JPH07209304A - 尿中蛋白質の分析法、及びその測定用組成物 - Google Patents
尿中蛋白質の分析法、及びその測定用組成物Info
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Abstract
ブデン酸イオン又はタングステン酸イオンと錯体を形成
しかつその錯体の吸収バンドが蛋白質の存在下でシフト
する染料、及び式: 【化9】 で示されるイオン化し得るリン酸塩含有化合物を使用す
る尿中蛋白質の分析法、及びこれらを含む尿中蛋白質の
測定用組成物。 【効果】 尿中に存在するシュウ酸イオンやクレアチニ
ン等によるバックグラウンド干渉を最小限に抑え、かつ
蛋白質応答を高めることにより、従来よりも高感度の尿
中蛋白質の測定が可能となる。
Description
な方法が、文献に報告されている。これらの方法には、
ケルダール法、ビウレット法、Lowry 法、染料結合法(d
yestuff combination method) 、UV法及び蛍光法が含ま
れる。尿中蛋白質の分析のために広く用いられている方
法は、J. Lab. Clin. Med., 11, 981 (1926)で報告され
た、キングスベリー−クラーク法;臨床病理, 15, 699
頁(1967)で報告された、Exton 法;Clin. Chim. Acta,
5, 757 (1960) で報告された、Merlemans 法;及び Ana
l. Biochem., 72, 248 (1976) で報告された、クマシー
ブリリアントブルー法である。
(II)のような金属イオンと同様に、一般的に蛋白質
は、様々な物質、特にブロモフェノールブルー、クマシ
ーブリリアントブルー及びエオシンのような染料と相互
に作用する。典型的には、染料と金属イオンとの反応の
際に蛋白質を添加すると、染料−金属イオン溶液にスペ
クトル変化をもたらす。Fujitaらは、分析化学 Vol.32,
pp. E379-E386で、ピロガロールレッドとモリブデン
(VI)との反応の際に蛋白質を添加すると、ピロガロー
ルレッド−モリブデン(VI)錯体溶液のそれとは異なっ
たスペクトルをもたらすことを報告している。これらの
著者は、試験した金属イオンの中で、多量の鉄(II)が
蛋白質の測定を妨害し、また試験した陰イオンの中で、
クエン酸イオン、シュウ酸イオン及び酒石酸イオンのよ
うな有機酸が600nmにおける吸光度を減少させたこと
を報告している。他のイオンについては多量でも妨害し
なかったが、多量のクレアチニンとアミノ酸が600nm
における吸光度の僅かな増加をもたらしたことを、Fuji
taらは報告している。
ン酸塩、モリブデン酸イオンと錯体を形成しかつその吸
収バンドが蛋白質の存在下でシフトする色素及びモリブ
デン酸イオンと結合するキレート化剤を含む蛋白測定用
試験片を開示する。微量の蛋白質のための類似の測定法
が、特開昭61−155757号公報に開示されてお
り、その中でモリブデンと結合し得るキレート剤、或い
は試験試料中に通常に存在するシュウ酸、クエン酸、リ
ン酸又はこれらの塩と結合し得る金属イオンの使用が記
載されている。この分析は、ピロガロールレッドとモリ
ブデンとの錯体を用いた染料結合法である。低いpHにお
いて、染料−金属錯体は赤色である。高いpHにおいて脱
プロトン化された場合に、色は青色に変わる。蛋白質
は、正に帯電したアミノ酸群の相互作用によって、より
容易に(より低いpHにおいて)染料を脱プロトン化さ
せ、負に帯電した脱プロトン化した染料−モリブデン酸
イオン錯体を安定化させる。
ッド法における主な制限は、キレート化剤と、尿中に通
常見られる窒素化合物の干渉である。背景色(バックグ
ラウンド色)又は蛋白質のない場合の色はまた、尿中の
干渉する化合物に依存する。クエン酸イオン、リン酸イ
オン、酒石酸イオン及びシュウ酸イオンは、染料−金属
