JP2004276883A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを防止することが可能な車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】制御装置100は、内気圧センサ40が検出する車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、空調ユニット20の外気導入経路および排気ユニット30の内気排出経路を遮断し、車室内を車室外に対し気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止する。そして所定時間経過した後、両経路を徐々に開放し、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させる。これにより、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】制御装置100は、内気圧センサ40が検出する車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、空調ユニット20の外気導入経路および排気ユニット30の内気排出経路を遮断し、車室内を車室外に対し気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止する。そして所定時間経過した後、両経路を徐々に開放し、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させる。これにより、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関し、特に車室内の空気の圧力を調節する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された車両用空調装置がある。この車両用空調装置では、乗員の居眠り防止等を目的として、車室内の気圧が所定の閾値を超えた場合には、ブロワ等を作動制御し、車室内の気圧を前記閾値にまで戻すようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−191261号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術の車両用空調装置では、車室内の気圧は所定の閾値を超えた場合にのみ調節され、車室内の気圧の変化の度合に関しては考慮されていない。したがって、車室内の気圧が急激に変化した場合には、乗員が気圧変動による耳詰まり等により不快を感じる場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであって、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを防止することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
車室内の気圧を検出する内気圧検出手段(40)と、
車室内の気圧の変動を抑止する内気圧変動抑止手段(22a、32)と、
内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したときには、内気圧変動抑止手段(22a、32)が車室内の気圧の変動を抑止する気圧変動抑止状態を形成するように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御する制御手段(100)とを備えることを特徴としている。
【0007】
これによると、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化することを検出した場合には、車室内の気圧の変動を抑制することができる。したがって、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを防止することが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、内気圧検出手段(40)は、車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)とすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、内気圧検出手段(50)は、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)とし、制御手段(100)は、外気圧センサ(50)が検出する車室外の気圧を車室内の気圧として、内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することができる。
【0010】
これによると、内気圧センサを用いなくとも、車室内の気圧の変動を抑制することが可能である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明では、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化して、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とした後に、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に徐々に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0012】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止しているときに、車室外の気圧と車室内の気圧とに差が発生したとしても、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。このようにして、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを確実に防止することが可能である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項3に記載の発明において、内気圧検出手段(40)は、車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)とすることができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、内気圧検出手段(50)は、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)とし、制御手段(100)は、外気圧センサ(50)が検出する車室外の気圧を車室内の気圧として、内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することができる。
【0015】
これによると、内気圧センサを用いなくとも、車室内の気圧の変動を抑制した後、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが可能である。
【0016】
また、請求項7に記載の発明では、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、所定時間経過した後に、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0017】
これによると、車室内の気圧の変動の抑止を所定時間継続して、車室外の気圧の変動が減少している可能性が大きいときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明では、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、外気圧センサ(50)が検出する気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0019】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止し、車室外の気圧の変動が減少したときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0020】
また、請求項9に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、内気圧センサ(40)が検出する気圧と外気圧センサ(50)が検出する気圧との差が所定値以下となったときに、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0021】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止し、車室内の気圧と車室外の気圧とが所定値以内に近づいているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0022】
また、請求項10に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、32)は、車室内を車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、車室内が気密状態となるように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0023】
これによると、車室内を車室外に対し気密状態とすることで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0024】
また、請求項11に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、32)は、車室内を車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、車室内が気密状態となるように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内の気密状態を徐々に解除するように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0025】
これによると、車室内を気密状態とすることで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室内の気密状態を徐々に解除することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0026】
また、請求項12に記載の発明では、
車室内に車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
気密状態形成手段(22a、32)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を形成することを特徴としている。
【0027】
これによると、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を閉じることで、容易に車室内を気密状態とすることが可能である。
【0028】
また、請求項13に記載の発明では、
車室内に車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
気密状態形成手段(22a、32)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を形成した後に、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態から徐々に開状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0029】
これによると、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を閉じることで、容易に車室内を気密状態とした後に、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を徐々に開くことで、容易に車室内の気密状態を解除することが可能である。
【0030】
