JP2009269816A - 窒化ガリウム系材料及びその製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系材料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高い熱伝導率を有するGaN系材料の製造方法を提供する。
【解決手段】HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法によって窒化ガリウム系材料を成長させる。この成長は、Hガスを含むキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを反応室10に供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスG2の分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスG3の分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下として実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化ガリウム系材料及びその製造方法に係り、特に、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法を適用した窒化ガリウム系材料の製造方法及びそれによって製造されうる窒化ガリウム系材料に関する。
半導体デバイスが発生する熱を放散するために、半導体デバイスにヒートシンクを取り付けることや、熱伝導率が高い材料からなるサブマウントを介して半導体デバイスをヒートシンクに固定することが知られている。
特許文献1には、ヒートシンク又はサブマウントの材料としてGaN(窒化ガリウム)を使用すること、その材料の0〜200(℃)の範囲内における熱伝導率が100〜300(W/m・K)であることが好ましいことが記載されている。しかしながら、特許文献1では、0〜200(℃)の範囲内における熱伝導率が100〜300(W/m・K)であるGaN部材の製造方法について具体的な開示がなされていない。また、特許文献1には、100〜300(W/m・K)の熱伝導率を有するGaNが得られたとの記載もない。
非特許文献1には、GaNの熱伝導率の温度依存性が記載されている。同文献によると、GaNの熱伝導率は、300(K)で1.7(W/cm・K)である。
非特許文献2には、酸素がドーピングされたGaNについての熱伝導率の計測結果が室温で225(W/m・K)であったことが記載されている(測定方法は、3ω法)。また、同文献には、理想的GaN結晶の熱伝導率の理論限界が410(W/m・K)であることが記載されている。
非特許文献3には、Cree社のGaN基板の熱伝導率は、室温で、220(W/m・K)であることが掲載されている(測定方法は、レーザーフラッシュ法)。
特開2003−78084号公報
J.Phys. Chem. Solids, 1977, Vol.38, p.330 phys. Stat. sol. (a) 202, No.12, R135−R137(2005) [平成17年12月22日検索]、インターネット<URL:http://www.cree.com/products/gan_tech.htm>
GaN系材料で構成される半導体デバイスのヒートシンクやサブマウントとして使用される熱伝達部材は、半導体デバイスと熱伝達部材との間の熱膨張率の差による応力の発生を抑える観点において、GaN系材料で構成されることが好ましい。GaN系材料でヒートシンクやサブマウントを形成する場合、GaN系材料は、例えば、少なくとも250(W/m・K)以上、更には280(W/m・K)以上の高い熱伝導率を有することが好ましい。しかしながら、上記のように、現時点では、現実に存在し得るであろうGaN系材料は、最も優れているものでも、室温で225(W/m・K)の熱伝導率を有するに過ぎない。
高い熱伝導率を有するGaN系材料は、半導体デバイスの活性層を支持する部分への適用(例えば基板や活性層を含む多層構造部)においても有用であり、このようなGaN系材料の使用により活性層で発生する熱を効率的に外部に移動させることができる。
本発明は、上記のような課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、より高い熱伝導率を有するGaN系材料の製造方法や、そのようなGaN系材料、更には、それを使った基板、ヒートシンクやサブマウントのような部材を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料の製造方法に係り、前記製造方法は、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法によって窒化ガリウム系材料を成長させる成長工程を含む。前記成長工程では、Hガスを含むキャリアガスと、GaClガスと、NHガスとを反応室に供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスの分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスの分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下とする。
本発明の好適な実施形態によれば、前記キャリアガスは、実質的にHガスのみからなってもよい。
本発明の好適な実施形態によれば、前記キャリアガスは、Hガスの他にNガスを更に含んでもよい。この場合において、(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.1以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整することが好ましく、0.6以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整することが更に好ましく、0.7以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整することが最も好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、前記反応室には、下地基板を支持する支持部が配置され、前記成長工程では、前記下地基板に窒化ガリウム系材料を成長させ、前記反応室には、前記反応室に連通するように配置された導入室から前記キャリアガス、前記GaClガス及び前記NHガスが導入されることが好ましい。ここで、前記導入室の平均断面積が前記反応室の平均断面積よりも小さいことが好ましく、前記導入室の平均断面積が前記反応室の平均断面積の2/3以下であることが更に好ましく、このような条件下において、前記導入室における前記キャリアガスの流速が0.3(m/min)以上かつ2.5(m/min)以下であることが好ましく、0.5(m/min)以上かつ1.7(m/min)以下であることが更に好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、前記反応室には、下地基板を支持面上に支持する支持部が配置され、前記成長工程では、前記下地基板に窒化ガリウム系材料を成長させ、前記反応室には、前記反応室に連通するように配置された導入室から前記キャリアガス、前記GaClガス及び前記NHガスが導入され、前記導入室の平均断面積が前記反応室の前記支持面を含む断面における断面積よりも小さいことが好ましく、前記導入室の平均断面積が前記反応室の前記支持面を含む断面における断面積の2/3以下であることが更に好ましく、このような条件下において、前記導入室における前記キャリアガスの流速が0.3(m/min)以上かつ2.5(m/min)以下であることが好ましく、0.5(m/min)以上かつ1.7(m/min)以下であることが更に好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.1以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整し、前記反応室には、下地基板を支持する支持部が配置され、前記成長工程では、前記下地基板に窒化ガリウム系材料を成長させ、前記反応室には、前記反応室に連通するように配置された導入室から前記キャリアガス、前記GaClガス及び前記NHガスが導入され、前記導入室の断面積が前記反応室の断面積よりも小さく、前記導入室における前記キャリアガスの流速が0.3(m/min)以上かつ2.5(m/min)以下であることが好ましく、0.5(m/min)以上かつ1.7(m/min)以下であることが更に好ましい。
