JP2004273172A - 車両用放電灯点灯装置 - Google Patents

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Miki Kotani
幹 小谷
Fumitoshi Nagasaki
文俊 長崎
Yoshiyuki Inada
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Abstract

【課題】入力側の接続がルーズコンタクトになったり、接続状態が悪い場合に、放電灯点灯装置が異常な状態で動作し続けることを防止して安全に停止させることのできる車両用放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】直流電源1をDC−DCコンバータ2により昇降圧してDC−ACコンバータ3を介して放電灯10を点灯させる装置において、直流電源1からの入力電圧が所定の点灯維持下限電圧に低下したとき又はDC−DCコンバータ2の出力電圧の上昇により放電灯10の立ち消えを検出したときにDC−DCコンバータ2の動作を停止し、入力電圧が所定の始動可能電圧になると動作を再開することによる放電灯10の点滅動作が所定の回数以上になると、DC−DCコンバータ2の動作を停止状態を維持するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前照灯に使用される高輝度放電灯を点灯させる車両用放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−9911号公報
【0003】
従来の車両用放電灯点灯装置は、電源であるバッテリーからの入力電圧によって直接ON・OFFを制御し、点灯させる仕組みになっている。放電灯を点灯させるには、放電灯が放電していない状態、つまり無負荷状態のときに400V程度の高電圧を印加し、その後、さらに20KV程度の高電圧パルスを印加して、放電を開始させる。バッテリーの電圧は約12.8Vであり、放電灯点灯装置は過渡出力も含み約120W〜40Wの電力を消費する。入力電流は、過渡時には10〜20Aも流れることになる。バッテリーから放電灯点灯装置まではリレー、ヒューズなどを介して、ハーネスと呼ばれる配線によって電源が供給されている。実際のインピーダンスは約0.1Ω程度なので、最大電流が流れたとしても1〜2V程度の電圧降下のため、点灯を維持するには問題がないレベルである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
車両用放電灯点灯装置は自動車部品として市販されており、最近では自家用の車に装備をする人が増えている。このように、あとから取り付ける場合においては、配線を間違えて接続される場合がある。車両の電源は、直流電源であるから、接続を間違えると正常に点灯しない。インピーダンスも低いハーネスで接続される必要がある。接続端子の締め付けが緩い等でハーネスのインピーダンスが高くなっている場合には、点灯初期に大きな入力電流が流れると、電圧降下が生じ、点灯装置に与えられる入力電圧が低くなる。入力電圧が低くなるとバッテリーから電力が供給されていない状態と判断され、消灯状態になる。消灯状態になれば電流が流れなくなり、電圧降下は無くなり、元の電圧に上昇する。そのような点灯と消灯の繰り返しにより点滅状態が続くことになると、放電灯の寿命を短くするし、点灯装置も異常な動作状態になり、寿命を短くする可能性がある。
【0005】
車両用の前照灯は2つ以上配置されているから、片方がそのような状態になったとしても、実際に気づくケースは少ない。また、異変に気づいても実際に何回か同じ現象が起きてからでないと保守点検されることは少ない。
【0006】
上述の特許文献1(特開平7−9911号公報)では、放電灯の負荷電圧が高くなり停止したときに、ブザーや警告灯で知らせるシステムが開示されているが、消耗品である放電灯の寿命末期などに対して、異常消灯と判断していることから、正常に配線されている状態で異常が発生する場合を想定しているため、完成品の車ではなく、あとから取り付ける場合において、誤接続の場合を想定していない。
【0007】
特開平9−245979号公報においては、バッテリー電圧が低くなったときに、バッテリー電圧を昇圧させるDC−DCコンバータを停止させることが提案されているが、上述のような誤接続に対する対策として実施しても電源電圧が復帰するたびに点灯動作に入るために、停止動作と点灯動作を繰り返してしまう。このような点滅動作が繰り返されると、放電灯の寿命が短くなり、長時間連続動作が続くと点灯装置自体の寿命も短くなることになる。
【0008】
また、車両用放電灯点灯装置は、電源が一般家庭用の交流電源とは違い直流電源であるため極性があり、逆接続をすると、極性がある電子回路部品が故障することになる。たとえばアルミニウム電解コンデンサやMOSFETなどの素子は、逆流防止対策としてダイオードなどで保護する場合があるが、ダイオードを直列に介挿すると電力ロスが大きくなり、放熱するために、装置自体が大きくなるなど、形状やコストが高くなるデメリットがある。
【0009】
特開平10−315849号公報には逆接続防止回路が開示されており、直流電源の正極側から抵抗を介してスイッチ手段としてのMOSFETのゲートに電圧を印加され、直流電源の負電極側にMOSFETのドレインを接続し、ソースは放電灯点灯装置のグランド側にされる構成になっている。この構成では、MOSFETのゲート・ソース電圧が高い場合、故障してしまう欠点がある。自動車の電源環境では、50V程度までのサージは十分考えられる。実際に使用されるMOSFETのゲート電圧は、±20〜30V程度になるので、MOSFETが損傷してしまう危険性がある。
【0010】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、入力側の接続がルーズコンタクトになったり、接続状態が悪い場合に、放電灯点灯装置が異常な状態で動作し続けることを防止して安全に停止させることのできる車両用放電灯点灯装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両用放電灯点灯装置によれば、上記の課題を解決するために、直流電源と、この直流電源の電圧を昇降圧させるDC−DCコンバータと、前記昇降圧された直流電圧を矩形波に変換するDC−ACコンバータと、DC−ACコンバータから電力供給を受けて発光する放電灯と、始動時に放電灯をブレイクダウンさせるための高電圧パルスを発生させるイグナイタ部と、前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記DC−DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出部と、直流電源の電圧を検出する入力電圧検出部と、各検出部の検出信号を受けて前記DC−DCコンバータを動作させる制御回路とを備えた放電灯点灯装置であって、前記制御回路は、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の点灯維持下限電圧に低下したとき又は出力電圧検出部により検出された出力電圧の上昇により放電灯の立ち消えを検出したとき又は出力電流検出部により検出された出力電流の低下により放電灯の立ち消えを検出したときに前記DC−DCコンバータの動作を停止し、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧になって前記DC−DCコンバータの動作を開始することによる放電灯の点滅動作が所定の回数以上となった場合に、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧に復帰しても前記DC−DCコンバータの動作を停止状態に維持する異常判定手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1において、異常判定手段が異常と判定する点滅回数の閾値を実際に放電灯を点滅させる回数と同等もしくはそれ以上の回数に設定したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項2において、所定の時間内に所定の点滅回数が発生した場合に直ちに出力停止状態とすることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項3において、所定の時間に所定の点滅回数が発生した場合でも所定の時間遅らせて出力停止状態とすることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、請求項3又は4において、放電灯の点灯直後に投入する最大電力に応じて異常と判定する点滅時間又は点滅回数の条件を変更することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、請求項5において、放電灯が点灯している時間または消灯している時間を測定する回路を備え、点灯または消灯している時間に応じて異常と判定する条件を変更することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれかにおいて、直流電源からの入力電圧の低下時に点灯を維持する電圧の閾値を2回目以降のいずれかの点滅で変更することを特徴とする。
請求項8の発明によれば、請求項1〜7のいずれかにおいて、2回目以降の点滅発生時には出力電流検出部から検出される電流値がゼロ又は所定値以下になったことをもって放電灯の立消えを判定することを特徴とする。
請求項9の発明によれば、請求項1〜8のいずれかにおいて、2回目以降の点滅発生時には出力電圧検出部から検出される電圧により放電灯の立ち消えを判定する閾値を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明によれば、請求項1〜9のいずれかにおいて、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の点灯維持下限電圧に低下して前記DC−DCコンバータの動作を停止させた直後に入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が急激に増加する場合には、異常と判定して前記DC−DCコンバータの動作を停止させることを特徴とする。
請求項11の発明によれば、請求項1〜10のいずれかにおいて、放電灯の点灯維持が所定の時間以上続いた場合は、点滅回数又は点滅時間のカウントをクリアすることを特徴とする。
【0015】
請求項12の発明によれば、請求項1〜11のいずれかにおいて、前記直流電源と前記DC−DCコンバータとの間に逆接続防止手段として内部抵抗を有するスイッチ手段を備えると共に、このスイッチ手段の両端電圧を検出する手段を備え、該スイッチ手段の両端電圧の検出値に応じて入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧と比較される点灯維持下限電圧の閾値を変更することを特徴とする。
請求項13の発明によれば、請求項1〜12のいずれかにおいて、前記直流電源と前記DC−DCコンバータとの間に逆接続防止手段として内部抵抗を有するスイッチ手段を備えると共に、このスイッチ手段の温度および両端電圧を検出する手段を備え、検出された温度に応じて求められた前記スイッチ手段の内部抵抗と前記スイッチ手段の両端電圧から入力電流を演算する手段と、入力電流が所定値以上のときに入力電流を制限するように制御する手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項14の発明によれば、請求項13において、前記入力電流を制限する所定値は検出された温度によって変化させることを特徴とする。
