JP2004284870A - 窒化物単結晶の製造方法およびその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇華法により窒化物単結晶を製造する際に、得られる単結晶に欠陥がなく、良質で、大口径の単結晶が効率よく製造できるようにすることにある。
【解決手段】昇華法により種結晶7上に窒化物単結晶を成長させる製造方法において、種結晶7の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶7に昇華ガスが接しないようにする。具体的には、種結晶7を覆うプランジャー10を設けて、種結晶7の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶7に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はプランジャー10を退避させて種結晶に昇華ガスが接するようにする。あるいは、種結晶を覆うシャッターを設け、種結晶の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はシャッターを開いて種結晶に昇華ガスが接するようにする。
【選択図】図1
【解決手段】昇華法により種結晶7上に窒化物単結晶を成長させる製造方法において、種結晶7の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶7に昇華ガスが接しないようにする。具体的には、種結晶7を覆うプランジャー10を設けて、種結晶7の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶7に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はプランジャー10を退避させて種結晶に昇華ガスが接するようにする。あるいは、種結晶を覆うシャッターを設け、種結晶の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はシャッターを開いて種結晶に昇華ガスが接するようにする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などのIII族元素の窒化物の単結晶を製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
III族元素の窒化物のうち、窒化アルミニウムは、熱伝導率が高く、窒化ガリウムと格子整合することから、GaN系半導体デバイス用基板として期待されている。
従来、この種の窒化物単結晶の製造方法としては、いくつかの方法が知られているが、なかでも昇華法が有望視されている。
【0003】
図8は、この昇華法による従来の窒化物単結晶の製造装置を示すもので、図中符号1は加熱炉を示す。この加熱炉1は、誘導加熱コイル2と、加熱炉本体3を備え、加熱炉本体3内には容器状の黒鉛るつぼ4が設けられている。この加熱炉1の底部には、雰囲気ガスの流入口5が形成され、加熱炉1の上部には雰囲気ガスの排出口6が形成されている。
【0004】
また、この加熱炉1の上部には、種結晶7が貼り付けられた黒鉛などからなる板状のサセプター8が固定されている。
そして、黒鉛るつぼ4の底部に原料9となる窒化物の粉末や焼結体などを配置する。ついで、加熱炉1内を真空排気した後、底部の雰囲気ガスの流入口5から窒素等の雰囲気ガスを導入する。誘導加熱コイル2を動作させて、黒鉛るつぼ4内の原料9となる窒化物粉末や焼結体およびサセプター8、種結晶7を加熱する。また、加熱炉1上部の排出口6から加熱炉1内の雰囲気ガスを排気する。
【0005】
この加熱により、るつぼ4の底部の原料9の窒化物粉末などが溶融、昇華し、昇華ガスが種結晶7の表面に付着し、結晶成長する。この際、種結晶7での結晶成長の結晶化速度を制御するため、種結晶7の温度と原料9から昇華する昇華ガスの昇華速度をそれぞれ最適化することが行われている。例えば、AlN単結晶の成長の場合では、るつぼ4内の原料9の温度(以下、目標温度と言う。)は2000〜2100℃とされ、種結晶7の表面の温度(以下、結晶成長最適温度と言う。)は1990〜2050℃に制御される。
【0006】
ところで、このような昇華法による結晶成長時においては、加熱誘導コイル2に通電して加熱炉1内部の温度を上昇させて行く過程では、当然種結晶7の表面温度が前述の結晶成長最適温度に一挙になるわけではなく、徐々に低温からこの最適温度に近づいてゆく。また、黒鉛るつぼ4内の原料9の温度も同様であり、徐々に目標温度に近づいてゆく。
【0007】
るつぼ4内の原料9の温度が目標温度に近い温度であっても、るつぼ4からは昇華ガスが昇華し、この昇華ガスが結晶成長最適温度未満の種結晶7の表面に付着し、結晶核が多数発生する。この結晶核の成長は、昇華ガス中の窒化物成分の過飽和状態でのものであることから、結晶核の結晶性が悪いものとなる。
