JP2002057299A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002057299A
JP2002057299A JP2000245593A JP2000245593A JP2002057299A JP 2002057299 A JP2002057299 A JP 2002057299A JP 2000245593 A JP2000245593 A JP 2000245593A JP 2000245593 A JP2000245593 A JP 2000245593A JP 2002057299 A JP2002057299 A JP 2002057299A
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capacitor
groove
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insulating film
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Koji Yamakawa
晃司 山川
Tsunetoshi Arikado
経敏 有門
Katsuya Okumura
勝弥 奥村
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャパシタ面積を拡大しながら微細化を可能
にした立体化構造のキャパシタを有する半導体装置及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁膜に深さHが開口部の径Dの2倍よ
り浅い(H<2D)溝6にキャパシタエリア6を形成
し、この中に、下部電極7を形成し、CMPなどにより
加工してから、その上にスパッタにより誘電体膜を形成
し、その上に上部電極を形成してキャパシタを形成す
る。MOCVDなどの技術を使用せず従来から用いられ
ているスパッタ法を用いて立体キャパシタを形成するこ
とができ、微細セルの実現が可能になる。また、下部電
極はRIEエッチングすることがないので加工ダメージ
が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャパシタを有す
る半導体装置に関し、とくに、誘電体膜もしくは強誘電
体膜の構造及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリの高集積化に伴って、その
中で電荷を蓄積する役割を果たすキャパシタの微細化が
進んできている。例えば、DRAM(Dynamic
Random Access Memory)の高集積
化においては、メモリ容量が3年で4倍のスピードで高
密度化しており、ギガビットの容量のものが開発されて
いる。メモリの高集積化と共にキャパシタの微細化が必
要である。キャパシタを微細化するためには、材料そ
のものに高誘電率のものを使用する、キャパシタの厚
さを低減する、キャパシタ面積を増加させるという3
方式がある。まず、に対しては、これまではキャパシ
タ材料に用いられてきたシリコン酸化膜から酸化タンタ
ル(Ta2 5 )、チタン酸バリウム・ストロンチウム
(Ba,Sr)TiO3 )などの誘電体薄膜が開発され
ている。これらの材料は、酸化シリコンと比較して誘電
率が10−100倍程度高い特徴を有している。に対
しては、これまでシリコン酸化膜の薄膜化を進めてきた
が、厚さが3nm以下の領域となってくるとトンネル電
流によりリーク電流が増加してしまうという問題が発生
する。したがって、キャパシタの薄膜化についても限界
が近くなっている。に対しては、従来の平面キャパシ
タ構造から、シリコン半導体基板に深い孔を形成したト
レンチタイプあるいは立体形状に形作ったスタック型キ
ャパシタなどのような方法が用いられてきた。メガビッ
トからギガビット級の容量のメモリに対して、例えば、
DRAMでは1セルあたり30fCの電荷量が必要とさ
れている。この量は、キャパシタに貯えられた電荷を検
出するセンスアンプの特性やビット線の容量などに依存
している。しかし、キャパシタ面積の増加についても、
キャパシタ構造を複雑化する必要があり、キャパシタ形
成プロセスへの負担が増加しているのが現状である。
【0003】近年、強誘電体薄膜を利用した不揮発性メ
モリである強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM:F
erroelectric Random Acces
sMemory)の開発が進んでいる。Ferroelectric
RAMは、DRAMのキャパシタ部分を強誘電体で置き
換えたもので、以下のような特徴を持ち、次世代メモリ
として期待されている。書き込み、消去が高速であ
り、セルを小型化することでDRAMなみの100ns
以下の書き込み時間が可能、不揮発性メモリで、SR
AMと異なり電源が不必要、書き換え可能回数が大き
く、強誘電体材料(SBTなど)、電極材料(Ir
X 、RuOX 、SrRuO3 など)を工夫することに
より1012回以上が可能、高密度高集積化ができ、D
RAMと同等の集積度が得られる、内部の書き込み電
圧を2V程度とすることができ、低消費電力、フラッ
シュメモリと異なりビット書き換え、ランダムアクセス
が可能、などの特徴を有している。これらの利点を利用
して、エアコンの温湿度センサ、各種電子機器の製造プ
ロセスのモニタ用TAG、TVゲームのリジューム機
能、アーケードゲームの記憶装置、TVやビデオの設定
記憶、コピー、FAX、プリンタの感光ドラムの使用状
況モニタ、衛星放送、ケーブルTVのセットトップボッ
クス、自動車のエンジンコントロール、ラジオの周波数
プリセット、RFIDを用いた電子キー、ノイズの多い
工業用製品のラインの製造プロセスモニタ、電力積算
計、工業用液体、気体流量計センサ、大型タンクの液面
計、AVパソコン、PCカード、ファイルメモリ、携帯
端末機器など多分野、多方面に渡っての応用が実用化あ
るいは検討されている。
【0004】Ferroelectric RAMではキャパシタ部分
にPZT(Pb(Zrx Ti1-x )O3 )、BIT(B
4 Ti3 12)、SBT(SrBi2 Ta2 9 )な
どの強誘電体薄膜を使用する。いずれも酸素八面体を基
本構造とするペロブスカイト構造を基本とした結晶構造
を持っている。現在DRAM用キャパシタ材料として検
討されている常誘電体BSTも同様である。これらの材
料は、従来のシリコン酸化膜と異なり、アモルファス状
態で使用することができない。よって結晶化するための
工程、例えば、高温での結晶化熱処理、高温でのIn−
situ結晶化プロセスなどが必要となる。材料にもよ
るが、一般的に400−700℃の温度が結晶化では必
要となる。成膜方法としてはレーザアブレーション法、
真空蒸着法、MBE法など各種の方法が研究されている
が、実用化されているものでは、MOCVD法、スパッ
タ法、溶液法(CSD:Chemical Solut
ion Deposition)がある。MOCVD
法、スパッタ法は、成膜温度によりIn−situ結晶
化とEx−situ結晶化プロセスの両方がある。
【0005】以下、強誘電体薄膜キャパシタの構造及び
その作成方法を説明する。強誘電体は、自発分極をも
ち、その自発分極が電界によって向きを反転することが
可能である。自発分極は、電界を印加しない状態でも分
極値を有し(残留分極)、その値(分極の向き)が電界
を0とする前の状態に依存する。ヒステリシス曲線にお
いて、分極0となるときの電界値を抗電界という。印加
する電界の向きで+、−の電荷を結晶表面に誘起させる
ことができ、この状態をメモリ素子の0、1に対応させ
ている。Ferroelectric RAMは、DRAMと同じ1T
/1C(1トランジスタ/1キャパシタ)の構造をとる
ことができるが、現状では信頼性を向上させるために2
T/2C構造のものが採用されている。
【0006】強誘電体材料には次にあげる特性、仕様が
