JP2023161500A - カルシウム濃度測定の直線性の改善方法 - Google Patents

カルシウム濃度測定の直線性の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、カルシウム濃度に対する直線性を改善することにより、試料中のカルシウム濃度を正確に測定できる方法を提供する。【解決手段】クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアルカリ金属イオンを含有させる。【選択図】なし

Description

本発明は、クロロホスホナゾ-IIIを用いたカルシウム濃度測定試薬における、カルシウム濃度に対する直線性を改善する方法に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
カルシウムは、人体内に約1,200g存在しており、その約99%が骨と歯に存在し、残りの約1%が血液などの体液や筋肉などに存在している。この1%のカルシウムが、出血を止めることや、神経の働き、筋肉運動など、生命の維持や活動に重要な役割を果たしている。また、血液中のカルシウム濃度は、カルシウムの吸収異常、骨疾患、内分泌疾患、高血圧、又は動脈硬化症などにより変動し、その測定は臨床上極めて重要とされている。
カルシウム濃度の測定方法として使用されている方法としては、原子吸光法、電極法、キレート発色剤のο-クレゾールフタレイン・コンプレクソンを使用した方法(o-CPC法)があるが、これらの方法は、高価な機器を必要としたり、試料の前処理を必要とする場合がある。特に臨床検査の分野で広く使用されているo-CPC法は、マグネシウムイオンの影響を受けたり、温度や測定時間によって吸光度が変化するなど測定値の精度に問題がある。
カルシウムイオンによる酵素の活性化を利用した測定方法として、α-アミラーゼやホスホリパーゼDを用いた方法が開発されているが、これらの方法は、キレート発色剤を使用した方法に比べてその測定コストが高いという問題がある。
また、キレート発色剤としてアルセナゾ-IIIを使用した測定方法が開発されているが、アルセナゾ-IIIは構造内にヒ素成分を含むため、人体や環境への影響を考慮する必要があると指摘されている。
そこで、近年、アルセナゾ-IIIに類似しているが、ヒ素成分を含まないキレート発色剤であり、マグネシウムイオンの影響をほとんど受けない、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定方法が開発されている。
しかしながら、このクロロホスホナゾ-IIIは弱酸性の反応溶液中でタンパク質成分と非特異的な反応を起こすため、試料中のカルシウム濃度の測定に正誤差を生じることが知られていた。
このため、クロロホスホナゾ-IIIをキレート発色剤として使用したカルシウム濃度の測定試薬に、バナジン酸イオンを含有させる(特許文献1参照)ことや、アニオン型界面活性剤やポリアミン類等を含有させる(特許文献2参照)ことにより、クロロホスホナゾ-IIIとタンパク質との非特異的反応を抑制する測定試薬が提案されている。
しかしながら、本発明者は、クロロホスホナゾ-IIIをキレート発色剤として使用したカルシウム濃度の測定試薬において、カルシウム濃度に対する直線性が十分でなく、試料中のカルシウム濃度を正確に測定できないという問題があることを確認した。
特開2006-23182号公報 特開2008-58033号公報
従って、本発明の課題は、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、カルシウム濃度に対する直線性を改善することにより、試料中のカルシウム濃度を正確に測定できる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題の解決を目指して鋭意検討を行った結果、クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアルカリ金属イオンを含有させることにより、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアルカリ金属イオンを含有させることを特徴とする、カルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
(2) アルカリ金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオンである、前記(1)に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
(3) カルシウム濃度の測定試薬が、更にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、前記(1)又は(2)に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
(4) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(1)又は(2)に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
(5) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(3)に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
(6) クロロホスホナゾ-III、アルカリ金属イオン、並びにアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むカルシウム濃度測定試薬。
(7) アルカリ金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオンである、前記(6)に記載のカルシウム濃度測定試薬。
(8) アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、前記(6)又は(7)に記載のカルシウム濃度測定試薬。
本発明のカルシウム濃度測定試薬は、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度の測定試薬において、カルシウム濃度に対する直線性を改善することにより、試料中のカルシウム濃度を正確に測定することができるものである。
そして、これにより、疾患の診断等の場において、誤差を含まない、かつ正確な測定結果(測定値)を提供することができるものである。
カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果を確認した図である。 カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果を確認した図である。 カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果を確認した図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
1. クロロホスホナゾ-III
本発明のカルシウム濃度測定試薬では、キレート発色剤として、2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸(クロロホスホナゾ-III)〔CAS番号1914-99-4〕を使用する。
なお、クロロホスホナゾ-IIIは、広く市販されており、市販品をそのまま使用すればよい。
また、本発明において、クロロホスホナゾ-IIIの濃度は、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.1~1.0mMの範囲にあることが好ましく、0.16~0.40mMの範囲が特に好ましい。
2. アルカリ金属イオン
本発明のカルシウム濃度測定試薬では、測定試薬にアルカリ金属イオンを含有させることにより、カルシウム濃度に対する直線性を改善することができる。
ここで、アルカリ金属イオンについては、カルシウム濃度に対する直線性を改善する作用を有するものであれば特に限定されないが、特に、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオンを使用することが好ましい。
なお、このアルカリ金属イオンは、1種類のものだけを用いてもよいし、又は複数種類のものを同時に用いてもよい。
また、測定試薬に含有させるアルカリ金属イオンの濃度については、カルシウム濃度に対する直線性を向上させる作用を発揮する濃度であれば特に限定されない。
例えば、アルカリ金属イオンとしてナトリウムイオンを使用する場合には、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、30~180mMの範囲にあればよく、45~120mMの範囲であることが好ましく、60~100mMの範囲が特に好ましい。
また、測定試薬に含有させるアルカリ金属イオンとしてカリウムイオンを使用する場合には、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、15~180mMの範囲にあればよく、30~100mMの範囲であることが好ましく、45~60mMの範囲が特に好ましい。
更に、測定試薬に含有させるアルカリ金属イオンとしてリチウムイオンを使用する場合には、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、60~180mMの範囲であることが好ましく、120~180mMの範囲が特に好ましい。
なお、測定試薬が複数試薬により構成される場合、アルカリ金属イオンは、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中の濃度が上記濃度範囲に入るのであれば、第1試薬又は第2試薬のいずれに含有させてもよく、第1試薬と第2試薬の両方に含有させてもよい。
3. アミノアルコール及びイミダゾール
本発明のカルシウム濃度測定試薬には、測定試薬にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
ここで、アミノアルコールについては、特に限定されないが、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンを使用することが好ましい。
測定試薬に含有させるアミノアルコール及びイミダゾールの濃度については、試料と測定試薬を混合した後の測定反応液中において、50~200mMの範囲にあることが好ましく、100~150mMの範囲が特に好ましい。
また、測定試薬が複数試薬により構成される場合、アミノアルコール又はイミダゾールは、クロロホスホナゾ-IIIを含有する試薬に含有させれば良いが、クロロホスホナゾ-IIIを含有しない試薬にもアミノアルコール又はイミダゾールを含有させても良い。
4. pH
本発明のカルシウム濃度測定試薬は、キレート発色剤としてクロロホスホナゾ-IIIを使用するため、測定反応液のpHは4.0~7.0の範囲にあることが好ましく、4.5~6.0がさらに好ましく、4.8~5.2の範囲が特に好ましい。
なお、測定試薬又は測定反応液を前記のpH範囲に調整する場合は、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝剤を適宜使用することができる。
このような緩衝剤として使用できるものとしては、例えば、リン酸、コハク酸、クエン酸、又はグッド緩衝液等を挙げることができる。
また、本発明においては、測定試薬に含有させる、アミノアルコール又はイミダゾールをpHの調整に使用することが可能である。
5. 試料
本発明において、試料とは、試料中のカルシウム濃度の測定を行おうとするもののことであり、このようなものであれば特に限定されない。
このような試料としては、例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、髄液、唾液、汗等の体液、ヒト若しくは動物の腎臓、心臓、肺、脳等の臓器等の抽出液;骨格筋、骨髄、皮膚、又は神経組織等の抽出液;毛髪等の抽出液、ヒト又は動物の糞便の抽出液又は懸濁液;細胞の抽出液;植物の抽出液;食品又はこれの抽出液;農林水産物又はこれの抽出物;飲料水;飲料;環境試料(土壌、海水、河川水、湖沼水、地下水など);あるいは薬剤等が挙げられる。
6. カルシウム濃度測定試薬
本発明のカルシウム濃度測定試薬は、クロロホスホナゾ-III、アルカリ金属イオン、並びにアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである。
本発明のカルシウム濃度測定試薬においては、アルカリ金属イオン、並びにアミノアルコール又はイミダゾールの存在下でカルシウムとクロロホスホナゾ-IIIとを反応させること以外は、クロロホスホナゾ-IIIを用いる従来より公知のカルシウム濃度を測定する試薬に従えばよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、一段階のステップにより測定を行う1ステップ法(1試薬法)のものであってもよく、又は二段階若しくはそれ以上の多段階のステップにより測定を行う多ステップ法(多試薬法)のものであってもよく、適宜選択すればよい。