やがて、種結晶7の表面温度が結晶成長最適温度に至って、本格的に結晶成長が進行するときに、先に低温域で形成された結晶性の劣る結晶核が副粒界となり、後からこれら結晶核から成長する単結晶に欠陥が導入され、その結晶性が悪くなると言う欠点があった。
窒化アルミニウムなどの窒化物単結晶の製造方法に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−053495号公報
【非特許文献1】
Glen A.Slack and T.F.Mcnelly,Journal of Crystal Growth,34(1976)263−279
【非特許文献2】
R.Schlesser and Z.Sitar,Journal ofCrystal Growth,234(2002)349
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、昇華法により窒化物単結晶を製造する際に、得られる単結晶に欠陥がなく、良質で、大口径の単結晶が効率よく製造できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造方法において、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにすることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、種結晶を覆うプランジャーを設けて、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、単結晶成長最適温度になった後はプランジャーを退避させて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、種結晶を覆うシャッターを設け、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、単結晶成長最適温度になった後はシャッターを開いて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うプランジャーを上下動可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置である。
請求項5にかかる発明は、プランジャーの遮蔽板に種結晶を収容できる大きさの凹部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の窒化物単結晶の製造装置である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うシャッターを開閉動可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示すもので、図8に示した装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図1に示した例の製造装置にあっては、種結晶7の表面を覆うプランジャー10が加熱炉1内に設けられている点が、図8に示した従来の製造装置と異なるところである。
このプランジャー10は、黒鉛などの耐熱性材料からなる遮蔽板11と、これを支持する支持棒12と、この支持棒12を上下方向に移動させる駆動部(図示せず)とからなるものである。
【0017】
上記遮蔽板11は、種結晶7の表面を覆うもので、種結晶7の平面形状と相似の形状で、それよりも1mm以上寸法が大きくなっている板状のものである。また、支持棒12は、遮蔽板11のほぼ中央に固定され、加熱炉本体3の底部を貫通している。駆動部は、この支持棒12を上下方向に往復動させるもので、加熱炉1外に設置されている。また、遮蔽板11は、通常種結晶7の表面から1mm以内の位置に配されるようになっている。
【0018】
この例の製造装置を用いて、種結晶7上に単結晶を成長させるには、常法により加熱炉1を加熱してゆき、種結晶7の温度がその結晶成長最適温度に達すると、図2に示すように、駆動部を動作させ、遮蔽板11および支持棒12を下方に降下させる。これにより種結晶7の表面が露出し、るつぼ4から昇華した昇華ガスが種結晶7の表面に接し、ここで結晶成長最適温度の条件下で結晶成長がなされる。
【0019】
図3は、図1に示したプランジャー10の変形例を示すもので、図2に示した製造装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。この例では、プランジャー10の遮蔽板11の外観が逆傘状となっているものである。遮蔽板12の表面は平坦な表面となっており、種結晶7の表面を覆い隠すことができるようになっている。
