JP2002190578A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2002190578A
JP2002190578A JP2000388758A JP2000388758A JP2002190578A JP 2002190578 A JP2002190578 A JP 2002190578A JP 2000388758 A JP2000388758 A JP 2000388758A JP 2000388758 A JP2000388758 A JP 2000388758A JP 2002190578 A JP2002190578 A JP 2002190578A
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electrode
ferroelectric
capacitor
pzt
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Inventor
Koji Yamakawa
川 晃 司 山
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度大容量化に適したキャパシタ構造を得
ることを可能にする。 【解決手段】 半導体基板上に形成された第1の電極4
と、この第1の電極上に形成された第1の強誘電体層6
と、この第1の強誘電体層上に形成された第2の電極8
と、この第2の電極上に形成された第2の強誘電体層1
0と、この第2の強誘電体層上に形成された第3の電極
12とを有する強誘電体キャパシタ1を備えたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関
し、特に強誘電体薄膜キャパシタの構造およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報通信の発達により、近年、携帯電
話、インターネットに代表される電子機器のポータブル
化、ネットワーク化、低コスト化が進んでいる。画像情
報、動画情報など、これらの機器で扱う情報量も拡大し
ており、電子機器に使用されるメモリの容量の拡大が以
前にも増して要求されている。半導体メモリの高集積化
のためには、その中で電荷を蓄積する役割を果たすキャ
パシタの微細化が必要である。例えば揮発性メモリであ
るDRAM(Dynamic Random Access Memory)の高
集積化においては、メモリ容量が3年で4倍のスピード
で高密度化しており、ギガビットの容量のものが開発さ
れてきている。
【0003】近年、強誘電体薄膜を利用した不揮発性メ
モリである強誘電体メモリの開発が進んでいる。強誘電
体メモリはDRAMのキャパシタ絶縁膜を強誘電体で置
き換えたもので、以下のような特徴をもち次世代メモリ
として期待されている。
【0004】書き込み、消去が高速であり、セルを小
型化することでDRAMなみの100ns以下の書き込
み時間が可能、 不揮発性メモリで、SRAMと異なり電源が不要、 書き換え可能回数が大きく、強誘電体材料(SBTな
ど)、電極材料(IrO 、RuO、SrRuO
ど)を工夫することで1012回以上の書き換えが可
能、 高密度高集積化ができ、DRAMと同等の集積度が得
られ、 内部の書き込み電圧を2V以下とすることができ、低
消費電力化が可能、 フラッシュメモリと異なりビット書き換え、ランダム
アクセスが可能、などの特徴をもつ。
【0005】これらの利点を利用して、エアコンの温湿
度センサ、各種電子機器の製造プロセスのモニター用T
AG、TVゲームのリジューム機能、アーケードゲーム
の記憶装置、TVやビデオの設定記憶、コピー、FA
X、プリンタの感光ドラムの使用状況モニタ、衛星放
送、ケーブルTVのセットトップボックス、自動車のエ
ンジンコントロール、ラジオの周波数プリセット、RF
−ID(Radio Frequency-Identification)を用いた電
子キー、ノイズの多い工業用製品のラインの製造プロセ
スモニタ、電力積算計、工業用液体、気体流量計セン
サ、大型タンクの液面計、AVパソコン、PCカード、
ファイルメモリ、携帯端末器など、多分野、多方面にわ
たっての応用が実用化あるいは検討されている。
【0006】強誘電体メモリではキャパシタ部分にPZ
T(Pb(ZrTi1−x)、BIT(Bi
12)、SBT(SrBiTa)などの
強誘電体薄膜を使用する。いずれも酸素八面体を基本構
造とするペロブスカイト構造を基本とした結晶構造をも
つ。現在DRAM用キャパシタ材料として検討されてい
る常誘電体BSTも同様に、酸素八面体を基本構造とす
る結晶構造をもつ。
【0007】これらの材料は従来のSi酸化膜と異な
り、アモルファス状態で使用することができない。よっ
て結晶化するための工程、例えば高温での結晶化熱処
理、高温でのIn−situ結晶化(同時結晶化)プロ
セス等が必要となる。材料にもよるが、一般的に400
−700℃の温度が結晶化で必要となる。成膜方法とし
てはレーザアブレーション法、真空蒸着法、MBE(Mol
ecular Beam Epitaxy)法など各種の方法が研究されてい
るが、実用化されているものでは、MOCVD(Metal O
rganic Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法、
溶液法(CSD(Chemical Solution Deposition)法)が
ある。MOCVD法、スパッタ法は成膜温度により、I
n−situ結晶化とEx−situ結晶化プロセスの
両方がある。以下では,従来の強誘電体薄膜キャパシタ
構造およびその製造方法を例にとって説明する。