錯体を赤色にシフトする(機構Iにおけるプロトン化さ
れた形態)。
フトの傾向を以下の表1に示す。おそらくカルボン酸群
は、赤色のプロトン化された形態を安定化させるよう
に、金属と錯体を形成する。
類は、その錯体を青色(脱プロトン化された形態)にシ
フトする。この結果は、蛋白質で観察されたそれと同じ
である。この結果を観察するために、クレアチニン濃度
は、尿中での生理学上の極端な状態を示す、表3〜5に
おいて試験された範囲よりも高くなければならない。こ
れらの干渉は、キレート化剤又は染料と反応しない金属
イオンの使用によって引き下げられてきた。和光純薬工
業株式会社による2件の日本の特許では、干渉を引き下
げるために、ある種のキレートと金属の使用について記
載している。これらの特許、特開昭62−6170号公
報及び特開昭61−155757号公報では、モリブデ
ン酸イオン−ピロガロールレッド試薬の使用に関係した
干渉を制限するために、好ましい種としてシュウ酸を挙
げている。
ン酸イオンと同様な挙動でタングステン酸イオンが働く
ということが、つい最近発見された。有効なタングステ
ン酸塩には、タングステン酸ナトリウム、タングステン
酸カリウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸
アンモニウム、アルキル、ジアルキル、トリアルキル若
しくはテトラアルキルアンモニウムイオンをもつタング
ステン酸塩又は同様の陽イオンもつリンタングステン酸
塩が含まれる。
ステン酸イオンと、モリブデン酸イオン又はタングステ
ン酸イオンと錯体を形成してその吸収バンドが蛋白質の
存在下でシフトする染料の使用を伴った、尿中蛋白質分
析に向けられた改良である。改良は、蛋白質/モリブデ
ン酸イオン/染料指示薬の応答が進行するのを許容しな
がら、バックグラウンド干渉を引き下げるのに十分な量
で、反応媒体への、式(I):
れか又は−O−であり;かつm及びnは、それぞれ独立
して0又は1である)で示されるイオン化し得るリン酸
塩含有化合物の導入を含むものである。
たある種のそれの誘導体が、バックグラウンド干渉の低
減のために、尿中蛋白質測定のためのピロガロールレッ
ド・モリブデン酸法に適用され得る。ピロガロールレッ
ド法は、総蛋白質化学反応であり、すなわち、その応答
は蛋白質の種類に依存しない。例えば、15mg/dL のヒ
ト血清アルブミン(HSA)は、15mg/dL のIgGと
同じ応答を示す。機構Iに示した反応順序により、モリ
ブデン酸(VI)イオン、ピロガロールレッド及び蛋白質
が相互作用して、尿のような水性液体中の蛋白質に検出
可能な応答を提供する。
物質が原因であるバックグラウンド干渉という前述の問
題が存在する。その系へのフィチン酸の添加が、5.0
mg/dL 程度の低いレベルにおける尿中蛋白質の検出を許
容するのに十分な程、これらの物質によるバックグラウ
ンド干渉を低減させることを発見した。どのように本発
明がバックグラウンド干渉の低減という所望の結果を達
成するかに関して、特別の理論又は機構により制限する
意図はないが、フィチン酸又はその誘導体が、典型的に
尿中に存在するシュウ酸イオン、クエン酸イオン、クレ
アチニン及びアミノ酸類によってもたらされる波長シフ
トを低減させることによって、干渉を低減させると考え
られる。機構IIに示すように、フィチン酸は、それの負
に帯電した基の1個により、モリブデン酸イオンと錯形
成して染料−金属形態を安定化させ、赤色へのシフトが
生じて前述の波長シフトを低減させると考えられる。式
Iに包含されるすべての化合物は、錯形成反応のため
に、少なくとも一個の、環に付いている負電荷を含む。
この仲間の代表的な化合物は、それらがすべて、ある程
度の染料−モリブデン酸イオン−蛋白質錯体の沈殿(又
はこれとの相互作用)、及びある程度の赤色側への波長
シフトを示すという点で、フィチン酸と類似する。
