JP2006240968A - 単結晶成長方法、その方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶 - Google Patents

単結晶成長方法、その方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】 気相法によりSiC種結晶上に結晶性のよい単結晶を成長させる単結晶成長方法、その方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶を提供する。
【解決手段】 気相法により単結晶3を成長させる方法であって、結晶成長室11の内部にSiC種結晶1および原料2を配置し、結晶成長室11の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、結晶成長室11の内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室11から排出しながら、SiC種結晶1上に単結晶3を成長させることを特徴とする単結晶成長方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気相法により単結晶を成長させる方法に関し、詳しくは気相法によりSiC種結晶上に単結晶を成長させる方法ならびにその方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶に関する。
一般に、AlN単結晶などのIII族窒化物単結晶またはSiC単結晶は、気相法のひとつである昇華法によって成長させる。この昇華法とは、成長させる単結晶の原料を昇華させた後再度固化させて単結晶を成長させる方法である。
この昇華法による単結晶の成長は、一般に、以下のように行なわれる。すなわち、坩堝内部の一方の側に成長させる単結晶の原料を配置して、原料を昇華点以上に昇温して、坩堝内部の原料側の温度を反対側の温度より高くすることにより、原料を昇華させて反対側(低温側という、以下同じ)に単結晶を成長させる。
また、低温側に種結晶を配置することにより、種結晶上に単結晶を成長させることができる。単結晶の収率を高めるためには、成長させる単結晶と種結晶の種類は同じであるものが好ましい。このため、SiC単結晶の成長には、SiC種結晶が用いられている。
ところで、大型のAlN種結晶を得ることが困難であるため、AlN単結晶を成長させる際に、種結晶としてSiC種結晶を用いることが検討されている(たとえば、非特許文献1)。しかし、非特許文献1においては、SiC種結晶を用いた昇華法によるAlN単結晶の成長においては、SiC種結晶の温度を1930℃以上にすると、SiC種結晶の劣化により成長するAlN結晶が多結晶化することが報告されている。このため、SiC種結晶を用いたAlN単結晶の成長方法はいまだ実用化されていないのが現状である。
また、SiC種結晶上にSiC単結晶を成長させる場合においても、従来の昇華法においては、SiC結晶成長がきわめて不安定で、結晶成長の際に結晶欠陥が発生しやすく、かかる結晶欠陥から多結晶化が生じるという問題もあった。
V. noveski 他4名、"Growth of AlN crystals on AlN/SiC seeds by AlN powder sublimation in nitrogen atmosphere"、MRS Internet J. Nitride Semiconductor Research, 9, 2 (2004),p1-6
本発明は、気相法によりSiC種結晶上に結晶性のよい単結晶を成長させる単結晶成長方法、その方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶を提供することを目的とする。
本発明は、気相法により単結晶を成長させる方法であって、結晶成長室の内部にSiC種結晶および原料を配置し、結晶成長室の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、結晶成長室の内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室から排出しながら、SiC種結晶上に単結晶を成長させることを特徴とする単結晶成長方法である。
本発明にかかる単結晶成長方法において、結晶成長室の外部に金属酸化物を収納した酸素ガス発生室を設け、酸素ガス発生室を加熱することにより酸素ガス発生室内で発生した酸素ガスを結晶成長室に導入することができる。ここで、酸素ガス発生室の温度を結晶成長室の温度より高くすることができる。また、単結晶成長前に、SiC種結晶および原料を配置した結晶成長室の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、結晶成長室の内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室から排出しながら、SiC種結晶の温度を原料の温度よりも高くして、Si種結晶および原料を昇温することができる。