また、請求項14に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、27)は、車室外から車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0031】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、吸気送風手段(22a、27)により車室外から車室内への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0032】
また、請求項15に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、27)は、車室外から車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室外から車室内への送風量を徐々に減少するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0033】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、吸気送風手段(22a、27)により車室外から車室内への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室外から車室内への送風量を徐々に減少することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0034】
また、請求項16に記載の発明のように、
空調ケース(20a)を備え、吸気送風手段(22a、27)は、空調ケース(20a)に設けられ空調ケース(20a)内に導入される空気を車室内の空気もしくは車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、空調ケース(20a)内に設けられ空調ケース(20a)内に導入された空気を車室内に送風する送風機(27)とからなり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、導入される空気を車室外の空気とするように内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、送風機(27)を作動制御することで、車室外から車室内へ空気を送風することができる。
【0035】
また、請求項17に記載の発明のように、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
吸気送風手段(33)は、内気排出路(31)内に設けられ車室内から車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、排出送風機(33)を逆転運転することで、車室外から車室内へ空気を送風することができる。
【0036】
また、請求項18に記載の発明では、請求項16に記載の発明において、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
内気圧変動抑止手段(22a、27、32)は、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)を有し、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、内気排出路(31)が閉状態となるように排出路開閉手段(32)を作動制御することを特徴としている。
【0037】
これによると、内外気切替手段(22a)および送風機(27)の制御による車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。
【0038】
また、請求項19に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(33)は、車室内から車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0039】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排気送風手段(33)により車室内から車室外への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0040】
また、請求項20に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(33)は、車室内から車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内から車室外への送風量を徐々に減少するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0041】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排気送風手段(33)により車室内から車室外への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室内から車室外への送風量を徐々に減少することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0042】
また、請求項21に記載の発明のように、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、排気送風手段(33)は、内気排出路(31)内に設けられ車室内から車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排出送風機(33)を作動制御することで、車室内から車室外へ空気を送風することができる。
【0043】
また、請求項22に記載の発明のように、
空調ケース(20a)を備え、排気送風手段(22a、27)は、空調ケース(20a)に設けられ空調ケース(20a)内に導入される空気を車室内の空気もしくは車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、空調ケース(20a)内に設けられ空調ケース(20a)内に導入された空気を車室内に送風するための送風機(27)とからなり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、導入される空気が車室外の空気となる側に内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、送風機(27)を逆転運転することで、車室内から車室外へ空気を送風することができる。
【0044】
また、請求項23に記載の発明では、請求項21に記載の発明において、
車室外の空気を車室内に導入するための外気導入路(20a、21a)を備え、
内気圧変動抑止手段(22a、33)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)を有し、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、外気導入路(20a、21a)が閉状態となるように導入路開閉手段(22a)を作動制御することを特徴としている。
【0045】
これによると、排出送風機(33)の制御による車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。
【0046】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0048】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態における車両用空調装置10の概略構成を示す模式図であり、図2は、車両用空調装置10の空調ユニット20の概略構成図、図3は、車両用空調装置10の排気ユニット30の概略構成図である。
【0049】
図1に示すように、車両用空調装置10は、車室内を空調するための空調ユニット20、車室内の空気を車室外に排出するための排気ユニット30、および車室内に設けられ車室内の気圧を検出するための内気圧検出手段としての内気圧センサ40を備えている。
【0050】
空調ユニット20は、車室内前方のインストルメントパネル前方側に配置されており、図2に示すように、空調ユニット20の空調ケース20a内の最上流側には内外気切替ドア22aが設置されている。この内外気切替ドア22aは、内外気モードを形成するものであり、外気導入口21aと内気導入口21bとが分かれた部分に配置され、図示しないアクチュエータにより回動し、空調ユニット20内に導入する空気の内気と外気の割合を選択する内外気切替手段である。
【0051】
ブロワモータ24とこれに固定されたファン23とからなる送風手段である送風機27は、空調ユニット20内に空気を吸い込んで、空調ユニット20の下流側、更に車両の車室内に送風するものであり、送風機27の下流には、エバポレータ25とヒータコア26が設けられている。
【0052】
エバポレータ25は図示しないコンプレッサ等と結合され、冷凍サイクルを構成し、通過する空気を冷却する。ヒータコア26は図示しないエンジン冷却水が内部を循環し、自身を通過する空気を加熱する。
【0053】
ヒータコア26の上流側にはエアミックスドア22bが設けられており、エアミックスドア22bの開度は図示しないアクチュエータにより調節される。これによってヒータコア26を通過する空気とヒータコア26をバイパスする空気の割合とが調整され、最下流の車室内に吹き出す空気の温度がコントロールされる。空気の温度は、エアミックスドア22bの開度が小さい程低下し冷風となる。
【0054】
空調ユニット20の最下流には、吹出モードを形成するためのデフロスタドア22c、フェイスドア22d、およびフットドア22eが設けられている。そして、温度コントロールされた空気は、これら各ドア22c、22d、22eを図示しないアクチュエータにより作動させることによって、各吹出モードにて吹き出される。
【0055】
排気ユニット30は、車室内後部側方のドアトリム内に配置されており、図3に示すように、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路としての排気ダクト31を備えている。この排気ダクト31内には、この排気ダクト31内を介して排出される内気量を調節するために、この経路を開閉する排出路開閉手段としての排出路開閉ドア32が設けられ、排出路開閉ドア32の開度は図示しないアクチュエータにより調節される。
【0056】
送風機27の送風量および各種ドア22a、22b、22c、22d、22e、32の開度は、制御手段である制御装置100により制御される。具体的には、制御装置100からの出力信号に基づいて図示しない電圧コントローラおよびアクチュエータを介して制御される。制御装置100は、図示しない中央演算処理装置や記憶素子等を備え、それ自体は周知のコンピュータである。
【0057】
制御装置100には、車室内の空調に影響を及ぼす環境条件が、環境条件検出手段である図示しない内気温センサ、外気温センサ、水温センサ、日射センサ等より入力され、環境条件信号として読み込まれる。また、内気圧センサ40からの車室内の気圧情報が入力される。さらに、図示しない操作部からの出力信号が入力される。
【0058】
制御装置100は、上記の各センサや操作部等からの信号に基づいて、後述する手順にしたがって、送風機27や各種ドア22a、22b、22c、22d、22e、32等を制御するように構成されている。
【0059】
次に、上記構成に基づき車両用空調装置10の作動について説明する。図4は、制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、制御装置100は、車両のイグニッションスイッチがオンされると、まず、車両用空調装置10を通常運転する(ステップS100)。
【0061】
具体的には、図示しない内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、操作部等からの信号に基づいて、車室内への目標吹出温度を算出する。そして、予め設定された制御特性に基づいて、算出した目標吹出温度等に対応した吹出温度、内外気モード、吹出モードとなるように各種ドア22a、22b、22c、22d、22eの開度を制御する。
【0062】
また、目標吹出温度等に対応した吹出風量となるように送風機27を駆動制御する。このとき、排出路開閉ドア32は排気ダクト31内の経路を開いている。なお、送風量や各モードが図示しない操作部において手動選択されている場合は、選択された送風量やモードとなるように送風機27、各種ドア22a、22b、22c、22d、22eは制御される。
