JP2004281537A - 強誘電体キャパシタとその製造方法および強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリ装置 - Google Patents

強誘電体キャパシタとその製造方法および強誘電体キャパシタを含む強誘電体メモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】チタン酸鉛が良好に形成された強誘電体キャパシタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の強誘電体キャパシタは、第1電極20と、強誘電体層30と、第2電極22とが積層された強誘電体キャパシタC100であって、前記強誘電体層30は、前記第1電極20の上のチタン酸ジルコン酸鉛膜32と、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜32の上に形成されたチタン酸鉛膜34と、を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体キャパシタ、強誘電体キャパシタの製造方法および強誘電体メモリ装置に関する。
【0002】
【背景技術】
強誘電体キャパシタは、第1電極と、第2電極との間に強誘電体層が形成された構造を有する。このような強誘電体キャパシタは、強誘電体メモリをはじめとして種々の用途を有する。第1電極と第2電極の間に形成される強誘電体層としては、チタン酸ジルコン酸鉛膜(PZT:PbZrTi1−x)や、SBT膜(SrBiTa)や、チタン酸鉛(PbTiO)膜などが挙げられる。この中でも、チタン酸鉛膜は、残留分極が大きく、低誘電率であるため、強誘電体メモリ装置に含まれる強誘電体キャパシタなどに好適に用いることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、チタン酸鉛膜の形成には次のような課題がある。たとえば、チタン酸鉛膜を溶液塗布法により形成する場合、塗布後の乾燥・結晶化工程で塗布膜に大きな収縮が生じ、形成される膜にクラックや、剥離が生じやすい。また、結晶化の加熱工程において、有機物質の蒸発や燃焼によりポーラスな膜となり緻密な膜が形成されない場合がある。溶液塗布法の他に、スパッタリング法などの物理蒸着法などにより形成することができるが、より良好な膜質のチタン酸鉛膜を形成することに関しては、改善の余地があった。
【0004】
本発明の目的は、チタン酸鉛膜が良好に形成された強誘電体キャパシタおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の強誘電体キャパシタは、第1電極と、強誘電体層と、第2電極とが積層された強誘電体キャパシタであって、
前記強誘電体層は、前記第1電極の上のチタン酸ジルコン酸鉛膜と、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に形成されたチタン酸鉛膜と、を含む。
【0006】
本発明の強誘電体キャパシタによれば、強誘電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛と、チタン酸鉛が積層されて形成されている。チタン酸鉛膜が強誘電体層の一部を構成するため、残留分極が大きく、絶縁耐圧の大きい強誘電体キャパシタを提供することができる。
【0007】
本発明の強誘電体キャパシタにおいて、前記強誘電体層は、さらに、前記チタン酸鉛膜の上に強誘電体膜を有することができる。この態様によれば、絶縁耐圧のさらなる向上を図ることができる。また、チタン酸鉛膜の上に形成する強誘電体膜の膜厚を制御することで、残留分極の制御を行なうことができる。
【0008】
本発明の強誘電体キャパシタの製造方法は、(a)第1電極を形成し、
(b)前記第1電極の上に強誘電体層を形成し、
(c)前記強誘電体層の上に、第2電極を形成すること、を含む、強誘電体キャパシタの製造方法であって、
前記(b)は、
(b−1)前記第1電極の上に、チタン酸ジルコン酸鉛膜を形成し、
(b−2)前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に、チタン酸鉛膜を形成すること、を含む。
【0009】
