JP2004271940A - ロール状熱現像感光材料用巻き芯及びロール状熱現像感光材料包装体 - Google Patents

ロール状熱現像感光材料用巻き芯及びロール状熱現像感光材料包装体 Download PDF

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肇 小林
Mitsuru Nagasaki
充 長崎
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Abstract

【課題】スタチックマークの発生を気にすることなく、工程稼働率を上げロール状熱現像感光材料を作製に使用する巻き芯及びこの巻き芯を使用したロール状熱現像感光材料を用いて煩雑な湿度の管理を必要としないロール状熱現像感光材料の保存時の性能が安定した包装体の提供。
【解決手段】帯状熱現像感光材料を巻取って、ロール状熱現像感光材料を作製するのに用いる紙を構成材料とする円筒状のロール状熱現像感光材料用巻き芯であって、内側近傍に導電性防湿層を有し、該導電性防湿層はJIS H 0505に準じて測定された導電率が50〜100%で、且つJIS K 7129に準じて測定された透湿度が4g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることを特徴とするロール状熱現像感光材料用巻き芯。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール状熱現像感光材料用の巻き芯及びこの巻き芯を使用したロール状熱現像感光材料包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、印刷製版や医療の分野では、感光材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題になっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザーイメージセッターやレーザーイメージャーにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することが出来る光熱写真材料に関する技術が必要とされてきた。この為の技術として熱処理により写真画像を形成するハロゲン化銀感光材料が知られており、これらは例えば、米国特許第3,152,904号、同第3,457,075号及びD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」、イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年等に開示されている。この様な熱現像感光材料は、還元可能な銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、及び還元剤を通常有機のバインダーマトリクス中に分散した状態で含有している。熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温に加熱した場合に還元可能な銀源(酸化剤として作用する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀を生成する。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色像を提供し、これは非露光域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0003】
この様な熱現像感光材料の使用方法としては例えば、一定の幅に断裁された後、巻き芯に巻き取り、ロール状熱現像感光材料とした後、水蒸気透過度が低い遮光リーダをロール状熱現像感光材料の先端に接合し、遮光リーダをロール状熱現像感光材料の外周面に巻き回し遮光包装し、明室で画像記録装置に装填が出来るような、所謂、明室装填型のロール状熱現像感光材料用包装体(以下、単に包装体とも言う)が知られている。
【0004】
熱現像感光材料は銀源として有機銀塩が使用されているため、熱現像感光材料の層中に水分が存在した場合は、水分は有機銀塩から銀イオンを解離させ、含有する還元剤との反応を促進させ、製造後の熱現像感光材料の保存時にカブリを増加させたり、階調を変動させる原因の一つとして知られている。
【0005】
使用前の包装体のロール状熱現像感光材料の保存時の性能を改良するために、例えば以下に示す対策が知られている。
【0006】
1)25℃、60%RHでの平衡含水率が0.5質量%以下の支持体を使用し、水分率が2質量%以下である塗布液を塗布、乾燥した後の熱現像感光材料の残留溶媒率が2.0質量%以下とした熱現像感光材料が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0007】
しかしながらこの様に製造された広幅の熱現像感光材料を一定の幅に断裁し巻き芯に巻き取りロール状熱現像感光材料にする際、熱現像感光材料に帯電した静電気の放電により熱現像感光材料にスタチックマークと言われる樹枝状のカブリを生じさせ不良品とさせてしまう場合があるため、巻き取る際の帯電量を極力低くするために、巻き取り速度を遅くしなければならず稼働率を上げられない原因の一つになっている。
【0008】
2)円筒状の巻き芯にロール状に巻き付けた熱現像写真感光材料を、巻き芯の両側端部に遮光性フランジで覆いかつ該熱現像写真感光材料の外周が厚さ40〜150μm、透湿度が6g/m以下の遮光リーダで覆うことで包装体を作製することが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0009】
