JP2004279787A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御手段が故障しても静止光の人体及び感光体への照射を防止することができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端をレーザ駆動回路54とのみ接続し、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYが、制御手段としてのシステムコントローラ70とは非接続の信号線57により、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80へ伝送されるようにした。静止光防止回路80では、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルであっても、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READYがアクティブレベルにならない限り、すなわち回転多面鏡52が回転状態にならない限り、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルにならず、LD50の点灯を許可しないようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端をレーザ駆動回路54とのみ接続し、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYが、制御手段としてのシステムコントローラ70とは非接続の信号線57により、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80へ伝送されるようにした。静止光防止回路80では、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルであっても、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READYがアクティブレベルにならない限り、すなわち回転多面鏡52が回転状態にならない限り、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルにならず、LD50の点灯を許可しないようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係わり、特に、光ビームを出力する光源と、前記光源から出力された光ビームを所定方向に沿って偏向し、感光体上を走査させる偏向手段と、前記光源及び前記偏向手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段の制御により、前記感光体に画像データに基づいて光ビームを照射させて、前記感光体に画像を記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタや電子写真複写機等の画像記録装置には、半導体レーザ(以下、「LD」という)などの光源から出力され、画像データに基づいて変調された光ビームを、回転多面鏡などの偏向手段により偏向させて出力する光走査装置により、感光体を走査露光して画像を記録するものがある。
【0003】
この種の画像記録装置では、記録紙の紙詰まりや装置の修理時に、誤ってLDが点灯されて光ビームが外部に漏れる恐れがある。特に、回転多面鏡の回転停止時の非走査光(静止光)がオペレータの目に入射すると、目に障害をきたしてしまう。
【0004】
このため画像記録装置では、紙詰まり時や装置の修理時に開閉される画像記録装置のカバーなどに、開状態のときにはLDの点灯を禁止するインターロックスイッチを設けたり、開閉動作に連動したシャッターを設けて、光ビームが外部に出射されるのを防止していた。
【0005】
例えば、図1に示すトップカバー12Aが開閉可能な画像記録装置10において、同図で点線で示す如くトップカバー12Aの開閉を検知するインターロックスイッチ100を設け、トップカバー12Aが開けられたときにLD50を消灯させる場合、画像記録装置は図6、図7に示す如く構成される。なお、図6、7は、光走査装置及びその周辺の概略構成と、電気系の構成をそれぞれ示している。
【0006】
図6に示すように、画像記録装置10では、一般に、LD50を点灯させるためのレーザ駆動回路54、回転多面鏡52を回転させるための回転多面鏡駆動回路56、及びLD50から出射され感光体32を走査する走査開始端の光ビームを検出するビーム位置検出センサ64が、画像記録装置10全体の動作を制御する制御手段としてのシステムコントローラ70と接続されている。
【0007】
システムコントローラ70は、回転多面鏡52を回転させる回転信号STARTと回転多面鏡52の定速回転制御の基準となるクロック信号CLOCKを回転多面鏡駆動回路56へ送信することで回転多面鏡52を定速回転させる。回転多面鏡52の回転が基準速度に達すると回転多面鏡駆動回路56から回転検出信号READYがシステムコントローラへ送られる。
【0008】
システムコントローラ70は、回転検出信号READYにより回転多面鏡52が基準速度に達したことを確認すると、レーザ光量設定の為に、光量制御開始信号PCONT、光量設定基準信号Vref、及びレーザ光の点灯許可信号ENABLEを順次レーザ駆動回路54に送信する。これにより、レーザ駆動回路54によりLD50が点灯され、LD50から出射された光ビームが走査され、走査開始端の光ビームはビーム位置検出センサ64に入射される。システムコントローラ70は、この光ビームの入射によりビーム位置検出センサ64から出力される走査タイミング信号SOSを得て、光走査装置による光ビームの1走査毎の走査開始タイミングを認識する。同時にレーザ駆動回路54から実際の光量出力状態を示すモニタ信号MONITORをフィードバック信号として受信し初期光量設定を完了する。
【0009】
初期光量設定完了後は、システムコントローラ70は、走査タイミング信号SOSに同期させて画像情報信号DATAをレーザ駆動回路54へ送信することで感光体32の所定の位置に画像情報を記録することができる。
【0010】
これらレーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、ビーム位置検出センサ64、及びシステムコントローラ70のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)は、それぞれ低電圧電源72のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)と接続されており、低電圧電源72からの電源供給を受けて駆動するようになっている。
【0011】
装置外部への光ビームの出射を防止するためには、このような構成の画像記録装置10に対して、低電圧電源72とレーザ駆動回路54との電気的な接続の間にインターロックスイッチ100を設け、低電圧電源72とレーザ駆動回路54とがインターロックスイッチ100を介して接続されるようにする。インターロックスイッチ100は、トップカバー12Aが開けられたときに、低電圧電源72とレーザ駆動回路54との接続をOFFし、レーザ駆動回路54への電源供給を遮断する。
【0012】
このように構成することにより、オペレータがトップカバー12Aを開けると、インターロックスイッチ100によりレーザ駆動回路54への電源供給が遮断され、LD50が消灯されるので安全性が保たれる。
【0013】
また、フェールセーフの観点から、スイッチが故障した時のために二重のスイッチにしたり、構造的に光ビームの光路が外部から見えないようにレイアウトすることによって、光ビームの外部への出射を防止しているものもあった。
【0014】
上記は何れも装置外部へ光ビームが照射されるのを防止し、オペレータの被爆防止を目的としたものであるが、回転多面鏡の回転停止時にLDが点灯されて静止光が感光体に照射されると、感光体が破壊されるという問題もある。
【0015】
このための技術として、従来より、回転多面鏡の動作を確認した時のみLDの点灯を許可することで、人体(特に目)や感光体に静止光が照射されるのを防止することが提案されている(特許文献1参照)。
【0016】
詳しくは、システムコントローラから回転多面鏡を駆動する駆動回路へ送出した回転信号と、回転多面鏡を駆動する駆動回路から出力された回転検出信号とに基づいて、すなわち制御装置の制御により回転多面鏡が回転され、当該回転が安定したときのみ、LDの点灯が許可されるように構成すればよい。
【0017】
ところで、近年の画像記録装置では、低コスト化や小型化の要求により、装置全体を制御するシステムコントローラは、単一の集積回路チップで構成されており、画像記録装置におけるほとんど全ての制御指令がこのチップを介して各被制御部材へと送信される構成となっている。
【0018】
【特許文献1】
特開平5−12897号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、システムコントローラにも回転検出信号を入力しており、システムコントローラとしての単一の集積回路チップが故障した場合に、当該チップから回転多面鏡の回転信号が不正送出され、これと同時に回転検出信号の信号線に当該チップから不正電圧が印加されて、回転多面鏡が非回転(停止)状態であるのにLDの点灯が許可されてしまうことがあった。このときチップからレーザ点灯信号も出力されてLDが連続点灯されると、静止光が人体(特に目)や感光体に照射される恐れがあるという問題があった。
