JP2004285136A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性、耐衝撃性、寸法安定性および剛性などに優れ、かつ、外観の優れた成形品が得られる可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】成分(A):(A1)ポリフェニレンエーテル、(A2)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとのブロック共重合体の水素添加物であって、数平均分子量が5万〜18万であるブロック共重合体の水素添加物との混合物に対し、さらに(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸、(A4)ラジカル発生剤を溶融状態で反応させてなる変性物10〜60重量%と、成分(B):のポリアミド40〜90重量%とからなる樹脂組成物100重量部と、成分(C):平均粒子径が8μm以下の無機フィラー5〜60重量部とからなる樹脂組成物。
【効果】上記課題が解決される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物、およびその製造方法に関する。更に詳しくは、流動性、耐衝撃性および寸法安定性、剛性などに優れ、かつ、外観に優れた成形品が得られる熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、電機機器部品、電子機器部品、自動車用部品などの製造用原料として広範囲に使用でき、特に自動車の外装部品製造用材料として有用な熱可塑性樹脂組成物、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは、成形性、耐薬品性、引張り強さ、曲げ強さ等の機械的性質に優れた代表的なエンジニアリングプラスチックスとして広く利用されているが、寸法安定性、耐熱性、耐衝撃性などの物性が劣るという欠点がある。一方、ポリフェニレンエーテルは、耐熱性、機械的物性、電気的物性などに優れているが、溶融流動性が低く加工性が劣るために成形し難いという欠点があり、また耐薬品性、耐衝撃性なども劣るという欠点がある。
【0003】
ポリアミドやポリフェニレンエーテルなどの上記欠点を同時に解消する手法として、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ゴム様物質、分子内に▲1▼炭素―炭素二重結合、または、炭素―炭素三重結合、および、▲2▼カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基などを同時に有する化合物からなり、相分離もなく、耐薬品性や耐衝撃性に優れた樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ゴム様物質の配合量を一定にして、耐衝撃性を向上させる手法として、ミクロ分散形態{連続相(マトリックス相)−不連続相(ドメイン層)構造}を示す樹脂組成物において不連続相となる分散粒子を、微細化する方法がある。例えば、変性ポリフェニレンエーテル(A)、ポリアミド(B)、水素化ブロック化共重合体系エラストマー(C)(ゴム様物質)からなる樹脂組成物であって、樹脂組成物中に分散した(A)成分の分散相の直径が0.6μm以下と微細で、変性ポリフェニレンエーテルと変性水素化ブロック化共重合体系エラストマーとポリアミドとを溶融混練することにより得られた耐衝撃性ポリアミド組成物が提案されている(特許文献2)。
【0005】
さらに、ポリアミド(a)中にポリフェニレンエーテル(b)が一次分散相として存在し、(b)中にアルケニル芳香族重合体と共役ジエン重合体の水素化ブロック共重合体(c) (ゴム様物質)が二次分散相を形成し、(c)の平均粒子径が0.01〜5μの範囲であり、(c)と(b)の溶融粘度比(ηc/ηb)が0.01〜10の範囲にある耐衝撃性に優れた樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。
【0006】
しかしながら、分散粒径を微細化することにより耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られるが、得られる成形品の寸法安定性(線膨張係数)は依然として改良されない。例えば、樹脂組成物から得られる成形品を金属部品と組み合わせて使用する場合には、樹脂製成形品の線膨張係数が金属部品のものより大きすぎて、高温環境下では寸法差や噛み合い不良といった不具合を生じる欠点があった。
【0007】
さらに、樹脂製成形品表面に塗料を塗装し、この樹脂製成形品を高温環境下で使用する場合には、塗料と樹脂材料との熱膨張率(または線膨張係数)が異なるために、成形品表面の塗装膜が剥離したり、塗装面に微細な亀裂が生じたりして、外観や意匠性が悪化するという欠点があった。特に、成形品がフェンダー、ドアパネル、ボンネット、ルーフパネルなどの自動車外装品の場合には、軽量化やデザインの自由度、モジュールアッセンブリー化が可能な観点から、従来は金属製であった部品の樹脂化が進んでおり、これら自動車外装品成形用樹脂材料には、高い水準の耐衝撃性、寸法安定性(線膨張係数)、剛性、流動性、成形品の外観などが要求されるようになってきた。
【0008】
一般に、寸法安定性や剛性を改良するには、樹脂組成物中に無機フィラーを配合する(または含有させる)手法が採用されているが、無機フィラーを含有させると耐衝撃性が著しく低下し、得られる成形品外観も悪化するため、その用途は著しく限定されていた。また、無機フィラーを配合した樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる目的で、ゴム様物質の配合量を増やすと、寸法安定性や剛性が大きく低下するので、耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスを向上させる必要があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、ゴム様物質がポリアミド中でネットワーク状に分散し、ゴム様物質がポリアミドとポリフェニレンエーテルの界面に存在した耐衝撃性と寸法安定性のバランスに優れた組成物および無機フィラーがポリアミド中に存在し、耐衝撃性と寸法安定性、剛性に優れた樹脂組成物を提案した(特許文献4、特許文献5)。しかし、これらの技術では、耐衝撃性と寸法安定性に優れるものの、ゴム様物質がネットワーク状に分散するために流動性が犠牲になり、剛性も不足するので、用途が限定されることがわかった。
