JP2004273590A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1のシリコン基板1に不純物イオンを導入することにより、第1のシリコン基板1にウエル1aを形成する工程と、第1のシリコン基板の表面上に、ウエル1a上に位置するW膜パターン(突起物)2を形成する工程と、第2のシリコン基板3の表面に熱酸化膜4を形成する工程と、熱酸化膜4と第1のシリコン基板1の表面とを張り合わせる工程と、第2のシリコン基板3の裏面を研削して熱酸化膜4と接する単結晶Si層3aを形成することより、W膜パターン2に対向する位置に相当する熱酸化膜4及び単結晶Si層3aにコンタクトホール5を形成する工程と、を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1のシリコン基板1に不純物イオンを導入することにより、第1のシリコン基板1にウエル1aを形成する工程と、第1のシリコン基板の表面上に、ウエル1a上に位置するW膜パターン(突起物)2を形成する工程と、第2のシリコン基板3の表面に熱酸化膜4を形成する工程と、熱酸化膜4と第1のシリコン基板1の表面とを張り合わせる工程と、第2のシリコン基板3の裏面を研削して熱酸化膜4と接する単結晶Si層3aを形成することより、W膜パターン2に対向する位置に相当する熱酸化膜4及び単結晶Si層3aにコンタクトホール5を形成する工程と、を含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係わり、特に、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成できる半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。この半導体装置はSOI(Silicon On Insulator)構造のトランジスタを有している。
まず、SOI基板104を準備する。このSOI基板104は、単結晶シリコンからなる支持基板101と、この支持基板101上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)102と、埋め込み酸化膜102上に形成された単結晶Si層103と、から構成されている。なお、SOI基板104は、種々の製造方法により製造することが可能であり、例えば、張り合わせ法、SIMOX(separation by Implanted oxygen)などにより製造することも可能である。
【0003】
次いで、単結晶Si層103にトレンチを形成し、このトレンチ内に酸化膜を埋め込むことにより、BOX層102上の素子分離領域には酸化膜からなる素子分離酸化膜106が形成される。次いで、単結晶Si層13の表面にゲート酸化膜109を形成し、このゲート酸化膜109上にゲート電極105を形成する。次いで、ゲート電極105をマスクとして低濃度の不純物イオンをイオン注入する。次いで、ゲート電極105の側壁にシリコン酸化膜からなるサイドウォール110を形成する。
【0004】
次に、サイドウオール110及びゲート電極105をマスクとして不純物イオンをソース領域及びドレイン領域にイオン注入する。次いで、SOI基板104にアニールを施す。これにより、単結晶Si層103には低濃度の不純物拡散層111、ソース領域の拡散層107及びドレイン領域の拡散層108が形成される。次いで、ゲート電極105を含む全面上にシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜112をCVD法により形成する。
【0005】
この後、この層間絶縁膜112、素子分離酸化膜106及びBOX層102をドライエッチングによって加工する。これにより、層間絶縁膜、素子分離酸化膜及びBOX層には支持基板へのコンタクトホール112aが形成される。これと共に、層間絶縁膜112をドライエッチングによって加工することにより、該層間絶縁膜にはドレイン領域へのコンタクトホール112b及びソース領域へのコンタクトホール112cが形成される。
【0006】
次いで、コンタクトホール112aを通して支持基板101に不純物イオンを注入し、支持基板に熱処理を施して不純物を熱拡散させることにより、支持基板にウエル117を形成する。
次いで、コンタクトホール112a〜112c内及び層間絶縁膜112上にW膜を形成し、このW膜をエッチバックすることにより、これらのコンタクトホール内にはWプラグ113〜115が埋め込まれる。Wプラグ113が支持基板へのコンタクトプラグである。
【0007】
この後、Wプラグ及び層間絶縁膜の上にAl合金膜を形成し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜及びWプラグの上にはAl合金配線116a〜116cが形成される。Al合金配線116aはコンタクトプラグ113を介して支持基板101に電気的に接続されており、Al合金配線116bはWプラグ114を介してドレイン領域の拡散層108に電気的に接続されており、Al合金配線116cはWプラグ115を介してソース領域の拡散層107に電気的に接続されている。
【0008】
上記半導体装置では、Al合金配線116aに所定の電圧を印加して支持基板101の電位を固定することにより、トランジスタのボディー電位を安定化させ、特に高周波製品におけるクロストークを低減し、パッドプロテクションを強化することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置の製造方法では、層間絶縁膜112にソース領域及びドレイン領域へのコンタクトホール112b,112cを形成する工程を利用して、支持基板へのコンタクトホール112aをドライエッチングにより掘り込んでいる。しかし、支持基板へのコンタクトホール112aの深さは、ソース領域及びドレイン領域へのコンタクトホール112b,112cの深さに比べて非常に深いため、両者を同一エッチング工程で作り込むことは困難である。
【0010】
また、コンタクトホール112aを通して支持基板101に不純物イオンを注入することにより、支持基板にウエル117を形成している。しかし、このような方法では、十分な大きさのウエルを支持基板に形成することが困難である。
【0011】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体基板の上方に突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
前記突起物と前記絶縁膜とが対向するように、前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板とを張り合わせる工程と、
前記第2の半導体基板を研削することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び研削後の第2の半導体基板にホールを形成する工程と、
を含む。
【0013】
