JP2004280489A - 車両の衝突防止制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車の近距離に障害物があるにもかかわらず、運転者がアクセルを誤まって操作したときに、自車の発進や加速を禁止または制限することにより、障害物との衝突を防止する衝突防止制御装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】自車と障害物の距離を測定し、自車が停車中または低速走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近しているときは、発進不能または加速不能または所定の加速度以下となるように制限する。
【選択図】 図1
【解決手段】自車と障害物の距離を測定し、自車が停車中または低速走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近しているときは、発進不能または加速不能または所定の加速度以下となるように制限する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の発進時または低速走行中の自車周辺に存在する障害物との衝突を防止する衝突防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
距離センサを用いて前方障害物の位置と予想進路を検出し、対向車両や並走車との衝突を予測する装置が提供されている。この装置を使うと、正確に衝突が予測されるので、警報を発したり、ブレーキやステアリングの操作を自動または手動で行うことで衝突を防止する事が期待できる(例えば、特許文献1)。また、距離センサを用い前方車両との追突の危険性を判断し、車両減速度が小さくブレーキ効きが悪い場合には、スロットル開度を小さくする方向に作動させてエンジンブレーキ効果を高め追突を防止する装置が提供されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
また、モータを動力源としたスクータによる誤発進防止装置が提供されており、運転者がブレーキ操作をしない限り発進できない構成としている(例えば、特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−240952号公報
【特許文献2】
特開平5−106499号公報
【特許文献2】
特開平6−328970号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1の特開平5−240952号公報や特許文献2の特開平5−106499号公報に記載の発明では、運転者の誤操作など運転者の意図しない発進や加速によって引き起こされる衝突防止を目的としたものではない。また、特許文献3の特開平6−328970号公報に記載の発明では、障害物の有無とは関係なく、必ずしも障害物との衝突を積極的に回避できるものではない。本発明は、このような問題に鑑みたもので、自車と障害物との距離を計測する距離センサを用い、障害物と自車の距離が短い場合には、運転者のアクセル操作に因らず車両の発進や加速を禁止または抑制することで衝突を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車が停車中であって、障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を発進不能または所定の加速度以下となる微速発進に制限することで車両発進時の衝突を防止したものである。また、所定車速以下で走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を加速不能または所定の加速度以下となるように制限して発進後の加速時の衝突を防止したものである。さらに、車両の加速度は、障害物との距離に応じて可変とすることで安全な加速が行われ衝突を防止したものである。
【0007】
また、自車が発進不能や加速不能となる所定距離は、自車の速度に応じて可変とすることで、運転状態に応じた適切な距離を保つことができるようにしたものである。
【0008】
また、ステアリングの操舵角が大きいほど前記の所定距離を小さくし、さらに、ステアリングの操舵角が所定角度より大きい場合には、自車と障害物との距離が所定距離以下であっても、車両を発進可能とするので、車庫入れや縦列駐車などで支障をきたさないようにしたものである。
【0009】
また、運転者のアクセル操作量に応じて自車の移動距離を予測するので、不意なアクセル操作に対して衝突が発生するか否かを判定することを可能としたものである。
【0010】
そして、具体的にはエンジンに搭載した電子制御式スロットル装置を使いスロットル開度を全閉付近に制限することで、車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0011】
さらには、車両の動力源であるモータへの電力を遮断することで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0012】
さらには、自動ブレーキ装置を使い、エンジンやモータからの出力によって車輪に伝達される駆動力よりも大きな制動力を車輪に与えることで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0013】
上述のような衝突防止制御装置により、障害物との距離が所定距離より接近している場合には、車両の発進や加速を禁止または抑制するので、車両側方からの人や自転車の飛び出しや、アクセル誤操作など運転者の意図しない状態であっても、衝突を防止できるようにするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の車両の衝突防止制御装置を、詳細に説明する。
