JP2004271440A - 生体試料中の測定対象物質測定試薬、測定方法、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法 - Google Patents

生体試料中の測定対象物質測定試薬、測定方法、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法 Download PDF

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Abstract

【目的】生体試料中の測定対象物質の測定において、生体試料に含まれるビリルビンの影響により測定値に誤差が生じることを防ぐことができ、生体試料中の測定対象物質を正確に測定することができる、生体試料中の測定対象物質測定試薬、生体試料中の測定対象物質測定方法、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法を提供する。
【構成】本発明は、生体試料中の測定対象物質の測定試薬において、pH7以上であり、かつ亜鉛イオンを含有することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定試薬である。
また、本発明は、生体試料中の測定対象物質を測定する方法において、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法である。
更に、本発明は、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、生体試料中の測定対象物質の測定において、生体試料に含まれるビリルビンによる影響を回避することができる、生体試料中の測定対象物質測定試薬、測定方法、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
血液や尿等の生体試料中の測定対象物質を測定し、その変動を見ることは、疾患の診断、治療、早期発見や予防に不可欠であり、広く実施されている。
この生体試料中の測定対象物質の測定には、化学分析法、機器分析法、免疫学的測定法等があり、呈色反応を利用して測定対象物質を定量する比色測定法が最も一般的に利用されている。この比色測定法としては、酵素を使用する酵素的測定法、又は化学的反応を使用する方法等があり、化学的反応を使用する方法は、生体試料中の総蛋白質の測定等にも利用されている。
【0003】
この生体試料中の測定対象物質の測定の一例として、生体試料中の総蛋白質の測定を例にとって以下説明を行う。
蛋白質は、生体組織を構成する主要な物質であり、細胞の主要構成成分である。また、血中蛋白質には、生体の膠質浸透圧の維持、酸塩基平衡の維持、代謝、栄養素や微量金属等の輸送、筋肉運動、生体防御に働く抗体作用、血液凝固作用など種々の機能のものがあり、生命の維持や活動に重要な役割を果たしている。これら蛋白質の集合体が、総蛋白質であり、血清成分の約7%を占めている。生体試料中の総蛋白質濃度は、蛋白質の吸収異常、腎障害、肝障害、悪性腫瘍等により変動し、その測定は臨床上極めて重要とされている。
【0004】
この総蛋白質の測定方法として使用されている方法としては、例えば、Kjeldahl法、屈折計法、比重から算出する方法、ビウレット法がある。ビウレット法は、アルカリ溶液中で蛋白質のポリペプチド鎖を形成しているペプチド結合の窒素原子4個が銅イオンと錯体を形成し、赤紫色に発色する化学的反応(ビウレット反応)を利用した比色測定法であり、日常的に広く使用されている。
【0005】
しかしながら、これら比色測定法による生体試料中の測定対象物質の測定においては、生体試料に含まれる種々の還元物質、薬剤、生体色素等により、影響を受け易いことも知られている。
これらの影響を与える物質の中でも、ビリルビンは生体試料中に遊離型あるいは抱合型として存在しており、生体試料中の測定対象物質の測定値に誤差を与えることが分かっている。
【0006】
生体試料中のビリルビンの影響を回避する方法としては、例えば、ビリルビンオキシダーゼを使用する方法(例えば、特許文献1参照。)、2価の銅イオン化合物と界面活性剤及び/又はシアン化合物を使用する方法(例えば、特許文献2参照。)、陽イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を使用する方法(例えば、特許文献3参照。)、両性界面活性剤を使用する方法(例えば、特許文献4参照。)等が提案されているが、必ずしも完全とは言えなかった。
【0007】
【特許文献1】
特公昭55−25840号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭59−159798号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平3−10696号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平7−39394号公報
【0011】
現在、生体試料中の総蛋白質測定においては、1試薬系2波長測定のビウレット法が主流となっている。