【0010】
さらに、前記欠点を改良するのに、ポリアミド中にゴム様物質が分散相として存在し、ゴム様物質中にポリフェニレンエーテルが存在し、無機フィラーが主にポリアミド中に存在する樹脂組成物を提案した(特許文献6)。しかし、前記技術では耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスは必ずしも十分に満足できるものではなく、これら物性のバランスを向上させようとすると、成形品の外観が低下することがわかった。
【0011】
【特許文献1】
特開昭56−49753号公報
【特許文献2】
特許第2557637号公報
【特許文献3】
特許第2798722号公報
【特許文献4】
特開平7−18187号公報
【特許文献5】
特開平7−18188号公報
【特許文献6】
特開2002−105343号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記従来技術に存在する諸欠点を解消し、良好な耐薬品性、耐熱性を発揮し、特に、金属部品と組み合わせて使用しても不具合を生じないように線膨張係数を低くして寸法安定性を改善し、かつ耐衝撃性、剛性、流動性、外観に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的として、鋭意検討した結果本発明を完成するに到ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明では、成分(A):(A1)ポリフェニレンエーテル5〜55重量%、(A2)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとのブロック共重合体の水素添加物であって、数平均分子量が50,000〜180,000である45〜95重量%との混合物100重量部に対し、(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸0.1〜5重量部、(A4)ラジカル発生剤:0.03〜3重量部を溶融状態で反応させてなる変性物10〜60重量%、および、
成分(B):98%の濃硫酸中、温度23℃で測定した相対粘度が2.1以上のポリアミド40〜90重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、
成分(C):平均粒子径が8μm以下の無機フィラー5〜60重量部が配合されてなる、ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)成分(A):
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物と略称することがある)おいて成分(A)とは、(A1)ポリフェニレンエーテル{以下、単に(A1) と略称することがある}、(A2)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとのブロック共重合体水素添加物{以下、単に(A2) と略称することがある}、(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸{以下、単に(A3) と略称することがある}、および、(A4)ラジカル発生剤{以下、単に(A4) と略称することがある}の各成分を、溶融状態で反応させて得られた変性物を意味する。
【0015】
本発明において(A1)ポリフェニレンエーテルは、下記一般式 [I]で表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよい。
【0016】
【化1】
Figure 2004285136
【0017】
具体的な(A1)ポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2、6−ジエチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2、6−ジプロピル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル、6−エチル−1、4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル、6−プロピル−1、4−フェニレン)エ−テルなどが挙げられる。中でも、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレン)エ−テルが好ましい。好ましい(A1)ポリフェニレンエーテルは、クロロホルム中、温度30℃で測定したの固有粘度が0.3〜0.5dl/gのものである。固有粘度が0.3dl/g未満では、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性が不足し、0.5dl/gを超えると最終的に得られる樹脂組成物の成形加工性が悪化し、成形品の外観も悪くなり、いずれも好ましくない。
【0018】
本発明において(A2)のブロック共重合体の水素添加物とは、ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとのブロック共重合弾性体であって、水素添加されてブロックBの脂肪族不飽和基が減少した水素添加ブロック共重合体を意味する。ブロックAおよびブロックBの配列は、線状構造、分岐構造(ラジカルテレブロック)などいずれの構造であってもよい。また、これらの構造のうちで、一部にビニル芳香族化合物と共役ジエン系化合物とのランダム共重合部分に由来するランダム鎖を含んでいてもよい。これら構造のうちでは、線状構造のものが好ましく、A−B−A型のトリブロック構造のものが特に好ましく、ジブロック構造のものを含んでいてもよい。
