JP2004284804A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、使用する転写紙が普通紙か塗工紙かを判定し、判定結果を基にローラの押圧力等を適切な値に設定することによって重送発生を防止し、安定した給紙を行うことが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【構成】転写紙Sの光沢度を検出する光沢センサ21と、該光沢センサ21が検知した光沢度から転写紙Sの種類を判定する転写紙判定手段107と、該転写紙判定手段107の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段108と、を有する構成とした。このような構成とすることで、塗工紙を使用した時の重送を効果的に防止することができる。また、前記転写紙判定手段107は、判定結果を、表示部102に表示することとすれば、操作者が判定結果の確認をすることができる。
【選択図】 図1
【構成】転写紙Sの光沢度を検出する光沢センサ21と、該光沢センサ21が検知した光沢度から転写紙Sの種類を判定する転写紙判定手段107と、該転写紙判定手段107の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段108と、を有する構成とした。このような構成とすることで、塗工紙を使用した時の重送を効果的に防止することができる。また、前記転写紙判定手段107は、判定結果を、表示部102に表示することとすれば、操作者が判定結果の確認をすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像形成装置の給紙装置において、転写紙の重送防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合機等の画像形成装置で使用する転写紙には、大きく分けて普通紙と塗工紙の2種類がある。普通紙は、表面に塗料を塗っていない転写紙であり、一般的に使用されている。一方、塗工紙は、画像形成後の仕上がりをよくするために、表面に塗料を塗って平滑にした転写紙であり、カラー画像を形成する場合に多く用いられる。塗工紙は、使用している塗料の種類や、表面の平滑度等の違いにより、コート紙・光沢紙といった種類に細分化されている。
【0003】
塗工紙は、塗料を塗ってあるために平滑性が高くなっており、その分転写紙同士の密着性も高くなってしまう。そのため、塗工紙を画像形成装置に使用すると、複数枚の転写紙が密着したまま搬送されてしまう、重送という現象が発生し易くなっている。高温・高湿の環境にあると、重送が特に起こり易くなる。
【0004】
塗工紙の重送を防止するために、重送の発生しない塗工紙を使用することが考えられている(例えば特許文献1参照)。また、画像形成装置に光沢センサを設け、光沢度を検知するものもある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−226794号公報(段落29以降)
【特許文献2】
特開平5−333643号公報(段落54から55)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、重送の発生しない塗工紙は、通常の塗工紙よりもコストが高くなるという問題点がある。特許文献2は、原稿に印刷された画像の光沢度を検知し、原稿画像の光沢度を転写紙上に再現するために光沢センサが使用されており、塗工紙の重送防止に関しては、まったく考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、使用する転写紙が普通紙か塗工紙かを判定し、判定結果を基にローラの押圧力等を適切な値に設定することによって重送発生を防止し、安定した給紙を行うことが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、転写紙の光沢度を検出する光沢センサと、該光沢センサが検知した光沢度から転写紙の種類を判定する転写紙判定手段と、該転写紙判定手段の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段と、を有する構成とした。
【0009】
さらに、前記画像形成装置の状態を表示する表示部を有し、前記転写紙判定手段は、判定結果を前記表示部に表示することとしたり、前記画像形成装置は、転写紙の重送を防止する、さばきローラを有し、前記転写紙判定手段は、判定の結果に対応した、さばきローラを前記表示部に表示する構成としたり、前記画像形成装置は、転写紙周辺の温度を検知する温度センサと、湿度を検知する湿度センサと、前記画像形成装置内の温度を制御する温度調節手段と、前記画像形成装置内の湿度を制御する除湿手段と、を有し、前記給紙条件設定手段は、前記温度センサ及び湿度センサから得た温度及び湿度から重送の可能性を判断し、重送の可能性があると判断した場合には、前記除湿手段及び前記温度調節手段によって、前記画像形成装置内の温度及び湿度を制御する構成とすることもできる。
【0010】
【作用】
光沢センサが転写紙の光沢度を測定し、転写紙判定手段がその光沢度を基に転写紙の紙種を判定し、給紙条件設定手段が、その判定結果に対応した給紙条件をさばきローラ・さばきファン・重送検知センサに対して設定することで、普通紙・塗工紙それぞれに適した給紙条件を設定でき、よって重送の防止が可能となる。
【0011】
転写紙判定手段が、判定結果を表示部に表示することで、操作者が判定結果を確認することが可能となる。
【0012】
給紙条件設定手段が、温度センサ・湿度センサから、転写紙周辺の温度・湿度を取得する。取得した温度・湿度から重送の可能性があると判断した場合には、温度調節手段及び除湿手段によって画像形成装置内部を、重送が発生しない温度・湿度に調節する。そうすることで、重送の発生をより確実に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の画像形成装置を、図面を基に説明する。図1は、本発明の画像形成装置の構成図である。画像形成装置1は、原稿読取装置2、画像形成部3及び給紙カセット4等を有する。画像形成部3はさらに、感光体ドラム5、帯電装置6、像露光装置7、現像装置8、転写装置9、クリーニング装置10及び定着装置11等によって構成されている。