【0020】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、制御手段が故障しても静止光の人体及び感光体への照射を防止することができる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光ビームを出力する光源と、前記光源から出力された光ビームを所定方向に沿って偏向し、感光体上を走査させる偏向手段と、前記光源及び前記偏向手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段の制御により、前記感光体に画像データに基づいて光ビームを照射させて、前記感光体に画像を記録する画像記録装置であって、前記偏向手段の動作状態を検出する検出手段と、前記制御手段から独立した信号路を介して前記検出手段による検出信号が入力され、前記偏向手段が停止中であることを示す前記検出信号の入力時は、前記光源の駆動を禁止する禁止手段と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、検出手段により偏向手段の動作状態が検出され、当該検出結果を示す検出信号が禁止手段に入力される。禁止手段では、偏向手段が停止中であることを示す検出信号の入力時は、光源の駆動を禁止する。すなわち偏向手段の停止中は、光源の駆動が禁止されて光源から光ビームが出力されない。
【0023】
また、禁止手段には制御手段から独立した信号路により検出信号が入力されるので、禁止手段に入力される検出信号は、制御手段の状態の影響を受けず、検出手段で検出した偏向手段の動作状態を示す。したがって、たとえ制御手段が故障して暴走したとしても、禁止手段では、偏向手段の停止中は確実に光源の駆動を禁止することができ、静止光が感光体や人体に照射されることがない。これは、請求項5に記載されているように、前記制御手段が、単一の集積回路で構成されている場合に特に有効である。
【0024】
なお、上記の画像記録装置においては、請求項2に記載されているように、前記禁止手段は、前記制御手段による前記光源の駆動制御を無効にするとよい。或いは、請求項3に記載されているように、前記禁止手段は、前記光源を駆動するための電源供給路を遮断するようにしてもよい。
【0025】
ここで、画像記録を行うためには、制御手段では、偏向手段が画像記録可能な状態で駆動されていることを確認する必要がある。検出手段による検出信号の信号路を制御手段から独立させたため、この検出信号を確認に用いることはできない。このため、上記の画像記録装置においては、請求項4に記載されているように、前記光ビームの走査位置を検出するビーム位置検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記ビーム位置検出手段による前記光ビームの検出周期に基づいて、前記偏向手段の駆動が前記画像の記録に適しているか否かを判定するようにするとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0027】
図1に示されるように、画像記録装置10はケーシング12によって被覆されている。画像記録装置10の下部には、用紙トレイ14が配設されている。用紙トレイ14には、例えば、B5サイズ、B4サイズ、A4サイズ、A3サイズ等の所望のサイズの用紙16が備えられている。用紙トレイ14における用紙排出部近傍には給紙パッド18が配設されている。給紙パッド18は用紙トレイ14に供給された用紙16を上層から順に1枚ずつ送り出す。用紙トレイ14から送り出された用紙16は、搬送ローラ対20によって、後述する感光体32と転写用帯電体42との間に向けて搬送される。
【0028】
ケーシング12内には、画像形成部30が設けられている。画像形成部30は、矢印A方向に定速回転する円筒状の感光体32、画像データに基づいて光ビームを(矢印B参照)感光体32に向けて照射する光走査装置34、及び用紙16に所望の画像を定着する定着器36を含んで構成されている。
【0029】
感光体32の周面近傍には帯電器38が配設されている。帯電器38は、感光体32を一様に帯電させる。帯電器38により一様に帯電された感光体32は、図1に示される矢印A方向に回転することによって光走査装置34により光ビームが照射される。これにより、感光体32に潜像が形成される。
【0030】
また、光走査装置34による光ビームの照射位置よりも感光体32の回転方向下流側には、感光体32の周面に対向して、感光体32にトナーを供給する現像器40が配設されている。現像器40から供給されたトナーは、光走査装置34によって図1に示される矢印B方向からの光が照射された部分に付着されるようになっている。これにより感光体32にトナー像が形成される。
【0031】
現像器40の配設位置よりも感光体32の回転方向下流側(感光体32の軸芯垂下位置)には、感光体32の周面に対向して、転写用帯電体42が配設されている。転写用帯電体42は、感光体32に形成されたトナー像を用紙16に転写する。なお、この転写後に感光体32の表面に残留しているトナーは、図示しないクリーナにより除去される。
【0032】
トナー像が転写された用紙16は、矢印C方向に搬送される。この搬送方向下流側に定着器36が配設されており、定着器36は、搬送されてきたトナー像が転写された用紙16を熱定着処理する。熱定着処理後の用紙16は、排出ロール44によりケーシング12外へ排出される。
【0033】
また、ケーシング12の上面一部を構成しているトップカバー12Aは、開閉可能となっている。オペレータは、用紙16が搬送不良による紙詰まりを起こした時や、感光体32の交換などのために、このトップカバー12Aを開いて作業を行なうことができる。
【0034】
光走査装置34は、図2に示すように、光源としてLD50と、偏向手段としての回転多面鏡52とを備えている。なお、偏向手段は、回転多面鏡に限定されるものではなく、例えばガルバノミラーを用いてもよい。
【0035】
LD50は、当該LD50を駆動するためのレーザ駆動回路54の基板上に実装されており、レーザ駆動回路54によって、点灯駆動されるようになっている。LD50から射出された光ビームは、コリメータレンズ、シリンダレンズ(図示省略)などを介して、回転多面鏡52に入射される。
【0036】
回転多面鏡52は、側面に複数の反射面52Aが設けられた正多角形状(本実施の形態では正八角形)に形成されており、入射された光ビームはこの反射面52Aに収束するようになっている。
【0037】
また、回転多面鏡52は、回転多面鏡駆動回路56により回転駆動される図示しないモータに軸着されており、回転軸52Bを中心に矢印D方向に回転する。この回転により各反射面52Aへの光ビームの入射角は、連続的に変化し、偏向される。これにより、感光体32の軸線方向(矢印E方向)に走査して、光ビームが感光体32に照射される。
【0038】
回転多面鏡52により反射された光ビームの進行方向には、走査レンズ(fθ)58、複数の反射ミラー60が順に配置されている(図1参照、図2では省略)。回転多面鏡52により反射された光ビームは、走査レンズ58を透過し、反射ミラー60により、光走査装置34の光ビームの出力口となるウィンドウガラス62へと案内され、ウィンドウガラス62を介して感光体32へ照射される。このとき走査レンズ58を透過することにより、感光体32に光ビームを照射するときの走査速度が等速度になるとともに、感光体32の周面上に結像点が結ばれるようになっている。
【0039】
また、光走査装置34によって走査される光ビームの走査開始側の画像形成領域外(走査開始端)で、且つ感光体32の表面と等価な位置には、フォトディテクタなどにより光を検出するビーム位置検出センサ64が配置されている。ビーム位置検出センサ64には、光走査装置34によってLD50から出力された光ビームが走査されるたびに、走査開始端に該当する光ビームが入射される。ビーム位置検出センサ64では、この入射光を検出することで、光走査装置34による感光体32への光ビームの1走査ごとの走査開始タイミングを検知することができるようになっている。
【0040】
次に、図3を参照して、画像記録装置10(主として、光走査装置及びその周辺)の電気系の構成を説明する。
【0041】
図3に示すように、レーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、及びビーム位置検出センサ64が、画像記録装置10全体の動作を制御するシステムコントローラ70とそれぞれ接続されている。これらレーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、ビーム位置検出センサ64、及びシステムコントローラ70のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)は、それぞれ低電圧電源72のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)と接続されており、低電圧電源72からの電源供給を受けて駆動するようになっている。
【0042】
システムコントローラ70は、単一の集積回路で構成されている。なお、システムコントローラ70は、単一の集積回路での構成でなくてもよい。
【0043】
システムコントローラ70は、本発明の制御手段として機能するものであり、回転多面鏡駆動回路56及びレーザ駆動回路54へ各種の制御信号を送出することで、回転多面鏡52及びLD50の駆動を制御する。
【0044】
具体的には、システムコントローラ70は、制御信号として、回転多面鏡駆動回路56に対しては、回転多面鏡52の回転を指示する回転信号STARTと、回転多面鏡52の定速回転制御の基準となるクロック信号CLOCKを送信する。
【0045】