【0015】
図1は、発進時と走行時の衝突防止制御装置の動作を示したものである。上図は、自車が停車中の場合である。自車と前方障害物との距離(以下、距離Lと記す)が衝突の危険性のある所定距離(以下、衝突危険距離D1,D2と記す)よりも短い位置関係にあるときは(距離L<D1)、自車を発進不能とする。また距離L>D1となった場合でも、距離L<衝突危険距離D2であれば微速発進となるように制御する。下図は、自車が低速で走行中の場合である。前述の説明と同様に自車と前方障害物との距離Lが衝突危険距離D1よりも短い位置関係にあるときは(距離L<D1)自車を加速不能とする。また距離L>D1となった場合でも、距離L<衝突危険距離D2であれば緩加速となるように制御する。なお、図1は車両の進行方向を前進としているが、後進も同様である。
【0016】
図2は、衝突防止制御装置の制御処理を示した一例である。自車が停車または低速走行中、自車と障害物との距離を計測する距離センサ14と、運転席のアクセルペダルに直接または間接的に取り付けられたアクセル開度センサ20,車両速度を検出する車速センサ29,ステアリング操舵角度を検出する舵角センサの信号が入力される。そして自車が停止中または低速走行中、障害物との距離Lを算出し、それが安全な距離か衝突の危険性のある距離かを判断するための衝突危険距離D1,D2を算出する。これらの結果から、自車の発進または加速の可否判定を行う。衝突危険距離D1以下と判断された場合は、運転者のアクセル操作に関わらず、衝突させないための安全なスロットル開度を算出し、自車が発進停止または加速禁止となるように電子制御式スロットル装置を介してスロットル開度を操作する。安全な距離(距離L>衝突危険距離D2)であれば、運転者のアクセル操作に応じて電子制御式スロットル装置で定められた通常のスロットル操作が行われる。なお、本発明はスロットル操作に限定されるものではなく、例えばエンジンの変わりにモータを使う電気自動車や燃料電池車の場合には、モータへの印加電圧を変更することでも実現できる。さらには自動的にブレーキを掛けることが出来る装置を用いれば、強制的にブレーキを掛けることでも同様の効果を得ることができる。
【0017】
図3は、障害物を検出する車体構成の一例である。車体99には、タイヤ60,ステアリング舵角センサ62が備えられたステアリング,エンジン1,変速機61が備えられ、車両先端には障害物(例えば車)との距離を測る距離センサ14が設置されている。距離センサは自車と障害物との距離LをECU30へ出力している。なお、距離センサの設置場所や数量はこれに限定されるものではなく、車両の前後や側面に複数個設置してもよい。
【0018】
図4は、車両の衝突防止制御装置に適用されるエンジン構成の一例である。
【0019】
エンジン1は、各気筒の燃焼室2にピストン3を有し、ピストンはコネクティングロド4によってクランク軸に連結されている。そして、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ22,ノッキングを検出するノックセンサ23,クランク角度を検出するクランク角センサ24,カム角度を検出するカム角センサ26が設置されている。
【0020】
エンジンの吸気系には、吸入空気量を検出するエアクリーナ一体のエアフローセンサ8,吸気管内圧力を検出する圧力センサ9,吸入空気量を制御するスロットル弁10,スロットル弁10を駆動するスロットルアクチュエータ18,スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ21,吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ16,燃料を噴射する燃料噴射弁12が接続されている。吸入空気は混合気として吸気弁11を通過して燃焼室2に吸入され、点火コイル19で発生された高電圧によって点火プラグ13から火花スパークが発生し、燃焼される。燃焼された混合気は、排気ガスとなってエンジンの排気弁15が開いた時に燃焼室2から排出される。
【0021】
エンジンの排気系には、三元触媒コンバータ17,O2 センサ(または空燃比センサ)25が接続されており、排気弁から出た排気ガスは、これらを通過して浄化され大気へ排出される。
【0022】
また、車体99には、運転席のアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ20,自車の速度を検出する車速センサ29,自車と障害物との距離を測定する距離センサ14,ステアリングの操舵角度を検出する舵角センサ62が搭載されている。これらのセンサ信号は、電子制御装置(以下、ECUと記す)30に入力される。
【0023】
図5は、衝突防止制御装置の制御プログラムが組み込まれた車両のECUの一例である。ECU30には、衝突防止制御プログラムやエンジンや変速機の制御プログラムと制御に必要なデータ等が書き込まれたROM32と、入力信号の値や演算結果等を記憶するワークメモリ等として使用されるRAM33と、センサの入力信号を入力回路35を介して入力したり、後述する駆動回路や出力回路へ信号を出力する入出力ポート34とを有している。CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムやデータに基づいて前記入力信号を入出力ポート34より読み込み、自車と障害物との距離,車速,スロットル開度,アクセル開度等の情報に基づいて衝突防止制御等の演算処理を行う。さらに、演算処理の結果、出力指令信号を入出力ポート34を介して点火出力回路36,燃料噴射弁駆動回路37,スロットルアクチュエータ駆動回路38等へ与え、スロットル弁等を駆動する。また、上述したセンサや出力回路の故障を判定し、異常と判定された場合には、警告灯を点灯させる制御も行う。