【0014】
このような画像形成装置1による画像形成の流れを次に示す。まず、原稿読取装置2は、原稿を画像データとして読みこむ。次に帯電装置6が感光体ドラム5を一様に帯電させ、像露光装置7が画像データを感光体ドラム5に静電潜像として形成する。静電潜像は、現像装置8によってトナーを吸着されトナー画像となる。さらに、転写装置9が給紙カセット4から搬送されてきた転写紙Sにトナー画像を転写し、定着装置11は該トナー画像を加熱、溶融して転写紙Sに定着する。その後転写紙Sは、両面コピーの場合には、搬送経路切換板12によって反転経路13へ表裏反転されて、再度画像形成部3へ搬送される。片面コピーの場合又は両面にコピーした場合には、搬送経路切換板12が図1の仮想線の位置に下がることによって転写紙Sは排出ローラ14に送られ、外部へ排出される。一方、転写後に感光体ドラム5に残ったトナーは、クリーニング装置10によって回収される。
【0015】
給紙カセット4の上には、温度センサ15と湿度センサ16が設けられている。温度センサ15及び湿度センサ16は、転写紙Sの周辺の温度・湿度を検出するものである。これらのセンサは、給紙カセット4内等、転写紙Sの近傍に設けることが望ましいが、定着装置11等の、高温になる装置からの影響を受けにくい場所に設けることもできる。
【0016】
また、給紙カセット4には、ピックアップローラ17、給紙ローラ18及びさばきローラ19がある。ピックアップローラ17は、給紙カセット4に載置されている転写紙Sの中から、一番上の転写紙Sを給紙ローラ18へ送り出すためのローラである。給紙ローラ18の下には、さばきローラ19が設けられている。給紙ローラ18は転写紙Sを搬送経路に送る方向に回転しているのであるが、さばきローラ19は、給紙ローラ18とは逆方向、すなわち転写紙Sを給紙カセット4へ戻す方向に回転している。給紙カセット4の周辺温度・湿度及び転写紙Sの厚さ等の要因により、ピックアップローラ17が複数枚を一度に給紙してしまうような場合に、給紙ローラ18に接する一番上の転写紙Sは画像形成部3へ搬送されるが、それ以外の転写紙Sは、さばきローラ19によって給紙カセット4へ戻される。このような機構によって、重送の発生をある程度防止することができる。
【0017】
転写紙Sを画像形成部3へ搬送する搬送経路、詳しくはレジストローラより上流側に、重送検知センサ20と光沢センサ21が設けられている。重送検知センサ20は、超音波の発信機と受信機とからなり、発信機と受信機の間を通る転写紙の厚さによって、受信機が検知する電圧が違ってくることを利用するものである。検知する電圧は、薄い転写紙では高く、厚い転写紙では低くなる。重送の場合は、転写紙が複数枚送られてくるので、重送検知センサ26が検知する電圧は1枚の時の電圧より低くなる。従って、転写紙が1枚の時の電圧と、重送したときの電圧との間に閾値を設定し、閾値以下の電圧を検知したら重送と判断することで、重送の検知ができるようになっている。
【0018】
光沢センサ21は、1つの投光部と2つの受光部とを有する。LED等の投光部から転写紙Sに光を照射させ、転写紙Sからの反射光をフォトダイオード等の受光部で受ける。2つある受光部のうち、一方は投光部からの正反射(S波)を受光し、他方は乱反射(P波)を受光する。転写紙Sの光沢度が高いと、照射した光のほとんどが正反射するので、正反射(S波)用の受光部がより多く受光し、光沢度が低いと、照射した光が乱反射するので、乱反射(P波)用の受光部が多く受光する。これら2つの受光部が受けた光の量を比較することで、転写紙Sの光沢度を判定することができる。
【0019】
上記で説明した光沢センサ21の構造は一例であり、この他にも、投光部に偏光フィルターを設けてS波を転写紙Sに照射し、転写紙Sからの反射光を偏光ビームスプリッターによってS波とP波に分け、それぞれの光を、S波用の受光部とP波用の受光部で受光するもの等がある。この場合は、転写紙Sの光沢度が高い場合はP波の発生はないが、光沢度が低い場合には乱反射によりP波が発生するので、S波とP波の受光量を比較することで光沢度が判定できる。
なお、光沢センサ21は図1で示した位置以外にも、給紙トレイ4に取り付けることも可能である。
【0020】
図2は、本発明の画像形成装置のブロック図である。全体制御部100は、画像形成装置1の各装置を協調的に動作させるものであり、図示しない複数の制御プログラム及び記憶装置を有している。操作部101は、数字キーやスタートキー等の複数のボタンから構成されており、操作者が、コピー枚数・倍率・用紙サイズ等の指示を画像形成装置1へ出す時に使用する。表示部102は、画像形成装置1の設定内容等を表示する液晶画面である。表示部102にはタッチパネルが取り付けられており、片面コピーモード・両面コピーモードといった、動作モードの設定等ができるようになっている。
【0021】
回線制御部103は電話回線の接続・切断といった、通信の制御を行うものであり、主にFAXを送受信する時に使用する。プリンタ制御部104は、図1の画像形成部3を制御して、一連の画像形成処理を行うものである。プリンタ制御部104にはネットワークインタフェース105がある。これは、LANに接続されているPC等との間で画像データの送受信を行うものである。ネットワークインタフェース105があることで、LAN上のPCから画像形成装置1への文書の印刷や、原稿読取装置2で読み取った画像データをPCへ送信するといったことが可能となる。
【0022】
さばきファン106は給紙カセット4の内部に設けられたファンである。図3は給紙カセット4の上面図である。給紙カセット4の中央に、複数枚の転写紙Sが載置されており、図1に示したピックアップローラ17によって矢印Y1の方向に搬送される。さばきファン106は、転写紙S上部の両側に風をあてるように取り付けられている。転写紙S同士が貼りついてしまうと、重送が発生しやすくなるため、給紙動作時にさばきファン106が転写紙Sに側面から風をあて、転写紙Sを1枚ずつ分離する。それによって、重送の発生を防止することが可能となる。