回転多面鏡駆動回路56は、システムコントローラ70からの回転信号STARTを受けて、図示しないモータを回転駆動させて回転多面鏡52を回転させる。また、回転多面鏡駆動回路56は、回転多面鏡52の回転周波数を検知するホール素子などのセンサ(図示省略)を備えており、当該センサにより検知した回転周波数がシステムコントローラ70から供給されるクロック信号CLOCK(或いはクロック信号を所定数に分周した信号)の周波数と一致するようにモーターの回転数を制御することで、回転多面鏡をクロック信号CLOCKに基づいた所定速度で定速回転させる(所謂PLL(Phase Lock Loop)制御)。
【0046】
また、回転多面鏡駆動回路56は、偏向手段の動作状態を検出する検出手段として、回転多面鏡52の回転を検出する回転検出回路56Aを備えており、検出した回転状態(回転中/停止中)に応じた回転検出信号READYを出力するようになっている。
【0047】
詳しくは、回転多面鏡駆動回路56では、回転多面鏡52の回転が所定の基準速度に達したことを検出したら、回転多面鏡52が回転状態であるとして回転検出信号READYをアクティブレベル(ここでは一例としてLレベル)にする。なお、基準速度とは、回転多面鏡52が回転しているか否かの判定基準として用いる速度であり、完全停止状態である回転速度0でなくても、照射時の光ビームの強度が人体への危険や感光体を破壊しない程度であればよい。
【0048】
具体的に、本実施の形態では、この回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かの判定のために、回転多面鏡52を回転させるモータの回転体にタコジェネレータ(図示省略)を設けている。回転多面鏡駆動回路56では、回転検出回路56Aにおいて、このタコジェネレータの出力をコンパレータ(図示省略)により所定電圧と比較し、モータの回転数が所定値以上になればコンパレータの出力がLレベルになるようにし、このコンパレータの出力信号を回転検出信号READYとして用いるようになっている。
【0049】
なお、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かの判定には、タコジェネレータを用いなくてもよく、従来公知の各種技術を適用可能である。例えば、回転多面鏡52の回転に伴って変化する当該回転多面鏡52を回転させるモータの駆動電流を電流電圧変換し、タコジェネレータの出力信号の代わりに用いることでも、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かを判定することができる。また、PLL制御に用いるホール素子の検出信号の信号周期により、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かを判定してもよい。
【0050】
この回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端は、システムコントローラ70ではなく、レーザ駆動回路54と接続されており、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYはレーザ駆動回路54へ入力されるようになっている。すなわち、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYは、システムコントローラ70とは非接続、すなわちシステムコントローラ70から独立した信号線57により、レーザ駆動回路54へ伝送されるようになっている。
【0051】
また、システムコントローラ70は、制御信号として、レーザ駆動回路54に対しては、光量制御開始信号PCONT、光量設定基準信号Vref、画像情報信号DATA、及びレーザ光の点灯許可信号ENABLEを送信する。
【0052】
レーザ駆動回路54は、光量制御回路(図示省略)を備えている。レーザ駆動回路54は、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTを受けて、光量制御回路によるLD50の光量制御を実行する。すなわち、LD50を点灯させて、当該LD50の出力光量が光量設定基準信号Vrefによって定められる所定の設定光量になるように、LD50へ供給する駆動電流値を調整して、出力光量を制御する。レーザ駆動回路54は、LD50の出力光量が設定光量となったら、モニタ信号MONITORをシステムコントローラ70へ出力する。システムコントローラ70は、このモニタ信号MONITORを受けて、初期光量設定が完了した判定する。
【0053】
また、レーザ駆動回路54は、システムコントローラ70からの画像情報信号DATAを受けて、画像情報信号DATAに基づいてLD50の点灯をON/OFFする。
【0054】
なお、このときシステムコントローラ70は、ビーム位置検出センサ64に光ビームが入射するタイミングで画像情報信号DATA又は光量制御開始信号PCONTを送出して、LD50を点灯させる。これにより、光ビームがビーム位置検出センサ64に入射され、ビーム位置検出センサ64から走査タイミング信号SOSが出力されて、システムコントローラ70に入力される。
【0055】
システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSにより光走査装置34による光ビームの1走査毎の走査開始タイミングを認識し、走査タイミング信号SOSと同期させて、画像情報DATAを送出することで、感光体上の所定位置に画像を形成する。また、システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSの入力周期により回転多面鏡52の回転速度を把握することもできる。
【0056】
また、レーザ駆動回路54は、禁止手段として、静止光防止回路80を備えており、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY、及びシステムコントローラ70からのレーザ光の点灯許可信号ENABLEは、この静止光防止回路80に入力されるようになっている。すなわち、レーザ駆動回路54には、点灯信号ENABLEの入力端に静止光防止回路80が設けられている。
【0057】
静止光防止回路80は、入力された回転検出信号READYに基づいて、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLEの入力をON/OFF切換えるものである。すなわち、レーザ駆動回路54では、回転検出信号READYをスイッチング信号として、静止光防止回路80により、点灯許可信号ENABLEの入力がON/OFF切換え制御されることになる。
【0058】
以下では、システムコントローラ70から出力された状態の点灯許可信号をENABLE_1、静止光防止回路80から出力される点灯許可信号をENABLE_2と区別して説明する。
【0059】
詳しくは、静止光防止回路80は、入力された回転検出信号READYがアクティブレベルのときに、入力された点灯許可信号ENABLE_1をそのままENABLE_2として出力し、入力された回転検出信号READYがノンアクティブレベルのときは、点灯許可信号ENABLE_1の状態に係わらず、ENABLE_2をノンアクティブレベルとする。これにより、入力された点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルで、且つ入力された回転検出信号READYのときのみ、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルとなる。
【0060】
具体的に、本実施の形態では、回転検出信号READY、点灯許可信号ENABLEのアクティブレベルがLレベルであり、静止光防止回路80として、入力された点灯許可信号ENABLE_1及び回転検出信号READYを反転した後AND演算を行い、AND演算結果を反転させて点灯許可信号ENABLE_2として出力する回路を用いている。
【0061】
レーザ駆動回路54では、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルのときのみLD50の点灯が許可されるようになっており、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTや、画像情報信号DATAによるLDの点灯指令に応じてLD50を点灯する。点灯許可信号ENABLE_2がノンアクティブレベルのときは、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTや、画像情報信号DATAによりLDの点灯指令がなされてもLD50の点灯は許可されず、システムコントローラ70によるLD50の点灯制御は無効になる。
【0062】
次に、図4を参照して、本実施の形態の作用を説明する。図4は、システムコントローラ70、回転多面鏡駆動回路56、及びレーザ駆動回路54における各種制御信号のタイミングチャートを示している。
【0063】
画像記録装置10は、図示しない操作手段の操作によりオペレータから画像形成指示が入力されたり、図示しないネットワークを介してPCなどから画像形成指示が入力されると、まず、システムコントローラ70により、回転多面鏡駆動回路56への回転信号STARTがアクティブレベルにされて、所定周波数のパルス信号であるクロック信号CLOCKの供給が開始される。また、同時に、レーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLE_1、光量制御開始信号PCONTがアクティブレベルにされて、所定の光量設定値に相当する光量設定基準信号Vrefの供給が開始される(矢印T1)。
【0064】
