JP2004273369A - ワイヤーハーネスの伸縮規制構造およびワイヤーハーネスの布線方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定長さにアッセンブリーされたワイヤーハーネスが、自動車等への配索の際に伸びたり縮んだりすることがないように、その伸縮を規制するワイヤーハーネスの伸縮規制構造を提供すること
【解決手段】端末部分にコネクタCが接続された枝線Wbを複数有するワイヤーハーネスWが、そのワイヤーハーネスWと同じく複数の枝部2を有する板状のベース体1に配されて保持されると共に、そのベース体1の枝部2先端にワイヤーハーネスWのコネクタCが固定される。
【選択図】 図1
【解決手段】端末部分にコネクタCが接続された枝線Wbを複数有するワイヤーハーネスWが、そのワイヤーハーネスWと同じく複数の枝部2を有する板状のベース体1に配されて保持されると共に、そのベース体1の枝部2先端にワイヤーハーネスWのコネクタCが固定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本線から分岐された複数の枝線の各端末部分にコネクタが接続されたワイヤーハーネスに関し、更に詳しくは、このようなワイヤーハーネスの伸縮を規制する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のエンジンルーム内等に配索されるケーブルの束よりなるワイヤハーネスにおいては、ケーブルを熱や埃から保護するとともに、振動等による周辺部品との接触を防止するために、コルゲートチューブやスパイラルチューブなどの筒状のチューブ材が外装されている。
【0003】
例えば、コルゲートチューブは、耐衝撃性や耐摩耗性に優れたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材料により成形されたもので、薄肉円筒状に形成され、周方向の凹溝と凸条とを交互にチューブ長さ方向に等ピッチで配した蛇腹構造を有した屈曲性に富むもので、内部にケーブルの束を収容して保護する。このコルゲートチューブには、長手方向に切り込みが設けられたものとそうでないものとがあり、切り込みのあるものはその口開きによりケーブルの収容が容易であるところから広く使われている。
【0004】
自動車等に使用されているワイヤーハーネスは車体の各所に配索され所要位置で分岐されて、車体に設置されている各機器に接続されているが、ワイヤーハーネスの分岐位置ではこのようなチューブ材も分割する必要があり、その結果、分割場所に隙間が生じ、テープ等を巻き付けて分割箇所の防水および保護等を図る必要がある。
【0005】
図17は、複数本のケーブルWaを束ねて本線Weから分岐された枝線Wbを有して、その枝線Wbの端末部分に電気機器や各種センサ等への接続のためのコネクタCを備えたワイヤーハーネスWが示されている。図示されるようにコルゲートチューブTが枝線Wbやその他の部分において外装されている。
【0006】
このようなワイヤーハーネスWは、自動車に取り付けた際に先端のコネクタCが、接続の相手となる電気機器のコネクタ対して所望の位置となるように、ケーブルWaの長さやこれに外装されるコルゲートチューブTの長さを厳密に寸法管理して製作されている。コルゲートチューブTの端部から露出した部分は、コルゲートチューブTのケーブルWaに対する遊動を許容しないように、粘着テープ7を巻いて固定される。そして、この状態にアッセブリーされたワイヤーハーネスWを自動車内部に作業者が配索してコネクタ接続等を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−78137号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように寸法管理されてアッセンブリーされたワイヤーハーネスWであるが、粘着テープ7による固定はそれほど強固ではないため、自動車への配索の際に、コネクタC等を作業者が強く引っ張ったりすると、ワイヤーハーネスWが伸びたり縮んだりしてして長さ変わってしまう。ワイヤーハーネスWの枝線Wb長さが変わったりすると、先端のコネクタCが、接続の相手の電気機器のコネクタの位置に対して、長すぎたり、短かすぎたりして接続作業が煩雑になる。また、寸法管理においても、ワイヤーハーネスのアッセンブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が難しく、設計寸法通りに作ることが困難であった。
【0009】
本発明が解決する課題は、所定長さにアッセンブリーされたワイヤーハーネスが、自動車等への配索の際に伸びたり縮んだりすることがないように、その伸縮を規制するワイヤーハーネスの伸縮規制構造およびそのワイヤーハーネスの布線方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明は、本線から複数の枝線が分岐され各枝線の各端末部分にコネクタが接続されたワイヤーハーネスの伸縮規制構造であって、前記枝線に対応する数の複数の枝部を有する板状のベース体に前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、そのベース体の前記各枝部先端に前記枝線の先端に接続されるコネクタが固定されていることを要旨とするものである。
【0011】
上記構成を有するワイヤーハーネスの伸縮規制構造によれば、複数の枝線を有するワイヤーハーネスが配されて保持されるベース体の枝部先端に枝線のコネクタが固定されているので、コネクタの引張り等がベース体によって規制される。つまり、結果、ワイヤーハーネス長さが伸びたり縮んだりしてしまうことが規制されることになる。このようにワイヤーハーネスの伸縮が規制されることで、自動車へ取り付ける際に生じていた、接続作業の煩雑さが解消される。
【0012】
また、このような伸縮規制構造のベース体を用いると、枝線の分岐位置も規制されることになるので、ワイヤーハーネスのアッセンブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、ほぼ設計した通りのワイヤハーネスを構成することができるうえに、実際の配索作業においてもその公差が維持される。
【0013】