しかしながら、この1試薬系2波長測定のビウレット法においては、生体試料中のビリルビンが試薬中の銅イオンに酸化されてビリベルジンに変化することにより、測定値に負誤差を生じるという問題があった。
【0012】
このため、最近では、測定に必要な成分を第1試薬と第2試薬に分割して含有させることにより、上記の問題点を解消した2試薬系2波長測定のビウレット法が提案されている。
例えば、生体試料を銅イオンを含有する試薬(第1試薬)と反応させた後にアルカリ性の試薬(第2試薬)と反応させ、銅イオンと生体試料中の蛋白質との錯体を形成させ発色させる方法や(例えば、特許文献5参照。)、生体試料をアルカリ性の試薬(第1試薬)と混合した後に銅イオンを含有する試薬(第2試薬)と反応させ、銅イオンと生体試料中の蛋白質との錯体を形成させ発色させる方法等が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0013】
【特許文献5】
特開平10−19898号公報
【0014】
【非特許文献1】
「ユニメイト プロテイン」添付文書、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社、1995年10月改訂
【0015】
しかしながら、これらの2試薬系のビウレット法のうち、生体試料をアルカリ性の試薬(第1試薬)と混合した後に銅イオンを含有する試薬(第2試薬)と反応させる方法では、生体試料と第1試薬を混合した後更に第2試薬を加えると生体試料に含まれていたビリルビンが第2試薬中の銅イオンに酸化されてビリベルジンに変化することにより、測定値に負誤差を生じるという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、生体試料中の測定対象物質の測定において、生体試料に含まれるビリルビンの影響により測定値に誤差が生じることを防ぐことができ、生体試料中の測定対象物質を正確に測定することができる、生体試料中の測定対象物質測定試薬、生体試料中の測定対象物質測定方法、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることにより、生体試料に含まれるビリルビンによる影響を回避し、生体試料中の測定対象物質を正確に測定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) 生体試料中の測定対象物質の測定試薬において、pH7以上であり、かつ亜鉛イオンを含有することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定試薬。
【0019】
(2) pHが9以上であることを特徴とする、前記(1)記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
【0020】
(3) さらに界面活性剤を含有することを特徴とする、前記(1)又は前記(2)記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
【0021】
(4) 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、前記(3)記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
【0022】
(5) 測定対象物質が総蛋白質である、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
【0023】
(6) 生体試料中の測定対象物質を測定する方法において、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0024】
(7) 生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることにより、生体試料に含まれるビリルビンによる影響を回避することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0025】
(8) pHが9以上であることを特徴とする、前記(6)又は前記(7)記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0026】
(9) 亜鉛イオンとともに界面活性剤を生体試料に接触させることを特徴とする、前記(6)〜前記(8)のいずれかに記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0027】
(10) 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、前記(9)記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0028】
(11) 測定対象物質が総蛋白質である、前記(6)〜前記(10)のいずれかに記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
【0029】
(12) 生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
【0030】