請求項15の発明によれば、請求項13において、前記入力電流を制限する所定値は検出された温度と入力電圧によって変化させることを特徴とする。
請求項16の発明によれば、請求項12〜15のいずれかにおいて、前記スイッチ手段の両端間に基準電圧源と分圧抵抗の直列回路を並列接続し、該分圧抵抗の接続点の電位を検出する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項17の発明によれば、請求項1〜16のいずれかにおいて、点滅動作が繰り返された場合に、入力電圧の降下幅と入力電流の大きさから入力抵抗の抵抗値を算出し、所定の抵抗値以上であれば異常と判定することを特徴とする。
請求項18の発明によれば、請求項12〜15のいずれかにおいて、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧になったときに、前記スイッチ手段がONされる装置において、点滅動作が数回繰り返された場合には点灯維持下限電圧判定の閾値を変化させることを特徴とする。
請求項19の発明は前照灯付きの車両に関する発明であり、請求項1〜18のいずれかに記載の車両用放電灯点灯装置と、その直流電源となる車載用のバッテリーと、放電灯としての前照灯とを備えることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の回路図である。電源入力コネクタ31には、微小な入力抵抗14を介して車載用のバッテリー等よりなる直流電源1が接続されている。放電灯10としては、車両用前照灯となるHIDランプ等が接続されている。電源入力コネクタ31と放電灯10の間には、直流電源1の電圧を昇降圧させるDC−DCコンバータ2と、昇降圧された直流電圧を矩形波に変換するDC−ACコンバータ3と、始動時に放電灯をブレイクダウンさせるためのパルスを発生させるために高電圧を発生させる高電圧回路4と、高電圧を受けて放電灯をブレイクダウンさせるためのパルスを発生させると共にDC−ACコンバータ3の出力電力を放電灯に与えるイグナイタ部5と、DC−DCコンバータ2の出力電圧検出部7bと出力電流検出部7cと、これらの検出信号を受けて放電灯点灯装置を動作させる制御回路11とから構成されている。制御回路11は、DC−DCコンバータ2のスイッチング素子2aを制御するためのPWM制御回路12、DC−ACコンバータ3のフルブリッジ回路を構成する各スイッチング素子を制御するためのドライバ11d、直流電源1の電圧を検出する電源監視回路6aなどを備えている。
【0019】
DC−DCコンバータ2は、スイッチング素子2aとトランス2bと整流用のダイオード2cと平滑用のコンデンサ2dとから構成されている。スイッチング素子2aはMOSFET等よりなり、制御回路11のPWM制御回路12の出力により所定の周波数、所定のパルス幅でON・OFF駆動される。スイッチング素子2aのパルス幅をPWM制御回路12により制御することで、コンデンサ2dの出力電圧V2を制御することができる。
【0020】
DC−ACコンバータ3は、4個のスイッチング素子によりフルブリッジ回路を構成したものであり、制御回路11のドライバ11dの出力により対角方向の2個のスイッチング素子をON、対角方向の他方の2個のスイッチング素子をOFFさせることにより、DC−DCコンバータ2の直流出力電圧を低周波の矩形波電圧に変換して出力するものである。
【0021】
なお、電源入力コネクタ31とDC−DCコンバータ2の間にはスイッチングノイズの輻射を防止するためのEMCフィルタが挿入されていても良い。
【0022】
図2は動作説明のための波形図である。直流電源1からDC−DCコンバータ2へ電力が供給されると、電源監視回路6aがPWM制御回路12とドライバ11dに出力信号を発生させる。PWM制御回路12では、発振回路12bがDC−DCコンバータ2の駆動周波数を発生させる。DC−DCコンバータ2の出力電圧と出力電流は検出部7bと7cによりそれぞれ検出される。電力指令値発生回路11cは電力指令値を発生させる。電流指令値算出回路11bでは、検出部7bにより検出された出力電圧の検出値で電力指令値を割ることにより、電流指令値を算出する。この電流指令値と検出部7cにより検出された電流検出値を誤差アンプ11aに入力して、差電圧を発生させる。一方、DC−DCコンバータ2の一次側より、一次側電流I1を検出し、コンパレータ12cにより誤差アンプ11aの出力と比較し、誤差アンプ11aの出力より一次側検出値が高くなったらコンパレータ12cよりHigh信号を出力することで、SRラッチ12dをリセットする。DC−DCコンバータ2の駆動は、SRラッチ12dのQ出力と発振回路12bの出力をAND回路12eによって論理積演算することにより作成される。
【0023】
また、始動初期に、放電灯が点灯していないときに、電圧検出部7bを基準電圧6dと比較するコンパレータ6cの出力によってPWM制御回路12のSRラッチ12dのリセット端子RにOR回路12fを介してHigh信号を与える。これにより電圧検出部7bによる電圧検出信号が高いときに、PWM制御回路12の出力を停止させる機能を持ち、無負荷時の状態において約400Vの高電圧を発生させることが可能になる。
【0024】
直流電源1から始動可能電圧(例えば9V〜16V)が入力されると、上述の無負荷時の動作によってDC−DCコンバータ2から約400Vの直流電圧が出力される。高電圧回路4は、始動時にDC−DCコンバータ2の電圧を2倍程度に昇圧する多段昇圧回路を構成している。この高電圧回路4は例えばコッククロフト回路を用いれば実現可能になる。イグナイタパルスを発生させるための高電圧を発生させる昇圧手段であれば、コッククロフト回路を用いなくても、別の回路でも構わない。例えば、DC−DCコンバータ2に高電圧発生用の3次巻線を設けても構わない。
【0025】
イグナイタ部5は、高電圧パルス発生用のパルストランス5aと、放電ギャップ5bと、高電圧パルス発生用のコンデンサ5cとから構成されている。放電ギャップ5の一端には高電圧回路4より約400Vの2倍の電圧が入力される。また、放電ギャップの他端にはコンデンサ5cにより約400Vの負電圧が印加されている。これにより放電ギャップ5gの両端には最大で約1200Vの高電圧が印加されることになる。放電ギャップ5gとして1KV程度で放電開始するものを使用し、パルストランス5fは30KV程度の高電圧を発生させる巻数比に設定する。無負荷時にイグナイタ部5により高電圧パルスを発生させ、放電灯をブレイクダウンして点灯させる。このイグナイタ部5は放電灯が放電を開始した後は動作を停止する。なお、イグナイタ部5の構成は図示された回路構成に限定されるものではなく、要するに無負荷時に放電灯をブレイクダウンして点灯させるための高電圧パルスを発生させることができれば良い。
【0026】
点灯直後には放電灯が不安定なために安定時より多くの電力を与える必要があり、最大の電力になることもある。このときの入力電力は約120W程度まで上がることもあり、バッテリの定格電圧が12.8Vであるから、入力電流は10A弱が流れることになる。直流電源1の動作範囲は、点灯しているときと、点灯していないときとで異なる。一般的には、点灯を開始する時の直流電源電圧は、自動車の12V系の場合は9〜16V、点灯しているときに点灯を維持する電圧は、6〜20V程度である。直流電源1の電圧が低下して点灯動作を停止すると、放電灯への電力供給が停止し、放電灯点灯装置の入力電力も下がり、放電灯点灯装置の入力電圧は上がる。そうすると始動可能電圧範囲になり、点灯動作を始める。
【0027】
バッテリ1から電源入力コネクタ31の間の接続が不安定な場合や、間違った配線をされている場合には、数Ωの入力抵抗14が存在する場合がある。通常、入力抵抗14は0.1Ω程度であるため、20Aが流れても2V程度しか下がらないが、異常な配線状態の場合には、すぐに電圧が下がってしまう。仮に1オームの抵抗があれば、10Aの電流が流れた段階で、放電灯点灯装置の入力電圧が10Vも下がることになる。そうすると点灯維持電圧の許容範囲から外れ、点灯動作を停止する。図3にその動作を示す。このような動作が繰り返されて、異常な動作をし続けることになる。
【0028】
このような状態から抜け出すために、図1の放電灯点灯装置においては、電源電圧が異常に低くなったことを検出する回路6aを設けることでPWM制御回路12の動作を停止することが可能になっている。図4は電源監視回路6aの回路図であり、図1に示した回路6aの入力電圧判定部を詳しく示したものである。基本的にはシュミットトリガ回路と同様の特性を有している。直流電源1の電圧を、抵抗6a1〜6a6の抵抗によって分圧している。6a10、6a11はコンパレータであり、分圧した電圧を基準電源6a7、6a8と比較して出力している。シュミットトリガ回路と同様の動作をするためにコンパレータ6a10、6a11の出力にスイッチ6a14〜6a16を備えている。6a13は定電流源である。上記構成において、抵抗6a1=75KΩ、抵抗6a2=12KΩ、抵抗6a3=15KΩ、抵抗6a4=82KΩ、抵抗6a5=15KΩ、抵抗6a6=1KΩ、基準電源6a7=3V、基準電源6a8=1.2Vに設定することによりシュミットトリガ回路の動作を実現している。
【0029】
図5(a)には、シュミットトリガ回路の動作を示した。直流電源1の電圧が0Vから上昇して、8.5Vを超えてから、0Vまで下がった時のコンパレータ6a11の出力6a18を示している。また、図5(b)には、直流電源1の電圧が20V以上から19V以下に下がってから20V以上に戻った時のコンパレータ6a10の出力6a17を示している。
【0030】
図6は、点滅回数をカウントする回路である。6a21,6a22,6a23はコンパレータである。コンパレータ6a21は、出力電流検出部7cの検出出力を基準電位6a30と比較する。コンパレータ6a22,6a23は、出力電圧検出部7bの検出出力を基準電位6a31,6a32と比較する。6a24,6a25はAND回路であり、各コンパレータ6a21,6a22,6a23の出力の論理積を求める。これらのコンパレータ6a21,6a22,6a23と基準電位6a30,6a31,6a32及びAND回路6a24,6a25により点灯判別回路が構成されている。
【0031】
出力電流が流れている場合、出力電圧検出部7bにより検出される点灯電圧は67〜110V程度であり、出力電流検出部7cにより検出される出力電流は0.4A程度である。出力電流検出部7cは、たとえば、出力電流経路に0.22Ωの抵抗を挿入し、その両端電圧を差動反転増幅器によって増幅させることで等価的に電流1Aに対して1Vを出力するものを使用する。ここで、基準電位6a30を0.2Vに設定し、出力電流検出部7cの出力がそれ以上であれば、コンパレータ6a21がHighレベルを出力するように設定する。出力電圧検出部7bは、実際に発生している電圧を−0.01倍にして出力するようにオペアンプを設定すればよい。コンパレータ6a22に入力される基準電圧6a31の値を0.5Vに設定し、点灯しているかどうかの判断を行う。また、電圧が高い場合の閾値として250Vを想定し、コンパレータ6a23に入力される基準電圧6a32を2.5Vに設定する。これにより、出力電流が0.2A以上で、且つ出力電圧が50〜250Vの範囲である場合には放電灯が点灯していると判定することが可能となる。