この例の製造装置においても、種結晶7の温度が結晶成長最適温度に達したら、プランジャー10が下方に降下して、種結晶7の表面に昇華ガスが接するようになっている。
【0020】
図4および図5は、プランジャー10の他の変形例をそれぞれ示すものである。これらの例では、遮蔽板11の種結晶7側の表面に凹部13が形成されている。この凹部13は、その平面形状が種結晶7の表面形状と相似で、これよりもわずかに大きな平面寸法を有し、種結晶7の厚さよりもわずかに大きな深さを有しており、図示のように種結晶7を完全に覆い隠すようになっている。
【0021】
このように凹部13を形成した遮蔽板11では、種結晶7の表面以外に側面も完全に覆われ、種結晶7と遮蔽板11との隙間に昇華ガスが流入することがなく、種結晶7がその結晶成長最適温度以前に昇華ガスに接することがより完全に防止される。
【0022】
図6および図7は、この発明の単結晶の製造装置の他の例を示すもので、図8に示した従来の製造装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。この例では、種結晶7を覆うシャッター14が設けられている。
【0023】
このシャッター14は、種結晶7の表面を覆う黒鉛などの耐熱性材料からなるシャッター板15と、このシャッター板15を支持する支持棒16と、この支持棒16を水平面内で種結晶7の側方に往復動させる駆動部(図示せず)とからなるものである。
【0024】
上記シャッター板15は、種結晶7の表面を完全に覆うもので、種結晶7の平面形状と相似の形状で、それよりも1mm以上寸法が大きくなっている板状のものである。また、支持棒16は、シャッター板15の端部に固定され、加熱炉本体3の側部を貫通している。駆動部は、この支持棒16を水平面内で種結晶7の側方に往復動させるもので、加熱炉1外に設置されている。
また、シャッター板15は、通常種結晶7の表面から1mm以内の位置に配されるようになっている。
【0025】
この例の製造装置を用いて、種結晶7に単結晶を成長させるには、常法により加熱炉1を加熱してゆき、種結晶7の温度がその結晶成長最適温度に達すると、図7に示すように、駆動部を動作させ、シャッター板15および支持棒16を側方に移動、退避させる。これにより種結晶7の表面が露出し、るつぼ4から昇華した昇華ガスが種結晶7の表面に接し、ここで結晶成長最適温度下で結晶成長がなされる。
【0026】
このような単結晶の製造装置を用いることにより、種結晶7の温度が結晶成長最適温度に達する前には、種結晶7にるつぼ4から昇華してきた昇華ガスが接することがなくなり、結晶性に劣る結晶核が結晶成長最適温度未満の温度状態の種結晶7の表面に生成することがなくなる。このため、結晶成長最適温度に達した時点では、種結晶7の表面には結晶性の劣る結晶核が存在しておらず、結晶性の高い単結晶が成長してゆく。よって、結晶欠陥が少ない高品質のAlN単結晶などの窒化物単結晶を製造することができる。
【0027】
また、本発明では、窒化アルミニウムに限られず、これ以外の窒化物単結晶の製造にも適用できることは言うまでもない。さらに、炭化物単結晶の製造にも応用することができる。
さらに、本発明ではるつぼ4、サセプター8、プランジャー10の遮蔽板11およびシャッター14のシャッター板15には、その表面を窒化ホウ素(BN)や窒化ケイ素(SiN)などで被覆した黒鉛製のものを用い、昇華ガスとの反応を防止することも好ましい。
【0028】
以下、具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
以下の具体例では、種結晶に六方晶系に属するSiC単結晶を用いたが、他の六方晶系のIII族窒化物単結晶あるいは金属単結晶でも同様の結果が得られる。
【0029】
(例1)
図1に示した構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。原料9には、99.99%のAlN粉体を焼結した塊を用い、黒鉛るつぼ4の底部に置いた。誘導加熱コイル2に通電して加熱炉1内の温度を高めて行き、通電開始3時間後にるつぼ4の温度を約2150℃とし、種結晶7の温度を約2100℃に設定した。この時の加熱炉1内に雰囲気は窒素ガスで、その圧力を300トールとした。
【0030】
黒鉛るつぼ4の温度が2150℃に至る前に、るつぼ4からわずかな昇華ガスの発生が認められた。
るつぼ4の温度が目標温度の2150℃に、種結晶7の温度が結晶成長最適温度の2100℃に達してから、プランジャー10を毎分約10mmの速度で5分間降下させ、種結晶7の表面を露出し、昇華ガスに曝すようにした。
【0031】
