JP4385966B2 - 放電灯点灯装置及び照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置、及びこれを用いた照明装置に関する。
図10は、背景技術に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。図10に示す放電灯点灯装置101は、電力供給部102と、インバータ回路103と、始動回路104と、制御回路105とを備えている。そして、始動回路104の外部に放電灯Laが接続されるようになっている。
電力供給部102は、外部に接続された直流電源Eから出力された直流電圧を、制御回路105からの制御信号に応じて昇圧又は降圧することによって所定の直流電圧に変換して放電灯Laに供給するDC−DCコンバータで、トランス106と、スイッチング素子107と、ダイオード108と、コンデンサ109とを備えている。スイッチング素子107は、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconducter Field Effect Transistor)を用いて構成されている。
インバータ回路103は、電力供給部102から出力された直流電圧をスイッチングして放電灯Laを点灯させるための交番電圧に変換するインバータ回路で、例えばMOSFETからなるブリッジ回路によって構成されている。始動回路104は、放電開始時に点灯電圧よりも非常に高い電圧の始動電圧を印加する必要があるHIDランプ(高圧放電ランプ)を点灯させるための高電圧を発生する回路である。
また、電力供給部102の外部に電源スイッチSW1を介して直流電源Eが接続されており、直流電源Eの正極は、トランス106の一次巻線の一端に接続され、他端はスイッチング素子107を介して直流電源Eの負極に接続されている。トランス106の二次巻線には、ダイオード108とコンデンサ109との直列回路が並列に接続されており、コンデンサ109の両端電圧が、電力供給部102の出力電圧としてインバータ回路103へ供給されるようになっている。
制御回路105は、PWM(Pulse Width Modulation)制御(パルス幅変調制御)によりスイッチング素子107をオンオフさせ、電力供給部102からインバータ回路103へ放電灯Laを点灯させるための電力を供給させる制御回路で、例えば、インバータ回路103の動作を制御するインバータ駆動回路151と、電力供給部102の出力電圧と出力電流とに基づいて電力供給部102から出力される電力を調整するべく制御信号をPWM信号発生回路153へ出力する出力制御回路152と、出力制御回路152からの制御信号に応じてスイッチング素子107をオンオフさせるPWM制御信号を生成するPWM信号発生回路153と、直流電源Eから出力された直流電圧である入力電圧Vinに応じてインバータ駆動回路151及びスイッチング素子107の動作を制御するべく制御信号を出力する動作制御回路154と、PWM信号発生回路153からのPWM制御信号と動作制御回路154からの制御信号との論理積を取って、スイッチング素子107へ出力するアンドゲート155とを備えている。
そして、制御回路105からのスイッチング信号に応じてスイッチング素子107がオンオフされると、スイッチング素子107がオンのときにトランス106の一次巻線110に電流I1が流れて磁気エネルギーが蓄えられ、スイッチング素子107がオフのときにトランス106の二次巻線111に逆起電圧が発生し、コンデンサ109で平滑化され、直流電圧としてインバータ回路103へ供給される。そして、インバータ回路103によって、電力供給部102から出力された直流電圧が交番電圧に変換される。そして、始動回路104を介して放電灯Laへ交番電圧が供給され、放電灯Laが点灯する。
上述のように構成された放電灯点灯装置101において、直流電源Eから出力された入力電圧Vinが低下すると、出力制御回路152におけるフィードバック制御によって、放電灯Laへの供給電力を維持して安定点灯させるべく、スイッチング素子107のオン時間が増大され、入力電流I1が増大される。しかし、入力電圧Vinの低下が大きいと、放電灯Laへの供給電力を維持させるために大きな入力電流I1が必要となり、放電灯点灯装置101を構成する回路素子の過大な電流による破壊や回路効率の低下、過度の発熱による回路破壊などの生じる恐れがあるため、図11に示すように入力電圧Vinが所定の停止電圧Vi_lim以下になるとスイッチング素子107をオフさせて電力供給部102の動作を停止させる。
また、動作開始直後はその直前に比べ入力電流の差が大きく、直流電源Eの内部インピーダンスや直流電源Eから放電灯点灯装置101までの線路インピーダンスによって電圧降下が発生するため、動作停止状態から動作状態に移行する起動電圧Vi_actと停止電圧Vi_limの間にはヒステリシス幅が設けられている。
しかし、例えば直流電源Eがバッテリなどの場合、過放電してしまうと等価的にバッテリ内部の直列インピーダンスが増大し、この状態で放電灯Laを点灯させていると、図12に示すように放電灯点灯装置101への入力電圧Vinが低下してゆき、停止電圧Vi_lim以下になると電力供給部102は動作を停止する。また、電力供給部102が動作を停止して直流電源Eの負荷がなくなるとバッテリ電流が小さくなるので直流電源Eの出力電圧、すなわち入力電圧Vinは上昇し、起動電圧Vi_actを超えると電力供給部102が再起動する結果、直流電源Eの負荷電流が増大して入力電圧Vinが低下し、再び停止する。
このように、電力供給部102の起動と停止が繰り返される結果、放電灯Laの点滅動作が続き、放電灯Laの寿命が縮められるという問題が生じる。このような問題は、直流電源Eとしてバッテリが使用されている場合に限られず、例えば直流電源Eから放電灯点灯装置101にいたる線路上に何らかの異常が発生し、線路インピーダンスが増大した状態でも同様に発生する。
そこで、予め設定された入力電源範囲を逸脱して、例えば入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になって放電灯Laを消灯させた回数が規定回数を超えると、再点灯を禁止することで放電灯Laの点滅が継続しないようにするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
再公表特許WO01/033916
ところで、上述のように、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になって放電灯Laを消灯させた回数が規定回数を超えると再点灯を禁止するようにした放電灯点灯装置では、以下のような場合において、放電灯Laの点滅を停止させることができない場合がある。すなわち、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下しなくても、急峻な電圧降下が発生した場合、フィードバック制御の応答性の問題から消灯する場合があるが、上述の放電灯点灯装置では、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下にならなければ電圧降下を検出できないため、放電灯Laの点滅を停止させることができないという不都合があった。
また、入力電圧Vinの低下にともない出力電力の制限を行う場合、出力制限特性やランプ状態、フィードバック系の条件によっては、消灯に至らないまでも、出力電力が脈動し、放電灯Laの発光が明滅する場合がある。しかし、上述の放電灯点灯装置では、消灯に至らなければ消灯回数が計数されないため、放電灯Laの明滅を停止させることができないという不都合があった。