【0032】
AND回路6a24の出力は、出力電圧検出回路7bの出力が0.5V〜2.5Vの時にHighレベルになる。AND回路6a25は、出力電流検出部7cの出力が0.2V以上で、且つ出力電圧検出部7bの出力が0.5V〜2.5Vの範囲である時にHighレベルになる。これは、放電灯が点灯している信号となる。なお、図6に示した点灯判別回路は説明のための例示であり、図示された回路を用いなくとも、出力電圧、出力電流、入力電圧のいずれかより点灯の有無を判別して、点滅回数をカウントできるものであれば、どのような回路を用いても構わない。
【0033】
次に、この点灯判別回路の出力を受けて、点滅回数をカウントする回路について説明する。点灯判別回路のAND回路6a25の出力は、AND回路6a26に入力されると共に、NOT回路6a36を介して、OR回路6a37に入力されている。AND回路6a26の他方の入力には、図4に示した電源監視回路6aの出力6a18をNOT回路6a35により反転した出力が入力されている。OR回路6a37の他方の入力には、電源監視回路6aの出力6a18が入力されている。
【0034】
電源監視回路6aの出力6a18は電源電圧が異常のときにはHighレベルになるので、NOT回路6a35の出力はLowレベルになる。電源電圧が正常なときには、電源監視回路6aの出力がLowレベルになり、NOT回路6a35の出力はHighレベルになる。電源監視回路6aの出力がLowレベルの点灯許可状態で、且つ点灯判別回路のAND回路6a25の出力がHighレベルになると、AND回路6a26の出力がHighレベルとなる。AND回路6a26の出力がHighレベルになると、ワンショットマルチバイブレータ6a27がワンショットのパルスを出力し、カウンタ回路6a38に入力される。ワンショットマルチバイブレータ6a27は通常のものを用いればよく、たとえば、TI社製のSN741シリーズを用いても良い。ワンショットマルチバイブレータ6a27の出力によって、カウンタ回路6a38が点滅回数をカウントする。ワンショットマルチバイブレータ6a27のリセットはNOT回路6a36とOR回路6a37によって、点灯状態から異常になった場合もしくは電源監視回路が異常を判定したらリセットする。
【0035】
カウンタ回路6a38はDラッチ回路4段構成になっていて、本構成では点滅回数を10回カウントしたら2段目と4段目のDラッチ回路の出力によりAND回路を介して、SRラッチ回路6a40が出力をホールドする。なお、このSRラッチ回路6a40は制御電源電圧が再起動した時にリセットすることになる。カウンタ回路6a38については、図示された構成のカウンタ回路そのものを利用しなくても、同様の特性が得られる他の回路を用いても、効果が変わることはない。
【0036】
これらの回路構成によって点滅回数をカウントすることが可能となり、点滅回数に応じてSRラッチ回路6a40の出力にHighレベルの信号を出力して、PWM制御回路12に停止信号を出力することが可能になる。すなわち、図4及び図6の回路は図1の電源監視回路6aを構成している。なお、PWM制御回路12の動作停止は発振回路12bを止めても良いし、DUTY設定回路12aによりオン期間を略ゼロに設定しても良いし、OR回路12fを介してSRラッチ12dのリセット端子RにHighレベルの信号を与えても良く、具体的な手段については限定するものではない。
【0037】
図7と図8は、本発明の実施の形態1における制御回路11の機能をマイコンに置き換えて実施した場合のフローチャートである。マイコンは制御回路11が検出するべき電圧又は電流をA/D変換して入力するための入力ポートを有すると共に、各コンバータ2,3のスイッチング素子をON/OFF制御するための出力ポートを有しているものとする。フローチャートは、図7に示した初期設定ブロック、無負荷ブロック、図8に示した点灯ブロック、点滅判定ブロックからなり、図7と図8のフローチャートは結合子A、B、Cの部分でつながっている。
【0038】
処理20a1は、初期設定で、マイコンの基本的な初期設定を行う。マイコンにリセット信号が入力されると、メモリクリア、ポートの設定等を行う。
処理20a2は、電源電圧を判定して、始動可能かどうかを確認する。直流電源1の電源電圧V1を分圧抵抗によって検出し、マイコンのA/D変換入力ポートに入力することによってマイコンの内部でA/D変換して数値化し、9[V]≦V1≦16[V]の範囲であれば始動可能と判定する。始動可能と判定されると、始動時間をカウントするためのタイマT1をカウントし始める。このタイマT1は、次の無負荷ブロックで上述の無負荷出力動作を開始した後、その無負荷出力動作が継続されている時間を測定するために用いられる。
【0039】
処理20a3は、直流電源1の電源電圧V1が始動可能電圧(9≦V1≦16)になった時に、上述の無負荷出力動作をする。具体的には、DC−DCコンバータ2の出力電圧が400[V]以上となるように制御する。また、DC−ACコンバータ3の出力極性を設定する。無負荷出力動作時には、DC−ACコンバータ3の出力極性を反転させないか、又は、極性反転の周期を通常点灯時に比べて長く設定する(図2参照)。
処理20a4は、出力電流I2が0.4[A]以下であるか否かを判定する。出力電流I2が0.4[A]以下であれば、無負荷出力動作を継続する。この処理20a4は無くても支障ないが、無負荷状態であることを確認するために設置している。無負荷出力動作を開始して直ぐに短絡電流が流れているような場合には、処理20a18に移行して永久停止する。
処理20a5は、タイマT1のカウント値が1秒以上であるか否かを判定することで、無負荷出力動作の継続時間を監視している。無負荷出力動作を開始してから1秒以上経過しても、まだオープン状態であれば、処理20a18に移行して、永久停止する。
処理20a6は、無負荷出力動作として出力電圧V2が上昇しているかどうかを確認する。本当にオープン状態であればすぐに出力電圧V2が上昇する。出力電圧V2が300[V]以上であれば、処理20a7に移行する。出力電圧V2が300[V]未満であれば、処理20a3に戻り、無負荷出力動作を継続する。
【0040】
処理20a7は、出力電圧V2が300[V]になった以降の出力設定をする。基本的には、処理20a3における出力設定と同じである。
処理20a8は、タイマT1のカウント値が1秒以上であるか否かを判定することで、無負荷出力動作の継続時間を監視している。無負荷出力動作を開始してから1秒以上経過しても、まだオープン状態であれば、処理20a18に移行して、永久停止する。
処理20a9は、出力電圧V2が220[V]以下に下がったら、点灯と判断して点灯ブロックに移行する。
【0041】
処理20a10は、点灯出力動作を実施する。具体的には、設定された電力を出力するようにDC−DCコンバータ2を制御する。また、DC−ACコンバータ3の出力極性を設定する。点灯出力動作時には、DC−ACコンバータ3の出力極性を反転させる周期を無負荷出力動作時に比べて短くなるように設定する。処理20a11は、立消え判定で、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が220[V]よりも高くなったら、放電灯10が立消えしたと判定して、点灯ブロックから抜け出す。
処理20a12は、点灯維持下限判定で、直流電源1の電源電圧V1が6[V]よりも低くなったら、点灯維持できないと判定して、点灯ブロックから抜け出す。
処理20a13は、点灯維持上限判定で、直流電源1の電源電圧V1が20[V]よりも高くなったら、初期設定ブロックの処理20a2に戻って、9≦V1≦16となるのを待つ。
以上の処理20a11、20a12、20a13で、V2≦220、6≦V1≦20の条件が満たされていれば、放電灯の立消えが無く、直流電源1の電源電圧V1が点灯維持下限と点灯維持上限の間にあると判定し、処理20a10の点灯出力動作を続ける。
【0042】
処理20a14は、ここを通る時に、点滅回数をカウントをするものであり、点滅をカウントする変数をインクリメントする処理を行う。
処理20a15は、点滅回数が規定回数(例えば、30回)を越えた場合、処理20a18に移行して、永久停止する。点滅回数が規定回数未満であれば、通常の立消え停止処理を行う。
処理20a16は、立ち消え処理によるリセットであり、点滅回数が規定回数を超えていないので、処理20a7に戻って再点灯する設定にしてある。
処理20a17は、タイマT1のカウント値が1秒以上であるか否かを判定することで、無負荷出力動作の継続時間を監視している。無負荷出力動作を開始してから1秒以上経過しても、まだオープン状態であれば、処理20a18に移行して、永久停止する。
処理20a18は、永久停止処理をする。無負荷出力動作を開始してから1秒以上経過しても、まだオープン状態である場合や、立消え判定又は点灯維持下限判定による点滅回数が規定回数以上のときなどには、永久停止とする。
処理20a19は、点灯維持下限判定によるリセットであり、点滅回数が規定回数を超えていないので、処理20a7に戻って再点灯する設定にしてある。
【0043】
以上の動作をまとめると、まず、直流電源1から電圧V1が印加されるとマイコンが動き出し、電源電圧V1を検出して、9≦V1≦16の範囲であれば、始動可能と判定し、無負荷出力動作を始める。これによりDC−DCコンバータ2の出力電圧V2が300V以上になると、イグナイタ部5からパルスが発生し、放電灯10がブレイクダウンする。放電灯10に電流が流れ始めることにより出力電圧V2が220V以下に低下すると、マイコンは、所定の出力電力となるようにDC−DCコンバータ2を制御すると共に、DC−ACコンバータ3により所定の周期でランプ電圧の極性を反転させる。その後、V2≦220、6≦V1≦20の条件が満たされている限りは、点灯出力動作を続ける。V1>20になると点滅回数はカウントせずに9≦V1≦16となるのを待って最初からやり直す。V2>220になると立消えと判定し、始動開始後1秒以上が経過していれば永久停止とし、1秒未満であれば点灯直後の立消えによる点滅回数をカウントし、点滅回数が30回以上になると永久停止する。また、V1<6になると、点灯維持下限と判定して、点灯動作を繰り返し、点滅回数が30回以上になると永久停止する。
【0044】
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2のフローチャートである。このフローチャートは、図8の点滅判定ブロックを修正して、処理20a21、20a22、20a23を追加したものであり、その他のブロックの構成については図7及び図8と同じである。
処理20a21は、停止フラグがセットされているか否かを判定する。
処理20a22は、点滅回数が30回以上になった時に、停止フラグをセットする。
処理20a23は、停止フラグがセットされているときに、点滅回数が100回以上になれば処理20a18の永久停止に移行する。点滅回数100回以下であれば処理20a16又は20a19へ飛ぶ。つまり、立消えによる点滅であれば、図8の20a16の処理へ移行し、点灯維持下限判定によって点滅に至った場合には、図8の20a19の処理へ移行する。
【0045】