上記半導体装置の製造方法によれば、第1の半導体基板の表面上に突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、第2の半導体基板の絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせ、第2の半導体基板の裏面を研削して厚さを薄くする。これにより、絶縁膜及び第2の半導体基板が突起物と共に膜抜けし、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び研削後の第2の半導体基板にホールを形成することができる。このように突起物を形成して裏面研削時の膜抜けを利用することにより、従来技術に比べて容易にホールを形成することができる。
【0014】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体基板に不純物を導入することにより、第1の半導体基板に不純物拡散層を形成する工程と、
第1の半導体基板の表面上に、前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせる工程と、
第2の半導体基板の裏面を研削して前記絶縁膜と接する半導体層を形成することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び前記半導体層にコンタクトホールを形成する工程と、
を含む。
【0015】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記コンタクトホールを形成する工程の後に、前記コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、該コンタクトホール内に導電膜からなるコンタクトプラグを形成する工程をさらに含む。
【0016】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上に導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に前記導電膜からなる突起物を形成する工程であることも可能である。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上にハードマスクを形成し、このハードマスクをマスクとして第1の半導体基板をエッチングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に該不純物拡散層からなる突起物を形成する工程であることも可能である。
【0018】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記張り合わせる工程は、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを加熱して加圧することにより、該絶縁膜と第1の半導体基板とを張り合わせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記絶縁膜が熱酸化膜であることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記コンタクトプラグを形成する工程の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記半導体層に不純物を導入することにより、該半導体層にソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成する工程と、をさらに含むことも可能である。
【0020】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記ドレイン領域の拡散層を形成する工程の後に、前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔を形成する工程と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に配線を形成する工程と、をさらに含むことも可能である。
【0021】
本発明に係る半導体装置は、第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたホールと、
を含む半導体装置であって、
前記ホールは、第1の半導体基板の表面上に突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである。
【0022】
本発明に係る半導体装置は、第1の半導体基板に形成された不純物拡散層と、前記第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
を含む半導体装置であって、
前記コンタクトホールは、第1の半導体基板の表面上に前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである。
【0023】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグと、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記半導体層に形成され、前記ゲート電極の両側下に形成されたソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層と、をさらに含むことも可能である。
【0024】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に形成され、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に形成された配線と、をさらに含むことも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図1(A)に示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板の支持基板となる第1のシリコン基板(単結晶シリコンなどの第1の半導体基板)1を準備する。
【0026】
次いで、第1のシリコン基板1の表面上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、第1のシリコン基板1上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第1のシリコン基板1に不純物イオンをイオン注入する。次いで、レジストパターンを剥離した後、第1のシリコン基板1を熱処理することにより、第1のシリコン基板1にはウエル(不純物拡散層)1aが形成される。
【0027】
この後、第1のシリコン基板1の表面上にW膜をスパッタリングにより成膜する。次いで、このW膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、W膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてW膜をエッチングすることにより、シリコン基板1上には支持基板へのコンタクトプラグを形成する領域にW膜パターン2が形成される。W膜パターン2は、ウエル1a上に位置しており、第1のシリコン基板表面上のコンタクトプラグ形成領域に形成された突起物からなるものである。また、W膜パターン2の平面形状は、後の工程で形成するコンタクトプラグの平面形状に対応する形状とすることが好ましい。