本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、入力電圧の低下に伴う入力電流の増加による回路の損傷を抑制しつつ、入力電圧が不安定になっても放電灯の点滅や明滅が継続することを抑制することができる放電灯点灯装置、及びこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る放電灯点灯装置は、外部から電源電圧を受電する受電部と、前記受電部で受電された電源電圧に基づき放電灯へ点灯用の電力を供給する電力供給部と、前記受電部で受電された電源電圧が予め設定された第1の電圧を超えた場合に前記電力供給部に前記電力の供給を開始させ、前記受電部で受電された電源電圧が前記第1の電圧より低い第2の電圧以下となった場合に前記電力供給部による前記電力の供給を停止させる制御部と、前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後に前記受電部で受電された電源電圧が前記第2の電圧を超え前記第1の電圧以下である第3の電圧を通過した回数を計数する計数部とを備え、前記制御部は、前記計数部により計数された回数が予め設定された設定回数を超えた場合に、前記電力供給部による前記電力の供給を停止させることを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記計数部は、前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後、前記受電部で受電された電源電圧が立ち上がり及び立ち下がりのいずれか一方において前記第3の電圧を通過した回数を計数することを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記計数部は、前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後、前記受電部で受電された電源電圧が立ち上がり及び立ち下がりの両方において前記第3の電圧を通過した回数を計数することを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記受電部で受電された電源電圧が前記第3の電圧を通過してからの経過時間を計時する安定時間計時部をさらに備え、前記制御部は、前記安定時間計時部により計時された経過時間が予め設定された第1の経過時間に達する前に、前記受電部で受電された電源電圧が前記第3の電圧を通過しなかった場合、前記計数部による計数回数をゼロにすることを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記安定時間計時部が計時する前記経過時間は、前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第3の電圧を超えている時間であることを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第3の電圧以下である時間を計時する低電圧時間計時部をさらに備え、前記制御部は、前記低電圧時間計時部により計時された時間が予め設定された第2の経過時間に達した場合、前記電力供給部による前記電力の供給を停止させることを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記放電灯を消灯させる消灯指示を受け付ける消灯指示受付部をさらに備え、前記制御部は、前記消灯指示受付部により前記消灯指示が受け付けられるまで、前記電力供給部による前記電力の供給の停止を維持することを特徴としている。
また、上述の放電灯点灯装置において、前記消灯指示受付部は、前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第2の電圧以下である時間が予め設定された消灯受付時間に達した場合に、前記消灯指示を受け付けることを特徴としている。
そして、本発明の第2の手段に係る照明装置は、放電灯を点灯させるための放電灯点灯装置と、前記放電灯点灯装置を収容する筐体とを備え、前記放電灯点灯装置は、上述のいずれかに記載の放電灯点灯装置であることを特徴としている。
このような構成の放電灯点灯装置及び照明装置は、外部から受電された電源電圧が予め設定された第1の電圧を超えた場合に放電灯へ点灯用の電力供給が開始され、外部から受電された電源電圧が第1の電圧より低い第2の電圧以下となった場合に放電灯への電力供給が停止されるので、外部からの入力電圧の低下に伴う入力電流の増加による回路の損傷を抑制することができる。また、放電灯への電力供給が開始された後に外部から供給される電源電圧が第2の電圧を超え第1の電圧以下である第3の電圧を通過した回数が計数部により計数され、計数部により計数された回数が予め設定された設定回数を超えた場合に、放電灯への電力供給が停止されるので、外部からの入力電圧が不安定になっても放電灯の点滅や明滅が継続することを抑制することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置の構成の一例を示す断面図である。図1に示す照明装置1は、例えば自動車やオートバイ等の車両に用いられる前照灯であり、車両の車体に固定される灯体ハウジング2(筐体)の内部にランプソケット3と反射板4と放電灯Laとを収納したものであり、灯体ハウジング2の前面に設けた開口部には、灯体レンズ5が装着される。灯体ハウジング2の後部には、放電灯Laを交換するための開口部6が設けられており、開口部6には着脱可能なキャップ7が取り付けられている。灯体ハウジング2の下部外側には、ケースに収納された放電灯点灯装置8が取り付けられ、放電灯点灯装置8には、例えばバッテリを直流電源として電源供給を行うための電源線CBL1が接続されている。さらに、放電灯点灯装置8と、ランプソケット3とはハーネスCBL2により接続されている。そして、ランプソケット3に放電灯Laを取り付けることにより、放電灯点灯装置8からの電力を放電灯Laへ供給し、放電灯Laを点灯させるようになっている。そして、照明装置1は、例えば図2に示す車両9の車体における前部の左右両側にそれぞれ配設されるようになっている。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る放電灯点灯装置8の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す放電灯点灯装置8は、電力供給部10と、インバータ回路20と、始動回路30と、制御回路部40とを備えている。
電力供給部10は、外部に電源スイッチSW1を介して接続された直流電源Eから出力された直流の入力電圧Vinを、制御回路部40からのスイッチング信号SPWMに応じて昇圧又は降圧することによって所定の直流電圧である出力電圧Voutに変換してインバータ回路20に供給するDC−DCコンバータで、外部接続端子11,12(受電部)と、トランスTと、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、コンデンサC1と、電流検出回路13と、電圧検出回路14とを備えている。
