JP2023106690A - カルシウム濃度測定試薬及び測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制することにより、試料中のカルシウム濃度を正確に測定できる方法を提供する。【解決手段】クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させる。【選択図】なし

Description

本発明は、クロロホスホナゾ-IIIを用いたカルシウム濃度測定試薬及び測定方法に関するものである。更には、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制剤に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
カルシウムは、人体内に約1,200g存在しており、その約99%が骨と歯に存在し、残りの約1%が血液などの体液や筋肉などに存在している。この1%のカルシウムが、出血を止めることや、神経の働き、筋肉運動など、生命の維持や活動に重要な役割を果たしている。また、血液中のカルシウム濃度は、カルシウムの吸収異常、骨疾患、内分泌疾患、高血圧、又は動脈硬化症などにより変動し、その測定は臨床上極めて重要とされている。
カルシウム濃度の測定方法として使用されている方法としては、原子吸光法、電極法、キレート発色剤のο-クレゾールフタレイン・コンプレクソンを使用した方法(o-CPC法)があるが、これらの方法は、高価な機器を必要としたり、試料の前処理を必要とする場合がある。特に臨床検査の分野で広く使用されているo-CPC法は、マグネシウムイオンの影響を受けたり、温度や測定時間によって吸光度が変化するなど測定値の精度に問題がある。
カルシウムイオンによる酵素の活性化を利用した測定方法として、α-アミラーゼやホスホリパーゼDを用いた方法が開発されているが、これらの方法は、キレート発色剤を使用した方法に比べてその測定コストが高いという問題がある。
また、キレート発色剤としてアルセナゾ-IIIを使用した測定方法が開発されているが、アルセナゾ-IIIは構造内にヒ素成分を含むため、人体や環境への影響を考慮する必要があると指摘されている。
そこで、近年、アルセナゾ-IIIに類似しているが、ヒ素成分を含まないキレート発色剤であり、マグネシウムイオンの影響をほとんど受けない、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定方法が開発されている。
しかしながら、このクロロホスホナゾ-IIIは弱酸性の反応溶液中でタンパク質成分と非特異的な反応を起こすため、試料中のカルシウム濃度の測定に正誤差を生じることが知られていた。
このため、クロロホスホナゾ-IIIをキレート発色剤として使用したカルシウム濃度の測定試薬に、バナジン酸イオンを含有させる(特許文献1参照)ことや、アニオン型界面活性剤やポリアミン類等を含有させる(特許文献2参照)ことにより、クロロホスホナゾ-IIIとタンパク質との非特異的反応を抑制する測定試薬が提案されている。
また、クロロホスホナゾ-IIIは、ブランクが高いため、測定値の精度に問題があることが知られており、前記した特許文献1では、測定試薬にバナジン酸イオンを含有させることでブランクを抑制できることが提案されている。
しかしながら、バナジウムは重金属であり、弱い変異原作用の兆候もあるとされ、人体への影響を考慮する必要があると指摘されている。
特開2006-23182号公報 特開2008-58033号公報
従って、本発明の課題は、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制することにより、試料中のカルシウム濃度を正確に測定できる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることにより、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) クロロホスホナゾ-IIIと、アミノアルコール及びイミダゾール からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むカルシウム濃度測定試薬。
(2) カルシウム濃度測定試薬が、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む第1試薬、並びに、クロロホスホナゾ-III、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む第2試薬とから構成される、前記(1)に記載のカルシウム濃度測定試薬。
(3) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(1)又は(2)に記載のカルシウム濃度測定試薬。
(4) クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度測定試薬と試料を混合し、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種の存在下でクロロホスホナゾ-IIIとカルシウムを反応させることを特徴とする、カルシウム濃度測定方法。
(5) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(4)に記載のカルシウム濃度測定方法。
(6) クロロホスホナゾ-IIIを用いるカルシウム濃度測定方法に適用されるクロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制剤であって、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制剤。
(7) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(6)に記載のブランク抑制剤。
(8) クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制方法。
(9) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(8)に記載のブランク抑制方法。
本発明のカルシウム濃度測定試薬及び測定方法は、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制することができるものである。
そして、これにより、疾患の診断等の場において、誤差を含まない、かつ正確な測定結果(測定値)を提供することができるものである。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
1. クロロホスホナゾ-III
本発明のカルシウム濃度測定試薬では、キレート発色剤として、2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸(クロロホスホナゾ-III)〔CAS番号1914-99-4〕を使用する。
なお、クロロホスホナゾ-IIIは、広く市販されており、市販品をそのまま使用すればよい。
また、本発明において、クロロホスホナゾ-IIIの濃度は、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.1~1.0mMの範囲にあることが好ましく、0.16~0.40mMの範囲が特に好ましい。
2. アミノアルコール及びイミダゾール
本発明のカルシウム濃度測定試薬では、測定試薬にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることにより、試料中のカルシウム濃度を測定する際の、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制することができる。
