JP2004279063A - 接触燃焼式水素センサの較正方法 - Google Patents

接触燃焼式水素センサの較正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度調整やゼロ点調整等の較正処理以後の実装状態でゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制する。
【解決手段】大気雰囲気中の水素センサに通電を開始し(ステップS01)、所定水素濃度(例えば、100%)のエージング用水素ガスを水素センサのガス検出室内に吹き付ける(ステップS02)。エージング用水素ガスの吹き付けを開始してから所定時間(例えば、5秒等)が経過したか否かを判定し、経過したと判定された場合には、エージング用水素ガスの吹き付けを終了する(ステップS04)。エージング処理の実行後、例えば水素センサを較正用容器内に装着し、ゼロを含む既知濃度の較正用水素ガスを較正用容器内に充填して、水素センサのゼロ点調整や感度調整等を行い(ステップS06)、一連の処理を終了する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池車両等に搭載される接触燃焼式水素センサの較正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、被検出ガスが白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗値の差異に応じて、被検出ガスの濃度を検出する接触燃焼式のガスセンサが知られている。
そして、このような接触燃焼式のガスセンサに具備される触媒を活性化させる方法として、例えばパラジウムを含む触媒粉末に所定ガス雰囲気中で加熱処理を行うことで触媒粉末の残留塩素を除去すると共に、加熱処理後の触媒を具備するガス検出素子に所定ガスを含む空気中で所定時間に亘って所定電圧を印加する通電エージングを行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、接触燃焼式のガスセンサの所望の被検出ガスに対するガス選択性を向上させる方法として、例えばパラジウムを含む触媒を具備するガス検出素子に所定ガス雰囲気中で加熱処理を行うことで触媒中の残留塩素を除去すると共に触媒金属を還元し、さらに、酸素または空気中で所定時間に亘る加熱処理を行うことで触媒金属を酸化し、所望の被検出ガスに対する酸化燃焼能力を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−318582号公報
【特許文献2】
特開平10−73557号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような接触燃焼式のガスセンサのうち水素ガスを検出対象とする接触燃焼式水素センサは、通電状態で所定濃度(例えば、雰囲気ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率として数%等)の水素ガスに曝されることで検出基準値、いわゆるゼロ点がずれてしまったり、感度低下や感度上昇等の感度変化が生じる場合があり、水素ガス濃度を精度良く検出することが困難になる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、感度調整やゼロ点調整等の較正処理以後の実装状態でゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制し、水素ガス濃度を精度良く検出することが可能な接触燃焼式水素センサの較正方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の接触燃焼式水素センサの較正方法は、検出素子の触媒に接触する水素ガスの燃焼に応じて生じる前記検出素子と補償素子との電気抵抗値の差異に基づき水素濃度を検出する接触燃焼式水素センサの較正方法であって、前記検出素子および前記補償素子に通電した状態で所定時間に亘って所定水素濃度のエージング用ガスを供給した(例えば、実施の形態でのステップS01〜ステップS05)後に、既知水素濃度の較正用ガス雰囲気中にて較正を行う(例えば、実施の形態でのステップS06)ことを特徴としている。
【0006】
上記の接触燃焼式水素センサの較正方法によれば、既知水素濃度の較正用ガスによって接触燃焼式水素センサの感度調整や検出基準点(いわゆるゼロ点)の調整等の較正を行う前段階において、所定水素濃度のエージング用ガスを例えば水素濃度に応じた所定時間に亘って通電状態の検出素子および補償素子に供給することで、予め適宜の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させることができ、例えば感度調整やゼロ点調整の較正処理以後の実装状態で接触燃焼式水素センサのゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制することができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明の接触燃焼式水素センサの較正方法は、前記所定水素濃度は前記エージング用ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が10〜100%となる濃度であり、前記所定時間は1秒〜3分であることを特徴としている。
【0008】
上記の接触燃焼式水素センサの較正方法によれば、エージング用ガスの供給を継続する時間が過剰に長くなることを防止して、所望の程度のゼロ点変動や感度変化を容易かつ効率よく発生させることができる。
ここで、所定水素濃度が、エージング用ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が10%未満となる濃度になると、所望の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させるために要する時間が過剰に長くなってしまうという問題が生じる。