また、電力供給部10の外部に電源スイッチSW1を介して接続された直流電源Eの正極は、外部接続端子11を介してトランスTの一次側巻線L1の一端に接続され、他端はスイッチング素子Q1と外部接続端子12とを介して直流電源Eの負極に接続されている。トランスTの二次側巻線L2には、ダイオードD1とコンデンサC1との直列回路が並列に接続されている。そして、コンデンサC1の両端に生じる直流電圧が、電力供給部10の出力電圧Voutとしてインバータ回路20へ供給されるようになっている。
電流検出回路13は、トランスTの一次側巻線L1を流れる電流I1を検出し、その電流検出信号SI1を制御回路部40へ出力するもので、例えば抵抗やホール素子を用いて構成されている。電圧検出回路14は、出力電圧Voutを検出し、その電圧検出信号SV1を制御回路部40へ出力する電圧検出回路である。
インバータ回路20は、例えばトランジスタQ2,Q3の直列回路とトランジスタQ4,Q5の直列回路とが並列接続されて構成されたブリッジ回路によって、電力供給部10から出力された出力電圧Voutをスイッチングし、交番電圧に変換して始動回路30へ供給する。始動回路30は、放電開始時に点灯電圧よりも非常に高い電圧の始動電圧を印加する必要があるHIDランプ(高圧放電ランプ)を点灯させるための高電圧を発生する回路である。始動回路30は、図1に示すハーネスCBL2とランプソケット3とを介してランプソケット3に取り付けられた放電灯Laと接続されている。
制御回路部40は、インバータ駆動回路41と、出力制御回路42と、PWM信号発生回路43と、動作制御回路44と、アンドゲート45とを備えている。インバータ駆動回路41は、インバータ回路20におけるトランジスタQ2,Q5の組とトランジスタQ3,Q4の組とを交互にオンオフさせて電力供給部10の出力電圧Voutをスイッチングさせ、放電灯Laの点灯用の交番電圧を生成させる。
出力制御回路42は、電圧検出回路14から出力された電圧検出信号SV1と、電流検出回路13から出力された電流検出信号SI1とに基づいて電力供給部10からの放電灯Laへの供給電力を調整するべくPWM信号発生回路43へ制御信号を出力する制御回路部である。PWM信号発生回路43は、出力制御回路42から出力された制御信号に応じてPWM制御(パルス幅制御)に基づきスイッチング素子Q1をオンオフさせるためのスイッチング信号SPWMのデューティを変化させ、そのスイッチング信号SPWMをアンドゲート45を介して電力供給部10へ出力することにより、電力供給部10によってスイッチング信号SPWMに応じた電力を放電灯Laへ供給させる。
動作制御回路44は、外部接続端子11,12で受電された入力電圧Vinが予め設定された起動電圧Vi_act(第1の電圧)を超えた場合に電力供給部10に電力供給を開始させ、入力電圧Vinが起動電圧Vi_actより低い停止電圧Vi_lim(第2の電圧)以下となった場合に電力供給部10による電力の供給を停止させ、電力供給部10による電力の供給を開始させた後に入力電圧Vinが停止電圧Vi_limを超え起動電圧Vi_act以下である中間電圧Vi_crn(第3の電圧)を通過した回数が、予め設定された設定回数を超えた場合に電力供給部10による電力の供給を停止させる制御部である。
図4は、動作制御回路44の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す動作制御回路44は、起動停止電圧判定部46と、中間電圧判定部47とを備えている。図5は、起動停止電圧判定部46の構成の一例を示す回路図である。図5に示す起動停止電圧判定部46は、コンパレータCMP1,CMP2,CMP3,CMP4と、フリップフロップFF1,FF2と、定電流源CS1,CS2と、コンデンサCtと、抵抗R1,R2と、切替スイッチSW2とを備えて構成されている。
コンパレータCMP1の反転入力端子とコンパレータCMP2の非反転入力端子には入力電圧Vinが入力され、コンパレータCMP1の非反転入力端子には起動電圧Vi_actが入力され、コンパレータCMP2の反転入力端子には停止電圧Vi_limが入力されている。そして、コンパレータCMP1の出力端子はフリップフロップFF1の/Set端子に接続され、コンパレータCMP2の出力端子はフリップフロップFF1の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF1のQ出力信号が、放電灯Laへの電力供給動作を許可する動作許可信号SACTとして中間電圧判定部47へ出力される。以下、ローアクティブの信号名及び信号端子名には「/」(図面ではオーバーバー)を付して表記する。
コンパレータCMP3の非反転入力端子には予め設定された基準電圧V_RT1が入力され、コンパレータCMP4の反転入力端子には基準電圧V_RT1を抵抗R1と抵抗R2の直列回路によって分圧した基準電圧V_RT2が入力されている。そして、コンパレータCMP3の反転入力端子とコンパレータCMP4の非反転入力端子とは、コンデンサCtを介してグラウンドに接続され、コンパレータCMP3,CMP4とコンデンサCtとの接続点は、切替スイッチSW2に接続されている。
切替スイッチSW2は、コンパレータCMP2の出力信号に応じてコンデンサCtを、定電流源CS1及び定電流源CS2のいずれかに接続する。定電流源CS1は、コンデンサCtを充電する充電電流Ichgを流す定電流源であり、定電流源CS2は、コンデンサCtを放電する放電電流Idcgを流す定電流源である。そして、定電流源CS1,CS2、コンデンサCt、及びコンパレータCMP3,CMP4によって、タイマ回路が構成されており、コンパレータCMP3の出力端子はフリップフロップFF2の/Set端子に接続され、コンパレータCMP4の出力端子はフリップフロップFF2の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF2のQ出力信号は、放電灯点灯装置8全体の動作を停止させると共に初期状態にさせるシステムリセット信号/SRESとして、中間電圧判定部47及び放電灯点灯装置8内の各回路部へ出力される。
図6は、中間電圧判定部47の構成の一例を示す回路図である。図6に示す中間電圧判定部47は、タイマ用カウンタCT1(安定時間計時部)と、電圧低下計数用カウンタCT2(計数部)と、コンパレータCMP5と、発振器OSC1と、フリップフロップFF3と、オアゲート701と、アンドゲート702,703と、NORゲート704と、インバータ705とを備えて構成されている。
コンパレータCMP5の非反転入力端子には入力電圧Vinが印加され、コンパレータCMP5の反転入力端子には、中間電圧Vi_crnが印加され、コンパレータCMP5の出力端子はオアゲート701とアンドゲート702とへ接続されている。アンドゲート702の他方の入力端子にはシステムリセット信号/SRESが入力され、アンドゲート702の出力端子はタイマ用カウンタCT1の/Clear端子に接続されており、コンパレータCMP5の出力信号とシステムリセット信号/SRESとのうちいずれかがローレベルになると、タイマ用カウンタCT1がリセット(初期化)されるようになっている。
また、タイマ用カウンタCT1のClock端子には、所定の周波数信号を出力する発振器OSC1が接続されており、タイマ用カウンタCT1は、発振器OSC1から出力された周波数信号をカウントすることによりタイマとして動作し、予め設定された設定時間Tstb(第1の経過時間)が経過するとカウンタがオーバーフロー(タイムアップ)し、/Overflow端子からの出力信号をローレベルにしてアンドゲート703へ出力する。設定時間Tstbは、例えば過放電状態のバッテリの出力電圧が回復するのに必要な時間が設定され、例えば1秒から60秒程度の時間が設定される。