また、本発明にかかる単結晶成長方法において、成長させる単結晶をIII族窒化物単結晶とすること、また成長させる単結晶をSiC単結晶とすることができる。
また、本発明は、上記の単結晶成長方法により得られるIII族窒化物単結晶である。さらに、本発明は、上記の単結晶成長方法により得られるSiC単結晶である。
本発明によれば、気相法によりSiC種結晶上に結晶性の良い単結晶を成長させる単結晶成長方法、その方法により得られるIII族窒化物単結晶およびSiC単結晶を提供することができる。
本発明にかかる単結晶成長方法は、図1を参照して、昇華法などの気相法により単結晶3を成長させる方法であって、結晶成長室11の内部にSiC種結晶1および原料2を配置し、結晶成長室11の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、結晶成長室11の内部のガス(導入された酸素ガスを含む、以下同じ)の少なくとも一部を結晶成長室11から排出しながら、SiC種結晶1上に単結晶3を成長させることを特徴とする。
SiC種結晶1および原料2が配置された結晶成長室11に酸素ガスを導入することにより、SiC種結晶1の劣化を抑制され、結晶性のよい単結晶3が得られる。一方、結晶成長室11に導入される酸素ガス量が多くなりすぎると、単結晶3への不純物の混入が多くなり結晶性が低下し多結晶化する。このため、結晶成長室11内部に酸素ガスを導入するとともに、結晶成長室11内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室11から排出することにより、結晶成長室中の酸素ガス量を適量に調整して、SiC種結晶1の劣化を抑制するとともに、単結晶3への不純物の混入を抑制することにより、SiC種結晶1上に結晶性のよい単結晶3を成長させることができる。
結晶成長室11への酸素ガスの導入方法としては、特に制限はないが、単結晶3への不純物の混入を抑制する観点から、図1を参照して、結晶成長室11の外部に金属酸化物4を収納した酸素ガス発生室13を設け、酸素ガス発生室13を加熱することにより酸素ガス発生室13内で発生した酸素ガスを、結晶成長室11と酸素ガス発生室13とを連結する連結孔14を通して、拡散によって、結晶成長室11に輸送する方法が好ましい。また、結晶成長室11内部のガスの少なくとも一部は、結晶成長室11に設けられた排気孔12から外部に排出される。
ここで、結晶成長室11、酸素ガス発生室13の内壁を形成する材質は、特に制限は無いが、不純物の混入を抑制する観点から、B、Ta、Wなどの高融点金属およびそれらの炭化物もしくは窒化物であることが好ましい。
また、酸素ガスの発生に用いられる金属酸化物4は、加熱されることにより酸素ガスを発生する金属化合物であれば特に制限はないが、原料への不純物の混入を抑制する観点から、金属酸化物を構成する金属の蒸気圧が低く酸素の蒸気圧が高い金属酸化物、たとえば、Al23、Sc23、Y23、HfO2、ZrO2またはこれらの混合物であることが好ましい。
これに対して、金属酸化物4を結晶成長室11に配置する方法は、金属酸化物4から酸素ガスとともに発生する金属ガスにより、単結晶3への不純物の混入を招くため好ましくない。
また、反応管31に導入するアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスに酸素ガスを添加する方法は、酸素ガスが結晶成長室11に到達する前に坩堝、断熱材などの各種材料反応して、酸素ガス導入量の低減および単結晶3への不純物の混入を招くため、好ましくない。
上記の酸素ガスの導入および排出において、結晶成長室の酸素ガス量は、たとえば、以下のようにして調節することができる。図1を参照して、金属酸化物4を収納する酸素ガス発生室13内の温度を調節することにより、金属酸化物4からの酸素ガスの発生量を調節することができる。
ここで、酸素ガス発生室13の温度を結晶成長室11の温度より低くしても、しばらくの間は酸素ガスを結晶成長室11に導入することができるが、結晶成長室11内の原料2が酸素ガス発生室13に輸送され、酸素ガス発生室13内の金属酸化物4の表面が原料2により被覆されてしまい、その後は酸素ガスを結晶成長室13に導入することができなくなる。