【0063】
ステップS100を実行したら、制御装置100は、内気圧センサ40からの情報に基づいて、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断する(ステップS200)。車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化していないと判断した場合は、ステップS100にリターンして車両用空調装置10の通常運転を継続する。
【0064】
車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したと判断した場合には、ステップS100において設定あるいは選択された内外気モードに係わらず、内外気切替ドア22aを、外気導入口21aを全閉し、内気導入口21bを全開するように制御する。また、排気ダクト31内の経路を全閉するように排出路開閉ドア32を制御して車室内外の通気を遮断する(ステップS300)。これにより、車室内は車室外に対し気密状態となり、車室外の気圧が変化したとしても、車室内の気圧が車室外の気圧に追従して変化し難い気圧変動抑止状態となる。
【0065】
ここで、外気導入口21aを有する空調ケース20aは、車室内に車室外の空気を導入するための本実施形態における外気導入路であり、内外気切替ドア22aは、外気導入路を開閉する本実施形態における導入路開閉手段である。また、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32は、本実施形態における気密状態形成手段であり、内気圧変動抑止手段である。
【0066】
ステップS300を実行したら、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32により車室内を車室外に対し気密状態としてから所定時間経過したか否か判断する(ステップS400)。所定時間経過するまではステップS300にリターンして車室内外の通気の遮断を継続する。
【0067】
内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32により車室内を車室外に対し気密状態としてから所定時間経過したと判断したら、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32を全回動可能量に対し極僅かな所定量回動し(ステップS500)、外気導入口21aおよび排気ダクト31a内の経路を僅かに開く。
【0068】
そして、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が、車両用空調装置10通常運転時の開度となるまでステップS500を繰り返し(ステップS600)、車室内の車室外に対する気密状態を徐々に解除して車室内の気圧を車室外の気圧に近づけていく。このようにして車室内の気圧変動抑止状態は徐々に解除される。内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が通常運転時の開度となったら終了し、通常運転制御に戻る。
【0069】
上述の構成および作動によれば、例えば車両の走行環境の変化(走行路の標高の急激な変化、トンネルへの進入)等により、車室外の気圧が変化し、これに伴なって車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、内外気切替ドア22aで外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32で排気ダクト31内を閉じることで、車室内を気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0070】
なお、このとき、空調ユニット20においては、通常運転状態から内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるように作動するだけであるので、内気循環により車室内の空調を継続することができる。
【0071】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。したがって、車室内の気圧の急激な変化により、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0072】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後、気密状態の解除を開始している。したがって、車室外の気圧の変動が減少あるいは終了している可能性が大きいときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけ、容易に車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0073】
図5は、本実施形態の車両用空調装置による車室内の気圧変動抑止効果を示すグラフである。区間Aでは、車両の走行に伴ない車室外の気圧が減少し、これに伴ない車室内の気圧も減少しているが、減少の度合が少ない(所定時間内に所定値以上変化していない)ので、車室内の気圧変動を抑止する制御は行なわれていない。
【0074】
区間Bにおいて、車室外および車室内の気圧が急激に減少(所定時間内に所定値以上減少)すると、内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32が排気ダクト31内経路を閉じることで、車室内を気密状態とする。これにより、区間Cに示すように車室内の気圧の変動が抑止され、車室内の気圧が略一定に保持される。
【0075】
車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、区間Dに示すように車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を徐々に低減し、比較的長時間を要して車室内の気圧が車室外の気圧に一致する。
【0076】
このように車室内の気圧が変化するので、車室外の気圧が急激に減少し続けるときに、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図6および図7に基づいて説明する。本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、車室内の気圧検出手段が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0078】
図6に示すように、本実施形態の車両用空調装置11は、内気圧センサを備えておらず、車室外に搭載され車室外の気圧を検出するための外気圧センサ50を備えている。そして、制御装置100には、外気圧センサ50からの車室外の気圧情報が入力されるようになっている。
【0079】
図5からも明らかなように、車両用空調装置が車室内の気圧変動を抑止する状態にないときには、車室外の気圧と車室内の気圧とは同等である。したがって、このようなときには、外気圧センサ50は車室内の気圧を検出するセンサとして機能する。外気圧センサ50は本実施形態における内気圧検出手段である。
【0080】
次に、上記構成に基づき車両用空調装置11の作動について説明する。図7は、制御手段である制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【0081】
図7に示すように、制御装置100は、ステップS100を実行したら、外気圧センサ50からの情報に基づいて、車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断する(ステップS210)。前述した理由により、ここでは、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断していることになる。
【0082】
車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化していないと判断した場合は、ステップS100にリターンして車両用空調装置10の通常運転を継続する。車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化したと判断した場合には、ステップS300へ進む。
【0083】
ステップS300を実行したら、外気圧センサ50からの情報に基づいて、車室外の気圧変化が所定時間当たり所定値以下であるか否か判断する(ステップS410)。所定時間当たりの気圧変化が所定値以下でないと判断した場合には、ステップS300にリターンして車室内外の通気の遮断を継続する。
【0084】
車室外の所定時間当たりの気圧変化が所定値以下であると判断した場合には、ステップS500、S600へと進む。
【0085】
上述の構成および作動によれば、車室外の気圧が変化し、これに伴なって車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、内外気切替ドア22aで外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32で排気ダクト31内を閉じることで、車室内を気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0086】
なお、このとき、空調ユニット20においては、通常運転状態から内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるように作動するだけであるので、内気循環により車室内の空調を継続することができる。
【0087】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。したがって、車室内の気圧の急激な変化により、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0088】
また、車室内を気密状態とし外気圧センサ50が検出する気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始している。したがって、車室外の気圧の変動が減少あるいは終了しているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけ、容易に車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0089】
(他の実施形態)
上記第1の実施形態では、車室内を気密状態とし所定時間経過した後、気密状態の解除を開始し、上記第2の実施形態では、車室内を気密状態とし車室外の気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始していたが、内気圧センサ40と外気圧センサ50とを備え、車室内を気密状態とし、車室内の気圧と車室外の気圧との差が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始するものであってもよい。
【0090】
これによると、車室内の気圧と車室外の気圧とが所定値以内に近づいているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0091】
また、上記各実施形態では、車室内を車室外に対し気密状態とするときに、空調ユニット20において内外気切替ドア22aにより外気導入口21aを閉じるものであったが、各吹出モードドア22c、22d、22eにより各開口部を全て閉じるものであってもよい。この場合には、各吹出モードドア22c、22d、22eが導入路開閉手段となる。
【0092】
また、上記各実施形態では、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したときには、車室内を車室外に対し気密状態として、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内の気密状態を徐々に解除して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであったが、車室内への強制吸気または車室内からの強制排気により車室内の気圧変動の抑止等を行なうものであってもよい。
【0093】