しかしながらこの様に包装された包装体でも短期間の保存ではロール状熱現像感光材料の性能劣化は認められないが長期間の保存ではロール状熱現像感光材料の性能劣化が生じるため、使用前の熱現像感光材料の保存時の性能を維持するために冷蔵保存をしたり、一定の湿度を維持した環境に保存したりして煩雑な管理を行っている。
【0010】
3)巻き芯の内側からの水分の進入を防止するため、巻き芯の外側近傍にアルミ箔を用いた防湿層を設けた巻き芯が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
【0011】
この様な巻き芯を用いれば確かに巻き芯の内側からの水分の進入を防止することが可能であるが、この巻き芯を用いて熱現像感光材料を巻き取る際、熱現像感光材料に帯電した静電気を逃がすことが出来ないため、巻き取る際の帯電量を極力低くするために、巻き取り速度を遅くしなければならず稼働率を上げる対策に使用することは困難となっている。
【0012】
この様な状況から、スタチックマークの発生を気にすることなく、工程稼働率を上げロール状熱現像感光材料を作製し、このロール状熱現像感光材料を用いてこれらの煩雑な湿度の管理を必要としない使用前の熱現像感光材料の保存時の性能が安定した包装体の開発が望まれていた。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−310830号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−13632号公報
【0015】
【特許文献3】
特開2002−293481号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであり、その目的はスタチックマークの発生を気にすることなく、工程稼働率を上げロール状熱現像感光材料を作製に使用する巻き芯及びこの巻き芯を使用したロール状熱現像感光材料を用いて煩雑な湿度の管理を必要としないロール状熱現像感光材料の保存時の性能が安定した包装体を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0018】
1)帯状熱現像感光材料を巻取って、ロール状熱現像感光材料を作製するのに用いる紙を構成材料とする円筒状のロール状熱現像感光材料用巻き芯であって、内側近傍に導電性防湿層を有し、該導電性防湿層はJIS H 0505に準じて測定された導電率が50〜100%で、且つJIS K 7129に準じて測定された透湿度が4g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることを特徴とするロール状熱現像感光材料用巻き芯。
【0019】
2)前記導電性防湿層が、金属箔であることを特徴とする1)に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯。
【0020】
3)前記導電性防湿層が、金属蒸着膜であることを特徴とする1)に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯。
【0021】
4)円筒状のロール状熱現像感光材料用巻き芯に巻かれたロール状熱現像感光材料の先端に接合し、該ロール状熱現像感光材料の外周面を遮光する周面遮光部材である遮光リーダが更に巻きつけられたロール状熱現像感光材料と、該ロール状熱現像感光材料の両端面を遮光する側面遮光部材とを有するロール状熱現像感光材料包装体であって、該遮光リーダが少なくとも1層の防湿層を有し、該ロール状熱現像感光材料用巻き芯が1)〜3)の何れか1項に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯であることを特徴とするロール状熱現像感光材料包装体。
【0022】
5)前記防湿層が、JIS K 7129に準じて測定された透湿度が4g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることを特徴とする4)に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
【0023】
6)前記防湿層が、金属箔であることを特徴とする4)又は5)に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
【0024】
7)前記防湿層が、金属蒸着膜であることを特徴とする4)又は5)に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態を図1〜図3を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
図1は明室装填型の包装体の一例を示す概略図である。図1の(a)は明室装填型の包装体の概略斜視図である。図1の(b)は明室装填型の包装体の分解概略斜視図である。
【0027】
図中、1は明室装填型の包装体を示し、この明室装填型の包装体1は、紙を構成材料とする多層構成からなる円筒状の巻き芯101に巻かれたロール状熱現像感光材料102と、ロール状熱現像感光材料102の両側面を被覆して遮光する一対のフランジ部材103と、このロール状熱現像感光材料102の外周面とフランジ部材103のフランジ103bの周縁部を被覆して遮光する帯状の遮光リーダ2と、ロール状熱現像感光材料102の終端と遮光リーダ2の先端とを接合するテープ105と、ロール状熱現像感光材料102の外周面とフランジ部材103のフランジ103bの周縁部を被覆した遮光リーダ2の終端を止めるラベル106とを有している。103aは巻き芯101の中空部101aに嵌入する中空円筒状の嵌入部を示し、103cは中空部を示す。
【0028】
本発明の明室装填型の包装体の形態は、遮光リーダを有し明室で画像露光装置に装填が可能であれば特に限定することはなく、例えば特開平2−72347号、同11−133551号、特開2001−13632に記載されている形態が挙げられる。