【0023】
図2に戻り、転写紙判定手段107は、光沢センサ21が検知した光沢度から、搬送されている転写紙Sが普通紙なのか塗工紙なのかを判定するものである。例えば、光沢度が45%以上であれば光沢紙と判定し、20%以上45%未満がコート紙と、20%未満であれば普通紙と判定する。この例以外にも、より多くの紙種に対応できるように、光沢度の範囲を細かく指定することも可能であり、逆に光沢度20%を閾値として、20%以上を塗工紙、20%未満を普通紙と判定することも可能である。
【0024】
給紙条件設定手段108は、転写紙判定手段107の判定結果を基に転写紙Sの給紙条件を設定するものである。給紙条件としては、さばきローラ19の押圧力の強弱、さばきファン106のON/OFF及び風量、そして重送検知センサ20の閾値等がある。
【0025】
図4は、重送検知センサに設定する閾値の一例である。グラフの縦軸は重送検知センサ20が検知した電圧を示している。また、グラフ中の実線は、実際に重送検知センサ20が検知した電圧値を示しており、破線は重送発生を判定するための閾値を示している。塗工紙は、表面に塗料等が塗られている分、厚みが増す。従って、重送検知センサ20が検知する電圧値は、普通紙(図4では非塗工紙としている)の場合よりも低くなる。重送時には、重送検知センサ20が検知する電圧値はさらに低い値となる。閾値は、正常時の電圧値と重送時の電圧値の間に設定され、重送検知センサ20が検知した電圧値が閾値よりも低かった場合に、重送発生と判断する。閾値の設定に際して、正常時の電圧値に近いところ、具体的には「非塗工紙」又は「塗工紙」の近くに閾値を設定すると、重送していないものを重送と判断する誤検知の発生の可能性が高くなる。逆に、重送時の電圧値に近いところに閾値を設定すると、重送しているものを検知しない検知漏れの発生の可能性が高くなる。
【0026】
ここで閾値を、図4に示した「閾値1」に固定した場合、非塗工紙であれば問題ないが、塗工紙を使用した時には、誤検知の可能性でてきて望ましい設定ではない。逆に、「閾値2」に固定した場合は、塗工紙であれば問題ないが、非塗工紙を使用した場合に、検知漏れが発生する可能性が高くなってしまう。
【0027】
そこで、給紙条件設定手段108は、転写紙判定手段107の判定結果が普通紙であった場合には、閾値を図4の「閾値1」に設定し、塗工紙という判定結果であった場合には、閾値を「閾値2」に設定することによって、正確な重送検知が可能となる。
【0028】
なお、図4は閾値が2つであるが、このような実施例に限定するものではない。塗工紙をさらにコート紙と光沢紙とに細分化し、閾値を普通紙とコート紙及び光沢紙の3種類にすることもできる。
【0029】
再び図2に戻る。温度調節手段109は、温度センサ15が検知した転写紙S周辺の温度を基に、温度制御を行う手段である。また、除湿手段110は、湿度センサ16が検知した転写紙Sの周辺湿度を基に、必要であれば除湿を行うための制御手段である。図5は、転写紙毎に重送発生の危険性のある温度と湿度を示したグラフである。転写紙Sの重送は、一般的に温度・湿度がある一定値以上になると発生の可能性が高くなる。例えば、図5の塗工紙では、温度が30℃以上かつ湿度が80%以上になると重送の危険性が高くなり、普通紙の場合は35℃以上かつ90%以上になると重送の危険性が高くなる。温度調節手段109及び除湿手段110は、温度センサ15・湿度センサ16が重送の危険性が高まる数値以上になっている場合に、転写紙S周辺の温度・湿度を重送の危険性がなくなる値まで下げるための制御を行う。
【0030】
具体的には、温度調節手段109は、温度を下げるために画像形成装置1の冷却ファンを駆動させる。そして、普通紙であれば35℃以下に、塗工紙であれば30℃以下になったところで、冷却ファンを停止する。また、転写紙Sは低温環境下にあっても、搬送トラブルの発生が高まるので、給紙カセット4にヒーターを設け、転写紙Sの周辺温度が一定値以下に下がった場合には、ヒーターをONにして、必要な温度にまで上昇したところでOFFにする制御を行うこともできる。
【0031】
湿度センサ16が検知した湿度が、重送の危険性が高い数値、図5の塗工紙の例では80%以上、普通紙の場合には90%以上になっていた場合には、画像形成装置1の冷却ファンを駆動させ湿気を装置外へ放出することで、除湿を行う。
【0032】
図6は、重送防止の手順を示すフローチャートである。操作者は、使用する転写紙Sやコピー枚数等を指定しコピー開始ボタンを押す。すると、指定された給紙カセット4から転写紙Sが搬送され、光沢センサ21の下を通過する。
【0033】
この時に、転写紙判定手段107は光沢センサ21からの光沢度を基に、搬送されてきた転写紙Sが普通紙か塗工紙かを判定し(S01)、結果と確認メッセージを表示部102に表示する(S02)。
【0034】
S01での判定結果が塗工紙であったなら(S03)、給紙条件設定手段108は、さばきファン106をONするとともに、風量を適切な値に設定する(S04)。さらに、さばきローラ19の押圧力を高くして転写紙Sの分離性を高め(S05)、重送検知センサ20の閾値を、図4の閾値2に設定する(S06)。もし、搬送されてきた転写紙Sが普通紙であったなら、給紙条件設定手段108は、さばきファン106をOFFにし、さばきローラ19の押圧力を普通紙用に設定し、重送検知センサ20を図4の閾値1に設定する(S07)。
【0035】