【0019】
(A2)ブロック共重合体の水素添加物のビニル芳香族化合物は、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどであり、更に好ましくは、スチレンである。共役ジエン系化合物は、好ましくは1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンである。(A2)ブロック共重合体の水素添加物におけるビニル芳香族化合物に由来する繰り返し単位の占める割合は、10〜70重量%の範囲が好ましく、10〜40重量%の範囲がより好ましい。ブロック共重合体における脂肪族鎖部分のうち、共役ジエン系化合物に由来し、水素添加されずに残存している不飽和結合の割合は、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。また、ビニル芳香族化合物に由来する芳香族性不飽和結合は、その約25%以下が水素添加されていてもよい。
【0020】
これらの(A2)水素添加ブロック共重合体の水素添加物の数平均分子量は、50,000〜180,000の範囲のものとする。数平均分子量が50,000未満であると、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性と寸法安定性、この樹脂組成物から得られる成形品の外観が劣り、また180,000を超えると、最終的に得られる樹脂組成物の流動性(成形加工性)が劣り、いずれも好ましくない。数平均分子量のより好ましい範囲は、55,000〜160,000であり、中でもとりわけ好ましいのは60,000〜140,000である。
【0021】
本発明において(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、およびこれらの酸が挙げられる。中でも特に好ましいのは、無水マレイン酸および/またはマレイン酸である。これらの不飽和酸無水物および/または不飽和酸は、一種でも二種以上であってもよい。
【0022】
本発明において(A4)ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物などを挙げることができる。有機過酸化物の具体例として、(イ)ハイドロパーオキサイド類;例えばt−ブチル−ハイドロパーオキサイド、キュメン−ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル−ハイドロパーオキサイド、p−メンタン−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなど、(ロ)ジ−アルキルパーオキサイド類、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチル−パーオキサイド、t−ブチル−キュミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−キュミルパーオキサイドなど、(ハ)パーオキシケタール類、例えば2,2−ビス−t−ブチルパーオキシ−ブタン、2,2−ビス−t−ブチル−パーオキシ−オクタン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど、(ニ)パーオキシエステル類;例えばジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシ−ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレートなど、(ホ)ジアシルパーオキサイド類、例えばベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0023】
また、アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などが挙げられる。その他のラジカル発生剤として、ジクミルパーオキサイドを挙げることができる。これらのラジカル発生剤のうちでも特に好ましいのは、10時間での半減期温度が120℃以上のラジカル発生剤である。
【0024】
成分(A)は、上記(A1)、(A2)、(A3)および(A4)を所定量秤量し、溶融状態で反応させることによって得ることができる。成分(A)を構成する各成分の割合は、(A1)5〜55重量%と(A2)45〜95重量%とより構成される樹脂成分100重量部に対し、(A3)を0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜4重量部とし、(A4)を0.03〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部とする。成分(A)中で(A1)が55重量部を越えると、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性、寸法安定性が低下する。
【0025】
また、成分(A)を調整する際に、(A3)と(A4)とを併用しないと、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、この樹脂組成物から得られる成形品の寸法安定性も低下する。また、(A3)が5重量部を超えたり、(A4)が3重量部を超えたりすると、成形時の熱安定性が低下し、成形品の外観不良が発生し易く、好ましくない。
【0026】
溶融状態で反応させる具体的方法としては、溶融状態で混合し反応させる方法が挙げられる。溶融状態で混合し反応させるには、熱可塑性樹脂について一般に実用化されている溶融混練機を使用することができる。溶融混練機で溶融させている間に、変性反応が起こる。溶融混練機としては、例えば、一軸または多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサーなどが挙げられる。