ここで、アミノアルコールについては、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制する作用を有するものであれば特に限定されないが、特に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンを使用することが好ましい。
測定試薬に含有させるアミノアルコール及びイミダゾールの濃度については、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制する作用を発揮する濃度であれば特に限定されないが、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、50~200mMの範囲にあることが好ましく、100~150mMの範囲が特に好ましい。
また、測定試薬が複数試薬により構成される場合、アミノアルコール又はイミダゾールは、クロロホスホナゾ-IIIを含有する試薬に含有させれば良いが、クロロホスホナゾ-IIIを含有しない試薬にもアミノアルコール又はイミダゾールを含有させても良い。
3. pH
本発明のカルシウム濃度測定試薬は、キレート発色剤としてクロロホスホナゾ-IIIを使用するため、測定反応液のpHは4.0~7.0の範囲にあることが好ましく、4.5~6.0がさらに好ましく、4.8~5.2の範囲が特に好ましい。
なお、測定試薬又は測定反応液を前記のpH範囲に調整する場合は、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝剤を適宜使用することができる。
このような緩衝剤として使用できるものとしては、例えば、リン酸、コハク酸、クエン酸、又はグッド緩衝液等を挙げることができる。
また、本発明においては、測定試薬に含有させる、アミノアルコール又はイミダゾールをpHの調整に使用することが可能である。
4. 試料
本発明において、試料とは、試料中のカルシウム濃度の測定を行おうとするもののことであり、このようなものであれば特に限定されない。
このような試料としては、例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗等の体液、ヒト若しくは動物の腎臓、心臓、肺、脳等の臓器等の抽出液;骨格筋、骨髄、皮膚、又は神経組織等の抽出液;毛髪等の抽出液、ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の抽出液;植物の抽出液;食品又はこれの抽出液;農林水産物又はこれの抽出物;飲料水;飲料;環境試料(土壌、海水、河川水、湖沼水、地下水など);あるいは薬剤等が挙げられる。
5. カルシウム濃度測定試薬
本発明のカルシウム濃度測定試薬は、クロロホスホナゾ-IIIと、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである。
本発明のカルシウム濃度測定試薬においては、アミノアルコール又はイミダゾールの存在下でカルシウムとクロロホスホナゾ-IIIとを反応させること以外は、クロロホスホナゾ-IIIを用いる従来より公知のカルシウム濃度を測定する試薬に従えばよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、一段階のステップにより測定を行う1ステップ法(1試薬法)のものであってもよく、又は二段階若しくはそれ以上の多段階のステップにより測定を行う多ステップ法(多試薬法)のものであってもよく、適宜選択すればよい。
本発明のカルシウム濃度測定試薬において、測定試薬には前記の成分の他に、公知の防腐剤、安定化剤、又は界面活性剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬において、その測定は、用手法により行うものであってもよく、又は自動分析装置等の装置を用いて行うものであってもよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、その構成試薬の全て又は一部が液状試薬であってよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中のカルシウム濃度の測定に使用することができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、前記した測定試薬以外のその他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することもできる。
前記した測定試薬以外のその他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、検量(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、第1試薬及び第2試薬、又はその他の試薬等の複数の構成試薬からなる測定試薬キットであってもよい。
6.カルシウム濃度測定方法
本発明のカルシウム濃度測定方法においては、クロロホスホナゾ-IIIを含有うするカルシウム濃度測定試薬と試料を混合し、アミノアルコール又はイミダゾールの存在下でカルシウムとクロロホスホナゾ-IIIとを反応させて測定を行うこと以外は、クロロホスホナゾ-IIIを用いる従来より公知のカルシウム濃度測定方法に従えばよい。
また、本発明の試料中のカルシウム濃度測定方法は、1ステップ法(1試薬系)からなるものでもよく、複数ステップ法(複数試薬系)からなるものであってもよく、用手法又は自動分析装置による方法によりカルシウム濃度を測定することができる。
7.クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制方法
本発明における、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制方法は、クロロホスホナゾ-IIIを使用した試料中のカルシウム濃度の測定方法において、アミノアルコール又はイミダゾールの存在下で測定を行うことによるものである。
また、本発明におけるクロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制する方法を実施する際の試薬の構成成分や試料や条件等は、前記した通りである。
そして、本発明のクロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制方法は、上記の構成により、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制することができ、精度が高いカルシウム濃度の測定値を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〕(カルシウム濃度測定試薬におけるアミノアルコールの効果の確認)
各種アミノアルコールをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のブランクの低下に対する効果を確認した。
1. 本発明・測定試薬Aの調製
(1) 第1試薬Aの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第1試薬Aを調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
アニオン性界面活性剤 26.3mM
非イオン性界面活性剤 11.9mM
モノエタノールアミン 142.1mM
