト台42を上昇させ、トルクコンバータ保持手段14を上方に移動させる。
【0082】
ここで、タービンランナ106のスプライン穴106aと入力軸116のスプライン116aの位相が一致すると、入力軸116にタービンランナ106が嵌合し、トルクコンバータ101とトルクコンバータ保持手段14は、上方に移動する。そして次に、ステータ107とステータシャフト117が接触する。ここで、ステータ107のスプライン穴107aとステータシャフト117のスプライン117aの位相が一致していない場合には、ステータ107の上にステータシャフト117が当接した状態となり、嵌合することができないので、上述のタービンランナ106と入力軸116の場合と同様に、リフト台42を一旦下降させる制御を行う。
【0083】
かかる状況で、リフト台42は、既にステータ107とステータシャフト117が当接する高さ位置まで上昇している。したがって、リフト台42の脚部48と基台41の間には、段差ブロック54の#1ステップ部54Aを挿入可能な間隙が形成されている。段差ブロック54は、スライドシリンダ53によって基台41とリフト台42の脚部48との間に介在される方向に付勢されているので、基台41とリフト台42の脚部48との間には#1ステップ部54Aが介在される。
【0084】
したがって、リフト台42を下降させると、リフト台42の脚部48が段差ブロック54の#1ステップ部54A上に載り、リフト台42の高さ位置は、#1ステップ高さ位置に停止される。よって、トルクコンバータ101は、タービンランナ106が入力軸116に嵌合しかつステータ107がステータシャフト117よりも下方に離間した高さ位置(回転可能高さ位置)に配置される。
【0085】
そして、制御部71は、ステータ107のスプライン穴107aとステータシャフト117のスプライン117aの位相を一致させるべく、回転モータ45により、トルクコンバータ保持手段14を所定回転角度だけ回転させてトルクコンバータ101を回転させる。その際、ステータ107は、ステータシャフト117よりも下方に離間しているので、ステータシャフト117に対してステータ107の位相を容易に変更できる。そして、ステータシャフト117に対するステータ107のスプライン穴107aの位相を変更してから、再びリフト台42を上昇させ、トルクコンバータ保持手段14を上方に移動させて、ステータ107とステータシャフト117との嵌合を行う。
【0086】
そして、ステータ107のスプライン穴107aとステータシャフト117のスプライン117aの位相が一致すると、ステータシャフト117にステータ107が嵌合し、トルクコンバータ101とトルクコンバータ保持手段14は、上方に移動する。そして次に、パイプシャフト部103の先端とインナーロータ118が接触する。ここで、パイプシャフト部103のトルコン爪108とインナーロータ118の切欠穴118aの位相が一致していない場合には、パイプシャフト部103の先端にインナーロータ118が当接した状態となり、そのままでは嵌合することができないので、上述のタービンランナ106と入力軸116、及びステータ107とステータシャフト117の場合と同様に、リフト台42を一旦下降させる制御を行う。
【0087】
かかる状況で、リフト台42は、既にパイプシャフト部103とインナロータ118が当接する高さ位置まで上昇している。したがって、リフト台42の脚部48と基台41の間には、段差ブロック54の#2ステップ部54Bを挿入可能な間隙が形成されている。段差ブロック54は、スライドシリンダ53によって基台41とリフト台42の脚部48との間に介在される方向に付勢されているので、基台41とリフト台42の脚部48との間には#2ステップ部54Bが介在される。
【0088】
したがって、リフト台42を下降させると、リフト台42の脚部48が段差ブロック54の#2ステップ部54B上に載り、リフト台42の高さ位置は、#2ステップ高さ位置に停止される。よって、トルクコンバータ101は、タービンランナ106と入力軸116及びステータ107とステータシャフト117がそれぞれ嵌合し、パイプシャフト部103のトルコン爪108がインナロータ118の下方に離間した高さ位置(回転可能高さ位置)に配置される。
【0089】
そして、制御部71は、パイプシャフト部103のトルコン爪108とインナロータ118の切欠穴118aの位相を一致させるべく、回転モータ45により、トルクコンバータ保持手段14を所定回転角度だけ回転させてトルクコンバータ101を回転させる。その際、トルコン爪108は、インナロータ118よりも下方に離間しているので、インナロータ118に対してトルコン爪108の位相を容易に変更できる。そして、インナロータ118に対するトルコン爪108の位相を変更してから、再びリフト台42を上昇させ、トルクコンバータ保持手段14を上方に持ち上げて、トルコン爪108と切欠穴118aとの嵌合を行う。
【0090】
トルコン爪108と切欠穴118aの位相が一致すると、パイプシャフト部103の先端がインナーロータ118に嵌合し、トルクコンバータ101とトルクコンバータ保持手段14は上方に移動し、トルクコンバータ保持手段14は組付完了高さ位置に到達する。
