JP4818586B2 - アミン塩複合体の形成による有機試薬の診断試験装置への吸収 - Google Patents

アミン塩複合体の形成による有機試薬の診断試験装置への吸収 Download PDF

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Description

本発明は、診断試験装置の構成要素に有機試薬を吸収させる方法、およびこのような方法により調製された診断試験装置に関する。とりわけ、本発明は、診断試験ストリップの吸収材料に有機試薬を吸収させる方法およびこのような方法により調製された診断試験ストリップに関する。
ヒト体液、例えば尿のサンプル中の成分を分析するための診断試験装置、例えば乾燥装置の使用は周知である。ヒト体液中の成分を分析するために用いることができる診断試験ストリップは乾燥装置の一種である。診断試験ストリップは典型的には、手で持つ部分として提供されるプラスチック担体に付着した1つ以上の紙のパッドから構成される。
診断試験ストリップを用いて、1つ以上の試薬、例えば有機分子を含有する1つ以上の溶媒系に吸収材料、例えば紙を浸漬することにより、試薬を吸収材料に適用するかまたは吸収させる。溶媒系を吸収材料に浸漬すると、溶媒系に含有される試薬が吸収材料の繊維内に吸収されるか、または繊維に組み込まれるようになる。一度試薬を吸収材料に適用すると、吸収材料を乾燥し、そして試験ストリップに組み立てる。
次いで試薬を含有する乾燥した試験ストリップを用いて被験サンプル中の被検体の存在に関して試験することができる。典型的には、被験サンプルは、ヒトの尿またはその他の生物学的液体である。試験ストリップは、全タンパク質試験もしくはタンパク尿試験とも称されるタンパク質アッセイにおけるタンパク質を検出するか、またはアルブミン尿のごとき症状おいて特定のタンパク質の存在に関して試験するために頻繁に使用される。試験される被検体の例としては、非限定例としてはタンパク質、ホルモン、薬物、代謝物、グルコース、プロトン(すなわちpHに関して)、イオン(すなわち比重)、および血液細胞が含まれる。被検体の存在を試験するために、試験ストリップの試薬が被験サンプル中の特定の被検体との反応順序に加わる時点で、試験ストリップを被験サンプルに浸漬する。被験サンプル中の特定の被検体の存在を検出する場合、試験ストリップの試薬は装置により、または肉眼で検出可能な使用者に対するシグナル、例えば色の変化を伴って反応する。
試薬が診断試験装置、例えば試験ストリップの吸収材料に適用されるようになるために、試薬を吸収材料に適用するのに用いられる溶媒系に試薬を溶解させる必要がある。この溶媒系において試薬が可溶性であるほど、試薬はより多く吸収材料に適用され、そして吸収材料で得られる色はより濃くなる。吸収材料における試薬の濃度が高いと、しばしば色の表示をより濃くすることができる。
試薬が被験サンプル中の被検体を検出するために用いられる診断試験装置、例えば試験ストリップの吸収材料に吸収されるために、吸収材料の繊維内に捕捉されている試薬は典型的には被験サンプル中の被検体と相互作用できるように十分に可溶性である必要がある。すなわち吸収材料に吸収されている試薬は、典型的には、溶液化学に関して最終試験ストリップ環境(すなわち被験サンプル)において、特定の被検体が被験サンプル中に存在するという指標を生じかつ提示するために可溶性である必要がある。しかしながら、被験サンプル中の試薬の高い可溶性は、例えば試験ストリップの複数のパッド間で試薬の移動を生じ得るような問題としてある種の系で望ましくない可能性がある。最適な系ではアッセイの設計者が被験サンプル中の試薬の溶解性の程度を調節することが可能であろう。
典型的には診断試験装置の吸収材料に適用される有機試薬は、水性溶媒中で溶解性が全くないかもしくは有機溶媒中で非常に低い溶解性で、または有機溶媒中で溶解性が全くないかもしくは水性溶媒中で非常に低い溶解性でのいずれかで溶解する。一方、これらの有機試薬の多くは有機および水性溶媒中でトランソルビリティー(transolubility)が全くないか、またはトランソルビリティーが非常に低い。有機および水性溶媒中でのこれらの試薬のトランソルビリティーの欠如は、特定の試薬の診断試験装置への適用およびこれらの試薬を含有する診断試験装置の使用を困難にしている。
説明すると、有機溶媒を用いて診断試験装置の吸収材料に有機試薬を適用しなければならない場合、試薬は有機溶媒にのみ容易に溶解するが、続いて試薬が全く溶解性がないかまたは溶解性が非常に低い水性被験サンプル(すなわち尿)中のタンパク質の存在を検出するために試薬を使用しなければならないので、溶解性の問題が生じる。例えば、ピロガロールレッドは有機溶媒、例えばメタノールに溶解するが、水性溶媒、例えば水または尿には全く溶解性がないか、または溶解性が非常に低い、診断用タンパク質試験に通常用いられる色素である。アッセイ設計者に向けられた1つの挑戦は試薬、例えばピロガロールレッドを、水性溶媒を介して試験ストリップに適用し、そして次に試薬を用いて、試薬が溶解性を調節されている水性被験サンプル中のタンパク質の存在を検出する方法を見出すことであった。