また、所定時間が1秒未満であると、所望の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させることが困難となり、一方、所定時間が3分を超えると、不必要にエージング用ガスを供給することになり、効率よくエージング処理を行うことができなくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る接触燃焼式水素センサの較正方法について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る接触燃焼式水素センサは、例えば図1に示すように、燃料電池車両等の車両1の車室内においてゼロを含む所定濃度の水素を検出する水素センサ11aや、例えば図2に示すように、制御装置2と、記憶装置3と、警報装置4と、車両1の動力源とされる燃料電池5と、燃料電池5に接続された各配管6,7,8,9とを備える燃料電池システム10において、酸素極側の出口側配管9に具備される水素センサ11bとされている。
【0010】
なお、制御装置2は、例えば、車両1のルーフ1aに取り付けられた水素センサ11aおよび燃料電池5の酸素極側の出口側配管9に取り付けられた水素センサ11bに接続され、各水素センサ11a,11bから出力される検出信号と、記憶装置3に格納されている所定の判定閾値との比較結果に応じて、燃料電池5の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態であると判定した際には、警報装置4によって警報等を出力する。ここで、記憶装置3は、各水素センサ11a,11bの検出値(出力)に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶している。
【0011】
燃料電池5は、例えば電気自動車等の動力源として車両1に搭載されており、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管6から供給された水素などの燃料ガスにより、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管7を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管8、9から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
この出口側配管9の鉛直方向上部に水素センサ11bが配置され、酸素極側の出口側配管9内を流通するオフガス中に含まれる、ゼロを含む所定濃度の水素を検知できるようになっている。
【0012】
各水素センサ11a,11bは、例えば車両1のルーフ1aの前後方向つまり水平方向や、燃料電池5の出口側配管9の長手方向に沿って長い直方形状のケース21を備えている。
図3に示すように、ケース21は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部22を備えている。フランジ部22にはカラー23が取り付けられており、このカラー23内にボルト24が挿入されることで、フランジ部22は、ルーフ1aに設けられた取付座(図示略)や、例えば図4に示すように、酸素極側の出口側配管9に設けられた取付座25に締め付け固定されるようになっている。
【0013】
また、例えば図4に示すように、ケース21の厚さ方向の端面には筒状部26が形成され、筒状部26の内部はガス検出室27とされ、ガス検出室27の内部側面には、内側に向かってフランジ部28が形成され、フランジ部28の内周部分がガス導入部29として開口形成されている。
そして、例えば図4に示すように、酸素極側の出口側配管9に取り付けられる水素センサ11bにおいて、筒状部26は酸素極側の出口側配管9の貫通孔9aに外側から挿通されている。この水素センサ11bにおいては、筒状部26の外周面にシール材35が取り付けられ、このシール材35が出口側配管9の貫通孔9aの内周壁に密接して気密性を確保している。
【0014】
なお、ルーフ1aに設けられた水素センサ11aは、筒状部26の先端面がルーフ1aとほぼ面一となるように設置されており、酸素極側の出口側配管9に設けられた水素センサ11bは、筒状部26の先端面が酸素極側の出口側配管9の内面とほぼ面一となるように設置されている。
【0015】
ケース21内には樹脂で封止された回路基板30が設けられ、筒状部26の内部に配置された検出素子31および温度補償素子32は回路基板30に接続されている。そして、各素子31,32は回路基板30に接続された複数、例えば4個のピン33により、ガス検出室27の底面27A上に配置されたベース34から各水素センサ11a,11bの厚さ方向に所定距離だけ離間した位置において、所定間隔を隔てて対をなすようにして配置されている。
【0016】
検出素子31は周知の素子であって、例えば図5に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル31aの表面が、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属(例えば、パラジウム)等からなる触媒31bを坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子32は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子31と同等のコイル32aの表面がアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子31の触媒31bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子31と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子31よりも低温の温度補償素子32との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
【0017】