要求されている。反転分極量(スイッチング電荷)が
大きいこと。これはデバイスの構造、センシングする際
の設定電圧値、分極値の安定性などにもよるが、一般に
10μC/cm2 以上が必要とされている。比誘電率
が小さいこと。スイッチング電流に対して、非スイッチ
ング電流値が小さく、S/N比を抑えることが出来る。
分極値の書き換えサイクルによる減少(疲労特性)が
少ないこと。疲労特性では強誘電体の材料そのものを変
え、あるいは電極材料を酸化物系のものとすることで、
1012回以上の特性が得られていること。分極反転速
度が速いこと。キャパシタの小形化により、スイッチン
グ特性が正味のドメイン反転速度ではなく、電極配線抵
抗、浮遊容量などに主として左右されていることが示さ
れていること。リーク電流が10-6A/cm2 以下で
あること。キャパシタに蓄積した電荷の有無を利用する
DRAMと比較すると、Ferroelectric RAMでは残留
分極値を利用するために、基準となるリーク電流値はD
RAMの場合よりも高くて問題はない。データ保持特
性が10年以上であること。実際に使用されている強誘
電体材料は、PZT((Pb(Zrx Ti1-x )O3
薄膜、SBT(SrBi2 Ta2 9 )薄膜である。前
者のPZTは、結晶化温度が600℃程度であること、
分極値が大きく残留分極値で20μC/cm2 程度であ
ること、抗電界が比較的小さく低電圧で分極反転が可能
なこと、Zr/Ti組成比により結晶化温度の他に、グ
レインサイズ、グレイン形状などの構造特性、分極量、
抗電界、疲労特性、リーク電流などの強誘電特性が制御
可能なこと、化学式ABO3 で現されるペロブスカイト
構造の持つ元素許容性からAサイトと呼ばれるPbをS
r、Ba、Ca、Laなどの元素で、Bサイトと呼ばれ
るZr・TiをNb、W、Mg、Co、Fe、Ni、M
nなどの元素で置換することが可能であり、その置換が
結晶構造、構造特性、強誘電特性に大きく影響すること
などが利点としてあげられる。
【0007】もともとPZTは、アクチュエータ、超音
波振動子、超音波モータ、ハイドロフォン、圧電トラン
スなどのトランスデユーサヘの応用、積層セラミックコ
ンデンサなど受動部品への応用、赤外線センサなどセン
サへの応用、更に構造相転移、ドメイン挙動、圧電、焦
電、強誘電体としての基本特性、ミクロな挙動など多く
の研究がこれまでになされており、PZTの材料設計、
特性改善、構造・電気特性の解明などのデータベースと
して豊富であることも一つの利点といえる。また、PZ
Tは、その圧電、焦電、強誘電特性にすぐれることから
早くから薄膜化の検討がなされてきており、スパッタ
法、ゾルゲル法などの手法で成膜した研究例も多い。こ
れらの背景からPZTは、最初にFerroelectric RAM
として実用化された材料である。欠点である書き込み回
数の増加にともなう分極量の減少(疲労特性)は、疲労
特性そのものが電界により加速される特徴をもつため、
最近の動作電圧の低電圧化、当初使用されていたPt電
極からIrOX など酸化物電極の採用による疲労特性の
改善もなされている。
【0008】一方、後者のSBTは、PZTのもつ疲労
特性の改善、膜の低電圧駆動を達成するために開発され
た材料である。SBTは、Bi層状化合物(Auriv
illius Phase)の一種で強誘電性の起源と
なる酸素八面体からなる擬似ペロブスカイト構造層をB
2 3 層が挟む結晶構造になっている。この構造によ
り主たる分極軸は、c軸と垂直な面内にあり、c軸方向
の分極は無いか、あっても小さい値となる。擬似ペブロ
スカイト構造中の酸素八面体によってその分極が発現す
る。強い異方性によりこれまでセラミックとしてはほと
んど研究がなされていなかった。しかしMOD(Met
alorganic Decomposition)法
で薄膜形成が可能となり、形成された多結晶のSBT膜
が強誘電性を示す、疲労特性が良好である、低電圧化が
可能であることが確認されて以来さらに開発が加速され
ている。PZT膜の疲労は、Pt電極界面に形成される
酸素空孔が主たる原因とされている。この酸素空孔の発
生理由の1つがPb元素の揮発性、拡散容易性である。
Pbは、ペロブスカイト構造の一部であるために酸素空
孔が形成されると近傍の陽イオンと双極子を形成し、ス
イッチング電荷の減少を引き起こす。SBTは、揮発性
元素であるBiがなくなっても電荷を補償する酸素空孔
自体がBi酸化物層に形成されるため直接ペロブスカイ
ト構造での影響は少ない。また、価数の変化し易いTi
を持たないことも有効とされている。SBTは、PZT
と比較して分極量が小さいが、Taの一部をNbで置換
することにより分極量を増大させることも可能である。
最近はSBTをキャパシタとして集積化したデバイスも
試作されている。SBTは、MOD法以外のゾルゲル
法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などでも形
成されている。
【0009】PZT膜もMOD法、レーザーアブレーシ
ョン法、イオンビームスパッタ法、熱CVD法、MOC
VD法、レーザCVD法などで形成されるが、Ferroele
ctric RAM製品としてはゾルゲル法、スパッタ法が中
心である。スパッタ法では基板上に直接結晶化したペブ
ロスカイトPZT膜を形成するためには約500℃以上
の高温が必要であるが、低融点元素のPbの蒸気圧が高
いこと、スパッタ率が高いことなどの理由から、高温で
容易に基板から蒸発し、再スパッタする。結晶化温度で
ある500℃以上ではPbはほとんど基板へとどまらず
組成制御が困難である。通常はPbあるいはPbOのタ
ーゲットを別に用意し、同時にスパッタして過剰量のP
bを供給するなどの工夫がなされるが、面積の大きい基
板に均一に組成制御して膜形成することは難しい。室温
ではPbの蒸発、再スパッタの影響が小さいため、比較
的容易にターゲットに近い組成のPZT膜が形成可能で
ある。ただし、室温においてもプラズマからのイオン、
スパッタ粒子などによる運動量によって基板やシールド
部が高温となり易く、蒸発、再スパッタによる影響は注
意する必要がある。各部の電位によってもArイオンの
衝撃が異なるため組成が変化する。
【0010】電子部品に使用する強誘電体膜を形成する
プロセスをPZT強誘電体膜を用いたFerroelectric R
AMを例にして説明する。トランジスタを形成するプロ
セスを経たシリコン半導体基板に絶縁膜を形成し、下地
電極として150nm厚のPt電極をDCマグネトロン
スパッタにより形成する。Ptは、酸化膜と密着性が良
好ではないため、接合層としてTi(20nm厚)をP
t成膜前に連続スパッタにて形成する。次に、下地電極
上にPZT膜をRFマグネトロンスパッタにより形成す
る。上記の理由から基板温度を上げず室温にて成膜す
る。12インチのセラミックPZTターゲットに対し
て、1.0−1.5kWでスパッタを行う。スパッタガ
スはArで0.5−2.0Paの圧力範囲で成膜した。
約5分間のスパッタ時間で250−300nmの膜厚の
PZTアルモファス膜が得られる。PZT成膜前に約1
時間のプレスパッタを成膜するスパッタ条件で行う。ア
モルファス状態のPZT膜は、RTA(Rapid T
hermal Anneal)プロセスによりペロブス
カイト相に結晶化する。600℃以上の温度で数秒で結
晶化が可能である。管状炉などでも結晶化できるが、R
TAの方がサーマルバジェットが小さく下地電極、電極
とPZT膜の拡散、反応を抑えることができ、界面の平
滑化には適する。
【0011】また、PZTの結晶化には異相として非強
誘電相のパイロクロア型相があるが、この相は結晶化の
昇温速度を小さくした場合やZr/Ti比が大きい場合
に形成され易い。パイロクロア相が第二相としてできた
場合には、分極量が小さくなるだけでなく、PZT膜の
信頼性にも影響を及ぼす可能性がある。結晶化したPZ
T膜に関して、さらに上部電極であるPt膜をDCマグ