例えば、外気モードを形成した内外気切替手段である内外気切替ドア22aと送風機27とを吸気送風手段とし、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段を作動制御して強制吸気することで気圧変動抑止状態を形成し、その後、車室外から車室内への送風量を徐々に減少して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであってもよい。この場合には、内外気切替ドア22aおよび送風機27が内気圧変動抑止手段となる。
【0094】
なお、このときには、排出路開閉手段である排出路開閉ドア32により内気排出路である排気ダクト31内の経路を閉じることで、車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。この場合には、排出路開閉ドア32も内気圧変動抑止手段となる。ただし、吸気送風手段が気圧変動抑止状態の解除を終了するまでは、排出路開閉ドア32が排気ダクト31内の経路を閉じていることが好ましい。
【0095】
また、図8に示すように、内気排出路である排気ダクト31内に車室内の空気を車室外に排出するための排出送風機33を配設し、気圧変動抑止状態を形成するときには排出送風機33を逆転運転して吸気送風手段として機能させ、車室外から車室内へ空気を強制吸気するものであってもよい。この場合には、逆転運転される排出送風機33も内気圧変動抑止手段となる。
【0096】
図8に示す内気排出路である排気ダクト31内に設けた排出送風機33を排気送風手段とし、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排出送風機33を作動制御して強制排気することで気圧変動抑止状態を形成し、その後、車室内から車室外への送風量を徐々に減少するように排出送風機33を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであってもよい。この場合には、排出送風機33が内気圧変動抑止手段となる。
【0097】
なお、このときには、導入路開閉手段である内外気切替ドア22aにより外気導入路を構成する外気導入口21aを閉じることで、車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。この場合には、内外気切替ドア22aも内気圧変動抑止手段となる。ただし、排気送風手段が気圧変動抑止状態の解除を終了するまでは、内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じていることが好ましい。
【0098】
また、気圧変動抑止状態を形成するときには、外気モードを形成した内外気切替手段である内外気切替ドア22aと逆転運転する送風機27とを排気送風手段として機能させ、車室内から車室外へ空気を強制排気するものであってもよい。この場合には、内外気切替ドア22aおよび逆転運転される送風機27も内気圧変動抑止手段となる。
【0099】
また、上記各実施形態では、排気ユニット30は車室内後部側方のドアトリム内に配置されていたが、この位置に限定されるものではない。例えば、車室内後方のリアパッケージトレイ内に配設されるものであってもよい。また、排気ユニットとしてリアエアコンの構成を利用するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。
【図2】車両用空調装置10の空調ユニット20の概略構成図である。
【図3】車両用空調装置10の排気ユニット30の概略構成図である。
【図4】第1の実施形態における制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】車室内の気圧の変動抑止効果の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態における車両用空調装置11の概略構成を示す模式図である。
【図7】第2の実施形態における制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態における排気ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
10、11 車両用空調装置
20a 空調ケース(外気導入路の一部)
21a 外気導入口(外気導入路の一部)
22a 内外気切替ドア(内外気切替手段、導入路開閉手段、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部、吸気送風手段の一部、排気送風手段の一部)
22c デフロスタドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
22d フェイスドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
22e フットドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
27 送風機(吸気送風手段の一部、排気送風手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
31 排気ダクト(内気排出路)
32 排出路開閉ドア(排出路開閉手段、内気圧変動抑止手段の一部)
33 排出送風機(排気送風手段、吸気送風手段、内気圧変動抑止手段の一部)
40 内気圧センサ(内気圧検出手段)
50 外気圧センサ(内気圧検出手段)
100 制御装置(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関し、特に車室内の空気の圧力を調節する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された車両用空調装置がある。この車両用空調装置では、乗員の居眠り防止等を目的として、車室内の気圧が所定の閾値を超えた場合には、ブロワ等を作動制御し、車室内の気圧を前記閾値にまで戻すようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−191261号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術の車両用空調装置では、車室内の気圧は所定の閾値を超えた場合にのみ調節され、車室内の気圧の変化の度合に関しては考慮されていない。したがって、車室内の気圧が急激に変化した場合には、乗員が気圧変動による耳詰まり等により不快を感じる場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであって、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを防止することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
車室内の気圧を検出する内気圧検出手段(40)と、
車室内の気圧の変動を抑止する内気圧変動抑止手段(22a、32)と、
内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したときには、内気圧変動抑止手段(22a、32)が車室内の気圧の変動を抑止する気圧変動抑止状態を形成するように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御する制御手段(100)とを備えることを特徴としている。
【0007】
これによると、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化することを検出した場合には、車室内の気圧の変動を抑制することができる。したがって、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを防止することが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の発明において、内気圧検出手段(40)は、車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)とすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、内気圧検出手段(50)は、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)とし、制御手段(100)は、外気圧センサ(50)が検出する車室外の気圧を車室内の気圧として、内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することができる。
【0010】
これによると、内気圧センサを用いなくとも、車室内の気圧の変動を抑制することが可能である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明では、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化して、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とした後に、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に徐々に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0012】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止しているときに、車室外の気圧と車室内の気圧とに差が発生したとしても、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。このようにして、車室内の気圧の変化により乗員が不快を感じることを確実に防止することが可能である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項3に記載の発明において、内気圧検出手段(40)は、車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)とすることができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、内気圧検出手段(50)は、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)とし、制御手段(100)は、外気圧センサ(50)が検出する車室外の気圧を車室内の気圧として、内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することができる。
【0015】
これによると、内気圧センサを用いなくとも、車室内の気圧の変動を抑制した後、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが可能である。
【0016】
また、請求項7に記載の発明では、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、所定時間経過した後に、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0017】
これによると、車室内の気圧の変動の抑止を所定時間継続して、車室外の気圧の変動が減少している可能性が大きいときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明では、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、外気圧センサ(50)が検出する気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0019】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止し、車室外の気圧の変動が減少したときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0020】
また、請求項9に記載の発明では、請求項5に記載の発明において、車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、制御手段(100)は、内気圧変動抑止手段(22a、32)を気圧変動抑止状態とし、内気圧センサ(40)が検出する気圧と外気圧センサ(50)が検出する気圧との差が所定値以下となったときに、内気圧変動抑止手段(22a、32)の気圧変動抑止状態を徐々に解除して車室内の気圧が車室外の気圧に近づくように内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴としている。
【0021】
これによると、車室内の気圧の変動を抑止し、車室内の気圧と車室外の気圧とが所定値以内に近づいているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0022】
また、請求項10に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、32)は、車室内を車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、車室内が気密状態となるように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0023】
これによると、車室内を車室外に対し気密状態とすることで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0024】
また、請求項11に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、32)は、車室内を車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、車室内が気密状態となるように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内の気密状態を徐々に解除するように気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0025】
これによると、車室内を気密状態とすることで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室内の気密状態を徐々に解除することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0026】
また、請求項12に記載の発明では、
車室内に車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
気密状態形成手段(22a、32)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を形成することを特徴としている。
【0027】
これによると、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を閉じることで、容易に車室内を気密状態とすることが可能である。
【0028】
また、請求項13に記載の発明では、
車室内に車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
気密状態形成手段(22a、32)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を形成した後に、外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)がともに閉状態から徐々に開状態となるように導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)を作動制御して、気密状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0029】
これによると、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を閉じることで、容易に車室内を気密状態とした後に、導入路開閉手段(22a)および排出路開閉手段(32)により外気導入路(20a、21a)および内気排出路(31)を徐々に開くことで、容易に車室内の気密状態を解除することが可能である。
【0030】
また、請求項14に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、27)は、車室外から車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0031】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、吸気送風手段(22a、27)により車室外から車室内への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0032】
また、請求項15に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(22a、27)は、車室外から車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室外から車室内への送風量を徐々に減少するように吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0033】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、吸気送風手段(22a、27)により車室外から車室内への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室外から車室内への送風量を徐々に減少することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0034】
また、請求項16に記載の発明のように、
空調ケース(20a)を備え、吸気送風手段(22a、27)は、空調ケース(20a)に設けられ空調ケース(20a)内に導入される空気を車室内の空気もしくは車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、空調ケース(20a)内に設けられ空調ケース(20a)内に導入された空気を車室内に送風する送風機(27)とからなり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、導入される空気を車室外の空気とするように内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、送風機(27)を作動制御することで、車室外から車室内へ空気を送風することができる。
【0035】
また、請求項17に記載の発明のように、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
吸気送風手段(33)は、内気排出路(31)内に設けられ車室内から車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、排出送風機(33)を逆転運転することで、車室外から車室内へ空気を送風することができる。
【0036】
また、請求項18に記載の発明では、請求項16に記載の発明において、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
内気圧変動抑止手段(22a、27、32)は、内気排出路(31)に設けられ内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)を有し、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、内気排出路(31)が閉状態となるように排出路開閉手段(32)を作動制御することを特徴としている。
【0037】
これによると、内外気切替手段(22a)および送風機(27)の制御による車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。
【0038】
また、請求項19に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(33)は、車室内から車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成することを特徴としている。
【0039】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排気送風手段(33)により車室内から車室外への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0040】
また、請求項20に記載の発明では、内気圧変動抑止手段(33)は、車室内から車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内から車室外への送風量を徐々に減少するように排気送風手段(33)を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴としている。
【0041】
これによると、車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排気送風手段(33)により車室内から車室外への送風量を増加することで、容易に車室内の気圧の変動を抑止した後に、車室内から車室外への送風量を徐々に減少することで、容易に車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0042】
また、請求項21に記載の発明のように、
車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、排気送風手段(33)は、内気排出路(31)内に設けられ車室内から車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、排出送風機(33)を作動制御することで、車室内から車室外へ空気を送風することができる。
【0043】
また、請求項22に記載の発明のように、
空調ケース(20a)を備え、排気送風手段(22a、27)は、空調ケース(20a)に設けられ空調ケース(20a)内に導入される空気を車室内の空気もしくは車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、空調ケース(20a)内に設けられ空調ケース(20a)内に導入された空気を車室内に送風するための送風機(27)とからなり、
制御装置(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、導入される空気が車室外の空気となる側に内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、送風機(27)を逆転運転することで、車室内から車室外へ空気を送風することができる。
【0044】
また、請求項23に記載の発明では、請求項21に記載の発明において、
車室外の空気を車室内に導入するための外気導入路(20a、21a)を備え、
内気圧変動抑止手段(22a、33)は、外気導入路(20a、21a)に設けられ外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)を有し、
制御手段(100)は、内気圧検出手段(40)が検出した車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、外気導入路(20a、21a)が閉状態となるように導入路開閉手段(22a)を作動制御することを特徴としている。
【0045】
これによると、排出送風機(33)の制御による車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。
【0046】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0048】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施形態における車両用空調装置10の概略構成を示す模式図であり、図2は、車両用空調装置10の空調ユニット20の概略構成図、図3は、車両用空調装置10の排気ユニット30の概略構成図である。
【0049】
図1に示すように、車両用空調装置10は、車室内を空調するための空調ユニット20、車室内の空気を車室外に排出するための排気ユニット30、および車室内に設けられ車室内の気圧を検出するための内気圧検出手段としての内気圧センサ40を備えている。
【0050】