(2) 本発明・第2試薬Aの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第2試薬Aを調製した。
コハク酸 50.8mM
クロロホスホナゾ-III 1.22mM
モノエタノールアミン 70.0mM
2. 本発明・測定試薬Bの調製
(1) 第1試薬Bの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMのジエタノールアミンを含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Aと成分及び濃度が同じである、第1試薬Bを調製した。
(2) 第2試薬Bの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのジエタノールアミンを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Aと成分及び濃度が同じである、第2試薬Bを調製した。
3. 本発明・測定試薬Cの調製
(1) 第1試薬Cの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMのトリエタノールアミンを含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Aと成分及び濃度が同じである、第1試薬Cを調製した。
(2) 第2試薬Cの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのトリエタノールアミンを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Aと成分及び濃度が同じである、第2試薬Cを調製した。
4. 本発明・測定試薬Dの調製
(1) 第1試薬Dの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMの2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール〔以下、AMPと略すこともある〕を含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Aと成分及び濃度が同じである、第1試薬Dを調製した。
(2) 第2試薬Dの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのAMPを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Aと成分及び濃度が同じである、第2試薬Dを調製した。
5. 本発明・測定試薬Eの調製
(1) 第1試薬Eの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン〔以下、Trisと略すこともある〕を含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Aと成分及び濃度が同じである、第1試薬Eを調製した。
(2) 第2試薬Eの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのTrisを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Aと成分及び濃度が同じである、第2試薬Eを調製した。
6. 対照・測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMの水酸化ナトリウムを含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Aと成分及び濃度が同じである、第1試薬を調製した。
(2) 第2試薬の調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMの水酸化ナトリウムを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Aと成分及び濃度が同じである、第2試薬を調製した。
7. 試料
試料として、市販標準液である「CaII用標準液」(販売元:株式会社シノテスト)を使用した。
8. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記7の試料中のカルシウム濃度を、前記1で調製した測定試薬Aにて測定した。
カルシウム濃度の測定は、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ)にて行い、試料3.4μLに前記1の(1)で調製した第1試薬A150μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた。その後、前記1の(2)で調製した第2試薬A75μLを添加し、37℃で5分間反応させ、波長700nmにおける吸光度変化量を測定した。
さらに、測定試薬を前記2~6で調製した測定試薬B~E及び対照・測定試薬に変えて同様に測定を行った。
また、精製水を試料として同様に測定を行った際の吸光度をブランク吸光度とした。
9. 測定結果
前記8の測定結果を表1に示した。
なお、表1のΔ感度は、標準液吸光度からブランク吸光度を差し引いたものである。
Figure 2023106690000001
表1から明らかなように、対照・測定試薬を使用した場合に比べて、本発明の測定試薬を使用した場合には、ブランク吸光度が低くなっていることが分かる。
また、本発明で使用するアミノエタノールについては、エタノール部位が増加する程、ブランクが低下していることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にアミノエタノールを含有させることにより、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制できることが確認された。
〔実施例2〕(カルシウム濃度測定試薬におけるアミノアルコールの効果の確認)
各種アミノアルコールをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のブランクの低下に対する効果を確認した。
1. 本発明・測定試薬Fの調製
(1) 第1試薬Fの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第1試薬Fを調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
アニオン性界面活性剤 26.3mM
非イオン性界面活性剤 11.9mM
モノエタノールアミン 142.1mM
(2) 本発明・第2試薬Fの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第2試薬Fを調製した。
コハク酸 50.8mM
クロロホスホナゾ-III 1.22mM
モノエタノールアミン 70.0mM
2. 本発明・測定試薬Gの調製
(1) 第1試薬Gの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMのAMPを含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Fと成分及び濃度が同じである、第1試薬Gを調製した。
(2) 第2試薬Gの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのAMPを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Fと成分及び濃度が同じである、第2試薬Gを調製した。