本発明の第2の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、25(℃)における熱伝導率が2.8×10(W/m・K)以上である。
本発明の第3の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上である。
本発明の第4の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下である。
本発明の第5の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、25(℃)における熱伝導率が3.3×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下である。
本発明の第6の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、25(℃)における熱伝導率が3.5×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下である。
本発明の第7の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が300(arcsec)以下である。
本発明の第8の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が500(arcsec)以下である。
本発明の第9の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、酸素濃度が5×1017(atoms/cm)未満である。
本発明の第10の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、炭素濃度が1×1017(atoms/cm)未満である。
本発明の第11の側面は、窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に係り、前記材料は、水素濃度が1×1018(atoms/cm)未満である。
本発明の第12の側面は、基板、サブマウント、ヒートシンク、その他の部材(熱伝達用部材など)に係り、前記部材は、前記窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料を含む。
本発明によれば、例えば、より高い熱伝導率を有するGaN系材料及びその応用品を提供することができる。
本発明のGaN系材料の製造方法に好適なHVPE装置の概略構成を示す図である。 レーザーフラッシュ法を説明するための図である。 本発明に係るGaN系材料の適用例としての半導体デバイスの構造を例示的に示す図である。 本発明に係るGaN系材料の適用例としての半導体デバイスの構造を例示的に示す図である。 図1に示すHVPE装置の構成をより具体的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明の好適な実施形態の窒化ガリウム(GaN)系材料の製造方法は、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法によって窒化ガリウム系材料を成長させる成長工程を含む。ここで、窒化ガリウム(GaN)系材料とは、窒化ガリウム(GaN)を主成分とするIII−V族化合物半導体材料であり、III族元素としてガリウム(Ga)を最も多く、またV族元素として窒素(N)を最も多く含む。また、導電型の調整用にP型又はN型の不純物がドーピングされた窒化ガリウム系材料を含む。
GaN系材料は、例えば、GaN基板、GaN層を含む層が形成された基板、又は、サファイア基板等の基板の上に形成される。ここで、本明細書において、第1要素(例えば、基板、部材、層)の上に第2要素(例えば、部材、層)が形成又は配置されるとは、当該第1要素の上に当該第1要素に接するように当該第2要素が形成又は配置されること、及び、当該第1要素の上に1又は複数の第3要素(例えば、部材、層)を介して当該第2要素が形成又は配置されることを包含するものとする。
図1は、本発明のGaN系材料の製造方法に好適なHVPE装置の概略構成を示す図である。図5は、図1に示すHVPE装置の構成をより具体的に示す図である。HVPE装置100は、例えば、縦型のHVPE装置として構成されうる。縦型HVPE装置は、横型HVPE装置に比べて層流を形成しやすいために、高品質かつ高均一のエピタキシャル成長膜を再現性よく形成することに好適であり、また、バッチ処理(多数枚同時成長)に有利である。
HVPE装置100は、反応室10と、反応室10内に配置され下地基板(その上にGaN系材料を成長させるべき基板)Sを支持面30S上に支持する基板支持部30と、反応室10に連通するように配置された導入室40と、ヒータ20とを備えうる。導入室40には、キャリアガスG1と、NHガスG3と、HClガスG4が供給されうる。導入室40内には、液体Gaを収容した容器42が配置されていて、導入室40内に供給されたHClガスG4は、容器42内の液体Gaと反応してGaClガスG2を生成する。反応室10内には、導入室40からキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とが供給されうる。キャリアガスG1は、少なくともHガスを含む。キャリアガスG1は、Hガスの他にNガスを含んでもよい。
導入室40の平均断面積は、反応室10の平均断面積よりも小さいことが好ましく、導入室40の平均断面積が反応室10の平均断面積の2/3以下であることが更に好ましい。他の観点で表現すれば、導入室40の平均断面積は、反応室10の支持面30Sを含む断面における断面積よりも小さいことが好ましく、導入室40の平均断面積は、反応室10の支持面30Sを含む断面における断面積の2/3以下であることが更に好ましい。このような装置構成によれば、導入室40におけるキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3の流速を反応室10におけるそれらの流速よりも速くすることができる。これにより、導入室40の内壁から中心方向に向かって流れるガス或いは粒子が少なくなるので、導入室40の内壁から離脱しうる不純物、例えば酸素(O)やケイ素(Si)等が下地基板S上に形成される窒化ガリウム系材料の膜中に取り込まれる可能性を低減することができる。また、上記のような装置構成によれば、導入室40から反応室10にガスが流れ込む部分において、ガスが中心から外側に向かって放射状に流れ易いので、反応室10の内壁から離脱しうる不純物、例えば酸素やケイ素等が下地基板S上に形成される窒化ガリウム系材料の膜中に取り込まれる可能性を低減することができる。以上より、導入室40の平均断面積が反応室10の平均断面積よりも小さい構成、好ましくは導入室40の平均断面積が反応室10の平均断面積の2/3以下である構成、或いは、導入室40の平均断面積が反応室10の支持面30Sを含む断面における断面積よりも小さい構成、好ましくは導入室40の平均断面積が反応室10の支持面30Sを含む断面における断面積の2/3以下である構成を採用することにより、不純物濃度が制限された良質な窒化ガリウム系材料、特に熱伝導率が向上された窒化ガリウム系材料が得られると考えられる。導入室40におけるキャリアガスG1の流速は、0.3(m/min)以上かつ2.5(m/min)以下であることが好ましく、0.5(m/min)以上かつ1.7(m/min)以下であることが更に好ましい。反応室10におけるキャリアガスの流速は、大雑把には、導入室40の断面積と反応室10の断面積との比に基づいて計算することができる。