【0029】
図2は図1に示される明室装填型の包装体を構成している部材の概略断面図である。図2の(a)は巻き芯の概略断面図である。図2の(b)は遮光リーダの概略断面図である。
【0030】
図2の(a)に示される巻き芯について説明する。図中、101bは巻き芯101を構成している紙を構成材とする基材を示し、101cは導電性防湿層を示す。101eは巻き芯101の内側を示し101dは外側を示す。Tは巻き芯101の肉厚を示す。基材101bは、紙を何層にも接着剤と共に硬く巻いたり、湿紙を巻き固め乾燥して得られる紙を構成材として、肉厚Tを調整することで、所定の強度を得ることが可能となっている。本図に示される巻き芯の場合は、強度とコストを考慮して肉厚は2〜50mmが好ましい。
【0031】
導電性防湿層101cは内側101eの近傍に設けられている。内側101eの近傍とは、巻き芯101の内側101eより肉厚Tの50%以下を言う。
【0032】
50%を越えた場合は、アースとしての機能が無くなり帯状熱現像感光材料を巻き取りロール状熱現像感光材料を作製する際、熱現像感光材料に帯電した静電気の放電により熱現像感光材料にスタチックマークと言われる樹枝状のカブリを生じさせ不良品とさせてしまう場合がある。
【0033】
50%以下に設けることでアースとしての機能が作用し、熱現像感光材料に帯電した静電気を逃がすことで放電によるスタチックマークの発生を防止することが可能となる。これにより、巻き取る際の速度は巻き取り装置の能力に合わせることが可能となり工程の稼働率を上げることが可能となった。
【0034】
巻き芯101のJIS K 7129に準じて測定された透湿度は4g/m・24h(40℃・90%RH)以下である。4g/m・24h(40℃・90%RH)を越えた場合は、巻き芯101の内側からの水分の進入を防止することが出来なくなり、保存時のロール状熱現像感光材料の性能を維持するのが困難となるため好ましくない。
【0035】
巻き芯101のJIS H 0505に準じて測定された導電率は50〜100%である。50%未満の場合は、ロール状熱現像感光材料に帯電した静電気の帯電量を低くすることが出来ず、放電により熱現像感光材料にスタチックマークを発生させるため好ましくない。
【0036】
導電性防湿層は金属箔又は金属蒸着膜が好ましい。金属箔としては特に限定は無く、例えば銅(Cu)箔、アルミニウム(Al)箔、金(Au)箔、黄銅箔、ニッケル(Ni)箔、チタン(Ti)箔、銅合金箔、ステンレス箔、スズ(Sn)箔、高ニッケル合金箔等が挙げられる。これらの各種の金属箔の中で特に好ましい金属箔としてはAl箔が挙げられる。
【0037】
導電性防湿層に用いる金属箔の厚さは6〜15μmが好ましい。6μm未満の場合は、金属箔に用いる材料によっては巻き芯の作製時にピンホールが空き、必要とする透湿度が得られなくなる場合がある。15μmを越えた場合は、金属箔に用いる材料によってはコストが高くなり実用化が困難となる場合がある。
【0038】
金属蒸着膜としては、特に限定はなく例えば例えばZrN、SiC、TiC、Si、単結晶Si、ZrN、PSG、アモルファスSi、W、アルミニウム等が挙げられ、特に好ましい金属蒸着膜としては、アルミニウムが挙げられる。
【0039】
導電性防湿層に用いる金属蒸着膜の厚さとしては60〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは100〜200nmの範囲である。60nm未満の場合は、金属蒸着膜の種類によっては、巻き芯の内側からの水分の進入を防止することが出来なくなる場合がある。500nmを越えた場合は、金属蒸着膜の種類によっては、コストが高くなり実用化が困難となる場合がある。
【0040】
蒸着膜を作る方法としては真空技術ハンドブック及び包装技術Vol29No.8に記載されている如き一般的な方法、例えば抵抗又は高周波誘導加熱法、エレクトロビーム(EB)法、プラズマ(PCVD)等により作ることが出来る。
【0041】
蒸着膜の基材としては、巻き芯と同じパルプから出来た紙を使用することが好ましい。
【0042】
巻き芯の基材には、特開平2−48372号、同2−53999号、同2−96741号、同2−96742号、同2−99689号、同2−99693号、同2−180583号に記載されている紙を使用することが好ましい。
【0043】
巻き芯の水分は2.5〜7.0質量%にすることが好ましく、3.5〜6.5質量%がより好ましい。3.5質量%未満の場合は、外部環境により吸湿が激しく巻芯の寸法が変化する場合がある。7.0質量%を越えた場合は、保存時のロール状熱現像感光材料の性能を維持するのが困難となる場合がある。
【0044】
図2の(b)に示される遮光リーダについて説明する。遮光リーダ2は、ロール状熱現像感光材料102の周面を光、湿気及び埃等から保護する遮光部材としての機能を持つものである。従って、この遮光リーダ2に使用する材質及び層構成としては、十分な遮光性、防湿性及び物理的強度を有し、ロール状熱現像感光材料に対してカブリ等の悪影響を及ぼすものでなければ特に限定されるものではなく、種々の包装フィルム材を用いることが可能である。本図では3層からなる場合を示している。
【0045】
図中、遮光リーダ2は、防湿層201と、上層202と、下層203とを有する積層材料となっており、各層は単層フィルムであっても複層の多層フィルムで構成されていても良い。
【0046】
積層材料としては、例えば機能性包装材料の新展開(株式会社東レリサーチセンター)、特開平8−179473号に記載されている積層材料が挙げられる。
【0047】