例えば、点滅が40ms周期で発生した場合、30回も連続で点滅すれば異常と判断できる。この場合、点滅している時間は、30×40msの場合、1.2秒である。しかし、実際に運転している人から確認すると、もっと判定時間があった方が判定しやすくなり、明らかに異常と判断することができるとされている。そこで、停止フラグがセットされることにより回路的には異常と判定するものの、その異常を確実に運転者に知らせるために、点滅回数が100回となったときに点滅を停止させる。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図10、図11で説明する。図10は点滅判定ブロックのフローチャート、図11は割り込み処理のフローチャートである。図10のフローチャートは、図8の点滅判定ブロックを修正したものであり、その他のブロックの構成については図7及び図8と同じである。
【0047】
処理20a14は、ここを通る時に、点滅回数をカウントをするものであり、点滅をカウントする変数をインクリメントする処理を行う。つまり、点灯維持下限または立消えの回数をカウントするための処置として、点灯維持下限または立消えと判定された場合に、点滅した回数をカウントしておく。
処理20a15は、点滅回数が規定回数(例えば、30回)を越えた場合、処理20a30に移行する。点滅回数が規定回数未満であれば、処理20a16又は20a19へ飛ぶ。つまり、立消えによる点滅であれば、図8の20a16の処理へ移行し、点灯維持下限判定によって点滅に至った場合には、図8の20a19の処理へ移行する。(なお、このような分岐処理を可能にするためには、例えば、点灯ブロックから点滅判定ブロックへ抜けるときに、処理20a11又は20a12のいずれの判定から点滅判定ブロックの処理20a14に進んだのかを示すフラグを立てておき、そのフラグの値に応じて処理20a16又は20a19のいずれに移行するかを決定すれば良い。他の実施の形態においても同様である。)
【0048】
処理20a30は、点滅回数が規定回数(例えば、30回)を越えた場合において、点滅の発生時間が3秒以内であれば、処理20a18に移行して永久停止する。点滅が規定回数以上となるのに要した時間が3秒よりも長ければ、処理20a31に移行する。
処理20a31は、点滅回数をカウントする変数をクリアすると共に、点滅の発生時間をカウントする変数をクリアする。これにより、点滅が規定回数以上となるのに要した時間が3秒よりも長ければ、点滅は無かったことになる。
【0049】
図11のフローでは、1ms間隔で割り込みが発生し、そのたびに20a33の割り込み処理を実行する。
処理20a34は、点滅回数をカウントする変数がクリアされているかを判定し、点滅回数が0回であればそのまま割り込みを終了する。点滅回数が1回以上であれば処理20a35に移行する。
処理20a35は、点滅の発生時間をカウントする変数を1つインクリメントしてから割り込みを終了する。
【0050】
点滅が過去に1度も発生していないときには点滅回数をカウントする変数の値は0であるから、点滅発生時間はカウントされない。点滅が1度でも発生すると、点滅回数をカウントする変数の値は1以上となるから、1ms間隔の割り込み処理20a33が発生するたびに、処理20a35を通ることになり、点滅発生時間をカウントする変数は1つインクリメントされる。これにより最初に点滅が発生してからの経過時間が計測されることになり、処理20a15で点滅回数が30回以上となったときに、処理20a30で点滅発生時間をカウントする変数の値が3000以下であれば最初の点滅から3秒以下の時間で点滅回数が30回以上に達したということであり、処理20a18に移行して永久停止する。
【0051】
なお、図11のタイマ割り込み処理は1ms間隔に限定されるものではなく、数msごとの割り込みであっても構わない。また、処理20a34の点滅回数の判定は点滅した回数が正であれば処理20a35に移行して点滅発生時間をカウントするようにしても良い。
【0052】
(実施の形態4)
図12は本発明の実施の形態4のフローチャートである。図12は図8の点滅判定ブロックを修正すると共に、割り込み処理のフローを追加したものであり、その他のブロックの構成については図7及び図8と同じである。
【0053】
本実施の形態は上述の実施の形態2と実施の形態3を組み合わせたものであり、点滅が所定の時間内に、所定の回数以上発生した場合でも、点滅を停止させる時間を遅らせることによって、短い時間の間に点滅が発生したとしても、運転者が異常を判断しやすくなるようにしたものである。
【0054】
処理20a41は、停止フラグがHレベルにセットされているか否かを確認する。
処理20a42は、処理20a15で点滅回数が30回以上で、処理20a30で点滅発生時間が3秒以内であると判断された場合に、停止フラグをHレベルにセットする。
処理20a43は、停止フラグがHレベルにセットされている場合において、点滅発生時間が10秒以上の場合に、処理20a18に移行して、永久停止する。そうでない場合は立消えもしくは点灯維持下限処理をする。つまり、立消えによる点滅であれば、図8の20a16の処理へ移行し、点灯維持下限判定によって点滅に至った場合には、図8の20a19の処理へ移行する。
【0055】
処理20a33は図11で説明したのと同じ1ms間隔の割り込み処理であり、処理20a34で点滅回数が0であれば何もせずに割り込みを終了し、点滅回数≠0であれば処理20a35で点滅発生時間をカウントする。図12のフローチャートでは、さらに処理20a44、20a45、20a46が追加されている。処理20a35で点滅発生時間をカウントしたところ、処理20a44で点滅時間が3秒以上経過しており、処理20a45で停止フラグがHレベルにセットされていない場合には、処理20a46で点滅回数をカウントする変数と点滅発生時間をカウントする変数をクリアする。
【0056】
なお、処理20a42で停止フラグがHレベルにセットされていた場合には、処理20a15、処理20a30で点滅が3秒以内に30回以上発生したということであるから、処理20a46で点滅回数をカウントする変数と点滅発生時間をカウントする変数がクリアされることはなく、処理20a33の割り込みが発生するたびに、処理20a34から処理20a35、処理20a44、処理20a45を通って割り込みが終了し、点滅発生時間がカウントアップされて行くから、やがては処理20a43で点滅発生時間が10秒以上となって、処理20a18に移行して永久停止する。
【0057】
こうすることによって、点滅が3秒以内に30回以上発生したとしても、停止するのは10秒後にして、異常である点滅状態を一定時間続けることで、運転しているドライバーにも視覚的に異常と判断しやすくすることが可能になる。
【0058】
(実施の形態5)
図13は本発明の実施の形態5のフローチャートである。このフローチャートは、図8の点灯ブロックにおける点灯維持下限判定の処理20a12又は立消え判定の処理20a12から、上記各実施の形態における点滅判定ブロックの点滅カウントの処理20a14までの間に挿入される。図13のフローチャートを挿入することで、点滅回数のカウント数の閾値と点滅発生時間の閾値が設定される。その閾値の設定は、点滅回数が0回の時に、その時点における出力電力の指令値に応じて設定される。
【0059】
図14(a)は出力電力と停止時間の設定値との関係を示す図、図14(b)は出力電力と異常と判定する点滅回数の設定値との関係を示す図である。このように、放電灯点灯装置が点灯する時の最大電力に応じて、停止時間や異常と判定する点滅回数の閾値を変更することによって、異常を検知する精度が上がり、安全な放電灯点灯装置を提供することが可能になる。つまり、出力電力が大きいときは、直流電源1からの入力電流が多くなり、入力抵抗14の影響で電圧降下が大きくなるから、点灯維持下限による停止が早く発生する。逆に出力電力が小さいときは、点灯維持下限に達する時間が長くかかることになる。そこで、出力電力に応じて点滅回数のカウント数の閾値と点滅発生時間の閾値を可変とし、出力電力が大きい場合は異常と判定する点滅回数の閾値を小さく、また、停止時間の閾値を短く設定し、出力電力が小さい場合は異常と判定する点滅回数の閾値を大きく、また、停止時間の閾値を長く設定する。
【0060】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6を図15、図16で説明する。本実施の形態では、放電灯が点灯状態から不点灯状態となった場合に、不点灯状態であった時間をオフ時間として測定し、その測定結果に応じて点滅発生時の停止時間を変更するものである。
【0061】
図15はオフ時間測定用のタイマ回路の構成を示す回路図である。5Vの直流電源Eには、充電用の抵抗R1とスイッチ素子SWを介して、コンデンサC1と放電用の抵抗R2の並列回路が接続されている。例えば、抵抗R1は620KΩ、抵抗R2は1MΩ、コンデンサC1は22μFとしている。放電灯の点灯中は、マイコンの出力ポートからHレベルの信号電圧を与えてスイッチ素子SWをONさせて抵抗R1を介してコンデンサC1を充電する。放電灯の不点灯時は、マイコンの出力ポートをLレベルにして、抵抗R2を介してコンデンサC1を放電する。再度点灯し始める時に、スイッチ素子SWをオンして、マイコンのA/D変換入力ポートにコンデンサC1の充電電圧を読み込み、図16のグラフの関係より、タイマコンデンサの充電電圧に基づいて、点滅発生時の停止時間の閾値を設定する。図16は点滅発生時の停止時間の閾値と放電灯のオフ時間(タイマコンデンサの放電時間)の関係を示すグラフである。例えば、オフ時間が短いときは、点滅発生時の停止時間の閾値を長く設定して10秒で停止させる。また、オフ時間が長いときは、点滅発生時の停止時間の閾値を短く設定して5秒で停止させる。
【0062】
このように、放電灯が消灯している時間を測定するタイマ回路を備え、消灯している時間に応じて異常と判定する条件を変更することにより、オフ時間によって投入電力を決めることができる。また、図15の回路によれば、放電灯が点灯している時間によってもタイマコンデンサの充電電圧は増減するので、点灯している時間に応じても異常と判定する条件を変更することができる。
【0063】
なお、点滅発生時の停止時間の閾値の設定のみならず、点滅発生時に異常と判定する点滅回数の閾値についても、放電灯の消灯時間又は点灯時間に応じて変化させることによって、放電灯の状態に応じた異常判定をすることが可能になる。
【0064】
(実施の形態7)
図17は本発明の実施の形態7のフローチャートである。このフローチャートは、図8の点滅判定ブロックを修正して、点滅カウントの処理20a14と点滅回数判定の処理20a15の間に、点滅発生時間判定の処理20a30を追加すると共に、点灯維持下限の閾値を変更するための処理20a71と20a72を追加したものであり、その他のブロックの構成については図7及び図8と同じである。
【0065】
処理20a71は、点滅回数が3回以上か否かを判定する。点滅回数が3回以上であれば、処理20a72へ進み、点滅回数が3回未満であれば、処理20a16又は20a19へ飛ぶ。つまり、立消えによる点滅であれば、図8の20a16の処理へ移行し、点灯維持下限判定によって点滅に至った場合には、図8の20a19の処理へ移行する。
【0066】
処理20a71は、点滅回数が3回以上であれば、点灯維持下限判定の閾値を高く設定するように変更する。そうすることによって、入力電流による直流電源1の電圧降下についていち早く検知することが可能になり、点滅時間を短くすることが可能である。例えば、図8の処理20a12で点灯維持下限を判定する閾値を最初は4.5Vに設定しておき、点滅回数が3回以上になれば、処理20a72で点灯維持下限の閾値を4.5Vから6.5Vに変更する。その他の動作については、図7及び図8と同様である。
【0067】