ここで、酸素やケイ素は、反応室10や導入室40の内壁が石英で構成されている場合に発生し易い。窒化ガリウム系材料の成長中は、反応室10や導入室40の内壁に窒化ガリウム系材料の多結晶が堆積しうる。この際に窒化ガリウム系材料が反応室10や導入室40の石英内壁の構造に入り込むように該石英内壁に堆積する。これによって石英内壁がダメージを受けて、例えば、微細スクラッチが石英内壁に生じうる。この堆積物をエッチングガス(例えば、HClガス)でクリーニングすると、微細スクラッチによって石英パーティクルが発生しうる。このようにして石英パーティクルが発生すると、下地基板への窒化ガリウム系材料の成膜中にその窒化ガリウム系材料膜に酸素やケイ素が混入する可能性がある。
窒化ガリウム系材料を成長させる前記成長工程は、キャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10内の下地基板Sに供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力(反応室10内の圧力)を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスG2の分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスG3の分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下として実施されうる。なお、キャリアガスG1の分圧は、成長圧力からGaClガスG2の分圧とNHガスG3の分圧とを減じた値である。
成長温度は、上記のとおり900(℃)以上かつ1200(℃)以下とされうるが、950(℃)以上かつ1150(℃)以下とされることが好ましく、1000(℃)以上かつ1100(℃)以下とされることが更に好ましい。
成長圧力は、上記のとおり8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とされうるが、9.09×10(Pa)以上かつ1.11×10(Pa)以下とされることが好ましく、9.60×10(Pa)以上かつ1.06×10(Pa)以下とされることが更に好ましい。
GaClガスG2の分圧は、上記のとおり1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とされうるが、2.0×10(Pa)以上かつ5.6×10(Pa)以下とされることが好ましく、4.0×10(Pa)以上かつ4.0×10(Pa)以下とされることが更に好ましい。
NHガスG3の分圧は、上記のとおり9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下とされうるが、1.5×10(Pa)以上かつ1.5×10(Pa)以下とされることが好ましく、2.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下であることが更に好ましい。
キャリアガスG1がHガスの他にNガスを更に含む場合において、(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))は、例えば、0.05以上かつ1未満の範囲とされることができ、0.1以上かつ1未満の範囲とされること、0.6以上かつ1未満の範囲とされること、0.7以上かつ1未満の範囲とされること、0.8以上かつ1未満の範囲とされることが順に好ましく、0.9以上かつ1未満とされることが最も好ましい。
ガス及びNガスを(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.05以上かつ1未満の範囲で含むキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスG2の分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスG3の分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が2.8×10(W/m・K)以上のGaN材料を得ることができる。
ガス及びNガスを(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.1以上かつ1未満の範囲で含むキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスG2の分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスG3の分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上、より正確には306(W/m・K)以上、(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が300(arcsec)以下、(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が500(arcsec)以下、酸素濃度が5×1017(atoms/cm)未満、シリコン濃度が5×1017(atoms/cm)以下、炭素濃度が1×1017(atoms/cm)未満、水素濃度が1×1018(atoms/cm)未満)のGaN材料を得ることができる。なお、これらの不純物濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)によって測定することができる。
ガス及びNガスを(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.7以上かつ1未満の範囲で含むキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、GaClガスG2の分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、NHガスG3の分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が3.3×10(W/m・K)以上、より正確には327(W/m・K)以上、(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が300(arcsec)以下、(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が500(arcsec)以下、酸素濃度が5×1017(atoms/cm)未満、シリコン濃度が5×1017(atoms/cm)以下、炭素濃度が1×1017(atoms/cm)未満、水素濃度が1×1018(atoms/cm)未満)のGaN材料を得ることができる。
窒化ガリウム系材料或いは窒化ガリウム材料に導電性を持たせるためには、シリコン(n型の場合)などを意図的にドープすることが好ましい。一方で、高純度材料が必要な場合は、不純物を意図的にドープしない(アンドープ)ことが好ましい。また、非特許文献2に記載されているが、不純物を意図的にドープしないサンプルは、意図的に不純物をドープしたサンプルよりも熱伝導率が高い傾向があり好ましい。不純物としては、例えば、酸素、シリコン、炭素、水素等を挙げることができる。意図的にドープしないサンプルの好ましい不純物濃度は、以下の通りである。