このとき、回転検出信号READYはノンアクティブレベルであるため、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80では、点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルにされても、点灯許可信号ENABLE_2はアクティブレベルされず、LD50の点灯は不許可状態である(点灯禁止)。したがって、システムコントローラ70が光量制御開始信号PCONTをアクティブレベルにして、LD50を点灯するように制御しても、当該制御は無効となり、LD50は点灯されない。
【0065】
回転多面鏡駆動回路56では、回転信号STARTがアクティブレベルになると、回転多面鏡52の回転を開始し、クロック信号CLOCKに応じた回転速度になるように回転速度を除々に上げていく。
【0066】
そして回転多面鏡52の回転速度が基準速度になったら、回転多面鏡52が回転状態であるとして、回転多面鏡駆動回路56から回転検出信号READYをアクティブレベルにする(矢印T2)。
【0067】
この回転検出信号READYをアクティブレベルに切換え後も、回転多面鏡駆動回路56では、回転多面鏡52の回転制御を継続し、回転多面鏡52をクロック信号CLOCKに応じた回転速度で定速回転させるようになっている。
【0068】
回転検出信号READYがアクティブレベルになると、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80では、点灯許可信号ENABLE_1と回転検出信号READYの両者がアクティブレベルになるので、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルに切換えられる。これにより、LD50の点灯が許可される。
【0069】
その後は、光量制御開始信号PCONTがアクティブレベルであるので、レーザ駆動回路54は、LD50の点灯を開始して、光量設定基準信号Vrefに応じた光量となるようにLD50の出力光量制御を開始し、光量設定基準信号Vrefに応じた光量となったら、モニタ信号MONITORを出力する(矢印T3)。システムコントローラ70は、レーザ駆動回路54からのモニタ信号MONITORを受けて、初期光量設定が完了したとして、光量制御開始信号PCONTをノンアクティブレベルに戻す。
【0070】
なお、初期光量設定では、光量設定基準信号Vrefは、LD50からの出力光がビーム位置検出センサ64で検出可能な光量(すなわち走査タイミング信号SOSを出力可能な光量)になるように設定されている。
【0071】
この初期光量設定後は、システムコントローラ70により、ビーム位置検出センサ64に光ビームが入射するタイミングで画像情報信号DATA(光量制御開始信号PCONTをアクティブレベルにしてもよい)が出力される。これを受けてレーザ駆動回路54によりLD50が点灯され、LD50から出力された光ビームは回転多面鏡52による反射により走査されて、1走査毎に走査開始端位置に相当する光ビームがビーム位置検出センサ64に入射し、走査タイミング信号SOSが出力されることになる。
【0072】
システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSの信号周期(SOS周期)に基づいて、回転多面鏡52がクロック信号CLOCKに応じた所定速度で定速回転されているか否かを判断する。なお、このとき、所定時間経過しても、回転多面鏡52の回転が所定速度での定速回転に達しない場合には、回転多面鏡52の異常として、処理を中止する。
【0073】
その後は図示省略するが、システムコントローラ70は、回転多面鏡52の回転が所定速度での定速回転に達したと判断したら、走査タイミング信号SOSに同期させて、画像情報信号DATAの出力を開始する。これにより、レーザ駆動回路54により、画像情報信号DATAに基づいてLD50が点灯され、画像データに基づいて変調された光ビームが走査しながら感光体に照射され、感光体32の所定の位置に画像情報が記録されることになる。なお、SOS信号と同期させて、光ビームが感光体32の画像形成領域外を走査しているタイミングで光量制御開始信号PCONTをアクティブにし、1走査毎に光ビームを光量設定基準信号Vrefにより定まる所定光量となるように光量制御を行いながら、画像情報の記録を行うようにするとよい。このときの光量設定基準信号Vrefの値は、初期光量設定時と異なってもよい。
【0074】
このように、本実施の形態では、回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端をレーザ駆動回路54とのみ接続し、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYが、システムコントローラ70とは非接続の信号線57により、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80へ伝送されるようにした。静止光防止回路80では、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルであっても、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READYがアクティブレベルにならない限り、すなわち回転多面鏡52が回転状態にならない限り、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルにならず、LD50の点灯が許可されないようにした。
【0075】
これにより、静止光防止回路80に入力される回転検出信号READYは、システムコントローラ70の影響を受けることがなく、実際に検出された回転多面鏡52の回転状態(回転中/停止中)を示すものとなるので、回転多面鏡52の停止時は、LD50の点灯を確実に禁止することができる。したがって、強度な静止光が感光体32に照射されたり、オペレータがトップカバー12Aを開けたときに外部に静止光が照射されるのを防止することができる。
【0076】
特に、本実施形態のようにシステムコントローラ70を単一の集積回路で構成した場合、システムコントローラ70の故障により、回転多面鏡52の停止時にシステムコントローラ70が暴走して、不正な光量制御開始信号PCONTや画像情報信号DATAによりレーザ点灯指令がレーザ駆動回路54へ送出されることがある。このような場合にも、静止光防止回路80に入力される回転検出信号READYは、システムコントローラ70の暴走に影響されず、ノンアクティブレベルで回転多面鏡52が停止していることを示しているため、LD50が点灯されることはなく、静止光の感光体32やオペレータへの照射を防止することができる。
【0077】
なお、上記では、システムコントローラ70からレーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLEの入力端に静止光防止回路80を設け、システムコントローラ70からレーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLEの入力を回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY信号に応じてON/OFFすることで、回転多面鏡52が回転状態にあるときのみLD50の点灯を許可し、回転多面鏡52の停止時はLD50の点灯が禁止されるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。図5に示すように、低電圧電源72からレーザ駆動回路54への電源供給線上に、静止光防止回路80を設け、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY信号に応じて、LD50を点灯するためのレーザ駆動回路54への電源供給路を遮断することでLD50の点灯を禁止する構成にしてもよい。
【0078】
また、上記では、走査光であれば強度が弱いので人体への照射を許容する場合を説明したが、強度が弱くても光ビームの人体への照射は防止することが好ましい。このため、例えば図1の点線に示すように画像記録装置10にトップカバー12Aの開閉を検知するインターロックスイッチ100をさらに設け、トップカバー12Aが開状態のときにはインタークロックスイッチ100により低電圧電源72からレーザ駆動回路54への電源供給が遮断されるようにするなどして、トップカバー12Aが開けられたときにLD50を消灯させるようにしてもよい。これにより、強度の強い静止光に加え、強度の弱い走査光についても人体へ照射されるのを防止することができる。
【0079】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、制御手段の故障によっても静止光の人体及び感光体への照射を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る画像記録装置の光走査装置及びその周辺の構成を詳細に示す図である。
【図3】本実施の形態に係る画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る画像記録装置における各種制御信号のタイミングチャートである。
【図5】別の実施の形態に係わる画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【図6】インターロックスイッチを用いた画像記録装置の光走査装置及びその周辺の構成を詳細に示す図である(従来技術)。
【図7】図6の画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である(従来技術)。
【符号の説明】
10 画像記録装置
12 ケーシング
12A トップカバー
32 感光体
34 光走査装置
50 LD
52 回転多面鏡