種結晶7に昇華ガスを曝し始めてから20時間、目標温度および結晶成長最適温度を上記温度に保持したのち、加熱を停止し、加熱炉1を常温に戻した。その結果、種結晶7上に厚さ約18mmの淡黄色の結晶体が成長した。この結晶体から厚さ約2mmの(0001)板を切り出し、研磨した後、X線回折により解析した結果、AlNのみの回折ピークを示した。また、結晶学的回折面(0002)の2θ−ωスキャンのロッキングカーブ半値幅は約150秒であった。
【0032】
さらに、X線透過トポグラフ像を撮影して、特に種結晶7と成長結晶体との界面付近を観察したところ、わずかな亜粒界の存在が種結晶7表面から約0.3mmまでは認められたが、それ以上では明確な粒界は消失しており、高結晶性が確認された。また、プランジャー10のるつぼ4側の表面には、細かい結晶粒が付着していた。これからもプランジャー10がないと種結晶7の表面に多くの結晶核が生成されることが確認された。
【0033】
(例2)
図3に示す構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。結晶成長条件等は、例1と同様であるが、プランジャーの降下速度を毎分5mmとした。
その結果、種結晶7上に厚さ約16mmの淡黄色の結晶体が成長した。この結晶体から厚さ約2mmの(0001)板を切り出し、研磨した後、X線回折により解析した結果、AlNのみの回折ピークを示した。また、結晶学的回折面(0002)の2θ−ωスキャンのロッキングカーブ半値幅は約110秒であった。
【0034】
さらに、X線透過トポグラフ像を撮影して、とくに種結晶7と成長結晶体との界面付近を観察したところ、明瞭な亜粒界の存在は認められず、高結晶性が確認された。また、プランジャーのるつぼ4側の表面には、細かい結晶粒が付着していた。これからもプランジャーがないと種結晶7の表面に多くの結晶核が生成されることが確認された。
【0035】
(例3)
図6に示す構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。シャッター14を種結晶7の結晶成長最適温度に至ったときに、水平にスライドさせて、種結晶7の表面が露出するようにした。種結晶7の結晶成長最適温度を2050℃に、るつぼ4の目標温度を2210℃に設定した。加熱炉1内の雰囲気圧力は500トールとし、保持時間を25時間とした。これ以外の条件等は例1と同様にした。
【0036】
その結果、種結晶7には厚さ約23mmの淡灰黄色の結晶体が得られた。X線回折により解析したところ、AlN単結晶であることが確認できた。また、結晶の格子定数を測定した結果、c=3.11Å、a=4.98Åであり、文献等で明らかにされているAlNの値と一致していた。
【0037】
また、X線回折のロッキングカーブ半値幅が約200秒と高い値を示したが、これは種結晶7の温度が例1、2に比べて低いことから、結晶成長が早くなり、結晶性が多少劣化したものと考えられ、結晶体の長さも長いことからも、これを裏付けている。したがって、シャッター14をスライドさせたことが結晶性の多少低いことの理由ではなく、種結晶の設定温度が適切でなかったと結論できる。事実、X線透過トポグラフ像ではわずかな線欠陥のコントラストが観察された。
【0038】
(例4)
図3示す構造の製造装置を用いて、AlN単結晶を作製した。この際、プランジャー10の遮蔽板11には、図5に示すような凹部13を形成したものを使用した。結晶成長時間は20時間とした。これ以外の条件等は例2と同様にした。
【0039】
その結果、種結晶7には厚さ約15mmの淡黄色の結晶体が得られた。X線回折により解析したところ、AlN単結晶であることが確認できた。また、X線回折のロッキングカーブ半値幅が約100秒で良好な結晶性を示した。
この例4では、種結晶7の表面以外に側面も覆われ、種結晶7と遮蔽板11との間隙に昇華ガスが流入することが抑えられたことで良好な結晶性が得られたものと思われる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、種結晶の温度が結晶成長最適温度に達する前には、種結晶に昇華ガスが接することがなくなり、結晶性に劣る結晶核が該最適温度未満の状態の種結晶表面に生成することがなくなる。このため、結晶欠陥が少ない高品質のAlN単結晶などの窒化物単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の窒化物単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の窒化物単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図8】従来の窒化物単結晶の製造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
7・・・種結晶、10・・・プランジャー、13・・・凹部、14・・・シャッター。