【0024】
図6は、障害物との距離と許容されるスロットル開度の関係を示した一例である。障害物がある場合、発進時や加速時に許容されるスロットル開度は破線で示すスロットル開度制限値以下に制限され、障害物との距離が離れているほど制限値は大きくなる。前方に障害物が無い場合には、スロットル開度の制限は無い。しかし障害物との距離Lが衝突危険距離D1以下である場合には、スロットル開度を全閉もしくはアイドル持続可能な開度に制限するので、エンジン出力は上がらず発進が不可能とするなど制限を行う。その後、前方との障害物との距離Lが衝突危険距離D1より大きくなれば発進は可能となる。
【0025】
図7は、車両移動距離予測値に基づいた発進時のスロットル開度を示した一例である。自車の前方に障害物があって、停車状態から発進するとき、アクセル開度から車両の移動距離予測値を算出し、この結果に基づいて安全なスロットル開度を決定する。今、自車と障害物の距離がL1の位置関係(図中左方が正方向であり距離増加を示す)にあり、運転者がアクセルを全閉からAC1となる開度まで踏んだとする。衝突防止制御は、アクセル開度AC1のときに自車が移動する移動距離予測値EL1を算出し、L1と比較を行う。衝突の発生は、EL1が衝突予想ラインAより大きい斜線部内の場合と判断される。よってL1<EL1と判定された場合は、衝突する可能性があるので、衝突を回避できる所定距離(ラインB=EL2)となるように、スロットル開度をTH2以下と決定しスロットルアクチュエータを制御する。この場合、スロットル開度TH2以下である全閉とすれば、車両の移動量は0となり発進できないので最も安全である。なおラインBは、距離センサの誤差や道路勾配,タイヤ径変更などを考慮して衝突予想ラインAよりも小さく設定する。
【0026】
図8は、停車時に発進不能とさせる衝突防止制御装置の動作タイミングの一例である。停車中にアクセル開度が全閉から開弁方向に大きく作動したときに、本発明の衝突防止制御装置がない場合は、車両が発進し、車両の移動距離は図中の破線で示すような軌跡を辿るが、途中で移動距離が障害物との距離Lに達した時点で衝突が発生する。しかし本発明の衝突防止制御装置があれば、スロットル開度は全閉位置で制限されるので車両は発進せず、車両の移動距離は図中の実線で示すような軌跡となる。よって衝突となることはない。
【0027】
図9は、障害物との距離Lと許容される車両加速度の関係を示した一例である。障害物がある場合は、許容される加速度は破線で示した加速度制限値以下に制限される。障害物との距離が離れているほど許容加速度は大きくなり、障害物が無ければ全開加速も可能である。しかし障害物との距離Lが衝突危険距離D1以下である場合には、加速度は零または零近傍まで制限され加速不可能となる。
【0028】
図10は、走行時に加速不能とする衝突防止制御装置の動作タイミングを示した一例である。走行中にアクセル開度が開弁方向に大きく作動したときに、本発明である衝突防止制御装置がない場合は、車両が急加速を行い車両の移動距離は図中の破線で示すような軌跡を辿るが、途中で移動距離が障害物との距離Lに達した時点で衝突が発生する。しかし、本発明である衝突防止制御装置があれば、スロットル操作により加速が制限されるので車両はほとんど加速せず、車両の移動距離は図中の実線で示すような軌跡となる。よって衝突となることはない。
【0029】
図11は、車速と衝突危険距離の関係を示した一例である。自車が走行中、単位時間当たりの移動距離は車速で決定されることから、車速が高いほど衝突危険距離D1,D2は大きくなるように設定する。なお、設定は必ずしも図11に記載された限りではない。
【0030】
図12は、ステアリング操舵角度と衝突危険距離D1の関係を示した一例である。ステアリング操舵角度が大きいほど衝突危険距離Dを小さくするように設定する。中立付近は、ハンドル操作の頻度が高いことやステアリングの遊びがあるので、不感帯として設定する。また、ステアリング操舵角度が所定角度以上(例えば360度以上)となった場合は、衝突危険距離D1を零または零付近に設定する。このように設定すれば、縦列駐車などステアリング操舵角度が大きくなる運転でも発進可能となる。なお、設定は必ずしも図12に記載された限りではない。
【0031】
図13は、発進時における衝突防止制御プログラムのフローチャートの一例である。ステップ200にて衝突防止制御装置の処理を開始する。本処理は10ms毎に実施される。ステップ201では、自車が停車中であるかを判定する。車速センサの情報から0km/hと判断されれば停車中と判断される。停車中ならステップ202に移る。ここでは距離センサの情報から自車と障害物との距離Lを検出する。そしてステップ203ではステアリング操作状態などを検出し衝突危険距離D1および衝突危険距離D2を算出する。ステップ204では、アクセル開度センサの情報からアクセル開度を検出する。そしてステップ205で、自車と障害物との距離Lと衝突危険距離D1とを比較し、自車の停車位置が障害物に対して安全な距離を保っているか衝突の危険性のある距離にあるかを判断する。衝突危険性のある距離と判定された場合は、ステップ206で発進不能となる処理を実施する。そのためステップ207では、電子制御スロットル装置に対し、スロットル開度を全閉(アイドルリング時の開度)となるように決定する。このとき、例えばステップ204にて検出したアクセル開度が高開度であってもスロットル開度には反映されず、スロットル開度は全閉状態とする。一方、ステップ205で安全な距離と判定された場合は、ステップ208で発進可能となる処理を実施する。しかし、ステップ209では、ステップ205で安全な距離と判定されていても急発進などの危険があるので、障害物との距離Lに対し急発進などが可能かどうかを判定する。その結果、距離Lに対し、衝突危険距離D1よりも大きい値に設定される衝突危険距離D2以内であった場合には、ステップ210に移行する。ステップ210では、距離Lに対して安全と判定されるスロットル開度範囲を算出し、ステップ211にてスロットル開度が決定される。このときもステップ207での処理と同様、ステップ204にて検出したアクセル開度が高開度であっても、アクセル開度はスロットル開度に反映されない。しかし、ステップ209にて前方に障害物が無い状態、つまり距離Lが所定距離D2より大きい場合には、ステップ204で検出されたアクセル開度に応じたスロットル開度が決定される。そして、ステップ212では、ステップ207またはステップ211にて決定されたスロットル開度となるようにスロットルアクチュエータがスロットル弁を作動し、ステップ213で処理が終了する。