不純物として酸素を意図的にドープしていないサンプルにおいて、酸素濃度は、1×1017(atoms/cm)未満であることが好ましく、5×1016(atoms/cm)未満であることがより好ましく、2×1016(atoms/cm)未満があることがさらに好ましい。ただし、酸素のSIMS検出下限は、2×1016(atoms/cm)である。
不純物として炭素を意図的にドープしていないサンプルにおいて、炭素濃度は、5×1016(atoms/cm)未満であることが好ましく、3×1016(atoms/cm)未満であることがより好ましく、1×1016(atoms/cm)未満であることがさらに好ましい。ただし、炭素のSIMS検出下限は、1×1016(atoms/cm)である。
不純物として水素を意図的にドープしていないサンプルにおいて、水素濃度は、5×1017(atoms/cm)以下であることが好ましく、3×1017(atoms/cm)以下であることがより好ましく、1×1017(atoms/cm)未満であることがさらに好ましい。ただし、水素のSIMS検出下限は、1×1017(atoms/cm)である。
不純物としてシリコンを意図的にドープしていないサンプルにおいて、シリコン濃度は、1×1017(atoms/cm)以下であることが好ましく、5×1016(atoms/cm)以下であることがより好ましく、5×1015(atoms/cm)以下であることがさらに好ましく、1×1015(atoms/cm)以下であることが最も好ましい。ただし、シリコンのSIMS検出下限は、1×1015(atoms/cm)である。
実質的にHのみからなるキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を1000(℃)とし、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が3.5×10(W/m・K)、より正確には345(W/m・K)、酸素濃度が2×1016(atoms/cm)未満、炭素濃度が2×1016(atoms/cm)未満、水素濃度が1×1017(atoms/cm)未満の酸素濃度、炭素濃度、水素濃度のいずれも検出下限未満のGaN材料を得ることができる。
実質的にHのみからなるキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を1100(℃)とし、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が3.7×10(W/m・K)、より正確には371(W/m・K)、酸素濃度が2×1016(atoms/cm)未満、炭素濃度が2×1016(atoms/cm)、水素濃度が1×1017(atoms/cm)未満の酸素濃度、水素濃度が検出下限未満のGaN材料を得ることができる。
実質的にHのみからなるキャリアガスG1と、GaClガスG2と、NHガスG3とを導入室40から反応室10に供給し、成長温度を1070(℃)とし、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)として成長工程を実施すると、25(℃)における熱伝導率が3.8×10(W/m・K)、より正確には380(W/m・K)、(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が62.0(arcsec)、(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が98.9(arcsec)、酸素濃度が2×1016(atoms/cm)未満、炭素濃度が1×1016(atoms/cm)未満、水素濃度が1×1017(atoms/cm)未満の酸素濃度、炭素濃度、水素濃度のいずれも検出下限未満のGaN材料を得ることができる。
ここで、GaN系材料が単結晶である場合には、X線ロッキングカーブはシングルピークを示し、その半値幅が狭いほど結晶性が良いことを示す。GaN系材料の(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は、300(arcsec)以下であることが好ましく、200(arcsec)以下であることがより好ましく、100(arcsec)以下でることがより一層好ましいが、上記の条件によれば、(002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が62.0(arcsec)のGaN系材料を得ることができる。
また、GaN系材料の(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は、300(arcsec)以下であることが好ましく、200(arcsec)以下でることがより好ましく、100(arcsec)以下でることがより一層好ましいが、上記の条件によれば、(102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が98.9(arcsec)のGaN系材料を得ることができる。
上記の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法にしたがって評価した。熱伝導率を直接求めるためには大きな試料を準備して長時間をかけて計測を行う必要がある。レーザーフラッシュ法では、熱拡散率αをレーザーフラッシュ法により計測し、他の方法により求めた密度ρ及び比熱容量Cから(1)式にしたがって熱伝導率λを算出する。
λ=α×ρ×C ・・・(1)
レーザーフラッシュ法は、図2に示すように、直径10(mm)、厚さ1〜5(mm)程度の円板状試料Sの表面をパルス幅が数百μsのレーザー光により均一に加熱した後の試料Sの裏面温度変化から熱拡散率を算出する測定法である。断熱条件を仮定した理論解によれば、パルス加熱後の試料Sの裏面温度は図2のように上昇し、試料S内の温度分布が均一化されるのに伴って一定値に収束する。レーザーフラッシュ法は、小さい試料を短時間に測定することができ、解析法が簡明であり、室温から200(℃)以上の高温に至るまでの計測が可能であるため、熱拡散率の標準的かつ実用的計測法として広く用いられる。
ここで、(1)式の適用において、GaNの密度を6.15(g/cm)、比熱を40.8(J/mol・K)とした(Barin, I., O. Knaeke, and O. Kubasehewski, Thermochemical Properties of Inorganic Substrates, Springer−Verlag, Berlin, 1977)。
熱拡散率の計測値は、標準試料を使って更正されうる。ここでは、財団法人ファインセラミックセンターから入手可能な多結晶アルミナ(直径10mm、厚さ1mm)を標準試料とした。
試料Sの裏面温度の変化から熱拡散率αを算出するアルゴリズムとしては、t1/2法を使用した。t1/2法では、図2に示すように、試料S裏面の過渡温度上昇の半分まで到達するのに要する時間から(2)式にしたがって熱拡散率αを算出する。ここで、dは試料Sの厚さである。
α=0.1388d/t1/2 ・・・(2)
本発明に係るGaN系材料で構成される基板或いは部材は、例えば、半導体レーザー、発光ダイオード、電子デバイス等のデバイスのエピタキシャル膜成長用基板として好適である。
或いは、本発明に係るGaN系材料で構成される基板或いは部材は、例えば、半導体レーザー、発光ダイオード、電子デバイス等のデバイスのマウント用部材として好適である。
図3、図4は、本発明に係るGaN系材料の適用例としての半導体デバイスの構造を例示的に示す図である。図3に示す適用例では、半導体製品200は、半導体デバイス210と、サブマウント230と、ヒートシンク240を備えている。半導体デバイス210は、サブマウント230を介してヒートシンク240に固定されている。半導体デバイス210が発生する熱は、サブマウント230を介してヒートシンク240に伝達されて、主としてヒートシンク240から放熱されうる。半導体デバイス210は、典型的には、活性層を含む多層構造部214を含む。多層構造部214は、例えば、基板212によって支持されうる。基板212は、例えば、多層構造部214を成長させるためのテンプレート基板であるが、この基板212についても本発明に係る熱伝導率の高い窒化ガリウム系材料を使用した場合には、半導体デバイスで発生する熱は主に活性層を含む多層膜214で発生するので、基板212を通じて効率良く熱を伝達することができる。図3に示す適用例において、本発明に係るGaN系材料で構成される基板或いは部材は、基板212、サブマウント230及びヒートシンク240の少なくとも1つとして使用されうる。