を表3と比較せよ)。フィチン酸の存在下でのモリブデ
ン酸イオン及び/又はタングステン酸イオンと染料の結
合は、モリブデン酸イオンのもつ負電荷の増加をもたら
し、それにより正に帯電したアミノ酸基群と負に帯電し
た脱プロトン化した染料−モリブデン酸イオン錯体との
間の会合を増加させる。これにより、錯体とアミノ酸基
群との結合がより強固になり、蛋白質のもつ金属−染料
錯体の取り込み(包接、層間、吸着)能に対する依存度
がより小さくなるために、この分析法は多くの総蛋白質
分析に適する。フィチン酸又は式(I)に示されるそれ
の誘導体の非存在下において、蛋白質応答を示し、かつ
HSAとIgGとの間で等しくない応答をもたらすとい
う点において、単純リン酸はシュウ酸イオンと同様な挙
動を示す。特開昭61−155757号公報に示された
ピロリン酸塩類は、多電荷リン酸塩類であるが、それら
は蛋白質応答を高めたり、等しくしたりはしない。これ
は、ピロリン酸塩類が水と接触したときに加水分解し
て、単純リン酸イオンになるからかもしれない。これは
また、フィチン酸の環が蛋白質のもつ金属−染料錯体の
取り込み能に影響するとしたら、単純リン酸塩類中に環
構造が欠落しているからかもしれない。
使用する系に限定されない。モリブデン酸イオンと錯体
を形成し、その吸収バンドが蛋白質の存在下でシフトす
るいかなる染料をも用い得る。従って、適切な染料は、
蛋白質及び金属との結合特性をもち、かつ吸収極大のシ
フトが蛋白質の存在下で誘発されるこれらの染料を含
む。適切な染料は、ピロカテコールバイオレット(タン
グステン酸塩との使用において好ましい);ブロモピロ
ガロールレッド;オルト−ヒドロキシヒドロキノンフタ
レイン;テトラクロロガレイン;ビリジルブルー(vylid
yl blue);6、7−ジヒドロキシ−2、4−ジフェニル
ベンゾピリリウムクロリド( 6,7-dihydroxy-2,4-di-phe
nylbenzopyrillium chloride) ;クロマズロール5;ア
リザリンイエローR(モルダントオレンジ1);エリオ
クロムブラックT(モルダントブラック11);ネオラ
ンブルー2G(Neolan blue 2G)(アシッドブルー15
8);イルガラングレーBL(Irgalan grey BL) (アシ
ッドブラック58);1−2’、4’−ジヒドロキシフ
ェニルアゾ−5−クロロ−2−ヒドロキシベンゼン−3
−スルホン酸;コプランチンバイオレットBLL(copra
ntine violet BLL) (ダイレクトバイオレット82);
ベンゾファーストカッパーレッドGGL(benzo fast co
pper red GGL) (ダイレクトレッド180);ピグメン
トグリーンB(pigment green B) (ピグメントグリーン
8)及びナフトールグリーン(アシッドグリーン1)で
ある。
果として得られる580nmにおける吸光度を測定し、か
つその吸光度を標準曲線に対する蛋白質濃度に転換する
ことによる、溶液分析として遂行され得る。典型的に、
本システムは、吸収性の吸水性又は非吸水性支持体の形
態で、試験片として使用され、試薬類は、それらの溶液
中に試験片の担体基材を浸し、引き続いて液体を蒸発さ
せることにより適用される。メタノール、エタノール及
びアセトニトリルのような極性有機溶媒が試薬類の溶媒
として使用され得るが、典型的には、水性溶液が使用さ
れる。試験片として使用される吸収性担体基材は、紙、
セルロース、例えばナイロンのような合成樹脂製の布
類、又は不織布のような担体として通常使用される材料
からなる。吸収性担体基材は、典型的にはガラス繊維の
ような支持材料の層、又は構造的な支持を提供する合成
ポリマーシートに制限される。
例によって示される。
の溶液を、次のように調製した。
バックグラウンド干渉を、尿中で予期される生理学上の
極端な値で、既知の干渉物質を添加することにより測定