アンドゲート703の他方の入力端子にはシステムリセット信号/SRESが入力され、アンドゲート703の出力端子は電圧低下計数用カウンタCT2の/Clear端子に接続されており、タイマ用カウンタCT1におけるタイムアップを示す/Overflow端子からの出力信号とシステムリセット信号/SRESとのうちいずれかがローレベルになると、電圧低下計数用カウンタCT2がリセットされるようになっている。
また、オアゲート701によって、コンパレータCMP5の出力信号と、動作許可信号SACTをインバータ705で反転させた信号とが論理和されて、電圧低下計数用カウンタCT2の/Clock端子へ出力される。電圧低下計数用カウンタCT2は、コンパレータCMP5の出力信号の立ち下がり回数を計数し、その計数値が予め設定された設定回数に達すると、カウントアップを示すべく/Overflow端子からの出力信号をローレベルにしてフリップフロップFF3の/Set端子へ出力する。フリップフロップFF3の/Reset端子には、システムリセット信号/SRESが入力されており、フリップフロップFF3のQ出力信号がNORゲート704の入力端子へ出力される。
そして、NORゲート704の他方の入力端子には、動作許可信号SACTをインバータ705で反転させた信号が入力され、NORゲート704の出力信号が放電灯Laへの電力供給を停止させるための停止信号/STOPとしてアンドゲート45とインバータ駆動回路41とへ出力される。
次に、上述のように構成された放電灯点灯装置8の動作について説明する。まず、例えばユーザによって電源スイッチSW1がオンされると、外部接続端子11,12間に直流電源Eから出力された電源電圧が印加され、入力電圧Vinが上昇する。そして、入力電圧Vinが起動電圧Vi_actに達すると図5に示す起動停止電圧判定部46におけるコンパレータCMP1によってフリップフロップFF1がセットされ、動作許可信号SACTがハイレベルにされて動作許可状態にされると共に、コンパレータCMP2によって切替スイッチSW2が定電流源CS1側に切り替えられてコンデンサCtが充電電流Ichgによって充電され、コンデンサCtの充電電圧が基準電圧V_RT1に達するとコンパレータCMP3によってフリップフロップFF2がセットされてシステムリセット信号/SRESがハイレベルにされ、すなわち放電灯点灯装置8内の各回路部のリセットが解除され、動作可能にされる。
これにより、入力電圧Vinが起動電圧Vi_actを超えてから、充電電流IchgによりコンデンサCtを基準電圧V_RT1まで充電するのに必要な時間Tdsの間、システムリセット信号/SRESがローレベルにされて放電灯点灯装置8内の各回路部のリセット状態が維持されるので、電源スイッチSW1による電源投入時のチャタリング現象等により電源投入直後における入力電圧Vinが不安定な状態で放電灯点灯装置8が放電灯Laの点灯動作を開始することを抑制し、放電灯点灯装置8の動作の安定性を向上させることができる。
また、入力電圧Vinが起動電圧Vi_actを超えてから、時間Tdsの間、システムリセット信号/SRESがローレベルにされて放電灯点灯装置8内の各回路部のリセット状態が維持されるので、放電灯点灯装置8内の各回路部における初期化処理の確実性を向上させることができる。
そして、フリップフロップFF1からハイレベルにされた動作許可信号SACTが図6に示す中間電圧判定部47におけるインバータ705で反転されてNORゲート704で停止信号/STOPがハイレベルにされることにより、信号発生回路43から出力されたスイッチング信号SPWMがアンドゲート45からスイッチング素子Q1へ供給されて、スイッチング信号SPWMに応じてスイッチング素子Q1がスイッチング動作を行い電力供給部10から出力電圧Voutがインバータ回路20へ出力されると共に、インバータ駆動回路41により出力電圧Voutが交番電圧に変換されて始動回路30を介して放電灯Laへ供給され、放電灯Laが点灯する。
また、動作許可信号SACTがハイレベルにされ、電力供給部10から放電灯Laへ点灯用の電力供給が開始された後、図6におけるインバータ705で動作許可信号SACTが反転されてオアゲート701に入力され、オアゲート701によってコンパレータCMP5の出力信号の立ち下がりを電圧低下計数用カウンタCT2で計数可能にされる。
次に、例えば直流電源Eが過放電したバッテリであったり、直流電源Eから放電灯点灯装置8にいたる線路上の異常により線路インピーダンスが増大した状態である等の電源系統の問題により、電源系統のインピーダンスが増大して電圧降下が生じて入力電圧Vinが低下し、中間電圧Vi_crnに達すると、コンパレータCMP5の出力信号が立ち下がり、その立ち下がりが電圧低下計数用カウンタCT2で計数される。
そして、入力電圧Vinが不安定状態となって中間電圧Vi_crnの上下の電圧を繰り返すように変動すると、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを立ち下がりで通過した回数が電圧低下計数用カウンタCT2で計数され、その計数値が放電灯Laの点滅の継続を抑制するべく予め設定された設定回数に達すると、電圧低下計数用カウンタCT2がカウントアップしてフリップフロップFF3がセットされると共に保持され、NORゲート704から停止信号/STOPがローレベルで出力されることにより、アンドゲート45でスイッチング信号SPWMが強制的にローレベルにされて電力供給部10による電力供給が停止されると共に、インバータ駆動回路41のスイッチング動作が停止され、放電灯Laへの電力供給が停止されて消灯される。
これにより、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下にならなくても、入力電圧Vinが停止電圧Vi_limを超え起動電圧Vi_act以下である中間電圧Vi_crnを通過した回数が、予め設定された設定回数を超えた場合に電力供給部10による電力の供給を停止させることができるので、放電灯Laの点滅動作が継続し、放電灯Laの寿命が縮められることを抑制することができる。
また、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下にならず、消灯に至らないまま出力電圧Voutが脈動し、放電灯Laの発光が明滅する状態であっても、消灯回数をカウントすることなく入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを通過した回数が、予め設定された設定回数を超えた場合に電力供給部10による電力の供給を停止させることができるので、放電灯Laの明滅動作が継続することを抑制することができる。
なお、電圧低下計数用カウンタCT2は、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを立ち下がりで通過した回数を計数する例に限られず、立ち上がりで通過した回数を計数してもよく、立ち下がり及び立ち上がりの両方で通過した回数を計数してもよい。
また、コンパレータCMP5は、入力電圧Vinがスローアップ又はスローダウンした場合に、中間電圧Vi_crn付近でノイズによりコンパレータCMP5の出力信号が変化して電圧低下計数用カウンタCT2でカウントされることを避けるため、判定電圧にヒステリシス幅が設けられたヒステリシスコンパレータであることが望ましい。