有機および水性溶媒中でトランソルビリティーが非常に低い有機試薬を溶解するために用いられている1つの方法は、水性溶媒のアルカリ度を高めることである。このアプローチを用いて水性溶媒中にピロガロールレッドを溶解し、そして水性溶媒を介して色素を吸収材料、例えば試験紙に適用している。このアプローチを用いてピロガロールレッドを、水性溶媒を介して診断試験装置、例えば試験ストリップに適用することができるが、ピロガロールレッドを溶解するのに必要な強いアルカリ性の水性溶媒が、試験紙に許容できない色の変化を招き、紙を診断試験で使用できなくする。
有機および水性溶媒中でトランソルビリティーが低い有機試薬を溶解するために用いられる別の方法は、水混和性の補助溶媒、例えばアルコールを溶媒系に加えることである。このアプローチにもまた欠点がある。水混和性の補助溶媒の添加により溶媒系の1つの成分の溶解性を高めることができるが、その他の成分の溶解性が同時に低下する可能性がある。加えて、典型的には水溶性成分の溶解性を維持しながら有機試薬の溶解性を高めるために、水混和性の補助溶媒の量および種類の選択には注意が要され、しばしば試行錯誤される。
診断試験装置、例えば試験紙の吸収材料に試薬を適用するために用いられる溶媒における溶解性の程度が種々の試薬で異なっているので、しばしば複数回の浸漬または複数回の工程の適用法を用いる必要がある。例えば、望ましい試薬が互いに、または1つの溶媒系に含有される1つ以上の成分と反応する場合、複数回の浸漬の適用法を用いることができる。アッセイ設計者に向けられたもう1つの挑戦は複数の浸漬の適用方法が関与している試薬のトランソルビリティーを調節する方法を見出すことである。例えば、2つの浸漬の適用方法では、第1の浸漬溶液として水性溶媒を用いて試薬を試験紙に適用することができるが、試験紙が適用されることになっている第2の浸漬溶液への試薬の洗脱を防ぐために、第2の有機浸漬溶液では試薬は不溶性のままであるのが望ましい。
前記の理由のために、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーが低い試薬を有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して診断試験装置、例えば診断試験ストリップに適用し、続いて被験サンプル、例えば水性被験サンプル中の被検体の存在を検出するのに使用するための方法に関する必要性が存在する。(a)溶媒中の別の成分の溶解性に影響する補助溶媒を添加せずに、または添加する必要性が低く、および(b)望ましい溶媒に試薬を溶解するために試薬を厳しい化学的条件に付することなく、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物においてトランソルビリティーが低い試薬を有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して診断試験装置に適用するための方法に関する必要性もまた存在する。次の浸漬溶液への試薬の洗脱のごとき副次的な悪影響を伴わないで、複数の浸漬適用方法が関与する試薬のトランソルビリティーを調節する方法に関する必要性も存在する。アッセイ設計者が概して被験サンプル中の試薬の溶解性の程度を調節または選択できる診断試験装置に試薬を適用する方法に関する必要性もある。先に記載した欠点がなく、そして先に記載した利点を伴って調製することができる診断試験ストリップに関する必要性もまた存在する。
発明の概要
一態様に従って、有機酸試薬およびアミンを混合して塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験装置の構成要素に適用する。アミンは、式:
mNRn
で表され、式中、mは0、1、または2であり、nは1、2、または3であり、mおよびnの合計は3であり、ならびにRは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である。
別の態様に従って、有機試薬およびアミンを混合して塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機試薬が診断試験装置に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランソルビリティーが低い有機試薬を診断試験装置の構成要素に適用する。アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択される。