給紙条件設定手段108によって、給紙条件が適切に設定された後に、給紙条件設定手段108は、現在の転写紙S周辺の温度と湿度を、温度センサ15と湿度センサ16から取得する(S08)。そして、取得した温度・湿度を基に重送の危険性を判断する(S09)。この判断は、例えば図5で示した普通紙を使用する場合には「温度35℃以上かつ湿度90%以上」かどうかで判断し、塗工紙を使用する場合には「温度30℃以上かつ湿度80%以上」かどうかで判断する。重送の危険性があると判断した場合には、温度調節手段109と除湿手段110が実行され、温度・湿度の制御を行う(S10)。そして再びS08へ戻り、重送の危険がないと判断されるまで、繰り返される。重送の危険性がないと判断された場合には、給紙カセット4から次の画像形成処理に必要な転写紙Sを1枚搬送する(S11)。
【0036】
図1のように光沢センサ21がレジストローラの直前にあるような実施例では、搬送される転写紙Sのうち、最初の1枚が光沢センサ21の下を通過しないと適切な設定がなされないことから、最初の1枚は重送の危険性が高い状態で給紙される場合がある。そこで、光沢センサ21を、各給紙カセット4に設け、転写紙判定手段107は、操作者が指定した給紙カセット4に設けられた光沢センサ21の検知結果を基に判定を行うようにすることもできる。このようにすることで、1枚目も適切な給紙条件で給紙が行われることになる。
【0037】
また、転写紙Sの種類によっては、さばきローラ19等のローラを交換したほうがよい場合がある。例えば、光沢度の高い光沢紙等は、表面が平滑であるために転写紙S同士が密着しやすいので、それを分離するためには摩擦係数の高い素材で形成された、さばきローラ19を使用したほうがよい。
【0038】
さばきローラ19の交換は、光沢センサ21が検知した光沢度によって、転写紙判定手段107が交換の必要があると判定し、表示部102にその旨を表示したときに行う。
【0039】
図7は、さばきローラの交換手順を示す図である。画像形成装置1の本体カバー又は給紙カセット4を引き出すと、図7(a)に示すような形でさばきローラ19がある。さばきローラ19は軸19a,19bに、取り付け部材19cと固定ピン19dとによって取り付けられている。
【0040】
軸19a,19bのうち、駆動装置に接続しているのは軸19aであり、軸19bは図示しない軸受に取り付けられている。取り付け部材19cは軸19aが挿入可能な内径の円筒形であり、軸19aにスライド可能に取り付けられている。固定ピン19dは、取り付け部材19cを軸19aに固定するものであり、軸19a及び取り付け部材19c上の固定穴19eに挿通固定して使用する。
【0041】
さばきローラ19は、材質の違うものが複数用意されており、そのうちのいずれか1つを使用する。さばきローラ19の一方の側面には、軸19bと嵌合する穴が設けられており、他方の側面には、取り付け部材19cと嵌合する穴19fが穿設されている。穴19fは溝19gを有しており、取り付け部材19cの先端にある突出部19hが当該溝19gに嵌合することで、軸19aからの駆動力を、さばきローラ19へ伝えられる。
【0042】
さばきローラ19の交換手順としては次のようになる。まず、図7(b)で示すように、固定ピン19cを引き抜いて固定部材19cを矢印方向へスライドさせる。次に、図7(c)に示すように、さばきローラ19を軸19bから取り外す。その後は、逆の手順で新しいさばきローラ19を取り付けて交換完了である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の画像形成装置によれば、転写紙の光沢度を検出する光沢センサと、該光沢センサが検知した光沢度から転写紙の種類を判定する転写紙判定手段と、該転写紙判定手段の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段と、を有する構成とすることで、塗工紙を使用した時の重送を防止することができる。
【0044】
前記画像形成装置は、転写紙周辺の温度を検知する温度センサと、湿度を検知する湿度センサと、前記画像形成装置内の湿度を制御する除湿手段と、前記画像形成装置内の温度を制御する温度調節手段と、を有し、前記給紙条件設定手段は、前記温度センサ及び湿度センサから得た温度及び湿度から重送の可能性を判断し、重送の可能性があると判断した場合には、前記除湿手段及び前記温度調節手段によって、前記画像形成装置内の温度及び湿度を制御する構成とすることで、塗工紙の重送を、より確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置のブロック図である。
【図3】給紙カセットの上面図である。
【図4】重送検知センサに設定する閾値の一例である。
【図5】転写紙毎に重送発生の危険性のある温度と湿度を示したグラフである。
【図6】重送防止の手順を示すフローチャートである。
【図7】さばきローラの交換手順を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
15 温度センサ
16 湿度センサ
19 さばきローラ
21 光沢センサ
102 表示部
107 転写紙判定手段
108 給紙条件設定手段
109 温度調節手段
110 除湿手段
S 転写紙
【産業上の利用分野】
本発明は、画像形成装置の給紙装置において、転写紙の重送防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合機等の画像形成装置で使用する転写紙には、大きく分けて普通紙と塗工紙の2種類がある。普通紙は、表面に塗料を塗っていない転写紙であり、一般的に使用されている。一方、塗工紙は、画像形成後の仕上がりをよくするために、表面に塗料を塗って平滑にした転写紙であり、カラー画像を形成する場合に多く用いられる。塗工紙は、使用している塗料の種類や、表面の平滑度等の違いにより、コート紙・光沢紙といった種類に細分化されている。
【0003】
塗工紙は、塗料を塗ってあるために平滑性が高くなっており、その分転写紙同士の密着性も高くなってしまう。そのため、塗工紙を画像形成装置に使用すると、複数枚の転写紙が密着したまま搬送されてしまう、重送という現象が発生し易くなっている。高温・高湿の環境にあると、重送が特に起こり易くなる。
【0004】