さらに、この伸縮規制構造に係るベース体を、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せた形状、例えば、自動車のエンジンルーム等のワイヤーハーネス配索場所において、接続の相手となる電気機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスのコネクタの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、ワイヤーハーネスの配索場所への配索作業が一括して行えるようなことも可能になる。
【0014】
この場合、このようなワイヤーハーネスの伸縮規制構造において、前記ベース体は可撓性を有するという構成にすれば、ベース体の撓みによりコネクタの方向性の自由度が大きくなり、ワイヤーハーネス配索の際の作業性をさらに向上させる。また、前記ベース体は三次元構造を有しているという構成にすれば、ワイヤーハーネス配索場所の複雑な形状にも対応することができる。
【0015】
更に、前記ベース体の外面には耐摩耗シートが貼り付けられているという構成にすれば、他の部材との接触による破損が防止され、前記ベース体の外面には金属シートが貼り付けられているという構成にすれば、耐熱性が向上し熱による変形が防止される。
【0016】
更に、前記ベース体は、分割されたベース体の連結により形成されているという構成にすれば、長尺のベース体を製作することが容易となり、前記分割形成されたベースの連結は別途用意された連結具によりなされているという構成にすれば、長尺のベース体製作が容易になるうえに、この連結具により例えば2つのベース体の板面が直角になるように連結させたりするなどベース体を三次元構造を有するものにすることができる。
【0017】
そして、前記ベース体には複数のケーブル集中接続用のジョイントコネクタが固定されているという構成にすれば、ジョイントコネクタ設置用スペースの削減が可能になる。この場合、前記ジョイントコネクタの前記ケーブルとの集中接続が、複数の圧接刃を有するジョイント端子によりなされている構成にすれば、複数のケーブルの一括接続が可能になり便利である。さらに、前記ジョイント端子は、樹脂モールドにより前記ケーブルとの接続部を含んだ状態で覆われている構成にすれば、簡便にケーブルとの接続部に耐防水性を付与することができるうえに、ジョイント端子のベース体への固定も可能になる。
【0018】
また、端末部分にコネクタが接続された枝線を複数有するワイヤーハーネスの布線方法であって、前記ワイヤーハーネスと同じく複数の枝部を有して、前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、前記枝部先端に前記コネクタが固定される板状のベース体を、該ベース体の設置治具と前記コネクタのセット治具とが所定位置に配された図板にセットして、該図板にセットされた前記ベース体上で前記ワイヤーハーネスの布線を行うことを特徴とするワイヤーハーネスの布線方法によれば、簡便にワイヤーハーネスを布線してアッセンブリーを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造およびワイヤーハーネスの布線方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造の概略構成を説明した図である。本発明に用いられるワイヤーハーネスWは、図1(a)に示されるように、複数本のケーブルWaを束ねて、所定位置で本線Weより分岐された枝線Wbを備えており、各枝線Wb先端にはコネクタCが接続されている。
【0021】
図1(b)は、このワイヤーハーネスWが配されるベース体1を示している。このベース体1は、可撓性を有する樹脂製の板材の打ち抜き加工により成形されたもので、ワイヤーハーネスWに合せて同じく所定位置で分岐された枝部2を備えており、ベース体1上に配されるワイヤーハーネスWの枝線Wb長さやハーネス配索場所での配索状態等を考慮した形状・長さを有してる。また、集中接続用のジョイントコネクタJCを固定するための固定部3が設けられており、ジョイントコネクタJCの設置用スペースの削減も可能になっている。尚、このジョイントコネクタJCの詳細については後述する。
【0022】
このベース体1の各枝部2の先端には、ワイヤーハーネスWのコネクタCを固定するための嵌合孔2aが形成されており、コネクタCの図示しない嵌合爪と嵌合して、図1(c)に示すようにコネクタCは枝部2先端に固定される。また、ベース体1上に配されたワイヤーハーネスWは、結束バンド4によりベース体1に保持される。
【0023】
このようにベース体1にワイヤーハーネスWを配して保持するとともに、ベース体1の枝部2先端にワイヤーハーネスWのコネクタCを固定すると、このベース体1によって、ワイヤーハーネスWのコネクタC等の引張りによるの伸縮が規制される。これにより、従来技術のような自動車へ取り付ける際に生じていた、ハーネス配索時の接続作業の煩雑さが解消される。
【0024】
また、このようなハーネス伸縮規制用のベース体1を用いると、枝線の分岐位置も規制されることになるので、ワイヤーハーネスWのアッセブリーの際の枝線Wb長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、設計通りのワイヤハーネスWを構成することができるうえに、自動車等への実際の配索作業においてもその公差が維持される。
【0025】
さらに、この伸縮規制構造に係るベース体1を、ワイヤーハーネスWの実際の配索状態に合せた形状、例えば図2に示すような自動車のエンジンルーム5のハーネス配索場所において、接続の相手となる電気機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスWのコネクタCの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、ハーネス配索場所への配索作業が一括して行えるようなことも可能になる。
【0026】
このようなベース体1を用いたワイヤーハーネスWの布線方法については、図3に示すような図板6を用いて簡便に行うことができる。この図板6には、ベース体1が所定位置に設置されるようにピン6aが立設されており、さらに、ワイヤーハーネスWのコネクタCを固定するコネクタ固定治具6bが設けられている。
【0027】
図3(a)に示すように、この図板6にベース体1をセットし、図3(b)に示すように、コネクタCが接続された状態までサブアッセンブリーされたワイヤーハーネスWをベース体1に配してそのコネクタCをベース体1の支部2先端にそれぞれ固定した後、図3(c)に示すように、別途用意した結束バンド4を用いてワイヤーハーネスWの複数箇所をベース体1に保持させ、図板6から取り外すことで完了する。この場合、ワイヤーハーネスWのサブアッセンブリーの段階から図板6を用いて布線を行ってもよい。このようにベース体1が布線する際のガイド的な役割をするため、ワイヤーハーネスWの布線およびアッセンブリーが簡便に行うことができるうえに、図板6から取り出して後も、伸縮することなくそのハーネス形状が維持されるので取扱いが楽である。