【0027】
混練押出機を使用する方法によるときは、例えば、(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の各成分を予めブレンダーなどで混合し、得られた混合物を混練押出機の上流部側で一括投入(フィード)し、溶融状態で反応させる方法が好適である。なお、成分(A)を得る方法は、上記各成分を同時に溶融状態で反応させて変性物を用いた場合のみ、耐衝撃性、寸法安定性、剛性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0028】
(2)成分(B):
本発明において成分(B)のポリアミドは、主鎖に−CONH−結合を有し、加熱することにより溶融するものをいう。その代表的なものとしては、ポリアミド−4、ポリアミド−6、ポリアミド−6・6、ポリアミド−4・6、ポリアミド−12、ポリアミド−6・10、その他従来から知られている芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸などの単量体成分を含む結晶性または非晶性のポリアミドが挙げられる。好ましいポリアミドは、ポリアミド−6、ポリアミド−6・6、半芳香族ポリアミドであり、これらと非晶性ポリアミドとを混合したものであってもよい。
【0029】
成分(B)のポリアミドは、98重量%の濃硫酸中、温度25℃で測定した相対粘度が2.1以上であり、好ましくは2.1〜3.5である。相対粘度が2.1未満であると、最終的に得られる樹脂組成物の剛性、寸法安定性、耐衝撃性、外観などが劣り、3.5を超えると最終的に得られる樹脂組成物の成形性が低下し、この樹脂組成物から得られる成形品の外観も低下するので、いずれも好ましくない。また、ポリアミドは、その末端カルボン酸含量が100μeq/g以下のものが好ましく、末端カルボン酸と末端アミンの比(末端カルボン酸/末端アミン)が、0.8〜4の範囲のものが好ましい。
【0030】
(3)成分(C):
本発明において成分(C)の無機フィラーは、無機系の粉末をいう。粉末の形態は、球状、立方形状、粒状、針状、板状、繊維状などいずれであってもよい。これら粉末の平均粒子径は、8μm以下のものとする。平均粒子径が8μmであると、樹脂組成物から得られる成形品の外観が悪化するので好ましくない。ここで平均粒子径とは、X線透過による液相沈降方式で測定されたD50をいう。このような測定ができる装置としては、Sedigraph粒子径分析器(Micromeritics Instruments社製、モデル5100)を挙げることができる。
【0031】
成分(C)の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄、アルミナ、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸酸カルシウム(ウォラストナイト)、クレー、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラス繊維、けい砂、けい石、石英粉、しらす、けいそう土、ホワイトカーボン、鉄粉、アルミニウム粉などが挙げられる。これら無機フィラーは一種でも、二種類以上を併用することもできる。
【0032】
これらの中で、最終的に得られる樹脂組成物の寸法安定性、剛性を向上させ、良好な外観のものを得るためには、平均粒子径が5μm〜0.1μmの板状、針状、繊維状のものが好ましく、これら無機フィラーの中で特に好ましいのは珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)であり、さらに好ましくは平均粒子径が3.5μm〜0.2μmの珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)である。
【0033】
本発明において珪酸マグネシウム(タルク)とは、化学組成が含水ケイ酸マグネシウムを意味し、通常SiOを58〜66重量%、MgOを28〜35重量%、HOを約5重量%含んでいる。その他少量成分としてFeが0.03〜1.2重量%、Alが0.05〜1.5重量%、CaOが0.05〜1.2重量%、KOが0.2重量%以下、NaOが0.2重量%以下等、含有しており比重は約2.7である。
【0034】
本発明において珪酸カルシウム(ウォラストナイト)とは、針状結晶をもつ天然白色鉱物であり、化学式はCaSiOで表され、通常SiOが50重量%、CaOが47重量%、その他FeO、Alなどを含有しており、比重は2.9である。このような珪酸カルシウムを主成分とする繊維状無機フィラーは、通常ウォラストナイトといわれているものである。川鉄鉱業からPH330、PH450として、ナイコ社からナイグロス4、ナイグロス5として市販されているものであり、平均アスペクト比が3以上のものが好ましい。
【0035】
上記無機フィラーは、無処理のままであってもよいが、樹脂成分との親和性または界面結合力を高める目的で、無機表面処理剤、高級脂肪酸またはそのエステル塩などの誘導体、カップリング剤などで処理したものが好ましい。表面処理する際には、非イオン・陽イオン・陰イオン型などの各種の界面活性剤や、各種の樹脂などの分散剤による処理を併せて行うと、機械的強度および混練性の向上の観点から好ましい。
【0036】
(4)その他の成分:
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、少なくとも上記の成分を含有するが、これら成分の外に他の各種樹脂添加剤を配合する(含有させる)ことができる。各種樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、耐侯性改良剤、造核剤、発泡剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、滑剤、可塑剤、流動性改良剤、染料、顔料、有機充填剤、補強剤、導電剤、分散剤などが挙げられる。なお、液晶ポリマーを配合する(含有させる)、剛性、耐熱性、寸法精度などの向上に有効である。