(13) pHが9以上であることを特徴とする、前記(12)記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
【0031】
(14) 亜鉛イオンとともに界面活性剤を生体試料に接触させることを特徴とする、前記(12)又は前記(13)記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
【0032】
(15) 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、前記(14)記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
【0033】
【発明の実施の形態】
【0034】
〔1〕 測定試薬
本発明は、生体試料中の測定対象物質の測定試薬において、pH7以上であり、かつ亜鉛イオンを含有することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定試薬である。
なお、本発明の生体試料中の測定対象物質の測定試薬においては、pH7以上であり、かつ亜鉛イオンを含有させること以外は、従来より公知の生体試料中の測定対象物質を測定する試薬に従えばよい。
【0035】
(1) 亜鉛イオン
本発明の測定試薬においては、亜鉛イオンを含有させる。この亜鉛イオンを含有させることであるが、亜鉛イオン、又は亜鉛イオンを含む物質を添加する等により含有させることができる。例えば、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、又はシアン化亜鉛等の亜鉛塩を含有させることにより達成できる。
この亜鉛イオンの濃度は、生体試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.001〜300mMの範囲にあることが好ましく、0.01〜75mMの範囲が特に好ましい。この亜鉛イオンの濃度は、300mMを超えて含有させても問題はないが、その量までで充分な効果が得られる。
【0036】
また、本発明の測定試薬において、測定試薬が1試薬よりなる場合には、測定試薬に含有させる亜鉛イオンの濃度は、上記の範囲のものとすればよく、測定試薬が第1試薬及び第2試薬の2試薬よりなる場合には、生体試料と第1試薬を生体試料中の測定対象物質を測定する際の各々の添加量の比で混合した際、及び生体試料と第1試薬及び第2試薬を生体試料中の測定対象物質を測定する際の各々の添加量の比で混合した際に、この混合後の測定反応液中の亜鉛イオンの濃度が上記の範囲となるように、亜鉛イオンを第1試薬又は第2試薬のいずれかに含有させればよい。
また、混合後の測定反応液中の亜鉛イオンの濃度が上記濃度範囲に入るのであれば、亜鉛イオンは第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
なお、測定試薬が3試薬以上の試薬から構成される場合も同様である。
但し、亜鉛イオンは、第1試薬に含有させる、又は第1試薬と第2試薬の両方に含有させることが好ましい。特にエンドポイント法により測定を行う場合は、このようにすることが好ましい。
【0037】
なお、測定対象物質が総蛋白質であり、ビウレット反応を利用した2試薬系の測定試薬の場合には、亜鉛イオンを第1試薬に含有させることが好ましい。この場合、亜鉛イオンは、生体試料中の総蛋白質測定の直前に第1試薬に混合してもよいし、あらかじめ第1試薬に含有させておいてもよい。本発明においては、亜鉛イオンを、あらかじめ第1試薬に含有させる方法が好ましい。
また、この場合、第2試薬にはビウレット反応に必要な成分として、銅イオンを含有させる必要がある。この銅イオンを含有させることであるが、例えば、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、EDTA銅等の銅塩を含有させることにより達成できる。
この銅イオンの濃度は、第2試薬中において、4〜300mMの範囲にあることが好ましく、20〜150mMの範囲が特に好ましい。
また、この銅イオンの濃度は、生体試料、第1試薬及び第2試薬を混合した測定反応液中において、1〜80mMの範囲にあることが好ましく、5〜40mMの範囲が特に好ましい。
【0038】
さらに測定対象物質が総蛋白質であり、ビウレット反応を利用した2試薬系の測定試薬の場合には、測定の際の第1試薬と第2試薬の混合時、又はアルカリ性下において銅水酸化物の沈殿が生じることを防ぐ目的で、銅イオンにキレート能力を持つ物質を含有させてもよい。
ここで、銅イオンにキレート能力を持つ物質とは、銅イオンに配位する多座配位子であって、銅イオンへの配位により銅を含んだ環状構造(キレート環)を形成する物質をいう。
ここで、銅イオンにキレート能力を持つ物質としては、例えば、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、若しくはアジピン酸等のジカルボン酸又はその塩、クエン酸、イソクエン酸、若しくはcis−アコニット酸等のトリカルボン酸又はその塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CyDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、若しくはニトリロ三プロピオン酸(NTP)又はその塩等を挙げることができる。