【0008】強誘電体は自発分極をもち、その自発分極
が電界により向きを反転することが可能である特徴をも
つ。そして、電界を印加しない状態でも分極値をもち
(残留分極)、その値(分極の向き)が電界を0とする
前の状態に依存する。ヒステリシス曲線において分極0
となる時の電界値を抗電界と呼ぶ。印可する電界の向き
で+、−の電荷を電極表面に誘起することができ、この
状態をメモリ素子の0、1に対応させる。DRAMと同
じ1トランジスタ/1キャパシタ構造をとることができ
るが、現状では信頼性を向上させるために2トランジス
タ/2キャパシタ構造のものが採用されている。
【0009】強誘電体材料には次に揚げるような特性、
仕様が要求される。
【0010】反転分極量(スイッチング電荷)が大き
いこと。これはデバイスの構造、センシングする際の設
定電圧値、分極値の安定性などにもよるが、一般に10
μC/cmが必要とされている。
【0011】比誘電率が小さいこと。スイッチング電
流に対して、非スイッチング電流値が小さく、S/N比
を抑えることが出来る。
【0012】分極値の書き換えサイクルによる減少
(疲労劣化)が少ないこと。疲労特性では強誘電体の材
料そのものを変える、あるいは電極材料を酸化物系のも
のとすることで、1012回以上の特性が得られてい
る。
【0013】分極反転速度が速いこと。キャパシタの
小型化により、スイッチング特性が正味のドメイン反転
速度ではなく、電極配線抵抗、浮遊容量などに主として
左右されることが示されている。
【0014】リーク電流が10−6A/cm以下。
キャパシタに蓄積した電荷の有無を利用するDRAMと
比較すると、強誘電体メモリでは残留分極値を利用する
ため、基準となるリーク電流値はDRAMの場合よりも
高くて問題ない。
【0015】データ保持特性が10年以上である。
【0016】実際に使用されている強誘電体材料は、P
ZT(Pb(ZrTi1−x)薄膜、SBT(S
rBiTa)薄膜である。前者のPZTは、結
晶化温度が600℃程度であること、分極値が大きく残
留分極値で20μC/cm程度であること、抗電界が
比較的小さく低電圧で分極反転が可能なこと、Zr/T
i組成比により結晶化温度の他に、グレインサイズ、グ
レイン形状などの構造特性、分極量、抗電界、疲労特
性、リーク電流などの強誘電特性が制御可能なこと、A
BOペロブスカイト構造のもつ元素許容性からAサイ
トと呼ばれるPbをSr、Ba、Ca、Laなどの元素
で、Bサイトと呼ばれるZr・TiをNb、W、Mg、
Co、Fe、Ni、Mnなどの元素で置換することが可
能であり、それが結晶構造、構造特性、強誘電特性に大
きく影響することなどが利点としてあげられる。
【0017】もともとPZTはアクチュエータ、超音波
振動子、超音波モータ、ハイドロフォン、圧電トランス
などのトランスデューサへの応用、積層セラミックコン
デンサなど受動部品への応用、赤外線センサなどセンサ
への応用、さらには構造相転移、ドメイン挙動、圧電、
焦電、強誘電体としての基本特性、ミクロな挙動など多
くの研究がこれまでになされており、PZTの材料設
計、特性改善、構造・電気特性の解明などのデータベー
スとして豊富であることも一つの利点といえる。
【0018】また、PZTはその圧電、焦電、強誘電特
性にすぐれることから早くから薄膜化の検討がなされて
きており、スパッタ法、ゾルゲル法などの手法で研究例
も多い。これらの背景からPZTは最初に強誘電体メモ
リとして実用化された材料である。欠点である書き込み
回数の増加にともなう分極量の減少(疲労特性)は、疲
労特性そのものが電界により加速される特徴をもつた
め、最近の動作電圧の低電圧化、当初使用されていたP
t電極からIrOなど酸化物電極の採用による疲労特
性の改善もなされている。
【0019】一方、後者のSBTは、PZTのもつ疲労
特性の改善、膜の低電圧駆動を達成するために開発され
た材料である。SBTはBi層状化合物(Aurivillius P
hase)の一種で強誘電性の起源となる酸素八面体からな
る擬似ペロブスカイト構造層をBi層を挟む結晶
構造をもつ。この構造により主たる分極軸はc軸と垂直
な面内にありc軸方向の分極は無か、あっても小さい値
となる。擬似ペロブスカイト構造中の酸素八面体の数に
よってその分極が発現する。強い異方性があるためこれ
までセラミックとしてはほとんど研究がなされていなか
ったが,MOD(Metal Organic Decomposition)法で薄膜
形成が可能で、形成された多結晶のSBT膜が強誘電性
を示すことから開発がなされ、疲労特性が良好であり、
低電圧化が可能であることが確認されてさらに開発が加
速されている。
【0020】PZT膜の疲労はPt電極界面に形成され
る酸素空孔が主たる原因とされている。この酸素空孔の
発生理由の一つがPb元素の揮発性、拡散容易性であ
る。Pbはペロブスカイト構造の一部であるために酸素
空孔が形成されると近傍の陽イオンあるいは正電荷欠陥
と双極子を形成し、スイッチング電荷の減少を引き起こ
す。SBTは揮発性元素であるBiがなくなっても電荷
を補償する酸素空孔自体はBi酸化物層に形成されるた
め直接ペロブスカイト構造での影響は少ない。また、価
数の変化しやすいTiをもたないことも有効とされてい
る。
【0021】SBTはPZTと比較して分極量が小さい
のが、Taの一部をNbで置換することで分極量を増大
させることも可能である。最近はSBTをキャパシタと
して集積化したデバイスも試作されている。SBTはM
OD法の他、ゾルゲル法、スパッタ法、レーザアブレー
ション法などでも形成されている。
【0022】PZT膜もMOD法、レーザアブレーショ
ン法、イオンビームスパッタ法、熱CVD法、MOCV