空調ユニット20は、車室内前方のインストルメントパネル前方側に配置されており、図2に示すように、空調ユニット20の空調ケース20a内の最上流側には内外気切替ドア22aが設置されている。この内外気切替ドア22aは、内外気モードを形成するものであり、外気導入口21aと内気導入口21bとが分かれた部分に配置され、図示しないアクチュエータにより回動し、空調ユニット20内に導入する空気の内気と外気の割合を選択する内外気切替手段である。
【0051】
ブロワモータ24とこれに固定されたファン23とからなる送風手段である送風機27は、空調ユニット20内に空気を吸い込んで、空調ユニット20の下流側、更に車両の車室内に送風するものであり、送風機27の下流には、エバポレータ25とヒータコア26が設けられている。
【0052】
エバポレータ25は図示しないコンプレッサ等と結合され、冷凍サイクルを構成し、通過する空気を冷却する。ヒータコア26は図示しないエンジン冷却水が内部を循環し、自身を通過する空気を加熱する。
【0053】
ヒータコア26の上流側にはエアミックスドア22bが設けられており、エアミックスドア22bの開度は図示しないアクチュエータにより調節される。これによってヒータコア26を通過する空気とヒータコア26をバイパスする空気の割合とが調整され、最下流の車室内に吹き出す空気の温度がコントロールされる。空気の温度は、エアミックスドア22bの開度が小さい程低下し冷風となる。
【0054】
空調ユニット20の最下流には、吹出モードを形成するためのデフロスタドア22c、フェイスドア22d、およびフットドア22eが設けられている。そして、温度コントロールされた空気は、これら各ドア22c、22d、22eを図示しないアクチュエータにより作動させることによって、各吹出モードにて吹き出される。
【0055】
排気ユニット30は、車室内後部側方のドアトリム内に配置されており、図3に示すように、車室内の空気を車室外に排出するための内気排出路としての排気ダクト31を備えている。この排気ダクト31内には、この排気ダクト31内を介して排出される内気量を調節するために、この経路を開閉する排出路開閉手段としての排出路開閉ドア32が設けられ、排出路開閉ドア32の開度は図示しないアクチュエータにより調節される。
【0056】
送風機27の送風量および各種ドア22a、22b、22c、22d、22e、32の開度は、制御手段である制御装置100により制御される。具体的には、制御装置100からの出力信号に基づいて図示しない電圧コントローラおよびアクチュエータを介して制御される。制御装置100は、図示しない中央演算処理装置や記憶素子等を備え、それ自体は周知のコンピュータである。
【0057】
制御装置100には、車室内の空調に影響を及ぼす環境条件が、環境条件検出手段である図示しない内気温センサ、外気温センサ、水温センサ、日射センサ等より入力され、環境条件信号として読み込まれる。また、内気圧センサ40からの車室内の気圧情報が入力される。さらに、図示しない操作部からの出力信号が入力される。
【0058】
制御装置100は、上記の各センサや操作部等からの信号に基づいて、後述する手順にしたがって、送風機27や各種ドア22a、22b、22c、22d、22e、32等を制御するように構成されている。
【0059】
次に、上記構成に基づき車両用空調装置10の作動について説明する。図4は、制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、制御装置100は、車両のイグニッションスイッチがオンされると、まず、車両用空調装置10を通常運転する(ステップS100)。
【0061】
具体的には、図示しない内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、操作部等からの信号に基づいて、車室内への目標吹出温度を算出する。そして、予め設定された制御特性に基づいて、算出した目標吹出温度等に対応した吹出温度、内外気モード、吹出モードとなるように各種ドア22a、22b、22c、22d、22eの開度を制御する。
【0062】
また、目標吹出温度等に対応した吹出風量となるように送風機27を駆動制御する。このとき、排出路開閉ドア32は排気ダクト31内の経路を開いている。なお、送風量や各モードが図示しない操作部において手動選択されている場合は、選択された送風量やモードとなるように送風機27、各種ドア22a、22b、22c、22d、22eは制御される。
【0063】
ステップS100を実行したら、制御装置100は、内気圧センサ40からの情報に基づいて、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断する(ステップS200)。車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化していないと判断した場合は、ステップS100にリターンして車両用空調装置10の通常運転を継続する。
【0064】
車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したと判断した場合には、ステップS100において設定あるいは選択された内外気モードに係わらず、内外気切替ドア22aを、外気導入口21aを全閉し、内気導入口21bを全開するように制御する。また、排気ダクト31内の経路を全閉するように排出路開閉ドア32を制御して車室内外の通気を遮断する(ステップS300)。これにより、車室内は車室外に対し気密状態となり、車室外の気圧が変化したとしても、車室内の気圧が車室外の気圧に追従して変化し難い気圧変動抑止状態となる。
【0065】
ここで、外気導入口21aを有する空調ケース20aは、車室内に車室外の空気を導入するための本実施形態における外気導入路であり、内外気切替ドア22aは、外気導入路を開閉する本実施形態における導入路開閉手段である。また、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32は、本実施形態における気密状態形成手段であり、内気圧変動抑止手段である。
【0066】
ステップS300を実行したら、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32により車室内を車室外に対し気密状態としてから所定時間経過したか否か判断する(ステップS400)。所定時間経過するまではステップS300にリターンして車室内外の通気の遮断を継続する。
【0067】
内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32により車室内を車室外に対し気密状態としてから所定時間経過したと判断したら、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32を全回動可能量に対し極僅かな所定量回動し(ステップS500)、外気導入口21aおよび排気ダクト31a内の経路を僅かに開く。
【0068】
そして、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が、車両用空調装置10通常運転時の開度となるまでステップS500を繰り返し(ステップS600)、車室内の車室外に対する気密状態を徐々に解除して車室内の気圧を車室外の気圧に近づけていく。このようにして車室内の気圧変動抑止状態は徐々に解除される。内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が通常運転時の開度となったら終了し、通常運転制御に戻る。
【0069】
上述の構成および作動によれば、例えば車両の走行環境の変化(走行路の標高の急激な変化、トンネルへの進入)等により、車室外の気圧が変化し、これに伴なって車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、内外気切替ドア22aで外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32で排気ダクト31内を閉じることで、車室内を気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0070】
なお、このとき、空調ユニット20においては、通常運転状態から内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるように作動するだけであるので、内気循環により車室内の空調を継続することができる。
【0071】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。したがって、車室内の気圧の急激な変化により、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0072】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後、気密状態の解除を開始している。したがって、車室外の気圧の変動が減少あるいは終了している可能性が大きいときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけ、容易に車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0073】
図5は、本実施形態の車両用空調装置による車室内の気圧変動抑止効果を示すグラフである。区間Aでは、車両の走行に伴ない車室外の気圧が減少し、これに伴ない車室内の気圧も減少しているが、減少の度合が少ない(所定時間内に所定値以上変化していない)ので、車室内の気圧変動を抑止する制御は行なわれていない。
【0074】
区間Bにおいて、車室外および車室内の気圧が急激に減少(所定時間内に所定値以上減少)すると、内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32が排気ダクト31内経路を閉じることで、車室内を気密状態とする。これにより、区間Cに示すように車室内の気圧の変動が抑止され、車室内の気圧が略一定に保持される。
【0075】
車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、内外気切替ドア22aおよび排出路開閉ドア32が外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、区間Dに示すように車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を徐々に低減し、比較的長時間を要して車室内の気圧が車室外の気圧に一致する。
【0076】
このように車室内の気圧が変化するので、車室外の気圧が急激に減少し続けるときに、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図6および図7に基づいて説明する。本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、車室内の気圧検出手段が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0078】
図6に示すように、本実施形態の車両用空調装置11は、内気圧センサを備えておらず、車室外に搭載され車室外の気圧を検出するための外気圧センサ50を備えている。そして、制御装置100には、外気圧センサ50からの車室外の気圧情報が入力されるようになっている。
【0079】
図5からも明らかなように、車両用空調装置が車室内の気圧変動を抑止する状態にないときには、車室外の気圧と車室内の気圧とは同等である。したがって、このようなときには、外気圧センサ50は車室内の気圧を検出するセンサとして機能する。外気圧センサ50は本実施形態における内気圧検出手段である。
【0080】
次に、上記構成に基づき車両用空調装置11の作動について説明する。図7は、制御手段である制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【0081】
図7に示すように、制御装置100は、ステップS100を実行したら、外気圧センサ50からの情報に基づいて、車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断する(ステップS210)。前述した理由により、ここでは、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したか否か判断していることになる。