【0032】
上述のように本願では、自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車が停車中であって、障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を発進不能または所定の加速度以下となる微速発進に制限することで車両発進時の衝突を防止するようにしたものである。また、所定車速以下で走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を加速不能または所定の加速度以下となるように制限して発進後の加速時の衝突を防止するようにしたものである。さらに、車両の加速度は、障害物との距離に応じて可変とすることで安全な加速が行われ衝突を防止するようにしたものである。
【0033】
また、自車が発進不能や加速不能となる所定距離は、自車の速度に応じて可変とすることで、運転状態に応じた適切な距離を保つことができるようにしたものである。
【0034】
また、ステアリングの操舵角が大きいほど前記の所定距離を小さくし、さらに、ステアリングの操舵角が所定角度より大きい場合には、自車と障害物との距離が所定距離以下であっても、車両を発進可能とするので、車庫入れや縦列駐車などで支障をきたさないようにしたものである。
【0035】
また、運転者のアクセル操作量に応じて自車の移動距離を予測するので、不意なアクセル操作に対して衝突が発生するか否かを判定することを可能としたものである。
【0036】
そして、具体的にはエンジンに搭載した電子制御式スロットル装置を使いスロットル開度を全閉付近に制限することで、車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0037】
さらには、車両の動力源であるモータへの電力を遮断することで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0038】
さらには、自動ブレーキ装置を使い、エンジンやモータからの出力によって車輪に伝達される駆動力よりも大きな制動力を車輪に与えることで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0039】
上述のような衝突防止制御装置により、障害物との距離が所定距離より接近している場合には、車両の発進や加速を禁止または抑制するので、アクセル誤操作などの運転者の意図しない操作又は障害物の挙動にあっても、衝突を防止するようにしたものである。
【0040】
【発明の効果】
自車と障害物との距離を検出し、自車と障害物が近距離の場合には、車両の発進や加速を禁止するので、運転者の誤操作など運転者の意図しない操作又は障害物の挙動に対しても衝突を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発進時と低速走行中の衝突防止制御装置の動作図。
【図2】衝突防止制御装置の制御ブロック図。
【図3】障害物を検出するための車体構成図。
【図4】衝突防止制御装置のエンジン構成図。
【図5】衝突防止制御装置の電子制御装置の説明図。
【図6】障害物との距離と許容されるスロットル開度の説明図。
【図7】車両移動距離予測値に基づいた発進時のスロットル開度。
【図8】停車時に発進不能とさせた場合のタイミング図。
【図9】障害物との距離と許容される加速度の説明図。
【図10】走行時に加速不能とさせた場合のタイミング図。
【図11】車速に応じた衝突危険距離の関係図。
【図12】ステアリング角度に応じた衝突危険距離の関係図。
【図13】本実施例の処理フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、14…距離センサ、18…スロットルアクチュエータ、20…アクセル開度センサ、21…スロットル開度センサ、29…車速センサ、62…ステアリング舵角センサ、99…車体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の発進時または低速走行中の自車周辺に存在する障害物との衝突を防止する衝突防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
距離センサを用いて前方障害物の位置と予想進路を検出し、対向車両や並走車との衝突を予測する装置が提供されている。この装置を使うと、正確に衝突が予測されるので、警報を発したり、ブレーキやステアリングの操作を自動または手動で行うことで衝突を防止する事が期待できる(例えば、特許文献1)。また、距離センサを用い前方車両との追突の危険性を判断し、車両減速度が小さくブレーキ効きが悪い場合には、スロットル開度を小さくする方向に作動させてエンジンブレーキ効果を高め追突を防止する装置が提供されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