D法、レーザCVD法などで形成されているが、製品と
してはゾルゲル法、スパッタ法が中心である。スパッタ
法では基板上に直接結晶化したペロブスカイトPZT膜
を形成するためには約500℃以上の高温が必要である
が、低融点元素のPbの蒸気圧が高いこと、スパッタ率
が高いことなどの理由から、高温で容易に基板から蒸
発、再スパッタする。結晶化温度である500℃以上で
はPbはほとんど基板へ留まらず組成制御が困難であ
る。通常はPbあるいはPbOのターゲットを別に用意
し、同時にスパッタして過剰量のPbを供給するなどの
工夫がなされるが、大きい基板に均一に組成制御して膜
形成することは難しい。
【0023】室温ではPbの蒸発、再スパッタの影響が
小さいため、比較的容易にターゲットに近い組成のPZ
T膜が形成可能である。ただし室温においてもプラズマ
からのイオン、スパッタ粒子などによる運動量によって
基板やシールド部が高温となりやすく、蒸発、再スパッ
タの影響は注意する必要がある。各部の電位によっても
Arイオンの衝撃が異なるため組成が変化する。
【0024】電子部品に使用する強誘電体膜を形成する
プロセスをPZT強誘電体膜を用いた強誘電体メモリの
例で説明する。トランジスタを形成するプロセスを経た
Si基板に絶縁膜を形成し、下地電極として150nm
厚のPt電極をDCマグネトロンスパッタにより形成す
る。Ptは酸化膜と密着性が良好ではないため、接合層
としてTi(20nm)をPt成膜前に連続スパッタに
て形成する。
【0025】次に、下地電極上にPZT膜をRFマグネ
トロンスパッタにより形成する。上記の理由から基板温
度を上げず室温にて成膜する。12インチのセラミック
PZTターゲットに対して1.0〜1.5kWでスパッ
タを行なう。スパッタガスはArで0.5〜2.0Pa
の圧力範囲で成膜した。約5分間のスパッタ時間で25
0〜300nmの膜厚のPZTアモルファス膜が得られ
る。PZT成膜前に約1時間のプレスパッタを成膜する
スパッタ条件にて行なう。アモルファス状態のPZT膜
はRTA(Rapid Thermal Anneal)プロセスによりペロブ
スカイト相に結晶化する。600℃以上の温度で数秒で
結晶化が可能である。管状炉などでも結晶化できるが、
RTAの方がサーマルバジェットが小さく下地電極、電
極とPZT膜の拡散、反応を抑えることができ、界面の
平滑性には適する。
【0026】また、PZTの結晶化には異相として非強
誘電相のパイロクロア型酸化物があるが、この相は結晶
化の昇温速度を小さくした場合や、Zr/Ti比が大き
い場合に形成されやすい。パイロクロア相が第二相とし
てできた場合には、分極量が小さくなるだけでなく、P
ZT膜の信頼性にも影響を及ぼす。
【0027】結晶化したPZT膜に関して、さらに上部
電極であるPt膜をDCマグネトロンスパッタにより形
成してキャパシタ構造を作製する。上部電極パターンは
RIE(Reactive Ion Etching)装置を用いて、Arと弗
化炭素系のガス中でエッチング行い微細パターンを形成
する。なお、電極としての密着性を向上させるために6
00℃で酸素中1時間のアニール処理を行う。このよう
にして形成したPZT膜はPb1.15−1.20La
0.05(Zr0.4Ti0.6)Oの膜組成を持
ち、スパッタ時のスパッタ電力とガス圧を変えることで
Pb量を10%以内の範囲で変化させることができる。
このPb量により特性が変動する。
【0028】形成した100〜300nmmの柱状組織
のPZT膜の電気特性は、PZT膜組成、微細構造によ
り、リーク電流が大きい、疲労特性が悪い、分極量の小
さい、抗電界が大きいなどの問題が発生する。PZT膜
表面の凹凸が大きい場合は、RIE時に加工表面の凹凸
が大きくなる。PZT、Pt膜のRIEではイオンによ
り物理的エッチング効果が大きいため膜表面の凹凸がエ
ッチング後の形状に大きく影響する。このため、PZT
成膜前にPbTiOやTiなどのシード層を形成し、
結晶化プロセス工程を最適化する必要がある。
【0029】一方、ゾルゲル法やMOD法などの溶液法
(CSD法)にて形成するPZT成膜プロセスでは、原
料の性状、取り扱い容易性、安定性や、他の物資との混
合した時の反応性から、Pb、Ti、ZrなどのPZT
膜構成元素の原料をまず選択する。Pbでは酢酸鉛3水
和物、Zrにはジルコニウムテトラプロポキシド,Ti
にはチタンテトライソポロポキシドを利用する場合が多
く、溶剤に2メトキシエタノールを使用して約0.2M
の溶液をまず調製する。この溶液は水分を十分に取り除
くことで長期保存が可能である。一般には酢酸鉛の水和
物の水成分を蒸留により除去する。成膜する時はこの溶
液に水を加えて縮重合反応を起こさせるが、脱水反応お
よび脱アルコール反応によってM−O−Mの架橋構造が
形成される。この際に加えた水の量、反応時間(保持時
間)、pH、温度、濃度などによりこの架橋状態が変化
する。スパッタの場合と同様に異なったアモルファス状
態を形成することになるため、PZTペロブスカイト構
造に結晶化した後に配向性、結晶粒の性状、強誘電特
性、リーク電流、疲労特性などが変化する。
【0030】MOD法でも同様である。Pb、Zr、T
iの2エチルヘキサン酸などを使用し、有機溶剤のキシ
レンを用いてPZTのMOD用溶液を調製する。MOD
法の場合は加水分解反応は起こさず、その状態(混合状
態)にて基板上に塗布する。基板上に成膜した後に25
0℃程度の低温で乾燥、脱溶剤を実施し、アモルファス
状態のPZT膜となる。MOD法では原料がC、H、O
を多く含む構造であるため結晶化時の膜の収縮が大き
く、数100nmの厚い膜を形成するには塗布と結晶化
工程を繰り返すなどの方法で行なう。結晶化はスパッタ