本発明に係る遮光リーダの透湿度は5g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることが好ましく、更に0g/m・24h(40℃・90%RH)を越え5g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることが好ましい。
5g/mを越えた場合は、遮光リーダに使用する材料の種類によっては、包装体の内部の本発明の絶対湿度を保つためにロール状熱現像感光材料の周面に巻き回す遮光リーダが長くなり、装置に包装体を装填し使用する時、引き出す遮光リーダが長くなり使い難くなる場合がある。尚、透湿度は、JIS K7129に記載の測定法により測定した値である。
【0048】
図3は図1の(a)で示される明室装填型の包装体を外箱に収納する時の各部材の概略図を示す。図中3は明室装填型の包装体1の両端に装着し、外箱4内に包装体1を中空状態で保持するホルダを示す。301は巻き芯101(図1を参照)の中空部101a(図1を参照)に嵌入する中空円筒状の嵌入部を示し、302はフランジを示す。フランジ302は包装体1の直径より大きくなっていることで包装体1を中空状態で保持することが可能となっている。嵌入部301の先端は貫通していても良いし塞がっていても良い。401はロール状感光材料の収納部を示し、402は収納部401と1体化している蓋部を示す。他の符号は図1と同義である。
【0049】
外箱に使用する紙材料は特に限定は無いが、取り扱い、作り易さ、強度から段ボールが好ましい。段ボールとしては最新紙加工便覧(株式会社テックタイムス)に記載されている如き一般的なAフルート〜Eフルートの両面段ボール、複両面段ボールが好ましく使用されるが特に限定は無い。ロール状感光材料の大きさに従い適宜選択することが出来る。
【0050】
巻芯保護部材に使用される材料は特に限定は無いが使用後の廃棄処理適性、作り易さ、取り扱い性、環境負荷及び強度を考慮すれば熱可塑性樹脂、パルプと樹脂を混合した材料が好ましい。熱可塑性樹脂としては射出成形又はブロー成形が出来れば特に限定はないが例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリプロピレン等一般の樹脂が使用出来、特開平11−327089号に記載されているポリエチレンとポリプロピレンのブロック共重合体でも良い。製造方法もごく一般的な実用プラスチック成形加工便覧(全日本プラスチック成形工業連合会編)に記載されている如き射出成形、ブロー成形方法で製造することが出来る。又、ロール状感光材料の巻芯への挿入性を容易にするために滑剤としてシリコーン樹脂(例えばヘキサケミカル(株)製シリコンMCP)が0.3〜3質量%の範囲で添加されている事が好ましい。
【0051】
又、環境対応から熱可塑性樹脂にパルプを混合した材料としては、例えば、特開昭56−34737号に記載されているような、可塑剤としてロジン又はロジンから誘導される類似物質、又は石油樹脂の1種又はそれらの混合物を選択することにより、紙成分を15〜60%含有する熱可塑性組成物、特開昭61−225234号に記載されているような、樹脂の流動性を上げメルティングフローレイト(MFR)を20〜100とすることにより植物繊維を20〜60質量%含有する熱可塑性樹脂、特開平7−225453号に記載されているような天然繊維を混合した熱可塑性樹脂、特願平11−23849号に記載されているような非木材繊維を50質量%以上含有する熱可塑性組成物、特願平11−366041号に記載されているような植物繊維と非塩素系熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0052】
本発明に係る遮光リーダの材料としては、機能性包装材料の新展開(株式会社東レリサーチセンター)に記載の各種材料を使用することが可能であり、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系樹脂、セロハン系樹脂、ビニロン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていてもよく、更に塩化ビニリデン系樹脂をコートされていてもよい。また、ポリエチレン系樹脂は、低密度あるいは高密度のものも用いることができる。
【0053】
上記の高分子材料の中で、ナイロン(Ny)、塩化ビニリデン(PVDC)をコートしたナイロン(KNy)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、PVDCをコートしたポリプロピレン(KOP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PVDCをコートしたセロハン(KPT)、ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、を用いることが好ましい。又、これら熱可塑性フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせ積層した多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
【0054】
又、防湿性能を更に高めるために、これらの熱可塑性フィルムに金属箔を張り合わせた高分子材料も用いることができる。金属箔としては特に限定は無く、例えば銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、チタン箔、銅合金箔、ステンレス箔、スズ箔、高ニッケル合金箔等が挙げられる。これらの各種の金属箔の中で特に好ましい金属箔としてはアルミニウム箔が挙げられる。
【0055】
金属箔の厚さは6〜15μmが好ましい。6μm未満の場合は、金属箔の種類によっては、所定の透湿度が得られなくなる場合がある。15μmを越えた場合は、金属箔の種類によっては、コストが上がり実用化が困難となる場合がある。