また、コンパレータCMP5のヒステリシス幅における上限電圧を起動電圧Vi_actに設定し、図5におけるコンパレータCMP1,CMP2及びフリップフロップFF1から構成される動作許可信号SACTの生成回路の機能をコンパレータCMP5で兼ねることにより、コンパレータCMP1,CMP2及びフリップフロップFF1を削除してもよい。
また、コンパレータCMP1,CMP2及びフリップフロップFF1の代わりに、ヒステリシスの下限値が停止電圧Vi_limに設定され、ヒステリシスの上限値が起動電圧Vi_actに設定されたヒステリシスコンパレータを用いてもよい。
次に、入力電圧Vinが低下し、中間電圧Vi_crnに達すると、コンパレータCMP5の出力信号がローレベルとなり、タイマ用カウンタCT1が初期化される。さらに、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを上回るとコンパレータCMP5の出力信号がハイレベルとなり、タイマ用カウンタCT1によって入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crnを超えている時間が計時され、その計時時間が設定時間Tstbに達した場合、タイマ用カウンタCT1の/Overflow出力信号がローレベルとなり、電圧低下計数用カウンタCT2がリセットされて計数回数がゼロにされる。
すなわちタイマ用カウンタCT1の計時時間が設定時間Tstbに達する前に入力電圧Vinが中間電圧Vi_crn以下となることがなく連続して中間電圧Vi_crnを超えた場合、入力電圧Vinが安定したと判断され、タイマ用カウンタCT1によって、電圧低下計数用カウンタCT2がリセットされる。これにより、入力電圧Vinが一時的に不安定となっても、入力電圧Vinが安定した場合には、電圧低下計数用カウンタCT2の計数値をゼロにすることができる。
さらに、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した場合、図5に示すコンパレータCMP2の出力信号がローレベルとなり、フリップフロップFF1がリセットされ、動作許可信号SACTがローレベルにされ、図6におけるインバータ705とNORゲート704とによって停止信号/STOPがローレベルにされ、電力供給部10による電力供給が停止されると共にインバータ回路20のスイッチング動作が停止され、放電灯Laが消灯される。
これにより、入力電圧Vinの低下に伴う入力電流I1の増加による回路の損傷を抑制しつつ、入力電圧Vinが不安定になっても放電灯の点滅や明滅が継続することを抑制することができる。
また、図5に示すコンパレータCMP2の出力信号がローレベルになると、切替スイッチSW2が定電流源CS2側に切り替えられ、コンデンサCtが放電電流Idcgにより放電され、コンデンサCtの充電電圧が基準電圧V_RT2に達すると、コンパレータCMP4によりフリップフロップFF2がリセットされ、システムリセット信号/SRESがローレベルにされて、放電灯点灯装置8内の各回路部がリセットされ、停止信号/STOPをローレベルに保持するフリップフロップFF3もリセットされる。
この場合、コンデンサCtの充電電圧が基準電圧V_RT2に達するのにかかる放電時間Tdcgが経過する前に入力電圧Vinが上昇して停止電圧Vi_limを超えると切替スイッチSW2がコンデンサCtを充電する定電流源CS1側に切り替えられ、フリップフロップFF3はリセットされず、従って停止信号/STOPがローレベルのまま保持されて放電灯Laの消灯が維持されるようになっている。放電時間Tdcgは、例えばユーザが電源スイッチSW1を開放後、再投入するのに要する時間、例えば1秒〜60秒程度にされている。
これにより、例えば電源系統がバッテリの過放電灯により高インピーダンスとなっている場合に放電灯点灯装置8の動作電流の増大により入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下となった場合のように、電源電圧の不安定要因により入力電圧Vinが低下した場合にフリップフロップFF3がリセットされて停止信号/STOPが解除され、放電灯Laが点灯することを抑制することができる。
また、例えば、ユーザが電源スイッチSW1を開閉操作した場合には、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下となる時間がある程度の時間、例えば1秒〜60秒程度以上継続すると考えられるので、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下となる時間が放電時間Tdcg以上継続すると、ユーザからの消灯指示が有ったものと判断して放電灯点灯装置8内の各回路部をリセットし、フリップフロップFF3もリセットして停止信号/STOPによる動作停止状態を解除すると共に、タイマ用カウンタCT1と電圧低下計数用カウンタCT2とをリセットして初期化するようにされている。
すなわち、入力電圧Vinが放電時間Tdcg以上継続して停止電圧Vi_lim以下となることがユーザからの消灯指示としてコンパレータCMP2、切替スイッチSW2、定電流源CS2、コンデンサCt及びコンパレータCMP4によって受け付けられ、停止信号/STOPによる動作停止状態が解除される。すなわちコンパレータCMP2、切替スイッチSW2、定電流源CS2、コンデンサCt及びコンパレータCMP4が、消灯指示受付部の一例として機能するので、ユーザは、電源スイッチSW1を開閉操作することにより停止信号/STOPによる動作停止状態を解除することができる。
なお、放電灯点灯装置8は、消灯指示受け付け用の操作スイッチを消灯指示受付部として備え、操作スイッチによりユーザからの消灯指示が受け付けられた場合に、停止信号/STOPによる動作停止状態が解除される構成としてもよい。
また、リセット条件を判定する基準電圧として停止電圧Vi_limを用い、停止電圧Vi_limに応じて切替スイッチSW2を切り替える例を示したが、リセット条件を判定する基準電圧としては、停止電圧Vi_limより低い電圧を用いてもよい。
また、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下すると、制御回路部40の動作用電源電圧が低下して制御回路部40の動作が不安定になる場合がある。そこで、コンパレータCMP2の出力信号を、通常の動作モードと、消費電流を低減する節電モードとを切り替える動作モード切替信号として用い、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した場合に、不要な回路部分への電源電流の供給を停止したり、低速制御に切り替える等の処理により制御回路部40を節電モードに移行させ、消費電流を低減することで動作用電源電圧の低下を低減し、制御回路部40の動作が不安定になることを抑制するようにしてもよい。