【0039】
なお、測定の際の第1試薬と第2試薬の混合時に銅水酸化物の沈殿が生じることを防ぐ目的で第2試薬に銅イオンにキレート能力を持つ物質を含有させる場合は、第2試薬のpH範囲において銅イオンと容易かつ充分にキレート形成できる物質を使用することが好ましい。
さらに、アルカリ性下で銅水酸化物の沈殿が生じることを防ぐ目的で銅イオンにキレート能力を持つ物質を含有させる場合は、アルカリ性下で銅イオンにキレート能力を持つ物質を用いれば、測定反応液中でも銅水酸化物の沈殿が生じず安定的に測定を行うことができる。
【0040】
また、銅イオンにキレート能力を持つ物質の濃度は、キレート環を形成するときの銅イオンとの最適な結合比率によって異なるので、一概には言えないものの、銅イオンにキレート能力を持つ物質を当量以上含有させるのが望ましい。
例えば、銅イオンと銅イオンにキレート能力を持つ物質との結合比は、通常1:1、1:2又は1:3であるので、前記した銅イオン濃度に対する銅イオンにキレート能力を持つ物質の濃度としては、第2試薬中において、4〜900mMの範囲にあることが好ましく、20〜450mMの範囲が特に好ましい。
また、この銅イオンにキレート能力を持つ物質の濃度は、生体試料、第1試薬及び第2試薬を混合した測定反応液中において、1〜240mMの範囲にあることが好ましく、5〜120mMの範囲が特に好ましい。
【0041】
(2) pH
本発明の測定試薬においては、亜鉛イオンを含有する試薬のpHはpH7以上である。ここで、前記のpH範囲となるように使用する緩衝剤としては、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝剤を適宜使用することができる。
このような緩衝剤として使用できるものとしては、例えば、リン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、イミダゾール、グリシルグリシン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、Bis−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、MOPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPS、HEPPSO、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO、若しくはCAPS又はこれらの塩等の各緩衝剤を挙げることができる。
【0042】
また、測定対象物質が総蛋白質の場合で、ビウレット反応を利用した測定試薬の場合には、生体試料と測定試薬とを混合した測定反応液においてビウレット反応が起こるpH範囲にする必要がある。このビウレット反応は、通常pH13以上で起こるものであるため、生体試料と測定試薬とを混合した測定反応液のpHが13以上であることが必要となる。
例えば、本発明を2試薬系のビウレット法のうち、生体試料をアルカリ性の試薬(第1試薬)と混合した後に銅イオンを含有する試薬(第2試薬)と反応させる方法で実施する場合は、生体試料、第1試薬及び第2試薬を混合した測定反応液のpHが13以上となるよう、第1試薬のpHに応じて第2試薬のpHを適宜調整すればよい。
【0043】
更に、2試薬系のビウレット法のうち、生体試料を第1試薬と混合した後に銅イオンを含有する第2試薬と反応させる方法の場合は、総蛋白質の測定範囲を広げるために第2試薬中の銅イオンの含有濃度を増加させた場合でも、保存中に黒色沈殿や濁りが生じないように、第2試薬のpHをpH10以下に設定してもよい。
【0044】
また、測定試薬をアルカリ性に調整する場合は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の塩基性物質等を水等の水系溶媒に溶解する等により行うことができる。
さらに、前記のpH範囲となるように使用する緩衝剤としては、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝剤を適宜使用することができる。
このような緩衝剤として使用できるものとしては、例えば、リン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、イミダゾール、グリシルグリシン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、Bis−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、MOPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPS、HEPPSO、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO、若しくはCAPS又はこれらの塩等の各緩衝剤を挙げることができる。
【0045】
(3)界面活性剤