本発明のカルシウム濃度測定試薬において、測定試薬には前記の成分の他に、公知の防腐剤、安定化剤、又は界面活性剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬において、その測定は、用手法により行うものであってもよく、又は自動分析装置等の装置を用いて行うものであってもよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、その構成試薬の全て又は一部が液状試薬であってよい。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、そのもの単独にて、販売し、又は試料中のカルシウム濃度の測定に使用することができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、前記した測定試薬以外のその他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することもできる。
前記した測定試薬以外のその他の試薬としては、例えば、緩衝液、試料希釈液、試薬希釈液、検量(キャリブレーション)を行うための物質を含有する試薬、又は精度管理を行うための物質を含有する試薬等を挙げることができる。
また、この本発明のカルシウム濃度測定試薬は、第1試薬及び第2試薬、又はその他の試薬等の複数の構成試薬からなる測定試薬キットであってもよい。
7.カルシウム濃度測定の直線性の改善方法
本発明における、カルシウム濃度測定の直線性の改善方法は、クロロホスホナゾ-IIIを使用した試料中のカルシウム濃度の測定方法において、アルカリ金属イオンの存在下で測定を行うことによるものである。
また、本発明におけるカルシウム濃度測定の直線性の改善方法を実施する際の試薬の構成成分や試料や条件等は、前記した通りである。
そして、本発明のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法は、上記の構成により、カルシウム濃度に対する直線性を改善することができ、精度が高いカルシウム濃度の測定値を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〕(カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果の確認)
各種アルカリ金属イオンをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のカルシウム濃度に対する直線性について、その効果を確認した。
1. 測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、塩化ナトリウム濃度の異なる6種類の第1試薬を調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
非イオン性界面活性剤 0.76%
トリエタノールアミン 142.1mM
塩化ナトリウム 0mM、22.8mM、45.7mM、91.4mM、182.7mM及び274.1mM
(2) 第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、カルシウム濃度測定試薬の第2試薬を調製した。
コハク酸 50.8mM
クロロホスホナゾ-III 0.49mM
トリエタノールアミン 69.0mM
2. 試料
直線性試料として、市販標準液である「カルシウム標準液(Ca:1,000mg/l)」(製造元:富士フィルム和光純薬株式会社)を精製水で2.5倍希釈し、カルシウム濃度が40mg/dLの試料を調製した。さらに2mg/dLごとに濃度が低くなるよう計20試料を調製した。
3. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記2の試料中のカルシウム濃度を、前記1で調製した6種類の測定試薬にて測定した。
カルシウム濃度の測定は、7180形汎用自動分析装置(販売元:株式会社日立ハイテクノロジーズ)にて行い、試料3.4μLに前記1の(1)で調製した第1試薬150μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた。その後、前記1の(2)で調製した第2試薬75μLを添加し、37℃で5分間反応させ、波長700nmにおける吸光度変化量を測定した。
なお、上記の試料と6種類の第1試薬と第2試薬とを混合した後の測定反応液(最終反応液)中の塩化ナトリウムの濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、15mM、30mM、60mM、120mM、又は180mM
4. 測定結果
前記3の測定結果について、カルシウム濃度10mg/dL付近の試料の測定値をカルシウム濃度で割った計算値を理論値とした。また、塩化ナトリウム濃度ごとに、各試料の測定値を理論値で割った値を縦軸に、カルシウム濃度を横軸にプロットした(図1)。
図1から明らかなように、測定試薬に塩化ナトリウム(アルカリ金属イオン)を含有させていない場合は、理論値を大きく外れていることが分かる。
これに対して、測定試薬に塩化ナトリウム(アルカリ金属イオン)を含有させた場合は、測定試薬中の塩化ナトリウム濃度がいずれの場合も、塩化ナトリウムを含有させない場合に比べて、理論値との差が減少し改善されていることが分かる。
すなわち、測定試薬に塩化ナトリウムを存在させることによって、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にアルカリ金属イオンを含有させることにより、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが確認された。
〔実施例2〕(カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果の確認)
各種アルカリ金属イオンをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のカルシウム濃度に対する直線性について、その効果を確認した。
1. 測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、塩化カリウム濃度の異なる6種類の第1試薬を調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