【0028】
次に、上述したワイヤーハーネスの伸縮規制構造に係るベース体1の変形例について説明する。ベース体1にワイヤーハーネスWを保持させる他の例としては、上述の結束バンド4による保持のほか種々のものがある。例えば図4(a)に示すような粘着テープ7のテーピングによる保持構造、図4(b)に示すような接着剤8によるベース体1上への保持構造がある。また、図5(a)に示すように、バンド9をベース体1に一体に設けた構成でもよく、この場合、部品点数が削減される。
【0029】
さらに、図5(b)に示すようにベース体1表面にケーブル埋め込み用の溝10を設けて、その溝10にワイヤーハーネスWを構成するケーブルWaを嵌め込んで保持させる構成でもよい。その他、図6(a)に示すように板材11や外装材12をワイヤーハーネスWの上から被せて、ベース板1に粘着テープ7などで固定して保持させる構造、さらには図6(b)に示すように樹脂フィルム13を巻いて保持させる構造などがある。
【0030】
これらの保持方法や保持構造のいずれについても、その作業が簡便に行えるものなので、従来技術のチューブ材へのテーピングのような作業スキルを要求しない。尚、図7に示すような従来技術のチューブ材Tをベース体1に外装して内部にワイヤーハーネスWを保持させることも勿論可能である。
【0031】
上述したベース体1は断面構造が平板状のものを用いたが、その他のベース体1の断面構造の例としては、図8(a)示すような、側壁14を備える構造や、図8(b)に示すような折り曲げ二枚板構造や、図8(c)に示すような中空構造などがある。これらの断面構造を採用すれば、ベース体1の引張りやねじれ等に対する機械的強度を軽量にアップさせることができる。
【0032】
ベース体1を比較的大きな長尺物として構成する場合は、図9に示すような、分割形成したベース体1Aとベース体1Bの結合部15,16を、(a)嵌合させる連結、(b)接着剤8による連結、(c)締結金具17を用いた連結等により可能である。この他、(d)に示すように超音波加工等によって結合部15,16を互いに溶融させて融着させる連結でもよい。
【0033】
ベース体1に、自動車のエンジンルームなどのハーネス配索場所に合せた三次元構造を付加させる場合は、図10に示すような加熱されたベース体1を型台18に押し当てた状態で冷やすことで簡単に三次元構造を不可することができる。この場合、ワイヤーハーネスWの布線後においても、このような形状を付加することは可能である。このような型台18を用いることでベース体1の平面以外の構造を作りやすい。ベース体1の加熱は、ドライヤを使用したり、赤外線の照射等によって簡易にできる。型台18は空冷式又は水冷式等により予め冷却させておくと便利である。尚、これとは逆に、加熱された型台18にベース体1を押し当てる方法を用いても良い。
【0034】
図11に示すような連結具19を用いれば、上述の長尺のベース体1として構成する際の分割ベース体1A,1Bを連結や、複数の分割ベース体を連結して三次元構造を付加させるのに役立つ。この連結具19は、連結するベース体1C,1Dの端部をそれぞれ挟み持つ把持部19a,19bを備えており、この場合、把持部19aと把持部19bはベース体1C,1Dを直交させて連結する。
【0035】
ベース体2枚の張り合わせによるワイヤーハーネスの伸縮規制構造が図12に示されている。これは上述したベース体1を2枚形成し、その2枚の張り合わせの間にワイヤーハーネスWを挟んだもので、この場合、ベース体1,1の張り合わせは内面に設けられた接着シート20によりなされているため、簡便に張り合わせを行うことができる。また、このベース体1の外面には耐摩耗シート21や金属シート22が貼付けられている。耐摩耗シート21は、ハーネス配索場所での他の機器との接触によるベース体1の破損を防止し、金属シート22は、ベース体1の耐熱性を向上させて熱による変形を防止する。尚、これら耐摩耗シート21や金属シート22は上述のベース体が1枚である場合にも適用することができるのはいうまでもない。耐摩耗シート21としては、例えばDLC(Diamond Like Carbon)などが良く、滑りがよいので耐摩耗性が向上し、ベース体の強度アップにもなる。その他、チタン、ガラス、セラミック等の材料よりなるシートでもよい。
【0036】
ベース体1に固定されるジョイントコネクタJCは、図13に示すようなバスバー構造のジョイント端子23を内蔵するキャップ24と、ケーブル端子25を収容固定するハウジング26との嵌合によって集中接続がなされる周知のものが用いられるが、図14に示すような構造のジョイントコネクタを用いれば、小型で部品点数を少なくすることができる。このジョイントコネクタ27は圧接接続構造を有するジョイント端子28を備えたもので、圧接接続後の接続部を含んでジョイント端子28を覆うように樹脂モールド29を施されている。このジョイントコネクタ27は耐防水性を備えているため、ハウジングや防水ゴム等の部品を不要とするものである。また、樹脂モールド29は、ジョイント端子28をベース体1へ固定する機能も有しているので、別途ベース体1への固定のための機構を設ける必要がなく、簡便にジョイントコネクタ27の固定が行える。
【0037】
樹脂モールド29は、例えばアラミド樹脂系のホットメルトを型に注入して行うことでジョイント端子28をベース体1に接着して固定することができる。尚、樹脂モールド29の上に、エポキシ系材料やPP材料を更に型でモールドしたり塗布したりして被覆すれば、耐薬品性と耐油性を付加することができる。
【0038】
このジョイントコネクタ27に備えられるジョイント端子28は図15(a)に示されるような、導電性板材よりなる四角形状の基板30に同じく導電性板材よりなる圧接バー31,31を抵抗溶接等により立設して形成されたもので、4本のケーブルWaを一括して集中接続可能に前後に対になった圧接刃31a,31aが圧接バー31に形成されている。4本のケーブルWaは皮むきされることなく、圧接刃31a,31aの間のスリット31bに押し込むことで、そのケーブル外被が切開されながら内部導体Wdが圧接刃31a,31aに挟圧把持されることにより導通接続される。この場合、さらに、内部導体Wdが圧接刃31a,31aに挟圧把持されている接続部分に、はんだ32を流し込んではんだ付けを施すことで接続信頼性を向上させることができる。なお、はんだ付けの際には、はんだ付け性を良くするためのフラックスを用いると良い。また、このフラックスに熱硬化性又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂系フラックスを用いれば、はんだ付けと前述の樹脂モールド成形を同時に行うことができ便利である。