と同様にRTAを使用する場合が多い。750℃、5分
程度の熱処理でペロブスカイト単一相が得られる。この
ような溶液法を用いたPZT膜は結晶粒が100〜数1
00nmと小さく、スパッタで成膜された膜のような柱
状組織を示さない粒状組織がみられる場合が多い。
【0031】一方、MOCVD法により、PZT、SB
T膜などを形成する場合には、条件を最適化することで
立体形状キャパシタを形成するためのステップカバレッ
ジ性が良好なものを得ることができる。しかしこれら強
誘電体、誘電体材料のMOCVD技術には困難な点が多
い。例えば、膜組成を制御することが難しい。複合酸化
物を構成する元素でBi、Sr,Baなどは蒸気圧の高
いソース原料がないために液体供給を併用した方法など
をとる必要がある。また、各元素のソースの特性が異な
ることから最適成膜条件を設定することが難しい。原料
の供給量と膜組成が必ずしも比例しない状況もある。ま
た、添加物を加える際にはさらにソースの選択をしなく
てはいけないため困難さが増加する。In−situで
結晶化した膜を得るプロセスでは基板の表面(電極表
面)の状態、組成によりその上に形成される膜の組成や
特性が変化する。
【0032】近年、以上で説明したような成膜方法を利
用して高密度の強誘電体メモリを作製すべくCOP(Cap
acitor On Plug)構造が考えられる。これはトランジス
タのアクティブエリアから接続されるWやSiからなる
プラグ構造がキャパシタ直下にあるもので、セルサイズ
を小さくすることができる。平面キャパシタであれば前
述したスパッタ法、塗布法、MOCVD法が利用でき、
立体キャパシタ構造を用いる場合にはMOCVD法など
を利用すればよい。しかしながらこの構造では、キャパ
シタを作製する時、あるいはキャパシタを集積化する時
のRIE加工、絶縁膜CVDなどのダメージを回復させ
るための熱処理の時に、直下のプラグ材料の表面が酸化
されてコンタクト抵抗が高くなる、ひどい場合には剥離
が生じるなどの問題がある。これを回避するために、T
iAIN、TiN、TaSiNなどのバリア層の形成、
IrO、Ir、RuO、Ruなどの電極材料が試み
られている。
【0033】また、前述したような立体キャパシタ形成
の試みもなされている。MOCVDでの膜形成において
も組成制御性、ステップカバレッジの良好な低温で成膜
し、後の熱処理において誘電体膜、強誘電体膜を結晶化
する方法が行われている。また、キャパシタのRIE加
工ダメージの低減を目的としてダマシンプロセスを利用
したキャパシタ作製プロセスなどが提案されている。
【0034】一方、強誘電体メモリをさらに高密度化す
るためのITrタイプの強誘電体メモリも開発が進めら
れている。古くはTrのゲート上に直接BiTi
12などの強誘電体を形成したものが研究開発された
が、Siとの界面に酸化物界面層が形成されること、特
定の材料のみしか結晶化できないこと、界面の反応を制
御することができないこと、などの阻害要因があり実現
できなかった。
【0035】また、PZTなどの材料ではSiO上で
結晶化することが困難である。これを回避するためにS
iO上に金属電極膜を介してPZT膜を形成する方法
や、ゲート絶縁膜材料にSiO以外の材料であるZr
、HfO、その他ZrSiOなどのシリケート
膜を使用したりする工夫が検討されている。
【0036】しかしながら、メモリセルが1トランジス
タタイプの強誘電体メモリは誘電体薄膜と直列に接続さ
れた構造であるために強誘電体キャパシタの保持特性が
悪い問題がある。メモリセルが通常の1トランジスタ/
1キャパシタタイプや2トランジスタ/2キャパシタタ
イプのメモリでも信頼性を確保する上で良好な保持特性
が必要である。
【0037】これらの保持特性は、強誘電体キャパシタ
の飽和特性(動作電圧において十分に分極が飽和してい
るかどうか)、電極界面、強誘電体膜内部の欠陥の量
(酸素やPbの空孔、不純物、プロセスダメージによる
電子トラップなど)、内部電界分布などに影響される。
特に強誘電体キャパシタを微細化し高密度大容量のメモ
リとしてゆく場合は、集積化プロセスでの加工、層間絶
縁膜形成、その他のプラズマ工程により分極特性を劣化
させやすい。
【0038】また、強誘電体キャパシタは微細化も困難
である。キャパシタはRIEにより形成するが、Ptな
どの電極材料は蒸気圧の高いPtの化合物がないことか
ら加工時にフェンス状の付着物が形成される。これを防
止するためにキャパシタ側壁にテーパをつけ、エッチン
グしながら加工する方法がとられるが、この場合には微
細キャパシタを形成しにくい。
【0039】また、強誘電体キャパシタを微細化するに
は膜厚も小さくする必要がある。現在の製品レベルでは
250nm以上の膜が使用されているが、100nm程
度に薄膜化してゆく場合には界面の影響が大きくなり、
保持特性が劣化する傾向にある。信頼性を確保するため
には、膜厚を減少させ、微細化することが困難である。
【0040】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
のであって、高密度大容量化に適したキャパシタ構造を
もつ半導体装置およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体装置
は、半導体基板上に形成された第1の電極と、この第1
の電極上に形成された第1の強誘電体層と、この第1の
強誘電体層上に形成された第2の電極と、この第2の電
極上に形成された第2の強誘電体層と、この第2の強誘
電体層上に形成された第3の電極とを有する強誘電体キ
ャパシタを備えたことを特徴とする。
【0042】なお、前記第1乃至第3の電極は、独立に