また、モータを動力源としたスクータによる誤発進防止装置が提供されており、運転者がブレーキ操作をしない限り発進できない構成としている(例えば、特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−240952号公報
【特許文献2】
特開平5−106499号公報
【特許文献2】
特開平6−328970号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1の特開平5−240952号公報や特許文献2の特開平5−106499号公報に記載の発明では、運転者の誤操作など運転者の意図しない発進や加速によって引き起こされる衝突防止を目的としたものではない。また、特許文献3の特開平6−328970号公報に記載の発明では、障害物の有無とは関係なく、必ずしも障害物との衝突を積極的に回避できるものではない。本発明は、このような問題に鑑みたもので、自車と障害物との距離を計測する距離センサを用い、障害物と自車の距離が短い場合には、運転者のアクセル操作に因らず車両の発進や加速を禁止または抑制することで衝突を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車が停車中であって、障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を発進不能または所定の加速度以下となる微速発進に制限することで車両発進時の衝突を防止したものである。また、所定車速以下で走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を加速不能または所定の加速度以下となるように制限して発進後の加速時の衝突を防止したものである。さらに、車両の加速度は、障害物との距離に応じて可変とすることで安全な加速が行われ衝突を防止したものである。
【0007】
また、自車が発進不能や加速不能となる所定距離は、自車の速度に応じて可変とすることで、運転状態に応じた適切な距離を保つことができるようにしたものである。
【0008】
また、ステアリングの操舵角が大きいほど前記の所定距離を小さくし、さらに、ステアリングの操舵角が所定角度より大きい場合には、自車と障害物との距離が所定距離以下であっても、車両を発進可能とするので、車庫入れや縦列駐車などで支障をきたさないようにしたものである。
【0009】
また、運転者のアクセル操作量に応じて自車の移動距離を予測するので、不意なアクセル操作に対して衝突が発生するか否かを判定することを可能としたものである。
【0010】
そして、具体的にはエンジンに搭載した電子制御式スロットル装置を使いスロットル開度を全閉付近に制限することで、車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0011】
さらには、車両の動力源であるモータへの電力を遮断することで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0012】
さらには、自動ブレーキ装置を使い、エンジンやモータからの出力によって車輪に伝達される駆動力よりも大きな制動力を車輪に与えることで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0013】
上述のような衝突防止制御装置により、障害物との距離が所定距離より接近している場合には、車両の発進や加速を禁止または抑制するので、車両側方からの人や自転車の飛び出しや、アクセル誤操作など運転者の意図しない状態であっても、衝突を防止できるようにするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の車両の衝突防止制御装置を、詳細に説明する。
【0015】
図1は、発進時と走行時の衝突防止制御装置の動作を示したものである。上図は、自車が停車中の場合である。自車と前方障害物との距離(以下、距離Lと記す)が衝突の危険性のある所定距離(以下、衝突危険距離D1,D2と記す)よりも短い位置関係にあるときは(距離L<D1)、自車を発進不能とする。また距離L>D1となった場合でも、距離L<衝突危険距離D2であれば微速発進となるように制御する。下図は、自車が低速で走行中の場合である。前述の説明と同様に自車と前方障害物との距離Lが衝突危険距離D1よりも短い位置関係にあるときは(距離L<D1)自車を加速不能とする。また距離L>D1となった場合でも、距離L<衝突危険距離D2であれば緩加速となるように制御する。なお、図1は車両の進行方向を前進としているが、後進も同様である。
【0016】
図2は、衝突防止制御装置の制御処理を示した一例である。自車が停車または低速走行中、自車と障害物との距離を計測する距離センサ14と、運転席のアクセルペダルに直接または間接的に取り付けられたアクセル開度センサ20,車両速度を検出する車速センサ29,ステアリング操舵角度を検出する舵角センサの信号が入力される。そして自車が停止中または低速走行中、障害物との距離Lを算出し、それが安全な距離か衝突の危険性のある距離かを判断するための衝突危険距離D1,D2を算出する。これらの結果から、自車の発進または加速の可否判定を行う。衝突危険距離D1以下と判断された場合は、運転者のアクセル操作に関わらず、衝突させないための安全なスロットル開度を算出し、自車が発進停止または加速禁止となるように電子制御式スロットル装置を介してスロットル開度を操作する。安全な距離(距離L>衝突危険距離D2)であれば、運転者のアクセル操作に応じて電子制御式スロットル装置で定められた通常のスロットル操作が行われる。なお、本発明はスロットル操作に限定されるものではなく、例えばエンジンの変わりにモータを使う電気自動車や燃料電池車の場合には、モータへの印加電圧を変更することでも実現できる。さらには自動的にブレーキを掛けることが出来る装置を用いれば、強制的にブレーキを掛けることでも同様の効果を得ることができる。