図4に示す適用例では、半導体製品300は、半導体デバイス210と、半導体デバイス210に固定されたヒートシンク250とを備えている。半導体デバイス210が発生する熱は、ヒートシンク250に伝達されてヒートシンク250から放熱される。半導体デバイス210は、典型的には、活性層を含む多層構造部214を含む。多層構造部214は、例えば、基板212によって支持されうる。基板212は、例えば、多層構造部214を成長させるためのテンプレート基板であるが、この基板212についても本発明に係る熱伝導率の高い窒化ガリウム系材料を使用した場合には、半導体デバイスで発生する熱は主に活性層を含む多層膜214で発生するので、基板212を通じて効率良く熱を伝達することができる。図4に示す適用例において、本発明に係るGaN系材料で構成される基板或いは部材は、基板212及びヒートシンク250の全部又は一部として使用されうる。
本発明の製造方法によれば、25(℃)における熱伝導率が250(W/m・K)以上のGaN系材料、更には成長条件の調整により、300(W/m・K)以上、又は、345(W/m・K)以上のGaN系材料を得ることができる。なお、非特許文献2によれば、理想的GaN結晶の熱伝導率の理論限界が410W/m・Kである。
このような高い熱伝導率を有するGaN系材料は、基板212、サブマウント230及びヒートシンク240、250の全部又は一部として有用である。これにより、活性層で発生した熱を効率よく放熱し、活性層の温度上昇を抑制することができる。このような温度上昇の抑制効果は、定電流駆動又は低電圧駆動において、デバイスの特性或いは能力(例えば、光出力)をほぼ一定に維持するために有効であり、また、デバイスの信頼性の向上にも寄与する。高い熱伝導率を有するGaN系材料は、特に、(超)高出力半導体レーザ、(超)高輝度発光ダイオードなどの発光デバイス、あるいは、パワースイッチング素子、大電力高周波電子素子なでの電子デバイスといったハイパワーデバイスにおいて、素子特性や長期信頼性の向上に大きく寄与する。また、半導体レーザにおいて、高い熱伝導率を有するGaN系材料を支持基板(結晶成長用基板も含む)として用いた場合、ジャンクション・アップ組立においても、素子特性や長期信頼性に優れた素子特性を実現することができる。
ここで、半導体デバイスの用語には、例えば、電子デバイスや光デバイスが含まれうる。電子デバイスの用語には、例えば、位置センサーとして利用されうるホール素子や、マイクロ波電界効果型トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)、バイポーラトランジスタ(HBT:Hetero−junction Bipolar Transistor)等が含まれうる。光デバイスの用語には、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode : LED)、半導体レーザー(Laser Diode : LD)等が含まれうる。
GaNのように硬度が大きい材料で構成される部材は、ダイシングによる分割が困難であるため、へき開を利用して分割或いは成形がなされることが好ましい。単結晶のGaN系材料で構成される部材であれば、特定の結晶面を有することから、へき開で直方体あるいは立方体の形状を得ることができる。
本発明において、形成されるGaN系材料の結晶系については、立方晶でもよいが、Wultzite型構造であることが好ましい。
また、本発明において、形成されるGaN系材料は、多結晶構造であってもよいが、単結晶構造であることが好ましい。何故なら、熱拡散は格子振動によって起こり、単結晶構造は熱拡散の効率がよいからである。また、単結晶構造であれば、特定の結晶面を利用してへき開等によって加工することができるので、直方体あるいは立方体の部材(例えば、ヒートシンク、サブマウント)を比較的容易に得ることができるという利点もある。
成長工程では、HVPE法によってGaN系材料を下地基板上に成長させる。下地基板としては、半導体基板及び誘電体基板のいずれの使用も可能であるが、半導体基板を用いることが好ましい。例えば、下地基板は、その上に成長させようとするGaN系材料の結晶層と格子定数が近接したものが好ましく、格子定数がa軸方向に0.30nm〜0.36nmであり、c軸方向に0.48nm〜0.58nmである化合物半導体基板を用いることが特に好ましい。
また、下地基板は、立方晶系又は六方晶系に属する結晶構造を有する基板が好ましい。立方晶系の基板としては、Si、GaAs、InGaAs、GaP、InP、ZnSe、ZnTe、CdTd等を用いることができ、六方晶系の基板としては、サファイア、SiC、GaN、スピネル、ZnO等を用いることができる。
下地基板としては、オフ基板を使用することもできる。例えば、サファイア基板であれば、その窒化物半導体結晶層を成長させる面が(ABCD)面又は(ABCD)面から微傾斜した面である基板を用いることができる。ここで、A、B、C、Dは自然数を示す。この微傾斜の角度は、通常0°〜10°、好ましくは0°〜0.5°、より好ましくは0°〜0.2°である。例えば、(0001)面からm軸方向に微傾斜しているサファイア基板を好ましく用いることができる。この他に、例えばa(11−20)面、r(1−102)面、m(1−100)面、これらの面と等価な面及びこれらの面から微傾斜した面も用いることができる。ここで、等価な面とは、立方晶系では90°、六方晶系では60°回転させると結晶学的に原子の配列が同じになる面のことをいう。
下地基板の上には、直接に本発明にしたがってGaN系材料を成長させてもよいが、下地基板上に下地層を形成した後に、その下地層の上に本発明にしたがってGaN系材料を成長させてもよい。
下地層は、例えば、分子線エピタキシー法(MBE法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)、PLD法(Pulsed Laser Deposition; J. Cryst. Growth, 237/239 (2002) 1153)、HVPE法等によって形成することができる。これらのうち、好ましいのはMBE法、MOCVD法及びPLD法であり、特に好ましいのはMBE法とMOCVD法である。
MBE法は、成長速度は遅いが、薄膜形成において単分子層レベルの精度で結晶成長を制御できるため、表面性に優れた層状の窒化物半導体結晶が得られる。また、MBE法は、比較的低温で結晶成長できるため、サファイア或いは酸化亜鉛等の元基板は初期窒化物半導体層及び/又はGa含有窒化物半導体結晶層の形成時に使用されるガスによる作用を受けることなく安定な状態を維持しうる。
このような下地層を形成することにより、その上に成長させるGaN系材料からなる層の結晶状態や表面状態を良好なものとすることができる。
一方、PLD法はさらに低温(例えば室温)でも成長させることができ、アンモニアガスを使用しないことから、サファイアや、酸化亜鉛のような反応性の高い基板を使用する場合には有利である。 更に、MOCVD法やHVPE法については、一度に2インチ基板なら50枚を超える枚数を成長可能な装置もあり、他の成長法に比べて量産性が非常に優れていて、工業上の優位性を有する。
下地層の厚さは、その上に形成されるGaN系材料層が安定して良質な結晶性や表面性を備えることができる厚みであれば特に限定されない。生産性の観点では、下地層の厚さは、通常0.1〜5.0(μm)であり、好ましくは0.3〜2.0(μm)である。