本発明の強誘電体キャパシタの製造方法によれば、チタン酸鉛膜は、チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に形成されるため、配向成長した良好な膜を形成することができる。たとえば、白金などの第1電極の上にチタン酸鉛膜を直接形成する場合、格子定数の差などにより良好に形成することができない。しかし、本発明では、チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に形成されるため緻密で良好なチタン酸鉛膜を形成することができる。
【0010】
本発明は、下記の態様をとることができる。
【0011】
(A)本発明の強誘電体キャパシタの製造方法においては、前記チタン酸鉛膜の上に、さらに、強誘電体膜を形成すること、を含むことができる。この態様によれば、チタン酸鉛膜の上に、さらに強誘電体膜を形成することができ、その結果、さらに絶縁耐圧の向上した強誘電体キャパシタを形成することができる。
【0012】
(B)本発明の強誘電体キャパシタの製造方法においては、前記チタン酸鉛膜は、溶液塗布法により形成されることができる。
【0013】
本発明の強誘電体キャパシタは、強誘電体メモリ装置に使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
1.強誘電体キャパシタ
第1の実施の形態では、本発明による強誘電体キャパシタについて説明する。図1は、第1の実施の形態に係る強誘電体キャパシタを模式的に示す断面図である。
【0016】
強誘電体キャパシタC100は、基体100の上に形成されている。ここで、基体100とは、トランジスタ形成領域などを含む。強誘電体キャパシタC100は、第1電極(下部電極)20、強誘電体層30および第2電極(上部電極)22が順次積層されて、構成されている。強誘電体層30は、チタン酸ジルコン酸鉛膜32と、チタン酸鉛膜34とが積層されて構成されている。
【0017】
また、第1の実施の形態の強誘電体キャパシタC100は、次の態様をとることができる。図2は、変形例にかかる強誘電体キャパシタC110を模式的に示す断面図である。
【0018】
図2に示す強誘電体キャパシタC110は、強誘電体層30の構成が異なる。強誘電体層30は、チタン酸ジルコン酸鉛膜32と、チタン酸鉛膜34と、他の強誘電体膜36とで構成されている。強誘電体膜36は、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛膜や、SBT膜などを用いることができる。
【0019】
本実施の形態の強誘電体キャパシタC100、C110によれば、強誘電体層30は、チタン酸鉛膜34を有している。チタン酸鉛膜34は、残留分極が大きいため良好なヒステリシス特性を有する強誘電体キャパシタを提供することができる。また、強誘電体キャパシタC110においては、チタン酸鉛膜34の上には他の強誘電体膜36が形成されており、残留分極量の制御や、さらなる絶縁耐圧の向上を図ることができる。
【0020】
2.強誘電体キャパシタの製造方法
次に、第1の実施の形態の強誘電体キャパシタの製造方法について図3,4を参照しながら説明する。図3,4は、本実施の形態にかかる強誘電体キャパシタの製造工程を模式的に示す断面図である。
【0021】
まず、図3に示すように、基体100の上に、第1電極20を形成する。ここで、基体100とは、トランジスタ形成領域などを含む。第1電極20の形成方法は、特に限定されず、例えば気相法、液相法などを用いることができる。気相法としては、スパッタリング、真空蒸着、MOCVDなどを用いることができる。また、液相法としては、電解メッキ、無電解メッキなどを適用できる。第1の電極の材質は、特に限定されず、たとえばAl、Ni、W、Au、Ag、Cu、Ir,IrOx,Pt,Ru,RuOx,SrRuOx,LaSrCoOxである。第1電極の厚さは、たとえば10〜400nmである。第1電極20としては、特に白金の電極であることが好ましい。これは、後に第1電極20の上に形成するチタン酸ジルコン酸鉛膜を良好に形成することができるためである。
【0022】
次に、第1電極20の上に、強誘電体層30を形成する。具体的には、強誘電体層30は、次のようにして形成する。
【0023】