した。干渉物質を欠く水からの変色を測定した。HSA
とIgGの蛋白質応答を、干渉物質を含有した又は欠い
た尿溶液に、50mg/dL の蛋白質を添加することにより
測定した。蛋白質を欠く同様な溶液からの変色を、研究
生成物高速反射走査計(Research Products Rapid Refle
ctance Scanner) で測定した。この実験結果を表3に示
す。分離実験において、フィチン酸を2.5g/L (15
mM)の量で添加したことを除いて、上記と同様の組成物
を試験した。この実験結果を表4に示す。
−b* 2)2 )0.5 を用いて、2点のL* 、a* 、b* の値から計算される
ように、変色度を示す。バックグラウンドからのΔE
は、水からの変色度として計算される。蛋白質応答のΔ
Eは、蛋白質を欠く同様の溶液又は尿からの変色度とし
て計算される。 2) 高比重尿は1.022の比重を有しており、他方
低比重尿は1.007の比重を有していた。いずれの尿
も、調合物間で緩衝剤の緩衝能力においていかなる差も
無くするように、1.5のpHに調製した。
白質を伴った染料−金属錯体の色(蛋白質応答)はま
た、クエン酸イオン、リン酸イオン、酒石酸イオン、シ
ュウ酸イオン、クレアチニン及びアミノ酸類に依存する
ということが分かった。バックグラウンドに影響を及ぼ
す化合物は、蛋白質の存在下にも同じ影響を及ぼすであ
ろう。バックグラウンドの値分修正した、シフトの程度
を表3〜5に示す。尿中干渉化合物の濃度が、尿中での
生理学上の極端な値よりも高くない場合であって、かつ
蛋白質応答をバックグラウンドの値分修正した後では、
その尿中干渉化合物の影響はなかった。濃度が、尿中に
生理学上の極端な値である表3に試験した範囲よりも高
い場合には、バックグラウンドの値分修正した後でさ
え、付加的な影響を観察した。
リブデン酸イオン及びコハク酸の試験溶液を、シュウ酸
を1gm/Lのレベルで添加したことを除き、実施例1で記
載したように調製した。実施例1と同様に、バックグラ
ウンド干渉及びHSA/IgG蛋白質応答について、こ
の溶液を試験した。これらの試験結果を表5に示す。
が、バックグラウンド干渉、すなわちシュウ酸イオン、
クエン酸イオン、クレアチニン及びアンモニウムによっ
てもたらされる波長シフトを引き下げ得る、ということ
を示している。シュウ酸イオンの干渉を引き下げるため
にシュウ酸イオンを使用することは、マスキングと呼ば
れる通常の方法である。もしも干渉化合物がすでに過度
に存在し、かつそれよりも多い干渉化合物が試験試料を
介して添加されるならば、ごく僅か、もしあるにしても
付加的な変化が観察される。過度のシュウ酸イオンを伴
う分析は、シュウ酸イオンによってもたらされた赤色へ
の金属−染料のシフトを相殺するようpHを調整すること
により、操作する。しかしながら、フィチン酸の使用
は、蛋白質応答を増加させる一方で、シュウ酸の使用
は、増加させない。加えて、蛋白質間の応答は、フィチ
ン酸を用いた場合にはほぼ同等であるが、シュウ酸を用
いた場合には同等でないが、これはシュウ酸イオンがI
gGの応答を引き下げるのに対して、フィチン酸は引き
下げないからである。フィチン酸は、蛋白質の添加によ
り、染料−モリブデン酸イオン錯体を沈殿させるという
こともまた分かった。この効果は、蛋白質を分離もしく
は単離するため、または読み取り面上にその色を濃縮す
るために使用され得る。この効果はまた、蛋白質の結合
した染料−金属−フィチン酸錯体の安定化の原因である
かもしれない。過度のシュウ酸イオン(表5に示すよう
に)が存在する場合に、シュウ酸は蛋白質応答を引き下
げる。シュウ酸イオンの存在下でのモリブデン酸イオン
と染料との結合は、モリブデン酸イオンによってもたら
される負の電荷を引き下げる。これは、正に帯電したア
ミノ酸基群と負に帯電した脱プロトン化された染料−モ
リブデン酸イオン錯体との間の会合を引き下げる。その