ネトロンスパッタにより形成してキャパシタ構造を作製
する。キャパシタパターンは、RIE(Reactiv
e Ion Etching)装置を用いて、Arと弗
化炭素系のガス中でエッチングを行い微細パターンを形
成する。電極との密着性を向上させるために600℃で
酸素中1時間のアニール処理を行う。このようにして形
成したPZT膜は、Pb1.15-1.20 La0.05(Zr0.4
Ti0.6 )O3 の膜組成を持ち、スパッタ時のスパッタ
電力とガス圧を変えることによってPb量を10%以内
の範囲で変化させることができる。このPb量により特
性が変動する。形成した100−300nm径の柱状組
織のPZT膜の電気特性は、PZT膜組成、微細構造の
変化により、リーク電流が大きい、疲労特性が悪い、分
極量の小さいものが多い、抗電界が大きいなど問題も発
生する。PZT膜表面の凹凸が大きい場合は、RIE時
に加工表面の凹凸が大きくなる。PZT、Pt膜のRI
Eではイオンにより物理的エッチング効果が大きいため
膜表面の凹凸がエッチング後の形状に大きく影響する。
【0012】一方、ゾルゲル法やMOD法などの溶液法
(CSD法)にて形成するPZT成膜プロセスでは、原
料の性状、取り扱い容易性、安定性や他の物質との混合
した時の反応性から、Pb、Ti、ZrなどのPZT膜
構成元素の原料をまず選択する。Pbには酢酸鉛3水和
物、Zrにはジルコニウムテトラプロポキシド、Tiに
はチタンテトライソプロポキシドを利用する場合が多
く、溶剤に2メトキシエタノールを使用して約0.2M
の溶液を調整する。この溶液は、水分を十分に取り除く
ことで長期保存が可能である。一般には酢酸鉛の水和物
の水成分を除去する。成膜する時は、この溶液に水を加
えて縮重合反応を起こさせるが、脱水反応(保持時
間)、pH、温度、濃度などによりこの架橋状態が変化
する。スパッタの場合と同様に異なったアモルファス状
態を形成することになるため、PZTペロブスカイト構
造に結晶化した後に配向性、結晶粒の性状、強誘電特
性、リーク電流、疲労特性などが変化する。MOD法で
も同様である。Pb、Zr、Tiの2エチルヘキサン酸
などを使用し、有機溶剤のキシレンを用いてPZTのM
OD用溶液を調製する。MOD法の場合は、加水分解反
応は起こさず、その状態(混合状態)で基板上に塗布す
る。基板上に成膜した後に250℃程度の低温で乾燥、
脱溶剤を実施し、アモルファス状態のPZT膜となる。
【0013】MOD法では原料がC、H、Oを多く含む
構造であるため結晶化時の膜の収縮が大きく、数100
nmの厚い膜を形成するには塗布と結晶化工程を繰り返
すなどの方法で行なう。結晶化はスパッタと同様にRT
Aを使用する場合が多い。750℃、5分程度の熱処理
でペロブスカイト単一相が得られる。このような溶液法
を用いたPZT膜は、結晶粒が100−数100nmと
小さく、スパッタで成膜された膜のような柱状組織を示
さない粒状組織が認められる場合が多い。一方、MOC
VD法によりPZT、SBT膜などを形成する場合に
は、条件を最適化することで立体形状キャパシタを形成
するためのステップカバレッジ性が良好なものを得るこ
とができる。しかしこれら強誘電体、誘電体材料のMO
CVD技術には困難な点が多い。例えば、膜組成を制御
することが難しい。複合酸化物を構成する元素でBi、
Sr、Baなどは蒸気圧の高いソース原料がないために
液体供給を利用した方法などをとる必要がある。また、
各元素のソースの特性が異なることから最適成膜条件を
設定することが難しい。原料の供給量と膜組成が必ずし
も比例しない状況もある。また、添加物を加える際には
さらにソースの選択をしなくてはいけないため困難さが
増加する。In−situで結晶化した膜を得るプロセ
スでは基板の表面(電極表面)の状態、組成によりその
上に形成される膜の特性が変化する。このようにMOC
VDでは立体形状キャパシタ形成のためのステップカバ
レッジは良好なものの組成制御性、安定性などに問題が
多く実用化が困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上、説明したように
立体のキャパシタを形成する際に、MOCVD法ではP
bの制御が困難である。Pbの膜中への取り込みは基板
表面での反応によるために基板表面の特性に影響を受け
易い。また、安定してPb、Ti、Zrなどのソースガ
スを供給することも困難である。Pbのソースについて
は毒性のものもあり扱い難い問題でもある。このMOC
VD法の欠点は、膜の材料をSBTとしても同様のこと
が言える。SBTの場合は、蒸気圧の高いBiの制御が
難しい。特に過剰なBiはPbと同じで結晶成長には重
要な促進作用を示すが、過剰な状態で膜中に残留すると
リーク電流の増加を引き起こす。一方、ゾルゲル法、M
OD法などの塗布方式は、大口径のウェハでも均一な特
性が得られ易い特徴を持っている。真空系などの複雑な
機構を必要とせず、比較的簡単なプロセスで成膜でき
る。ウェハ裏面、ベベル部への回り込み防止策としての
エッジカットも容易にできることなどから扱い易いプロ
セスである。しかし、MOD法、ゾルゲル法などの溶液
法ではさらに強誘電体メモリを大容量化あるいは微細化
してゆくに際してのキャパシタの立体化に対応すること
が困難である。通常の塗布法の場合にスピン塗布法が用
いられるが基板表面が平坦に近い場合でないと薬液が塗
布されない領域が発生してしまう。溶液をミスト状態に
してステップカバレッジを向上させる手段も試みられて
いるが、キャパシタ構造のアスペクト比が小さい場合
か、キャパシタサイズが大きい場合に限られる。これら
の点を考えると現状で実績があり、かつ組成、微細構造
の制御性も確立されているスパッタ法を強誘電体、誘電
体薄膜形成法に利用することはかなり有利といえる。
【0015】但し現状でスパッタ法を用いて平面上の強
誘電体、誘電体キャパシタを形成する際の問題点とし
て、キャパシタ形状にRIE加工する際にエッチングガ
スやイオンボンバードメントによる膜へのダメージが大
きい問題があった。一般にPt/PZT/Pt構造を持
つ強誘電体キャパシタの場合はPtをCl/Ar混合ガ
ス、PZTをAr/CF4 をベースとして混合ガスを用
いてRIE加工するが、その際の活性ハロゲン元素や活
性水素(HBrを使用した場合など)によりPtとPZ
Tの界面部分を中心として空間電荷が生じたり、欠陥が
形成されて分極量が劣化する問題があった。特に今後高
集積デバイス用として微細キャパシタを形成する際には
このRIE加工ダメージを低減する必要があった。以上
の問題を要約すると、面積を大きくするために立体化し
たキャパシタを半導体メモリに適用しようとする場合、
アスペクト比の高い溝(トレンチ)をキャパシタエリア
とすると、MOCVD法を用いたのでは制御性が悪く、
コストも高く、キャパシタ面積を拡大するには限度があ
った。また、スパッタ法では制御性が良く均一な膜を形
成することは可能であるが、深い溝に形成することは非
常に困難であった。本発明は、このような事情によりな
されたものであり、キャパシタ面積を拡大しながら微細
化を可能にした立体化構造のキャパシタを有する半導体
装置及びその製造方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁膜に浅い
溝状のキャパシタエリアを形成し、この中に、下部電極
を形成し、CMPなどにより加工してから、その上にス
パッタにより誘電体膜を形成し、その上に上部電極を形
成してキャパシタを形成することを特徴としている。M
OCVDなどの技術を使用せず従来から用いられている
スパッタ法を用いて立体キャパシタを形成することがで
き、微細セルの実現が可能になる。また、下部電極はR
IEエッチングすることがないので加工ダメージが低減
する。
【0017】すなわち、本発明の半導体装置は、半導体
基板と、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記
絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2倍よ
り浅い(H<2D)溝に形成されたキャパシタとを具備
し、前記キャパシタは、前記溝の内壁及び底面に形成さ
れ、端部が前記溝の端部に配置された下部電極と、前記
下部電極の上に形成され、端部が前記溝の周辺に延在し
ている誘電体膜と、前記誘電体膜の上に形成され、端部
が前記誘電体膜の端部と実質的に同じ位置に配置されて
いる上部電極とから構成されていることを特徴としてい
る。また、本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記
半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜表面に
設けられ、深さHが開口部の径Dの2倍より浅い(H<
2D)溝に形成されたキャパシタとを具備し、前記キャ
パシタは、前記溝の内壁及び底面に形成され、端部がこ
の溝の周辺に延在している下部電極と、前記下部電極の
上に形成され、端部が前記下部電極の端部と実質的に同
じ位置に配置されている誘電体膜と、前記誘電体膜の上
に形成され、端部が前記誘電体膜の端部と実質的に同じ
位置に配置されている上部電極とから構成されているこ
とを特徴としている。
【0018】また、本発明の半導体装置は、半導体基板
と、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁
膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2倍より浅
い(H<2D)溝に形成されたキャパシタとを具備し、
前記キャパシタは、前記溝の内壁及び底面に形成され、
端部が前記溝側壁の前記絶縁膜表面より深い位置に配置
された下部電極と、前記下部電極の上に形成され、端部
が前記溝側壁の端部に配置されている誘電体膜と、前記
誘電体膜の上に形成され、端部が実質的に前記絶縁膜表
面と同じ面に形成されている上部電極とから構成されて
いることを特徴としている。前記誘電体膜は、スパッタ
リング成長され、その成長方向は前記溝の側壁及び底面
に対し垂直であるようにしても良い。前記溝の側壁の底
面とのなす角度が90度より大きいようにしても良い。
前記誘電体膜は、ABO3 を化学式としたペロブスカイ
ト構造を有するようにしても良い。前記誘電体膜を構成
するA元素がPb、Ba、Sr、Ca、Laから選ばれ
た小なくとも1種、B元素がTi、Zr、Nb、Ta、
Fe、WCo、Niから選ばれた少なくとも1種からな
るようにしても良い。前記下部電極及び前記上部電極の
少なくとも一方の電極材料がPt、Ru、Ir、IrO
X 、RuOX など貴金属及び貴金属の酸化物あるいはS
rRuO3 、(La0.5 Sr0.5 )CoO3 から選ばれ
るペロブスカイト型導電性酸化物もしくは超伝導膜を主
成分とするようにしても良い。
【0019】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体
基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜表面に設
けられ、深さHが開口部の径Dの2倍より浅い(H<2
D)溝を形成する工程と、前記絶縁膜上及び前記溝の内
部に下部電極材料を堆積させる工程と、前記堆積された
下部電極材料をCMP法によりポリッシングして前記溝
内に下部電極を形成する工程と、前記下部電極上にスパ
ッタリングにより誘電体膜を堆積させる工程と、前記誘
電体膜上に上部電極を堆積させる工程と、前記誘電体膜
と前記下部電極とを前記溝の周辺部に端部が延在し、且
つれぞれの端部が同じ位置に配置されるようにパターニ
ングして前記下部電極、前記誘電体膜及び前記上部電極
から構成されたキャパシタを形成する工程とを具備した
ことを特徴としている。また、本発明の半導体装置の製
造方法は、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前
記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径の2倍よ
り浅い(H<2D)溝を形成する工程と、前記絶縁膜上
及び前記溝の内部に下部電極を堆積させる工程と、前記
下部電極上にスパッタリングにより誘電体膜を堆積させ
る工程と、前記誘電体膜上に上部電極を堆積させる工程
と、前記下部電極と、前記誘電体膜と、前記下部電極と
を前記溝の周辺部に端部が延在し、且つれぞれの端部が
同じ位置に配置されるようにパターニングして前記下部
電極、前記誘電体膜及び前記上部電極から構成されたキ
ャパシタを形成する工程とを具備したことを特徴として
いる。図8は、キャパシタが形成される溝のアスペクト
比(H/D)の変化に伴うキャパシタ特性の変化を示す
特性図であり、縦軸にキャパシタを流れる電流密度(A
/cm2 )、横軸にアスペクト比(H/D)を表わして
いる。図1に示すようにDは溝径、Hは溝の深さであ
る。図に示すように、特定のアスペクト比で急に電流密
度が上がってキャパシタ特性が劣化する。その劣化点
は、溝のテーパ角が90度(実線)の場合が大体1.4
(=H/D)であり、テーパ角が105度(点線)にな
ると、劣化点は、大体2.1になる。つまり、劣化点
は、約1.4〜2.1の範囲にある。溝の深さが深けれ
ばキャパシタ特性が悪くなり、浅ければ単位容量の増大
に繋がらない。したがって、アスペクト比は、ほぼ2か
それより小さいことが好ましい。すなわち、本発明は、
前記劣化点より小さいことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明の実施
の形態を説明する。まず、図1乃至図4を参照して第1
の実施例を説明する。図1及び図2は、PZT薄膜を用
いた強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM)の製造工
程断面図、図3は、半導体基板に形成された強誘電体メ
モリの断面図、図4は、Ferroelectric RAMセルの回
路構成図である。図4は、1トランジスタ・1キャパシ
タ構成の強誘電体メモリセルの等価回路を示しており、
これはDRAMセルの等価回路と同じ回路接続を有す
る。Cは、ペロブスカイト構造を有する強誘電体を電極
間絶縁膜に用いた情報記録用のキャパシタ、Qは、この
キャパシタに直列に接続されている電荷転送用MOSト
ランジスタ、WLは、このMOSトランジスタのゲート
に接続されているワード線、BLは、MOSトランジス
タのソース/ドレイン領域の一方に接続されているビッ
ト線、PLは、上記キャパシタの一端(プレート)に接
続されているプレート線、VPLはプレート線電圧であ
る。
【0021】図3に示すように、シリコンなどの半導体
基板1に通常プロセスによりMOSトランジスタをCM
OS構造に形成する。トランジスタ領域上にPSG(Pho
spho-Silicate Glass)、BPSG(Boron-doped Phospho
-Silicate Glass)などを材料とする絶縁膜2をCVD(C
hemical Vapour Deposition)法などにより形成する。キ
ャパシタとMOSトランジスタのソース/ドレイン領域
11の一方との接続をタングステン(W)や多結晶シリ
コンからなる接続プラグ3を用いて行う。プラグとして
はCVDで形成されたTiNなど使用する。プラグの形
成にはブランケットCVD法とCMPとを併用する。ま
ず、後工程で行われる強誘電体膜の形成あるいはその後
のキャパシタ特性確保のための酸素中アニールプロセス
において、接続プラグ3の表面が酸化することを防止す
る目的からバリアメタル層4を形成する。バリアメタル
層4としてTiAlN(Ti/Al=0.7/0.3
(モル比))を用い、その厚さは約50nmである。キ
ャパシタの下部電極下全面にバリアメタル層を形成する
必要はなく、接続プラグ3をリセスした状態でその上に
のみバリアメタル層を形成してもよいし、下部電極の底