【0039】
このようなジョイント端子28へのケーブル接続の他の例としては、図15(b)に示すような、スリット31b,31b間の距離と同じ長さだけ、ケーブルWaの途中部分を皮むきしてから圧接接続し、その接続部にはんだ32付けを施した構造でもよい。図15(a)の場合よりも、はんだ付け性が良くなり、結果、接続信頼性がさらに向上する。
【0040】
このような圧接刃を有するジョイント端子の変形例としては、図16に示すような、三角枠34を基板30に抵抗溶接により立設させて圧接刃31a,31aおよびスリット31bを形成したジョイント端子33がある。この場合も、ケーブルWaの途中部分を皮むきして押し込んで圧接接続し、その後、その接続部にはんだ32付けを施す。前述の場合と同様にはんだ付け性が良い。
【0041】
尚、これらのジョイント端子へのケーブル圧接接続工程、はんだ付け工程、モールド工程はすべて、上述した図3の図板6上で行うことが可能である。
【0042】
以上詳述したように、ワイヤーハーネスが配されて保持されるベース体の枝部先端にワイヤーハーネスのコネクタが固定されるので、コネクタの引張り等がベース体によって規制され、ワイヤーハーネス長さが伸びたり縮んだりしてしまうことなく、自動車への配索作業が簡便に行うことが可能になる。
【0043】
尚、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。ベース体の形状は、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せて種々なる形状・長さ・断面構造を採用することができ、実施例のような形状には限定されないことはいうまでもない。枝部先端へのコネクタ固定についても種々なる固定構造のものを採用することができ、実施例のような嵌合構造のものに限定されない。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造によれば、ベース体によりワイヤーハーネスの伸縮が規制されるので、自動車等へハーネス配索作業の煩雑さが解消される。また、ワイヤーハーネスのアッセブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、ほぼ設計した通りのワイヤハーネスを構成することができるうえに、実際の配索作業においてもその公差が維持される。さらに、ワイヤーハーネスの布線作業をこのベース体をガイドに行うことができるので、アッセンブリーの際の布線作業が簡便になる。
【0045】
そして、この伸縮規制構造に係るベース体を、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せた形状、例えば、自動車のエンジンルーム内の所定のハーネス配索場所において、接続相手となる機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスのコネクタの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、配索作業とコネクタ接続が一括して行えることも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造の概略構成を示した図である。
【図2】ワイヤーハーネスが配索されるエンジンルームの概略構成を示した図である。
【図3】本発明に実施の形態に係るワイヤーハーネスの布線方法の手順を示した図である。
【図4】ワイヤーハーネスのベース体への保持構造を示した図である。
【図5】ワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図6】同じくワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図7】更に同じくワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図8】ベース体の断面構造の例を示した図である。
【図9】ベース体同士の連結構造を示した図である。
【図10】平板状のベース体に三次元構造を付加するための方法を示した図である。
【図11】ベース体同士の連結に用いられる連結具の概略構成を示した図である。
【図12】ベース体2枚の張り合わせによるワイヤーハーネスの伸縮規制構造を示した図である。
【図13】嵌合接続構造を有するジョイントコネクタの概略構成を示した図である。
【図14】圧接接続構造を有するジョイントコネクタの概略構成を示した図である。
【図15】図14のジョイントコネクタに適用されるジョイント端子の概略構成を示した図である。
【図16】他の例のジョイント端子の概略構成を示した図である。
【図17】従来用いられてきたワイヤーハーネスの保護構造を示した図である。
【符号の説明】
1 ベース体
2 枝部
3 固定部
4 結束バンド
6 図板
19 連結具
21 耐摩耗シート
22 金属シート
27 ジョイントコネクタ
28 ジョイント端子
29 樹脂モールド
31a 圧接刃
32 はんだ
C コネクタ
JC ジョイントコネクタ
W ワイヤーハーネス
Wa ケーブル
Wb 枝線
Wd 内部導体
We 本線
【発明の属する技術分野】
本発明は、本線から分岐された複数の枝線の各端末部分にコネクタが接続されたワイヤーハーネスに関し、更に詳しくは、このようなワイヤーハーネスの伸縮を規制する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のエンジンルーム内等に配索されるケーブルの束よりなるワイヤハーネスにおいては、ケーブルを熱や埃から保護するとともに、振動等による周辺部品との接触を防止するために、コルゲートチューブやスパイラルチューブなどの筒状のチューブ材が外装されている。
【0003】
