JP2004273211A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照度分布を最適化することが容易であり、パターンの位置精度および転写性が良好で設備スペースの節減が可能な露光装置を提供する。
【解決手段】本発明の露光装置は、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に近接して所定のパターンを有するマスクを配置し、光源部から放射される光により、マスクパターンに対応するパターンをスクリーン形成部材層に形成するように構成された露光装置において、光源部が、マスクパターンの長手方向に平行に配置されたパターン形成部分の長さより長い線状の光出射部を有し、かつこの光出射部をマスクとの間の距離を一定に保ちながらマスクパターンの長手方向と直交する方向に移動させる移動機構を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の露光装置は、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に近接して所定のパターンを有するマスクを配置し、光源部から放射される光により、マスクパターンに対応するパターンをスクリーン形成部材層に形成するように構成された露光装置において、光源部が、マスクパターンの長手方向に平行に配置されたパターン形成部分の長さより長い線状の光出射部を有し、かつこの光出射部をマスクとの間の距離を一定に保ちながらマスクパターンの長手方向と直交する方向に移動させる移動機構を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置の蛍光体スクリーンなどの形成に用いられる露光装置に係り、特に、フラット型画像表示装置の平坦なフェースプレートの内面に、マスクを用いて蛍光体スクリーンなどを形成するための露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平坦で大サイズのフェースプレートを有するカラー陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶パネルのような画像表示装置に対して、需要が大幅に拡大している。
【0003】
このようなフラット型大画面の画像表示装置の蛍光体スクリーン形成においては、従来から、ガラス基板に所定のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を使用し、このマスクをフェースプレートの内面に形成された感光剤層や蛍光体スラリー層などのスクリーン形成部材層に近接して配置し、紫外線のような活性光線を照射してマスクのパターンを焼付ける露光工程が行われている。
【0004】
このような露光工程において、良好なパターン転写を実現し位置精度の高いパターンを形成するために、平行光調整ミラーのような集光ミラーを用いて平行光線を作り、この平行光線をマスクを介してフェースプレートのスクリーン形成部材層に照射する方式、あるいはマスクをスクリーン形成部材層に密着して配置し、通常の紫外線ランプのような線状の光源を使用して露光する密着露光方式が採られていた。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【引用特許文献1】
特開平7−037497号公報(第5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平行光線を用いた露光方式においては、スクリーン形成部材層に対する照度分布を最適化し、高いパターン位置精度を得るために、光源に対して大きなミラー並びにマスクに対して十分な光路長を必要とし、装置が大型になるという問題があった。また、光拡散板や照度補正フィルターのような複雑な付帯設備を必要としていた。
【0007】
また、平行光線といえども干渉等により若干の回り込みがあるため、マスクとスクリーン形成部材層との離間間隔に応じて光の拡散が生じ、マスクのパターンが拡大投影される結果、スクリーン形成部材層に焼付けられるパターン像が、回折光や光源径の影響を受けてぼやけるという問題があった。
【0008】
さらに、密着露光方式では、剥がれやすい蛍光体スラリー層などを損傷するおそれがあるばかりでなく、マスクにきず等の欠陥が発生し、マスク寿命が短くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、照度分布の最適化が容易であり、かつ焼付けられるパターンの位置精度および転写性が良好で設備スペースの節減が可能な露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の露光装置は、内面にスクリーン形成部材層を有する平坦なフェースプレートを支持するプレート支持部と、所定のパターンを有するマスクを、前記プレート支持部に支持された前記フェースプレートのスクリーン形成部材層に近接して支持するマスク支持部と、前記スクリーン形成部材層に前記マスクのパターンに対応するパターンを形成するための光を放射する光源部を備えた露光装置において、前記光源部が、前記マスクのパターンの長手方向に平行に配置された、該パターンの形成部分の長さより長い線状の光出射部を有し、かつこの光出射部を、前記マスクとの間の距離を一定に保ちながら該マスクのパターンの長手方向と直交する方向に移動させる移動機構を備えることを特徴とする。