【0056】
蒸着膜としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き金属蒸着膜が挙げられる。
【0057】
金属蒸着膜としては、例えばZrN、SiC、TiC、Si、単結晶Si、ZrN、PSG、アモルファスSi、W、アルミニウム等が挙げられ、特に好ましい金属蒸着膜としてはアルミニウムが挙げられる。
【0058】
金属蒸着膜の厚さとしては40〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜200nmの範囲である。40nm未満の場合は、金属蒸着膜の種類によっては、外側からの水分の進入を防止することが出来なくなる場合がある。500nmを越えた場合は、金属蒸着膜の種類によっては、コストが高くなり実用化が困難となる場合がある。
【0059】
蒸着膜を作る方法としては真空技術ハンドブック及び包装技術Vol29No.8に記載されている如き一般的な方法、例えば抵抗又は高周波誘導加熱法、エレクトロビーム(EB)法、プラズマ(PCVD)等により作ることが出来る。
【0060】
蒸着膜の基材として使用する熱可塑性樹脂フィルムとしてはエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、HDPE、0PP、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、二軸延伸ナイロン(ONy)、PET、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されているフィルム材料を使用することが出来る。
【0061】
多層フィルムは、プラスチック加工技術ハンドブック 高分子学会編 P707〜P716に記載してある如き一般的な製造方法で製造かすることが可能である。例えば共押出法、ドライラミネート法等で使用する材料に合わせ適宜製造方法を選択し作ることが可能である。
【0062】
遮光リーダに使用する多層フィルム又は単一フィルムの膜厚は、10〜300μm、より好ましくは30〜200μmであることが好ましい。
【0063】
多層フィルムを使用した遮光リーダの具体例としては下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、以下において、(最外部)/(中間部..)/(熱現像材料との接触部)の層構成を各々表す。尚、以下の層構成中PET・AlはPETにアルミニウムを蒸着した層を示し、LDPE・LLDPEはLDPEとLLDPEとを混合した層を示す。
(1)OPP/PE/Al箔/PE/LLDPE
(2)PET・Al/PE
(3)PET/接着剤/Al箔/接着剤/LDPE・LLDPE
これらの遮光リーダは製造する包装体の形態及び使用するロール状熱現像感光材料に合わせ適宜選択して使用することが可能である。
【0064】
本発明に係る遮光リーダの遮光性を付与するためにカーボンブラックを使用することが好ましいが、カーボンブラックの中にはその原料により写真感光材料に悪影響を与えるイオウを含むものが有るため注意を必要とする。カーボンブラックを原料により分類すると、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、導電性カーボンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等がある。
【0065】
特に好ましいカーボンブラックとしては遊離イオウ含有量が0〜200ppm、平均粒子径が10〜120μm、pHが6.0〜9.0、平均粒子径10〜100μm、吸油量が60〜200ml/100g以上、揮発成分が0〜3.0%のファーネスカーボンブラックが特に好ましい。
【0066】
添加量は0.05〜20質量%が好ましい。0.05質量%未満では、遮光性、帯電防止性、ブロッキング防止性、酸化防止性が不十分で混練費アップになるだけである。20質量%を越えると、物理強度を低下させ、成形性を悪化させ、発塵が多くなり、写真感光材料を黒色に汚染する。さらに吸湿量が多くなり、成形時に発泡したり、外観を悪化させるだけでなく、遊離イオウの発生が多くなり写真感光材料の保存性を悪化させる。
【0067】
カーボンブラックの使用形態はドライカラー、リキッドカラー、ペーストカラー、マスターバッチペレット、コンパウンドカラーペレット、顆粒状カラーペレット等があるが、マスターバッチペレットを使用するマスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。特公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分離させて、重合体−カーボンブラックのマスターバッチをつくる方法が、特公昭43−10362号にはカーボンブラックをポリエチレン樹脂に分散してマスターバッチをつくる方法が記載されている。カーボンブラックの他に有効な遮光物質としては(株)誠文堂新光社発行 顔料便覧 175〜249頁に記載の各種顔料が好ましい。
【0068】
本発明に係る遮光リーダにはこの他に帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、可塑剤等の各種添加剤を添加することが可能である。
【0069】
遮光リーダとロール状熱現像感光材料の間で生じる放電を防止するため、帯状熱現像感光材料と接する遮光リーダの面の表面比抵抗率は1×10〜1×1013Ωであることが好ましい。1×10Ω未満の場合は金属粉、金属層等を入れなければならず費用が掛かり好ましくない。又、添加剤の場合は表面に添加剤がしみ出して来て好ましくない。1×1013Ωを越えた場合は帯電防止効果が無く好ましくない。尚、表面比抵抗率の測定はJISK6911に記載の方法に準じて(株)川口電機製テラオームメーターを使用して測定することができる。