非イオン性界面活性剤 0.76%
トリエタノールアミン 142.1mM
塩化カリウム 0mM、22.8mM、45.7mM、91.4mM、182.7mM及び274.1mM
(2) 第2試薬の調製
前記実施例1の1の(2)で調製した第2試薬を、第2試薬として用いた。
2. 試料
前記実施例1の2で調製した20種類の試料を、試料として用いた。
3. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記2の試料中のカルシウム濃度を、前記1及び2で調製した測定試薬にて実施例1の3と同様にして測定を行った。
なお、試料と6種類の第1試薬と第2試薬とを混合した後の測定反応液中の塩化カリウムの濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、15mM、30mM、60mM、120mM、又は180mM
4. 測定結果
前記3の測定結果について、カルシウム濃度10mg/dL付近の試料の測定値をカルシウム濃度で割った計算値を理論値とした。また、塩化カリウム濃度ごとに、各試料の測定値を理論値で割った値を縦軸に、カルシウム濃度を横軸にプロットした(図2)。
図2から明らかなように、測定試薬に塩化カリウム(アルカリ金属イオン)を含有させていない場合は、理論値を大きく外れていることが分かる。
これに対して、第1試薬に塩化カリウム(アルカリ金属イオン)を含有させた場合は、測定試薬中の塩化カリウム濃度がいずれの場合も、塩化カリウムを含有させない場合に比べて、理論値との差が減少し改善されていることが分かる。
すなわち、測定試薬に塩化カリウムを存在させることによって、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にアルカリ金属イオンを含有させることにより、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが確認された。
〔実施例3〕(カルシウム濃度測定試薬におけるアルカリ金属イオンの効果の確認)
各種アルカリ金属イオンをカルシウム濃度測定試薬に含有させた場合のカルシウム濃度に対する直線性について、その効果を確認した。
1. 測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを5.0(20℃)に調整し、塩化リチウム濃度の異なる6種類の第1試薬を調製した。
コハク酸 50.8mM
有機酸 38.1mM
非イオン性界面活性剤 0.76%
トリエタノールアミン 142.1mM
塩化リチウム 0mM、22.8mM、45.7mM、91.4mM、182.7mM及び274.1mM
(2) 第2試薬の調製
前記実施例1の1の(2)で調製した第2試薬を、第2試薬として用いた。
2. 試料
前記実施例1の2で調製した20種類の試料を、試料として用いた。
3. 試料中のカルシウム濃度の測定
前記2の試料中のカルシウム濃度を、前記1及び2で調製した測定試薬にて実施例1の3と同様にして測定を行った。
なお、試料と6種類の第1試薬と第2試薬とを混合した後の測定反応液中の塩化リチウムの濃度は、各々、下記の様になる。
0mM、15mM、30mM、60mM、120mM、又は180mM
4. 測定結果
前記3の測定結果について、カルシウム濃度10mg/dL付近の試料の測定値をカルシウム濃度で割った計算値を理論値とした。また、塩化リチウム濃度ごとに、各試料の測定値を理論値で割った値を縦軸に、カルシウム濃度を横軸にプロットした(図3)。
図3から明らかなように、測定試薬に塩化リチウム(アルカリ金属イオン)を含有させていない場合は、理論値を大きく外れていることが分かる。
これに対して、第1試薬に塩化リチウム(アルカリ金属イオン)を含有させた場合は、測定試薬中の塩化リチウム濃度がいずれの場合も、塩化リチウムを含有させない場合に比べて、理論値との差が減少し改善されていることが分かる。
すなわち、測定試薬に塩化リチウムを存在させることによって、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが分かる。
このように、クロロホスホナゾ-IIIを使用したカルシウム濃度測定試薬にアルカリ金属イオンを含有させることにより、カルシウム濃度に対する直線性を改善できることが確認された。
これらのことより、本発明のカルシウム濃度測定試薬による測定では、カルシウム濃度に対する直線性を改善し、正確に試料中のカルシウム濃度の測定を行えることが確かめられた。

Claims (8)

  1. クロロホスホナゾ-IIIを含むカルシウム濃度の測定試薬において、測定試薬中にアルカリ金属イオンを含有させることを特徴とする、カルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
  2. アルカリ金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオンである、請求項1に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
  3. カルシウム濃度の測定試薬が、更にアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
  4. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項1又は2に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
  5. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項3に記載のカルシウム濃度測定の直線性の改善方法。
  6. クロロホスホナゾ-III、アルカリ金属イオン、並びにアミノアルコール及びイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むカルシウム濃度測定試薬。
  7. アルカリ金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオンである、請求項6に記載のカルシウム濃度測定試薬。
  8. アミノアルコールが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、又はN-メチル-D-グルカミンである、請求項6又は7に記載のカルシウム濃度測定試薬。
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