【0011】
この露光装置において、プレート支持部に支持されたフェースプレートのスクリーン形成部材層とマスク支持部に支持されたマスクとの間隔を、0〜500μmに保持することができる。
【0012】
なお、本発明において、マスクに形成されたパターン(以下、マスクパターンと示す。)がストライプ状の場合には、ストライプの長さ方向がマスクパターンの長手方向となる。マスクパターンがドット状である場合には、マスクパターンの長手方向を、例えばマスクの短辺方向など任意に設定することができる。
【0013】
本発明の露光装置によれば、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に、マスクパターンを焼付ける露光にあたり、スクリーン形成部材層に照射される光の照度分布を均一にして最適化することができ、パターン位置精度が高く転写性が良好で解像度の高い投影パターンを形成することができる。また、装置が小型化され設置スペースの節減を図ることができる。
【0014】
さらに、フェースプレートのスクリーン形成部材層とマスクとの間の離間距離(間隔)を0〜500μmに保持することにより、光の拡散、回折、光源の大きさなどによる解像度の劣化を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係わる露光装置の実施形態を模式的に示す図であり、図2は、その一部を拡大して示す図である。
【0016】
この露光装置は、フェースプレート1を水平に支持するプレート支持部2と、このプレート支持部2に支持されたフェースプレート1の下面に接近して、フェトマスクであるマスターマスク3を支持するマスク支持部4と、プレート支持部2およびマスク支持部4の下方に設けられた光源部5と光源移動機構6、およびこれらを搭載する架台7を備えている。
【0017】
プレート支持部2は、フェースプレート1を支持・固定する矩形枠状の固定冶具8を有し、この固定冶具8が架台7の上端部に水平に固定された固定枠9に取付けられている。
【0018】
フェースプレート1は、平坦な矩形のガラス板の片面に、感光剤層や蛍光体スラリー層などのスクリーン形成部材層が形成された構造を有し、プレート支持部2により、スクリーン形成部材層の形成された面を下向きにして水平に支持される。
【0019】
マスク支持部4は、マスターマスク3を支持・固定する矩形枠状のマスク支持枠(図示を省略。)を有し、このマスク支持枠を介して架台7上端部の固定枠9に取付けられている。
【0020】
マスターマスク3は、平坦な矩形のガラス乾板の一方の面に、3色蛍光体層などに対応する所定のマスクパターン(例えばストライプ状)が形成されたものであり、このマスクパターンの形成された面を上向きとし、かつプレート支持部2に支持されたフェースプレート1のスクリーン形成部材層(下面)と所定の間隔aを保持するように、マスク支持部4により位置決め支持されている。
【0021】
ここで、フェースプレート1のスクリーン形成部材層とマスターマスク3(の上面)との間隔aは、0〜500μmとすることが望ましい。この間隔aが500μmを超えると、スクリーン形成部材層に投影されるパターンの解像度が低下する。また、間隔aが0μmであり、スクリーン形成部材層とマスターマスク3とが接していると、スクリーン形成部材層などが損傷を受けるおそれがあり好ましくない。より好ましくは、3〜200μmの間隔を保つように保持することが好ましい。
【0022】
光源部5は、マスターマスク3のパターン形成部分の一方の辺(例えば短辺)の長さより長い線状の発光光源10(例えば、超高圧紫外線ランプ)と、上部に発光光源10と同じ長さのスリット状光出射部11を有する光源カバー12とを備え、光源カバー12の内側には光反射層が形成されている。そして、線状の発光光源10およびスリット状光出射部11が、マスクパターンの長手方向に平行となり、かつ発光光源10および光出射部11の両端部がマスターマスク3のパターン形成部分の端部より外側に延出するように配置されている。
【0023】
また、この光源部5には、架台7上に設置された光源移動機構6が接続されている。光源移動機構6は、光出射部11とマスターマスク3との間の距離を一定に(例えば2〜600mm)保ちながら、光源部5をマスクパターンの長手方向と直交する方向に往復移動させるように構成されている。
【0024】
線状の発光光源10から放射される光は、光源カバー12上部のスリット状光出射部11を通り、マスク支持部4に位置決め支持されたマスターマスク3を介して、フェースプレート1のスクリーン形成部材層に投射される。そして、発光光源10を光源移動機構6によりマスクパターンの長手方向と直交する方向に往復移動させることにより、スクリーン形成部材層にマスクパターンに対応するパターンを焼付け投影することができる。
【0025】
このとき、発光光源10の長さがマスターマスク3のパターン形成部分の短辺の長さより長く、発光光源10および光出射部11の両端部がマスターマスク3のパターン形成部分の端部より外側に延出するようになっているので、スクリーン形成部材層に投射される光の照度分布を、マスターマスクのパターン形成部分の全体で均一化し最適化することができる。したがって、パターンの転写性が良好であり、形状の歪みがなく位置精度の高い投影パターンの形成が可能である。また、フェースプレート1のスクリーン形成部材層とマスターマスク3との間隔aが、0〜500μmに保持されているので、解像度の高いパターン形成が可能である。