【0091】
このように、制御部71は、タービンランナ106と入力軸116、ステータ107とステータシャフト117、トルコン爪108とインナロータ118の各位相が一致して互いに嵌合されるまで、リフト台42の上昇、下降、係合部44の回転を順番に繰り返し行うように制御する。したがって、トルクコンバータ101をオートマチックトランスミッション本体111に完全に組み付けることができる。
【0092】
リフト台42が組付完了高さ位置まで到達すると、リフト台42の脚部48と基台41の間には、段差ブロック54の#3ステップ部54Cを挿入可能な間隙が形成され、基台41とリフト台42の脚部48との間には#3ステップ部54Cが介在される。
【0093】
したがって、リフト台42の下降により、リフト台42の脚部48が段差ブロック54の#3ステップ部54Cの上に載り、リフト台42の高さ位置は、#3ステップ高さ位置に停止される。よって、トルクコンバータ保持手段14は、組付完了高さ位置に保持される。
【0094】
トルクコンバータ保持手段14は、組付完了高さ位置に保持されると、ロック手段31によりその組付完了高さ位置に固定される。したがって、トルクコンバータ101は、オートマチックトランスミッション本体111に完全に組み付けられた状態で保持される。
【0095】
また、トルクコンバータ保持手段14が組付完了高さ位置に配置されると、組付完了高さ位置検出センサ64センサは、組付完了信号を出力する。制御部71は、組付完了高さ位置検出センサ64から組付完了信号の入力を受けた場合には、組付作業が完了したと判断し、スライドシリンダ53によりスライドプレート52を移動させて、基台41とリフト台42の脚部48との間に介在している段差ブロック54を抜き、昇降用エアシリンダ43によりリフト台42を下降させる制御を行う。
【0096】
これにより、リフト台42は下降を開始し、係合部44がトルクコンバータ保持手段14の円板部下面17cから下方に切り離され、待機高さ位置に配置される。リフト台42が待機高さ位置に配置されると、パレット停止装置61による組付ステージへの停止が解除され、パレット2は組付ステージから搬出される。組付ステージの下流工程では、オートマチックトランスミッション本体111を横倒しした状態でパレット2から外され、トルクコンバータ101がオートマチックトランスミッション本体111から抜け落ちないように、図示していない治具等によって固定され、車両組立工場等に出荷される。
【0097】
このように上述のトルクコンバータ自動組付装置1によれば、オートマチックトランスミッション本体111を倒立姿勢状態に保持し、そのオートマチックトランスミッション本体111の下方位置でトルクコンバータ101をトルクコンバータカバー104の開口穴103aが上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持し、上昇移動させてオートマチックトランスミッション本体111に組み付けるので、従来のようにトルクコンバータ101内の残留オイルが開口穴103aから下方に向かって垂れるのを防止でき、周囲の汚損を防ぐことができる。したがって、オイルパンの設置などの対策を不要とすることができる。
【0098】
また、フローティング機構を用いた従来の装置と比較して、可動部分を少なくすることができ、構造の簡素化を図り、部品点数の少数化により製造コストを低減できると共に、保守作業の容易化を図ることができる。
【0099】
特に、パレット2にトルクコンバータ101とオートマチックトランスミッション本体111を保持させて組み付け作業を行うので、両者の相対的な芯出し位置決めを容易に行うことができ、組付作業時間の安定化を図ることができる。
【0100】
更に本実施の形態では、搬送コンベア4の搬送途中位置に設定された組付ステージに組付手段3を設けているので、流れ作業によってトルクコンバータ101の組み付け作業を行うことができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0101】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るトルクコンバータ自動組付装置によれば、オートマチックトランスミッション本体を倒立姿勢状態に保持し、そのオートマチックトランスミッション本体の下方位置でトルクコンバータをトルクコンバータカバーの開口穴が上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持し、上昇移動させてオートマチックトランスミッション本体に組み付けるので、従来のようにトルクコンバータ内の残留オイルが開口穴から下方に向かって垂れるのを防止でき、周囲の汚損を防ぐことができ、オイルパンの設置などの対策を不要とすることができる。
【0103】