54 レーザ駆動回路
56 回転多面鏡駆動回路
57 信号線
64 ビーム位置検出センサ
70 システムコントローラ
72 低電圧電源
80 静止光防止回路
CLOCK クロック信号
DATA 画像情報信号
ENABLE 、ENABLE_1、ENABLE_2 点灯許可信号
MONITOR モニタ信号
PCONT 光量制御開始信号
READY 回転検出信号
SOS 走査タイミング信号
START 回転信号
Vref 光量設定基準信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係わり、特に、光ビームを出力する光源と、前記光源から出力された光ビームを所定方向に沿って偏向し、感光体上を走査させる偏向手段と、前記光源及び前記偏向手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段の制御により、前記感光体に画像データに基づいて光ビームを照射させて、前記感光体に画像を記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタや電子写真複写機等の画像記録装置には、半導体レーザ(以下、「LD」という)などの光源から出力され、画像データに基づいて変調された光ビームを、回転多面鏡などの偏向手段により偏向させて出力する光走査装置により、感光体を走査露光して画像を記録するものがある。
【0003】
この種の画像記録装置では、記録紙の紙詰まりや装置の修理時に、誤ってLDが点灯されて光ビームが外部に漏れる恐れがある。特に、回転多面鏡の回転停止時の非走査光(静止光)がオペレータの目に入射すると、目に障害をきたしてしまう。
【0004】
このため画像記録装置では、紙詰まり時や装置の修理時に開閉される画像記録装置のカバーなどに、開状態のときにはLDの点灯を禁止するインターロックスイッチを設けたり、開閉動作に連動したシャッターを設けて、光ビームが外部に出射されるのを防止していた。
【0005】
例えば、図1に示すトップカバー12Aが開閉可能な画像記録装置10において、同図で点線で示す如くトップカバー12Aの開閉を検知するインターロックスイッチ100を設け、トップカバー12Aが開けられたときにLD50を消灯させる場合、画像記録装置は図6、図7に示す如く構成される。なお、図6、7は、光走査装置及びその周辺の概略構成と、電気系の構成をそれぞれ示している。
【0006】
図6に示すように、画像記録装置10では、一般に、LD50を点灯させるためのレーザ駆動回路54、回転多面鏡52を回転させるための回転多面鏡駆動回路56、及びLD50から出射され感光体32を走査する走査開始端の光ビームを検出するビーム位置検出センサ64が、画像記録装置10全体の動作を制御する制御手段としてのシステムコントローラ70と接続されている。
【0007】
システムコントローラ70は、回転多面鏡52を回転させる回転信号STARTと回転多面鏡52の定速回転制御の基準となるクロック信号CLOCKを回転多面鏡駆動回路56へ送信することで回転多面鏡52を定速回転させる。回転多面鏡52の回転が基準速度に達すると回転多面鏡駆動回路56から回転検出信号READYがシステムコントローラへ送られる。
【0008】
システムコントローラ70は、回転検出信号READYにより回転多面鏡52が基準速度に達したことを確認すると、レーザ光量設定の為に、光量制御開始信号PCONT、光量設定基準信号Vref、及びレーザ光の点灯許可信号ENABLEを順次レーザ駆動回路54に送信する。これにより、レーザ駆動回路54によりLD50が点灯され、LD50から出射された光ビームが走査され、走査開始端の光ビームはビーム位置検出センサ64に入射される。システムコントローラ70は、この光ビームの入射によりビーム位置検出センサ64から出力される走査タイミング信号SOSを得て、光走査装置による光ビームの1走査毎の走査開始タイミングを認識する。同時にレーザ駆動回路54から実際の光量出力状態を示すモニタ信号MONITORをフィードバック信号として受信し初期光量設定を完了する。
【0009】
初期光量設定完了後は、システムコントローラ70は、走査タイミング信号SOSに同期させて画像情報信号DATAをレーザ駆動回路54へ送信することで感光体32の所定の位置に画像情報を記録することができる。
【0010】
これらレーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、ビーム位置検出センサ64、及びシステムコントローラ70のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)は、それぞれ低電圧電源72のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)と接続されており、低電圧電源72からの電源供給を受けて駆動するようになっている。
【0011】
装置外部への光ビームの出射を防止するためには、このような構成の画像記録装置10に対して、低電圧電源72とレーザ駆動回路54との電気的な接続の間にインターロックスイッチ100を設け、低電圧電源72とレーザ駆動回路54とがインターロックスイッチ100を介して接続されるようにする。インターロックスイッチ100は、トップカバー12Aが開けられたときに、低電圧電源72とレーザ駆動回路54との接続をOFFし、レーザ駆動回路54への電源供給を遮断する。
【0012】
このように構成することにより、オペレータがトップカバー12Aを開けると、インターロックスイッチ100によりレーザ駆動回路54への電源供給が遮断され、LD50が消灯されるので安全性が保たれる。
【0013】
また、フェールセーフの観点から、スイッチが故障した時のために二重のスイッチにしたり、構造的に光ビームの光路が外部から見えないようにレイアウトすることによって、光ビームの外部への出射を防止しているものもあった。
【0014】
上記は何れも装置外部へ光ビームが照射されるのを防止し、オペレータの被爆防止を目的としたものであるが、回転多面鏡の回転停止時にLDが点灯されて静止光が感光体に照射されると、感光体が破壊されるという問題もある。
【0015】
このための技術として、従来より、回転多面鏡の動作を確認した時のみLDの点灯を許可することで、人体(特に目)や感光体に静止光が照射されるのを防止することが提案されている(特許文献1参照)。
【0016】
詳しくは、システムコントローラから回転多面鏡を駆動する駆動回路へ送出した回転信号と、回転多面鏡を駆動する駆動回路から出力された回転検出信号とに基づいて、すなわち制御装置の制御により回転多面鏡が回転され、当該回転が安定したときのみ、LDの点灯が許可されるように構成すればよい。
【0017】
ところで、近年の画像記録装置では、低コスト化や小型化の要求により、装置全体を制御するシステムコントローラは、単一の集積回路チップで構成されており、画像記録装置におけるほとんど全ての制御指令がこのチップを介して各被制御部材へと送信される構成となっている。
【0018】
【特許文献1】
特開平5−12897号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、システムコントローラにも回転検出信号を入力しており、システムコントローラとしての単一の集積回路チップが故障した場合に、当該チップから回転多面鏡の回転信号が不正送出され、これと同時に回転検出信号の信号線に当該チップから不正電圧が印加されて、回転多面鏡が非回転(停止)状態であるのにLDの点灯が許可されてしまうことがあった。このときチップからレーザ点灯信号も出力されてLDが連続点灯されると、静止光が人体(特に目)や感光体に照射される恐れがあるという問題があった。
【0020】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、制御手段が故障しても静止光の人体及び感光体への照射を防止することができる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光ビームを出力する光源と、前記光源から出力された光ビームを所定方向に沿って偏向し、感光体上を走査させる偏向手段と、前記光源及び前記偏向手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段の制御により、前記感光体に画像データに基づいて光ビームを照射させて、前記感光体に画像を記録する画像記録装置であって、前記偏向手段の動作状態を検出する検出手段と、前記制御手段から独立した信号路を介して前記検出手段による検出信号が入力され、前記偏向手段が停止中であることを示す前記検出信号の入力時は、前記光源の駆動を禁止する禁止手段と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、検出手段により偏向手段の動作状態が検出され、当該検出結果を示す検出信号が禁止手段に入力される。禁止手段では、偏向手段が停止中であることを示す検出信号の入力時は、光源の駆動を禁止する。すなわち偏向手段の停止中は、光源の駆動が禁止されて光源から光ビームが出力されない。
【0023】
また、禁止手段には制御手段から独立した信号路により検出信号が入力されるので、禁止手段に入力される検出信号は、制御手段の状態の影響を受けず、検出手段で検出した偏向手段の動作状態を示す。したがって、たとえ制御手段が故障して暴走したとしても、禁止手段では、偏向手段の停止中は確実に光源の駆動を禁止することができ、静止光が感光体や人体に照射されることがない。これは、請求項5に記載されているように、前記制御手段が、単一の集積回路で構成されている場合に特に有効である。
【0024】