例えば、検出素子31(抵抗値R4)及び温度補償素子32(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗41(抵抗値R1)及び固定抵抗42(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、外部の電源43から供給される電圧に基づいて所定の基準電圧を印加する基準電圧発生回路44に対して並列に接続されてなるブリッジ回路において、検出素子31と温度補償素子32同志の接続点PSと、固定抵抗41,42同志の接続点PRとの間に、これらの接続点PS,PR間の電圧を検出する検出回路45が接続されており、さらに、検出回路45には出力回路46が接続されている。
【0018】
ここで、ガス検出室27内に導入された検査対象ガス中に被検出ガスである水素が存在しないときには、ブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、検出回路45の出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子31の触媒31bにおいて水素が燃焼し、コイル31aの温度が上昇し、抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子32においては水素は燃焼せず、抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて検出回路45に、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が印加される。この検出回路45から出力される電圧の検出値は出力回路46へ出力され、出力回路46は入力された検出値を制御装置2へ出力する。そして、制御装置2においては、この電圧の検出値の変化に応じて、後述する較正処理によって予め設定された水素濃度のマップ等に基づき、水素濃度が算出される。
【0019】
次に、上述した本実施の形態の水素センサ11a,11bを較正する方法について説明する。
接触燃焼式水素センサは、例えば使用開始時の初期段階等において、定常的な通電状態で所定濃度(例えば、雰囲気ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が数%となる濃度、つまり数vol%等)の水素ガスに曝されることで検出基準値、いわゆるゼロ点がずれてしまったり、感度低下や感度上昇等の感度変化が生じる場合がある。
【0020】
従って、各水素センサ11a,11bを所望の位置に実装して定常的な検出を開始する際には、例えば既知水素濃度の較正用水素ガスによって各水素センサ11a,11bの感度調整等を行う前段階において、所定水素濃度のエージング用水素ガスを、水素濃度に応じた所定時間に亘って各水素センサ11a,11bのガス検出室27内に供給し、予め適宜の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させるエージング処理を行う。これにより、感度調整以後の実装状態で各水素センサ11a,11bのゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制することができる。
【0021】
ここで、所定水素濃度とは、例えば大気雰囲気中の各水素センサ11a,11bのガス検出室27内にエージング用水素ガスを吹き付ける際の濃度であって、この所定水素濃度は、少なくともエージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が10〜100%となる濃度、つまり10〜100vol%とされ、好ましくはエージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が60〜100%となる濃度、つまり60〜100vol%とされている。
この場合、各水素センサ11a,11bのガス検出室27内での水素ガスの濃度は、吹き付けられたエージング用水素ガスに含まれる水素ガスが大気で希釈された適宜の値となる。
なお、ガス検出室27内に吹き付けるエージング用水素ガスの所定水素濃度は、各水素センサ11a,11bに対して設定される所定の上限検出濃度よりも高い値の水素濃度であってもよい。
【0022】
また、所定時間とは、少なくとも1秒〜3分の範囲以内であって、好ましくは5秒程度とされている。
なお、エージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が10%未満となる濃度、つまり10vol%未満の低濃度の水素ガスでは所望の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させるために要する時間が過剰に長くなってしまうという問題が生じ、例えばエージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が1%程度となる濃度、つまり1vol%程度の水素ガスでは、数時間程度の長時間に亘ってガス検出室27内に水素ガスを供給する必要が生じる。
【0023】
すなわち、各水素センサ11a,11bの較正処理では、先ず、図6に示すステップS01において、例えば大気雰囲気中の各水素センサ11a,11bに通電を開始する。
次に、ステップS02においては、所定水素濃度(例えば、100vol%等)のエージング用水素ガスを大気雰囲気中の各水素センサ11a,11bのガス検出室27内に吹き付ける。
そして、ステップS03においては、エージング用水素ガスの吹き付けを開始してから所定時間(例えば、5秒等)が経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
【0024】
ステップS04においては、エージング用水素ガスの吹き付けを終了する。
そして、ステップS05においては、各水素センサ11a,11bへの通電を終了する。
これにより、例えば図7に示すように、エージング用水素ガスの吹き付け以前における各水素センサ11a,11bの感度特性(図7に示す1点鎖線A)に比べて、ゼロ点位置が高濃度側に変動すると共に、相対的に低濃度の水素ガス濃度に対する感度が上昇した感度特性(図7に示す2点鎖線B)が得られる。