下地層又は下地基板の表面粗さ(Ra)は、1(nm)以下であることが好ましく、0.8(nm)以下であることがより好ましく、0.7nm以下であることがさらに好ましい。ここでいう表面粗さは中心線平均粗さ(Ra)のことであり、AFM(Atomic Force Microscopy)[原子間力顕微鏡]により表面の凹凸を測定することにより求めることができる。
以下、下地基板としてサファイアを採用し、サファイア基板上に下地層を形成した後に、その下地層上にGaN系材料層を形成する手順を例示的に説明する。
まず、サファイア基板上に、MBE法、MOCVD法、PLD法、HVPE法等により、通常0.1(μm)〜5.0(μm)、好ましくは0.3(μm)〜2.0(μm)の厚みの下地層を形成する。
次に、下地層上に本発明にしたがってHVPE法によりGaN系材料層を形成する。Gaは、HClと反応させてGaClガスとして反応室10内に供給し、窒素原料はNHガスとして反応室10内に供給する。
GaとHClとを反応させてGaClを生成する反応温度は、約850(℃)が好ましい。
その他、GaN系材料層の成長後に基板を反応室10から一旦取り出して冷却した後、酸等によるエッチングや研磨、レーザー照射スライシング等の別の工程を設けてもよい。
また、GaN系材料層の表面には、必要に応じて研磨等の表面処理を実施してもよい。
その他、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、上記以外の工程をさらに実施することができる。
下地基板からのGaN系材料層の剥離方法として、レーザーリフトオフを用いてもよい。具体的には、GaN系材料層の成長後に、下地基板とGaN系材料層との界面にレーザーを照射して界面を高温にさらすことにより、特に窒化ガリウムの窒素成分が抜けるため、界面に残ったGaを塩酸等で除去することができ、簡単に下地基板を除去することができる。
また、成長装置内で成長後に降温中にGaN系材料層と下地基板との間に生じる応力により、剥離させることも可能である。
以下、本発明の実施例を例示的に説明する。
[実施例1]
下地基板として表面が(0001)面からなる厚さ430(μm)、直径2インチのサファイア基板を用意し、これを前処理として有機溶剤で洗浄した。その後、MOCVD装置により下地基板の上に厚さ2(μm)の下地GaN層を成長させた。
次いで、下地GaN層を成長させた基板をHVPE装置の反応室10内に配置して、反応温度を1070(℃)に昇温した後、GaN層上に、実質的にHのみからなるキャリアガスG1と、GaとHClの反応生成物であるGaClガスG2と、NHガスG3とを供給しながら、下地GaN層上にGaN層を約15時間にわたって成長させた。この成長工程において、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)とした。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが約1060(μm)のSiドープ(キャリア濃度:n型、4x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれ2×1016(atoms/cm)未満、1×1016(atoms/cm)未満、および1×1017(atoms/cm)未満で、検出限界未満であった。
CL(Cathode Luminescence)あるいはAFMで測定した貫通転位密度は、2×10(個/cm)であった。
得られたGaN単結晶基板について、(002)X線ロッキングカーブの半値幅を測定したところ62.0(arcsec)であり、(102)X線ロッキングカーブの半値幅を測定したところ98.9(arcsec)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより、10(mm)角×1(mm)厚の板状のGaN単結晶サンプルを作製した。
次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、レーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。具体的には、GaN単結晶サンプルの両面に200(nm)程度の金膜を形成し、レーザー照射面側には、更にカーボン膜(厚さは1μm弱)を形成してレーザーフラッシュ法測定用サンプルを得た。
得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルをアルバック理工株式会社製から入手可能な全自動レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000、及び、財団法人ファインセラミックスセンターから入手可能な熱拡散率測定用標準物質TD−ALを使用して、レーザーフラッシュ法で測定し、t1/2法データ解析を行ったところ、室温(25℃)における熱拡散率は127(mm/sec)であった。
熱伝導率は、λ=α×ρ×C(λ:熱伝導率、α:熱拡散率、C:比熱容量)の関係式をしたがって求めることができる。ここで、GaNの密度を6.15(g/cm)、GaNの比熱を40.8(J/mol・K)(Barin, I., O. Knaeke, and O. Kubasehewski, Thermochemical Properties of Inorganic Substrates, Springer−Verlag, Berlin, 1977)とした。この方法で求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で386(W/m・K)であった。
[実施例2]
まず、反応温度を1000(℃)とする以外は実施例1と同様の条件で、下地GaN層上にGaN層を成長させた。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが約1060(μm)のSiドープ(キャリア濃度:n型、4x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれ2×1016(atoms/cm)未満、2×1016(atoms/cm)、および1×1017(atoms/cm)未満で、酸素濃度と水素濃度については検出限界未満であった。
CL(Cathode Luminescence)あるいはAFMで測定した貫通転位密度は5×10(個/cm)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより、10(mm)角×1(mm)厚の板状のGaN単結晶サンプルを作製した。
次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、実施例1と同様にしてレーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。
得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルを実施例1と同様にして評価したところ、室温(25℃)における熱拡散率は117(mm/sec)であった。
実施例1と同様にして求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で345(W/m・K)であった。
[実施例3]
まず、反応温度を1100(℃)とする以外は実施例1と同様の条件で、下地GaN層上にGaN層を成長させた。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが約1060(μm)のSiドープ(キャリア濃度:n型、4x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれは2×1016(atoms/cm)未満、1×1016(atoms/cm)未満、および1×1017(atoms/cm)未満で、いずれも検出限界未満であった。