【0028】
尚、本実施の形態では、突起物を形成するためにW膜を用いているが、これに限定されるものではなく、多結晶Si膜又はエピタキシャルSi膜を用いることも可能である。また、コンタクトプラグ形成領域を開口したパターンからなるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などのハードマスクを第1のシリコン基板1上に形成し、このハードマスクをマスクとして第1のシリコン基板1をエッチングすることにより、第1のシリコン基板表面のコンタクトプラグ形成領域に凸部を形成し、この凸部を突起物とすることも可能である。
【0029】
この後、SOI基板の単結晶Si層となる第2のシリコン基板(第2の半導体基板)3を準備し、第2のシリコン基板3の表面を熱酸化することにより、第2のシリコン基板3に熱酸化膜(BOX層)4を形成する。
次いで、図1(B)に示すように、この熱酸化膜4の表面と第1のシリコン基板1の表面を加圧して加熱することにより、熱酸化膜4と第1のシリコン基板1とを張り合わせる。
【0030】
次に、図1(C)に示すように、第2のシリコン基板の裏面を研削して第2のシリコン基板3の厚さを薄くすることにより、支持基板1上にBOX層4を介して第2のシリコン基板からなる単結晶Si層3aを形成する。このようにして、支持基板1と、この支持基板上に形成されたBOX層(埋め込み酸化膜などの絶縁膜)4と、このBOX層4上に形成された単結晶Si層(半導体層)3aと、から構成されたSOI基板が形成される。この際、BOX層4及び単結晶Si層3aにおいてW膜パターンを形成したコンタクトプラグ形成領域が抜けることにより、BOX層4及び単結晶Si層3aには支持基板1のウエル1a上に位置するコンタクトプラグ形成領域にコンタクトホール5が形成される。
【0031】
この後、図2(D)に示すように、コンタクトホール5内及び単結晶Si層3a上にW膜をスパッタリングにより形成し、このW膜をエッチバックすることにより、コンタクトホール5内にはW膜が埋め込まれたコンタクトプラグ6が形成される。コンタクトプラグ6はウエル1aに電気的に接続される。
なお、本実施の形態では、コンタクトプラグ6の材料としてW膜を用いているが、W膜に限定されるものではなく、コンタクトプラグ6の材料として他の導電膜を用いることも可能である。
【0032】
次に、図2(E)に示すように、単結晶Si層3aの上に図示せぬシリコン窒化膜をCVD(chemical vapor deposition)法により形成する。次いで、このシリコン窒化膜をパターニングすることにより、単結晶Si層3a上にはシリコン窒化膜からなるマスクパターンが形成される。次いで、このマスクパターンをマスクとして単結晶Si層3aを選択的にエッチングすることにより、単結晶Si層3aにはトレンチ3b,3cが形成される。
【0033】
次に、トレンチ3b,3c内及びマスクパターン上にCVD法でシリコン酸化膜を堆積する。次いで、シリコン酸化膜及びマスクパターンをCMPにより研磨する。これにより、トレンチ内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、BOX層4上の素子分離領域にはシリコン酸化膜からなる素子分離酸化膜7が形成される。
【0034】
この後、図3(F)に示すように、単結晶Si層3aにP―型不純物をイオン注入する。次いで、単結晶Si層3aの表面に熱酸化法によりゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)8を形成する。次に、このゲート酸化膜8を含む全面上にCVD法によりポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をパターニングすることにより、ゲート酸化膜8上にはゲート電極9が形成される。
【0035】
次いで、ゲート電極9をマスクとして低濃度のN型不純物イオンをイオン注入する。次いで、ゲート電極9を含む全面上にCVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、このシリコン酸化膜を全面エッチングすることにより、ゲート電極9の側壁にはシリコン酸化膜からなるサイドウオール10が形成される。次に、このサイドウオール10及びゲート電極9をマスクとしてN+型不純物イオンをソース領域及びドレイン領域にイオン注入する。次いで、SOI基板にアニールを施す。これにより、単結晶Si層3aには低濃度のN型不純物拡散層14、ソース領域のN+型拡散層12及びドレイン領域のN+型拡散層13が形成される。
【0036】
この後、図3(G)に示すように、ゲート電極9を含む全面上にスパッタリングによりTi、Co、Niなどの金属膜(図示せず)を堆積する。次いで、SOI基板に熱処理を施すことにより、ゲート電極9のポリシリコン及び単結晶Si層3aそれぞれと金属膜とが反応する。これにより、ゲート電極9、ソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13それぞれの上に自己整合的に金属シリサイド膜15が形成される。次に、残存する金属膜を剥離する。
【0037】
次いで、ゲート電極9を含む全面上にシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜16をCVD法により形成する。次いで、この層間絶縁膜16上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、層間絶縁膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜16をエッチングすることにより、該層間絶縁膜16にはコンタクトホール(接続孔)16a〜16cが形成される。コンタクトホール16aはコンタクトプラグ6上に位置し、コンタクトホール16bはドレイン領域上に位置し、コンタクトホール16cはソース領域上に位置している。
【0038】
次いで、コンタクトホール16a〜16c内及び層間絶縁膜16上にバリアメタル層(図示せず)をスパッタリングにより形成する。バリアメタル層は、例えば下層がTi層で上層がTiN層である。次いで、バリアメタル層上及びコンタクトホール内にW膜をスパッタリングにより形成する。次いで、層間絶縁膜16上に存在するW膜及びバリアメタル層をCMP(chemical mechanical polishing)により研磨する。これにより、コンタクトホール内にW膜が埋め込まれWプラグ17〜19が形成される。
【0039】