一方、酸素ガス発生室13の温度を結晶成長室11の温度を高く場合は、結晶時間の経過とともに、金属酸化物4から酸素ガスに次いで発生した金属ガスが、酸素ガスとともに結晶成長室11に輸送されて金属酸化物が析出すると、多結晶化を引き起こすおそれがある。しかし、本発明においては、金属酸化物4を構成する金属の蒸気圧が低く酸素の蒸気圧が高い金属酸化物を用いているため結晶成長室に輸送される金属ガスの量はきわめて少ない。また、本発明においては、結晶成長室13内部に酸素ガスを導入するとともに、結晶成長室13内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室13から排出していることから、結晶成長室13内部に金属酸化物4由来の金属ガス量はほとんど残存せず、金属酸化物として析出することもない。
したがって、本発明にかかる単結晶成長方法においては、図1を参照して、酸素ガス発生室13の温度は、結晶成長室11の温度より高くすることが好ましい。
また、上記のように、酸素ガス発生室13の温度は、結晶成長室11の温度より高く設定し、結晶成長室11の内部のガスの少なくとも一部を排気孔12を通して外部に排出するようにすることにより、結晶成長室11内部の酸素ガス量は常に酸素ガス発生室13の酸素ガス量より少なく維持される。また、結晶成長室11内の酸素ガス量は、酸素ガス発生室13内の酸素ガス量と、連結孔14および排気孔12における酸素ガスの拡散抵抗によって調節することができる。ここで、酸素ガスの拡散抵抗は、連結孔14および排気孔12の大きさおよび/または形状によって支配されるため、結晶成長室11および酸素ガス発生室13の構造により調節することができる。
また、本発明にかかる単結晶成長方法においては、図1を参照して、単結晶成長3前に、SiC種結晶1および原料2を配置した結晶成長室11の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、結晶成長室11の内部のガスの少なくとも一部を結晶成長室11から排出しながら、SiC種結晶1の温度を原料2の温度よりも高くして、Si種結晶1および原料2を昇温することが好ましい。かかる昇温方法により、SiC種結晶の表面をクリーニングすることができ、結晶性のよい単結晶の成長が容易になる。
ここで、図1を参照して、気相法としてたとえば昇華法を用いた場合の本発明にかかる単結晶成長方法の好ましい実施形態をより具体的に説明する。まず、反応管31内に設置された坩堝21内の結晶成長室11の上部にSiC種結晶1を、結晶成長室11の下部に成長させる単結晶の原料2を収納する。また、坩堝21内の酸素ガス発生室13には金属酸化物4を収納する。
ここで、酸素ガス発生室13と結晶成長室11との間には、酸素ガス発生室13で発生した酸素ガスを結晶成長室11に導入するための連結孔14が設けられている。また、結晶成長室11には、結晶成長室11の内部のガスを排出するための排気孔12が設けられている。また、坩堝21には、坩堝21内部のガスを排出するための排気孔22が設けられている。また、坩堝21の一部は断熱材23によって覆われている。また、坩堝21の周囲には、坩堝21内部を加熱するための高周波加熱コイル35が、反応管31の外側に設けられている。さらに、反応管31には、反応管31内に不活性ガスを流すための不活性ガス導入口32および不活性ガス排気口33が設けられている。また、反応管31の上面および下面には、それぞれ坩堝21の上面および下面の温度を測定するための放射温度計34が設けられている。
次に、反応管31内に窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを流しながら、坩堝21内の結晶成長室11および酸素ガス発生室13内部を昇温して、SiC種結晶1、原料2および金属酸化物4を昇温させる。結晶成長前の昇温過程においては、SiC種結晶1の温度が、原料2の温度より高くなるようにすることにより、SiC種結晶の表面が昇華によりクリーニングされる。このとき、金属酸化物4から発生した酸素ガスが連結孔14より結晶成長室11内に導入され、結晶成長室11内のガスが排気孔12より排出されるため、結晶成長室11内の酸素ガス量が適量に調節され、SiC種結晶のクリーニング効果が高まる。
次に、原料2の温度を昇華点以上とし、SiC種結晶1の温度を昇華点以下の温度とし、原料2の温度をSiC種結晶1の温度より高くすることにより、SiC種結晶上に単結晶3を成長させる。また、このとき、金属酸化物4から発生した酸素ガスが連結孔14より結晶成長室11内に導入され、結晶成長室11内のガスが排気孔12より排出されるため、結晶成長室11内の酸素ガス量が適量に調節され、結晶性が高い単結晶3が容易に得られる。