このように、バッテリから放電灯点灯装置に入力される電圧V1について、点灯を維持すると判定する下限電圧の閾値を2回目(あるいは数回目)以降の所定の点滅では、その閾値を高く変更することにより、異常な点滅を早く終了させるために、数回に渡り異常な点滅が続いた場合に、早く異常動作を停止させることが可能となる。
【0068】
(実施の形態8)
図18は本発明の実施の形態8のフローチャートである。このフローチャートは、図8の点灯ブロックにおける処理20a13の後に、新たに処理20a81と20a82を追加して、点灯ブロックから点滅判定ブロックへの新たな分岐ルートを設けたものであり、その他の構成については図7及び図8と同じである。
【0069】
処理20a81と処理20a82によって、点滅が3回以上発生してかつ二次側出力電流I2が0.1[A]以下のときには立消えと判定する。処理20a11でも立消え判定できるが、電流が停止してから出力電圧V2が220[V]に上昇するまでに時間がかかるため、処理20a82では出力電流I2が0.1[A]以下になると立消えと判定することで、立消えの検知が早くなる。
【0070】
このように、放電灯が点灯してから立消えを判定するときに、点滅発生3回目以降は出力電流検出部7cから検出される電流値がゼロもしくは所定値以下になったことをもって立消えと判定することにより、出力電流がゼロもしくは所定値以下になったときから出力電圧が立消えと判定できる電圧になるまでの時間を待たずに、いち早く異常を確認することが可能となり、異常な状態を早く検出することができ、検出の精度を上げることが可能になる。
【0071】
この実施の形態では、処理20a81で点滅回数が3回目以上と判定されたときに、処理20a82に移行するようにしたが、明らかに連続した状態であれば判定条件を変更しても構わないので、2回以上であれば同等の効果が得られる。
【0072】
(実施の形態9)
図19は本発明の実施の形態9のフローチャートである。このフローチャートは、図8の点滅判定ブロックを修正して、点滅カウントの処理20a14と点滅回数判定の処理20a15の間に、点滅発生時間判定の処理20a30を追加すると共に、立消え判定の閾値を変更するための処理20a71と20a91を追加したものであり、その他の構成については図7及び図8と同じである。
【0073】
処理20a71は、点滅回数が3回以上か否かを判定する。点滅回数が3回以上であれば、処理20a91へ進み、点滅回数が3回未満であれば、処理20a16又は20a19へ飛ぶ。つまり、立消えによる点滅であれば、図8の20a16の処理へ移行し、点灯維持下限判定によって点滅に至った場合には、図8の20a19の処理へ移行する。
【0074】
処理20a91は、点滅回数が3回以上であれば、立消え判定の閾値を低く設定するように変更する。そうすることによって、立消えによる出力電圧V2の上昇をいち早く検知することが可能になり、点滅時間を短くすることが可能である。例えば、図8の処理20a11で立消えを判定する閾値を最初は250Vに設定しておき、点滅回数が3回以上になれば、処理20a91で立消え判定の閾値を250Vから180Vに変更する。その他の動作については、図7及び図8と同様である。
【0075】
このように、放電灯が点灯してから立消えを判定する条件として、点滅発生の2回目(あるいは数回目)以降は出力電圧検出部7bから検出される出力電圧V2の上昇による立消え判定電圧の閾値を低く変更して判定することにより、立消えをいち早く検出することが可能になり、安全な放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
【0076】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10を図20、図21で説明する。フローチャートは、図20に示した初期設定ブロック、無負荷ブロック、図21に示した点灯ブロック、点滅判定ブロックからなり、図20と図21のフローチャートは結合子a、b、cの部分でつながっている。
【0077】
上述の図7と図8に示したフローチャートにおいて、処理20a101〜20a104を追加したものである。点灯ブロックの処理20a12で電源電圧V1がV1≧6でなくなると、処理20a104にて停止時間のカウントが開始される。この場合、初期点灯ブロックに戻って、処理20a2で電源電圧V1が始動可能電圧(9≦V1≦16)の範囲に戻るのを待つ。そして、処理20a2で9≦V1≦16になると、処理20a101で停止時間のカウントを停止する。これにより、処理20a104で停止時間のカウントを開始してから、処理20a2の判定で9≦V1≦16になったと判定されるまでの時間が停止時間としてカウントされる。処理20a102では停止時間が5ms以下であるか否かを判定する。電源チャタリングの場合は、数msで電源が戻るため停止時間が5ms以下であれば異常と判定して処理20a103で異常点滅の回数をカウントする仕組みになっている。こうすることによって、電源チャタリングであることを確認することが可能になる。なお、停止時間が異常と判定する閾値は、数十ms以下であれば十分異常と判定できる。
【0078】
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11を図22、図23で説明する。フローチャートは、図22に示した初期設定ブロック、無負荷ブロック、図23に示した点灯ブロック、点滅判定ブロックからなり、図22と図23のフローチャートは結合子a’、b’、c’の部分でつながっている。図22の初期設定ブロックと無負荷ブロックについては、図7のフローと同じであるが、図23の点灯ブロックと点滅判定ブロックは図8のフローに低電圧フラグLVFに関する処理20a111、20a112、20a113を追加した点が異なる。
【0079】
本実施の形態は、点灯中に明らかに電源電圧が低い状態である場合には、立ち消えしても電源が復帰したら、永久停止をしないで点灯する動作を取り入れたものである。これは、自動車がエンジン始動時に一時的に電源電圧が低くなることを想定して、その対策として考案されたものである。
【0080】
具体的な動作としては、点灯中に処理20a111によって電源電圧が低いかどうかを判定する。その低電圧判定の閾値は例えば8Vに設定しているが、通常時よりも低い電圧であれば8Vにこだわる必要はない。処理20a112によって直流電源の電圧が低ければ、低電圧フラグLVFをセットする。つまり、LVF=Hとする。この低電圧フラグLVFがセットされると、その後、立消えた場合、処理20a17で無負荷停止時間が1秒以上経過しても、処理20a113から初期設定ブロックに戻り、処理20a2で直流電源電圧V1が復帰すると再起動する。ただし、本実施の形態では、処理20a11で立消えと判定された時には処理20a14で点滅回数をもれなくカウントしているため、この点滅回数が30回を越えたときは処理20a15で異常時の判断をして処理20a18に移行し、永久停止とする。
【0081】
(実施の形態12)
本発明の実施の形態12を図24、図25で説明する。フローチャートは、図24に示した初期設定ブロック、無負荷ブロック、図25に示した点灯ブロック、点滅判定ブロックからなり、図24と図25のフローチャートは結合子a”、b”、c”の部分でつながっている。図24の初期設定ブロックと無負荷ブロックについては、図7のフローにおいて、停止時間判定ブロックの処理20a121〜20a126を追加したものである。また、図25の点灯ブロックと点滅判定ブロックは図8のフローに低電圧フラグLVFに関する処理20a111、20a112、20a113を追加すると共に、停止時間判定のための処理20a127、20a128を追加した点が異なる。
【0082】
処理20a121は処理20a127によって測定時間を開始してから、処理20a121に至るまでの時間測定を停止する処理である。処理20a122は上記処理によって停止されたときの時間が15ms以下であれば処理20a123へ、そうでなければ無負荷ブロックへ移行する処理である。処理20a123は点滅回数をインクリメントする処理である。処理20a124は点滅回数が30回以上であったら処理20a125へ、そうでなければ無負荷ブロックへ移行する処理である。処理20a125は点滅発生時間が1秒以下であれば無負荷ブロックヘ、そうでなければ処理20a126へ移行する処理である。処理20a126は永久停止とする処理である。処理20a127は停止時間を測定開始する処理である。停止時間の初期値は0に設定しておく。このフローチャートに示した動作によって、所定の停止時間内において、異常に直流電源の電圧が復帰する特有な状態を検知することで、ルーズコンタクトなどの異常を検知することが可能になる。
【0083】
図26は本実施の形態の動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートは、入力部の接続がルーズコンタクトなどで異常であり、たとえば図1の入力抵抗14が数Ωある場合の動作を示したものである。コネクタ31の電圧が始動可能電圧下限より高くなると、動作を開始する。数msのリセット動作から無負荷動作に移行し、放電灯電圧は約400Vまで上昇する。入力電流はタイムチャートに示すように、点灯直後に最大電流が流れる。その時に、入力抵抗14の電圧降下によってコネクタ31の電圧が点灯維持下限電圧まで下がると、放電灯点灯装置は動作を停止する。動作を停止すると入力電流が流れなくなるが、直流電源1は電源を供給していないわけではないので、コネクタ31の電圧が瞬時に立ち上がる。その間の時間T12は数msであり、5〜30msの閾値を設定しておけば十分に検出可能である。
【0084】
(実施の形態13)
図27は本発明の実施の形態13のフローチャートである。本実施の形態は、点灯ブロックのループ中に処理20a151と20a152を追加したものである。
【0085】
処理20a151は、点灯時間TTが5秒以上経過しているかどうか判定している処理である。ここで、点灯時間TTは放電灯が点灯し始める時にカウントし始めて、点灯動作が停止しない限りカウントし続ける。立消えなどや点灯維持下限などで点灯動作が停止する場合は、点灯時間TTはリセットされる。よって点灯維持していればずっと点灯時間TTをカウントし続ける。点灯状態が正常ならば、点灯時間TTの計測値は大きくなり、5秒程度経過すれば十分に正常に近いと判定できる。
【0086】
処理20a152は、点滅回数と点滅発生時間をクリアする処理である。上述の処理20a151で点灯時間TTが5秒以上経過した場合は、処理20a152に移行して、点滅回数と点滅発生時間をクリアする。点灯時間TTの判定の閾値は点灯が維持される程度の時間で構わないので、1秒以上の閾値に設定してあれば問題ない。
【0087】
上述の各実施の形態において、点滅回数または点滅発生時間をカウントしている時に、点灯ブロックに図27のようなフローを入れるだけで、そのカウントをクリアすることが可能になる。通常の点灯動作中は、処理20a151と処理20a152を通るたびに、点滅回数と点滅発生時間をクリアすることになる。よって、通常時は異常処理をしないで済むことになる。たとえば、図8の点灯ブロックを図27の構成に置き換えて、点灯中に点灯時間TTが5秒以上経過すれば、点滅回数をクリアするように構成すればよい。
【0088】
(実施の形態14)
図28は本発明の実施の形態14の回路図である。図28の回路では、図1の回路をベースに逆接続防止回路41と電位測定回路51及びツェナーダイオード61を追加した構成になっている。その要部回路図を図29に示す。図29では、図28の逆接続防止回路41と電位測定回路51の詳細を示している。