【0037】
(5)各成分の配合割合と配合方法:
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも、成分(A)10〜60重量%と成分(B)40〜90重量%からなり、また、成分(A)と成分(B)とよりなる樹脂成分合計100重量部に対し、さらに成分(C)を5〜60重量部の割合で配合した(含有させた)ものである。成分(A)と成分(B)との樹脂成分の割合において、成分(A)が10重量%未満では、最終的に得られる樹脂組成物の耐衝撃性や寸法安定性が劣り、60重量%を越えると、耐衝撃性や寸法安定性が低下し、さらに流動性も低下し、いずれも好ましくない。また、成分(A)と成分(B)とより構成される樹脂成分合計100重量部に対し、成分(C)の配合率が5重量部未満では、最終的に得られる樹脂組成物の剛性や寸法安定性の改善効果が小さく、60重量部を越えると耐衝撃性が低下し、いずれも好ましくない。
【0038】
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物を製造するには、溶融混合法によるのが好ましい。溶融混合法の代表的な方法として、熱可塑性樹脂について一般に実用化されている溶融混練機を使用する方法が挙げられる。溶融混練機としては、前記した成分(A)を製造する際に使用できる溶融混練機が挙げられる。
【0039】
混練押出機を使用する方法としては、▲1▼(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の各成分を予め混合して、混練押出機の上流部分に一括投入(フィード)し、溶融状態で反応させて成分(A)を得た後、続いて混練押出機の中流部分で成分(B)を投入(フィード)し、成分(A)と成分(B)を溶融反応させ、さらに下流部分から成分(C)を溶融混合し、熱可塑性樹脂組成物のペレットとする方法がある。▲2▼予め調製した成分(A)のペレットと成分(B)のペレットとを混合して混練押出機に投入し、成分(A)と成分(B)とを溶融反応させ、押出機下流部分から成分(C)を投入(フィード)して溶融混合し、熱可塑性樹脂組成物のペレットとする方法、▲3▼予め調製した成分(A)のペレットと成分(B)のペレットとを混合して混練押出機に投入し、成分(A)と成分(B)とを溶融反応させ、ペレット化したものと成分(C)とを混合し、混練押出機に投入し溶融混合して熱可塑性樹脂組成物のペレットとする方法、▲4▼成分(A)、成分(B)および成分(C)を配合し溶融混合する方法、などが挙げられる。
【0040】
中でも、まず、予め成分(A)と成分(B)とを溶融反応させ、ついで、成分(C)を配合し溶融混合する、上記▲1▼〜▲3▼の方法が好ましい。このように、成分(A)と成分(B)とを溶融反応させた後、成分(C)を溶融混合することにより、耐衝撃性、寸法安定性(線膨張係数)、剛性、外観に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0041】
(6)熱可塑性樹脂組成物の用途:
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち射出成形法、中空成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などを採用することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、電機機器部品、電子機器部品、自動車部品などの製造用原料として広範囲の分野に利用でき、特に自動車外装部品製造用原料として有用である。
【0042】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって、詳しく説明するが、本発明はこれらの範囲内に限定されるものではない。実施例および比較例において使用した原材料は、次のような物性・特性を有するものである。なお、以下の実施例、比較例において配合量は重量部を意味する。
【0043】
成分(A):
(A1)PPE―1:ポリフェニレンエーテル(三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルであって、クロロホルム中、温度30℃で測定した固有粘度が0.40dl/gのもの)である。
(A1)PPE―2:ポリフェニレンエーテル(三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルであって、クロロホルム中、温度30℃で測定した固有粘度が0.46dl/gのもの)である。
【0044】
(A2)SEBS―1:スチレン含有量29重量%、数平均分子量80,000であって、A−B−A型のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製、商品名:クレイトンG1650)である。
(A2)SEBS−2:スチレン含有量33重量%、数平均分子量200,000であって、A−B−A型のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製、商品名:クレイトンG1651)である。
(A2)SEBS−3:スチレン含有量29重量%、数平均分子量49,000であって、A−B−A型のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製、商品名:クレイトンG1652)である。
【0045】
(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸:無水マレイン酸(三菱化学社製、商品名:無水マレイン酸)
(A4) パーカドックス14:1、3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックス14、半減期の10時間後の分解温度が121℃)である。