本発明においては、亜鉛イオンのビリルビンに対する反応を促進させる物質として、亜鉛イオンとともに界面活性剤を含有させることができる。
なお、本発明においては、亜鉛イオンとともに非イオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。
【0046】
ここで、非イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のもの等を挙げることができる。
(a) ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレンエーテル化合物。
【0047】
(b) グリセリン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、又はショ糖脂肪酸部分エステルなどの多価アルコール部分エステル化合物。
【0048】
(c) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、又はポリオキシエチレン化ひまし油などのポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪酸エステル。
【0049】
(d) 脂肪酸ジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、又はトリアルキルアミンオキシドなどのアミド若しくはアミン化合物。
【0050】
本発明の測定試薬においては、1種類の界面活性剤のみを用いてもよく、又は2種類以上の界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。
また、界面活性剤の濃度は、生体試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.001〜10%の範囲にあることが好ましく、0.01〜5%の範囲にあることが特に好ましい。
【0051】
なお、本発明において、亜鉛イオンとともに界面活性剤を含有させる場合には、界面活性剤の作用(亜鉛イオンのビリルビンに対する反応を促進させる)を調節(抑制)する物質として、亜鉛イオンにキレート能力を持つ物質を含有させてもよい。
ここで、亜鉛イオンにキレート能力を持つ物質とは、亜鉛イオンに配位する多座配位子であって、亜鉛イオンへの配位により亜鉛を含んだ環状構造(キレート環)を形成する物質をいう。
亜鉛イオンにキレート能力を持つ物質としては、例えば、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、若しくはアジピン酸等のジカルボン酸又はその塩、クエン酸、イソクエン酸、若しくはcis−アコニット酸等のトリカルボン酸又はその塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CyDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、若しくはニトリロ三プロピオン酸(NTP)又はその塩等を挙げることができる。
また、この亜鉛イオンにキレート能力を持つ物質の濃度は、生体試料と測定試薬を混合した測定反応液中において、0.0001〜450mMの範囲にあることが好ましく、0.001〜120mMの範囲が特に好ましい。
【0052】
(4) 測定試薬の構成成分
本発明の測定試薬において、測定試薬には前記の成分の他に、公知の防腐剤、又は安定化剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
なお、本発明の測定試薬において、亜鉛イオンとともに界面活性剤を含有させる場合には、生体試料との反応や界面活性剤の曇点に由来する濁り等が生じるのを、非イオン性界面活性剤等の他の界面活性剤や糖類等を添加することにより防止させてもよい。
【0053】
(5) 試薬等の構成、及び構成成分の濃度
本発明の測定試薬は、1試薬系又は2試薬系等の多試薬系のいずれの方法で実施、構成してもよい。
また、本発明の測定試薬が1試薬系である場合は、前記した各構成成分の濃度、及びpH等は前記の範囲のものとすればよく、多試薬系である場合には、前記構成成分の濃度を各試薬を生体試料中の測定対象物質を測定する際の各々の添加量の比で混合した時に、前記した各構成成分の濃度範囲、及びpH範囲等となるように各試薬の構成成分の濃度、及びpH等を定めればよい。
【0054】
(6) 生体試料
本発明において、生体試料とは、生体試料中の測定対象物質の測定を行おうとするもののことであり、このようなものであれば特に限定されない。
このような生体試料としては、例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗等の体液、ヒト若しくは動物の腎臓、心臓、肺、脳等の臓器等の抽出液;骨格筋、骨髄、皮膚、又は神経組織等の抽出液;毛髪等の抽出液、ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の抽出液等が挙げられる。
【0055】
(7) 測定対象物質
本発明において、測定対象物質としては特に限定されないが、例えば、総蛋白質、尿酸、トリグリセライド、リン脂質、総コレステロール、コリンエステラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、又はクレアチニン等を挙げることができる。