【0026】
例えば、フェースプレート1のサイズを600mm×900mm、マスターマスク3のサイズを30インチ×43インチとし、発光光源として2kWの超高圧水銀ランプ(長さ700mm)を用いた場合、光源部5を100mm/秒で15往復させることにより、フェースプレート1の内面で60mJ/cm2 の積算光量が得られ、各色蛍光体層を形成することができる。また、同じ条件で1往復させることにより、ブラックストライプ形成用のフォトレジスト層を形成することができる。
【0027】
以上の実施形態では、フェースプレート1およびマスターマスク3をそれぞれ水平に支持する露光装置について説明したが、フェースプレート1とマスターマスク3の少なくとも一方が自重により撓むおそれがある場合には、これらを垂直にあるいは傾斜させて支持する構造にしてもよい。
【0028】
また、棒状の超高圧紫外線ランプのような発光光源10を使用し、これをスリット付きの光源カバー12で覆って線状の光出射部を形成した例について説明したが、例えば点状の発光光源から放射される光を光ファイバーやプリズム、ハーフミラーなどで複数に分割し、分割された光の出射端部をマスクパターンの長さより長く線状に配列することにより、線状の光出射部を形成することもできる。
【0029】
次に、このように構成される露光装置を使用し、FEDのブラックストライプ用のフォトレジストパターンを形成した実施例について説明する。形成されたフォトレジストパターンを用いてブラックストライプを形成し、次いでその間隙部に3色蛍光体層を形成することにより、蛍光体スクリーンが形成される。
【0030】
実施例1〜3
まず、厚さ5mmの矩形のガラス基板の片面に、ポリビニルアルコール(PVA)と重クロム酸アンモニウム(ADC)を主成分とする感光剤を塗布・乾燥して、感光膜を形成した。次いで、この感光膜の形成されたガラス基板(フェースプレート1)を、前記した露光装置の固定治具8に、感光膜の形成面を下向きにして位置決め固定した後、ストライプ状のマスクパターンを有するマスターマスク3をマスク支持部4に位置決め固定した。このとき、フェースプレート1の感光膜とマスターマスク3(の上面)とが、表1に示す間隔aとなるように調整した。そして、線状の発光光源10である紫外線ランプから放射された紫外線をマスターマスク3を介して感光膜に照射し、マスクパターンを感光膜に焼付けた。
【0031】
次に、マスクパターンの焼付けられた感光膜を現像して、未感光部を除去し、フォトレジストパターンを形成した。
【0032】
また、比較のために、面光源からの平行光線を用いて感光膜の全面を露光する方式(比較例1)、および点状光源を用い光源を移動させることなく全面を同時に露光する方式(比較例2)によりそれぞれ露光を行い、フォトレジストパターンを形成した。なお、比較例1,2においても、フェースプレート1の感光膜とマスターマスク3とが、表1に示す間隔aとなるように調整した。
【0033】
こうして実施例1〜3および比較例1,2でそれぞれ形成されたフォトレジストパターンの位置精度、サイズおよび形状を、マスクパターンと比較して調べた。結果を、装置の大きさ(設置スペース)およびコストとともに表1に示す。なお、各項目において、極めて良好なものを◎、良好なものを○、実用的に使用可能なレベルのものを△、実使用不可能なレベルのもの×として示した。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から、実施例1〜3において、装置の大きさおよびコストを最小限にして、パターンの位置精度およびパターンの転写性を良好にできることが確認された。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の露光装置によれば、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に、フォトマスクのパターンを焼付け露光するにあたり、スクリーン形成部材層に照射される光の照度分布を均一にして最適化することができ、パターン位置精度が高く転写性が良好で解像度の高いパターンを形成することができる。また、装置が小型化されており、設置スペースの節減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の実施形態を模式的に示す図。
【図2】本発明の実施形態の一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
1………フェースプレート、2………プレート支持部、3………マスターマスク、4………マスク支持部、5………光源部、6………光源移動機構、7………架台、8………固定冶具、10………発光光源、11………スリット状光出射部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置の蛍光体スクリーンなどの形成に用いられる露光装置に係り、特に、フラット型画像表示装置の平坦なフェースプレートの内面に、マスクを用いて蛍光体スクリーンなどを形成するための露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平坦で大サイズのフェースプレートを有するカラー陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶パネルのような画像表示装置に対して、需要が大幅に拡大している。