CL(Cathode Luminescence)あるいはAFMで測定した貫通転位密度は、3×10(個/cm)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより、10(mm)角×1(mm)厚みの板状のGaN単結晶サンプルを作製した。
次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、実施例1と同様にしてレーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。
得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルを実施例1と同様にして評価したところ、室温(25℃)における熱拡散率は124(mm/sec)であった。
実施例1と同様にして求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で371(W/m・K)であった。
[実施例4]
下地基板として表面が(0001)面からなる厚さ430(μm)、直径2インチのサファイア基板を用意し、これを前処理として有機溶剤で洗浄した。その後、MOCVD装置により下地基板の上に厚さ2(μm)の下地GaN層を成長させた。
次いで、下地GaN層を成長させた基板をHVPE装置の反応室10内に配置して、反応温度を1070(℃)に昇温した後、GaN層上に、Hガス及びNガスを(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.7となる比率で含むキャリアガスG1と、GaとHClの反応生成物であるGaClガスG2と、NHガスG3とを供給しながら、下地GaN層上にGaN層を約15時間にわたって成長させた。この成長工程において、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)とした。このときガス流速は、導入室40で0.931(m/min)であった。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが1643(μm)のSiドープ(キャリア濃度:n型、3.5x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれ3×1016(atoms/cm)未満、5×1016(atoms/cm)、および5×1016(atoms/cm)未満で、酸素濃度については検出限界未満であった。
CL(Cathode Luminescence)あるいはAFMで測定した貫通転位密度は5×10(個/cm)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより板状のGaN単結晶サンプルを作製した。次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、実施例1と同様にしてレーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルを実施例1と同様にして評価したところ、室温(25度)における熱拡散率は109(mm/sec)であった。
実施例1と同様にして求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で327(W/m・K)であった。
[実施例5]
下地基板として表面が(0001)面からなる厚さ430(μm)、直径2インチのサファイア基板を用意し、これを前処理として有機溶剤で洗浄した。その後、MOCVD装置により下地基板の上に厚さ2(μm)の下地GaN層を成長させた。
次いで、下地GaN層を成長させた基板をHVPE装置の反応室10内に配置して、反応温度を975(℃)に昇温した後、GaN層上に、GaN層上に、Hガス及びNガスを(Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.1となる比率で含むキャリアガスG1と、GaとHClの反応生成物であるGaClガスG2と、NHガスG3とを供給しながら、下地GaN層上にGaN層を約15時間にわたって成長させた。この成長工程において、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を1.11×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を4.45×10(Pa)とした。このときガス流速は、導入室40で0.931(m/min)であった。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが1271(μm)のSiドープ(キャリア濃度:n型、8.9x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれ2×1018(atoms/cm)、1×1017(atoms/cm)、および1×1017(atoms/cm)であった。
CL(Cathode Luminescence)あるいはAFMで測定した貫通転位密度は5×10(個/cm)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより板状のGaN単結晶サンプルを作製した。次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、実施例1と同様にしてレーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルを実施例1と同様にして評価したところ、室温(25度)における熱拡散率は102(mm/sec)であった。実施例1と同様にして求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で306(W/m・K)であった。
[比較例]
下地基板として表面が(0001)面からなる厚さ430(μm)、直径2インチのサファイア基板を用意し、これを前処理として有機溶剤で洗浄した。その後、MOCVD装置により下地基板の上に厚さ2(μm)の下地GaN層を成長させた。
次いで、下地GaN層を成長させた基板を導入室と反応室が同一断面積であるHVPE装置の反応室内に配置して、反応温度を1010(℃)に昇温した後、GaN層上に、GaN層上に、実質的にNガスのみからなるキャリアガスG1と、GaとHClの反応生成物であるGaClガスG2と、NHガスG3とを供給しながら、下地GaN層上にGaN層を約15時間にわたって成長させた。この成長工程において、成長圧力を1.01×10(Pa)とし、GaClガスG2の分圧を2.91×10(Pa)とし、NHガスG3の分圧を1.17×10(Pa)とした。このときガス流速は、下地基板の上方の空間において0.133(m/min)であった。
次いで、GaN層を成長させた基板からサファイア基板を取り除いた。これにより、厚さが1072(μm)のn型(キャリア濃度:9.0x1017(atoms/cm)、ホール測定値)自立GaN単結晶基板が得られた。酸素、炭素および水素不純物濃度は、それぞれ1×1019(atoms/cm)、6×1016(atoms/cm)、および6×1016(atoms/cm)であった。
その後、得られたGaN単結晶基板の両面を研磨し成形することにより板状のGaN単結晶サンプルを作製した。次いで、GaN単結晶サンプルの熱伝導率を評価するために、実施例1と同様にしてレーザーフラッシュ法測定用サンプルを作製した。得られたレーザーフラッシュ法測定用サンプルを実施例1と同様にして評価したところ、室温(25度)における熱拡散率は84.3(mm/sec)であった。実施例1と同様にして求めたGaN単結晶の熱伝導率は、室温で253(W/m・K)であった。
以上より、本発明によって25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上の窒化ガリウム材料が得られることがわかる。