【0070】
遮光リーダ2の表面比抵抗率を本発明の範囲にするための手段としては帯電防止剤を用いることが好ましい。使用する帯電防止剤としては、例えば特開昭62−286042号、特開2000−98545号に記載の帯電防止剤を含むことが好ましく、好ましい帯電防止剤としては、各種界面活性剤を用いることができる。例えば、非イオン界面活性剤の代表例を以下に示す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ベンタエリスリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、アルキルアミン誘導体、その他特公昭63−26697号に記載の各種非イオン帯電防止剤等。アニオン界面活性剤の代表例を以下に示す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂肪酸金属塩、シリノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソーダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等。陽イオン界面活性剤の代表例を以下に示す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ピリジン誘導体等両性界面活性剤が挙げられる。また、プラスチックデータハンドブック(KK工業調査会1984年4月5日発行)の776〜778頁に開示された各種帯電防止剤等から種類や添加量を選択して用いることが可能である。
【0071】
以上の界面活性剤の中で写真性及び人身に与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大きいので、非イオン(ノニオン)系界面活性剤を帯電防止剤として用いることが特に好ましい。
【0072】
帯電防止剤の含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.10〜1.0質量%が最も好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、添加効果がなく、混練経費が増すだけである。また、合計含有量が20質量%を越えると、増量効果がなく、コストアップとなるだけである。さらに、経時するとブリードアウト量が多くなり、写真感光材料用包装材料の表面がベトつく様になり好ましくない。又、これら帯電防止剤を添加する方法は特に限定はないが、遮光リーダ2に練り込むことが好ましく、例えばコンバーテック1992.7 59〜61頁に記載の方法で可能である。
【0073】
遮光リーダ2の帯電を抑える他の手段としては遮光リーダ2の表面粗さを変える事によっても可能である。例えば、遮光リーダ2の表面粗さを5〜100μm(最大高さ)、好ましくは10〜30μm(最大高さ)の範囲にすること事で可能である。最大高さ5μm未満では帯電防止の効果が無く、最大高さ100μmをこえた場合は、薄い部分が生じ遮光性が無くなるため好ましくない。遮光リーダ2の表面粗さを5〜100μm(最大高さ)に加工する方法としては特に限定はなく、例えばプラスチック加工技術ハンドブック 日刊工業新聞社 836〜854頁に記載の方法により加工することが出来る。表面粗さは、JIS B0601に規定されている最大高さ(Ry)を表しており、(株)東京精密製測定機サーフコムを使用し、JIS B0601に記載の測定方法に準じて測定することができる。
【0074】
滑剤としては、公知の各種滑剤を使用することができる。例えばシリコーン系、オレイン酸アミド系、エルカ酸アミド系、ステアリン酸アミド系、ビス脂肪酸アミド系、アルキルアミン系、炭化水素系、脂肪酸系、エステル系、金属石鹸系等があり、これらはそれぞれ各社より各種滑剤が市販されてしる。この滑剤の添加量は、0.03〜2質量%であることが好ましい。
【0075】
酸化防止剤を、ブツやフィッシュアイ発生防止と着色故障等を防止するために添加することが好ましい。この酸化防止剤についても公知のものが使用できる。例えばフェノール系、ケトンアミン縮合系、アリルアミン系、イミダゾール系、ホスファイト系、チオ尿素系、硫黄系、燐系、チオエーテル系、金属不活性化剤等があり、特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BHT,Smuilizer BH−76,Sumilizer WX−R,Sumilizer BP−101等である。また、低揮発性の高分子量フェノール型酸化防止剤(商品名 Ireganox 1010,Ireganox 1076,Topanol CA,Ionox 330等)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフェート等の少なくとも1種、特に少なくとも2種を併用するのが効果的である。
【0076】
フェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤と併用すると酸化防止剤効果が特に優れたものになるので好ましい。添加量は例えば、ポリオレフィン系樹脂接着剤層や遮光性ポリオレフィン系樹脂フィルムに添加する場合、約0.003〜約2.0質量%である。添加量が約0.003質量%未満では添加効果がほとんどない。一方、添加量が約2.0質量%を越えると酸化、還元作用を利用する写真フィルムに悪影響があり写真性能に異常が発生する場合がある。このため酸化防止剤は着色故障やブツやフィッシュアイが発生しない最少量を添加するようにすることが好ましい。
【0077】