まず、第1電極20の上に、チタン酸ジルコン酸鉛膜32を形成する。チタン酸ジルコン酸層32は、たとえば、CVD法、溶液塗布法、蒸着法により形成されることができ、特に溶液塗布法で形成されることが好ましい。これは、(111)面に配向成長したチタン酸ジルコン酸鉛膜32を形成することができるためである。また、溶液塗布法により形成する場合、原料溶液のジルコニウムとチタンの組成比(Zr/Ti)は、50/50〜20/80であることが好ましい。Zr/Ti=50/50よりもチタンの割合が小さくなる場合、チタン酸鉛膜34との格子定数の差が大きくなってしまう。そのため、緻密な柱状結晶のチタン酸鉛膜34を形成することができない。また、Zr/Ti=20/80よりもチタンの割合が大きくなる場合、緻密な柱状構造のチタン酸ジルコン酸鉛膜32を形成することができない。チタン酸ジルコン酸鉛膜32の厚さは、たとえば10〜100nm、好ましくは20〜50nmである。
【0024】
次に、チタン酸ジルコン酸鉛膜32の上に、チタン酸鉛膜34を形成する。こうして、チタン酸ジルコン酸鉛膜32と、チタン酸鉛膜34とからなる強誘電体層30が形成される。チタン酸鉛膜34は、たとえば、CVD法、溶液塗布法、蒸着法により形成されることができ、特に、溶液塗布法により形成することが好ましい。チタン酸鉛膜34の厚さは、たとえば10〜1000nm、好ましくは20〜200nmである。
【0025】
次に、チタン酸鉛膜34の上に、第2電極22を形成する。第2電極22の形成方法および材質は、第1電極20と同様にすることができる。第2電極22の厚さは、たとえば10〜400nmである。
【0026】
次に、図4に示すように、第2電極22の上に、所定のパターンを有するレジスト層R1を形成する。次に、図4に示すように、レジスト層R1をマスクとして、第2電極22、強誘電体層30および第1電極20をエッチングして、強誘電体キャパシタC100が形成される。このエッチングは、公知の方法を用いることができ、たとえば、ドライエッチング、ウエットエッチングである。ドライエッチングは、エッチングによる寸法変動が小さいという点で好ましい。その後、レジスト層R1を除去する。このようにして、第1の実施の形態にかかる強誘電体キャパシタを形成することができる。
【0027】
また、強誘電体キャパシタC110を形成する場合は、チタン酸鉛膜34を形成した後に、強誘電体膜36を形成することにより強誘電体キャパシタC110が形成される。強誘電体膜36としては、チタン酸ジルコン酸鉛膜や、SBT膜などを形成することができる。ついで、強誘電体膜36の上に、第2電極22を形成し、パターニングすることにより、強誘電体キャパシタC110を形成することができる。強誘電体膜36の膜厚は、例えば10〜100nmとすることができる。
【0028】
本実施の形態の強誘電体キャパシタの製造方法によれば、まず第1電極20の上に、チタン酸ジルコン酸鉛膜32が形成されている。チタン酸ジルコン酸鉛膜32は、白金などからなる第1電極20の上に結晶配向の揃った良好な膜を形成することができる。このように、良好に形成されたチタン酸ジルコン酸鉛膜32上にチタン酸鉛膜34を形成するために、(111)面に配向成長した緻密な膜のチタン酸鉛34を形成することができる。たとえば、白金などの第1電極の上に、直接チタン酸鉛膜を形成する場合、白金とチタン酸鉛膜の格子定数の差が大きいために緻密な膜を形成できない。しかし、第1電極20の上に、チタン酸ジルコン酸鉛膜32を形成した後チタン酸鉛膜34を形成する場合は、チタン酸ジルコン酸鉛膜32が(111)面に配向成長した膜であるために、その上にチタン酸鉛膜34を良好に形成することが容易となる。その結果、絶縁耐圧が向上し、残留分極の大きい強誘電体キャパシタC100,C110を得ることができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
本発明の強誘電体メモリ装置は、上記強誘電体キャパシタC100またはC110を含んで形成され、以下に示す各種の態様を取りうる。以下の強誘電体メモリ装置では、強誘電体キャパシタC100を適用している。
【0030】
(第1の強誘電体メモリ装置)
図5は、第1の強誘電体メモリ装置1000を模式的に示す断面図である。この強誘電メモリ装置1000は、強誘電体メモリ装置の制御を行うトランジスタ形成領域を有する。このトランジスタ形成領域が第1の実施の形態で述べた基体100に相当する。
【0031】