塗工紙の重送を防止するために、重送の発生しない塗工紙を使用することが考えられている(例えば特許文献1参照)。また、画像形成装置に光沢センサを設け、光沢度を検知するものもある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−226794号公報(段落29以降)
【特許文献2】
特開平5−333643号公報(段落54から55)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、重送の発生しない塗工紙は、通常の塗工紙よりもコストが高くなるという問題点がある。特許文献2は、原稿に印刷された画像の光沢度を検知し、原稿画像の光沢度を転写紙上に再現するために光沢センサが使用されており、塗工紙の重送防止に関しては、まったく考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、使用する転写紙が普通紙か塗工紙かを判定し、判定結果を基にローラの押圧力等を適切な値に設定することによって重送発生を防止し、安定した給紙を行うことが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、転写紙の光沢度を検出する光沢センサと、該光沢センサが検知した光沢度から転写紙の種類を判定する転写紙判定手段と、該転写紙判定手段の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段と、を有する構成とした。
【0009】
さらに、前記画像形成装置の状態を表示する表示部を有し、前記転写紙判定手段は、判定結果を前記表示部に表示することとしたり、前記画像形成装置は、転写紙の重送を防止する、さばきローラを有し、前記転写紙判定手段は、判定の結果に対応した、さばきローラを前記表示部に表示する構成としたり、前記画像形成装置は、転写紙周辺の温度を検知する温度センサと、湿度を検知する湿度センサと、前記画像形成装置内の温度を制御する温度調節手段と、前記画像形成装置内の湿度を制御する除湿手段と、を有し、前記給紙条件設定手段は、前記温度センサ及び湿度センサから得た温度及び湿度から重送の可能性を判断し、重送の可能性があると判断した場合には、前記除湿手段及び前記温度調節手段によって、前記画像形成装置内の温度及び湿度を制御する構成とすることもできる。
【0010】
【作用】
光沢センサが転写紙の光沢度を測定し、転写紙判定手段がその光沢度を基に転写紙の紙種を判定し、給紙条件設定手段が、その判定結果に対応した給紙条件をさばきローラ・さばきファン・重送検知センサに対して設定することで、普通紙・塗工紙それぞれに適した給紙条件を設定でき、よって重送の防止が可能となる。
【0011】
転写紙判定手段が、判定結果を表示部に表示することで、操作者が判定結果を確認することが可能となる。
【0012】
給紙条件設定手段が、温度センサ・湿度センサから、転写紙周辺の温度・湿度を取得する。取得した温度・湿度から重送の可能性があると判断した場合には、温度調節手段及び除湿手段によって画像形成装置内部を、重送が発生しない温度・湿度に調節する。そうすることで、重送の発生をより確実に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の画像形成装置を、図面を基に説明する。図1は、本発明の画像形成装置の構成図である。画像形成装置1は、原稿読取装置2、画像形成部3及び給紙カセット4等を有する。画像形成部3はさらに、感光体ドラム5、帯電装置6、像露光装置7、現像装置8、転写装置9、クリーニング装置10及び定着装置11等によって構成されている。
【0014】
このような画像形成装置1による画像形成の流れを次に示す。まず、原稿読取装置2は、原稿を画像データとして読みこむ。次に帯電装置6が感光体ドラム5を一様に帯電させ、像露光装置7が画像データを感光体ドラム5に静電潜像として形成する。静電潜像は、現像装置8によってトナーを吸着されトナー画像となる。さらに、転写装置9が給紙カセット4から搬送されてきた転写紙Sにトナー画像を転写し、定着装置11は該トナー画像を加熱、溶融して転写紙Sに定着する。その後転写紙Sは、両面コピーの場合には、搬送経路切換板12によって反転経路13へ表裏反転されて、再度画像形成部3へ搬送される。片面コピーの場合又は両面にコピーした場合には、搬送経路切換板12が図1の仮想線の位置に下がることによって転写紙Sは排出ローラ14に送られ、外部へ排出される。一方、転写後に感光体ドラム5に残ったトナーは、クリーニング装置10によって回収される。
【0015】
給紙カセット4の上には、温度センサ15と湿度センサ16が設けられている。温度センサ15及び湿度センサ16は、転写紙Sの周辺の温度・湿度を検出するものである。これらのセンサは、給紙カセット4内等、転写紙Sの近傍に設けることが望ましいが、定着装置11等の、高温になる装置からの影響を受けにくい場所に設けることもできる。
【0016】
また、給紙カセット4には、ピックアップローラ17、給紙ローラ18及びさばきローラ19がある。ピックアップローラ17は、給紙カセット4に載置されている転写紙Sの中から、一番上の転写紙Sを給紙ローラ18へ送り出すためのローラである。給紙ローラ18の下には、さばきローラ19が設けられている。給紙ローラ18は転写紙Sを搬送経路に送る方向に回転しているのであるが、さばきローラ19は、給紙ローラ18とは逆方向、すなわち転写紙Sを給紙カセット4へ戻す方向に回転している。給紙カセット4の周辺温度・湿度及び転写紙Sの厚さ等の要因により、ピックアップローラ17が複数枚を一度に給紙してしまうような場合に、給紙ローラ18に接する一番上の転写紙Sは画像形成部3へ搬送されるが、それ以外の転写紙Sは、さばきローラ19によって給紙カセット4へ戻される。このような機構によって、重送の発生をある程度防止することができる。
【0017】