この後、Wプラグ17〜19及び層間絶縁膜16の上にAl合金膜を形成し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜及びWプラグの上にはAl合金配線20a〜20cが形成される。Al合金配線20aはWプラグ16a及びコンタクトプラグ6を介して支持基板1のウエル1aに電気的に接続され、Al合金配線20bはWプラグ16bを介してドレイン領域の拡散層13に電気的に接続され、Al合金配線20cはWプラグ19を介してソース領域の拡散層12に電気的に接続される。
【0040】
このようにして製造された半導体装置では、Al合金配線20aに所定の電圧を印加して支持基板1の電位を固定することにより、トランジスタのボディー電位を安定化させ、特に高周波製品におけるクロストークを低減し、パッドプロテクションを強化することができる。
【0041】
上記実施の形態によれば、第1のシリコン基板1の表面にコンタクトプラグ形成領域に突起物を形成し、第2のシリコン基板3の表面に熱酸化膜4を形成し、第2のシリコン基板3の熱酸化膜4と第1のシリコン基板1の表面とを張り合わせ、第2のシリコン基板3の裏面を研削して厚さを薄くする。これにより、熱酸化膜4及び第2のシリコン基板3におけるコンタクトプラグ形成領域が突起物と共に膜抜けし、第1のシリコン基板1のウエル1a上に位置するコンタクトホールを熱酸化膜4及び第2のシリコン基板3に形成することができる。このように突起物を形成して裏面研削時の膜抜けを利用することにより、従来技術に比べて容易に支持基板へのコンタクトホール5を形成することができる。そして、このコンタクトホール5内に導電膜を埋め込むことにより、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成することができる。
【0042】
また、第1のシリコン基板1と第2のシリコン基板3を張り合わせてSOI基板を作製する前に、第1のシリコン基板1に不純物イオンを導入し、熱処理を施すことによりウエル1aを形成している。このため、十分な大きさのウエル1aを支持基板に形成することができ、ウエル1aの大きさの制御が容易となる。
【0043】
上述したような製造方法により次のような半導体装置が形成される。
第1のシリコン基板1にはウエル1aが形成されている。第1のシリコン基板1上には熱酸化膜からなるBOX層4を形成されており、このBOX層4上には単結晶Si層3aが形成されている。この単結晶Si層3a及びBOX層4にはコンタクトホール5が形成されており、このコンタクトホール5内にはコンタクトプラグ6が埋め込まれている。
【0044】
単結晶Si層3aには素子分離酸化膜7が形成されている。また、単結晶Si層3a上にはゲート酸化膜8が形成されており、このゲート酸化膜8上にはゲート電極9が形成されている。また、単結晶Si層3aにはゲート電極9の両側下にソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13が形成されている。単結晶Si層3aには、ソース領域及びドレイン領域それぞれの内側に隣接するように低濃度不純物拡散層14が形成されている。
【0045】
ゲート電極9、ソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13それぞれの上には金属シリサイド膜15が形成されている。また、ゲート電極9を含む全面上には層間絶縁膜16が形成されている。この層間絶縁膜16には、コンタクトプラグ6上に位置するコンタクトホール(接続孔)16a、ソース領域の拡散層12上に位置するコンタクトホール16c及びドレイン領域の拡散層13上に位置するコンタクトホール16bが形成されている。コンタクトホール16a〜16c内にはWプラグ17〜19が形成されており、Wプラグ17〜19及び層間絶縁膜16の上にはAl合金配線20a〜20cが形成されている。
【0046】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】(D),(E)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】(F),(G)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図。
【符号の説明】
1,101…支持基板(第1のシリコン基板)、1a,117…ウエル、2…W膜パターン(突起物)、3…第2のシリコン基板、3a,103…単結晶Si層、3b,3c…トレンチ、4,102…埋め込み酸化膜(BOX層)、5…支持基板へのコンタクトホール、6…コンタクトプラグ、7,106…素子分離酸化膜、8,109…ゲート酸化膜、9,105…ゲート電極、10,11,110…サイドウオール、12,107…ソース領域の拡散層、13,108…ドレイン領域の拡散層、14,111…低濃度不純物拡散層、15…金属シリサイド膜、16,112…層間絶縁膜、16a〜16c,112a〜112c…コンタクトホール、17〜19,113〜115…Wプラグ、20a〜20c,116a〜116c…Al合金配線
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係わり、特に、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成できる半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。この半導体装置はSOI(Silicon On Insulator)構造のトランジスタを有している。
まず、SOI基板104を準備する。このSOI基板104は、単結晶シリコンからなる支持基板101と、この支持基板101上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)102と、埋め込み酸化膜102上に形成された単結晶Si層103と、から構成されている。なお、SOI基板104は、種々の製造方法により製造することが可能であり、例えば、張り合わせ法、SIMOX(separation by Implanted oxygen)などにより製造することも可能である。
【0003】
次いで、単結晶Si層103にトレンチを形成し、このトレンチ内に酸化膜を埋め込むことにより、BOX層102上の素子分離領域には酸化膜からなる素子分離酸化膜106が形成される。次いで、単結晶Si層13の表面にゲート酸化膜109を形成し、このゲート酸化膜109上にゲート電極105を形成する。次いで、ゲート電極105をマスクとして低濃度の不純物イオンをイオン注入する。次いで、ゲート電極105の側壁にシリコン酸化膜からなるサイドウォール110を形成する。
【0004】
次に、サイドウオール110及びゲート電極105をマスクとして不純物イオンをソース領域及びドレイン領域にイオン注入する。次いで、SOI基板104にアニールを施す。これにより、単結晶Si層103には低濃度の不純物拡散層111、ソース領域の拡散層107及びドレイン領域の拡散層108が形成される。次いで、ゲート電極105を含む全面上にシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜112をCVD法により形成する。
【0005】