別の態様に従って、アミンおよび有機酸試薬を混合して塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験ストリップの紙に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、紙に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験ストリップの紙に適用する。アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択され、そして有機酸試薬は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、およびそれらの混合物から選択される。
更に別の態様に従って、イオン交換方法によりイオン化有機酸試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせて塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験装置の構成要素に適用する。アンモニウムイオンは、式:
NR4
で表され、式中、Rは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である。
更に別の態様に従って、有機酸試薬およびアミンを混合して塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーが低い有機酸試薬を含有する診断試験装置を調製する。アミンは、式:
mNRn
で表され、式中、mは0、1、または2であり、nは1、2、または3であり、mおよびnの合計は3であり、そしてRは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である。
更に別の態様に従って、イオン交換方法によりイオン化有機酸試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせて塩複合体を形成すること、塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させること、ならびに溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにすることにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーが低い有機酸試薬を含有する診断試験装置を調製する。アンモニウムイオンは、式:
NR4
で表され、式中、Rは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である。
本発明の上記概要は、本発明の各々の態様、または全ての具体例を表すことを意図してはいない。これは以下の詳細な説明の目的である。
発明の態様の説明
本発明の態様は、一つには、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーが低い試薬を有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して診断試験装置、例えば診断試験ストリップの吸収成分に適用でき、そして続いて有機被験サンプル、水性被験サンプル、およびそれらの混合物中の被検体の存在を検出するために使用することができるという発見に基づいている。(a)溶媒中の別の成分の溶解性に影響する補助溶媒を添加せずに、または添加する必要性が低く、および(b)望ましい溶媒に試薬を溶解するために試薬を厳しい化学的条件に付することなく、本明細書に記載する方法を用いて、トランソルビリティーが低い(複数の)試薬を、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して診断試験装置に適用することができる。概して本明細書に記載する方法を用いて最終被験サンプル中の試薬のトランソルビリティーを調節することができる。加えて、概して複数の浸漬適用方法を用いる場合、本明細書に記載する方法を用いて、次の浸漬溶液への試薬の洗脱のごとき副次的な悪影響を伴わないで、試薬のトランソルビリティーを調節することができる。
特定の特性を有するアミンを、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーがないかまたはトランソルビリティーが非常に低い有機酸試薬と混合することにより、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物に溶解できる塩複合体が形成されることが見出されている。次いで有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して、塩複合体を診断試験装置の1つ以上の構成要素、例えば吸収材料に吸収させることができる。診断試験装置の構成要素に有機試薬を吸収させるために塩複合体を形成することにより、一様に均質に、そして調節された様式で有機試薬を構成要素に適用することができる。