【0046】
成分(B)( ポリアミド):
(B−1):ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッド1010J、98%の濃硫酸中、温度23℃で測定した相対粘度2.5dl/g、末端カルボン酸/末端アミン比2.6)である。
(B−2):ポリアミド6(カネボウ社製、商品名:カネボウナイロンMC100L、98%の濃硫酸中、温度23℃で測定した相対粘度2.2dl/g、末端カルボン酸/末端アミン比2.3)である。
(B−3):ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッド1005J、98%の濃硫酸中、温度23℃で測定した相対粘度2.0dl/g、末端カルボン酸/末端アミン比4.9)である。
【0047】
成分(C)(無機フィラー):
(C−1):珪酸マグネシウム(タルク)(松村産業製、商品名:ハイフィラー#5000PJ、平均粒子径:1.8μm)である。
(C−2):珪酸カルシウム(ウォラストナイト)(川鉄鉱業製、商品名:PH450、平均粒子径:3.8μm)である。
(C−3):珪酸カルシウム(ウォラストナイト)(川鉄鉱業製、商品名:KH15、平均粒子径:9.8μm)である。
【0048】
[成分(A)の調整]
上記(A1)、(A2)、(A3)、(A4)の各成分を、表―1に示す割合で秤量し、ヘンシェルミキサーによって均一に混合した後、二軸押出機(スクリュー直径30mm、L/D=42)を使用して、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数400rpmの条件下で溶融し反応させ、ペレット化して成分(A−1)〜(A−7)を得た。
【0049】
【表1】
Figure 2004285136
【0050】
[試験片の作製]
樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械社製、形式:IS150)を使用し、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で成形して、ASTM試験片、および直径100mm×厚さ3mmの円盤状試験片を作成した。
【0051】
[評価方法]
(1)流動性(MFR):JIS K7210に準拠し、温度280℃、荷重5kgの条件で測定した。
(2)曲げ弾性率:ASTM D790に準拠して測定した。
(3)耐衝撃性(アイゾット衝撃強度):ASTM D256に準拠し、厚さが3.2mm、ノッチ付きの試験片で測定した。
(4)寸法安定性(線膨張係数):ASTM D696に準拠して線膨張係数を測定した。ただし、測定温度範囲は23〜80℃とした。
(5)外観:円盤状成形品の表面外観を目視観察し、蛍光灯の像が極めてくっきりと写るものを◎、蛍光灯の像がくっきりと写るものを○、少し揺らいで写るものを△、揺らいで写るものを×として評価した。
【0052】
[実施例1、実施例2および比較例1〜比較例3]
表―2および表―3に示す割合で、成分(A)と成分(B)とを秤量し、タンブラーミキサーによって均一に混合した。この混合物を、二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を使用し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、二軸押出機のバレル1に投入(フィード)し溶融反応させ、さらに二軸押出機のバレル5より成分(C)を投入(フィード)し、溶融混合させて樹脂組成物を作成した。得られた樹脂組成物から前記したように射出成形法で試験片を作成し、得られた試験片につき前記した方法で種々の物性を測定し、測定結果を表―2および表―3に示した。
【0053】
[実施例3および比較例4]
実施例1に記載の例において、PPE/SEBSの重量比を変えた外は、同例におけると同様にして樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物につき、実施例1におけると同様の手順で試験片を作成して物性を測定し、測定結果を表―2および表―3に示した。
【0054】
[実施例4および比較例5]
実施例1に記載の例において、成分(B)のポリアミドを相対粘度が異なるものに変えた外は、同例におけると同様にして樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物につき、実施例1におけると同様の手順で試験片を作成して物性を測定し、測定結果を表―2および表―3に示した。
【0055】
[実施例5および比較例6]
実施例1に記載の例において、成分(C)の種類を変えた外は、同例におけると同様にして樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物につき、実施例1におけると同様の手順で試験片を作成して物性を測定し、測定結果を表―2および表―3に示した。
【0056】
[実施例6]
実施例1に記載の例において、成分(A)と成分(B)の重量比を変えた外は、同例におけると同様にして樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物につき、実施例1におけると同様の手順で試験片を作成して物性を測定し、測定結果を表―2に示した。
【0057】
[実施例7]
表―2に示す割合で、成分(A)、成分(B)および成分(C)を秤量し、タンブラーミキサーによって均一に混合した。この混合物を、二軸押出機(実施例1で使用したものに同じ)を使用し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、二軸押出機のバレル1に投入(フィード)し溶融反応・混合させ、させて樹脂組成物を作成した。得られた樹脂組成物につき、実施例1におけると同様の手順で試験片を作成して物性を測定し、測定結果を表―2に示した。
【0058】
【表2】
Figure 2004285136