なお、本発明においては、測定対象物質が、総蛋白質であることが特に好ましい。
【0056】
〔2〕 測定方法
本発明は、生体試料中の測定対象物質を測定する方法において、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法である。
なお、本発明が適用される測定方法は、生体試料中のビリルビンの影響を受ける測定方法であれば特に限定されない。例えば、比色測定法である、酵素を使用する酵素的測定法、又は化学的反応を使用する測定法等を挙げることができる。
また、本発明における、測定方法を実施する際の試薬成分や生体試料等については、前記「〔1〕測定試薬」の項に記載した通りである。
【0057】
本発明の生体試料中の測定対象物質の測定方法について、生体試料中の総蛋白質を2試薬系のビウレット法を用いて測定する場合を例にとり、具体的に説明する。
例えば、生体試料と亜鉛イオンを含有するpH7以上の第1試薬とを混合し、この生体試料と第1試薬との混合物を、銅イオンを含有する第2試薬と混合すると、アルカリ性下において生体試料中に含まれていた蛋白質と銅イオンが接触し錯体が形成される。
この蛋白質と銅イオンの錯体が吸収を示す任意の波長において、分光光度計を用いて吸光度などを測定すること等により、蛋白質の量を求め、これより生体試料中の総蛋白質濃度の算出を行うことができる。
従来の、生体試料をアルカリ性の試薬(第1試薬)と混合した後に銅イオンを含有する試薬(第2試薬)と反応させる2試薬系のビウレット法においては、生体試料に含まれていたビリルビンが第2試薬混合後に第2試薬中の銅イオンに酸化されてビリベルジンに変化することに応じ、このビリルビンに由来する吸光度が減少すること及び/又はビリベルジンに由来する吸光度が増加することにより、測定値に負誤差を与えるという問題が起こっていた。
しかしながら、本発明においては、(第1試薬に亜鉛イオンを含有しているため、)生体試料と第1試薬を混合した際に、この亜鉛イオンの作用により生体試料に含まれるビリルビンが急速にビリベルジンに変化する。このため、後から銅イオンを含有する第2試薬を混合しても、生体試料に含まれるビリルビンは既にビリベルジンに変化しており、銅イオンの混合前後で吸光度が変化することがないため、測定値に負誤差が生じるという問題点を解消することができる。
【0058】
〔3〕 生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法
本発明は、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法である。
なお、本発明の、生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法が適用される測定方法は、生体試料中のビリルビンの影響を受ける測定方法であれば特に限定されない。例えば、比色測定法である、酵素を使用する酵素的測定法、又は化学的反応を使用する方法等を挙げることができる。
また、本発明における回避方法を実施する際の構成成分や生体試料や条件等については、前記「〔1〕測定試薬」の項に記載した通りである。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0060】
〔実施例1〕
(ビリルビンによる影響の回避効果の実証)
亜鉛イオン濃度を変化させた測定試薬を用いて、生体試料に含まれるビリルビン(抱合型及び遊離型)による影響の回避効果を確かめた。
【0061】
(1) 測定試薬の調製
▲1▼ 本発明・総蛋白質測定用第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを13.5(20℃)に調整し、硫酸亜鉛濃度が異なる5種類の本発明・総蛋白質測定用第1試薬を調製した。
硫酸亜鉛 0.5mM、1mM、5mM、10mM、又は25mM
水酸化ナトリウム 562mM
酒石酸ナトリウムカリウム 159mM
Triton X−405 0.3%
【0062】
▲2▼ 対照・総蛋白質測定用第1試薬の調製
前記▲1▼の本発明・総蛋白質測定用第1試薬の硫酸亜鉛を含有させないこと以外は、前記▲1▼の試薬成分及び濃度の通りに対照・総蛋白質測定用第1試薬の調製を行った。
【0063】
▲3▼ 総蛋白質測定用第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.8(20℃)に調整し、総蛋白質測定用第2試薬を調製した。
水酸化ナトリウム 280mM
硫酸銅五水和物 30mM
クエン酸一水和物 90mM
【0064】
(2) 試料の調製
ヒト血清に干渉チェックAプラス・ビリルビンC(シスメックス社製)を、抱合型ビリルビン(ビリルビンC;BIL−C)の添加濃度が4、8、12、16、又は20mg/dLになるように添加したものを〔試料1〕とした。
また、ヒト血清に干渉チェックAプラス・ビリルビンF(シスメックス社製)を、遊離型ビリルビン(ビリルビンF;BIL−F)の添加濃度が4、8、12、16、又は20mg/dLになるように添加したものを〔試料2〕とした。