基体100は、半導体基板10にトランジスタ12を有する。トランジスタ12は、公知の構成を適用でき、薄膜トランジスタ(TFT)、あるいはMOSFETを用いることができる。図示の例ではMOSFETを用いており、トランジスタ12は、ドレインおよびソース14、16と、ゲート電極18とを有する。ドレインおよびソースの一方14には電極15が形成され、ドレインおよびソースの他方16にはプラグ電極26が形成されている。プラグ電極26は、必要に応じてバリア層を介して強誘電体キャパシタC100の第1電極20に接続されている。そして、各メモリセルは、LOCOSあるいはトレンチアイソレーションなどの素子分離領域17によって分離されている。トランジスタ12などが形成された半導体基板10上には、酸化シリコンなどの絶縁物からなる層間絶縁膜19が形成されている。
【0032】
強誘電体層30は、図5の例では、チタン酸ジルコン酸鉛膜32およびチタン酸鉛膜34が順次積層されて構成されている。
【0033】
この強誘電体メモリ装置1000は、DRAMセルと同様に、蓄積容量に情報としての電荷をため込む構造を有する。すなわち、メモリセルは、図6および図7に示すように、トランジスタと強誘電体キャパシタにより構成される。
【0034】
図6は、メモリセルが1つのトランジスタ12と1つの強誘電体キャパシタC100とを有する、いわゆる1T1Cセル方式を示す。このメモリセルは、ワード線WLとビット線BLとの交点に位置し、強誘電体キャパシタC100の一端は、ビット線BLとの接続をオン・オフするトランジスタ12を介してビット線に接続される。また、強誘電体キャパシタC100の他端は、プレート線PLと接続されている。そして、トランジスタ12のゲートはワード線WLに接続されている。ビット線BLは、信号電荷を増幅するセンスアンプ200に接続されている。
【0035】
以下に、1T1Cセルにおける動作の例を簡単に説明する。
【0036】
読み出し動作においては、ビット線BLを0Vに固定した後、ワード線WLに電圧を印加し、トランジスタ12をオンする。その後、プレート線PLを0Vから電源電圧VCC程度まで印加することにより、強誘電体キャパシタC100に記憶した情報に対応した分極電荷量がビット線BLに伝達される。この分極電荷量によって生じた微少電位変化を差動式センスアンプ200で増幅することにより、記憶情報をVCCまたは0Vの2つの情報として読み出すことができる。
【0037】
書き込み動作においては、ワード線WLに電圧を印加し、トランジスタ12をオン状態にした後、ビット線BL−プレート線PL間に電圧を印加し、強誘電体キャパシタC100の分極状態を変更し決定する。
【0038】
図7は、2つのトランジスタ12と2つの強誘電体キャパシタC100とを有する、いわゆる2T2Cセルを示す図である。この2T2Cセルは、前述した1T1Cセルを2個組み合わせて、相補型の情報を保持する構造を有する。すなわち、2T2Cセルでは、センスアンプ200への2つの差動入力として、相補型にデータを書き込んだ2つのメモリセルから相補信号を入力し、データを検出する。このため、2T2Cセル内の2つの強誘電体キャパシタC100は同じ回数の書き込みが行われるため、強誘電体キャパシタC100の強誘電体膜の劣化状態が等しくなり、安定な動作が可能となる。
【0039】
(第2の強誘電体メモリ装置)
図8および図9は、MISトランジスタ型メモリセルを有する強誘電体メモリ装置2000を示す。この強誘電体メモリ装置2000は、ゲート絶縁層13に強誘電体キャパシタC100を直接接続する構造を有する。具体的には、半導体基板10にソースおよびドレイン14,16が形成され、さらに、ゲート絶縁層13上には、フローティングゲート電極(第1電極)20、本発明に係る強誘電体層30およびゲート電極(第2電極)22が積層された強誘電体キャパシタC100が接続されている。強誘電体層30は、図10の例においては、チタン酸ジルコン酸鉛膜32およびチタン酸鉛膜34が積層されて構成されている。この強誘電体メモリ装置2000においては、半導体基板10、ソース,ドレイン14,16およびゲート絶縁層13が、第1の実施の形態で述べた基体100に相当する。
【0040】
また、この強誘電体メモリ装置2000は、図9に示すように、ワード線WLは各セルのゲート電極22に接続され、ドレインはビット線BLに接続されている。この強誘電体メモリ装置においては、データの書き込み動作は、選択するセルのワード線WLとウェル(ソース)間に電界を印加することによって行われる。また、読み出し動作は、選択セルに対応するワード線WLを選択し、選択セルのビット線BLに接続したセンスアンプ200によって各トランジスタを流れる電流量を検出することで行われる。