例えば、コルゲートチューブは、耐衝撃性や耐摩耗性に優れたポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材料により成形されたもので、薄肉円筒状に形成され、周方向の凹溝と凸条とを交互にチューブ長さ方向に等ピッチで配した蛇腹構造を有した屈曲性に富むもので、内部にケーブルの束を収容して保護する。このコルゲートチューブには、長手方向に切り込みが設けられたものとそうでないものとがあり、切り込みのあるものはその口開きによりケーブルの収容が容易であるところから広く使われている。
【0004】
自動車等に使用されているワイヤーハーネスは車体の各所に配索され所要位置で分岐されて、車体に設置されている各機器に接続されているが、ワイヤーハーネスの分岐位置ではこのようなチューブ材も分割する必要があり、その結果、分割場所に隙間が生じ、テープ等を巻き付けて分割箇所の防水および保護等を図る必要がある。
【0005】
図17は、複数本のケーブルWaを束ねて本線Weから分岐された枝線Wbを有して、その枝線Wbの端末部分に電気機器や各種センサ等への接続のためのコネクタCを備えたワイヤーハーネスWが示されている。図示されるようにコルゲートチューブTが枝線Wbやその他の部分において外装されている。
【0006】
このようなワイヤーハーネスWは、自動車に取り付けた際に先端のコネクタCが、接続の相手となる電気機器のコネクタ対して所望の位置となるように、ケーブルWaの長さやこれに外装されるコルゲートチューブTの長さを厳密に寸法管理して製作されている。コルゲートチューブTの端部から露出した部分は、コルゲートチューブTのケーブルWaに対する遊動を許容しないように、粘着テープ7を巻いて固定される。そして、この状態にアッセブリーされたワイヤーハーネスWを自動車内部に作業者が配索してコネクタ接続等を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−78137号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように寸法管理されてアッセンブリーされたワイヤーハーネスWであるが、粘着テープ7による固定はそれほど強固ではないため、自動車への配索の際に、コネクタC等を作業者が強く引っ張ったりすると、ワイヤーハーネスWが伸びたり縮んだりしてして長さ変わってしまう。ワイヤーハーネスWの枝線Wb長さが変わったりすると、先端のコネクタCが、接続の相手の電気機器のコネクタの位置に対して、長すぎたり、短かすぎたりして接続作業が煩雑になる。また、寸法管理においても、ワイヤーハーネスのアッセンブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が難しく、設計寸法通りに作ることが困難であった。
【0009】
本発明が解決する課題は、所定長さにアッセンブリーされたワイヤーハーネスが、自動車等への配索の際に伸びたり縮んだりすることがないように、その伸縮を規制するワイヤーハーネスの伸縮規制構造およびそのワイヤーハーネスの布線方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明は、本線から複数の枝線が分岐され各枝線の各端末部分にコネクタが接続されたワイヤーハーネスの伸縮規制構造であって、前記枝線に対応する数の複数の枝部を有する板状のベース体に前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、そのベース体の前記各枝部先端に前記枝線の先端に接続されるコネクタが固定されていることを要旨とするものである。
【0011】
上記構成を有するワイヤーハーネスの伸縮規制構造によれば、複数の枝線を有するワイヤーハーネスが配されて保持されるベース体の枝部先端に枝線のコネクタが固定されているので、コネクタの引張り等がベース体によって規制される。つまり、結果、ワイヤーハーネス長さが伸びたり縮んだりしてしまうことが規制されることになる。このようにワイヤーハーネスの伸縮が規制されることで、自動車へ取り付ける際に生じていた、接続作業の煩雑さが解消される。
【0012】
また、このような伸縮規制構造のベース体を用いると、枝線の分岐位置も規制されることになるので、ワイヤーハーネスのアッセンブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、ほぼ設計した通りのワイヤハーネスを構成することができるうえに、実際の配索作業においてもその公差が維持される。
【0013】
さらに、この伸縮規制構造に係るベース体を、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せた形状、例えば、自動車のエンジンルーム等のワイヤーハーネス配索場所において、接続の相手となる電気機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスのコネクタの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、ワイヤーハーネスの配索場所への配索作業が一括して行えるようなことも可能になる。
【0014】
この場合、このようなワイヤーハーネスの伸縮規制構造において、前記ベース体は可撓性を有するという構成にすれば、ベース体の撓みによりコネクタの方向性の自由度が大きくなり、ワイヤーハーネス配索の際の作業性をさらに向上させる。また、前記ベース体は三次元構造を有しているという構成にすれば、ワイヤーハーネス配索場所の複雑な形状にも対応することができる。
【0015】
更に、前記ベース体の外面には耐摩耗シートが貼り付けられているという構成にすれば、他の部材との接触による破損が防止され、前記ベース体の外面には金属シートが貼り付けられているという構成にすれば、耐熱性が向上し熱による変形が防止される。
【0016】
更に、前記ベース体は、分割されたベース体の連結により形成されているという構成にすれば、長尺のベース体を製作することが容易となり、前記分割形成されたベースの連結は別途用意された連結具によりなされているという構成にすれば、長尺のベース体製作が容易になるうえに、この連結具により例えば2つのベース体の板面が直角になるように連結させたりするなどベース体を三次元構造を有するものにすることができる。
【0017】
そして、前記ベース体には複数のケーブル集中接続用のジョイントコネクタが固定されているという構成にすれば、ジョイントコネクタ設置用スペースの削減が可能になる。この場合、前記ジョイントコネクタの前記ケーブルとの集中接続が、複数の圧接刃を有するジョイント端子によりなされている構成にすれば、複数のケーブルの一括接続が可能になり便利である。さらに、前記ジョイント端子は、樹脂モールドにより前記ケーブルとの接続部を含んだ状態で覆われている構成にすれば、簡便にケーブルとの接続部に耐防水性を付与することができるうえに、ジョイント端子のベース体への固定も可能になる。