【0003】
このようなフラット型大画面の画像表示装置の蛍光体スクリーン形成においては、従来から、ガラス基板に所定のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を使用し、このマスクをフェースプレートの内面に形成された感光剤層や蛍光体スラリー層などのスクリーン形成部材層に近接して配置し、紫外線のような活性光線を照射してマスクのパターンを焼付ける露光工程が行われている。
【0004】
このような露光工程において、良好なパターン転写を実現し位置精度の高いパターンを形成するために、平行光調整ミラーのような集光ミラーを用いて平行光線を作り、この平行光線をマスクを介してフェースプレートのスクリーン形成部材層に照射する方式、あるいはマスクをスクリーン形成部材層に密着して配置し、通常の紫外線ランプのような線状の光源を使用して露光する密着露光方式が採られていた。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【引用特許文献1】
特開平7−037497号公報(第5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平行光線を用いた露光方式においては、スクリーン形成部材層に対する照度分布を最適化し、高いパターン位置精度を得るために、光源に対して大きなミラー並びにマスクに対して十分な光路長を必要とし、装置が大型になるという問題があった。また、光拡散板や照度補正フィルターのような複雑な付帯設備を必要としていた。
【0007】
また、平行光線といえども干渉等により若干の回り込みがあるため、マスクとスクリーン形成部材層との離間間隔に応じて光の拡散が生じ、マスクのパターンが拡大投影される結果、スクリーン形成部材層に焼付けられるパターン像が、回折光や光源径の影響を受けてぼやけるという問題があった。
【0008】
さらに、密着露光方式では、剥がれやすい蛍光体スラリー層などを損傷するおそれがあるばかりでなく、マスクにきず等の欠陥が発生し、マスク寿命が短くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、照度分布の最適化が容易であり、かつ焼付けられるパターンの位置精度および転写性が良好で設備スペースの節減が可能な露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の露光装置は、内面にスクリーン形成部材層を有する平坦なフェースプレートを支持するプレート支持部と、所定のパターンを有するマスクを、前記プレート支持部に支持された前記フェースプレートのスクリーン形成部材層に近接して支持するマスク支持部と、前記スクリーン形成部材層に前記マスクのパターンに対応するパターンを形成するための光を放射する光源部を備えた露光装置において、前記光源部が、前記マスクのパターンの長手方向に平行に配置された、該パターンの形成部分の長さより長い線状の光出射部を有し、かつこの光出射部を、前記マスクとの間の距離を一定に保ちながら該マスクのパターンの長手方向と直交する方向に移動させる移動機構を備えることを特徴とする。
【0011】
この露光装置において、プレート支持部に支持されたフェースプレートのスクリーン形成部材層とマスク支持部に支持されたマスクとの間隔を、0〜500μmに保持することができる。
【0012】
なお、本発明において、マスクに形成されたパターン(以下、マスクパターンと示す。)がストライプ状の場合には、ストライプの長さ方向がマスクパターンの長手方向となる。マスクパターンがドット状である場合には、マスクパターンの長手方向を、例えばマスクの短辺方向など任意に設定することができる。
【0013】
本発明の露光装置によれば、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に、マスクパターンを焼付ける露光にあたり、スクリーン形成部材層に照射される光の照度分布を均一にして最適化することができ、パターン位置精度が高く転写性が良好で解像度の高い投影パターンを形成することができる。また、装置が小型化され設置スペースの節減を図ることができる。
【0014】
さらに、フェースプレートのスクリーン形成部材層とマスクとの間の離間距離(間隔)を0〜500μmに保持することにより、光の拡散、回折、光源の大きさなどによる解像度の劣化を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係わる露光装置の実施形態を模式的に示す図であり、図2は、その一部を拡大して示す図である。
【0016】
この露光装置は、フェースプレート1を水平に支持するプレート支持部2と、このプレート支持部2に支持されたフェースプレート1の下面に接近して、フェトマスクであるマスターマスク3を支持するマスク支持部4と、プレート支持部2およびマスク支持部4の下方に設けられた光源部5と光源移動機構6、およびこれらを搭載する架台7を備えている。
【0017】
プレート支持部2は、フェースプレート1を支持・固定する矩形枠状の固定冶具8を有し、この固定冶具8が架台7の上端部に水平に固定された固定枠9に取付けられている。
【0018】