転写紙Sを画像形成部3へ搬送する搬送経路、詳しくはレジストローラより上流側に、重送検知センサ20と光沢センサ21が設けられている。重送検知センサ20は、超音波の発信機と受信機とからなり、発信機と受信機の間を通る転写紙の厚さによって、受信機が検知する電圧が違ってくることを利用するものである。検知する電圧は、薄い転写紙では高く、厚い転写紙では低くなる。重送の場合は、転写紙が複数枚送られてくるので、重送検知センサ26が検知する電圧は1枚の時の電圧より低くなる。従って、転写紙が1枚の時の電圧と、重送したときの電圧との間に閾値を設定し、閾値以下の電圧を検知したら重送と判断することで、重送の検知ができるようになっている。
【0018】
光沢センサ21は、1つの投光部と2つの受光部とを有する。LED等の投光部から転写紙Sに光を照射させ、転写紙Sからの反射光をフォトダイオード等の受光部で受ける。2つある受光部のうち、一方は投光部からの正反射(S波)を受光し、他方は乱反射(P波)を受光する。転写紙Sの光沢度が高いと、照射した光のほとんどが正反射するので、正反射(S波)用の受光部がより多く受光し、光沢度が低いと、照射した光が乱反射するので、乱反射(P波)用の受光部が多く受光する。これら2つの受光部が受けた光の量を比較することで、転写紙Sの光沢度を判定することができる。
【0019】
上記で説明した光沢センサ21の構造は一例であり、この他にも、投光部に偏光フィルターを設けてS波を転写紙Sに照射し、転写紙Sからの反射光を偏光ビームスプリッターによってS波とP波に分け、それぞれの光を、S波用の受光部とP波用の受光部で受光するもの等がある。この場合は、転写紙Sの光沢度が高い場合はP波の発生はないが、光沢度が低い場合には乱反射によりP波が発生するので、S波とP波の受光量を比較することで光沢度が判定できる。
なお、光沢センサ21は図1で示した位置以外にも、給紙トレイ4に取り付けることも可能である。
【0020】
図2は、本発明の画像形成装置のブロック図である。全体制御部100は、画像形成装置1の各装置を協調的に動作させるものであり、図示しない複数の制御プログラム及び記憶装置を有している。操作部101は、数字キーやスタートキー等の複数のボタンから構成されており、操作者が、コピー枚数・倍率・用紙サイズ等の指示を画像形成装置1へ出す時に使用する。表示部102は、画像形成装置1の設定内容等を表示する液晶画面である。表示部102にはタッチパネルが取り付けられており、片面コピーモード・両面コピーモードといった、動作モードの設定等ができるようになっている。
【0021】
回線制御部103は電話回線の接続・切断といった、通信の制御を行うものであり、主にFAXを送受信する時に使用する。プリンタ制御部104は、図1の画像形成部3を制御して、一連の画像形成処理を行うものである。プリンタ制御部104にはネットワークインタフェース105がある。これは、LANに接続されているPC等との間で画像データの送受信を行うものである。ネットワークインタフェース105があることで、LAN上のPCから画像形成装置1への文書の印刷や、原稿読取装置2で読み取った画像データをPCへ送信するといったことが可能となる。
【0022】
さばきファン106は給紙カセット4の内部に設けられたファンである。図3は給紙カセット4の上面図である。給紙カセット4の中央に、複数枚の転写紙Sが載置されており、図1に示したピックアップローラ17によって矢印Y1の方向に搬送される。さばきファン106は、転写紙S上部の両側に風をあてるように取り付けられている。転写紙S同士が貼りついてしまうと、重送が発生しやすくなるため、給紙動作時にさばきファン106が転写紙Sに側面から風をあて、転写紙Sを1枚ずつ分離する。それによって、重送の発生を防止することが可能となる。
【0023】
図2に戻り、転写紙判定手段107は、光沢センサ21が検知した光沢度から、搬送されている転写紙Sが普通紙なのか塗工紙なのかを判定するものである。例えば、光沢度が45%以上であれば光沢紙と判定し、20%以上45%未満がコート紙と、20%未満であれば普通紙と判定する。この例以外にも、より多くの紙種に対応できるように、光沢度の範囲を細かく指定することも可能であり、逆に光沢度20%を閾値として、20%以上を塗工紙、20%未満を普通紙と判定することも可能である。
【0024】
給紙条件設定手段108は、転写紙判定手段107の判定結果を基に転写紙Sの給紙条件を設定するものである。給紙条件としては、さばきローラ19の押圧力の強弱、さばきファン106のON/OFF及び風量、そして重送検知センサ20の閾値等がある。
【0025】
図4は、重送検知センサに設定する閾値の一例である。グラフの縦軸は重送検知センサ20が検知した電圧を示している。また、グラフ中の実線は、実際に重送検知センサ20が検知した電圧値を示しており、破線は重送発生を判定するための閾値を示している。塗工紙は、表面に塗料等が塗られている分、厚みが増す。従って、重送検知センサ20が検知する電圧値は、普通紙(図4では非塗工紙としている)の場合よりも低くなる。重送時には、重送検知センサ20が検知する電圧値はさらに低い値となる。閾値は、正常時の電圧値と重送時の電圧値の間に設定され、重送検知センサ20が検知した電圧値が閾値よりも低かった場合に、重送発生と判断する。閾値の設定に際して、正常時の電圧値に近いところ、具体的には「非塗工紙」又は「塗工紙」の近くに閾値を設定すると、重送していないものを重送と判断する誤検知の発生の可能性が高くなる。逆に、重送時の電圧値に近いところに閾値を設定すると、重送しているものを検知しない検知漏れの発生の可能性が高くなる。
【0026】
ここで閾値を、図4に示した「閾値1」に固定した場合、非塗工紙であれば問題ないが、塗工紙を使用した時には、誤検知の可能性でてきて望ましい設定ではない。逆に、「閾値2」に固定した場合は、塗工紙であれば問題ないが、非塗工紙を使用した場合に、検知漏れが発生する可能性が高くなってしまう。
【0027】
そこで、給紙条件設定手段108は、転写紙判定手段107の判定結果が普通紙であった場合には、閾値を図4の「閾値1」に設定し、塗工紙という判定結果であった場合には、閾値を「閾値2」に設定することによって、正確な重送検知が可能となる。
【0028】
なお、図4は閾値が2つであるが、このような実施例に限定するものではない。塗工紙をさらにコート紙と光沢紙とに細分化し、閾値を普通紙とコート紙及び光沢紙の3種類にすることもできる。