【0018】
また、端末部分にコネクタが接続された枝線を複数有するワイヤーハーネスの布線方法であって、前記ワイヤーハーネスと同じく複数の枝部を有して、前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、前記枝部先端に前記コネクタが固定される板状のベース体を、該ベース体の設置治具と前記コネクタのセット治具とが所定位置に配された図板にセットして、該図板にセットされた前記ベース体上で前記ワイヤーハーネスの布線を行うことを特徴とするワイヤーハーネスの布線方法によれば、簡便にワイヤーハーネスを布線してアッセンブリーを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造およびワイヤーハーネスの布線方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造の概略構成を説明した図である。本発明に用いられるワイヤーハーネスWは、図1(a)に示されるように、複数本のケーブルWaを束ねて、所定位置で本線Weより分岐された枝線Wbを備えており、各枝線Wb先端にはコネクタCが接続されている。
【0021】
図1(b)は、このワイヤーハーネスWが配されるベース体1を示している。このベース体1は、可撓性を有する樹脂製の板材の打ち抜き加工により成形されたもので、ワイヤーハーネスWに合せて同じく所定位置で分岐された枝部2を備えており、ベース体1上に配されるワイヤーハーネスWの枝線Wb長さやハーネス配索場所での配索状態等を考慮した形状・長さを有してる。また、集中接続用のジョイントコネクタJCを固定するための固定部3が設けられており、ジョイントコネクタJCの設置用スペースの削減も可能になっている。尚、このジョイントコネクタJCの詳細については後述する。
【0022】
このベース体1の各枝部2の先端には、ワイヤーハーネスWのコネクタCを固定するための嵌合孔2aが形成されており、コネクタCの図示しない嵌合爪と嵌合して、図1(c)に示すようにコネクタCは枝部2先端に固定される。また、ベース体1上に配されたワイヤーハーネスWは、結束バンド4によりベース体1に保持される。
【0023】
このようにベース体1にワイヤーハーネスWを配して保持するとともに、ベース体1の枝部2先端にワイヤーハーネスWのコネクタCを固定すると、このベース体1によって、ワイヤーハーネスWのコネクタC等の引張りによるの伸縮が規制される。これにより、従来技術のような自動車へ取り付ける際に生じていた、ハーネス配索時の接続作業の煩雑さが解消される。
【0024】
また、このようなハーネス伸縮規制用のベース体1を用いると、枝線の分岐位置も規制されることになるので、ワイヤーハーネスWのアッセブリーの際の枝線Wb長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、設計通りのワイヤハーネスWを構成することができるうえに、自動車等への実際の配索作業においてもその公差が維持される。
【0025】
さらに、この伸縮規制構造に係るベース体1を、ワイヤーハーネスWの実際の配索状態に合せた形状、例えば図2に示すような自動車のエンジンルーム5のハーネス配索場所において、接続の相手となる電気機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスWのコネクタCの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、ハーネス配索場所への配索作業が一括して行えるようなことも可能になる。
【0026】
このようなベース体1を用いたワイヤーハーネスWの布線方法については、図3に示すような図板6を用いて簡便に行うことができる。この図板6には、ベース体1が所定位置に設置されるようにピン6aが立設されており、さらに、ワイヤーハーネスWのコネクタCを固定するコネクタ固定治具6bが設けられている。
【0027】
図3(a)に示すように、この図板6にベース体1をセットし、図3(b)に示すように、コネクタCが接続された状態までサブアッセンブリーされたワイヤーハーネスWをベース体1に配してそのコネクタCをベース体1の支部2先端にそれぞれ固定した後、図3(c)に示すように、別途用意した結束バンド4を用いてワイヤーハーネスWの複数箇所をベース体1に保持させ、図板6から取り外すことで完了する。この場合、ワイヤーハーネスWのサブアッセンブリーの段階から図板6を用いて布線を行ってもよい。このようにベース体1が布線する際のガイド的な役割をするため、ワイヤーハーネスWの布線およびアッセンブリーが簡便に行うことができるうえに、図板6から取り出して後も、伸縮することなくそのハーネス形状が維持されるので取扱いが楽である。
【0028】
次に、上述したワイヤーハーネスの伸縮規制構造に係るベース体1の変形例について説明する。ベース体1にワイヤーハーネスWを保持させる他の例としては、上述の結束バンド4による保持のほか種々のものがある。例えば図4(a)に示すような粘着テープ7のテーピングによる保持構造、図4(b)に示すような接着剤8によるベース体1上への保持構造がある。また、図5(a)に示すように、バンド9をベース体1に一体に設けた構成でもよく、この場合、部品点数が削減される。
【0029】
さらに、図5(b)に示すようにベース体1表面にケーブル埋め込み用の溝10を設けて、その溝10にワイヤーハーネスWを構成するケーブルWaを嵌め込んで保持させる構成でもよい。その他、図6(a)に示すように板材11や外装材12をワイヤーハーネスWの上から被せて、ベース板1に粘着テープ7などで固定して保持させる構造、さらには図6(b)に示すように樹脂フィルム13を巻いて保持させる構造などがある。
【0030】
これらの保持方法や保持構造のいずれについても、その作業が簡便に行えるものなので、従来技術のチューブ材へのテーピングのような作業スキルを要求しない。尚、図7に示すような従来技術のチューブ材Tをベース体1に外装して内部にワイヤーハーネスWを保持させることも勿論可能である。
【0031】