上記サンプルでは不純物としてのシリコン濃度が比較的高濃度(4x1017cm−3))であったが、シリコン濃度を2×1015(atoms/cm)と低くすると、さらに熱伝導率を高めることが可能と考えられる。
上記実施例では、高い熱伝導率を有するGaN系材料をHVPE法で作製したが、ソルボサーマル法(アモノサーマル法)、液相成長法、有機金属気相成長法などの他の成長法を用いても、酸素、炭素、水素、シリコンの不純物濃度を上記の範囲内となるようにGaN系材料を作製すれば、HVPE法と同様な高い熱導電率を実現することができると考えられる。
上記実施例では、窒化ガリウムの高熱伝導性について説明したが、窒化ガリウム(GaN)を主成分とする窒化ガリウム(GaN)系材料、あるいはIII族元素としてガリウム(Ga)を最も多く、またV族元素として窒素(N)を最も多く含むIII−V族化合物半導体材料であれば、同様な高熱伝導率が得られる。
100 HVPE装置
10 反応室
20 ヒータ
30 基板支持部
30S 支持面
40 導入室
S 下地基板
G1 キャリアガス
G2 GaClガス
G3 NHガス
200、300 半導体製品
210 半導体デバイス
212 基板
214 多層構造部
230 サブマウント
240 ヒートシンク
250 ヒートシンク

Claims (19)

  1. 25(℃)における熱伝導率が2.8×10(W/m・K)以上であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  2. 25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  3. 25(℃)における熱伝導率が3.0×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  4. 25(℃)における熱伝導率が3.3×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  5. 25(℃)における熱伝導率が3.5×10(W/m・K)以上かつ3.8×10(W/m・K)以下であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  6. (002)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が300(arcsec)以下であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  7. (102)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が500(arcsec)以下であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  8. 酸素濃度が5×1017(atoms/cm)未満であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  9. 炭素濃度が1×1017(atoms/cm)未満であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  10. 水素濃度が1×1018(atoms/cm)未満であることを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  11. HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法による成長工程を経て製造された窒化ガリウム系材料であって、
    25(℃)における熱伝導率が2.8×10(W/m・K)以上であり、
    前記成長工程では、Hガスを含むキャリアガスと、GaClガスと、NHガスとが反応室に供給され、成長温度が900(℃)以上かつ1200(℃)以下とされ、成長圧力が8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とされ、GaClガスの分圧が1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とされ、NHガスの分圧が9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下とされた条件において、前記反応室に配置された下地基板の上に前記窒化ガリウム系材料が成長し、
    前記反応室には、前記反応室に連通するように配置された導入室から前記キャリアガス、前記GaClガス及び前記NHガスが導入され、前記導入室の平均断面積が前記反応室の平均断面積よりも小さい、
    ことを特徴とする窒化ガリウム系材料。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系材料を含む部材。
  13. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系材料を含む熱伝達用部材。
  14. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系材料を含むサブマウント。
  15. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系材料を含むヒートシンク。
  16. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系材料からなる基板。
  17. 窒化ガリウム系材料の製造方法であって、
    HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法によって窒化ガリウム系材料を成長させる成長工程を含み、
    前記成長工程では、
    実質的にHガスのみからなるキャリアガスと、GaClガスと、NHガスとを反応室に供給し、
    成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、
    成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、
    GaClガスの分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、
    NHガスの分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下とする、
    ことを特徴とする窒化ガリウム系材料の製造方法。
  18. 窒化ガリウム系材料の製造方法であって、
    HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxial Growth)法によって窒化ガリウム系材料を成長させる成長工程を含み、
    前記成長工程では、
    ガスおよびNガスを含むキャリアガスと、GaClガスと、NHガスとを反応室に供給し、
    成長温度を900(℃)以上かつ1200(℃)以下とし、
    成長圧力を8.08×10(Pa)以上かつ1.21×10(Pa)以下とし、
    GaClガスの分圧を1.0×10(Pa)以上かつ1.0×10(Pa)以下とし、
    NHガスの分圧を9.1×10(Pa)以上かつ2.0×10(Pa)以下とし、
    (Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.6以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整することを特徴とする窒化ガリウム系材料の製造方法。
  19. (Hガスの分圧)/((Hガスの分圧)+(Nガスの分圧))が0.7以上かつ1未満の範囲となるように前記キャリアガスの供給を調整することを特徴とする請求項18に記載の窒化ガリウム系材料の製造方法。
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