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などのIII族元素の窒化物の単結晶を製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
III族元素の窒化物のうち、窒化アルミニウムは、熱伝導率が高く、窒化ガリウムと格子整合することから、GaN系半導体デバイス用基板として期待されている。
従来、この種の窒化物単結晶の製造方法としては、いくつかの方法が知られているが、なかでも昇華法が有望視されている。
【0003】
図8は、この昇華法による従来の窒化物単結晶の製造装置を示すもので、図中符号1は加熱炉を示す。この加熱炉1は、誘導加熱コイル2と、加熱炉本体3を備え、加熱炉本体3内には容器状の黒鉛るつぼ4が設けられている。この加熱炉1の底部には、雰囲気ガスの流入口5が形成され、加熱炉1の上部には雰囲気ガスの排出口6が形成されている。
【0004】
また、この加熱炉1の上部には、種結晶7が貼り付けられた黒鉛などからなる板状のサセプター8が固定されている。
そして、黒鉛るつぼ4の底部に原料9となる窒化物の粉末や焼結体などを配置する。ついで、加熱炉1内を真空排気した後、底部の雰囲気ガスの流入口5から窒素等の雰囲気ガスを導入する。誘導加熱コイル2を動作させて、黒鉛るつぼ4内の原料9となる窒化物粉末や焼結体およびサセプター8、種結晶7を加熱する。また、加熱炉1上部の排出口6から加熱炉1内の雰囲気ガスを排気する。
【0005】
この加熱により、るつぼ4の底部の原料9の窒化物粉末などが溶融、昇華し、昇華ガスが種結晶7の表面に付着し、結晶成長する。この際、種結晶7での結晶成長の結晶化速度を制御するため、種結晶7の温度と原料9から昇華する昇華ガスの昇華速度をそれぞれ最適化することが行われている。例えば、AlN単結晶の成長の場合では、るつぼ4内の原料9の温度(以下、目標温度と言う。)は2000〜2100℃とされ、種結晶7の表面の温度(以下、結晶成長最適温度と言う。)は1990〜2050℃に制御される。
【0006】
ところで、このような昇華法による結晶成長時においては、加熱誘導コイル2に通電して加熱炉1内部の温度を上昇させて行く過程では、当然種結晶7の表面温度が前述の結晶成長最適温度に一挙になるわけではなく、徐々に低温からこの最適温度に近づいてゆく。また、黒鉛るつぼ4内の原料9の温度も同様であり、徐々に目標温度に近づいてゆく。
【0007】
るつぼ4内の原料9の温度が目標温度に近い温度であっても、るつぼ4からは昇華ガスが昇華し、この昇華ガスが結晶成長最適温度未満の種結晶7の表面に付着し、結晶核が多数発生する。この結晶核の成長は、昇華ガス中の窒化物成分の過飽和状態でのものであることから、結晶核の結晶性が悪いものとなる。
やがて、種結晶7の表面温度が結晶成長最適温度に至って、本格的に結晶成長が進行するときに、先に低温域で形成された結晶性の劣る結晶核が副粒界となり、後からこれら結晶核から成長する単結晶に欠陥が導入され、その結晶性が悪くなると言う欠点があった。
窒化アルミニウムなどの窒化物単結晶の製造方法に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−053495号公報
【非特許文献1】
Glen A.Slack and T.F.Mcnelly,Journal of Crystal Growth,34(1976)263−279
【非特許文献2】
R.Schlesser and Z.Sitar,Journal ofCrystal Growth,234(2002)349
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、昇華法により窒化物単結晶を製造する際に、得られる単結晶に欠陥がなく、良質で、大口径の単結晶が効率よく製造できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造方法において、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにすることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、種結晶を覆うプランジャーを設けて、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、単結晶成長最適温度になった後はプランジャーを退避させて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、種結晶を覆うシャッターを設け、種結晶の温度が単結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、単結晶成長最適温度になった後はシャッターを開いて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うプランジャーを上下動可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置である。