この後、この層間絶縁膜112、素子分離酸化膜106及びBOX層102をドライエッチングによって加工する。これにより、層間絶縁膜、素子分離酸化膜及びBOX層には支持基板へのコンタクトホール112aが形成される。これと共に、層間絶縁膜112をドライエッチングによって加工することにより、該層間絶縁膜にはドレイン領域へのコンタクトホール112b及びソース領域へのコンタクトホール112cが形成される。
【0006】
次いで、コンタクトホール112aを通して支持基板101に不純物イオンを注入し、支持基板に熱処理を施して不純物を熱拡散させることにより、支持基板にウエル117を形成する。
次いで、コンタクトホール112a〜112c内及び層間絶縁膜112上にW膜を形成し、このW膜をエッチバックすることにより、これらのコンタクトホール内にはWプラグ113〜115が埋め込まれる。Wプラグ113が支持基板へのコンタクトプラグである。
【0007】
この後、Wプラグ及び層間絶縁膜の上にAl合金膜を形成し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜及びWプラグの上にはAl合金配線116a〜116cが形成される。Al合金配線116aはコンタクトプラグ113を介して支持基板101に電気的に接続されており、Al合金配線116bはWプラグ114を介してドレイン領域の拡散層108に電気的に接続されており、Al合金配線116cはWプラグ115を介してソース領域の拡散層107に電気的に接続されている。
【0008】
上記半導体装置では、Al合金配線116aに所定の電圧を印加して支持基板101の電位を固定することにより、トランジスタのボディー電位を安定化させ、特に高周波製品におけるクロストークを低減し、パッドプロテクションを強化することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置の製造方法では、層間絶縁膜112にソース領域及びドレイン領域へのコンタクトホール112b,112cを形成する工程を利用して、支持基板へのコンタクトホール112aをドライエッチングにより掘り込んでいる。しかし、支持基板へのコンタクトホール112aの深さは、ソース領域及びドレイン領域へのコンタクトホール112b,112cの深さに比べて非常に深いため、両者を同一エッチング工程で作り込むことは困難である。
【0010】
また、コンタクトホール112aを通して支持基板101に不純物イオンを注入することにより、支持基板にウエル117を形成している。しかし、このような方法では、十分な大きさのウエルを支持基板に形成することが困難である。
【0011】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体基板の上方に突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
前記突起物と前記絶縁膜とが対向するように、前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板とを張り合わせる工程と、
前記第2の半導体基板を研削することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び研削後の第2の半導体基板にホールを形成する工程と、
を含む。
【0013】
上記半導体装置の製造方法によれば、第1の半導体基板の表面上に突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、第2の半導体基板の絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせ、第2の半導体基板の裏面を研削して厚さを薄くする。これにより、絶縁膜及び第2の半導体基板が突起物と共に膜抜けし、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び研削後の第2の半導体基板にホールを形成することができる。このように突起物を形成して裏面研削時の膜抜けを利用することにより、従来技術に比べて容易にホールを形成することができる。
【0014】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体基板に不純物を導入することにより、第1の半導体基板に不純物拡散層を形成する工程と、
第1の半導体基板の表面上に、前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせる工程と、
第2の半導体基板の裏面を研削して前記絶縁膜と接する半導体層を形成することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び前記半導体層にコンタクトホールを形成する工程と、
を含む。
【0015】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記コンタクトホールを形成する工程の後に、前記コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、該コンタクトホール内に導電膜からなるコンタクトプラグを形成する工程をさらに含む。
【0016】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上に導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に前記導電膜からなる突起物を形成する工程であることも可能である。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上にハードマスクを形成し、このハードマスクをマスクとして第1の半導体基板をエッチングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に該不純物拡散層からなる突起物を形成する工程であることも可能である。
【0018】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記張り合わせる工程は、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを加熱して加圧することにより、該絶縁膜と第1の半導体基板とを張り合わせる工程であることも可能である。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記絶縁膜が熱酸化膜であることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記コンタクトプラグを形成する工程の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記半導体層に不純物を導入することにより、該半導体層にソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成する工程と、をさらに含むことも可能である。