【0041】
(第3の強誘電体メモリ装置)
図10は、第3の強誘電体メモリ装置を模式的に示す図であり、図11は、メモリセルアレイの一部を拡大して示す平面図であり、図12は、図12のA−A線に沿った断面図である。平面図において、( )内の数字は最上層より下の層を示す。
【0042】
この例の強誘電体メモリ装置3000は、図10に示すように、メモリセル120が単純マトリクス状に配列されたメモリセルアレイ100Aと、メモリセル(強誘電体キャパシタC100)120に対して選択的に情報の書き込みもしくは読み出しを行うための各種回路、例えば、第1信号電極(第1電極)20を選択的に制御するための第1駆動回路150と、第2信号電極(第2電極)22を選択的に制御するための第2駆動回路152と、センスアンプなどの信号検出回路(図示せず)とを含む。
【0043】
メモリセルアレイ100Aは、行選択のための第1信号電極(ワード線)20と、列選択のための第2信号電極(ビット線)22とが直交するように配列されている。すなわち、X方向に沿って第1信号電極20が所定ピッチで配列され、X方向と直交するY方向に沿って第2信号電極22が所定ピッチで配列されている。なお、信号電極は、上記の逆でもよく、第1信号電極がビット線、第2信号電極がワード線でもよい。
【0044】
本実施の形態に係るメモリセルアレイ100Aは、図11および図12に示すように、絶縁性の基体100上に、第1信号電極20、本発明に係る強誘電体層30および第2信号電極22が積層され、第1信号電極20,強誘電体層30および第2信号電極22によって強誘電体キャパシタ120が構成される。すなわち、第1信号電極20と第2信号電極22との交差領域において、それぞれ強誘電体キャパシタ120からなるメモリセルが構成されている。強誘電体層30では、図12の例においては、チタン酸ジルコン酸鉛膜32と、チタン酸鉛膜34とからなる。
【0045】
また、強誘電体層30と第2信号電極22とからなる積層体の相互には、基体100および第1信号電極20の露出面を覆うように絶縁層38が形成されている。絶縁層38としては、強誘電体層30より低誘電率の材質で形成されることが好ましい。これは、第1,第2信号電極20,22の浮遊容量を小さくすることができるためである。その結果、強誘電体メモリ装置3000における書き込みおよび読み出しの動作をより高速に行うことが可能となる。
【0046】
次に、強誘電体メモリ装置3000における書き込み,読み出し動作の一例について述べる。
【0047】
まず、読み出し動作においては、選択セルのキャパシタに読み出し電圧「V」が印加される。これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。このとき、選択されたビット線を流れる電流またはビット線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアンプにて読み出す。さらにこのとき、非選択セルのキャパシタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
【0048】
書き込み動作においては、‘1’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに「−V」の電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合は、選択セルのキャパシタに、該選択セルの分極を反転させない電圧が印加され、読み出し動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。このとき、非選択セルのキャパシタには、書き込み時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
【0049】
以上、蓄積容量型、MISトランジスタ型および単純マトリクス型の強誘電体メモリ装置の例について述べたが、本発明の強誘電体メモリ装置はこれらに限定されず、他のタイプのメモリトランジスタにも適用できる。また、本実施形態の強誘電体キャパシタは、焦電型センサーや、バイモルフ型圧電アクチュエーターにも適用することができる。