電圧を付加することが可能な構成となっていることが好
ましい。
【0043】また、本発明による半導体装置の製造方法
は、素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を介して第
1の電極を形成する工程と、前記第1の電極を覆うよう
に第1の強誘電体層を形成する工程と、前記第1の強誘
電体層上に第2の電極を形成する工程と、前記第2の電
極を覆うように第2の強誘電体層を形成する工程と、前
記第2の強誘電体層上に第3の電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
を参照して説明する。
【0045】(第1の実施形態)本発明による半導体装
置の第1の実施形態の構成を図1に示す。この実施形態
の半導体装置は強誘電体キャパシタ1を有している。こ
の強誘電体キャパシタ1は、下部電極4と、第1誘電体
膜6と、中間電極8と、第2誘電体膜10と、上部電極
12とを備えている。第1および第2誘電体膜6,10
は強誘電体(例えばPZT)から構成されている。下部
電極4は、半導体基板の素子領域を覆うように形成され
た絶縁膜50上にバリアメタル層3を介して設けられて
おり、上記素子領域に形成された素子(例えば、半導体
メモリのセルを構成するトランジスタまたはパストラン
ジスタ)にコンタクト14を介して電気的に接続された
構成となっている。そして、下部電極4上には第1誘電
体膜6が形成され、この第1誘電体膜6上に、下部電極
4を覆うように中間電極8が形成された構成となってい
る。また、中間電極8を覆うように第2誘電体膜10が
形成され、この第2誘電体膜10上に、下部電極4を覆
うように上部電極12が形成された構成となっている。
【0046】中間電極8及び上部電極12は、それぞれ
絶縁膜50下に形成された配線にコンタクト16および
コンタクト18を介して電気的に接続された構成となっ
ている。
【0047】次に、上記実施形態に係る強誘電体キャパ
シタ1の製造方法について説明する。まず、Si基板に
通常プロセスによりトランジスタを作り込みCMOS構
造を形成する。次に、トランジスタが形成された領域を
覆うようにPSG(Phospho-Silicate Glass)、BPSG
(Boro-Phospho-Silicate Glass)などの絶縁膜50をC
VD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成し、
その後、CMP(Chemical Mechanical Deposition)法を
用いて上記絶縁膜50の表面を平坦化する。続いて、上
記絶縁膜50上にCVD法にてSi酸化膜(図示せず)
およびSiN膜(図示せず)を形成し下地基板とする。
ここでキャパシタとトランジスタの活性領域(ソース、
ドレイン)との接続をWや多結晶Siからなるプラグ
(コンタクト14)を用いて行うため、予めプラグを形
成しておく。プラグ材料はTiNをCVDにて埋め込ん
だものでもよい。プラグの形成はブランケットCVD法
とCMPとを併用する。
【0048】次に、強誘電体の形成あるいはその後のキ
ャパシタ特性確保のための酸素中アニールプロセスにお
いて、プラグ表面が酸化することを防止する目的からバ
リアメタル層3を形成する。バリアメタル層3にはTi
AlN(Ti/Al=0.9/0.1(モル比))を用
いた。厚さは50nmである。
【0049】下部電極4下の全面にバリアメタル層3を
形成する必要はなく、プラグ16をリセスした状態でプ
ラグ上にのみバリア層を形成しても良いし、下部電極下
全面に下部電極形成時に作製してもよい。それにより全
体のプロセスが若干異なってくる。
【0050】次に、DCマグネトロンスパッタ法を用い
てプラグ14との接続面にこのバリアメタル層3を成膜
する。その後、バリアメタル層3上に下部電極となる厚
さ約50nmのIrまたはRuからなる膜4をスパッタ
法にて形成する。なお、IrまたはRuからなる膜4は
PZTキャパシタ用電極として使用すると界面部分に導
電性酸化物層が形成され、PZTの疲労特性(分極反転
を繰り返した時の分極量の劣化現象)が向上する。この
ため、酸素を導入したスパッタを用いて酸化物層をIr
またはRuからなる下部電極4に形成してもよい。ま
た、Ptやペロブスカイト型導電性酸化物電極を使用す
ることも可能である。また、これらの積層構造を用いて
も良い。
【0051】次に、形成した下部電極4をRIEを用い
てエッチングする。Ru系電極の場合はSiOなどの
ハードマスクを用い、Ir、Pt系の電極の場合はレジ
ストもしくはハードマスクを使用する。ハードマスクの
形成はCVD法などを用いれば良い。貴金属系のRIE
はRu、RuOを除いて蒸気圧の高い化合物がないた
めに、Arと塩素系ガスとの混合ガスを用いて行う。R
u系電極の場合は酸素プラズマ下で容易にRuOが形
成されるため、酸素ガスをベースとしたガス系にてRI
E加工を行う。貴金属膜とSRO(SrRuO)、L
SCO((La,Sr)CoO)、LaNiOなど
の導電性酸化物との積層構造電極の場合は、貴金属のR
IEが機械的エッチングに近いモードであるため、同じ
ようなRIE条件にて加工が可能である。
【0052】次に、Ir膜またはRu膜を形成した後に
スパッタ法を用いてPZTからなる第1誘電体膜6を形
成する。この第1誘電体膜6を形成するスパッタ法とし
てRFマグネトロンスパッタ法を採用した。ここではP
b量を10%程度多くしたPZTセラミックターゲット
を使用する。ターゲットの組成はPb1.10La
.05Zr0.4Ti0.6である。PZTセラミ
ックターゲットは密度の高いものがスパッタ速度が大き
く、水分などに対する耐環境性も良好であるため、理論