【0059】
【表3】
Figure 2004285136
【0060】
表―1ないし表―3より、次のことが分かる。
(1) 実施例1、実施例2の樹脂組成物は、耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスに優れている。 これに対して、(A4)のラジカル発生剤(パーカドックス14)を配合しなかった比較例1の樹脂組成物は、実施例1のものに比べて、耐衝撃性、寸法安定性、剛性に劣る。
(2)
(A2)として分子量が請求項1で規定する上限を超えるSEBS−2を使用した比較例2の樹脂組成物は、実施例1のものに比べて、流動性、耐衝撃性、寸法安定性、剛性に劣る。(A2)として分子量が請求項1で規定する下限に満たないSEBS−3を使用した比較例3の樹脂組成物は、流動性、耐衝撃性は優れるものの寸法安定性、剛性に劣る。
【0061】
(3) 成分(A)として(A1)PPEと(A2)SEBSとの配合割合を50対50とした(A−6)を使用した実施例3の樹脂組成物は、耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスに優れている。これに対し、(A1)PPEと(A2)SEBSとの重量比を70対30とした(A−4)を使用した比較例2は、耐衝撃性および寸法安定性に劣る。
(4) 成分(B)ポリアミドとして相対粘度が請求項1で規定する範囲内2.2のものを配合した実施例4の樹脂組成物は、耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスに優れているのに対し、相対粘度が請求項1で規定する範囲外の2.0のものを配合した比較例5の樹脂組成物は、耐衝撃性、寸法安定性、剛性に劣る。
(5) 実施例5および実施例6の樹脂組成物は、耐衝撃性と寸法安定性、剛性、外観のバランスに優れているのに対し、成分(C)の平均粒子径が、請求項1で規定する8μmを超えるものを配合した比較例6の樹脂組成物は、耐衝撃性と寸法安定性、剛性のバランスは良好であるが、成形品の外観が極端に劣る。
【0062】
【発明の効果】
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、溶融流動性が高く加工性が優れて成形し易い。
2.本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、寸法安定性および剛性に優れ、かつ、これらの物性が好ましくバランスしている。
3.本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、寸法安定性に優れているので、
金属部品と組み合わせて使用しても、寸法差や噛み合い不良などの不具合が生じ難い。
4.本発明に係る熱可塑性樹脂組成物からは、表面外観、塗装密着性などに優れた成形品を製造することができるので、電機機器部品、電子機器部品、自動車部品製造用材料、特に自動車外装部品用材料として、広範囲の分野に利用できる。

Claims (9)

  1. 成分(A):(A1)ポリフェニレンエーテル5〜55重量%、(A2)ビニル芳香族化合物重合体ブロックAと共役ジエン系化合物重合体ブロックBとのブロック共重合体の水素添加物であって、数平均分子量が50,000〜180,000であるブロック共重合体の水素添加物45〜95重量%との混合物100重量部に対し、(A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸0.1〜5重量部、(A4)ラジカル発生剤:0.03〜3重量部を溶融状態で反応させてなる変性物10〜60重量%、および、
    成分(B):98%の濃硫酸中、温度23℃で測定した相対粘度が2.1以上のポリアミド40〜90重量%、からなる樹脂組成物100重量部に対し、
    成分(C):平均粒子径が8μm以下の無機フィラー5〜60重量部が配合されてなる、ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (A1)ポリフェニレンエーテルの固有粘度が、0.3〜0.5dl/gである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (A2)ブロック共重合体の水素添加物が、A−B−A型のブロック共重合体の水素添加物である、請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A2)ブロック共重合体の水素添加物が、ビニル芳香族化合物重合体の占める割合が15〜40重量%のブロック共重合体の水素添加物である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A3)不飽和酸無水物および/または不飽和酸が、無水マレイン酸および/またはマレイン酸である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. (A4)ラジカル発生剤が、10時間での半減期温度が120℃以上のラジカル発生剤である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 成分(B)が、末端カルボン酸と末端アミンの比(末端カルボン酸/末端アミン)が0.8〜4のポリアミドである、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 成分(C)が、板状無機フィラー、針状無機フィラー、繊維状無機フィラーから選ばれる少なくとも一種である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 成分(C)が、珪酸マグネシウム(タルク)、および/または、珪酸カルシウム(ウォラストナイト)である、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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