また、動作制御回路44は、例えばマイクロコンピュータ、タイマ、カウンタ等を備えて構成された制御回路によって、構成してもよい。図7は、中間電圧判定部47を、マイクロコンピュータを用いて構成した場合における動作の一例を説明するためのフローチャートである。まず、中間電圧判定部47によって、動作許可状態(動作許可信号SACTがハイレベル)であることが確認され(ステップS1)、動作許可状態であれば(ステップS1でYES)中間電圧Vi_crnからヒステリシス電圧Vhisを減じた電圧と入力電圧Vinとが比較され(ステップS2)、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnからヒステリシス電圧Vhisを減じた電圧に満たなければ(ステップS2でYES)、図略のメモリに以前記憶された前入力電圧Vinと、中間電圧Vi_crnからヒステリシス電圧Vhisを減じた電圧とが比較され(ステップS3)、前入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnからヒステリシス電圧Vhisを減じた電圧以上であれば(ステップS3でNO)、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを立ち下がりで通過したと判断され、図略のタイマの計時動作が停止されると共に初期化される。
そして、動作制御回路44によって、入力電圧Vinの立ち下がり回数の計数値CNTが「1」加算され(ステップS5)、計数値CNTが予め設定された設定回数CNT_OVを超えると(ステップS6でYES)、停止信号/STOPがローレベルにされて放電灯点灯装置8が動作停止状態にされる(ステップS7)。そして、動作制御回路44がシステムリセット信号/SRESによってリセットされるまで動作停止状態が維持される。
一方、計数値CNTが予め設定された設定回数以下であれば(ステップS6でNO)、動作制御回路44によって、現在の入力電圧Vinが図略のメモリに前入力電圧Vinとして記憶され(ステップS8)、電源異常の判定処理を終了する。
また、ステップS2において、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnからヒステリシス電圧Vhisを減じた電圧以上であれば(ステップS2でNO)、図略のタイマによる計時動作が開始され(ステップS9)、計時時間が予め設定された設定時間TM_OVを超えると(ステップS10でYES)、計数値CNTがゼロにされると共に図略のタイマが初期化され(ステップS11)、現在の入力電圧Vinが図略のメモリに前入力電圧Vinとして記憶され(ステップS8)、電源異常の判定処理を終了する。
そして、ステップS1からS11の処理が、繰り返し実行されることにより、図6に示す中間電圧判定部47と同様に機能する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る放電灯点灯装置について説明する。本発明の第2の実施形態に係る放電灯点灯装置は、第1の実施形態に係る放電灯点灯装置とは、中間電圧判定部47aの構成が異なる。その他の構成は第1の実施形態に係る放電灯点灯装置と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
図8は、中間電圧判定部47aの構成の一例を示す回路図である。図8に示す中間電圧判定部47aは、図6に示す中間電圧判定部47とは、遅延回路706とENORゲート707とオアゲート708とをさらに備える点で異なる。遅延回路706は、コンパレータCMP5の出力信号を遅延させる遅延回路である。ENORゲート707は、コンパレータCMP5の出力信号と、遅延回路706で遅延されたコンパレータCMP5の出力信号との排他的論理和を反転させてアンドゲート702へ出力する。アンドゲート702は、ENORゲート707の出力信号と、システムリセット信号/SRESとの論理積をとって、タイマ用カウンタCT1の/Clear端子へ出力する。
ENORゲート707は、コンパレータCMP5の出力信号と、遅延回路706で遅延されたコンパレータCMP5の出力信号との排他的論理和をとることによって、コンパレータCMP5の出力信号における立ち下がり及び立ち下がりの両方のタイミングで遅延回路706の遅延時間に相当するパルス幅のローレベルのパルス信号をアンドゲート702を介してタイマ用カウンタCT1へ出力し、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを立ち下がり及び立ち上がりで通過する都度タイマ用カウンタCT1をリセットする。
これにより、タイマ用カウンタCT1は、入力電圧Vinの立ち上がり、立ち下がりにかかわらず入力電圧Vinが中間電圧Vi_crnを通過しない期間、すなわち入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crnを超えている時間と、入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crn以下である時間とを計時するようにされてる。
そして、入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crnを超えている時間が設定時間Tstb(第1の経過時間)に達した場合、図6に示す中間電圧判定部47と同様にタイマ用カウンタCT1によって電圧低下計数用カウンタCT2がリセットされて計数回数がゼロにされる一方、入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crn以下である時間が設定時間Tstb(第2の経過時間)に達した場合、タイマ用カウンタCT1によって電圧低下計数用カウンタCT2がリセットされると共にオアゲート708を介してフリップフロップFF3がセットされ、NORゲート704から出力される停止信号/STOPがローレベルにされて電力供給部10による電力供給が停止され、インバータ回路20のスイッチング動作が停止され、放電灯Laが消灯される。
電力供給部10は、入力電圧Vinの低下が大きいと、放電灯Laへの供給電力を維持させるために大きな入力電流I1が必要となり、入力電圧Vinの低電圧状態が継続すると、放電灯点灯装置8を構成する回路素子の過大な電流による損傷や電力変換効率の低下、過度の発熱による回路破壊などの可能性がある。
しかし、上述の中間電圧判定部47aによれば、入力電圧Vinが中間電圧Vi_crn以下である時間が設定時間Tstbの間継続すると、電力供給部10による電力供給が停止され、インバータ回路20のスイッチング動作が停止され、放電灯Laが消灯されるので、入力電圧Vinの低電圧状態が継続することによる放電灯点灯装置8の回路素子の過大な電流による損傷や電力変換効率の低下、過度の発熱による回路破壊などの可能性を低減することができる。
また、入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crnを超えている時間を計時する安定時間計時部と、入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crn以下である時間を計時する低電圧時間計時部とをタイマ用カウンタCT1で兼用することができるので、回路を簡素化することができる。
なお、タイマ用カウンタCT1の他に入力電圧Vinが連続して中間電圧Vi_crn以下である時間を計時する低電圧時間計時部を別途備える構成としてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る放電灯点灯装置について説明する。本発明の第3の実施形態に係る放電灯点灯装置は、第1の実施形態に係る放電灯点灯装置とは、起動停止電圧判定部46aの構成が異なる。その他の構成は第1の実施形態に係る放電灯点灯装置と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