【0017】
図3は、障害物を検出する車体構成の一例である。車体99には、タイヤ60,ステアリング舵角センサ62が備えられたステアリング,エンジン1,変速機61が備えられ、車両先端には障害物(例えば車)との距離を測る距離センサ14が設置されている。距離センサは自車と障害物との距離LをECU30へ出力している。なお、距離センサの設置場所や数量はこれに限定されるものではなく、車両の前後や側面に複数個設置してもよい。
【0018】
図4は、車両の衝突防止制御装置に適用されるエンジン構成の一例である。
【0019】
エンジン1は、各気筒の燃焼室2にピストン3を有し、ピストンはコネクティングロド4によってクランク軸に連結されている。そして、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ22,ノッキングを検出するノックセンサ23,クランク角度を検出するクランク角センサ24,カム角度を検出するカム角センサ26が設置されている。
【0020】
エンジンの吸気系には、吸入空気量を検出するエアクリーナ一体のエアフローセンサ8,吸気管内圧力を検出する圧力センサ9,吸入空気量を制御するスロットル弁10,スロットル弁10を駆動するスロットルアクチュエータ18,スロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ21,吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ16,燃料を噴射する燃料噴射弁12が接続されている。吸入空気は混合気として吸気弁11を通過して燃焼室2に吸入され、点火コイル19で発生された高電圧によって点火プラグ13から火花スパークが発生し、燃焼される。燃焼された混合気は、排気ガスとなってエンジンの排気弁15が開いた時に燃焼室2から排出される。
【0021】
エンジンの排気系には、三元触媒コンバータ17,O2 センサ(または空燃比センサ)25が接続されており、排気弁から出た排気ガスは、これらを通過して浄化され大気へ排出される。
【0022】
また、車体99には、運転席のアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ20,自車の速度を検出する車速センサ29,自車と障害物との距離を測定する距離センサ14,ステアリングの操舵角度を検出する舵角センサ62が搭載されている。これらのセンサ信号は、電子制御装置(以下、ECUと記す)30に入力される。
【0023】
図5は、衝突防止制御装置の制御プログラムが組み込まれた車両のECUの一例である。ECU30には、衝突防止制御プログラムやエンジンや変速機の制御プログラムと制御に必要なデータ等が書き込まれたROM32と、入力信号の値や演算結果等を記憶するワークメモリ等として使用されるRAM33と、センサの入力信号を入力回路35を介して入力したり、後述する駆動回路や出力回路へ信号を出力する入出力ポート34とを有している。CPU31は、ROM32に記憶されたプログラムやデータに基づいて前記入力信号を入出力ポート34より読み込み、自車と障害物との距離,車速,スロットル開度,アクセル開度等の情報に基づいて衝突防止制御等の演算処理を行う。さらに、演算処理の結果、出力指令信号を入出力ポート34を介して点火出力回路36,燃料噴射弁駆動回路37,スロットルアクチュエータ駆動回路38等へ与え、スロットル弁等を駆動する。また、上述したセンサや出力回路の故障を判定し、異常と判定された場合には、警告灯を点灯させる制御も行う。
【0024】
図6は、障害物との距離と許容されるスロットル開度の関係を示した一例である。障害物がある場合、発進時や加速時に許容されるスロットル開度は破線で示すスロットル開度制限値以下に制限され、障害物との距離が離れているほど制限値は大きくなる。前方に障害物が無い場合には、スロットル開度の制限は無い。しかし障害物との距離Lが衝突危険距離D1以下である場合には、スロットル開度を全閉もしくはアイドル持続可能な開度に制限するので、エンジン出力は上がらず発進が不可能とするなど制限を行う。その後、前方との障害物との距離Lが衝突危険距離D1より大きくなれば発進は可能となる。
【0025】
図7は、車両移動距離予測値に基づいた発進時のスロットル開度を示した一例である。自車の前方に障害物があって、停車状態から発進するとき、アクセル開度から車両の移動距離予測値を算出し、この結果に基づいて安全なスロットル開度を決定する。今、自車と障害物の距離がL1の位置関係(図中左方が正方向であり距離増加を示す)にあり、運転者がアクセルを全閉からAC1となる開度まで踏んだとする。衝突防止制御は、アクセル開度AC1のときに自車が移動する移動距離予測値EL1を算出し、L1と比較を行う。衝突の発生は、EL1が衝突予想ラインAより大きい斜線部内の場合と判断される。よってL1<EL1と判定された場合は、衝突する可能性があるので、衝突を回避できる所定距離(ラインB=EL2)となるように、スロットル開度をTH2以下と決定しスロットルアクチュエータを制御する。この場合、スロットル開度TH2以下である全閉とすれば、車両の移動量は0となり発進できないので最も安全である。なおラインBは、距離センサの誤差や道路勾配,タイヤ径変更などを考慮して衝突予想ラインAよりも小さく設定する。
【0026】
図8は、停車時に発進不能とさせる衝突防止制御装置の動作タイミングの一例である。停車中にアクセル開度が全閉から開弁方向に大きく作動したときに、本発明の衝突防止制御装置がない場合は、車両が発進し、車両の移動距離は図中の破線で示すような軌跡を辿るが、途中で移動距離が障害物との距離Lに達した時点で衝突が発生する。しかし本発明の衝突防止制御装置があれば、スロットル開度は全閉位置で制限されるので車両は発進せず、車両の移動距離は図中の実線で示すような軌跡となる。よって衝突となることはない。