本発明にかかる単結晶成長方法においては、成長させる単結晶をIII族窒化物単結晶とすることができる。ここで、III族窒化物とは、III族元素の窒化物をいい、たとえばAlxGayIn1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)と表記できる。本発明により、結晶性の高いIII族窒化物単結晶が容易に得られる。AlN単結晶は、他の方法によっては、大型で結晶性の高い単結晶を得ることが困難であるため、本発明の適用が特に有益である。
本発明にかかる単結晶成長方法においては、成長させる単結晶をSiC単結晶とすることができる。SiC単結晶は、他の方法によっては、結晶性のよい単結晶を得ることが困難であるため、本発明の適用が特に有益である。
また、本発明にかかる単結晶成長方法により得られた単結晶は、結晶性がよいため、発効素子(発効ダイオード、レーザダイオードなど)、電子素子(整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トタンジスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)など)、半導体センサ(温度センサ、圧力センサ、可視−紫外光検出器など)、SAW(表面弾性波)デバイスなどの製作に用いることができる。
なお、本実施形態においては、昇華法により単結晶を成長させる場合を中心にしたが、本発明は、本発明の目的を達成する範囲内において他の気相法、たとえば、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MBE(分子線エピタキシ)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法などにも適用が可能である。
(実施例1)
図1を参照して、昇華法によりSiC種結晶1上にAlN単結晶(単結晶3)を成長させた実施例について説明する。SiC種結晶1として(0001)面のSi原子面を主面とする直径30mmで厚さ0.25mmの6H−SiC種結晶を用い、原料2として酸素を500ppm含有するAlN焼結体を用いて、この種結晶のSi原子面にAlN単結晶を成長させた。また、金属酸化物4としてYSZ(酸化イットリウム安定化酸化ジルコニウム、すなわち、Y23で安定定化したZrO2)を用いた。
また、結晶成長室11と酸素ガス発生室13との連結孔14として、直径1mmで長さ2mmの丸穴を1個所設けた。また、結晶成長室11の排気孔12として、直径4mmで長さ2mmの丸穴を均等の間隔で8箇所設けた。また、坩堝21にも排気孔22を設けた。
まず、結晶成長室11の上部に上記SiC種結晶1を収納し、結晶成長室11の下部に原料2(AlN焼結体)を収納した。また、酸素ガス発生室13に上記金属酸化物4を収納した。次いで、反応管31中に100sccm(ここで、1sccmは標準状態の気体が1分間に1cm3流れる流量単位をいう)の窒素ガスを流しながら排気して、反応管31の内圧を700Torr(933hPa)とした。
次に、高周波加熱コイル35を用いて、結晶成長室11内のSiC種結晶1および原料2、ならびに酸素ガス発生室13内の金属酸化物4を加熱した。昇温の際には、SiC種結晶1の温度が原料2の温度よりも高くなるようにした。坩堝21上面の温度(SiC種結晶1の温度に近い)が2000℃、坩堝21下面の温度(原料2の温度および金属酸化物4の温度に近い)が1900℃になるまで昇温させた後、その温度で1時間保持して、SiC種結晶の表面をクリーニングした。このとき、金属酸化物4であるYSZから発生した酸素ガスが連結孔14より結晶成長室13に導入され、結晶成長室13内のガスの一部は排気孔12から排出される。
次に、高周波加熱コイル35の加熱力を坩堝21上面の温度が2000℃、坩堝21下面の温度が2100℃になるようにして調整して、SiC種結晶上にAlN単結晶(単結晶3)を成長させた。このときも、金属酸化物4であるYSZから発生した酸素ガスが連結孔14より結晶成長室13に導入され、結晶成長室13内のガスの一部は排気孔12から排出される。この条件で、30時間AlN単結晶の成長を行なった。
AlN単結晶成長後、室温まで冷却した後、成長させたAlN単結晶を取り出した。SiC種結晶はAlN単結晶から剥離して細かく割れていたが、AlN単結晶は割れることなく直径30mmで厚さ5mmの円筒形をしていた。このAlN単結晶の結晶成長面は平坦な(0001)面となっており、単結晶であることが結晶外形から明らかであった。このAlN単結晶の(0001)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は200arsecであり、良好な結晶性を有していることがわかった。