3. 本発明・測定試薬Hの調製
(1) 第1試薬Hの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMの2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール〔以下、AMPDと略すこともある〕を含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Fと成分及び濃度が同じである、第1試薬Hを調製した。
(2) 第2試薬Hの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのAMPDを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Fと成分及び濃度が同じである、第2試薬Hを調製した。
4. 本発明・測定試薬Iの調製
(1) 第1試薬Iの調製
モノエタノールアミンに変えて142.1mMのN-メチル-D-グルカミン〔以下、NMGと略すこともある〕を含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Fと成分及び濃度が同じである、第1試薬Iを調製した。
(2) 第2試薬Iの調製
モノエタノールアミンに変えて70.0mMのNMGを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Fと成分及び濃度が同じである、第2試薬Iを調製した。
5. 試料
試料として、市販標準液である「CaII用標準液」(販売元:株式会社シノテスト)を使用した。
6. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記5の試料中のカルシウム濃度を、前記1~4で調製した測定試薬F~Iにて実施例1の8と同様にして測定を行った。
7. 測定結果
前記6の測定結果を表2に示した。
なお、表2のΔ感度は、標準液吸光度からブランク吸光度を差し引いたものである。
Figure 2023106690000002
表2から明らかなように、本発明の測定試薬を使用した場合には、ブランク吸光度が低く抑えられていることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にアミノエタノールを含有させることにより、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制できることが確認された。
〔実施例3〕(カルシウム濃度測定試薬におけるイミダゾールの効果の確認)
イミダゾールをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のブランクの低下に対する効果を確認した。
1. 本発明・測定試薬Jの調製
(1) 第1試薬Jの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第1試薬Jを調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
アニオン性界面活性剤 26.3mM
非イオン性界面活性剤 11.9mM
イミダゾール 142.1mM
(2) 本発明・第2試薬Jの調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第2試薬Jを調製した。
コハク酸 50.8mM
クロロホスホナゾ-III 1.22mM
イミダゾール 70.0mM
2. 対照・測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
イミダゾールに変えて142.1mMの水酸化ナトリウムを含有すること以外は前記1の(1)の第1試薬Jと成分及び濃度が同じである、第1試薬を調製した。
(2) 第2試薬の調製
イミダゾールに変えて70.0mMの水酸化ナトリウムを含有すること以外は前記1の(2)の第2試薬Jと成分及び濃度が同じである、第2試薬を調製した。
3. 試料
試料として、市販標準液である「CaII用標準液」(販売元:株式会社シノテスト)を使用した。
4. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記3の試料中のカルシウム濃度を、前記1及び2で調製した測定試薬J及び対照・測定試薬にて実施例1の8と同様にして測定を行った。
5. 測定結果
前記4の測定結果を表3に示した。
なお、表3のΔ感度は、標準液吸光度からブランク吸光度を差し引いたものである。
Figure 2023106690000003
表3から明らかなように、対照の測定試薬を使用した場合に比べて、本発明の測定試薬を使用した場合には、ブランク吸光度が低くなっていることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にイミダゾールを含有させることにより、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制できることが確認された。
これらのことより、本発明のカルシウム濃度測定試薬による測定では、クロロホスホナゾ-IIIのブランクを抑制し、正確に試料中のカルシウム濃度の測定を行えることが確かめられた。

Claims (9)

  1. クロロホスホナゾ-IIIと、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むカルシウム濃度測定試薬。
  2. カルシウム濃度測定試薬が、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む第1試薬、並びに、クロロホスホナゾ-III、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む第2試薬とから構成される、請求項1に記載のカルシウム濃度測定試薬。
  3. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項1又は2に記載のカルシウム濃度測定試薬。
  4. クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度測定試薬と試料を混合し、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種の存在下でクロロホスホナゾ-IIIとカルシウムを反応させることを特徴とする、カルシウム濃度測定方法。
  5. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項4に記載のカルシウム濃度測定方法。
  6. クロロホスホナゾ-IIIを用いるカルシウム濃度測定方法に適用されるクロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制剤であって、アミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制剤。
  7. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項6に記載のブランク抑制剤。
  8. クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とする、クロロホスホナゾ-IIIのブランク抑制方法。
  9. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項8に記載のブランク抑制方法。
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