【0050】
次に、本実施の形態の実験例について説明する。
【0051】
(実験例1)
実験例1では、以下に示す強誘電体キャパシタを製造した。まず、酸化シリコン膜が形成されているシリコン基板を基体として用意した。この基体の上に、下部電極をスパッタリング法により形成した。下部電極としては、チタン酸化膜と白金の積層膜を形成した。下部電極の膜厚は、チタン酸化膜40nm、白金200nmであった。
【0052】
ついで、下部電極の上にチタン酸ジルコン酸鉛の原料溶液(Zr/Ti=35/65)を用いて溶液塗布法により塗布膜を形成した。この塗布膜を340℃で5分乾燥し、ついで、600℃で10分間酸素加熱することにより結晶化を行ない、チタン酸ジルコン酸鉛膜が形成された。チタン酸ジルコン酸鉛膜の膜厚は、50nmであった。
【0053】
次に、チタン酸鉛膜の原料溶液を用いて、溶液塗布法により塗布膜を形成した。この塗布膜を、340℃で5分間加熱し、ついで、600℃で10間加熱することにより結晶化を行なった。これにより、膜厚が50nmのチタン酸鉛膜が形成された。この工程を引き続き2回繰り返すことにより、計150nmの膜厚のチタン酸鉛膜が形成された。
【0054】
次に、上部電極をスパッタリング法により形成した。上部電極としては、白金層を形成した。上部電極の膜厚は、200nmであった。
【0055】
(実験例2)
実験例2では、以下に示す強誘電体キャパシタを製造した。まず、酸化シリコン膜が形成されているシリコン基板を基体として用意した。この基体の上に、下部電極を実験例1と同様に形成した。ついで、実験例1と同様にして、下部電極の上に第1のチタン酸ジルコン酸鉛膜およびチタン酸鉛膜を形成した。ついで、チタン酸鉛膜の上に、第1のチタン酸ジルコン酸鉛膜の形成と同様にして第2のチタン酸ジルコン酸鉛膜を形成した。第2のチタン酸ジルコン酸鉛膜の膜厚は、50nmとした。次に、実験例2と同様にして、上部電極をスパッタリングにより形成する。上部電極としては、白金層を形成した。
【0056】
(比較例)
まず、実験例1と同様にして、シリコン基板の上に、白金からなる下部電極を形成した。次に、実験例1のチタン酸鉛膜の形成と同様にして、膜厚200nmのチタン酸鉛膜を形成した。ついで、上部電極を実験例1と同様にして形成した。
【0057】
表1に実験例1、2と比較例により得られた強誘電体キャパシタの特性を評価した結果を示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004281537
(結晶配向性)
実施例1,2では、(111)面に配向成長したチタン酸鉛膜が形成され、比較例では、ランダム配向のチタン酸鉛膜が形成されていた。このことについて、図13(A),(B)を参照しながら説明する。図13(A)は、実験例1により形成された強誘電体キャパシタのX線回折パターンを示し、図13(B)は、比較例により形成された強誘電体キャパシタのX線回折パターンを示す。図13(A)から明らかなように、実験例1で得られた強誘電体キャパシタは、38〜40degにのみピークを有している。これは、(111)面に配向成長したチタン酸鉛膜が形成されていることを示し、良好な膜が形成されていることがわかった。これに対して、図13(B)では、幅広い範囲に渡り種々のピークが見られ、ランダム配向のチタン酸鉛膜が形成されていることがわかる。
【0059】
(強誘電体層断面組織写真)
図14(A),(B)に、実験例1および比較例により形成された強誘電体層の断面組織図を示し、図14(B)は、比較例による強誘電体層の断面を示すSEM(Scanning electron microscope)写真である。図14(B)より明らかなように、比較例の強誘電体膜は、粒状の結晶からなる層となっており緻密な膜を形成できていないことがわかる。一方、図14(A)に示すように、実験例1の強誘電体膜は、柱状の結晶からなる層となっており緻密な膜が形成されていることがわかる。
【0060】
(絶縁耐圧および残留分極)
表1からわかるように、比較例の絶縁耐圧が0.5Vであるのに対して、実験例1,2の絶縁耐圧は、10および12Vであった。これにより、本実施の形態の強誘電体キャパシタの効果が認められた。また、実験例1と、実験例2とを比較すると、実験例2の強誘電体キャパシタは、絶縁耐圧がさらに向上していることが認められた。