【0027】
図9は、障害物との距離Lと許容される車両加速度の関係を示した一例である。障害物がある場合は、許容される加速度は破線で示した加速度制限値以下に制限される。障害物との距離が離れているほど許容加速度は大きくなり、障害物が無ければ全開加速も可能である。しかし障害物との距離Lが衝突危険距離D1以下である場合には、加速度は零または零近傍まで制限され加速不可能となる。
【0028】
図10は、走行時に加速不能とする衝突防止制御装置の動作タイミングを示した一例である。走行中にアクセル開度が開弁方向に大きく作動したときに、本発明である衝突防止制御装置がない場合は、車両が急加速を行い車両の移動距離は図中の破線で示すような軌跡を辿るが、途中で移動距離が障害物との距離Lに達した時点で衝突が発生する。しかし、本発明である衝突防止制御装置があれば、スロットル操作により加速が制限されるので車両はほとんど加速せず、車両の移動距離は図中の実線で示すような軌跡となる。よって衝突となることはない。
【0029】
図11は、車速と衝突危険距離の関係を示した一例である。自車が走行中、単位時間当たりの移動距離は車速で決定されることから、車速が高いほど衝突危険距離D1,D2は大きくなるように設定する。なお、設定は必ずしも図11に記載された限りではない。
【0030】
図12は、ステアリング操舵角度と衝突危険距離D1の関係を示した一例である。ステアリング操舵角度が大きいほど衝突危険距離Dを小さくするように設定する。中立付近は、ハンドル操作の頻度が高いことやステアリングの遊びがあるので、不感帯として設定する。また、ステアリング操舵角度が所定角度以上(例えば360度以上)となった場合は、衝突危険距離D1を零または零付近に設定する。このように設定すれば、縦列駐車などステアリング操舵角度が大きくなる運転でも発進可能となる。なお、設定は必ずしも図12に記載された限りではない。
【0031】
図13は、発進時における衝突防止制御プログラムのフローチャートの一例である。ステップ200にて衝突防止制御装置の処理を開始する。本処理は10ms毎に実施される。ステップ201では、自車が停車中であるかを判定する。車速センサの情報から0km/hと判断されれば停車中と判断される。停車中ならステップ202に移る。ここでは距離センサの情報から自車と障害物との距離Lを検出する。そしてステップ203ではステアリング操作状態などを検出し衝突危険距離D1および衝突危険距離D2を算出する。ステップ204では、アクセル開度センサの情報からアクセル開度を検出する。そしてステップ205で、自車と障害物との距離Lと衝突危険距離D1とを比較し、自車の停車位置が障害物に対して安全な距離を保っているか衝突の危険性のある距離にあるかを判断する。衝突危険性のある距離と判定された場合は、ステップ206で発進不能となる処理を実施する。そのためステップ207では、電子制御スロットル装置に対し、スロットル開度を全閉(アイドルリング時の開度)となるように決定する。このとき、例えばステップ204にて検出したアクセル開度が高開度であってもスロットル開度には反映されず、スロットル開度は全閉状態とする。一方、ステップ205で安全な距離と判定された場合は、ステップ208で発進可能となる処理を実施する。しかし、ステップ209では、ステップ205で安全な距離と判定されていても急発進などの危険があるので、障害物との距離Lに対し急発進などが可能かどうかを判定する。その結果、距離Lに対し、衝突危険距離D1よりも大きい値に設定される衝突危険距離D2以内であった場合には、ステップ210に移行する。ステップ210では、距離Lに対して安全と判定されるスロットル開度範囲を算出し、ステップ211にてスロットル開度が決定される。このときもステップ207での処理と同様、ステップ204にて検出したアクセル開度が高開度であっても、アクセル開度はスロットル開度に反映されない。しかし、ステップ209にて前方に障害物が無い状態、つまり距離Lが所定距離D2より大きい場合には、ステップ204で検出されたアクセル開度に応じたスロットル開度が決定される。そして、ステップ212では、ステップ207またはステップ211にて決定されたスロットル開度となるようにスロットルアクチュエータがスロットル弁を作動し、ステップ213で処理が終了する。
【0032】
上述のように本願では、自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車が停車中であって、障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を発進不能または所定の加速度以下となる微速発進に制限することで車両発進時の衝突を防止するようにしたものである。また、所定車速以下で走行中のときに障害物との距離が所定距離以下に接近したときは、車両を加速不能または所定の加速度以下となるように制限して発進後の加速時の衝突を防止するようにしたものである。さらに、車両の加速度は、障害物との距離に応じて可変とすることで安全な加速が行われ衝突を防止するようにしたものである。
【0033】
また、自車が発進不能や加速不能となる所定距離は、自車の速度に応じて可変とすることで、運転状態に応じた適切な距離を保つことができるようにしたものである。
【0034】
また、ステアリングの操舵角が大きいほど前記の所定距離を小さくし、さらに、ステアリングの操舵角が所定角度より大きい場合には、自車と障害物との距離が所定距離以下であっても、車両を発進可能とするので、車庫入れや縦列駐車などで支障をきたさないようにしたものである。
【0035】