【0089】
まず、逆接続防止回路41は、電源入力の正極側に抵抗41gを接続し、抵抗41gはMOSFET41aのゲートに接続されている。MOSFET41aのドレイン・ゲート間には、ツェナーダイオード41bとダイオード41cの直列回路が接続されている。MOSFET41aのゲート・ソース間には、保護用の抵抗41dとツェナーダイオード41eとコンデンサ41fの並列回路が接続されている。MOSFET41aのソース側は接地されている。なお、ツェナーダイオード41bとダイオード41cの直列回路はMOSFET41aのドレイン・ゲート間を積極的に保護するために設置しているが、実際に無くても問題はない。
【0090】
次に、電位測定回路51は、MOSFET41aのドレイン・ソース間の電圧をオペアンプ51aからなる反転差動増幅回路により測定する回路構成になっている。51b,51c,51dは反転差動増幅回路の外付け抵抗、51eはダイオードであり、帰還抵抗51bと入力抵抗51c,51dの比率で増幅率が調整される。MOSFET41aに発生する電位は、例えば、NEC製のMOSFETである2SK3367などでは、ドレイン・ソース間抵抗が10mΩ程度で10Aの電流が流れると、0.1Vの電位が発生する。この電位はソースに対してドレインの方が低くなり、グランドに対してマイナス電位になる。反転差動増幅回路によって10倍にすれば、1V程度になる。
【0091】
51hはコンパレータで、反転差動増幅された電位について、基準電源51fの電位と比較して反転差動増幅された電位の方が高くなれば、出力をHighレベルにする。
【0092】
抵抗51iとコンデンサ51gはローパスフィルターになっていて、単発的なサージノイズを除去する役目をしている。抵抗値1KΩ、容量1000pFぐらいで十分機能は果たすことが可能であるが、除去したいノイズによって抵抗値や容量は変化させても効果は変わらない。
【0093】
電位測定回路51の出力51jは、図28に示すように、PWM制御回路12のOR回路12fの入力に接続されている。OR回路12fはPWM制御回路12の高周波出力を許可するSRラッチ回路12dの出力Qをリセットする。たとえば、基準電源51fの電圧を5Vに設定したときには、MOSFET41aの内部抵抗が10mΩのときに、MOSFET41aのドレイン・ソース間に流れる電流が50Aになると、反転差動増幅回路のオペアンプ51aの出力が5Vになり、それ以上の電流が流れようとすると、コンパレータ51hの出力がHighレベルとなり、PWM制御回路12の高周波出力を止めることになり、過電流を防止することが可能になる。
【0094】
(実施の形態15)
図30は本発明の実施の形態15の回路図である。図30の回路では、図28と図29に示した実施の形態14の回路において、コンパレータ51hをマイコン70に置き換えたものである。このマイコン70は、抵抗2a1,2a2の分圧点2a3の電位によって、DC−DCコンバータ2の入力電圧を測定し、また、端子51a1における電圧でMOSFET41aのドレイン・ソース電圧を測定する。これらを足し合わせることによって、放電灯点灯装置の入力電圧である電源入力コネクタ31の電圧を正確に測ることが可能になる。なお、抵抗51k、コンデンサ51m、51nはフィルタ用のCR素子である。
【0095】
その電位に応じて、始動可能電圧(たとえば、9〜16V)に達したときはマイコン70は端子51jの出力をLowレベルにすることによって、PWM制御回路12の高周波出力を許可する役割を担うことが可能になり、逆接続防止回路41が介在していても実際に放電灯点灯装置に入力される電源入力コネクタ31の印加電圧を測定して動作を開始させることが可能になる。
【0096】
(実施の形態16)
図31は本発明の実施の形態16の動作説明図である。本実施の形態の回路図は、図30と同じである。マイコン70は、温度検出回路71によって温度を検出し、検出された温度と逆接続防止回路41aのMOSFET41aのドレイン・ソース間電圧によって、入力電流を検出する仕組みになっている。
【0097】
温度検出回路71は、基準電圧源71a、抵抗71b、サーミスタ71cよりなる。基準電圧源71aは、動作中は常に一定の電圧を維持している。抵抗71bは固定抵抗であり、サーミスタ71cは温度によって抵抗値が変化する。抵抗71bとサーミスタ71cの直列回路は、基準電圧源71aの電圧を分圧しており、その分圧点71dの電位はマイコン70のA/D変換入力ポートに接続されている。
【0098】
図31はサーミスタ71cがネガティブサーミスタである場合の分圧点71dの電位の温度による変化を示している。ネガティブサーミスタは温度が高くなると抵抗値が低くなる。低温時には抵抗値が高いため、分圧点71dの電位は高くなる。高温時には逆に抵抗値が低くなり、分圧点71dの電位も低くなる。
【0099】
また、MOSFET41aの内部抵抗(ドレイン・ソース間のオン抵抗)の温度による変化および入力電流閾値と温度の関係を図32に示す。MOSFET41aの内部抵抗は、図32の実線で示すように、温度上昇に伴って高くなる。よって、MOSFET41aに流れる電流が同じでもMOSFET41aのドレイン・ソース間に発生する電位は温度上昇に伴って大きくなる。基本的には、上述のように、過大な電流が流れればMOSFET41aのドレイン・ソース間に発生する電位が大きくなるため、この電位上昇を検出できるように入力電流判定の閾値を設定すれば、予想以上の大電流を阻止することは可能であるが、より精度高く検出するためには、温度によるMOSFET41aの内部抵抗の変化が分かればさらに精度は向上し、高精度な検出動作をすることが可能になる。そのためのマイコン70の処理について説明する。
【0100】
図33は温度検出回路71により検出された温度から入力電流判定の閾値を設定するためのフローチャートを示す。上述の各実施の形態における無負荷ブロックの最初の部分に挿入すれば良い。まず、温度検出回路71により検出された温度をマイコン70に内蔵されたA/DコンバータによりA/D変換して温度検出値を取得する。ノイズ等による誤動作を防止するために、数回の測定結果を平均化する温度平均化処理を実行した後、図32の破線で示すように、温度−入力電流閾値の関係を記憶したテーブルを参照して、温度検出値から入力電流判定の閾値を設定する。なお、図32の破線で示すような温度−入力電流閾値の変換テーブルはマイコン70のROMに予め設定しておくことは言うまでもない。
【0101】
MOSFET41aの両端電圧をオペアンプ51aによって差動反転増幅された値と上述のように温度に応じて設定された入力電流判定の閾値を比較して、入力電流判定の閾値よりも高くなれば、図30のマイコン70の出力ポート51jにHighレベルの信号を出力し、図28のPWM制御回路12のOR回路12fによってPWM制御回路12の高周波出力は停止することになる。
【0102】
一般に電子部品のストレスは温度によって制限を受ける。DC−DCコンバータ2などは、直流電源から電力を供給される時に、高温時にはストレスが高くなる部品に対して放熱するなど高価なもしくは形状を大きくする対策を必要とする。特に逆接続防止回路のMOSFET41aなどの半導体部品については、高温で大電流が流れると、部品自体に特別な放熱手段を設けたり、大きな素子を使うなどの対策をしないと使用できなくなる場合がある。そこで、高温環境など特別な状態においては、検出された入力電流に対して制限を設け、故障しない程度に動作させるようにすることによって、小型で安価な放電灯点灯装置を提供することが可能になり、かつ逆接続防止の機能も備えることができる。
【0103】
(実施の形態17)
図34は本発明の実施の形態17のフローチャートである。回路図は図30のマイコン70を用いる実施の形態15、16と同じで良い。図34は直流電源電圧から入力電流判定の閾値を設定し、点灯中にマイコン70によってPWM制御回路12の動作を停止させるフローを示す。このフローは上述の各実施の形態における点灯ブロックのループ上の任意の箇所に挿入すれば良い。例えば、図8のフローチャートで説明すると、処理2a10→2a11→2a12→2a13→2a10のループ上の何処かに挿入すれば良く、例えば、処理2a10の直後などに挿入すれば良い。
【0104】
図34のフローでは、まず、入力電流値を測定し、A/D変換を実施すると共に、電源電圧を測定し、それにより入力電流判定の閾値を設定する。具体的には、MOSFET41aのドレイン・ソース間の電位をオペアンプ51aにより反転差動増幅した電圧を端子51a1の電位としてマイコン70に入力してA/D変換することで入力電流値I1を取得する。また、抵抗2a1,2a2の分圧によりDC−DCコンバータ2の印加電圧を検出し、マイコン70に入力してA/D変換することで電源電圧を測定し、この電源電圧に応じて入力電流判定の閾値I10を設定する。
【0105】
直流電源電圧と入力電流判定の閾値の関係を図35に示す。この例では、始動直後に大電流が流れるが、直流電源電圧が低くなれば入力電流閾値I10を低くする関係を示す。
【0106】
マイコン70では測定された入力電流値I1を平均化処理する。これはノイズ等による誤動作を防止するために数回の測定データを平均化するものである。平均化処理された入力電流値I1と直流電源電圧に応じて設定された入力電流閾値I10を比較判定する。比較判定の結果、I1>I10であれば、マイコン70の出力ポート51jにHighレベルの信号を出力して、PWM制御回路12の高周波出力を停止させる。I1>I10でなければ、マイコン70の出力ポート51jはLowレベルとしておく。
【0107】
このようにすることによって、電源電圧に応じて入力電流判定の閾値I10を設定し、入力電流値I1が判定閾値I10より大きくなると、PWM制御回路12は高周波出力を停止し、入力電流を制限することが可能になる。なお、入力電流判定の閾値I10は、DC−DCコンバータ2の効率によって多少変化するが、最大で20〜25Aより低い状態であれば、例えば、入力電圧が6Vでも120〜150Wの入力電力は確保されるため点灯能力は確保できる。
【0108】
(実施の形態18)
図36は本発明の実施の形態18の回路図である。図30において、電位測定回路51の入力部の回路構成を変更したものである。基準電圧源51tの負極側をMOSFET41aのソース側(グランド電位)に接続し、基準電圧源51tの正極側を、抵抗51p、51qとダイオード51rの直列回路を介してMOSFET41aのドレインに接続した構成となっている。抵抗51p、51qの分圧点51sの電位はマイコン70のA/D変換入力ポートに接続されている構成になっている。抵抗51kとコンデンサ51m、51nはフィルタ用のCR素子である。
【0109】
この回路構成の場合、MOSFET41aに流れる入力電流が増加した場合、MOSFET41aのドレイン・ソース間電圧は高くなり、端子51sの電位は低くなる。入力電流と図36の分圧点51sのグランドからの電位の関係を図37に示す。
【0110】
基準電圧源51tの電圧をV51t[V]、抵抗51p、51qの抵抗値をそれぞれR51p[Ω]、R51q[Ω]、ダイオード51rの順方向電圧をVf[V]、MOSFET41aのドレイン・ソース間抵抗をRsd41a[Ω]、MOSFET41aに流れる電流をI1[A]とすると、マイコン70のA/D変換入力ポートに接続される分圧点51sの電位V51s[V]は次式で表すことができる。
V51s=V51t−(V51t+I1×Rsd41a−Vf)×{R51q÷(R51q+R51p)}
【0111】