更に、〔試料1〕及び〔試料2〕とも、干渉チェックAプラス・ビリルビンC又は干渉チェックAプラス・ビリルビンFの代わりに生理食塩水を添加したものをビリルビン無添加試料(ビリルビン添加濃度が0mg/dL)とした。
【0065】
(3) 試料の測定
前記(2)の各試料中の総蛋白質濃度を、前記(1)で調製した第1試薬及び第2試薬にて測定した。
本発明の測定試薬における総蛋白質の測定は、日立製作所社製7170S形自動分析装置にて行い、前記(2)で調製した試料1及び試料2の各4μLに各々前記(1)の▲1▼で調製した本発明・総蛋白質測定用第1試薬160μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記(1)の▲3▼で調製した総蛋白質測定用第2試薬80μLを添加し、37℃で5分間反応させた。第2試薬添加直前と添加5分後の主波長546nm及び副波長700nmにおける吸光度を測定し、その差を求めた。この測定を連続して2回繰り返して行い、その平均値を求めた。そして、総蛋白質濃度が既知の試料について、前記の通り測定を行い、この測定値(吸光度差)と前記の12種類の試料の測定値(吸光度差)を比較することにより、前記12種類の試料中の総蛋白質濃度を求めた。
また、第1試薬を前記(1)の▲2▼で調製した対照・総蛋白質測定用第1試薬に変えて同様に測定を行った。
【0066】
(4) 測定結果
試料の測定結果を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2において、かっこ内の数字は、ビリルビン無添加試料(ビリルビン添加濃度が0mg/dLの試料)の測定値を100%とした時の百分率を求めたものである。
【0067】
【表1】
Figure 2004271440
【0068】
【表2】
Figure 2004271440
【0069】
表1及び表2から明らかなように、第1試薬に硫酸亜鉛を含有させていない対照・総蛋白質測定用第1試薬を用いた場合は、試料中のビリルビンの影響を受けて総蛋白質の測定値に負誤差が生じていることが分かる。また、試料中の添加ビリルビン濃度が高くなるにつれて総蛋白質の測定値が低下しており、負誤差の程度が大きくなっていることが分かる。
これに対し、第1試薬に硫酸亜鉛を含有させた本発明・総蛋白質測定用第1試薬を用いた場合は、この測定値の負誤差が減少し改善されていることが分かる。また、この生体試料に含まれるビリルビンの影響の回避効果は硫酸亜鉛の濃度が高くなるにつれて大きくなっていることが分かる。
また、硫酸亜鉛を含有させた本発明・総蛋白質測定用第1試薬を用いた場合は、抱合型ビリルビン及び遊離型ビリルビンのいずれにおいても効果があることが分かるが、特に、遊離型ビリルビンに対しては、総蛋白質の測定値への負誤差をほぼ100%解消できていることが分かる。
【0070】
これらのことより、pH7以上の条件下で、かつ亜鉛イオンを含有させた本発明の測定試薬及び測定方法は、生体試料に含まれるビリルビンの影響を回避する効果のあることが確かめられた。
【0071】
〔実施例2〕
(ビリルビンによる影響の回避効果の実証)
亜鉛イオンとともに更に界面活性剤を含有させた測定試薬を用いて、生体試料中のビリルビンの影響の回避効果を確かめた。
【0072】
(1) 測定試薬の調製
【0073】
(1) 試薬の調製
▲1▼ 本発明・総蛋白質測定用第1試薬(A)の調製
硫酸亜鉛濃度を1mMとすること、及び0.1%濃度の非イオン性界面活性剤:BT−9(日光ケミカルズ社製)を含有させること以外は、実施例1の(1)の▲1▼で調製した第1試薬と同じ試薬成分、及び濃度の通りに調製を行った。
【0074】
▲2▼ 本発明・総蛋白質測定用第1試薬(B)の調製
前記▲1▼の本発明・総蛋白質測定用第1試薬(A)のBT−9濃度を0.25%にすること以外は、前記▲1▼の試薬成分及び濃度の通りに本発明・総蛋白質測定用第1試薬(B)の調製を行った。
【0075】
▲3▼ 本発明・総蛋白質測定用第1試薬(C)の調製
前記▲1▼の本発明・総蛋白質測定用第1試薬(A)のBT−9を含有させないこと以外は、前記▲1▼の試薬成分及び濃度の通りに本発明・総蛋白質測定用第1試薬(C)の調製を行った。
【0076】
▲4▼ 総蛋白質測定用第2試薬の調製
実施例1の(1)の▲3▼で調製した総蛋白質測定用第2試薬をそのまま使用した。
【0077】
(2) 試料の調製
実施例1の(2)で調製した試料をそのまま使用した。
【0078】
(3) 試料中の総蛋白質の測定
前記(2)の各試料中の総蛋白質濃度を、前記(1)で調製した本発明・総蛋白質測定用第1試薬(A)及び総蛋白質測定用第2試薬、又は本発明・総蛋白質測定用第1試薬(C)及び総蛋白質測定用第2試薬にて実施例1の(3)と同様にして測定を行った。
【0079】
また、第1試薬を前記(1)で調製した本発明・総蛋白質測定用第1試薬(B)及び総蛋白質測定用第2試薬、又は本発明・総蛋白質測定用第1試薬(C)及び総蛋白質測定用第2試薬にて実施例1の(3)と同様にして測定を行った。
【0080】
(4) 測定結果
試料の測定結果を表3及び表4に示した。なお、表3及び表4において、かっこ内の数字は、ビリルビン無添加試料(ビリルビン添加濃度が0mg/dLの試料)の測定値を100%とした時の百分率を求めたものである。