【0061】
比較例による強誘電体キャパシタの残留分極は、測定が不可能であったのに対して、実験例1、2による強誘電体キャパシタの残留分極は、45μm/cmおよび40μm/cmであった。これにより、本実施の形態の強誘電体キャパシタの効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の強誘電体キャパシタを模式的に示す断面図。
【図2】第1の実施の形態の変形例にかかる強誘電体キャパシタを模式的に示す断面図。
【図3】図1の強誘電体キャパシタの製造方法の一工程を模式的に示す断面図。
【図4】図1の強誘電体キャパシタの製造方法の一工程を模式的に示す断面図。
【図5】第1の強誘電体メモリ装置を模式的に示す断面図。
【図6】図5に示す強誘電体メモリ装置を適用した1T1C方式のメモリセルを示す図。
【図7】図5に示す強誘電体メモリ装置を適用した2T2C方式のメモリセルを示す図。
【図8】第2の強誘電体メモリ装置を模式的に示す断面図。
【図9】図8に示す強誘電体メモリ装置を適用したメモリセルを示す図。
【図10】第3の強誘電体メモリ装置を模式的に示す図。
【図11】図10に示す強誘電体メモリ装置のメモリセルアレイを示す平面図。
【図12】図10のA−A線に沿った部分を模式的に示す断面図。
【図13】実験例1および比較例による強誘電体キャパシタのX線回折パターンを示す図。
【図14】実験例1および比較例による強誘電体キャパシタの断面を示す写真。
【符号の説明】
20 第1電極(下部電極)、 22 第2電極(上部電極)、 30 強誘電体層、 32 チタン酸ジルコン酸鉛膜、 34 チタン酸鉛膜、 R1 レジスト層、 100 基体 C100,C110 強誘電体キャパシタ 1000,2000,3000 強誘電体メモリ装置

Claims (10)

  1. 第1電極と、強誘電体層と、第2電極とが積層された強誘電体キャパシタであって、
    前記強誘電体層は、前記第1電極の上のチタン酸ジルコン酸鉛膜と、前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に形成されたチタン酸鉛膜と、を含む、強誘電体キャパシタ。
  2. 請求項1において、
    前記強誘電体層は、さらに、前記チタン酸鉛膜の上に強誘電体膜を有する、強誘電体キャパシタ。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1電極は、白金または白金を含む合金層である、強誘電体キャパシタ。
  4. (a)第1電極を形成し、
    (b)前記第1電極の上に強誘電体層を形成し、
    (c)前記強誘電体層の上に、第2電極を形成すること、を含む、強誘電体キャパシタの製造方法であって、
    前記(b)は、
    (b−1)前記第1電極の上に、チタン酸ジルコン酸鉛膜を形成し、
    (b−2)前記チタン酸ジルコン酸鉛膜の上に、チタン酸鉛膜を形成すること、を含む、強誘電体キャパシタの製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記(b)は、
    (b−3)前記チタン酸鉛膜の上に、強誘電体膜を形成すること、を含む、強誘電体キャパシタの製造方法。
  6. 請求項4または5において、
    前記チタン酸鉛膜は、溶液塗布法により形成される、強誘電体キャパシタの製造方法。
  7. 請求項1〜3に記載の強誘電体キャパシタを含む、強誘電体メモリ装置。
  8. 請求項7において、
    トランジスタ形成領域を構成する前記基体を含み、該基体上に所定パターンで配置された前記強誘電体キャパシタを有する、蓄積容量型の強誘電体メモリ装置。
  9. 請求項7において、
    半導体基板上に形成されたゲート絶縁層に前記キャパシタ構造が接続された、MISトランジスタ型の強誘電体メモリ装置。
  10. 請求項7において、
    前記強誘電体キャパシタからなるメモリセルがマトリクス状に配列され、
    前記強誘電体キャパシタは、第1信号電極と、該第1信号電極と交差する方向に配列された第2信号電極と、少なくとも前記第1信号電極と前記第2信号電極との交差領域に配置された強誘電体層と、を含む、強誘電体メモリ装置。
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