また、従来のようにフローティング機構を設ける必要がないので、可動部分を少なくすることができ、構造の簡素化を図り、部品点数の少数化により製造コストを低減できると共に、保守作業の容易化を図ることができる。また、トルクコンバータとオートマチックトランスミッション本体との芯出し位置決めを安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクコンバータ自動組付装置の構成を説明する図である。
【図2】パレットの拡大説明図である。
【図3】組付手段の拡大説明図である。
【図4】組付手段の制御系統を説明する説明図である。
【図5】オートマチックトランスミッションの構造を説明する図である。
【図6】トルクコンバータの組付完了状態を示す説明図である。
【図7】トルクコンバータの組付前状態を示す説明図である。
【図8】従来のトルクコンバータ自動組付装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ自動組付装置
2 パレット
3 組付手段
4 搬送コンベア
13 トランスミッション保持手段
14 トルクコンバータ保持手段
21 回転機構
26 往復移動機構
31 ロック手段
40 昇降手段
41 基台
43 昇降用エアシリンダ
44 係合部
45 回転モータ
48 脚部
49 回転手段
51 回転高さ位置停止手段
61 パレット停止装置
71 制御部(制御手段)
101 トルクコンバータ
103 パイプシャフト部
103a 開口穴
104 トルクコンバータカバー
106 タービンランナ
106a スプライン穴
107 ステータ
107a スプライン穴
108 トルコン爪
111 オートマチックトランスミッション本体
116 入力軸
116a スプライン
117 ステータシャフト
117a スプライン
118 インナロータ
118a 切欠穴

Claims (6)

  1. オートマチックトランスミッション本体の入力軸とステータシャフトをトルクコンバータカバーの開口穴から該トルクコンバータカバー内に挿入して、前記入力軸の先端部と前記ステータシャフトの先端部を前記トルクコンバータカバー内のタービンランナとステータにそれぞれ嵌合させて、トルクコンバータを前記オートマチックトランスミッション本体に組み付けるトルクコンバータ自動組付装置において、
    前記オートマチックトランスミッション本体を前記入力軸及びステータシャフトが下方に向かって突出する倒立姿勢状態に保持するトランスミッション保持手段と、
    該トランスミッション保持手段により保持した前記オートマチックトランスミッション本体の下方位置で前記トルクコンバータを前記トランスミッションの入力軸と同軸上でかつ前記トルクコンバータカバーの開口穴が上方に向かって開口する正置姿勢状態に保持するトルクコンバータ保持手段と、
    該トルクコンバータ保持手段を上下方向に往復移動させて、前記トルクコンバータを前記オートマチックトランスミッション本体に対して接近及び離間する方向に移動させる昇降手段と、
    前記トルクコンバータ保持手段を回転させて、前記トルクコンバータを前記オートマチックトランスミッション本体に対して回転させる回転手段とを有することを特徴とするトルクコンバータ自動組付装置。
  2. 前記昇降手段による上昇により前記タービンランナとステータが前記入力軸とステータシャフトにそれぞれ嵌合した組付完了高さ位置まで前記トルクコンバータ保持手段を上昇させることができたか否かを検出する組付完了高さ位置検出センサと、
    該組付完了高さ位置検出センサにより前記組付完了高さ位置まで前記トルクコンバータを上昇させることができなかったと検出した場合に、前記トルクコンバータ保持手段を一旦下降させ、予め設定された回転可能高さ位置で前記回転手段により回転させ、前記昇降手段により再び上昇させる制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ自動組付装置。
  3. 前記タービンランナが前記入力軸に嵌合しかつ前記ステータが前記ステータシャフトよりも下方に離間する回転可能高さ位置に前記トルクコンバータ保持手段を停止させる回転高さ位置停止手段を有することを特徴とする請求項2に記載のトルクコンバータ自動組付装置。
  4. 予め設定された搬送路上を搬送可能なパレットに前記トランスミッション保持手段と前記トルクコンバータ保持手段を設け、
    前記搬送路の搬送途中位置に設定された組付ステージに前記昇降手段と前記回転手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトルクコンバータ自動組付装置。
  5. 前記トルクコンバータ保持手段を前記組付完了高さ位置に固定するロック手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトルクコンバータ自動組付装置。
  6. 前記ロック手段を前記パレットに設けたことを特徴とする請求項5に記載のトルクコンバータ自動組付装置。
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