【0020】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記ドレイン領域の拡散層を形成する工程の後に、前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔を形成する工程と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に配線を形成する工程と、をさらに含むことも可能である。
【0021】
本発明に係る半導体装置は、第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたホールと、
を含む半導体装置であって、
前記ホールは、第1の半導体基板の表面上に突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである。
【0022】
本発明に係る半導体装置は、第1の半導体基板に形成された不純物拡散層と、前記第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
を含む半導体装置であって、
前記コンタクトホールは、第1の半導体基板の表面上に前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである。
【0023】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグと、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記半導体層に形成され、前記ゲート電極の両側下に形成されたソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層と、をさらに含むことも可能である。
【0024】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に形成され、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に形成された配線と、をさらに含むことも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
まず、図1(A)に示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板の支持基板となる第1のシリコン基板(単結晶シリコンなどの第1の半導体基板)1を準備する。
【0026】
次いで、第1のシリコン基板1の表面上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、第1のシリコン基板1上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして第1のシリコン基板1に不純物イオンをイオン注入する。次いで、レジストパターンを剥離した後、第1のシリコン基板1を熱処理することにより、第1のシリコン基板1にはウエル(不純物拡散層)1aが形成される。
【0027】
この後、第1のシリコン基板1の表面上にW膜をスパッタリングにより成膜する。次いで、このW膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、W膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてW膜をエッチングすることにより、シリコン基板1上には支持基板へのコンタクトプラグを形成する領域にW膜パターン2が形成される。W膜パターン2は、ウエル1a上に位置しており、第1のシリコン基板表面上のコンタクトプラグ形成領域に形成された突起物からなるものである。また、W膜パターン2の平面形状は、後の工程で形成するコンタクトプラグの平面形状に対応する形状とすることが好ましい。
【0028】
尚、本実施の形態では、突起物を形成するためにW膜を用いているが、これに限定されるものではなく、多結晶Si膜又はエピタキシャルSi膜を用いることも可能である。また、コンタクトプラグ形成領域を開口したパターンからなるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などのハードマスクを第1のシリコン基板1上に形成し、このハードマスクをマスクとして第1のシリコン基板1をエッチングすることにより、第1のシリコン基板表面のコンタクトプラグ形成領域に凸部を形成し、この凸部を突起物とすることも可能である。
【0029】
この後、SOI基板の単結晶Si層となる第2のシリコン基板(第2の半導体基板)3を準備し、第2のシリコン基板3の表面を熱酸化することにより、第2のシリコン基板3に熱酸化膜(BOX層)4を形成する。
次いで、図1(B)に示すように、この熱酸化膜4の表面と第1のシリコン基板1の表面を加圧して加熱することにより、熱酸化膜4と第1のシリコン基板1とを張り合わせる。
【0030】
次に、図1(C)に示すように、第2のシリコン基板の裏面を研削して第2のシリコン基板3の厚さを薄くすることにより、支持基板1上にBOX層4を介して第2のシリコン基板からなる単結晶Si層3aを形成する。このようにして、支持基板1と、この支持基板上に形成されたBOX層(埋め込み酸化膜などの絶縁膜)4と、このBOX層4上に形成された単結晶Si層(半導体層)3aと、から構成されたSOI基板が形成される。この際、BOX層4及び単結晶Si層3aにおいてW膜パターンを形成したコンタクトプラグ形成領域が抜けることにより、BOX層4及び単結晶Si層3aには支持基板1のウエル1a上に位置するコンタクトプラグ形成領域にコンタクトホール5が形成される。
【0031】
この後、図2(D)に示すように、コンタクトホール5内及び単結晶Si層3a上にW膜をスパッタリングにより形成し、このW膜をエッチバックすることにより、コンタクトホール5内にはW膜が埋め込まれたコンタクトプラグ6が形成される。コンタクトプラグ6はウエル1aに電気的に接続される。
なお、本実施の形態では、コンタクトプラグ6の材料としてW膜を用いているが、W膜に限定されるものではなく、コンタクトプラグ6の材料として他の導電膜を用いることも可能である。
【0032】
次に、図2(E)に示すように、単結晶Si層3aの上に図示せぬシリコン窒化膜をCVD(chemical vapor deposition)法により形成する。次いで、このシリコン窒化膜をパターニングすることにより、単結晶Si層3a上にはシリコン窒化膜からなるマスクパターンが形成される。次いで、このマスクパターンをマスクとして単結晶Si層3aを選択的にエッチングすることにより、単結晶Si層3aにはトレンチ3b,3cが形成される。
【0033】
次に、トレンチ3b,3c内及びマスクパターン上にCVD法でシリコン酸化膜を堆積する。次いで、シリコン酸化膜及びマスクパターンをCMPにより研磨する。これにより、トレンチ内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、BOX層4上の素子分離領域にはシリコン酸化膜からなる素子分離酸化膜7が形成される。
【0034】