【0082】
車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化していないと判断した場合は、ステップS100にリターンして車両用空調装置10の通常運転を継続する。車室外の気圧が所定時間内に所定値以上変化したと判断した場合には、ステップS300へ進む。
【0083】
ステップS300を実行したら、外気圧センサ50からの情報に基づいて、車室外の気圧変化が所定時間当たり所定値以下であるか否か判断する(ステップS410)。所定時間当たりの気圧変化が所定値以下でないと判断した場合には、ステップS300にリターンして車室内外の通気の遮断を継続する。
【0084】
車室外の所定時間当たりの気圧変化が所定値以下であると判断した場合には、ステップS500、S600へと進む。
【0085】
上述の構成および作動によれば、車室外の気圧が変化し、これに伴なって車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化した場合には、内外気切替ドア22aで外気導入口21aを閉じるとともに、排出路開閉ドア32で排気ダクト31内を閉じることで、車室内を気密状態とし車室内の気圧の変動を抑止することができる。
【0086】
なお、このとき、空調ユニット20においては、通常運転状態から内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じるように作動するだけであるので、内気循環により車室内の空調を継続することができる。
【0087】
また、車室内を気密状態とし所定時間経過した後には、外気導入口21aおよび排気ダクト31内経路を徐々に開くことで、車室内の気密状態を徐々に解除して、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。したがって、車室内の気圧の急激な変化により、乗員が耳詰まり等を生じ不快を感じることを防止することができる。
【0088】
また、車室内を気密状態とし外気圧センサ50が検出する気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始している。したがって、車室外の気圧の変動が減少あるいは終了しているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけ、容易に車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることができる。
【0089】
(他の実施形態)
上記第1の実施形態では、車室内を気密状態とし所定時間経過した後、気密状態の解除を開始し、上記第2の実施形態では、車室内を気密状態とし車室外の気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始していたが、内気圧センサ40と外気圧センサ50とを備え、車室内を気密状態とし、車室内の気圧と車室外の気圧との差が所定値以下となったときに、気密状態の解除を開始するものであってもよい。
【0090】
これによると、車室内の気圧と車室外の気圧とが所定値以内に近づいているときに、車室内の気圧を車室外の気圧に徐々に近づけることができる。したがって、車室内の気圧を急激に変化させることなく車室内の気圧を車室外の気圧に一致させることが容易である。
【0091】
また、上記各実施形態では、車室内を車室外に対し気密状態とするときに、空調ユニット20において内外気切替ドア22aにより外気導入口21aを閉じるものであったが、各吹出モードドア22c、22d、22eにより各開口部を全て閉じるものであってもよい。この場合には、各吹出モードドア22c、22d、22eが導入路開閉手段となる。
【0092】
また、上記各実施形態では、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したときには、車室内を車室外に対し気密状態として、気圧変動抑止状態を形成した後に、車室内の気密状態を徐々に解除して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであったが、車室内への強制吸気または車室内からの強制排気により車室内の気圧変動の抑止等を行なうものであってもよい。
【0093】
例えば、外気モードを形成した内外気切替手段である内外気切替ドア22aと送風機27とを吸気送風手段とし、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上減少したときには、車室外から車室内への送風量を増加するように吸気送風手段を作動制御して強制吸気することで気圧変動抑止状態を形成し、その後、車室外から車室内への送風量を徐々に減少して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであってもよい。この場合には、内外気切替ドア22aおよび送風機27が内気圧変動抑止手段となる。
【0094】
なお、このときには、排出路開閉手段である排出路開閉ドア32により内気排出路である排気ダクト31内の経路を閉じることで、車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。この場合には、排出路開閉ドア32も内気圧変動抑止手段となる。ただし、吸気送風手段が気圧変動抑止状態の解除を終了するまでは、排出路開閉ドア32が排気ダクト31内の経路を閉じていることが好ましい。
【0095】
また、図8に示すように、内気排出路である排気ダクト31内に車室内の空気を車室外に排出するための排出送風機33を配設し、気圧変動抑止状態を形成するときには排出送風機33を逆転運転して吸気送風手段として機能させ、車室外から車室内へ空気を強制吸気するものであってもよい。この場合には、逆転運転される排出送風機33も内気圧変動抑止手段となる。
【0096】
図8に示す内気排出路である排気ダクト31内に設けた排出送風機33を排気送風手段とし、車室内の気圧が所定時間内に所定値以上増加したときには、車室内から車室外への送風量を増加するように排出送風機33を作動制御して強制排気することで気圧変動抑止状態を形成し、その後、車室内から車室外への送風量を徐々に減少するように排出送風機33を作動制御して、気圧変動抑止状態を徐々に解除するものであってもよい。この場合には、排出送風機33が内気圧変動抑止手段となる。
【0097】
なお、このときには、導入路開閉手段である内外気切替ドア22aにより外気導入路を構成する外気導入口21aを閉じることで、車室内の気圧変動の抑止を確実に行なうことができる。この場合には、内外気切替ドア22aも内気圧変動抑止手段となる。ただし、排気送風手段が気圧変動抑止状態の解除を終了するまでは、内外気切替ドア22aが外気導入口21aを閉じていることが好ましい。
【0098】
また、気圧変動抑止状態を形成するときには、外気モードを形成した内外気切替手段である内外気切替ドア22aと逆転運転する送風機27とを排気送風手段として機能させ、車室内から車室外へ空気を強制排気するものであってもよい。この場合には、内外気切替ドア22aおよび逆転運転される送風機27も内気圧変動抑止手段となる。
【0099】
また、上記各実施形態では、排気ユニット30は車室内後部側方のドアトリム内に配置されていたが、この位置に限定されるものではない。例えば、車室内後方のリアパッケージトレイ内に配設されるものであってもよい。また、排気ユニットとしてリアエアコンの構成を利用するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における車両用空調装置10の概略構成を示す模式図である。
【図2】車両用空調装置10の空調ユニット20の概略構成図である。
【図3】車両用空調装置10の排気ユニット30の概略構成図である。
【図4】第1の実施形態における制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】車室内の気圧の変動抑止効果の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態における車両用空調装置11の概略構成を示す模式図である。
【図7】第2の実施形態における制御装置100の概略の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態における排気ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
10、11 車両用空調装置
20a 空調ケース(外気導入路の一部)
21a 外気導入口(外気導入路の一部)
22a 内外気切替ドア(内外気切替手段、導入路開閉手段、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部、吸気送風手段の一部、排気送風手段の一部)
22c デフロスタドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
22d フェイスドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
22e フットドア(導入路開閉手段の一部、気密状態形成手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
27 送風機(吸気送風手段の一部、排気送風手段の一部、内気圧変動抑止手段の一部)
31 排気ダクト(内気排出路)
32 排出路開閉ドア(排出路開閉手段、内気圧変動抑止手段の一部)
33 排出送風機(排気送風手段、吸気送風手段、内気圧変動抑止手段の一部)
40 内気圧センサ(内気圧検出手段)
50 外気圧センサ(内気圧検出手段)
100 制御装置(制御手段)
Claims (23)
- 車室内の気圧を検出する内気圧検出手段(40)と、
前記車室内の気圧の変動を抑止する内気圧変動抑止手段(22a、32)と、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が所定時間内に所定値以上変化したときには、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)が前記車室内の気圧の変動を抑止する気圧変動抑止状態を形成するように前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御する制御手段(100)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記内気圧検出手段(40)は、前記車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記内気圧検出手段(50)は、前記車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)であり、
前記制御手段(100)は、前記外気圧センサ(50)が検出する前記車室外の気圧を前記車室内の気圧として、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化して、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を前記気圧変動抑止状態とした後に、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)の前記気圧変動抑止状態を徐々に解除して前記車室内の気圧が前記車室外の気圧に徐々に近づくように前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記内気圧検出手段(40)は、前記車室内の気圧を検出する内気圧センサ(40)であることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
- 前記内気圧検出手段(50)は、前記車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)であり、