フェースプレート1は、平坦な矩形のガラス板の片面に、感光剤層や蛍光体スラリー層などのスクリーン形成部材層が形成された構造を有し、プレート支持部2により、スクリーン形成部材層の形成された面を下向きにして水平に支持される。
【0019】
マスク支持部4は、マスターマスク3を支持・固定する矩形枠状のマスク支持枠(図示を省略。)を有し、このマスク支持枠を介して架台7上端部の固定枠9に取付けられている。
【0020】
マスターマスク3は、平坦な矩形のガラス乾板の一方の面に、3色蛍光体層などに対応する所定のマスクパターン(例えばストライプ状)が形成されたものであり、このマスクパターンの形成された面を上向きとし、かつプレート支持部2に支持されたフェースプレート1のスクリーン形成部材層(下面)と所定の間隔aを保持するように、マスク支持部4により位置決め支持されている。
【0021】
ここで、フェースプレート1のスクリーン形成部材層とマスターマスク3(の上面)との間隔aは、0〜500μmとすることが望ましい。この間隔aが500μmを超えると、スクリーン形成部材層に投影されるパターンの解像度が低下する。また、間隔aが0μmであり、スクリーン形成部材層とマスターマスク3とが接していると、スクリーン形成部材層などが損傷を受けるおそれがあり好ましくない。より好ましくは、3〜200μmの間隔を保つように保持することが好ましい。
【0022】
光源部5は、マスターマスク3のパターン形成部分の一方の辺(例えば短辺)の長さより長い線状の発光光源10(例えば、超高圧紫外線ランプ)と、上部に発光光源10と同じ長さのスリット状光出射部11を有する光源カバー12とを備え、光源カバー12の内側には光反射層が形成されている。そして、線状の発光光源10およびスリット状光出射部11が、マスクパターンの長手方向に平行となり、かつ発光光源10および光出射部11の両端部がマスターマスク3のパターン形成部分の端部より外側に延出するように配置されている。
【0023】
また、この光源部5には、架台7上に設置された光源移動機構6が接続されている。光源移動機構6は、光出射部11とマスターマスク3との間の距離を一定に(例えば2〜600mm)保ちながら、光源部5をマスクパターンの長手方向と直交する方向に往復移動させるように構成されている。
【0024】
線状の発光光源10から放射される光は、光源カバー12上部のスリット状光出射部11を通り、マスク支持部4に位置決め支持されたマスターマスク3を介して、フェースプレート1のスクリーン形成部材層に投射される。そして、発光光源10を光源移動機構6によりマスクパターンの長手方向と直交する方向に往復移動させることにより、スクリーン形成部材層にマスクパターンに対応するパターンを焼付け投影することができる。
【0025】
このとき、発光光源10の長さがマスターマスク3のパターン形成部分の短辺の長さより長く、発光光源10および光出射部11の両端部がマスターマスク3のパターン形成部分の端部より外側に延出するようになっているので、スクリーン形成部材層に投射される光の照度分布を、マスターマスクのパターン形成部分の全体で均一化し最適化することができる。したがって、パターンの転写性が良好であり、形状の歪みがなく位置精度の高い投影パターンの形成が可能である。また、フェースプレート1のスクリーン形成部材層とマスターマスク3との間隔aが、0〜500μmに保持されているので、解像度の高いパターン形成が可能である。
【0026】
例えば、フェースプレート1のサイズを600mm×900mm、マスターマスク3のサイズを30インチ×43インチとし、発光光源として2kWの超高圧水銀ランプ(長さ700mm)を用いた場合、光源部5を100mm/秒で15往復させることにより、フェースプレート1の内面で60mJ/cm2 の積算光量が得られ、各色蛍光体層を形成することができる。また、同じ条件で1往復させることにより、ブラックストライプ形成用のフォトレジスト層を形成することができる。
【0027】
以上の実施形態では、フェースプレート1およびマスターマスク3をそれぞれ水平に支持する露光装置について説明したが、フェースプレート1とマスターマスク3の少なくとも一方が自重により撓むおそれがある場合には、これらを垂直にあるいは傾斜させて支持する構造にしてもよい。
【0028】
また、棒状の超高圧紫外線ランプのような発光光源10を使用し、これをスリット付きの光源カバー12で覆って線状の光出射部を形成した例について説明したが、例えば点状の発光光源から放射される光を光ファイバーやプリズム、ハーフミラーなどで複数に分割し、分割された光の出射端部をマスクパターンの長さより長く線状に配列することにより、線状の光出射部を形成することもできる。
【0029】
次に、このように構成される露光装置を使用し、FEDのブラックストライプ用のフォトレジストパターンを形成した実施例について説明する。形成されたフォトレジストパターンを用いてブラックストライプを形成し、次いでその間隙部に3色蛍光体層を形成することにより、蛍光体スクリーンが形成される。
【0030】
実施例1〜3
まず、厚さ5mmの矩形のガラス基板の片面に、ポリビニルアルコール(PVA)と重クロム酸アンモニウム(ADC)を主成分とする感光剤を塗布・乾燥して、感光膜を形成した。次いで、この感光膜の形成されたガラス基板(フェースプレート1)を、前記した露光装置の固定治具8に、感光膜の形成面を下向きにして位置決め固定した後、ストライプ状のマスクパターンを有するマスターマスク3をマスク支持部4に位置決め固定した。このとき、フェースプレート1の感光膜とマスターマスク3(の上面)とが、表1に示す間隔aとなるように調整した。そして、線状の発光光源10である紫外線ランプから放射された紫外線をマスターマスク3を介して感光膜に照射し、マスクパターンを感光膜に焼付けた。