その他プラスチックデータハンドブック(KK工業調査会発行)の794〜799頁に開示された各種酸化防止剤やプラスチック添加剤データー集(KK化学工業社発行)の327〜329頁に開示された各種酸化防止剤やPLASTICS AGE ENCYCLOPEDIA 進歩編 1986(KKプラスチック・エージ社発行)の211〜212頁に開示された各種酸化防止剤等を選択して用いることが可能である。
【0078】
可塑剤としては、例えばタル酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル等が使用可能である。
【0079】
本発明の包装体の製造方法の一例を図1に示される明室装填型の包装体の場合で説明する。
【0080】
巻き取り工程の環境が絶対湿度で5〜15g/m、温度が10〜30℃で製造された帯状の熱現像感光材料を、導電性防湿層として厚さ7μmのアルミニウム箔を巻き芯の内側より肉厚に対して10%の位置に設けた、含水率が4.0〜5.0質量%で、導電率が52〜55%で、透湿度が1g/m・24h(40℃・90%RH)である巻き芯に巻き取りロール状熱現像感光材料を作製する。この後、ロール状熱現像感光材料の先端部にロール状熱現像感光材料より幅が広い水蒸気透過度が5g/m・24h(40℃・90%RH)以下の遮光リーダをテープで接合する。
【0081】
この後、ロール状熱現像感光材料の両端にロール状熱現像感光材料の巻き径よりも大きなフランジ部材を取り付け、遮光リーダに張力を掛けながらロール状熱現像感光材料に巻き回すことで遮光リーダの両端部がフランジ部材の周縁部を覆い被せられ、明室装填型の包装体が作製される。この時、包装工程の環境は、絶対湿度を5〜15g/m、温度を10〜30℃にすることが好ましい。絶対湿度が5g/m未満の場合は、熱現像感光材料の含水量が少なく現像性が劣化して、画像濃度の低下が発生顕著となる場合がある。15g/mを超えた場合、熱現像感光材料の含水量が過剰となり画像部がカブリ易くなる場合がある。温度も10℃未満の場合は、絶対湿度を5g/m以上とすることが難しくなり、熱現像感光材料の含水量が足りなくなる場合がある。30℃を越えた場合は、感光層内で銀の還元反応が起こり易くなり、使用前のロール状熱現像感光材料の保存性を劣化させる場合がある。
【0082】
これら包装工程の環境は他の形態の包装体を作製する場合でも同じである。
図1に示したフランジ部材は、射出成形、真空成形、圧空成形ができ、JISK−7203に準拠して求めた、曲げ強さが少なくとも250×9.8Nの熱可塑性樹脂であれば特に限定はなく、例えばPS、ABS、PC、アクリル、PA、PE、PP等が挙げられる。
【0083】
曲げ強さが250×9.8N未満の場合、ロール状熱現像感光材料の外周よりも突出するフランジ部が倒れ易くなって、遮光リーダの種類によってはフランジ部の周縁部の被覆が困難になる場合がある。
【0084】
フランジ部の厚さは0.3〜4mmが好ましく、より好ましくは0.4〜3mmであることが望ましい。厚さが0.3mm未満の場合、熱可塑性樹脂の種類によっては包装体を平面上に置いた場合にフランジ部が倒れ易くなり、ロール状熱現像感光材料に圧が掛かり故障の原因になる危険がある。厚さが4mmを越えた場合は、フランジ部材の製造方法によっては、生産性が低下したり、寸法精度を得るのが難しくなったりする場合がある。
【0085】
【実施例】
以下に、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0086】
実施例1
(熱現像感光材料の準備)
特開2002−357881号公報の実施例1の試料101を用いた。
【0087】
(巻き芯の作製)
基材として紙を使用し、導電率及び透湿度を変化させた図2の(a)に示される構成を有する肉厚2.7mmの巻き芯を作製し1−1〜1−12として表1に示す。尚、導電性防湿層の配設位置は巻き芯の内側を基準として肉厚に対する比率(%)を示す。
【0088】
【表1】
Figure 2004271940
【0089】
(ロール状熱現像感光材料の作製)
作製した熱現像感光材料の元巻きロールより、熱現像感光材料を幅610mmに切断し、準備した巻き芯1−1〜1−12に安全光の下で温度23℃、湿度50%RH、巻き取り速度120m/分で61mを巻き取りロール状熱現像感光材料を作製し試料101〜112とした。
【0090】
(評価)
各試料101〜112につき、熱現像処理機(富士写真フイルム(株)製FDS6100X)を用いて61mを熱現像処理し、スタチックマークの有無を目視で確認し、以下の評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
【0091】
○:スタチックマークの発生が無い
△:スタチックマークの発生が3個未満
×:スタチックマークの発生が3個以上
【0092】
【表2】
Figure 2004271940
【0093】
試料104は金属箔層が薄いため透湿度は本発明の範囲外になるが、導電率が58%であるため巻き取り時のスタチックマークの発生防止には有効な結果となっている。
【0094】
実施例2
(ロール状熱現像感光材料の作製)
実施例1で作製したロール状熱現像感光材料101〜104を使用した。
【0095】
(遮光リーダの作製)
ロール状熱現像感光材料の幅に対して20%広い透湿度を変化させた図2の(b)に示される構成を有する遮光リーダを作製し2−1〜2−4とし表3に示す。
【0096】
【表3】
Figure 2004271940
【0097】
A:PET(20μm)/接着剤(2μm)/Al箔(15μm)/接着剤(2μm)/HDPE・LLDPE(80μm)
B:PET(20μm)/接着剤(2μm)/Al箔(7μm)/接着剤(2μm)/HDPE・LLDPE(80μm)
C:PET(20μm)・Al蒸着膜(0.2μm)/PE(2μm)/HDPE・LLDPE(80μm)