この後、図3(F)に示すように、単結晶Si層3aにP―型不純物をイオン注入する。次いで、単結晶Si層3aの表面に熱酸化法によりゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)8を形成する。次に、このゲート酸化膜8を含む全面上にCVD法によりポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をパターニングすることにより、ゲート酸化膜8上にはゲート電極9が形成される。
【0035】
次いで、ゲート電極9をマスクとして低濃度のN型不純物イオンをイオン注入する。次いで、ゲート電極9を含む全面上にCVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、このシリコン酸化膜を全面エッチングすることにより、ゲート電極9の側壁にはシリコン酸化膜からなるサイドウオール10が形成される。次に、このサイドウオール10及びゲート電極9をマスクとしてN+型不純物イオンをソース領域及びドレイン領域にイオン注入する。次いで、SOI基板にアニールを施す。これにより、単結晶Si層3aには低濃度のN型不純物拡散層14、ソース領域のN+型拡散層12及びドレイン領域のN+型拡散層13が形成される。
【0036】
この後、図3(G)に示すように、ゲート電極9を含む全面上にスパッタリングによりTi、Co、Niなどの金属膜(図示せず)を堆積する。次いで、SOI基板に熱処理を施すことにより、ゲート電極9のポリシリコン及び単結晶Si層3aそれぞれと金属膜とが反応する。これにより、ゲート電極9、ソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13それぞれの上に自己整合的に金属シリサイド膜15が形成される。次に、残存する金属膜を剥離する。
【0037】
次いで、ゲート電極9を含む全面上にシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜16をCVD法により形成する。次いで、この層間絶縁膜16上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、層間絶縁膜上にはレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜16をエッチングすることにより、該層間絶縁膜16にはコンタクトホール(接続孔)16a〜16cが形成される。コンタクトホール16aはコンタクトプラグ6上に位置し、コンタクトホール16bはドレイン領域上に位置し、コンタクトホール16cはソース領域上に位置している。
【0038】
次いで、コンタクトホール16a〜16c内及び層間絶縁膜16上にバリアメタル層(図示せず)をスパッタリングにより形成する。バリアメタル層は、例えば下層がTi層で上層がTiN層である。次いで、バリアメタル層上及びコンタクトホール内にW膜をスパッタリングにより形成する。次いで、層間絶縁膜16上に存在するW膜及びバリアメタル層をCMP(chemical mechanical polishing)により研磨する。これにより、コンタクトホール内にW膜が埋め込まれWプラグ17〜19が形成される。
【0039】
この後、Wプラグ17〜19及び層間絶縁膜16の上にAl合金膜を形成し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜及びWプラグの上にはAl合金配線20a〜20cが形成される。Al合金配線20aはWプラグ16a及びコンタクトプラグ6を介して支持基板1のウエル1aに電気的に接続され、Al合金配線20bはWプラグ16bを介してドレイン領域の拡散層13に電気的に接続され、Al合金配線20cはWプラグ19を介してソース領域の拡散層12に電気的に接続される。
【0040】
このようにして製造された半導体装置では、Al合金配線20aに所定の電圧を印加して支持基板1の電位を固定することにより、トランジスタのボディー電位を安定化させ、特に高周波製品におけるクロストークを低減し、パッドプロテクションを強化することができる。
【0041】
上記実施の形態によれば、第1のシリコン基板1の表面にコンタクトプラグ形成領域に突起物を形成し、第2のシリコン基板3の表面に熱酸化膜4を形成し、第2のシリコン基板3の熱酸化膜4と第1のシリコン基板1の表面とを張り合わせ、第2のシリコン基板3の裏面を研削して厚さを薄くする。これにより、熱酸化膜4及び第2のシリコン基板3におけるコンタクトプラグ形成領域が突起物と共に膜抜けし、第1のシリコン基板1のウエル1a上に位置するコンタクトホールを熱酸化膜4及び第2のシリコン基板3に形成することができる。このように突起物を形成して裏面研削時の膜抜けを利用することにより、従来技術に比べて容易に支持基板へのコンタクトホール5を形成することができる。そして、このコンタクトホール5内に導電膜を埋め込むことにより、支持基板の電位を固定するためのコンタクトプラグを容易に形成することができる。
【0042】
また、第1のシリコン基板1と第2のシリコン基板3を張り合わせてSOI基板を作製する前に、第1のシリコン基板1に不純物イオンを導入し、熱処理を施すことによりウエル1aを形成している。このため、十分な大きさのウエル1aを支持基板に形成することができ、ウエル1aの大きさの制御が容易となる。
【0043】
上述したような製造方法により次のような半導体装置が形成される。
第1のシリコン基板1にはウエル1aが形成されている。第1のシリコン基板1上には熱酸化膜からなるBOX層4を形成されており、このBOX層4上には単結晶Si層3aが形成されている。この単結晶Si層3a及びBOX層4にはコンタクトホール5が形成されており、このコンタクトホール5内にはコンタクトプラグ6が埋め込まれている。
【0044】
単結晶Si層3aには素子分離酸化膜7が形成されている。また、単結晶Si層3a上にはゲート酸化膜8が形成されており、このゲート酸化膜8上にはゲート電極9が形成されている。また、単結晶Si層3aにはゲート電極9の両側下にソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13が形成されている。単結晶Si層3aには、ソース領域及びドレイン領域それぞれの内側に隣接するように低濃度不純物拡散層14が形成されている。
【0045】
ゲート電極9、ソース領域の拡散層12及びドレイン領域の拡散層13それぞれの上には金属シリサイド膜15が形成されている。また、ゲート電極9を含む全面上には層間絶縁膜16が形成されている。この層間絶縁膜16には、コンタクトプラグ6上に位置するコンタクトホール(接続孔)16a、ソース領域の拡散層12上に位置するコンタクトホール16c及びドレイン領域の拡散層13上に位置するコンタクトホール16bが形成されている。コンタクトホール16a〜16c内にはWプラグ17〜19が形成されており、Wプラグ17〜19及び層間絶縁膜16の上にはAl合金配線20a〜20cが形成されている。