こうして得られたAlN単結晶をSiC種結晶の主面に対して平行にスライスし、その主面を研磨した後、研磨による加工変質層をエッチングにより除去して、直径30mmで厚さ1.0mmのAlN単結晶基板を得た。このAlN単結晶基板の10μm角の範囲内におけるAFM(原子間力顕微鏡)により観察したRMS(Root Mean Square:平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根)表面粗さは500Å(50nm)以下であった。
こうして得られたAlN単結晶基板は、結晶性がよくかつ主面の平坦性がよいため、発効素子、電子素子、半導体センサ、SAWデバイスなど各種デバイスに広く用いることができる。
なお、この実施例におけるAlN単結晶基板は、成長させたAlN単結晶のC面に平行な面でスライスして作製したものであるが、AlN単結晶のスライス面はC面と平行な面に限定されず、A面、R面、M面またはS面に平行な面、またはこれらの面に対して任意の傾きを有する面とすることもできる。
このように、本発明によれば、1930℃以上に加熱されたSiC種結晶上にも結晶性のよいAlN単結晶を成長させることができた。
(実施例2)
図1を参照して、SiC種結晶1として(0001)面のC(炭素)原子面を主面とする4H−SiCを用いたこと、原料2としてSiC焼結体を用いたこと、反応管31中に10sccmのアルゴンガスを流しながら排気して反応管31の内圧を10Torr(1333Pa)としたこと、坩堝21上面の温度(SiC種結晶1の温度に近い)が2200℃、坩堝21下面の温度(原料2の温度および金属酸化物4の温度に近い)が2300℃になるように調整して単結晶3をSiC種結晶のC原子面に成長させたこと以外は実施例1と同様の成長方法により、SiC単結晶を成長させた。
SiC単結晶の従来の成長方法においては、ポリタイプ(他の結晶形として、6H、15R)の混入やマイクロパイプの増加の問題がある。これに対し、上記の本発明にかかる単結晶成長方法により得られたSiC単結晶は、結晶の全量がSiC種結晶と同じ結晶形(4H)を示し、ポリタイプの混入は認められなかった。また、得られたSiC単結晶は、SiC種結晶と同程度のマイクロパイプ密度(50cm-2)であり、マイクロパイプの増加も認められなかった。このように、本発明によれば、SiC種結晶上にも結晶性のよいSiC単結晶を成長させることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる単結晶成長方法を示す断面模式図である。
符号の説明
1 SiC種結晶、2 原料、3 単結晶、4 金属酸化物、11 結晶成長室、12,22 排気孔、13 酸素ガス発生室、14 連結孔、21 坩堝、23 断熱材、31 反応管、32 不活性ガス導入口、33 不活性ガス排気口、34 放射温度計、35 高周波加熱コイル。

Claims (8)

  1. 気相法により単結晶を成長させる方法であって、
    結晶成長室の内部にSiC種結晶および原料を配置し、
    前記結晶成長室の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、前記結晶成長室内部のガスの少なくとも一部を前記結晶成長室から排出しながら、前記SiC種結晶上に前記単結晶を成長させることを特徴とする単結晶成長方法。
  2. 前記結晶成長室の外部に金属酸化物を収納した酸素ガス発生室を設け、前記酸素発生室を加熱することにより前記酸素ガス発生室内で発生した酸素ガスを前記結晶成長室に導入する請求項1に記載の単結晶成長方法。
  3. 前記酸素ガス発生室の温度は、前記結晶成長室の温度より高くすることを特徴とする請求項2に記載の単結晶成長方法。
  4. 単結晶成長前に、前記SiC種結晶および前記原料を配置した前記結晶成長室室の内部に酸素ガスを導入しながら、かつ、前記結晶成長室の内部のガスの少なくとも一部を前記結晶成長室から排出しながら、前記SiC種結晶の温度を前記原料の温度よりも高くして、前記Si種結晶および前記原料を昇温することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の単結晶成長方法。
  5. 前記単結晶がIII族窒化物単結晶である請求項1から請求項4のいずれかに記載の単結晶成長方法。
  6. 前記単結晶がSiC単結晶である請求項1から請求項4のいずれかに記載の単結晶成長方法。
  7. 請求項5に記載の単結晶成長方法により得られるIII族窒化物単結晶。
  8. 請求項6に記載の単結晶成長方法により得られるSiC単結晶。
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