【0081】
【表3】
Figure 2004271440
【0082】
【表4】
Figure 2004271440
【0083】
表3及び表4から明らかなように、第1試薬に硫酸亜鉛とともに非イオン性界面活性剤であるBT−9を含有させた本発明・総蛋白質測定用第1試薬(A)及び(B)を用いた場合は、硫酸亜鉛のみを含有させた本発明・総蛋白質測定用第1試薬(C)を用いた場合に比べて、ビリルビンによる影響(負誤差)の回避効果が更に向上していることが分かる。(これは、抱合型ビリルビンを添加した試料1において特に顕著である。)
なお、抱合型ビリルビンと遊離型ビリルビンでは、一般的に遊離型ビリルビンよりも抱合型ビリルビンの方が還元力が強く、反応性に差があるといわれている。抱合型ビリルビンと遊離型ビリルビンで亜鉛イオンによる影響回避効果に多少の差があるのは、この反応性の差が亜鉛イオンのビリルビンに対する反応に影響したものと推察される。
しかしながら、亜鉛イオンとともに界面活性剤を含有させることで、亜鉛イオンのビリルビンに対する反応を促進させ、生体試料に含まれるビリルビンの影響の回避効果を更に向上させることができることが分かる。
【発明の効果】
本発明の生体試料中の測定対象物質測定方法、生体試料中の測定対象物質測定試薬、及び生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法によれば、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることにより、生体試料中のビリルビンの影響により測定値に誤差が生じることを防ぐことができ、そして、生体試料中の測定対象物質を正確に測定することができるものである。
そして、これにより、疾患の診断等の場において、誤差を含まない、かつ正確な測定対象物質の測定値を提供することができるものである。

Claims (15)

  1. 生体試料中の測定対象物質の測定試薬において、pH7以上であり、かつ亜鉛イオンを含有することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定試薬。
  2. pHが9以上であることを特徴とする、請求項1記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
  3. さらに界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
  4. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項3記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
  5. 測定対象物質が総蛋白質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体試料中の測定対象物質測定試薬。
  6. 生体試料中の測定対象物質を測定する方法において、生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法。
  7. 生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることにより、生体試料に含まれるビリルビンによる影響を回避することを特徴とする、生体試料中の測定対象物質測定方法。
  8. pHが9以上であることを特徴とする、請求項6又は7記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
  9. 亜鉛イオンとともに界面活性剤を生体試料に接触させることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
  10. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項9記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
  11. 測定対象物質が総蛋白質である、請求項6〜10のいずれか一項に記載の生体試料中の測定対象物質測定方法。
  12. 生体試料をpH7以上の条件下で亜鉛イオンと接触させることを特徴とする、生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
  13. pHが9以上であることを特徴とする、請求項12記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
  14. 亜鉛イオンとともに界面活性剤を生体試料に接触させることを特徴とする、請求項12又は13記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
  15. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項14記載の生体試料に含まれるビリルビンによる影響の回避方法。
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