【0046】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】(D),(E)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】(F),(G)は実施の形態の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図。
【符号の説明】
1,101…支持基板(第1のシリコン基板)、1a,117…ウエル、2…W膜パターン(突起物)、3…第2のシリコン基板、3a,103…単結晶Si層、3b,3c…トレンチ、4,102…埋め込み酸化膜(BOX層)、5…支持基板へのコンタクトホール、6…コンタクトプラグ、7,106…素子分離酸化膜、8,109…ゲート酸化膜、9,105…ゲート電極、10,11,110…サイドウオール、12,107…ソース領域の拡散層、13,108…ドレイン領域の拡散層、14,111…低濃度不純物拡散層、15…金属シリサイド膜、16,112…層間絶縁膜、16a〜16c,112a〜112c…コンタクトホール、17〜19,113〜115…Wプラグ、20a〜20c,116a〜116c…Al合金配線
Claims (13)
- 第1の半導体基板の上方に突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
前記突起物と前記絶縁膜とが対向するように、前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板とを張り合わせる工程と、
前記第2の半導体基板を研削することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び研削後の第2の半導体基板にホールを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。 - 第1の半導体基板に不純物を導入することにより、第1の半導体基板に不純物拡散層を形成する工程と、
第1の半導体基板の表面上に、前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成する工程と、
第2の半導体基板の表面上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせる工程と、
第2の半導体基板の裏面を研削して前記絶縁膜と接する半導体層を形成することより、前記突起物に対向する位置に相当する前記絶縁膜及び前記半導体層にコンタクトホールを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。 - 前記コンタクトホールを形成する工程の後に、前記コンタクトホール内に導電膜を埋め込むことにより、該コンタクトホール内に導電膜からなるコンタクトプラグを形成する工程をさらに含む請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上に導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に前記導電膜からなる突起物を形成する工程である請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記突起物を形成する工程は、第1の半導体基板の表面上にハードマスクを形成し、このハードマスクをマスクとして第1の半導体基板をエッチングすることにより、第1の半導体基板における前記不純物拡散層上に該不純物拡散層からなる突起物を形成する工程である請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記張り合わせる工程は、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを加熱して加圧することにより、該絶縁膜と第1の半導体基板とを張り合わせる工程である請求項2乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記絶縁膜が熱酸化膜である請求項2乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記コンタクトプラグを形成する工程の後に、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記半導体層に不純物を導入することにより、該半導体層にソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層を形成する工程と、をさらに含む請求項3乃至請求項7のうちのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ドレイン領域の拡散層を形成する工程の後に、前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜に、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔を形成する工程と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に配線を形成する工程と、をさらに含む請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
- 第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたホールと、
を含む半導体装置であって、
前記ホールは、第1の半導体基板の表面上に突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである半導体装置。 - 第1の半導体基板に形成された不純物拡散層と、
前記第1の半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された半導体層と、
前記半導体層及び前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
を含む半導体装置であって、
前記コンタクトホールは、第1の半導体基板の表面上に前記不純物拡散層上に位置する突起物を形成し、第2の半導体基板の表面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜と第1の半導体基板の表面とを張り合わせた後、第2の半導体基板の裏面を研削することにより形成したものである半導体装置。 - 前記コンタクトホール内に埋め込まれたコンタクトプラグと、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記半導体層に形成され、前記ゲート電極の両側下に形成されたソース領域の拡散層及びドレイン領域の拡散層と、をさらに含む請求項11に記載の半導体装置。
- 前記ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に形成され、前記コンタクトプラグ上に位置する接続孔と、前記接続孔内及び前記層間絶縁膜上に形成された配線と、をさらに含む請求項12に記載の半導体装置。
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