上述したベース体1は断面構造が平板状のものを用いたが、その他のベース体1の断面構造の例としては、図8(a)示すような、側壁14を備える構造や、図8(b)に示すような折り曲げ二枚板構造や、図8(c)に示すような中空構造などがある。これらの断面構造を採用すれば、ベース体1の引張りやねじれ等に対する機械的強度を軽量にアップさせることができる。
【0032】
ベース体1を比較的大きな長尺物として構成する場合は、図9に示すような、分割形成したベース体1Aとベース体1Bの結合部15,16を、(a)嵌合させる連結、(b)接着剤8による連結、(c)締結金具17を用いた連結等により可能である。この他、(d)に示すように超音波加工等によって結合部15,16を互いに溶融させて融着させる連結でもよい。
【0033】
ベース体1に、自動車のエンジンルームなどのハーネス配索場所に合せた三次元構造を付加させる場合は、図10に示すような加熱されたベース体1を型台18に押し当てた状態で冷やすことで簡単に三次元構造を不可することができる。この場合、ワイヤーハーネスWの布線後においても、このような形状を付加することは可能である。このような型台18を用いることでベース体1の平面以外の構造を作りやすい。ベース体1の加熱は、ドライヤを使用したり、赤外線の照射等によって簡易にできる。型台18は空冷式又は水冷式等により予め冷却させておくと便利である。尚、これとは逆に、加熱された型台18にベース体1を押し当てる方法を用いても良い。
【0034】
図11に示すような連結具19を用いれば、上述の長尺のベース体1として構成する際の分割ベース体1A,1Bを連結や、複数の分割ベース体を連結して三次元構造を付加させるのに役立つ。この連結具19は、連結するベース体1C,1Dの端部をそれぞれ挟み持つ把持部19a,19bを備えており、この場合、把持部19aと把持部19bはベース体1C,1Dを直交させて連結する。
【0035】
ベース体2枚の張り合わせによるワイヤーハーネスの伸縮規制構造が図12に示されている。これは上述したベース体1を2枚形成し、その2枚の張り合わせの間にワイヤーハーネスWを挟んだもので、この場合、ベース体1,1の張り合わせは内面に設けられた接着シート20によりなされているため、簡便に張り合わせを行うことができる。また、このベース体1の外面には耐摩耗シート21や金属シート22が貼付けられている。耐摩耗シート21は、ハーネス配索場所での他の機器との接触によるベース体1の破損を防止し、金属シート22は、ベース体1の耐熱性を向上させて熱による変形を防止する。尚、これら耐摩耗シート21や金属シート22は上述のベース体が1枚である場合にも適用することができるのはいうまでもない。耐摩耗シート21としては、例えばDLC(Diamond Like Carbon)などが良く、滑りがよいので耐摩耗性が向上し、ベース体の強度アップにもなる。その他、チタン、ガラス、セラミック等の材料よりなるシートでもよい。
【0036】
ベース体1に固定されるジョイントコネクタJCは、図13に示すようなバスバー構造のジョイント端子23を内蔵するキャップ24と、ケーブル端子25を収容固定するハウジング26との嵌合によって集中接続がなされる周知のものが用いられるが、図14に示すような構造のジョイントコネクタを用いれば、小型で部品点数を少なくすることができる。このジョイントコネクタ27は圧接接続構造を有するジョイント端子28を備えたもので、圧接接続後の接続部を含んでジョイント端子28を覆うように樹脂モールド29を施されている。このジョイントコネクタ27は耐防水性を備えているため、ハウジングや防水ゴム等の部品を不要とするものである。また、樹脂モールド29は、ジョイント端子28をベース体1へ固定する機能も有しているので、別途ベース体1への固定のための機構を設ける必要がなく、簡便にジョイントコネクタ27の固定が行える。
【0037】
樹脂モールド29は、例えばアラミド樹脂系のホットメルトを型に注入して行うことでジョイント端子28をベース体1に接着して固定することができる。尚、樹脂モールド29の上に、エポキシ系材料やPP材料を更に型でモールドしたり塗布したりして被覆すれば、耐薬品性と耐油性を付加することができる。
【0038】
このジョイントコネクタ27に備えられるジョイント端子28は図15(a)に示されるような、導電性板材よりなる四角形状の基板30に同じく導電性板材よりなる圧接バー31,31を抵抗溶接等により立設して形成されたもので、4本のケーブルWaを一括して集中接続可能に前後に対になった圧接刃31a,31aが圧接バー31に形成されている。4本のケーブルWaは皮むきされることなく、圧接刃31a,31aの間のスリット31bに押し込むことで、そのケーブル外被が切開されながら内部導体Wdが圧接刃31a,31aに挟圧把持されることにより導通接続される。この場合、さらに、内部導体Wdが圧接刃31a,31aに挟圧把持されている接続部分に、はんだ32を流し込んではんだ付けを施すことで接続信頼性を向上させることができる。なお、はんだ付けの際には、はんだ付け性を良くするためのフラックスを用いると良い。また、このフラックスに熱硬化性又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂系フラックスを用いれば、はんだ付けと前述の樹脂モールド成形を同時に行うことができ便利である。
【0039】
このようなジョイント端子28へのケーブル接続の他の例としては、図15(b)に示すような、スリット31b,31b間の距離と同じ長さだけ、ケーブルWaの途中部分を皮むきしてから圧接接続し、その接続部にはんだ32付けを施した構造でもよい。図15(a)の場合よりも、はんだ付け性が良くなり、結果、接続信頼性がさらに向上する。
【0040】
このような圧接刃を有するジョイント端子の変形例としては、図16に示すような、三角枠34を基板30に抵抗溶接により立設させて圧接刃31a,31aおよびスリット31bを形成したジョイント端子33がある。この場合も、ケーブルWaの途中部分を皮むきして押し込んで圧接接続し、その後、その接続部にはんだ32付けを施す。前述の場合と同様にはんだ付け性が良い。
【0041】
尚、これらのジョイント端子へのケーブル圧接接続工程、はんだ付け工程、モールド工程はすべて、上述した図3の図板6上で行うことが可能である。
【0042】
以上詳述したように、ワイヤーハーネスが配されて保持されるベース体の枝部先端にワイヤーハーネスのコネクタが固定されるので、コネクタの引張り等がベース体によって規制され、ワイヤーハーネス長さが伸びたり縮んだりしてしまうことなく、自動車への配索作業が簡便に行うことが可能になる。
【0043】