なお、上記の画像記録装置においては、請求項2に記載されているように、前記禁止手段は、前記制御手段による前記光源の駆動制御を無効にするとよい。或いは、請求項3に記載されているように、前記禁止手段は、前記光源を駆動するための電源供給路を遮断するようにしてもよい。
【0025】
ここで、画像記録を行うためには、制御手段では、偏向手段が画像記録可能な状態で駆動されていることを確認する必要がある。検出手段による検出信号の信号路を制御手段から独立させたため、この検出信号を確認に用いることはできない。このため、上記の画像記録装置においては、請求項4に記載されているように、前記光ビームの走査位置を検出するビーム位置検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記ビーム位置検出手段による前記光ビームの検出周期に基づいて、前記偏向手段の駆動が前記画像の記録に適しているか否かを判定するようにするとよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0027】
図1に示されるように、画像記録装置10はケーシング12によって被覆されている。画像記録装置10の下部には、用紙トレイ14が配設されている。用紙トレイ14には、例えば、B5サイズ、B4サイズ、A4サイズ、A3サイズ等の所望のサイズの用紙16が備えられている。用紙トレイ14における用紙排出部近傍には給紙パッド18が配設されている。給紙パッド18は用紙トレイ14に供給された用紙16を上層から順に1枚ずつ送り出す。用紙トレイ14から送り出された用紙16は、搬送ローラ対20によって、後述する感光体32と転写用帯電体42との間に向けて搬送される。
【0028】
ケーシング12内には、画像形成部30が設けられている。画像形成部30は、矢印A方向に定速回転する円筒状の感光体32、画像データに基づいて光ビームを(矢印B参照)感光体32に向けて照射する光走査装置34、及び用紙16に所望の画像を定着する定着器36を含んで構成されている。
【0029】
感光体32の周面近傍には帯電器38が配設されている。帯電器38は、感光体32を一様に帯電させる。帯電器38により一様に帯電された感光体32は、図1に示される矢印A方向に回転することによって光走査装置34により光ビームが照射される。これにより、感光体32に潜像が形成される。
【0030】
また、光走査装置34による光ビームの照射位置よりも感光体32の回転方向下流側には、感光体32の周面に対向して、感光体32にトナーを供給する現像器40が配設されている。現像器40から供給されたトナーは、光走査装置34によって図1に示される矢印B方向からの光が照射された部分に付着されるようになっている。これにより感光体32にトナー像が形成される。
【0031】
現像器40の配設位置よりも感光体32の回転方向下流側(感光体32の軸芯垂下位置)には、感光体32の周面に対向して、転写用帯電体42が配設されている。転写用帯電体42は、感光体32に形成されたトナー像を用紙16に転写する。なお、この転写後に感光体32の表面に残留しているトナーは、図示しないクリーナにより除去される。
【0032】
トナー像が転写された用紙16は、矢印C方向に搬送される。この搬送方向下流側に定着器36が配設されており、定着器36は、搬送されてきたトナー像が転写された用紙16を熱定着処理する。熱定着処理後の用紙16は、排出ロール44によりケーシング12外へ排出される。
【0033】
また、ケーシング12の上面一部を構成しているトップカバー12Aは、開閉可能となっている。オペレータは、用紙16が搬送不良による紙詰まりを起こした時や、感光体32の交換などのために、このトップカバー12Aを開いて作業を行なうことができる。
【0034】
光走査装置34は、図2に示すように、光源としてLD50と、偏向手段としての回転多面鏡52とを備えている。なお、偏向手段は、回転多面鏡に限定されるものではなく、例えばガルバノミラーを用いてもよい。
【0035】
LD50は、当該LD50を駆動するためのレーザ駆動回路54の基板上に実装されており、レーザ駆動回路54によって、点灯駆動されるようになっている。LD50から射出された光ビームは、コリメータレンズ、シリンダレンズ(図示省略)などを介して、回転多面鏡52に入射される。
【0036】
回転多面鏡52は、側面に複数の反射面52Aが設けられた正多角形状(本実施の形態では正八角形)に形成されており、入射された光ビームはこの反射面52Aに収束するようになっている。
【0037】
また、回転多面鏡52は、回転多面鏡駆動回路56により回転駆動される図示しないモータに軸着されており、回転軸52Bを中心に矢印D方向に回転する。この回転により各反射面52Aへの光ビームの入射角は、連続的に変化し、偏向される。これにより、感光体32の軸線方向(矢印E方向)に走査して、光ビームが感光体32に照射される。
【0038】
回転多面鏡52により反射された光ビームの進行方向には、走査レンズ(fθ)58、複数の反射ミラー60が順に配置されている(図1参照、図2では省略)。回転多面鏡52により反射された光ビームは、走査レンズ58を透過し、反射ミラー60により、光走査装置34の光ビームの出力口となるウィンドウガラス62へと案内され、ウィンドウガラス62を介して感光体32へ照射される。このとき走査レンズ58を透過することにより、感光体32に光ビームを照射するときの走査速度が等速度になるとともに、感光体32の周面上に結像点が結ばれるようになっている。
【0039】
また、光走査装置34によって走査される光ビームの走査開始側の画像形成領域外(走査開始端)で、且つ感光体32の表面と等価な位置には、フォトディテクタなどにより光を検出するビーム位置検出センサ64が配置されている。ビーム位置検出センサ64には、光走査装置34によってLD50から出力された光ビームが走査されるたびに、走査開始端に該当する光ビームが入射される。ビーム位置検出センサ64では、この入射光を検出することで、光走査装置34による感光体32への光ビームの1走査ごとの走査開始タイミングを検知することができるようになっている。
【0040】
次に、図3を参照して、画像記録装置10(主として、光走査装置及びその周辺)の電気系の構成を説明する。
【0041】
図3に示すように、レーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、及びビーム位置検出センサ64が、画像記録装置10全体の動作を制御するシステムコントローラ70とそれぞれ接続されている。これらレーザ駆動回路54、回転多面鏡駆動回路56、ビーム位置検出センサ64、及びシステムコントローラ70のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)は、それぞれ低電圧電源72のGND端子及び電圧端子(VCC、VDD)と接続されており、低電圧電源72からの電源供給を受けて駆動するようになっている。
【0042】
システムコントローラ70は、単一の集積回路で構成されている。なお、システムコントローラ70は、単一の集積回路での構成でなくてもよい。
【0043】
システムコントローラ70は、本発明の制御手段として機能するものであり、回転多面鏡駆動回路56及びレーザ駆動回路54へ各種の制御信号を送出することで、回転多面鏡52及びLD50の駆動を制御する。
【0044】
具体的には、システムコントローラ70は、制御信号として、回転多面鏡駆動回路56に対しては、回転多面鏡52の回転を指示する回転信号STARTと、回転多面鏡52の定速回転制御の基準となるクロック信号CLOCKを送信する。
【0045】
回転多面鏡駆動回路56は、システムコントローラ70からの回転信号STARTを受けて、図示しないモータを回転駆動させて回転多面鏡52を回転させる。また、回転多面鏡駆動回路56は、回転多面鏡52の回転周波数を検知するホール素子などのセンサ(図示省略)を備えており、当該センサにより検知した回転周波数がシステムコントローラ70から供給されるクロック信号CLOCK(或いはクロック信号を所定数に分周した信号)の周波数と一致するようにモーターの回転数を制御することで、回転多面鏡をクロック信号CLOCKに基づいた所定速度で定速回転させる(所謂PLL(Phase Lock Loop)制御)。
【0046】
また、回転多面鏡駆動回路56は、偏向手段の動作状態を検出する検出手段として、回転多面鏡52の回転を検出する回転検出回路56Aを備えており、検出した回転状態(回転中/停止中)に応じた回転検出信号READYを出力するようになっている。
【0047】
詳しくは、回転多面鏡駆動回路56では、回転多面鏡52の回転が所定の基準速度に達したことを検出したら、回転多面鏡52が回転状態であるとして回転検出信号READYをアクティブレベル(ここでは一例としてLレベル)にする。なお、基準速度とは、回転多面鏡52が回転しているか否かの判定基準として用いる速度であり、完全停止状態である回転速度0でなくても、照射時の光ビームの強度が人体への危険や感光体を破壊しない程度であればよい。
【0048】
具体的に、本実施の形態では、この回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かの判定のために、回転多面鏡52を回転させるモータの回転体にタコジェネレータ(図示省略)を設けている。回転多面鏡駆動回路56では、回転検出回路56Aにおいて、このタコジェネレータの出力をコンパレータ(図示省略)により所定電圧と比較し、モータの回転数が所定値以上になればコンパレータの出力がLレベルになるようにし、このコンパレータの出力信号を回転検出信号READYとして用いるようになっている。
【0049】