密度98%のセラミック焼結体を使用した。スパッタ時
にはプラズマにより基板温度の上昇や飛来粒子による衝
撃があるために、Si基板からのPbの蒸発や再スパッ
タが起こり膜中のPb量の欠損が生じやすい。このた
め、ターゲット中の過剰Pbはそれを補償するために加
えてある。Zr、Ti、Laなどの元素はターゲット組
成とほぼ同じ量で膜6に取り込まれるため、望む組成の
量比のものを用いればよい。電気特性がPZT膜6の組
成などで不安定な場合には、アモルファスPZT膜6の
下部にシード層(図示せず)を形成する。例えば結晶化
するPZT膜の構造・電気特性を改良するために、酸素
を導入したスパッタ法を利用する。最初にArを導入し
た雰囲気でスパッタ成膜して、後に酸素を添加したAr
中スパッタによりPZTシード層を形成する。スパッタ
条件は、ターゲット−基板間距離が60mm、回転式の
マグネットを用いて、12インチのセラミックPZTタ
ーゲットに対し1.0〜1.5kWでスパッタを行う。
ガス圧は0.5〜2.0PaでArに酸素を20%導入
した条件で15〜30秒成膜し2〜5nm厚さのPZT
アモルファスシード層を形成する。下地のIrまたはR
u膜4上にはArガスのみを使用してガス圧が0.5〜
2.0Pa、1.0〜1.5kWの電力にて約5分間R
FマグネトロンスパッタによるアモルファスPZT膜6
の形成を行う。膜厚は100〜150nmである。シー
ド層にはPZT膜ではなく、2〜5nm程度の薄いTi
膜、Zr膜、Nb膜、Ta膜などを使用してもよい。P
ZT成膜前にターゲット表面の状態、温度、チャンバー
内環境を一定とするため約1時間のプレスパッタを同じ
スパッタ条件にて行った。Pb量および結晶化後の構造
・電気特性はこのプレスパッタにより大きく変化してし
まう。バリアメタル層3を介してプラグ14上に形成さ
れたIrまたはRuからなる下部電極4にアモルファス
PZTが成膜されたものに、RTA(Rapid Thermal An
neal)を使用してPZT膜の結晶化を行う。温度は55
0〜700℃で10秒以上の温度保持を行った。得られ
た膜をX線回折にて結晶構造を調べたところ、ペロブス
カイト相で(100)面からの非常に強い反射が得られ
た。微細構造の観察結果では、0.5μm径以下のPZ
T粒子がIrおよびRu上に形成されている。
【0053】引き続き、中間電極8へのコンタクトを形
成するために、RIEを用いて第1PZT膜6およびそ
の下地のSiO膜50にコンタクトホールを形成す
る。マスクはレジストおよびSiN、SiOなどのハ
ードマスクである。なお、PZT膜6上に直接ハードマ
スクを形成するとCVD成膜時の活性水素によりPZT
膜表面が還元し、特性が劣化する可能性がある。これを
回避するため、PZT膜6上にAl、TiO
MgOなどの水素バリア用の薄膜を形成する、もしくは
−TEOSを用いた熱CVDやSOGなどの塗布技
術にて成膜を行う。PZT膜6および酸化膜のRIEは
Arとフッ素系ガスで実施する。
【0054】このようにして形成したコンタクトホール
へプラグ接続材料16を埋め込む。PZTキャパシタへ
のダメージが小さい場合には直接、Ru、TiN、W、
Alなどの材料を、CVD、スパッタ、または塗布法で
成膜する。PZTとプラグ材料の間の拡散・反応により
キャパシタ特性が劣化する場合は、コンタクトホールの
側壁にAl、SiN、SiO、TiO、Zr
などの膜を形成すればよい。但しこの工程を採用す
る時はコンタクト底面に絶縁膜が形成されるため、再度
エッチバックなどの方法で底部のコンタクトを確保する
必要がある。プラグ材料16を埋め込んだ後に、CMP
法によりプラグの表面部分、PZT膜6の上面を平坦化
する。なお、第1強誘電体層6を先にRIE加工しても
よい。この場合はプラグ接続部16の前にPZT膜6を
上記と同様の手法でマスクを形成しキャパシタ形状に加
工する。キャパシタ上部を平坦化する際にはPZT膜6
上に一旦SiOからなる絶縁膜を形成するとよい。こ
の構造ではプラグ接続部16の周辺部が酸化膜となる。
【0055】この上に下部電極と同様のプロセスで中間
電極8を形成する。上層の強誘電体膜の結晶化工程で酸
素中の加熱工程があるために、下部電極4と同様に耐酸
素拡散性、耐酸化性のあるIrなどの金属が望ましい。
中間電極を形成する前に、PZT膜6の上部に導電性酸
化物層を形成すると疲労特性やリテンション特性が向上
する。この工程は第1強誘電体膜6の結晶化後の行えば
よい。中間電極8上には前述したように導電性酸化物層
を形成することも可能である。以下、下部電極成膜、下
部電極RIE加工、第1強誘電体層成膜・結晶化、コンタ
クトホール形成、(コンタクト側壁処理など)、コンタ
クトプラグ充填、CMP、上部電極形成、上部電極RIE
加工、からなる工程を再度、中間電極8/第2強誘電体
層10/上部電極層12の間で繰り返せばよい。以上の
プロセスにより図に示すような多層キャパシタ構造が形
成される。
【0056】2層キャパシタそれぞれの強誘電性を電荷
量Qと印加電圧Vのヒステリシス特性によって調べた結
果、2.5V印加時に分極量2Pr(残留分極×2)で
約30μC/cm2を示し、8インチSiウエハの全面
に同程度の分極量と抗電界をもつPZT膜であることが
判った。抗電圧も0.6V程度と低い値が得られた。こ
の試料の疲労特性を評価した。疲労特性評価は50μm
×50μmの面積に相当するアレイで評価した所、10
12サイクルまで分極量の変化がなく、リーク電流も3
V印加時で10-8A/cm2オーダーと低い値であっ
た。
【0057】キャパシタ上部電極からのコンタクトは通
常のLSI作製プロセスを用いる。すなわち絶縁膜とR
IE、配線成膜工程を繰り返すことでキャパシタからの