請求項5にかかる発明は、プランジャーの遮蔽板に種結晶を収容できる大きさの凹部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の窒化物単結晶の製造装置である。
【0014】
請求項6にかかる発明は、昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うシャッターを開閉動可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示すもので、図8に示した装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図1に示した例の製造装置にあっては、種結晶7の表面を覆うプランジャー10が加熱炉1内に設けられている点が、図8に示した従来の製造装置と異なるところである。
このプランジャー10は、黒鉛などの耐熱性材料からなる遮蔽板11と、これを支持する支持棒12と、この支持棒12を上下方向に移動させる駆動部(図示せず)とからなるものである。
【0017】
上記遮蔽板11は、種結晶7の表面を覆うもので、種結晶7の平面形状と相似の形状で、それよりも1mm以上寸法が大きくなっている板状のものである。また、支持棒12は、遮蔽板11のほぼ中央に固定され、加熱炉本体3の底部を貫通している。駆動部は、この支持棒12を上下方向に往復動させるもので、加熱炉1外に設置されている。また、遮蔽板11は、通常種結晶7の表面から1mm以内の位置に配されるようになっている。
【0018】
この例の製造装置を用いて、種結晶7上に単結晶を成長させるには、常法により加熱炉1を加熱してゆき、種結晶7の温度がその結晶成長最適温度に達すると、図2に示すように、駆動部を動作させ、遮蔽板11および支持棒12を下方に降下させる。これにより種結晶7の表面が露出し、るつぼ4から昇華した昇華ガスが種結晶7の表面に接し、ここで結晶成長最適温度の条件下で結晶成長がなされる。
【0019】
図3は、図1に示したプランジャー10の変形例を示すもので、図2に示した製造装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。この例では、プランジャー10の遮蔽板11の外観が逆傘状となっているものである。遮蔽板12の表面は平坦な表面となっており、種結晶7の表面を覆い隠すことができるようになっている。
この例の製造装置においても、種結晶7の温度が結晶成長最適温度に達したら、プランジャー10が下方に降下して、種結晶7の表面に昇華ガスが接するようになっている。
【0020】
図4および図5は、プランジャー10の他の変形例をそれぞれ示すものである。これらの例では、遮蔽板11の種結晶7側の表面に凹部13が形成されている。この凹部13は、その平面形状が種結晶7の表面形状と相似で、これよりもわずかに大きな平面寸法を有し、種結晶7の厚さよりもわずかに大きな深さを有しており、図示のように種結晶7を完全に覆い隠すようになっている。
【0021】
このように凹部13を形成した遮蔽板11では、種結晶7の表面以外に側面も完全に覆われ、種結晶7と遮蔽板11との隙間に昇華ガスが流入することがなく、種結晶7がその結晶成長最適温度以前に昇華ガスに接することがより完全に防止される。
【0022】
図6および図7は、この発明の単結晶の製造装置の他の例を示すもので、図8に示した従来の製造装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。この例では、種結晶7を覆うシャッター14が設けられている。
【0023】
このシャッター14は、種結晶7の表面を覆う黒鉛などの耐熱性材料からなるシャッター板15と、このシャッター板15を支持する支持棒16と、この支持棒16を水平面内で種結晶7の側方に往復動させる駆動部(図示せず)とからなるものである。
【0024】
上記シャッター板15は、種結晶7の表面を完全に覆うもので、種結晶7の平面形状と相似の形状で、それよりも1mm以上寸法が大きくなっている板状のものである。また、支持棒16は、シャッター板15の端部に固定され、加熱炉本体3の側部を貫通している。駆動部は、この支持棒16を水平面内で種結晶7の側方に往復動させるもので、加熱炉1外に設置されている。
また、シャッター板15は、通常種結晶7の表面から1mm以内の位置に配されるようになっている。
【0025】