なお、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かの判定には、タコジェネレータを用いなくてもよく、従来公知の各種技術を適用可能である。例えば、回転多面鏡52の回転に伴って変化する当該回転多面鏡52を回転させるモータの駆動電流を電流電圧変換し、タコジェネレータの出力信号の代わりに用いることでも、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かを判定することができる。また、PLL制御に用いるホール素子の検出信号の信号周期により、回転多面鏡52の回転が基準速度に達したか否かを判定してもよい。
【0050】
この回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端は、システムコントローラ70ではなく、レーザ駆動回路54と接続されており、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYはレーザ駆動回路54へ入力されるようになっている。すなわち、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYは、システムコントローラ70とは非接続、すなわちシステムコントローラ70から独立した信号線57により、レーザ駆動回路54へ伝送されるようになっている。
【0051】
また、システムコントローラ70は、制御信号として、レーザ駆動回路54に対しては、光量制御開始信号PCONT、光量設定基準信号Vref、画像情報信号DATA、及びレーザ光の点灯許可信号ENABLEを送信する。
【0052】
レーザ駆動回路54は、光量制御回路(図示省略)を備えている。レーザ駆動回路54は、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTを受けて、光量制御回路によるLD50の光量制御を実行する。すなわち、LD50を点灯させて、当該LD50の出力光量が光量設定基準信号Vrefによって定められる所定の設定光量になるように、LD50へ供給する駆動電流値を調整して、出力光量を制御する。レーザ駆動回路54は、LD50の出力光量が設定光量となったら、モニタ信号MONITORをシステムコントローラ70へ出力する。システムコントローラ70は、このモニタ信号MONITORを受けて、初期光量設定が完了した判定する。
【0053】
また、レーザ駆動回路54は、システムコントローラ70からの画像情報信号DATAを受けて、画像情報信号DATAに基づいてLD50の点灯をON/OFFする。
【0054】
なお、このときシステムコントローラ70は、ビーム位置検出センサ64に光ビームが入射するタイミングで画像情報信号DATA又は光量制御開始信号PCONTを送出して、LD50を点灯させる。これにより、光ビームがビーム位置検出センサ64に入射され、ビーム位置検出センサ64から走査タイミング信号SOSが出力されて、システムコントローラ70に入力される。
【0055】
システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSにより光走査装置34による光ビームの1走査毎の走査開始タイミングを認識し、走査タイミング信号SOSと同期させて、画像情報DATAを送出することで、感光体上の所定位置に画像を形成する。また、システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSの入力周期により回転多面鏡52の回転速度を把握することもできる。
【0056】
また、レーザ駆動回路54は、禁止手段として、静止光防止回路80を備えており、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY、及びシステムコントローラ70からのレーザ光の点灯許可信号ENABLEは、この静止光防止回路80に入力されるようになっている。すなわち、レーザ駆動回路54には、点灯信号ENABLEの入力端に静止光防止回路80が設けられている。
【0057】
静止光防止回路80は、入力された回転検出信号READYに基づいて、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLEの入力をON/OFF切換えるものである。すなわち、レーザ駆動回路54では、回転検出信号READYをスイッチング信号として、静止光防止回路80により、点灯許可信号ENABLEの入力がON/OFF切換え制御されることになる。
【0058】
以下では、システムコントローラ70から出力された状態の点灯許可信号をENABLE_1、静止光防止回路80から出力される点灯許可信号をENABLE_2と区別して説明する。
【0059】
詳しくは、静止光防止回路80は、入力された回転検出信号READYがアクティブレベルのときに、入力された点灯許可信号ENABLE_1をそのままENABLE_2として出力し、入力された回転検出信号READYがノンアクティブレベルのときは、点灯許可信号ENABLE_1の状態に係わらず、ENABLE_2をノンアクティブレベルとする。これにより、入力された点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルで、且つ入力された回転検出信号READYのときのみ、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルとなる。
【0060】
具体的に、本実施の形態では、回転検出信号READY、点灯許可信号ENABLEのアクティブレベルがLレベルであり、静止光防止回路80として、入力された点灯許可信号ENABLE_1及び回転検出信号READYを反転した後AND演算を行い、AND演算結果を反転させて点灯許可信号ENABLE_2として出力する回路を用いている。
【0061】
レーザ駆動回路54では、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルのときのみLD50の点灯が許可されるようになっており、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTや、画像情報信号DATAによるLDの点灯指令に応じてLD50を点灯する。点灯許可信号ENABLE_2がノンアクティブレベルのときは、システムコントローラ70からの光量制御開始信号PCONTや、画像情報信号DATAによりLDの点灯指令がなされてもLD50の点灯は許可されず、システムコントローラ70によるLD50の点灯制御は無効になる。
【0062】
次に、図4を参照して、本実施の形態の作用を説明する。図4は、システムコントローラ70、回転多面鏡駆動回路56、及びレーザ駆動回路54における各種制御信号のタイミングチャートを示している。
【0063】
画像記録装置10は、図示しない操作手段の操作によりオペレータから画像形成指示が入力されたり、図示しないネットワークを介してPCなどから画像形成指示が入力されると、まず、システムコントローラ70により、回転多面鏡駆動回路56への回転信号STARTがアクティブレベルにされて、所定周波数のパルス信号であるクロック信号CLOCKの供給が開始される。また、同時に、レーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLE_1、光量制御開始信号PCONTがアクティブレベルにされて、所定の光量設定値に相当する光量設定基準信号Vrefの供給が開始される(矢印T1)。
【0064】
このとき、回転検出信号READYはノンアクティブレベルであるため、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80では、点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルにされても、点灯許可信号ENABLE_2はアクティブレベルされず、LD50の点灯は不許可状態である(点灯禁止)。したがって、システムコントローラ70が光量制御開始信号PCONTをアクティブレベルにして、LD50を点灯するように制御しても、当該制御は無効となり、LD50は点灯されない。
【0065】
回転多面鏡駆動回路56では、回転信号STARTがアクティブレベルになると、回転多面鏡52の回転を開始し、クロック信号CLOCKに応じた回転速度になるように回転速度を除々に上げていく。
【0066】
そして回転多面鏡52の回転速度が基準速度になったら、回転多面鏡52が回転状態であるとして、回転多面鏡駆動回路56から回転検出信号READYをアクティブレベルにする(矢印T2)。
【0067】
この回転検出信号READYをアクティブレベルに切換え後も、回転多面鏡駆動回路56では、回転多面鏡52の回転制御を継続し、回転多面鏡52をクロック信号CLOCKに応じた回転速度で定速回転させるようになっている。
【0068】
回転検出信号READYがアクティブレベルになると、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80では、点灯許可信号ENABLE_1と回転検出信号READYの両者がアクティブレベルになるので、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルに切換えられる。これにより、LD50の点灯が許可される。
【0069】
その後は、光量制御開始信号PCONTがアクティブレベルであるので、レーザ駆動回路54は、LD50の点灯を開始して、光量設定基準信号Vrefに応じた光量となるようにLD50の出力光量制御を開始し、光量設定基準信号Vrefに応じた光量となったら、モニタ信号MONITORを出力する(矢印T3)。システムコントローラ70は、レーザ駆動回路54からのモニタ信号MONITORを受けて、初期光量設定が完了したとして、光量制御開始信号PCONTをノンアクティブレベルに戻す。