面の全面に形成してもよい。バリアメタル層の形成方法
により全体のプロセスが若干異なってくる。DCマグネ
トロンスパッタ法を用いて接続プラグ3との接続面にこ
のバリアメタル層4を成膜させる(図1(a))。
【0022】バリアメタル層4を個々のキャパシタ部分
に分離し(接続プラグ上に埋め込む場合はすでに分離さ
れた状態になっている)、さらに、その上にTEOSな
どの材料を用いたCVD法によりシリコン酸化膜5を形
成する(図1(b))。シリコン酸化膜5の厚さは立体
キャパシタの深さに相当するためにキャパシタサイズに
合わせて調整する。キャパシタに必要とされる容量とし
ては30fC程度である。したがって、チタン酸・ジル
コン酸鉛(PZT)膜を使用した場合では仮に残留分極
量を10μC/cm2 とすると0.5×0.5μmの平
面キャパシタで25fCなので、これより小さいサイズ
のキャパシタでは立体化が必要となってくる。そのため
にキャパシタエリアにアスペクト比の小さい浅い溝(凹
部)6を形成する(図1(c))。アスペクト比0.5
とすると側面で約2倍の面積がとれるために容量が3倍
となる。実際には誘電体膜の厚さのスケーリング効果が
小さく、キャパシタサイズがそれに律速される。凹型の
キャパシタを形成するためのシリコン酸化膜5に形成さ
れた浅い溝6は、RIEによるエッチング加工により形
成される。RIEにはCF4 などのフロロカーボンガス
を使用する。
【0023】次に、バリアメタル層4を形成した上の凹
部分(浅い溝)6にスパッタ法より下部電極7を成膜す
る(図1(d))。この際、ステップカバレッジをあげ
るために、例えば、ロングスロースパッタなどの方式を
用いる。本発明に係るキャパシタでは凹部のアスペクト
比が1以下程度のものが主体であるために、通常のスパ
ッタでも可能である。下部電極7にはRuを使用する。
Ruは、PZT膜を誘電体膜とするキャパシタ電極とし
て使用されるとPZT膜との界面部分にRuO 2 からな
る導電性酸化物層が形成され、PZTの疲労特性(分極
反転を繰り返したときの分極量の劣化現象)が向上(劣
化が少なくなる)する。Ruは、この導電性酸化物層R
uO2 を形成すること、酸素を含むガスでのドライエッ
チングが良好なこと、PtやIrなどの貴金属と比較し
て材料費が安価なことなどの特徴がある。厚さ約50n
mのRuを形成した後にキャパシタを形成する凹部(浅
い溝)6にレジスト(図示しない)を入れ、CMP(Che
mical Mechanical Polishing) により凹部6の内部のみ
に残すような構造にRu下部電極7を加工する(図2
(a))。
【0024】この実施例では、PZT膜の成膜後に上部
電極と下部電極がキャパシタのエッジ部分で短絡するこ
とを防ぐためにRu下部電極7のエッジ部分をレジスト
を利用してエッチングによりCMP平坦部(シリコン酸
化膜5の表面)より下となるように加工する。キャパシ
タ以外の部分に形成されたRuは、下地のシリコン酸化
膜5をストッパーとしてCMP処理を行うことができ
る。キャパシタ上面からレジストで覆われていないRu
エッジ部分をドライエッチもしくはウエットエッチング
する。次に、下部電極7を加工したシリコン酸化膜5上
にスパッタ法を用いてPZT膜からなる誘電体膜8を形
成する(図2(b))。成膜方法としては、RFマグネ
トロンスパッタ法を採用する。ここの場合、Pb量を1
0%程度多くしたPZTセラミックターゲットを使用す
る。ターゲットの組成は、Pb1.10La0.05Zr0.4
0.6 3 である。PZTセラミックターゲットは、密
度の高いものがスパッタ速度が大きく水分などに対する
耐環境性も良好であるため、理論密度98%のセラミッ
ク焼給体を使用する。スパッタ時にはプラズマにより基
板温度の上昇や飛来粒子によるボンバードメントがある
ために、シリコン半導体基板からのPbの蒸発やSiス
パッタが起こり、膜中のPb量の欠損が生じ易い。ター
ゲット中の過剰Pbは、それを補償するために加えてあ
る。Zr、Ti、Laなどの元素は、ターゲット組成と
ほぼ同じ量で膜に取り込まれるため、望むような組成比
のものを用いればよい。
【0025】電気特性がPZT膜の組成などで不安定な
場合にはシード層を形成し、その上にPZT膜を成膜す
ることができる。ここでは結晶化するPZT膜の構造・
電気特性を改良するために、酸素を導入したスパッタ法
を利用している。Ar/O2中でスパッタ成膜したPZ
Tアモルファス膜では、結晶化プロセスにおいて膜にク
ラックが生じ、基板全面にPZT膜が白濁する現象が見
られた。微細構造を観察するとPZT膜に無数のクラッ
クが大きく入っていた。この現象は、5インチのターゲ
ットを用いて他のスパッタ装置で成膜した場合にも同様
に発生した。一方、Ar中で成膜した膜では結晶化後で
もクラックの発生はなかった。このことから2段階の成
膜を実施した。最初に酸素を導入した雰囲気でスパッタ
成膜してシード層を形成し、後に通常のAr中スパッタ
によりPZT膜本体を成膜する方法である。スパッタ条
件は、ターゲット−基板間距離が60nm、回転式のマ
グネットを用いて12インチのセラミックPZTターゲ
ットに対し1.0−1.5kWであり、この条件でスパ
ッタを行なう。最初の段階ではガス圧0.5−2.0P
aでArに酸素を20%導入した条件で15−30秒成
膜し2−5nm厚さのPZTアモルファス膜を形成す
る。このPZTアモルファス膜の上に再度Arガスのみ
を使用してガス圧0.5−2.0Pa、1.0−1.5
kWの電力にて約5分間のRFマグネトロンスパッタを
行なう。膜厚は250−300nmである。PZT成膜
前にターゲット表面の状態、温度、チャンバー内環境を
一定とするため約1時間のプレスパッタを同じスパッタ
条件にて行なう。Pb量及び結晶化後の構造・電気特性
はこのプレスパッタにより大きく変化してしまう。
【0026】次に、RTAを用いて酸素気流中650
℃、5秒の加熱によりペロブスカイト相を結晶化させ
る。XRDにより結晶構造を調べたところ、ペロブスカ
イト相で(111)面からの非常に強い反射が得られ
た。微細構造の観察結果では、0.5−1.5μm径の
PZT粒子がPt上に形成されており、膜表面の平滑性
も改善されていることが分かった。この時のキャパシタ
凹部エッジでのカバレッジは良好であった。PZT膜を
ウェハ全面に残さない場合には、この段階でキャパシタ
以外の部分のPZT膜をCMPにて除去する。この工程
(PZT膜に対するCMP処理)は、上部電極を形成し
た後に上部電極をCMPする際に同時に行なうようにし
ても良い。また、PZT膜を結晶化する前の工程でアモ
ルファスの状態のPZTをCMPで処理することも可能
である。
【0027】次に、PZT結晶膜8上に上部電極9であ
るRu膜をDCマグネトロンスパッタにより形成してキ
ャパシタ構造を形成する(図2(c))。上部電極パタ
ーンは、CMPを用いてキャパシタ部にのみ残してもよ
いが、RIEを用いて、酸素、塩素の混合ガス中でエッ
チングを行ない微細パターンを形成してもよい。この場
合は、PZT膜8の周辺部(すなわち、凹部6から離れ
たシリコン酸化膜上で上部電極を加工するためにPZT
キャパシタ本体にはダメージは入らない。上部電極との
密着性、結晶の整合性を向上させるために500℃で窒
素中30秒のアニール処理を施して強誘電体特性を得
た。強誘電性を電荷量Q−印可電圧Vのヒステリシス特
性にて調べた結果、分極量2Pr(残留分極×2)で約
40μC/cm2 を示し、8インチシリコンウェハの全
面に同程度の分極量と抗電界をもつPZT膜であること
が判った。抗電圧も1V程度と低い値が得られた。この
試料の疲労特性を評価した結果、疲労特性評価は、50
μm×50μmの面積に相当するアレイで評価したとこ
ろ、1E12サイクルまで分極量の変化がなく、リーク
電流も5V印加時で10-8A/cm2 オーダーと低い値
であった。キャパシタ上部電極9からのコンタクトは、
通常のLSI作製プロセスを用いて行われる。すなわ
ち、絶縁膜とRIE、配線成膜工程を繰り返すことによ