【0031】
次に、マスクパターンの焼付けられた感光膜を現像して、未感光部を除去し、フォトレジストパターンを形成した。
【0032】
また、比較のために、面光源からの平行光線を用いて感光膜の全面を露光する方式(比較例1)、および点状光源を用い光源を移動させることなく全面を同時に露光する方式(比較例2)によりそれぞれ露光を行い、フォトレジストパターンを形成した。なお、比較例1,2においても、フェースプレート1の感光膜とマスターマスク3とが、表1に示す間隔aとなるように調整した。
【0033】
こうして実施例1〜3および比較例1,2でそれぞれ形成されたフォトレジストパターンの位置精度、サイズおよび形状を、マスクパターンと比較して調べた。結果を、装置の大きさ(設置スペース)およびコストとともに表1に示す。なお、各項目において、極めて良好なものを◎、良好なものを○、実用的に使用可能なレベルのものを△、実使用不可能なレベルのもの×として示した。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から、実施例1〜3において、装置の大きさおよびコストを最小限にして、パターンの位置精度およびパターンの転写性を良好にできることが確認された。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の露光装置によれば、平坦なフェースプレートの内面に形成されたスクリーン形成部材層に、フォトマスクのパターンを焼付け露光するにあたり、スクリーン形成部材層に照射される光の照度分布を均一にして最適化することができ、パターン位置精度が高く転写性が良好で解像度の高いパターンを形成することができる。また、装置が小型化されており、設置スペースの節減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の実施形態を模式的に示す図。
【図2】本発明の実施形態の一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
1………フェースプレート、2………プレート支持部、3………マスターマスク、4………マスク支持部、5………光源部、6………光源移動機構、7………架台、8………固定冶具、10………発光光源、11………スリット状光出射部
Claims (2)
- 内面にスクリーン形成部材層を有する平坦なフェースプレートを支持するプレート支持部と、所定のパターンを有するマスクを、前記プレート支持部に支持された前記フェースプレートのスクリーン形成部材層に近接して支持するマスク支持部と、前記スクリーン形成部材層に前記マスクのパターンに対応するパターンを形成するための光を放射する光源部を備えた露光装置において、
前記光源部が、前記マスクのパターンの長手方向に平行に配置された、該パターンの形成部分の長さより長い線状の光出射部を有し、かつこの光出射部を、前記マスクとの間の距離を一定に保ちながら該マスクのパターンの長手方向と直交する方向に移動させる移動機構を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記プレート支持部に支持された前記フェースプレートのスクリーン形成部材層と、前記マスク支持部に支持された前記マスクとの間隔が、0〜500μmに保持されていることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003060297A JP2004273211A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003060297A JP2004273211A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 露光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004273211A true JP2004273211A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33122884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003060297A Abandoned JP2004273211A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004273211A (ja) |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003060297A patent/JP2004273211A/ja not_active Abandoned
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A762 | Written abandonment of application |
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