また、運転者のアクセル操作量に応じて自車の移動距離を予測するので、不意なアクセル操作に対して衝突が発生するか否かを判定することを可能としたものである。
【0036】
そして、具体的にはエンジンに搭載した電子制御式スロットル装置を使いスロットル開度を全閉付近に制限することで、車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0037】
さらには、車両の動力源であるモータへの電力を遮断することで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0038】
さらには、自動ブレーキ装置を使い、エンジンやモータからの出力によって車輪に伝達される駆動力よりも大きな制動力を車輪に与えることで車両の発進不能や加速不能を実現したものである。
【0039】
上述のような衝突防止制御装置により、障害物との距離が所定距離より接近している場合には、車両の発進や加速を禁止または抑制するので、アクセル誤操作などの運転者の意図しない操作又は障害物の挙動にあっても、衝突を防止するようにしたものである。
【0040】
【発明の効果】
自車と障害物との距離を検出し、自車と障害物が近距離の場合には、車両の発進や加速を禁止するので、運転者の誤操作など運転者の意図しない操作又は障害物の挙動に対しても衝突を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発進時と低速走行中の衝突防止制御装置の動作図。
【図2】衝突防止制御装置の制御ブロック図。
【図3】障害物を検出するための車体構成図。
【図4】衝突防止制御装置のエンジン構成図。
【図5】衝突防止制御装置の電子制御装置の説明図。
【図6】障害物との距離と許容されるスロットル開度の説明図。
【図7】車両移動距離予測値に基づいた発進時のスロットル開度。
【図8】停車時に発進不能とさせた場合のタイミング図。
【図9】障害物との距離と許容される加速度の説明図。
【図10】走行時に加速不能とさせた場合のタイミング図。
【図11】車速に応じた衝突危険距離の関係図。
【図12】ステアリング角度に応じた衝突危険距離の関係図。
【図13】本実施例の処理フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、14…距離センサ、18…スロットルアクチュエータ、20…アクセル開度センサ、21…スロットル開度センサ、29…車速センサ、62…ステアリング舵角センサ、99…車体。
Claims (12)
- 自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車が停車中のとき障害物との距離が所定距離以下のときは、車両を発進不能または所定の加速度以下となる発進速度に制限する手段を有することを特徴とする車両の衝突防止制御装置。
- 自車の進行方向にある障害物と自車との距離を測定する距離測定装置を備えた車両において、自車の速度が所定車速以下であると共に障害物との距離が所定距離以下のときは、車両を加速不能または所定の加速度以下となるように制限する手段を有することを特徴とする車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両の加速度は、障害物との距離に応じて可変とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記所定距離は、自車の速度に応じて可変とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両のステアリング操舵角が大きいほど、前記所定距離を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両のステアリング操舵角が所定角度より大きい場合は、自車と障害物との距離が所定距離以下であっても、前記車両を発進可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両の衝突防止制御装置。
- 運転者のアクセル操作量に応じて自車の移動距離の予測値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両を発進不能または所定の加速度以下となる発進速度に制限する手段、または加速不能または所定の加速度以下となるように制限する手段は、前記車両の動力源であるエンジンへの吸入空気量を可変できる吸入空気量可変装置を作動させて所定の吸入空気量以下に制限することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両を発進不能または所定の加速度以下となる発進速度に制限する手段、または加速不能または所定の加速度以下となるように制限する手段は、前記車両の動力源であるモータへの電力を調整する電力調整装置を作動させて所定の電力以下に制限することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記車両を発進不能または所定の加速度以下となる発進速度に制限する手段、または加速不能または所定の加速度以下となるように制限する手段は、前記車両のブレーキを自動的に作動する自動ブレーキ装置を作動させて所定の制動力以上に制限することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記所定の吸入空気量以下の制限は、スロットル弁の開度を全閉または全閉付近の低開度とすることを特徴とする請求項8記載の車両の衝突防止制御装置。
- 前記所定の電力以下の制限は、前記モータの電力を遮断することを特徴とする請求項9記載の車両の衝突防止制御装置。
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