配線の引き出しを行う。
【0058】上述の製造方法により形成したキャパシタ
は、三つの電極4,8,12からなる2層キャパシタ構
造をもち、それぞれの電極4,8,12に接続されたパ
ストランジスタより電極電圧を独自に制御することがで
きる。例えば、中間電極8に+の電圧を付加し下部電極
4および上部電極12に−の電圧を付加すると、図2に
示すように、第1誘電体膜6および第2誘電体膜10に
矢印に示す方向の状態の分極が生じる。
【0059】また、2層のキャパシタの分極が両方とも
下部電極4方向の状態で書き込みが行われた場合、例え
ば下部電極4に0Vの電圧を付加し中間電極6に+の電
圧を付加し上部電極12に中間電極6に付加する電圧よ
りも高い電圧を印可した場合、その後、下部電極4を
+、中間電極8を−とすることで下方キャパシタのみ反
転電流を供給できる構成となっている。上部電極12を
−、中間電極8を+とした場合は同様の反転電流を取り
出せるが、電極が異なることになる。
【0060】また、それぞれの電極に与える電圧のタイ
ミングをずらす、あるいは電圧レベルを3つとすること
で、さらに多くのパターンの電流取り出しが可能とな
る。
【0061】同様の構成にて一度に二つのキャパシタを
反転させる場合と、ひとつのキャパシタを反転させる場
合、ひとつのキャパシタも反転させない場合で、それぞ
れ電流値が異なることから、多値化をすることもでき
る。多値化することでキャパシタサイズを微細化するこ
となく高密度のメモリが実現できる。
【0062】なお、図3に示すように、中間電極8をフ
ローティングとすることで、第1および第2誘電体膜
6,10に生じる分極を安定化することができる。図3
においては、下部電極4に−の電圧を付加し上部電極1
2に+の電圧を付加した場合を示している。
【0063】本実施形態においては、2層積層構造の強
誘電体キャパシタを例にとって説明したが、図4に示す
ように、3層積層構造の強誘電体キャパシタであっても
良い。すなわち、本実施形態の2層積層構造の強誘電体
キャパシタの上部電極上に第3誘電体膜32を形成し、
この第3誘電体膜32上に最上部電極34を形成した構
成であっても良い。また、4層以上の積層構造であって
も良い。
【0064】さらに、本発明は多層構造以外に、図5
(a)に示すように平面キャパシタ上に下部電極21を
共通として誘電体膜23上に上部電極25a,25bを
多数設ける構造、さらにはその構造を多層化した構造す
なわち、図5(b)に示すように、中間電極39を共通
として、この中間電極39の上方向に誘電体膜41を介
して複数の上部電極43a,43bを設けるとともに、
中間電極39の下方に誘電体膜37を介して複数の下部
電極35a,35bを設けるように構成しても良い。キ
ャパシタを作製するプロセスが異なるが、いずれも個々
の電極に印加される電圧を制御できるようにトランジス
タに接続されている。
【0065】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図6を参照して説明する。この実施形態は、
2層構造の強誘電体キャパシタであって、その製造工程
断面図を図6に示す。
【0066】まず、図6(a)に示すように、トランジ
スタなどを形成する通常のCMOSプロセスを経たSi
ウエハ上にSiN、SiOなどの絶縁膜52をCVD
法により形成し、キャパシタ形成用の下地とする。その
後、絶縁膜52上にTiOやAlなどのPb反
応防止層(図示せず)を形成する。成膜方法はスパッ
タ、塗布などのいずれの方法でもよい。続いて、後述の
下部電極と、絶縁膜52下に形成されているトランジス
タとの接続のために、Pb反応防止層および絶縁膜52
にコンタクト54を形成する。このコンタクト54を覆
うように反応防止層上にTiの接合層(バリアメタル層
(図示せず))を介して下部電極となるPtからなる層
56を成膜する(図6(a)参照)。成膜はDCスパッ
タ法を用いる。その後、パターニングしたレジストをマ
スクとしてPt/Ti膜56をドライエッチングにより
加工し、下部電極56を形成する。エッチングはArと
Cl系の混合ガスを用いる。レジストとPtとのエッチ
ング時の選択比が小さいために、厚いレジストを用い
る。Pt、Ti膜は典型的な厚さで、それぞれ100n
m、10nmである。強誘電体キャパシタ膜(PZTな
ど)の疲労特性を向上させる目的で、Ptの上にSRO
(SrRuO)、IrO、RuOを用いても良
い。また、Ptの替わりにIr、Ir/IrO積層
膜、Ru、Ru/RuO積層膜などを使用してもよ
い。Ru系の場合はSiOなどのハードマスク材を使
用してRIE(Reactive Ion Etching)を行う。
【0067】次に、下部電極56上に例えばPZTから
なる誘電体膜58をRFスパッタ法やゾルゲル、MOD
(Metal Organic Decomposition)法などの塗布法を用い
て形成する(図6(a)参照)。いずれの場合も成膜し
た状態ではアモルファスのため、成膜後にRTA(Rapid
Thermal Anneal)により結晶化を行う。この結晶化は酸
素中雰囲気で500〜650℃の温度に数10秒間加熱
することで行う。TiOやAlの上は強誘電性
ペロブスカイト構造に結晶化しにくいが、キャパシタと
して使用しない部分であるために問題はない。その後、
再度レジストマスクなどを使用してPZT膜58を加工
する。キャパシタとして使用する以外の部分(その上に
上部電極を形成するため、下部電極と短絡しないように
する必要はある)はRIEによりPZT膜を除去する
(図6(a)参照)。PZT膜58のドライエッチング
にはArとF系の混合ガスを使用する。例えば、Ar+
CF などである。