【0029】
再び図2に戻る。温度調節手段109は、温度センサ15が検知した転写紙S周辺の温度を基に、温度制御を行う手段である。また、除湿手段110は、湿度センサ16が検知した転写紙Sの周辺湿度を基に、必要であれば除湿を行うための制御手段である。図5は、転写紙毎に重送発生の危険性のある温度と湿度を示したグラフである。転写紙Sの重送は、一般的に温度・湿度がある一定値以上になると発生の可能性が高くなる。例えば、図5の塗工紙では、温度が30℃以上かつ湿度が80%以上になると重送の危険性が高くなり、普通紙の場合は35℃以上かつ90%以上になると重送の危険性が高くなる。温度調節手段109及び除湿手段110は、温度センサ15・湿度センサ16が重送の危険性が高まる数値以上になっている場合に、転写紙S周辺の温度・湿度を重送の危険性がなくなる値まで下げるための制御を行う。
【0030】
具体的には、温度調節手段109は、温度を下げるために画像形成装置1の冷却ファンを駆動させる。そして、普通紙であれば35℃以下に、塗工紙であれば30℃以下になったところで、冷却ファンを停止する。また、転写紙Sは低温環境下にあっても、搬送トラブルの発生が高まるので、給紙カセット4にヒーターを設け、転写紙Sの周辺温度が一定値以下に下がった場合には、ヒーターをONにして、必要な温度にまで上昇したところでOFFにする制御を行うこともできる。
【0031】
湿度センサ16が検知した湿度が、重送の危険性が高い数値、図5の塗工紙の例では80%以上、普通紙の場合には90%以上になっていた場合には、画像形成装置1の冷却ファンを駆動させ湿気を装置外へ放出することで、除湿を行う。
【0032】
図6は、重送防止の手順を示すフローチャートである。操作者は、使用する転写紙Sやコピー枚数等を指定しコピー開始ボタンを押す。すると、指定された給紙カセット4から転写紙Sが搬送され、光沢センサ21の下を通過する。
【0033】
この時に、転写紙判定手段107は光沢センサ21からの光沢度を基に、搬送されてきた転写紙Sが普通紙か塗工紙かを判定し(S01)、結果と確認メッセージを表示部102に表示する(S02)。
【0034】
S01での判定結果が塗工紙であったなら(S03)、給紙条件設定手段108は、さばきファン106をONするとともに、風量を適切な値に設定する(S04)。さらに、さばきローラ19の押圧力を高くして転写紙Sの分離性を高め(S05)、重送検知センサ20の閾値を、図4の閾値2に設定する(S06)。もし、搬送されてきた転写紙Sが普通紙であったなら、給紙条件設定手段108は、さばきファン106をOFFにし、さばきローラ19の押圧力を普通紙用に設定し、重送検知センサ20を図4の閾値1に設定する(S07)。
【0035】
給紙条件設定手段108によって、給紙条件が適切に設定された後に、給紙条件設定手段108は、現在の転写紙S周辺の温度と湿度を、温度センサ15と湿度センサ16から取得する(S08)。そして、取得した温度・湿度を基に重送の危険性を判断する(S09)。この判断は、例えば図5で示した普通紙を使用する場合には「温度35℃以上かつ湿度90%以上」かどうかで判断し、塗工紙を使用する場合には「温度30℃以上かつ湿度80%以上」かどうかで判断する。重送の危険性があると判断した場合には、温度調節手段109と除湿手段110が実行され、温度・湿度の制御を行う(S10)。そして再びS08へ戻り、重送の危険がないと判断されるまで、繰り返される。重送の危険性がないと判断された場合には、給紙カセット4から次の画像形成処理に必要な転写紙Sを1枚搬送する(S11)。
【0036】
図1のように光沢センサ21がレジストローラの直前にあるような実施例では、搬送される転写紙Sのうち、最初の1枚が光沢センサ21の下を通過しないと適切な設定がなされないことから、最初の1枚は重送の危険性が高い状態で給紙される場合がある。そこで、光沢センサ21を、各給紙カセット4に設け、転写紙判定手段107は、操作者が指定した給紙カセット4に設けられた光沢センサ21の検知結果を基に判定を行うようにすることもできる。このようにすることで、1枚目も適切な給紙条件で給紙が行われることになる。
【0037】
また、転写紙Sの種類によっては、さばきローラ19等のローラを交換したほうがよい場合がある。例えば、光沢度の高い光沢紙等は、表面が平滑であるために転写紙S同士が密着しやすいので、それを分離するためには摩擦係数の高い素材で形成された、さばきローラ19を使用したほうがよい。
【0038】
さばきローラ19の交換は、光沢センサ21が検知した光沢度によって、転写紙判定手段107が交換の必要があると判定し、表示部102にその旨を表示したときに行う。
【0039】
図7は、さばきローラの交換手順を示す図である。画像形成装置1の本体カバー又は給紙カセット4を引き出すと、図7(a)に示すような形でさばきローラ19がある。さばきローラ19は軸19a,19bに、取り付け部材19cと固定ピン19dとによって取り付けられている。
【0040】
軸19a,19bのうち、駆動装置に接続しているのは軸19aであり、軸19bは図示しない軸受に取り付けられている。取り付け部材19cは軸19aが挿入可能な内径の円筒形であり、軸19aにスライド可能に取り付けられている。固定ピン19dは、取り付け部材19cを軸19aに固定するものであり、軸19a及び取り付け部材19c上の固定穴19eに挿通固定して使用する。
【0041】
さばきローラ19は、材質の違うものが複数用意されており、そのうちのいずれか1つを使用する。さばきローラ19の一方の側面には、軸19bと嵌合する穴が設けられており、他方の側面には、取り付け部材19cと嵌合する穴19fが穿設されている。穴19fは溝19gを有しており、取り付け部材19cの先端にある突出部19hが当該溝19gに嵌合することで、軸19aからの駆動力を、さばきローラ19へ伝えられる。
【0042】