マイコン70は、分圧点51sの電位V51sが低い状態になればなるほど入力電流が多く流れていることを検出できることになる。よって、入力電流判定の閾値を低い電圧に設定しておけば、大電流が流れるのを阻止することが可能になる。
【0112】
実際にR51p、R51qには100KΩの抵抗を、基準電圧源51tには5Vを用いて入力電流判定の閾値として2.5Vをマイコン70で検出する設計にすれば、MOSFET41aのドレイン・ソース間抵抗Rsd41aが0.1Ωとした時、分圧点51sの電位V51sがゼロになるのは45Aになる。このように、入力電流を抑えるレベルとして、45A以下を測定することが可能なので、図36の回路構成でも十分に制御することが可能になる。
【0113】
(実施の形態19)
図38は本発明の実施の形態19の動作説明図である。この図38は電源投入直後の点滅動作を示すタイムチャートであり、直流電源電圧、入力電流、コネクタ31の電圧、放電灯電圧、放電灯電流の時間変化を示している。
【0114】
入力側の抵抗14が高い場合、入力電流I1の上昇によってコネクタ31の電圧がチャートのように変化する。その時に、停止する直前のコネクタ電圧V1bと入力電流I1aを記憶する。そして、直流電源電圧が始動可能電圧に達してからもT19の時間を設ける。この時間は直流電源電圧を測定するための時間であり、数msあれば十分であるので、10ms以下程度に設定する。このときのコネクタ電圧V1aを測定すれば、測定したいV1の電圧とほぼ同等のレベルにある。
【0115】
図28の回路図において、入力部分の接続が異常で、たとえば入力側の抵抗14が数オームに達した場合、放電灯10が停止しているときは、直流電源1の電圧を正確に測ることが可能になる。しかし、入力電流I1が流れ始めると、コネクタ31の電圧が低下する。このときコネクタの電圧V1bは、V1b=V1−R1a×I1aで表現できる。よって逆算すれば、入力ハーネスの抵抗R1aを検出することが可能になる。これによって、入力ハーネス抵抗が大きくなった時に、その抵抗値を検出することが可能になり、異常と判定し、異常に応じた対処が可能になる。
【0116】
(実施の形態20)
図39は本発明の実施の形態20の回路図を示す。この回路は、図30の回路において、直流電源2a10、MOSFET2a11、抵抗2a12、2a13を追加したものである。直流電源2a10は、10V程度の直流電源である。MOSFET2a11は、MOSFET41aをドライブするスイッチである。抵抗2a13は、MOSFET2a11を保護する抵抗で1KΩ程度あれば十分である。抵抗2a12はMOSFET2a11のゲート・ソース保護用抵抗である。マイコン70に出力端子51uを追加してある。51vはフィルタ用のコンデンサである。
【0117】
以下、本実施の形態の動作を説明する。マイコン70は、端子2a3より入力電圧を検出する。また、端子51a1より、MOSFET41aのドレイン・ソース間電圧を検出する。これらの和をとることによってコネクタ31の入力電圧を正確に検出する。コネクタ31の電圧が始動可能範囲に入る前は、出力端子51uの電位はHighレベルに設定する。この電位は大体5V程度の電圧に設定すれば十分にMOSFET2a11をONさせることができる。そうすればMOSFET41aのゲート・ソース電圧はゼロになり、MOSFET41aのドレイン・ソース間はオープンになる。
【0118】
逆に始動可能電圧範囲になった時は、出力端子51uをLowレベルにすることにより、MOSFET2a11はオープンとなり、MOSFET41aのゲート・ソース間に抵抗2a13を介して直流電源2a10の電位が加えられ、MOSFET41aのドレイン・ソース間はショートされる。
【0119】
上記の動作によって逆接続防止回路41のスイッチであるMOSFET41aが直接的に直流電源1の電位を用いるのでなく、マイコン等の制御電源を用いることにより、電源電圧を監視しながら動作するため、安全に始動を開始することが可能になる。
【0120】
また、MOSFET41aのゲート・ソース間は直流電源1とは分離させるので、ツェナーダイオード41eのような保護素子も要らなくなるメリットも発生する。
【0121】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、放電灯の点滅動作が所定の回数以上となった場合に、直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧に復帰しても停止状態を維持するようにしたから、異常な状態での動作を防止し、放電灯や放電灯点灯装置の消耗を防ぐ効果がある。
請求項2の発明によれば、異常と判定する点滅回数の閾値を実際に放電灯を点滅させる回数と同等もしくはそれ以上の回数に設定したものであり、短い点滅では車両の運転手が分かりにくく、異常であると判断しにくいことから、点滅を人間が認識できる回数に増やすことによって、いち早く故障と判断することができ、放電灯が正常に点灯できない危険な状態をいち早く知らせる効果がある。
請求項3の発明によれば、所定の時間内に所定回数の点滅が発生した場合に直ちに出力停止状態とするものであり、例えば意図的なパッシング等のように、車両の運転手が手動でヘッドライトを点滅させる動作に比べて十分に短い時間の間に点滅が発生したことを検出することが可能になり、明らかに異常な点滅であることを特定することができるから、精度の高い異常検出が可能になる。
請求項4の発明によれば、所定の時間に所定回数の点滅が発生した場合でも所定の時間遅らせて出力停止状態とするものであるから、短い時間の間に点滅が発生したとしても、点滅を人間が認識できる所定の時間にわたって継続させることにより、車両の運転手が異常を判断しやすくなる。
【0122】
請求項5の発明によれば、放電灯の点灯直後に投入する最大電力に応じて異常と判定する点滅時間又は点滅回数の条件を変更することにより、異常を検知する精度が上がり、安全な放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
請求項6の発明によれば、放電灯が点灯している時間または消灯している時間を測定する回路を備え、点灯または消灯している時間に応じて異常と判定する条件を変更するようにしたから、放電灯の状態に応じた異常判定をすることが可能になる。
請求項7の発明によれば、入力電圧の低下時に点灯を維持する電圧の閾値を2回目以降のいずれかの点滅で変更するようにしたから、数回に渡り異常な点滅が続いた場合は、点灯を維持する電圧の閾値を高く設定することによって異常な点滅を早く終了させることが可能である。
請求項8の発明によれば、2回目以降の点滅発生時には出力電流検出部から検出される電流値がゼロ又は所定値以下になったことをもって放電灯の立消えを判定するようにしたから、立ち消えをいち早く検出することが可能になり、異常な状態を早く検出することができ、安全な放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
【0123】
請求項9の発明によれば、2回目以降の点滅発生時には出力電圧検出部から検出される電圧により放電灯の立ち消えを判定する閾値を変更するようにしたから、たとえば数回点滅した後には、放電灯の立ち消えを判定する電圧の閾値を低く設定することにより、立ち消えをいち早く検出することが可能になり、異常な状態を早く検出することができ、安全な放電灯点灯装置を提供することが可能になる。
請求項10の発明によれば、入力電圧が点灯維持下限電圧に低下して動作を停止させた直後に入力電圧が急激に増加する場合には、異常と判定するようにしたものであり、電源チャタリングの特性である、停止後の電源電圧の復帰が早いという特性を生かして、異常を検出することができる。
請求項11の発明によれば、放電灯の点灯維持が所定の時間以上続いた場合は、点滅回数又は点滅時間のカウントをクリアするものであり、入力側がルーズコンタクトであった場合でも、振動などで異常状態が回避され、入力インピーダンスが低くなった場合には、点灯は維持されるから、その場合には、点滅回数や点滅時間のカウントをクリアすることによって通常の動作を保つことが可能になる。
請求項12の発明によれば、電源入力部に逆接続防止手段として挿入されたスイッチ手段を利用して、その両端電圧を検出することで入力電流を検出するようにしたから、新たに電流検出抵抗を設けるよりも電力ロスが少なくなる利点がある。
【0124】
請求項13の発明によれば、温度検出手段によって逆接続防止用のスイッチ手段の内部抵抗を特定し、スイッチ手段の両端電圧と内部抵抗から入力電流を正確に求めることができ、入力電流が流れ過ぎる場合には、制限することが可能になる。
請求項14の発明によれば、検出された温度によって入力電流を制限する所定値を変化させるようにしたので、電子部品にストレスが加わりやすい高温環境では入力電流の上限を低くして点灯装置を保護することができる。
請求項15の発明によれば、検出された温度と入力電圧によって入力電流を制限する所定値を変化させるようにしたので、電子部品にストレスが加わりやすい高温環境では入力電流の上限を低くして点灯装置を保護することができる。また、直流電源の電圧は一定ではなく、電源電圧が低ければ同じ電力を出力するためにDC−DCコンバータに流れる電流が多くなるから、DC−DCコンバータの電力ロスも増加する。そのような場合にも入力電流を制限することによって出力を安定化する効果がある。
請求項16の発明によれば、スイッチ手段の両端間に基準電圧源と分圧抵抗の直列回路を並列接続し、該分圧抵抗の接続点の電位を検出するようにしたから、分圧抵抗の分圧比と基準電圧源の設定により、検出電位の変動範囲をグランド電位に対して常に正にすることができ、回路構成を簡単化できる効果がある。
【0125】
請求項17の発明によれば、点滅動作が繰り返された場合に、入力電圧の降下幅と入力電流の大きさから入力抵抗の抵抗値を算出し、所定の抵抗値以上であれば異常と判定するようにしたから、放電灯が停止しているときに、直流電源の正確な電圧を測ることが可能になることを利用し、放電灯が点灯したときに入力電圧が落ち込む降下幅と入力電流の値から入力ハーネスの抵抗値を正確に検出することが可能になる。
請求項18の発明によれば、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧になったときに、前記スイッチ手段がONされる装置において、点滅動作が繰り返された場合に数回目以降は点灯維持下限電圧判定の閾値を変化させるようにしたから、繰り返し点滅される場合には、逆接続防止用のスイッチ手段を先にONさせて、DC−DCコンバータはそれから動作を開始させる。そうすることにより、DC−DCコンバータの動作を開始する前に入力の安全性を確保してから動作させることが可能になる。したがって、負担のかかるDC−DCコンバータより逆接続防止用のスイッチ手段を優先的に停止させることにより、異常時のDC−DCコンバータへのストレスを軽減する効果がある。
請求項19の発明によれば、点灯装置の入力側の結線に異常があれば安全に点灯を停止させることができるから、放電灯やその点灯装置を保護することができ、また、点滅によってドライバーが異常を認識しやすいため、故障を放置されることがなく、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1の正常時の動作波形図である。
【図3】本発明の実施の形態1の異常時の動作波形図である。
【図4】本発明の実施の形態1に用いる電源監視回路の回路図である。