この例の製造装置を用いて、種結晶7に単結晶を成長させるには、常法により加熱炉1を加熱してゆき、種結晶7の温度がその結晶成長最適温度に達すると、図7に示すように、駆動部を動作させ、シャッター板15および支持棒16を側方に移動、退避させる。これにより種結晶7の表面が露出し、るつぼ4から昇華した昇華ガスが種結晶7の表面に接し、ここで結晶成長最適温度下で結晶成長がなされる。
【0026】
このような単結晶の製造装置を用いることにより、種結晶7の温度が結晶成長最適温度に達する前には、種結晶7にるつぼ4から昇華してきた昇華ガスが接することがなくなり、結晶性に劣る結晶核が結晶成長最適温度未満の温度状態の種結晶7の表面に生成することがなくなる。このため、結晶成長最適温度に達した時点では、種結晶7の表面には結晶性の劣る結晶核が存在しておらず、結晶性の高い単結晶が成長してゆく。よって、結晶欠陥が少ない高品質のAlN単結晶などの窒化物単結晶を製造することができる。
【0027】
また、本発明では、窒化アルミニウムに限られず、これ以外の窒化物単結晶の製造にも適用できることは言うまでもない。さらに、炭化物単結晶の製造にも応用することができる。
さらに、本発明ではるつぼ4、サセプター8、プランジャー10の遮蔽板11およびシャッター14のシャッター板15には、その表面を窒化ホウ素(BN)や窒化ケイ素(SiN)などで被覆した黒鉛製のものを用い、昇華ガスとの反応を防止することも好ましい。
【0028】
以下、具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
以下の具体例では、種結晶に六方晶系に属するSiC単結晶を用いたが、他の六方晶系のIII族窒化物単結晶あるいは金属単結晶でも同様の結果が得られる。
【0029】
(例1)
図1に示した構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。原料9には、99.99%のAlN粉体を焼結した塊を用い、黒鉛るつぼ4の底部に置いた。誘導加熱コイル2に通電して加熱炉1内の温度を高めて行き、通電開始3時間後にるつぼ4の温度を約2150℃とし、種結晶7の温度を約2100℃に設定した。この時の加熱炉1内に雰囲気は窒素ガスで、その圧力を300トールとした。
【0030】
黒鉛るつぼ4の温度が2150℃に至る前に、るつぼ4からわずかな昇華ガスの発生が認められた。
るつぼ4の温度が目標温度の2150℃に、種結晶7の温度が結晶成長最適温度の2100℃に達してから、プランジャー10を毎分約10mmの速度で5分間降下させ、種結晶7の表面を露出し、昇華ガスに曝すようにした。
【0031】
種結晶7に昇華ガスを曝し始めてから20時間、目標温度および結晶成長最適温度を上記温度に保持したのち、加熱を停止し、加熱炉1を常温に戻した。その結果、種結晶7上に厚さ約18mmの淡黄色の結晶体が成長した。この結晶体から厚さ約2mmの(0001)板を切り出し、研磨した後、X線回折により解析した結果、AlNのみの回折ピークを示した。また、結晶学的回折面(0002)の2θ−ωスキャンのロッキングカーブ半値幅は約150秒であった。
【0032】
さらに、X線透過トポグラフ像を撮影して、特に種結晶7と成長結晶体との界面付近を観察したところ、わずかな亜粒界の存在が種結晶7表面から約0.3mmまでは認められたが、それ以上では明確な粒界は消失しており、高結晶性が確認された。また、プランジャー10のるつぼ4側の表面には、細かい結晶粒が付着していた。これからもプランジャー10がないと種結晶7の表面に多くの結晶核が生成されることが確認された。
【0033】
(例2)
図3に示す構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。結晶成長条件等は、例1と同様であるが、プランジャーの降下速度を毎分5mmとした。
その結果、種結晶7上に厚さ約16mmの淡黄色の結晶体が成長した。この結晶体から厚さ約2mmの(0001)板を切り出し、研磨した後、X線回折により解析した結果、AlNのみの回折ピークを示した。また、結晶学的回折面(0002)の2θ−ωスキャンのロッキングカーブ半値幅は約110秒であった。
【0034】
さらに、X線透過トポグラフ像を撮影して、とくに種結晶7と成長結晶体との界面付近を観察したところ、明瞭な亜粒界の存在は認められず、高結晶性が確認された。また、プランジャーのるつぼ4側の表面には、細かい結晶粒が付着していた。これからもプランジャーがないと種結晶7の表面に多くの結晶核が生成されることが確認された。
【0035】
(例3)
図6に示す構造の製造装置を使用して、AlN単結晶を作製した。シャッター14を種結晶7の結晶成長最適温度に至ったときに、水平にスライドさせて、種結晶7の表面が露出するようにした。種結晶7の結晶成長最適温度を2050℃に、るつぼ4の目標温度を2210℃に設定した。加熱炉1内の雰囲気圧力は500トールとし、保持時間を25時間とした。これ以外の条件等は例1と同様にした。