D:PET(20μm)・Al蒸着膜(0.07μm)/PE(2μm)/HDPE・LLDPE(80μm)
尚、HDPE・LLDPE(80μm)はHDPEとLLDPEの混合フィルムにカーボンブラック0.5質量%を添加して遮光性を付与させた厚さ80μmのフィルムを示す。PET(20μm)・Al蒸着膜(0.2μm)はPET(20μm)上にAl蒸着膜(0.2μm)を施したフィルムを示す。
【0098】
(ロール状熱現像感光材料包装体の作製)
各ロール状熱現像感光材料101〜104の尾端部に、作製した各遮光リーダ2−1〜2−4をテープで接合した。この後、ロール状熱現像感光材料の両端にフランジ部材を取り付け、遮光リーダに張力を掛けながらロール状熱現像感光材料に巻き回し、図1の(a)に示されるロール状熱現像感光材料包装体を作製し試料201〜207とした。尚、試料は2部作製し、1部は温度23℃、湿度50%RHの暗室に保管し基準試料とした。
【0099】
使用したフランジ部材は、厚さ3mm、直径がロール状熱現像感光材料の直径に対して5%大きいポリスチレン(PS)製を使用した。包装体は、温度23℃、湿度50%RHの環境条件で作製した。
【0100】
(評価)
各試料201〜207を温度23℃、湿度80%RHで3日間保存した後、各試料201〜207につき、熱現像処理機(富士写真フイルム(株)製FDS6100X)を用いて、熱現像処理し未露光部の濃度を測定し、以下の評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。尚、各試料を熱現像処理する際、基準試料も同時に熱現像処理を行った。
【0101】
未露光部の濃度は、コニカ(株)製濃度計PDA65により測定し、基準試料との濃度差を示した。
【0102】
未露光部の濃度
○:基準試料と同じ
△:基準試料に対して+0.03未満の濃度上昇が認められる
×:基準試料に対して+0.03以上の濃度上昇が認められる
【0103】
【表4】
Figure 2004271940
【0104】
試料204は実施例1の表1に示す巻き芯1−4を使用したロール状熱現像感光材料104であるため、実施例1で行ったスタチックマークの発生確認試験ではスタチックマークの発生防止には有効であったが、保存性試験でカブリの発生が確認され実用化は困難と判断した。上表の結果より本発明の有効性が確認された。
【0105】
【発明の効果】
スタチックマークの発生を気にすることなく、工程稼働率を上げロール状熱現像感光材料を作製に使用する巻き芯及びこの巻き芯を使用したロール状熱現像感光材料を用いて煩雑な湿度の管理を必要としないロール状熱現像感光材料の保存時の性能が安定した包装体を提供することが出来、工程の稼働率が上げることが可能となった。又、保存に対しても煩雑な湿度の管理を必要としなくなり作業効率を上げることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】明室装填型の包装体の一例を示す概略図である。図1の(a)は明室装填型の包装体の概略斜視図である。
【図2】図1に示される明室装填型の包装体を構成している部材の概略断面図である。
【図3】図1の(a)で示される明室装填型の包装体を外箱に収納する時の各部材の概略図を示す。
【符号の説明】
1 包装体
101 巻き芯
101b 基材
101c 導電性防湿層
102 ロール状熱現像感光材料
103 フランジ部材
2 遮光リーダ
201 防湿層
202 上層
203 下層
3 ホルダ
4 外箱

Claims (7)

  1. 帯状熱現像感光材料を巻取って、ロール状熱現像感光材料を作製するのに用いる紙を構成材料とする円筒状のロール状熱現像感光材料用巻き芯であって、内側近傍に導電性防湿層を有し、該導電性防湿層はJIS H 0505に準じて測定された導電率が50〜100%で、且つJIS K 7129に準じて測定された透湿度が4g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることを特徴とするロール状熱現像感光材料用巻き芯。
  2. 前記導電性防湿層が、金属箔であることを特徴とする請求項1に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯。
  3. 前記導電性防湿層が、金属蒸着膜であることを特徴とする請求項1に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯。
  4. 円筒状のロール状熱現像感光材料用巻き芯に巻かれたロール状熱現像感光材料の先端に接合し、該ロール状熱現像感光材料の外周面を遮光する周面遮光部材である遮光リーダが更に巻きつけられたロール状熱現像感光材料と、該ロール状熱現像感光材料の両端面を遮光する側面遮光部材とを有するロール状熱現像感光材料包装体であって、該遮光リーダが少なくとも1層の防湿層を有し、該ロール状熱現像感光材料用巻き芯が請求項1〜3の何れか1項に記載のロール状熱現像感光材料用巻き芯であることを特徴とするロール状熱現像感光材料包装体。
  5. 前記防湿層が、JIS K 7129に準じて測定された透湿度が4g/m・24h(40℃・90%RH)以下であることを特徴とする請求項4に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
  6. 前記防湿層が、金属箔であることを特徴とする請求項4又は5に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
  7. 前記防湿層が、金属蒸着膜であることを特徴とする請求項4又は5に記載のロール状熱現像感光材料包装体。
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