さばきローラ19の交換手順としては次のようになる。まず、図7(b)で示すように、固定ピン19cを引き抜いて固定部材19cを矢印方向へスライドさせる。次に、図7(c)に示すように、さばきローラ19を軸19bから取り外す。その後は、逆の手順で新しいさばきローラ19を取り付けて交換完了である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の画像形成装置によれば、転写紙の光沢度を検出する光沢センサと、該光沢センサが検知した光沢度から転写紙の種類を判定する転写紙判定手段と、該転写紙判定手段の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段と、を有する構成とすることで、塗工紙を使用した時の重送を防止することができる。
【0044】
前記画像形成装置は、転写紙周辺の温度を検知する温度センサと、湿度を検知する湿度センサと、前記画像形成装置内の湿度を制御する除湿手段と、前記画像形成装置内の温度を制御する温度調節手段と、を有し、前記給紙条件設定手段は、前記温度センサ及び湿度センサから得た温度及び湿度から重送の可能性を判断し、重送の可能性があると判断した場合には、前記除湿手段及び前記温度調節手段によって、前記画像形成装置内の温度及び湿度を制御する構成とすることで、塗工紙の重送を、より確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置のブロック図である。
【図3】給紙カセットの上面図である。
【図4】重送検知センサに設定する閾値の一例である。
【図5】転写紙毎に重送発生の危険性のある温度と湿度を示したグラフである。
【図6】重送防止の手順を示すフローチャートである。
【図7】さばきローラの交換手順を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
15 温度センサ
16 湿度センサ
19 さばきローラ
21 光沢センサ
102 表示部
107 転写紙判定手段
108 給紙条件設定手段
109 温度調節手段
110 除湿手段
S 転写紙
Claims (4)
- 転写紙の光沢度を検出する光沢センサと、
該光沢センサが検知した光沢度から転写紙の種類を判定する転写紙判定手段と、
該転写紙判定手段の判定結果に対応した給紙条件を設定する給紙条件設定手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成装置の状態を表示する表示部を有し、
前記転写紙判定手段は、判定結果を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、転写紙の重送を防止する、さばきローラを有し、
前記転写紙判定手段は、判定の結果に対応した、さばきローラを前記表示部に表示することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、転写紙周辺の温度を検知する温度センサと、
湿度を検知する湿度センサと、
前記画像形成装置内の温度を制御する温度調節手段と、
前記画像形成装置内の湿度を制御する除湿手段と、を有し、
前記給紙条件設定手段は、前記温度センサ及び湿度センサから得た温度及び湿度から重送の可能性を判断し、重送の可能性があると判断した場合には、前記除湿手段及び前記温度調節手段によって、前記画像形成装置内の温度及び湿度を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003081919A JP2004284804A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003081919A JP2004284804A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 画像形成装置 |
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JP2004284804A true JP2004284804A (ja) | 2004-10-14 |
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JP2003081919A Pending JP2004284804A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2004284804A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006225087A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Fuji Xerox Co Ltd | シート給送装置および画像形成装置 |
US7751733B2 (en) | 2005-11-14 | 2010-07-06 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Image forming apparatus with a fog controller |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003081919A patent/JP2004284804A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2006225087A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Fuji Xerox Co Ltd | シート給送装置および画像形成装置 |
US7751733B2 (en) | 2005-11-14 | 2010-07-06 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Image forming apparatus with a fog controller |
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