尚、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。ベース体の形状は、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せて種々なる形状・長さ・断面構造を採用することができ、実施例のような形状には限定されないことはいうまでもない。枝部先端へのコネクタ固定についても種々なる固定構造のものを採用することができ、実施例のような嵌合構造のものに限定されない。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造によれば、ベース体によりワイヤーハーネスの伸縮が規制されるので、自動車等へハーネス配索作業の煩雑さが解消される。また、ワイヤーハーネスのアッセブリーの際の枝線長さや分岐位置などの製造公差の管理が容易になり、ほぼ設計した通りのワイヤハーネスを構成することができるうえに、実際の配索作業においてもその公差が維持される。さらに、ワイヤーハーネスの布線作業をこのベース体をガイドに行うことができるので、アッセンブリーの際の布線作業が簡便になる。
【0045】
そして、この伸縮規制構造に係るベース体を、ワイヤーハーネスの実際の配索状態に合せた形状、例えば、自動車のエンジンルーム内の所定のハーネス配索場所において、接続相手となる機器等のコネクタの位置に対して、ワイヤーハーネスのコネクタの位置がぴったりになるような形状に形成すれば、配索作業とコネクタ接続が一括して行えることも可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネスの伸縮規制構造の概略構成を示した図である。
【図2】ワイヤーハーネスが配索されるエンジンルームの概略構成を示した図である。
【図3】本発明に実施の形態に係るワイヤーハーネスの布線方法の手順を示した図である。
【図4】ワイヤーハーネスのベース体への保持構造を示した図である。
【図5】ワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図6】同じくワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図7】更に同じくワイヤーハーネスのベース体への保持構造の他の例を示した図である。
【図8】ベース体の断面構造の例を示した図である。
【図9】ベース体同士の連結構造を示した図である。
【図10】平板状のベース体に三次元構造を付加するための方法を示した図である。
【図11】ベース体同士の連結に用いられる連結具の概略構成を示した図である。
【図12】ベース体2枚の張り合わせによるワイヤーハーネスの伸縮規制構造を示した図である。
【図13】嵌合接続構造を有するジョイントコネクタの概略構成を示した図である。
【図14】圧接接続構造を有するジョイントコネクタの概略構成を示した図である。
【図15】図14のジョイントコネクタに適用されるジョイント端子の概略構成を示した図である。
【図16】他の例のジョイント端子の概略構成を示した図である。
【図17】従来用いられてきたワイヤーハーネスの保護構造を示した図である。
【符号の説明】
1 ベース体
2 枝部
3 固定部
4 結束バンド
6 図板
19 連結具
21 耐摩耗シート
22 金属シート
27 ジョイントコネクタ
28 ジョイント端子
29 樹脂モールド
31a 圧接刃
32 はんだ
C コネクタ
JC ジョイントコネクタ
W ワイヤーハーネス
Wa ケーブル
Wb 枝線
Wd 内部導体
We 本線
Claims (12)
- 本線から複数の枝線が分岐され各枝線の各端末部分にコネクタが接続されたワイヤーハーネスの伸縮規制構造であって、前記枝線に対応する数の複数の枝部を有する板状のベース体に前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、そのベース体の前記各枝部先端に前記枝線の先端に接続されるコネクタが固定されていることを特徴とするワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体は可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体は三次元構造を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体の外面には耐摩耗シートが貼り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体の外面には金属シートが貼り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体は、分割されたベース体の連結により形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記分割形成されたベースの連結は別途用意された連結具によりなされていることを特徴とする請求項6に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ベース体には複数のケーブル集中接続用のジョイントコネクタが固定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ジョイントコネクタの前記ケーブルとの集中接続が、複数の圧接刃を有するジョイント端子によりなされていることを特徴とする請求項8に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ケーブルと前記ジョイント端子の圧接刃との接続部にはんだ付けが施されていることを特徴とする請求項9に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 前記ジョイント端子は、樹脂モールドにより前記ケーブルとの接続部を含んだ状態で覆われていることを特徴とする請求項9又は10に記載のワイヤーハーネスの伸縮規制構造。
- 端末部分にコネクタが接続された枝線を複数有するワイヤーハーネスの布線方法であって、前記ワイヤーハーネスと同じく複数の枝部を有して、前記ワイヤーハーネスが配されて保持されると共に、前記枝部先端に前記コネクタが固定される板状のベース体を、該ベース体の設置治具と前記コネクタのセット治具とが所定位置に配された図板にセットして、該図板にセットされた前記ベース体上で前記ワイヤーハーネスの布線を行うことを特徴とするワイヤーハーネスの布線方法。
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