ために、アミノ酸基群とその錯体との結合は、蛋白質
の、その構造中に染料を取り込ませる能力に、より依存
するようになり、分析感度がより低くなる。トリフェニ
ルアリール染料類とより容易に包接錯体を形成し得るヒ
ト血清アルブミンにとって、その分析法はまた、より特
異的になる。
Claims (10)
- 【請求項1】 モリブデン酸又はタングステン酸の塩
と、モリブデン酸イオン又はタングステン酸イオンと錯
体を形成しかつその錯体の吸収バンドが蛋白質の存在下
でシフトする染料を使用する、尿中蛋白質分析法であっ
て、 蛋白質/モリブデン酸イオン/染料指示薬の応答が進行
するのを許容しながら、バックグラウンド干渉を低減す
るのに十分な量で、式: 【化1】 (式中、2、3、4及び5は、 【化2】 からなる群から選択され;1は上記のいずれか又は−O
−であり;かつm及びnは、それぞれ独立して0又は1
である)で示されるイオン化し得るリン酸塩含有化合物
を導入する尿中蛋白質分析法。 - 【請求項2】 イオン化し得るリン酸塩含有化合物がフ
ィチン酸である、請求項1記載の分析法。 - 【請求項3】 該塩がモリブデン酸塩である、請求項1
記載の分析法。 - 【請求項4】 該染料が、ピロガロールレッドである、
請求項1〜3のいずれか1項記載の分析法。 - 【請求項5】 該蛋白質が、ヒト血清アルブミンであ
る、請求項4記載の分析法。 - 【請求項6】 該染料が、ピロカテコールバイオレッ
ト;ブロモピロガロールレッド;オルト−ヒドロキシヒ
ドロキノンフタレイン;テトラクロロガレイン;ビリジ
ルブルー;6、7−ジヒドロキシ−2、4−ジフェニル
ベンゾピリリウムクロリド;クロマズロール5;アリザ
リンイエローR;エリオクロムブラックT;ネオランブ
ルー2G;イルガラングレーBL;1−2’、4’−ジ
ヒドロキシフェニルアゾ−5−クロロ−2−ヒドロキシ
ベンゼン−3−スルホン酸;コプランチンバイオレット
BLL;ベンゾファーストカッパーレッドGGL;ピグ
メントグリーンB;又はナフトールグリーンである、請
求項1記載の分析法。 - 【請求項7】 モリブデン酸イオン又はタングステン酸
イオン、該染料及び該イオン化し得るリン酸塩含有化合
物を、適当な溶媒を用いたそれらの溶液の形態で、尿と
接触させる、請求項1記載の分析法。 - 【請求項8】 モリブデン酸イオン又はタングステン酸
イオン、該染料及び該イオン化し得るリン酸塩含有化合
物を、尿と接触させる前に、吸収性支持材料上に乾燥状
態で存在せしめる、請求項1記載の分析法。 - 【請求項9】 尿中蛋白質測定用組成物であって、 a)モリブデン酸又はタングスタン酸の塩; b)モリブデン酸イオン又はタングステン酸イオンと錯
体を形成し、かつその錯体の吸収バンドが蛋白質の存在
下でシフトする染料;及び c)式: 【化3】 (式中、2、3、4及び5は、 【化4】 からなる群から選択され;1は上記のいずれか又は−O
−であり;かつm及びnは、それぞれ独立して0又は1
である)で示されるイオン化し得るリン酸塩含有化合物
を含む尿中蛋白質測定用組成物。 - 【請求項10】 該塩が、モリブデン酸塩であり、かつ
該リン酸塩含有化合物がフィチン酸である、請求項9記
載の組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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US08/168,220 US5399498A (en) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | Reduction of background interferences in the molybdate-dye protein assay |
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