りキャパシタからの配線の引き出しを行なう。
【0028】次に、キャパシタを被覆するようにシリコ
ン酸化膜5、PZT膜8及び上部電極9の上にシリコン
酸化膜10などの絶縁膜を形成させる。絶縁膜10は、
TEOS膜(SiO2 膜)などからなる。絶縁膜10
は、CMPなどにより平坦化される。絶縁膜10にはエ
ッチングによりコンタクト孔及び配線溝が形成され、そ
こにアルミニウムなどの金属配線12が埋め込み形成さ
れる。キャパシタCは、シリコン酸化膜5の凹部に形成
されている。キャパシタCの下部電極7は、層間絶縁膜
に形成されたコンタクト孔に埋め込まれたタングステン
などの接続プラグを介して半導体基板1に形成されたM
OSトランジスタTrのソース/ドレイン領域11と電
気的に接続されている。層間絶縁膜5の下に形成されて
いる層間絶縁膜2には多層金属配線13が形成されてい
る(図3)。この実施例は、微細キャパシタを形成する
ために立体形状を作製する方法として、キャパシタエリ
アに浅い溝を形成し、スパッタ法で立体形状キャパシタ
を形成したことにより、キャパシタ面積が広く維持され
ながら強誘電体膜を安定して形成可能であり、電極材料
の成膜も容易である。また、CMPを併用することで従
来大きく影響したRIE時のダメージを回避することが
できるのでキャパシタの信頼性も向上する。
【0029】次に、図5を参照して第2の実施例を説明
する。図5(a)は、半導体基板に形成された強誘電体
メモリの断面図である。シリコンなどの半導体基板に通
常プロセスによりMOSトランジスタを形成する。トラ
ンジスタ領域上にPSG、BPSGなどを材料とする絶
縁膜22をCVD法などにより形成する。キャパシタと
MOSトランジスタのソース/ドレイン領域の一方との
接続をタングステン(W)や多結晶シリコンからなる接
続プラグ23を用いて行う。接続プラグとしてはCVD
で形成されたTiNなどの使用も可能である。プラグの
形成にはブランケットCVD法とCMPとを併用する。
接続プラグ23の表面が酸化することを防止するための
バリアメタル層24を形成する。バリアメタル層24と
してTiAlN(Ti/Al=0.9/0.1(モル
比))を用い、その厚さは約50nmである。キャパシ
タの下部電極下全面にバリアメタル層を形成する必要は
なく、接続プラグ23をリセスした状態でその上にのみ
バリアメタル層を形成してもよいし、下部電極の底面の
全面に形成してもよい。バリアメタル層の形成方法によ
り全体のプロセスが若干異なってくる。DCマグネトロ
ンスパッタ法を用いて接続プラグ23との接続面にバリ
アメタル層24を成膜させる。バリアメタル層24を個
々のキャパシタ部分に分離し(接続プラグ上に埋め込む
場合はすでに分離された状態になっている)、さらに、
その上にTEOSなどの材料を用いたCVD法によりシ
リコン酸化膜25を形成する。シリコン酸化膜25の厚
さは立体キャパシタの深さに相当するためにキャパシタ
サイズに合わせて調整する。
【0030】キャパシタに必要とされる容量としては3
0fC程度である。したがって、チタン酸・ジルコン酸
鉛(PZT)膜を使用したFerroelectric RAMの場合
では仮に残留分極量を10μC/cm2 とすると0.5
×0.5μmの平面キャパシタで25fCなので、これ
より小さいサイズのキャパシタでは立体化が必要となっ
てくる。そのためにキャパシタエリアにアスペクト比の
小さい浅い溝(凹部)26を形成する。アスペクト比
0.5とすると側面で約2倍の面積がとれるために容量
が3倍となる。実際には誘電体膜の厚さのスケーリング
効果が小さく、キャパシタサイズがそれに律速される。
凹型のキャパシタを形成するためのシリコン酸化膜25
に形成された浅い溝26は、RIEによるエッチング加
工により形成される。RIEにはCF4 などのフロロカ
ーボンガスを使用する。次にバリアメタル層24を形成
した上の凹部分(浅い溝)26にスパッタ法より下部電
極27を成膜する。次に、下部電極27が堆積されたシ
リコン酸化膜25上にスパッタ法を用いてPZT膜から
なる誘電体膜28を堆積させる。成膜方法としては、R
Fマグネトロンスパッタ法を採用する。ここの場合、P
b量を10%程度多くしたPZTセラミックターゲット
を使用する。ターゲットの組成は、Pb1.10La0.05
0.4 Ti0.6 3 である。電気特性がPZT膜の組成
などで不安定な場合にはシード層を形成し、その上にP
ZT膜を成膜することができる。ここでは結晶化するP
ZT膜の構造・電気特性を改良するために、酸素を導入
したスパッタ法を利用している。
【0031】この実施例では2段階の成膜を実施した。
最初に酸素を導入した雰囲気でスパッタ成膜してシード
層を形成し、後に通常のAr中スパッタによりPZT膜
本体を成膜する方法である。スパッタ条件は、ターゲッ
ト−基板間距離が60nm、回転式のマグネットを用い
て、12インチのセラミックPZTターゲットに対し
1.0−1.5kWであり、この条件でスパッタを行な
う。最初の段階ではガス圧0.5−2.0PaでArに
酸素を20%導入した条件で15−30秒成膜し2−5
nm厚さのPZTアモルファス膜を形成する。このPZ
Tアモルファス膜の上に再度Arガスのみを使用してガ
ス圧0.5−2.0Pa、10−1.5kWの電力にて
約5分間のRFマグネトロンスパッタを行なう。膜厚は
250−300nmである。PZT成膜前にターゲット
表面の状態、温度、チャンバー内環境を一定とするため
約1時間のプレスパッタを同じスパッタ条件にて行な
う。次に、RTAを用いて酸素気流中650℃、5秒の
加熱によりペロブスカイト相を結晶化させる。XRDに
より結晶構造を調べたところ、ペロブスカイト相で(1
11)面からの非常に強い反射が得られた。微細構造の
観察結果では、0.5−1.5μm径のPZT粒子がP
t上に形成されており、膜表面の平滑性も改善されてい
ることが分かった。次に、PZT結晶膜8上に上部電極
9であるRu膜をDCマグネトロンスパッタにより形成
してキャパシタ構造を形成する。
【0032】以上の積層された下部電極27、誘電体膜
28及び上部電極29は、積層された状態でパターニン
グされる。これら積層体の端部は、キャパシタエリアの
凹部26を越えて、凹部26周辺まで延在している。そ
して、それらの端部は、実質的に同じ位置に配置されて
いる。パターニングは、RIEを用いて、酸素及び塩素
の混合ガス中でエッチングを行なって微細パターンを形
成する。この場合は、PZT膜8の周辺部(すなわち、
凹部26から少し離れたシリコン酸化膜上)で上部電極
などを加工するためにPZTキャパシタ本体へダメージ
が入らない。強誘電性を電荷量Q−印加電圧Vのヒステ
リシス特性で調べた結果、分極量2Pr(残留分極×
2)で約40μC/cm2 を示し、8インチシリコンウ
ェハの全面に同程度の分極量と抗電界をもつPZT膜で
あることが判った。抗電圧も1V程度と低い値が得られ
た。この試料の疲労特性を評価した結果、疲労特性評価
は、50μm×50μmの面積に相当するアレイで評価
したところ、1E12サイクルまで分極量の変化がな
く、リーク電流も5V印加時で10-8A/cm2 オーダ
ーと低い値であった。キャパシタ上部電極29からのコ
ンタクトは、通常のLSI作製プロセスを用いて行われ
る。すなわち、絶縁膜とRIE、配線成膜工程を繰り返
すことによりキャパシタからの配線の引き出しを行な
う。
【0033】以上、この実施例では、前記半導体基板上
に形成された絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の
径Dの2倍より浅い(H<2D)溝に形成されたキャパ
シタが前記溝の内壁及び底面に形成され、端部がこの溝
の周辺に延在している下部電極と、前記下部電極の上に
形成され、端部が前記下部電極の端部と実質的に同じ位
置に配置されている誘電体膜と、前記誘電体膜の上に形
成され、端部が前記誘電体膜の端部と実質的に同じ位置
に配置されている上部電極とから構成されているので、