【0070】
なお、初期光量設定では、光量設定基準信号Vrefは、LD50からの出力光がビーム位置検出センサ64で検出可能な光量(すなわち走査タイミング信号SOSを出力可能な光量)になるように設定されている。
【0071】
この初期光量設定後は、システムコントローラ70により、ビーム位置検出センサ64に光ビームが入射するタイミングで画像情報信号DATA(光量制御開始信号PCONTをアクティブレベルにしてもよい)が出力される。これを受けてレーザ駆動回路54によりLD50が点灯され、LD50から出力された光ビームは回転多面鏡52による反射により走査されて、1走査毎に走査開始端位置に相当する光ビームがビーム位置検出センサ64に入射し、走査タイミング信号SOSが出力されることになる。
【0072】
システムコントローラ70は、この走査タイミング信号SOSの信号周期(SOS周期)に基づいて、回転多面鏡52がクロック信号CLOCKに応じた所定速度で定速回転されているか否かを判断する。なお、このとき、所定時間経過しても、回転多面鏡52の回転が所定速度での定速回転に達しない場合には、回転多面鏡52の異常として、処理を中止する。
【0073】
その後は図示省略するが、システムコントローラ70は、回転多面鏡52の回転が所定速度での定速回転に達したと判断したら、走査タイミング信号SOSに同期させて、画像情報信号DATAの出力を開始する。これにより、レーザ駆動回路54により、画像情報信号DATAに基づいてLD50が点灯され、画像データに基づいて変調された光ビームが走査しながら感光体に照射され、感光体32の所定の位置に画像情報が記録されることになる。なお、SOS信号と同期させて、光ビームが感光体32の画像形成領域外を走査しているタイミングで光量制御開始信号PCONTをアクティブにし、1走査毎に光ビームを光量設定基準信号Vrefにより定まる所定光量となるように光量制御を行いながら、画像情報の記録を行うようにするとよい。このときの光量設定基準信号Vrefの値は、初期光量設定時と異なってもよい。
【0074】
このように、本実施の形態では、回転多面鏡駆動回路56の回転検出信号READYの出力端をレーザ駆動回路54とのみ接続し、回転多面鏡駆動回路56から出力された回転検出信号READYが、システムコントローラ70とは非接続の信号線57により、レーザ駆動回路54の静止光防止回路80へ伝送されるようにした。静止光防止回路80では、システムコントローラ70からの点灯許可信号ENABLE_1がアクティブレベルであっても、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READYがアクティブレベルにならない限り、すなわち回転多面鏡52が回転状態にならない限り、点灯許可信号ENABLE_2がアクティブレベルにならず、LD50の点灯が許可されないようにした。
【0075】
これにより、静止光防止回路80に入力される回転検出信号READYは、システムコントローラ70の影響を受けることがなく、実際に検出された回転多面鏡52の回転状態(回転中/停止中)を示すものとなるので、回転多面鏡52の停止時は、LD50の点灯を確実に禁止することができる。したがって、強度な静止光が感光体32に照射されたり、オペレータがトップカバー12Aを開けたときに外部に静止光が照射されるのを防止することができる。
【0076】
特に、本実施形態のようにシステムコントローラ70を単一の集積回路で構成した場合、システムコントローラ70の故障により、回転多面鏡52の停止時にシステムコントローラ70が暴走して、不正な光量制御開始信号PCONTや画像情報信号DATAによりレーザ点灯指令がレーザ駆動回路54へ送出されることがある。このような場合にも、静止光防止回路80に入力される回転検出信号READYは、システムコントローラ70の暴走に影響されず、ノンアクティブレベルで回転多面鏡52が停止していることを示しているため、LD50が点灯されることはなく、静止光の感光体32やオペレータへの照射を防止することができる。
【0077】
なお、上記では、システムコントローラ70からレーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLEの入力端に静止光防止回路80を設け、システムコントローラ70からレーザ駆動回路54への点灯許可信号ENABLEの入力を回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY信号に応じてON/OFFすることで、回転多面鏡52が回転状態にあるときのみLD50の点灯を許可し、回転多面鏡52の停止時はLD50の点灯が禁止されるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。図5に示すように、低電圧電源72からレーザ駆動回路54への電源供給線上に、静止光防止回路80を設け、回転多面鏡駆動回路56からの回転検出信号READY信号に応じて、LD50を点灯するためのレーザ駆動回路54への電源供給路を遮断することでLD50の点灯を禁止する構成にしてもよい。
【0078】
また、上記では、走査光であれば強度が弱いので人体への照射を許容する場合を説明したが、強度が弱くても光ビームの人体への照射は防止することが好ましい。このため、例えば図1の点線に示すように画像記録装置10にトップカバー12Aの開閉を検知するインターロックスイッチ100をさらに設け、トップカバー12Aが開状態のときにはインタークロックスイッチ100により低電圧電源72からレーザ駆動回路54への電源供給が遮断されるようにするなどして、トップカバー12Aが開けられたときにLD50を消灯させるようにしてもよい。これにより、強度の強い静止光に加え、強度の弱い走査光についても人体へ照射されるのを防止することができる。
【0079】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、制御手段の故障によっても静止光の人体及び感光体への照射を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る画像記録装置の光走査装置及びその周辺の構成を詳細に示す図である。
【図3】本実施の形態に係る画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る画像記録装置における各種制御信号のタイミングチャートである。
【図5】別の実施の形態に係わる画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【図6】インターロックスイッチを用いた画像記録装置の光走査装置及びその周辺の構成を詳細に示す図である(従来技術)。
【図7】図6の画像記録装置の電気系の構成を示すブロック図である(従来技術)。
【符号の説明】
10 画像記録装置
12 ケーシング
12A トップカバー
32 感光体
34 光走査装置
50 LD
52 回転多面鏡
54 レーザ駆動回路
56 回転多面鏡駆動回路
57 信号線
64 ビーム位置検出センサ
70 システムコントローラ
72 低電圧電源
80 静止光防止回路
CLOCK クロック信号
DATA 画像情報信号
ENABLE 、ENABLE_1、ENABLE_2 点灯許可信号
MONITOR モニタ信号
PCONT 光量制御開始信号
READY 回転検出信号
SOS 走査タイミング信号
START 回転信号
Vref 光量設定基準信号
Claims (5)
- 光ビームを出力する光源と、前記光源から出力された光ビームを所定方向に沿って偏向し、感光体上を走査させる偏向手段と、前記光源及び前記偏向手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段の制御により、前記感光体に画像データに基づいて光ビームを照射させて、前記感光体に画像を記録する画像記録装置であって、
前記偏向手段の動作状態を検出する検出手段と、
前記制御手段から独立した信号路を介して前記検出手段による検出信号が入力され、前記偏向手段が停止中であることを示す前記検出信号の入力時は、前記光源の駆動を禁止する禁止手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。 - 前記禁止手段は、前記制御手段による前記光源の駆動制御を無効にする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記禁止手段は、前記光源を駆動するための電源供給路を遮断する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記光ビームの走査位置を検出するビーム位置検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記ビーム位置検出手段による前記光ビームの検出周期に基づいて、前記偏向手段の駆動が前記画像の記録に適しているか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像記録装置。 - 前記制御手段が、単一の集積回路で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像記録装置。
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-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003071811A patent/JP2004279787A/ja active Pending
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