図9は、起動停止電圧判定部46aの構成の一例を示す回路図である。図9に示す起動停止電圧判定部46aは、放電灯点灯装置8全体のリセット信号であるシステムリセット信号/SRESとは別の中間電圧判定部47(47a)用のリセット信号/RES44を生成すると共に中間電圧判定部47へシステムリセット信号/SRESの代わりに出力し、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になった場合、システムリセット信号/SRESをローレベルにして中間電圧判定部47を除く放電灯点灯装置8内の各回路部をリセットした後、予め設定された一定の時間経過後にリセット信号/RES44をローレベルにして中間電圧判定部47をリセットするようにすることで、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した場合に制御回路部40の動作用電源電圧が低下して中間電圧判定部47の動作が不安定になることを抑制するようにしたものである。
図9に示す起動停止電圧判定部46aは、コンパレータCMP1〜CMP4,CMP6,CMP7,CMP10,CMP11と、フリップフロップFF1〜FF3,FF5と、定電流源CS3,CS4と、コンデンサCt1,Ct2,Ccと、抵抗R1〜R7と、スイッチDSW1,DSW2と、制御電源回路601とを備えて構成されている。
制御電源回路601は、入力電圧Vinに基づき制御回路部40を動作させるための制御用電源電圧V1を生成し、制御回路部40へ供給する。コンデンサCcは、制御電源回路601から出力された制御用電源電圧V1を平滑する平滑用コンデンサである。
コンパレータCMP6の非反転入力端子には予め設定された基準電圧V_RC1が入力され、コンパレータCMP7の反転入力端子には基準電圧V_RC1を抵抗R3と抵抗R4との直列回路によって分圧した基準電圧V_RC2が入力されている。そして、コンパレータCMP6の反転入力端子とコンパレータCMP7の非反転入力端子とには、制御電源回路601から出力された制御用電源電圧V1が印加されている。
そして、コンパレータCMP6の出力端子はフリップフロップFF3の/Set端子に接続され、コンパレータCMP7の出力端子はフリップフロップFF3の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF3のQ出力信号がスイッチDSW1の切替信号としてスイッチDSW1へ出力されている。
コンパレータCMP3の非反転入力端子には予め設定された基準電圧V_RT1が入力され、コンパレータCMP4の反転入力端子には基準電圧V_RT1を抵抗R1と抵抗R2の直列回路によって分圧した基準電圧V_RT2が入力されている。そして、コンパレータCMP3の反転入力端子とコンパレータCMP4の非反転入力端子とは、コンデンサCt1を介してグラウンドに接続され、コンパレータCMP3,CMP4とコンデンサCt1との接続点は、スイッチDSW1を介してグラウンドに接続されている。また、コンデンサCt1には、コンデンサCt1を一定の電流Ichg1で充電する定電流源CS3が接続されている。
スイッチDSW1は、フリップフロップFF3のQ出力信号に応じて、オフすることによりコンデンサCt2が電流Ichg1で充電され、オンすることによりコンデンサCt2が放電されるようになっている。そして、定電流源CS3、コンデンサCt1、及びコンパレータCMP3,CMP4によって、タイマ回路が構成されており、コンパレータCMP3の出力端子はフリップフロップFF2の/Set端子に接続され、コンパレータCMP4の出力端子はフリップフロップFF2の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF2のQ出力信号は、中間電圧判定部47を除く放電灯点灯装置8内の各回路部をリセットするためのシステムリセット信号/SRESとして、放電灯点灯装置8内の各回路部へ出力される。
また、コンパレータCMP1の反転入力端子とコンパレータCMP2の非反転入力端子とには、入力電圧Vinが入力され、コンパレータCMP1の非反転入力端子には起動電圧Vi_actが入力され、コンパレータCMP2の反転入力端子には停止電圧Vi_limが入力されている。そして、コンパレータCMP1の出力端子はフリップフロップFF1の/Set端子に接続され、コンパレータCMP2の出力端子はフリップフロップFF1の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF1のQ出力信号が、放電灯Laへの電力供給動作を許可する動作許可信号SACTとして中間電圧判定部47へ出力される。
コンパレータCMP10の非反転入力端子には予め設定された基準電圧V_RT3が入力され、コンパレータCMP11の反転入力端子には基準電圧V_RT3を抵抗R6と抵抗R7の直列回路によって分圧した基準電圧V_RT4が入力されている。そして、コンパレータCMP10の反転入力端子とコンパレータCMP11の非反転入力端子とは、コンデンサCt2を介してグラウンドに接続され、コンパレータCMP10,CMP11とコンデンサCt2との接続点は、抵抗R5とスイッチDSW2とを介してグラウンドに接続されている。そして、抵抗R5とスイッチDSW2との接続点には、コンデンサCt2を一定の電流Ichg2で充電する定電流源CS4が接続されている。スイッチDSW2は、コンパレータCMP2の出力信号に応じて、オフすることによりコンデンサCt2が充電され、オンすることによりコンデンサCt2が放電されるようになっている。
そして、コンパレータCMP10の出力端子がフリップフロップFF5の/Set端子に接続され、コンパレータCMP11の出力端子がフリップフロップFF5の/Reset端子に接続され、フリップフロップFF5のQ出力端子からの出力信号が、リセット信号/RES44として中間電圧判定部47へ出力される。
次に、上述のように構成された起動停止電圧判定部46aの動作について説明する。まず、システムリセット信号/SRESは、入力電圧Vinが上昇して制御電源回路601から出力される制御用電源電圧V1が上昇し、制御用電源電圧V1が基準電圧V_RC1を超えるとスイッチDSW1がオフされてコンデンサCt1が充電され、コンデンサCt1の充電電圧が基準電圧V_RT1を超えるとシステムリセット信号/SRESがハイレベルにされて中間電圧判定部47を除く放電灯点灯装置8内の各回路部のリセットが解除される。
また、入力電圧Vinが下降して制御電源回路601から出力される動作制御回路用電源電圧が下降し、制御用電源電圧V1が基準電圧V_RC2以下となるとスイッチDSW1がオンされてコンデンサCt1が放電され、コンデンサCt1の充電電圧が基準電圧V_RT2以下になるとシステムリセット信号/SRESがローレベルにされて中間電圧判定部47を除く放電灯点灯装置8内の各回路部がリセットされる。
一方、入力電圧Vinが下降して停止電圧Vi_lim以下となるとコンパレータCMP2によりスイッチDSW2がオンされてコンデンサCt2が放電され、コンデンサCt2の充電電圧が基準電圧V_RT4以下になると、フリップフロップFF5によりリセット信号/RES44がローレベルにされて中間電圧判定部47がリセットされる。この場合、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になってからシステムリセット信号/SRESがローレベルにされるまでの時間Tdrよりも、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になってからリセット信号/RES44がローレベルにされるまでの時間の方が大きくなるようにコンデンサCc,Ct1,Ct2の容量や電流Ichg1,Ichg2、抵抗R5の抵抗値等が設定されている。