【0036】
その結果、種結晶7には厚さ約23mmの淡灰黄色の結晶体が得られた。X線回折により解析したところ、AlN単結晶であることが確認できた。また、結晶の格子定数を測定した結果、c=3.11Å、a=4.98Åであり、文献等で明らかにされているAlNの値と一致していた。
【0037】
また、X線回折のロッキングカーブ半値幅が約200秒と高い値を示したが、これは種結晶7の温度が例1、2に比べて低いことから、結晶成長が早くなり、結晶性が多少劣化したものと考えられ、結晶体の長さも長いことからも、これを裏付けている。したがって、シャッター14をスライドさせたことが結晶性の多少低いことの理由ではなく、種結晶の設定温度が適切でなかったと結論できる。事実、X線透過トポグラフ像ではわずかな線欠陥のコントラストが観察された。
【0038】
(例4)
図3示す構造の製造装置を用いて、AlN単結晶を作製した。この際、プランジャー10の遮蔽板11には、図5に示すような凹部13を形成したものを使用した。結晶成長時間は20時間とした。これ以外の条件等は例2と同様にした。
【0039】
その結果、種結晶7には厚さ約15mmの淡黄色の結晶体が得られた。X線回折により解析したところ、AlN単結晶であることが確認できた。また、X線回折のロッキングカーブ半値幅が約100秒で良好な結晶性を示した。
この例4では、種結晶7の表面以外に側面も覆われ、種結晶7と遮蔽板11との間隙に昇華ガスが流入することが抑えられたことで良好な結晶性が得られたものと思われる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、種結晶の温度が結晶成長最適温度に達する前には、種結晶に昇華ガスが接することがなくなり、結晶性に劣る結晶核が該最適温度未満の状態の種結晶表面に生成することがなくなる。このため、結晶欠陥が少ない高品質のAlN単結晶などの窒化物単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の窒化物単結晶の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の窒化物単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の窒化物単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の窒化物単結晶の製造装置の他の例を示す概略構成図である。
【図8】従来の窒化物単結晶の製造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
7・・・種結晶、10・・・プランジャー、13・・・凹部、14・・・シャッター。
Claims (6)
- 昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造方法において、種結晶の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにすることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法。
- 種結晶を覆うプランジャーを設けて、種結晶の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はプランジャーを退避させて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法。
- 種結晶を覆うシャッターを設け、種結晶の温度が結晶成長最適温度になるまでは、種結晶に昇華ガスが接しないようにし、結晶成長最適温度になった後はシャッターを開いて種結晶に昇華ガスが接するようにすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法。
- 昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うプランジャーを上下動可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置。
- プランジャーの遮蔽板に種結晶を収容できる大きさの凹部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の窒化物単結晶の製造装置。
- 昇華法により種結晶上に窒化物単結晶を成長させる製造装置において、種結晶を覆うシャッターを開閉可能に設けたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置。
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