【図5】図4の電源監視回路の動作説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に用いるカウンタの回路構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態1の初期設定ブロックと無負荷ブロックを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1の点灯ブロックと点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2の点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3の点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3の割り込み処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態4の点滅判定ブロックと割り込み処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態5の点滅回数、点滅発生時間の閾値設定ブロックを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態5の動作説明図である。
【図15】本発明の実施の形態6に用いるオフ時間測定用のタイマ回路の回路図である。
【図16】本発明の実施の形態6のオフ時間と点滅発生時の停止時間の関係を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態7の点滅判定ブロックのフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態8の点灯ブロックと点滅判定ブロックのフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態9の点滅判定ブロックのフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態10の初期設定ブロックと無負荷ブロックを示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態10の点灯ブロックと点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態11の初期設定ブロックと無負荷ブロックを示すフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態11の点灯ブロックと点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図24】本発明の実施の形態12の初期設定ブロックと無負荷ブロックを示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施の形態12の点灯ブロックと点滅判定ブロックを示すフローチャートである。
【図26】本発明の実施の形態12の動作波形図である。
【図27】本発明の実施の形態13の点灯ブロックのフローチャートである。
【図28】本発明の実施の形態14の全体構成を示す回路図である。
【図29】本発明の実施の形態14の要部構成を示す回路図である。
【図30】本発明の実施の形態15の要部構成を示す回路図である。
【図31】本発明の実施の形態16の温度と電位の関係を示す図である。
【図32】本発明の実施の形態16の温度特性図である。
【図33】本発明の実施の形態16の無負荷ブロックの要部を示すフローチャートである。
【図34】本発明の実施の形態17のフローチャートである。
【図35】本発明の実施の形態17の動作説明図である。
【図36】本発明の実施の形態18の回路図である。
【図37】本発明の実施の形態18の入力電流と電位の関係を示す図である。
【図38】本発明の実施の形態19の動作波形図である。
【図39】本発明の実施の形態20の回路図である。
【符号の説明】
1 バッテリー
2 DC−DCコンバータ
3 DC−ACコンバータ
4 高電圧回路
5 イグナイタ部
6a 電圧監視回路
10 放電灯

Claims (19)

  1. 直流電源と、この直流電源の電圧を昇降圧させるDC−DCコンバータと、前記昇降圧された直流電圧を矩形波に変換するDC−ACコンバータと、DC−ACコンバータから電力供給を受けて発光する放電灯と、始動時に放電灯をブレイクダウンさせるための高電圧パルスを発生させるイグナイタ部と、前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記DC−DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出部と、直流電源の電圧を検出する入力電圧検出部と、各検出部の検出信号を受けて前記DC−DCコンバータを動作させる制御回路とを備えた放電灯点灯装置であって、前記制御回路は、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の点灯維持下限電圧に低下したとき又は出力電圧検出部により検出された出力電圧の上昇により放電灯の立ち消えを検出したとき又は出力電流検出部により検出された出力電流の低下により放電灯の立ち消えを検出したときに前記DC−DCコンバータの動作を停止し、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧になって前記DC−DCコンバータの動作を開始することによる放電灯の点滅動作が所定の回数以上となった場合に、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧に復帰しても前記DC−DCコンバータの動作を停止状態に維持する異常判定手段を備えることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  2. 請求項1において、異常判定手段が異常と判定する点滅回数の閾値を実際に放電灯を点滅させる回数と同等もしくはそれ以上の回数に設定したことを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  3. 請求項2において、所定の時間内に所定の点滅回数が発生した場合に直ちに出力停止状態とすることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  4. 請求項3において、所定の時間に所定の点滅回数が発生した場合でも所定の時間遅らせて出力停止状態とすることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  5. 請求項3又は4において、放電灯の点灯直後に投入する最大電力に応じて異常と判定する点滅時間又は点滅回数の条件を変更することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  6. 請求項5において、放電灯が点灯している時間または消灯している時間を測定する回路を備え、点灯または消灯している時間に応じて異常と判定する条件を変更することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、直流電源からの入力電圧の低下時に点灯を維持する電圧の閾値を2回目以降のいずれかの点滅で変更することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、2回目以降の点滅発生時には出力電流検出部から検出される電流値がゼロ又は所定値以下になったことをもって放電灯の立消えを判定することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、2回目以降の点滅発生時には出力電圧検出部から検出される電圧により放電灯の立ち消えを判定する閾値を変更することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の点灯維持下限電圧に低下して前記DC−DCコンバータの動作を停止させた直後に入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が急激に増加する場合には、異常と判定して前記DC−DCコンバータの動作を停止させることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかにおいて、放電灯の点灯維持が所定の時間以上続いた場合は、点滅回数又は点滅時間のカウントをクリアすることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて、前記直流電源と前記DC−DCコンバータとの間に逆接続防止手段として内部抵抗を有するスイッチ手段を備えると共に、このスイッチ手段の両端電圧を検出する手段を備え、該スイッチ手段の両端電圧の検出値に応じて入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧と比較される点灯維持下限電圧の閾値を変更することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかにおいて、前記直流電源と前記DC−DCコンバータとの間に逆接続防止手段として内部抵抗を有するスイッチ手段を備えると共に、このスイッチ手段の温度および両端電圧を検出する手段を備え、検出された温度に応じて求められた前記スイッチ手段の内部抵抗と前記スイッチ手段の両端電圧から入力電流を演算する手段と、入力電流が所定値以上のときに入力電流を制限するように制御する手段を有することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  14. 請求項13において、前記入力電流を制限する所定値は検出された温度によって変化させることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  15. 請求項13において、前記入力電流を制限する所定値は検出された温度と入力電圧によって変化させることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  16. 請求項12〜15のいずれかにおいて、前記スイッチ手段の両端間に基準電圧源と分圧抵抗の直列回路を並列接続し、該分圧抵抗の接続点の電位を検出する手段を備えることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかにおいて、点滅動作が繰り返された場合に、入力電圧の降下幅と入力電流の大きさから入力抵抗の抵抗値を算出し、所定の抵抗値以上であれば異常と判定することを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  18. 請求項12〜15のいずれかにおいて、入力電圧検出部により検出された直流電源からの入力電圧が所定の始動可能電圧になったときに、前記スイッチ手段がONされる装置において、点滅動作が数回繰り返された場合には点灯維持下限電圧判定の閾値を変化させることを特徴とする車両用放電灯点灯装置。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の車両用放電灯点灯装置と、その直流電源となる車載用のバッテリーと、放電灯としての前照灯とを備えることを特徴とする前照灯付きの車両。
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