これにより、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下になった場合、システムリセット信号/SRESをローレベルにして中間電圧判定部47を除く放電灯点灯装置8内の各回路部をリセットした後、予め設定された一定の時間経過後にリセット信号/RES44をローレベルにして中間電圧判定部47をリセットするようにすることで、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した場合に制御用電源電圧V1が低下して中間電圧判定部47の動作が不安定になることが抑制できる。
なお、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した後、制御回路部40を節電モードに切り替えて消費電力を低減させるようにしてもよい。また、中間電圧判定部47を例えばマイクロコンピュータを用いて構成した場合、中間電圧判定部47は、入力電圧Vinが停止電圧Vi_lim以下に低下した後、タイマ等を用いて予め設定された一定時間を計時した後、入力電圧Vinの立ち下がり回数の計数値CNTを初期化するか否かを決定する構成としてもよい。
また、放電灯点灯装置8は、消灯指示受け付け用の操作スイッチを消灯指示受付部として備えた場合には、操作スイッチにより受け付けられた消灯指示信号が、予め設定された所定時間Tdr以上継続した場合に中間電圧判定部47がリセットされるようにしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置の構成の一例を示す断面図である。 図1に示す照明装置が配設された車両の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る放電灯点灯装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3に示す動作制御回路の構成の一例を示すブロック図である。 図4に示す起動停止電圧判定部の構成の一例を示す回路図である。 図4に示す中間電圧判定部の構成の一例を示す回路図である。 図4に示す中間電圧判定部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る放電灯点灯装置に用いられる中間電圧判定部の構成の一例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る放電灯点灯装置に用いられる起動停止電圧判定部の構成の一例を示す回路図である。 背景技術に係る放電灯点灯装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す放電灯点灯装置の動作を説明するための説明図である。 図10に示す放電灯点灯装置の動作を説明するための説明図である。
符号の説明
1 照明装置
2 灯体ハウジング
8 放電灯点灯装置
9 車両
10 電力供給部
11,12 外部接続端子
13 電流検出回路
14 電圧検出回路
20 インバータ回路
30 始動回路
40 制御回路部
41 インバータ駆動回路
42 出力制御回路
43 信号発生回路
44 動作制御回路
46,46a 起動停止電圧判定部
47,47a 中間電圧判定部
CT1 タイマ用カウンタ
CT2 電圧低下計数用カウンタ

Claims (9)

  1. 外部から電源電圧を受電する受電部と、
    前記受電部で受電された電源電圧に基づき放電灯へ点灯用の電力を供給する電力供給部と、
    前記受電部で受電された電源電圧が予め設定された第1の電圧を超えた場合に前記電力供給部に前記電力の供給を開始させ、前記受電部で受電された電源電圧が前記第1の電圧より低い第2の電圧以下となった場合に前記電力供給部による前記電力の供給を停止させる制御部と、
    前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後に前記受電部で受電された電源電圧が前記第2の電圧を超え前記第1の電圧以下である第3の電圧を通過した回数を計数する計数部と
    を備え、
    前記制御部は、前記計数部により計数された回数が予め設定された設定回数を超えた場合に、前記電力供給部による前記電力の供給を停止させることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記計数部は、前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後、前記受電部で受電された電源電圧が立ち上がり及び立ち下がりのいずれか一方において前記第3の電圧を通過した回数を計数することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記計数部は、前記電力供給部による前記電力の供給が開始された後、前記受電部で受電された電源電圧が立ち上がり及び立ち下がりの両方において前記第3の電圧を通過した回数を計数することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記受電部で受電された電源電圧が前記第3の電圧を通過してからの経過時間を計時する安定時間計時部をさらに備え、
    前記制御部は、前記安定時間計時部により計時された経過時間が予め設定された第1の経過時間に達する前に、前記受電部で受電された電源電圧が前記第3の電圧を通過しなかった場合、前記計数部による計数回数をゼロにすること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記安定時間計時部が計時する前記経過時間は、前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第3の電圧を超えている時間であることを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第3の電圧以下である時間を計時する低電圧時間計時部をさらに備え、
    前記制御部は、前記低電圧時間計時部により計時された時間が予め設定された第2の経過時間に達した場合、前記電力供給部による前記電力の供給を停止させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  7. 前記放電灯を消灯させる消灯指示を受け付ける消灯指示受付部をさらに備え、
    前記制御部は、前記消灯指示受付部により前記消灯指示が受け付けられるまで、前記電力供給部による前記電力の供給の停止を維持することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  8. 前記消灯指示受付部は、前記受電部で受電された電源電圧が連続して前記第2の電圧以下である時間が予め設定された消灯受付時間に達した場合に、前記消灯指示を受け付けることを特徴とする請求項7記載の放電灯点灯装置。
  9. 放電灯を点灯させるための放電灯点灯装置と、前記放電灯点灯装置を収容する筐体とを備え、
    前記放電灯点灯装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の放電灯点灯装置であることを特徴とする照明装置。
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