前記制御手段(100)は、前記外気圧センサ(50)が検出する前記車室外の気圧を前記車室内の気圧として、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。 - 前記制御手段(100)は、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を前記気圧変動抑止状態とし、所定時間経過した後に、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)の前記気圧変動抑止状態を徐々に解除して前記車室内の気圧が前記車室外の気圧に近づくように前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、前記制御手段(100)は、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を前記気圧変動抑止状態とし、前記外気圧センサ(50)が検出する気圧の所定時間当たりの変化が所定値以下となったときに、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)の前記気圧変動抑止状態を徐々に解除して前記車室内の気圧が前記車室外の気圧に近づくように前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記車室外の気圧を検出する外気圧センサ(50)を備え、前記制御手段(100)は、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を前記気圧変動抑止状態とし、前記内気圧センサ(40)が検出する気圧と前記外気圧センサ(50)が検出する気圧との差が所定値以下となったときに、前記内気圧変動抑止手段(22a、32)の前記気圧変動抑止状態を徐々に解除して前記車室内の気圧が前記車室外の気圧に近づくように前記内気圧変動抑止手段(22a、32)を作動制御することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
- 前記内気圧変動抑止手段(22a、32)は、前記車室内を前記車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、前記車室内が気密状態となるように前記気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記内気圧変動抑止手段(22a、32)は、前記車室内を前記車室外に対し気密状態とする気密状態形成手段(22a、32)であり、前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、前記車室内が前記気密状態となるように前記気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成した後に、前記車室内の前記気密状態を徐々に解除するように前記気密状態形成手段(22a、32)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記車室内に前記車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、
前記車室内の空気を前記車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
前記気密状態形成手段(22a、32)は、前記外気導入路(20a、21a)に設けられ前記外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、前記内気排出路(31)に設けられ前記内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、前記外気導入路(20a、21a)および前記内気排出路(31)がともに閉状態となるように前記導入路開閉手段(22a)および前記排出路開閉手段(32)を作動制御して、前記気密状態を形成することを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。 - 前記車室内に前記車室外の空気を導入するための外気導入路(20a、21a)と、
前記車室内の空気を前記車室外に排出するための内気排出路(31)とを備え、
前記気密状態形成手段(22a、32)は、前記外気導入路(20a、21a)に設けられ前記外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)と、前記内気排出路(31)に設けられ前記内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)とからなり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上変化したときには、前記外気導入路(20a、21a)および前記内気排出路(31)がともに閉状態となるように前記導入路開閉手段(22a)および前記排出路開閉手段(32)を作動制御して、前記気密状態を形成した後に、前記外気導入路(20a、21a)および前記内気排出路(31)がともに閉状態から徐々に開状態となるように前記導入路開閉手段(22a)および前記排出路開閉手段(32)を作動制御して、前記気密状態を徐々に解除することを特徴とする請求項11に記載の車両用空調装置。 - 前記内気圧変動抑止手段(22a、27)は、前記車室外から前記車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、前記車室外から前記車室内への送風量を増加するように前記吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記内気圧変動抑止手段(22a、27)は、前記車室外から前記車室内へ空気を送風する吸気送風手段(22a、27)であり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、前記車室外から前記車室内への送風量を増加するように前記吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成した後に、前記車室外から前記車室内への送風量を徐々に減少するように前記吸気送風手段(22a、27)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 空調ケース(20a)を備え、
前記吸気送風手段(22a、27)は、前記空調ケース(20a)に設けられ前記空調ケース(20a)内に導入される空気を前記車室内の空気もしくは前記車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、前記空調ケース(20a)内に設けられ前記空調ケース(20a)内に導入された空気を前記車室内に送風する送風機(27)とからなり、
前記制御装置(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、前記導入される空気を前記車室外の空気とするように前記内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、前記送風機(27)を作動制御することを特徴とする請求項14または請求項15に記載の車両用空調装置。 - 前記車室内の空気を前記車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
前記吸気送風手段(33)は、前記内気排出路(31)内に設けられ前記車室内から前記車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
前記制御装置(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、前記排出送風機(33)を逆転運転して前記車室外から前記車室内へ空気を送風するように作動制御することを特徴とする請求項14ないし請求項16のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記車室内の空気を前記車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
前記内気圧変動抑止手段(22a、27、32)は、前記内気排出路(31)に設けられ前記内気排出路(31)を開閉する排出路開閉手段(32)を有し、前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上減少したときには、前記内気排出路(31)が閉状態となるように前記排出路開閉手段(32)を作動制御することを特徴とする請求項16に記載の車両用空調装置。 - 前記内気圧変動抑止手段(33)は、前記車室内から前記車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、前記車室内から前記車室外への送風量を増加するように前記排気送風手段(33)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記内気圧変動抑止手段(33)は、前記車室内から前記車室外へ空気を送風する排気送風手段(33)であり、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、前記車室内から前記車室外への送風量を増加するように前記排気送風手段(33)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を形成した後に、前記車室内から前記車室外への送風量を徐々に減少するように前記排気送風手段(33)を作動制御して、前記気圧変動抑止状態を徐々に解除することを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記車室内の空気を前記車室外に排出するための内気排出路(31)を備え、
前記排気送風手段(33)は、前記内気排出路(31)内に設けられ前記車室内から前記車室外へ空気を送風するための排出送風機(33)であり、
前記制御装置(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、前記排出送風機(33)を前記車室内から前記車室外へ空気を送風するように作動制御することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の車両用空調装置。 - 空調ケース(20a)を備え、
前記排気送風手段(22a、27)は、前記空調ケース(20a)に設けられ前記空調ケース(20a)内に導入される空気を前記車室内の空気もしくは前記車室外の空気に切り替える内外気切替手段(22a)と、前記空調ケース(20a)内に設けられ前記空調ケース(20a)内に導入された空気を前記車室内に送風するための送風機(27)とからなり、
前記制御装置(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、前記導入される空気が前記車室外の空気となる側に前記内外気切替手段(22a)を切り替え制御するとともに、前記送風機(27)を逆転運転して前記車室内から前記車室外へ空気を送風するように作動制御することを特徴とする請求項19ないし請求項21のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記車室外の空気を前記車室内に導入するための外気導入路(20a、21a)を備え、
前記内気圧変動抑止手段(22a、33)は、前記外気導入路(20a、21a)に設けられ前記外気導入路(20a、21a)を開閉する導入路開閉手段(22a)を有し、
前記制御手段(100)は、前記内気圧検出手段(40)が検出した前記車室内の気圧が前記所定時間内に前記所定値以上増加したときには、前記外気導入路(20a、21a)が閉状態となるように前記導入路開閉手段(22a)を作動制御することを特徴とする請求項21に記載の車両用空調装置。
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JP2006123571A (ja) * | 2004-10-26 | 2006-05-18 | Sumuto Sugano | 自動車用温度調整装置および自動車用温度調整装置を搭載した自動車 |
JP2008260606A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Hitachi Ltd | エレベータかご内の圧力調整システム |
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2003
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