図6の参考例に示すように絶縁膜表面において電極間の
短絡が発生するような事態に至ることは著しく減少して
安定なキャパシタ特性が得られる。
【0034】次に、図5(b)に記載された半導体基板
に形成された強誘電体メモリを説明する。シリコンなど
の半導体基板に通常プロセスによりMOSトランジスタ
を形成する。トランジスタ領域上にPSG、BPSGな
どを材料とする絶縁膜32をCVD法などにより形成す
る。キャパシタとMOSトランジスタのソース/ドレイ
ン領域の一方との接続をタングステン(W)や多結晶シ
リコンからなる接続プラグ33を用いて行う。接続プラ
グとしてはCVDで形成されたTiNなども使用でき
る。プラグの形成にはブランケットCVD法とCMPと
を併用する。接続プラグ33の表面が酸化することを防
止するためのバリアメタル層34を形成する。バリアメ
タル層34としてTiAlN(Ti/Al=0.9/
0.1(モル比))を用い、その厚さは約50nmであ
る。DCマグネトロンスパッタ法を用いて接続プラグ2
3との接続面にバリアメタル層34を成膜させる。さら
に、その上にTEOSなどの材料を用いたCVD法によ
りシリコン酸化膜35を形成する。シリコン酸化膜35
の厚さは立体キャパシタの深さに相当するためにキャパ
シタサイズに合わせて調整する。キャパシタに必要とさ
れる容量としては30fC程度である。
【0035】したがって、チタン酸・ジルコン酸鉛(P
ZT)膜を使用したFerroelectricRAMの場合では仮
に残留分極量を10μC/cm2 とすると0.5×0.
5μmの平面キャパシタで25fCなので、これより小
さいサイズのキャパシタでは立体化が必要となってく
る。そのためにキャパシタエリアにアスペクト比の小さ
い浅い溝(凹部)36を形成する。アスペクト比0.5
とすると側面で約2倍の面積がとれるために容量が3倍
となる。実際には誘電体膜の厚さのスケーリング効果が
小さく、キャパシタサイズがそれに律速される。凹型の
キャパシタを形成するためのシリコン酸化膜35に形成
された浅い溝36は、RIEによるエッチング加工によ
り形成される。RIEにはCF4 などのフロロカーボン
ガスを使用する。この実施例では、浅い溝36の側壁の
底面とのなす角度は、90度より大きくしている。この
ような角度に傾斜させるとスパッタリングによる成膜特
性が向上して角部でも均一成膜が得られる。
【0036】次に、バリアメタル層34を形成した上の
浅い溝(凹部)36にスパッタ法より厚さ約50nmの
Ru下部電極37を成膜する。そして表面をCMPによ
り凹部6の内部のみに残すような構造にRu下部電極3
7を加工する。この実施例では、Ru下部電極37のエ
ッジ部分をCMP平坦部(シリコン酸化膜35の表面)
と同じ面になるように加工する。キャパシタ以外の部分
に形成されたRuは、除去される。次に、下部電極37
が堆積されたシリコン酸化膜35上にスパッタ法を用い
てPZT膜からなる誘電体膜38を堆積させる。成膜方
法としては、RFマグネトロンスパッタ法を採用する。
ここの場合、Pb量を10%程度多くしたPZTセラミ
ックターゲットを使用する。ターゲットの組成はPb
1.10La0.05Zr0.4Ti0.6 3 である。ここでは結
晶化するPZT膜の構造・電気特性を改良するために、
酸素を導入したスパッタ法を利用している。この実施例
では2段階の成膜を実施した。最初に酸素を導入した雰
囲気でスパッタ成膜してシード層を形成し、後に通常の
Ar中スパッタによりPZT膜本体を成膜する方法であ
る。スパッタ条件は、ターゲット−基板間距離が60n
m、回転式のマグネットを用いて、12インチのセラミ
ックPZTターゲットに対し1.0−1.5kWであ
り、この条件でスパッタを行なう。
【0037】最初の段階ではガス圧0.5−2.0Pa
でArに酸素を20%導入した条件で15−30秒成膜
し2−5nm厚さのPZTアモルファス膜を形成する。
このPZTアモルファス膜の上に再度Arガスのみを使
用してガス圧0.5−2.0Pa、10−1.5kWの
電力にて約5分間のRFマグネトロンスパッタを行な
う。膜厚は250−300nmである。PZT成膜前に
ターゲット表面の状態、温度、チャンバー内環境を一定
とするため約1時間のプレスパッタを同じスパッタ条件
にて行なう。次に、RTAを用いて酸素気流中650
℃、5秒の加熱によりペロブスカイト相を結晶化させ
る。XRDにより結晶構造を調べたところ、ペロブスカ
イト相で(111)面からの非常に強い反射が得られ
た。微細構造の観察結果では、0.5−1.5μm径の
PZT粒子がPt上に形成されており、膜表面の平滑性
も改善されていることが分かった。次に、PZT結晶膜
38上に上部電極39であるRu膜をDCマグネトロン
スパッタにより形成してキャパシタ構造を形成する。
【0038】以上の積層された誘電体膜38及び上部電
極39は、積層された状態でパターニングされる。これ
ら積層体の端部は、キャパシタエリアの凹部36を越え
て、凹部36周辺まで延在している。そして、それらの
端部は、実質的に同じ位置に配置されている。パターニ
ングは、RIEを用いて、酸素及び塩素の混合ガス中で
エッチングを行なって微細パターンを形成する。この場
合は、PZT膜38の周辺部(すなわち、凹部36から
少し離れたシリコン酸化膜35上)で上部電極39など
を加工するためにPZTキャパシタ本体へダメージが入
らない。強誘電性を電荷量Q−印加電圧Vのヒステリシ
ス特性で調べた結果、分極量2Pr(残留分極×2)で
約40μC/cm2 を示し、8インチシリコンウェハの
全面に同程度の分極量と抗電界をもつPZT膜であるこ
とが判った。抗電圧も1V程度と低い値が得られた。こ
の試料の疲労特性を評価した結果、疲労特性評価は50
μm×50μmの面積に相当するアレイで評価したとこ
ろ、1E12サイクルまで分極量の変化がなく、リーク
電流も5V印加時で10-8A/cm2 オーダーと低い値
であった。キャパシタ上部電極39からのコンタクト
は、通常のLSI作製プロセスを用いて行われる。すな
わち、絶縁膜とRIE、配線成膜工程を繰り返すことに
よりキャパシタからの配線の引き出しを行なう。
【0039】以上、この実施例では、前記半導体基板上
に形成された絶縁膜表面に設けられ深さが径の大きさよ
り浅い溝に形成されたキャパシタが前記溝の内壁及び底
面に形成され、端部が絶縁膜35表面と同じ面に形成さ
れている下部電極と、前記下部電極の上に形成され、端
部が前記溝の周辺に延在している誘電体膜と、前記誘電
体膜の上に形成され、端部が前記誘電体膜の端部と実質
的に同じ位置に配置されている上部電極とから構成され
ているので、図6の参考例に示すように絶縁膜表面にお
いて電極間の短絡が発生するような事態に至ることは著
しく減少して安定なキャパシタ特性が得られる。
【0040】次に、図7を参照して誘電体膜の結晶構造
について説明する。図7は、図3に示すFerroelectric
RAMの誘電体構造を説明する断面図である。シリコン
酸化膜5の凹部6に形成された下部電極7上にスパッタ
法を用いてPZT膜からなる誘電体膜8が堆積される。
成膜方法としては、RFマグネトロンスパッタ法を採用
する。この場合、Pb量を10%程度多くしたPZTセ
ラミックターゲットを使用する。ターゲットの組成はP
1.10La0.05Zr0.4 Ti 0.6 3 である。ここでは
結晶化するPZT膜の構造・電気特性を改良するため
に、酸素を導入したスパッタ法を利用している。最初に
酸素を導入した雰囲気でスパッタ成膜してシード層を形
成し、後に通常のAr中スパッタによりPZT膜本体を
成膜する。次に、RTAを用いて酸素気流中650℃、
5秒の加熱によりペロブスカイト相を結晶化させる。微
細構造の観察結果では、0.5−1.5μm径のPZT
粒子がPt上に形成されており、膜表面の平滑性も改善
されていることが分かった。次にPZT結晶膜8上に上
部電極9であるRu膜をDCマグネトロンスパッタによ
り形成してキャパシタ構造を形成する。下部電極7上に