【0068】次に、図6(b)に示すように、強誘電体
層58上に中間電極60となる膜を形成する。中間電極
60の材料としては、Ptが代表的なものであるが、前
述したようにキャパシタの疲労特性を改善させる目的で
導電性酸化物層を介在させてもよい。また、Ir、Ir
/IrO積層膜、Ru、Ru/RuO積層膜などを
使用してもよい。その後、中間電極膜60をRIE法を
用いてパターニングする。マスク材はレジストもしくは
SiOなどを使用する。エッチングガスは下部電極5
6の加工と同様である。
【0069】次に、図6(c)に示すように、中間電極
60を覆うようにPZT強誘電体層62を形成し第2層
目のキャパシタとする。この強誘電体層62の形成も強
誘電体層58と同様のプロセスを用いる。すなわち、ア
モルファスPZT膜62を形成し、RTAなどで結晶化
させる。このPZT層62も一部エッチングにより除去
することも可能である。
【0070】次に、図6(d)に示すように、強誘電体
層62上に上部電極64を形成する。この上部電極64
は下部電極56または中間電極60と同様の形成方法、
材料を使用する。そして、図6(d)に示すように、上
部電極64をレジストマスクなどを使用してRIE加工
を行う。その後、図6(e)に示すように、上部電極6
4を覆うように層間絶縁膜66を形成し、この層間絶縁
膜66に上部電極との接続を取るためのプラグ68を形
成する。
【0071】以上のプロセスを用いて多層のキャパシタ
を形成する。多層キャパシタのそれぞれの電極との接続
は、下部にあるトランジスタと直接接続されたプラグに
接続する場合には下部電極をそのまま接続配線に利用す
る、もしくはプラグ上にキャパシタを形成する。一方、
上部側にコンタクトを形成して配線を接続する場合は、
図6(e)に示すように、多層キャパシタを形成した後
にRIEによりコンタクトホールを形成し、Ti、Ti
Nなどのバリアメタル層を介してAl配線68を形成す
る。キャパシタ上部の多層配線層は、絶縁膜CVD、絶
縁膜RIE、Alスパッタ成膜、Al−RIE技術を用
いて通常の多層配線プロセスにて形成すれば良い。
【0072】この実施形態によって製造された強誘電体
キャパシタも第1の実施形態と同様に、高密度大容量化
に適したキャパシタ構造となる。
【0073】以上説明したように、本発明に係る強誘電
体キャパシタを、半導体メモリ装置のメモリセルを構成
するキャパシタに用いれば、一つのセルに複数個のキャ
パシタを具備し、多数の組み合わせをもつ信号を供給す
ることが可能となり、あるいは多値化を行うことが可能
となり、さらには強誘電体メモリの信頼性で重要な保持
特性を向上させることができる。
【0074】また、本発明に係る強誘電体キャパシタ
は、(1)それぞれの電極にかける電圧およびタイミン
グを制御することで、三つの電極から異なった電荷量を
引き出すことが可能で、(2)複数の強誘電体キャパシ
タの分極方向を制御し、かつ個々の電極に印加する電圧
をかえることで多値の状態を形成することが可能で、か
つ(3)強誘電体キャパシタの分極をインプリントを引
き起こさないように安定化することができる。
【0075】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
高密度大容量化に適したキャパシタ構造を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の第1の実施形態の構
成を示す断面図。
【図2】第1の実施形態に係る2層構造の強誘電体キャ
パシタの分極の一状態を示す模式図。
【図3】第1の実施形態に係る強誘電体キャパシタの安
定化を示す模式図。
【図4】本発明に係る3層構造の強誘電体キャパシタの
分極の一状態を示す模式図。
【図5】本発明に係る強誘電体キャパシタの変形例を示
す模式図。
【図6】本発明の第2の実施形態の構成を示す製造工程
断面図。
【符号の説明】
1 強誘電体キャパシタ 3 バリアメタル層 4 下部電極 6 誘電体層(強誘電体層) 8 中間電極 10 誘電体層(強誘電体層) 12 上部電極 14 コンタクト(プラグ) 16 コンタクト(プラグ) 18 コンタクト(プラグ) 50 絶縁膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に形成された第1の電極と、
    この第1の電極上に形成された第1の強誘電体層と、こ
    の第1の強誘電体層上に形成された第2の電極と、この
    第2の電極上に形成された第2の強誘電体層と、この第
    2の強誘電体層上に形成された第3の電極とを有する強
    誘電体キャパシタを備えたことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1乃至第3の電極は、独立に電圧を
    付加することが可能な構成となっていることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】素子が形成された半導体基板上に絶縁膜を
    介して第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極を
    覆うように第1の強誘電体層を形成する工程と、前記第
    1の強誘電体層上に第2の電極を形成する工程と、前記
    第2の電極を覆うように第2の強誘電体層を形成する工
    程と、前記第2の強誘電体層上に第3の電極を形成する
    工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
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