このエージング処理でのゼロ点変動や感度変化は、例えばエージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率として0〜10000ppmの濃度において、出力が0〜3000ppm程度変化する。
【0025】
そして、ステップS06においては、例えば各水素センサ11a,11bを較正用容器(図示略)内に装着し、ゼロを含む既知濃度の較正用水素ガスを較正用容器内に充填して、各水素センサ11a,11bのゼロ点調整や感度調整等を行い、一連の処理を終了する。
これにより、エージング処理によって生じたゼロ点変動や感度変化等を含む感度特性(図7に示す2点鎖線B)は、例えば図8に示すように、水素ガス濃度と出力とが同等の値となるように適切に対応した所定の感度特性(図8に示す実線C)へと調整される。
【0026】
以下に、既知水素濃度の較正用水素ガスによって各水素センサ11a,11bの感度調整等を行う前段階において、エージング処理として、大気雰囲気中の各水素センサ11a,11bのガス検出室27内にエージング用水素ガスを吹き付ける際に、水素ガスの濃度つまりエージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率を変化させて各水素センサ11a,11bの出力変動を検出した実施例について説明する。
【0027】
この実施例では、例えば、エージング用水素ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が適宜の初期値となる初期濃度から100%に亘る複数の異なる濃度のエージング用水素ガスを大気雰囲気中で通電状態の各水素センサ11a,11bのガス検出室27内に所定時間に亘って吹き付けるエージング処理の実行前後において、既知濃度の水素ガスによって各水素センサ11a,11bの感度特性を検出した。
そして、検出した感度特性における所定の低濃度値および高濃度値に対し、エージング処理の実行前後での感度(各水素センサ11a,11bの出力)の変動を検出した。
出力変動の検出結果を図9に示した。
【0028】
図9において、所定の高濃度値での出力P1は、エージング用水素ガスの濃度が20%程度以上となった場合に変動量が増大していることがわかる。
また、所定の低濃度値での出力P2は、エージング用水素ガスの濃度が60%程度以上となった場合に変動量が増大していることがわかる。
なお、上述したように、各水素センサ11a,11bのガス検出室27内での水素ガスの濃度は、ガス検出室27内に吹き付けられたエージング用水素ガスの水素濃度が大気で希釈された適宜の値となる。
【0029】
上述したように、本実施の形態による接触燃焼式水素センサの較正方法によれば、既知水素濃度の較正用水素ガスによって各水素センサ11a,11bのゼロ点調整や感度調整等を行う前段階において、エージング処理を行うことにより、ゼロ点調整および感度調整以後の実装状態で各水素センサ11a,11bのゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制することができる。
【0030】
なお、上述した本実施の形態においては、各素子31,32を接続してなる回路をブリッジ回路としたが、これに限定されず、例えば直列回路等のその他の回路であってもよく、検出素子31の抵抗値R4に関連した状態量として、所定接点間の電圧や電流の検出値が制御装置2へ出力されてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の接触燃焼式水素センサの較正方法によれば、予め適宜の程度のゼロ点変動や感度変化を発生させることができ、例えば感度調整やゼロ点調整の較正処理以後の実装状態で接触燃焼式水素センサのゼロ点変動や感度変化が生じてしまうことを抑制することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の接触燃焼式水素センサの較正方法によれば、エージング用ガスの供給を継続する時間が過剰に長くなることを防止して、所望の程度のゼロ点変動や感度変化を容易かつ効率よく発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水素センサを備える車両の要部構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る水素センサを備える燃料電池システムの要部構成図である。
【図3】図1または図2に示す水素センサの断面図である。
【図4】図3に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図5】図1または図2に示す水素センサの回路図である。
【図6】図1または図2に示す水素センサを較正する方法を示すフローチャートである。
【図7】エージング処理の実行前後における水素センサの感度特性の変化を示すグラフ図である。
【図8】エージング処理の実行後における感度調整後の水素センサの感度特性の変化を示すグラフ図である。
【図9】エージング処理の実行前後において、既知濃度の水素ガスによって検出した感度特性における所定の低濃度値および高濃度値に対する水素センサの出力の変動を示すグラフ図である。
【符号の説明】
11a,11b 水素センサ
31 検出素子
32 温度補償素子(補償素子)

Claims (2)

  1. 検出素子の触媒に接触する水素ガスの燃焼に応じて生じる前記検出素子と補償素子との電気抵抗値の差異に基づき水素濃度を検出する接触燃焼式水素センサの較正方法であって、
    前記検出素子および前記補償素子に通電した状態で所定時間に亘って所定水素濃度のエージング用ガスを供給した後に、既知水素濃度の較正用ガス雰囲気中にて較正を行うことを特徴とする接触燃焼式水素センサの較正方法。
  2. 前記所定水素濃度は前記エージング用ガスの全体積中における水素ガスの体積の比率が10〜100%となる濃度であり、
    前記所定時間は1秒〜3分であることを特徴とする請求項1に記載の接触燃焼式水素センサの較正方法。
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