成長する誘電体膜8は、スパッタリングの成長方向は、
凹部6の側壁及び底面に対し垂直であり、均一に成長し
ている。その結果、均一で密着性の良い誘電体膜が得ら
れる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、スパッタ法で立体形状キャパ
シタを形成するこのであり、強誘電体薄膜を安定して形
成可能であり、電極材料の成膜も容易である。また、C
MPを併用することで従来大きく影響したRIE時のダ
メージを回避することが出来るのでキャパシタの信頼性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による強誘電体キャパシタの製造工程を
示した図。
【図2】従来法による強誘電体キャパシタの製造工程を
示した図。
【図3】従来法による強誘電体キャパシタの製造工程を
示した図。
【図4】本発明及び従来の強誘電体メモリの回路図。
【図5】本発明のキャパシタ構造を示す断面図。
【図6】参考例のキャパシタ構造を示す断面図。
【図7】本発明のキャパシタ構造を示す断面図。
【図8】キャパシタが形成された凹部のアスペクト比と
キャパシタ特性(電流密度)との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1・・・半導体基板、 2、22、32・・・絶縁
膜、3、23、33・・・接続プラグ、 4、24、3
4・・・バリアメタル層、5、25、35・・・シリコ
ン酸化膜、6、26、36・・・浅い溝(凹部)、
7、27、37・・・下部電極、8、28、38・・・
強誘電体膜、 9、29、39・・・上部電極、10
・・・絶縁膜(シリコン酸化膜)、 11・・・金属
配線、12・・・ソース/ドレイン領域、 13・・
・多層金属配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5F038 AC05 AC15 CA10 CA16 EZ11 EZ14 EZ15 EZ20 5F083 AA24 FR02 GA09 JA06 JA14 JA15 JA36 JA38 JA39 JA40 JA42 JA43 MA06 MA17 PR22 PR34 PR40

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2
    倍より浅い(H<2D)溝に形成されたキャパシタとを
    具備し、 前記キャパシタは、前記溝の内壁及び底面に形成され、
    端部が前記溝の端部に配置された下部電極と、前記下部
    電極の上に形成され、端部が前記溝の周辺に延在してい
    る誘電体膜と、前記誘電体膜の上に形成され、端部が前
    記誘電体膜の端部と実質的に同じ位置に配置されている
    上部電極とから構成されていることを特徴とする半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2
    倍より浅い(H<2D)溝に形成されたキャパシタとを
    具備し、 前記キャパシタは、前記溝の内壁及び底面に形成され、
    端部がこの溝の周辺に延在している下部電極と、前記下
    部電極の上に形成され、端部が前記下部電極の端部と実
    質的に同じ位置に配置されている誘電体膜と、前記誘電
    体膜の上に形成され、端部が前記誘電体膜の端部と実質
    的に同じ位置に配置されている上部電極とから構成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板と、 前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2
    倍より浅い(H<2D)溝に形成されたキャパシタとを
    具備し、 前記キャパシタは、前記溝の内壁及び底面に形成され、
    端部が前記溝側壁の前記絶縁膜表面より深い位置に配置
    された下部電極と、前記下部電極の上に形成され、端部
    が前記溝側壁の端部に配置されている誘電体膜と、前記
    誘電体膜の上に形成され、端部が実質的に前記絶縁膜表
    面と同じ面に形成されている上部電極とから構成されて
    いることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記誘電体膜は、スパッタリング成長さ
    れ、その成長方向は、前記溝の側壁及び底面に対し垂直
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記溝の側壁の底面とのなす角度が90
    度より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれかに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記誘電体膜は、ABO3 を化学式とし
    たペロブスカイト構造を有することを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記誘電体膜を構成するA元素がPb、
    Ba、Sr、Ca、Laから選ばれた小なくとも1種、
    B元素がTi、Zr、Nb、Ta、Fe、W、Co、N
    iから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とす
    る請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記下部電極及び前記上部電極の少なく
    とも一方の電極材料がPt、Ru、Ir、IrOX 、R
    uOX など貴金属及び貴金属の酸化物あるいはSrRu
    3 、(La0.5 Sr0.5 )CoO3 から選ばれるペロ
    ブスカイト型導電性酸化物もしくは超伝導膜を主成分と
    することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか
    に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
    と、 前記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2
    倍より浅い(H<2D)溝を形成する工程と、 前記絶縁膜上及び前記溝の内部に下部電極材料を堆積さ
    せる工程と、 前記堆積された下部電極材料をCMP法によりポリッシ
    ングして前記溝内に下部電極を形成する工程と、 前記下部電極上にスパッタリングにより誘電体膜を堆積
    させる工程と、 前記誘電体膜上に上部電極を堆積させる工程と、 前記誘電体膜と前記下部電極とを前記溝の周辺部に端部
    が延在し、且つれぞれの端部が同じ位置に配置されるよ
    うにパターニングして前記下部電極、前記誘電体膜及び
    前記上部電極から構成されたキャパシタを形成する工程
    とを具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
    と、 前記絶縁膜表面に設けられ、深さHが開口部の径Dの2
    倍より浅い(H<2D)溝を形成する工程と、 前記絶縁膜上及び前記溝の内部に下部電極を堆積させる
    工程と、 前記下部電極上にスパッタリングにより誘電体膜を堆積
    させる工程と、 前記誘電体膜上に上部電極を堆積させる工程と、 前記下部電極と、前記誘電体膜と、前記下部電極とを前
    記溝の周辺部に端部が延在し、且つれぞれの端部が同じ
    位置に配置されるようにパターニングして前記下部電
    極、前記誘電体膜及び前記上部電極から構成されたキャ
    パシタを形成する工程とを具備したことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
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