本明細書で用いる「トランソルビリティー」なる用語は、試薬が以下の溶媒の3つの型:水性溶媒、非水性溶媒、例えば有機溶媒、および水性溶媒と非水性溶媒の混合物の1つしか、またはどれにも溶解しないことと対照的に、これらの3つの型の溶媒の2つ以上に溶解することを示す。目的の試薬に関して適切な対イオンを選択することによりトランソルビリティーを達成することができる。
本発明の態様で使用するための適切な診断試験装置には、非限定例としては乾燥装置、例えば試験ストリップ、ワンド、スティック、チューブ、チップ、チャネル、ウェル、キャビティー、グリッド、ウエハー、ディスク、プレート、およびカートリッジが含まれ、ここで装置を構成する吸収材料上かまたは乾燥装置内もしくはそれに付着した吸収材料上に、試薬を乾燥フィルム、層、スポットまたはスポットのアレイとして適用する。適切な吸収材料の実例としては、非限定例としては紙、繊維、布、不織繊維マット、フェルト、多孔性膜、多孔性セラミック、多孔性親水性プラスチック、多孔性スポンジ、吸湿性ゲル、吸湿性ポリマー、および多孔性または吸湿性天然材料が含まれる。適切な紙の二つの例はAhlstrom Technicak Specialties(Mt.Holly Springs、ペンシルバニア州)から入手可能なAhlstrom 204およびWhatman Inc.(Ann Arbor、ミシガン州)から入手可能なWhatman 3MMであり、双方共にセルロースから作られている。本明細書に記載する方法により、試薬溶液を安定な液体として手動または自動診断アッセイ系において、例えば診断試験キットの一部として試薬容器において用いることが可能になる。
本発明の態様において使用するための診断試験装置に関するその他の適切な様式には、非限定例としては、ワイヤー、繊維、ワンド、スティック、チューブ、チップ、チャネル、ウェル、キャビティー、グリッド、ウエハー、ディスク、プレート、チャンバー、カプセル、およびガラスのカートリッジ、非多孔性セラミック、プラスチック、シリコーン、シリコン、その他の半導体、金属ならびに、試薬を保持するために吸収材料ではなく、形状または構造を使用できるコートされた紙が含まれる。診断試験装置が、臨床診断を実施するための微小規模の流体装置および微小規模のアッセイプラットフォーム、例えば非限定例としてはディスク、チップ、「ディスク上のラボ」、「チップ上のラボ」、「CD上のラボ」、マイクロチャネル、マイクロラボラトリー・アレイ、およびマイクロラボラトリー・ディスクでよいということも企図されている。このような様式は、先に記載した乾燥装置様式を補足することができ、そして/または乾燥装置様式の代わりに用いることができる。例えば、有機試薬を吸収材料、例えば紙に吸収させるために本明細書に記載する方法を用い、そしてこれらの紙で試験ストリップを構築するのではなく、代わりにこれらの紙を小型のパッチに形成し、これをチップ装置に取り付けることが企図される。本明細書に記載するように吸収材料に適用することができる有機試薬溶液を、代わりに診断試験ユニットの規定の部分に乾燥させるか、または注入することができることも企図される。
診断試験ストリップを用いる場合、試験ストリップを種々の材料から作製することができ、そして典型的には1つ以上の紙のパッドから作製し、この紙パッドを切断し、そしてポリマーまたはプラスチック担体に付着させて診断用ストリップを形成する。液体の吸収が可能である天然および合成材料、例えばポリエステル、ニトロセルロース、セラミックおよびフラスファイバーなどの、その他の織布、不織布、パターン化された、または成型された材料から試験ストリップ用のパッドを作製することができる。
本明細書に記載する方法には(a)親油特性、親水特性または親油性および親水性の双方の特性を有するアミンを、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーが全くないかまたはトランソルビリティーが非常に低い有機試薬と混合して塩複合体を形成すること、(b)有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物中で塩複合体を溶解して試薬を溶媒に放出させること、ならびに(c)試薬を含有する溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する試薬を診断試験装置に組み込むようにすること、が包含される。例えば吸収成分または材料、例えば紙を、溶媒に浸漬することにより試薬を含有する溶媒を診断試験装置に適用することができ、溶媒に溶解している試薬が吸収材料に適用されるようになる。
吸収成分または材料、例えば試験紙を乾燥し、そして乾燥試薬を含有する吸収材料を診断試験装置、例えば診断試験ストリップに組み立てることができる。次いで診断試験装置を有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中の被検体の存在を検出するのに用いることができる。本明細書に記載する方法に従って、診断試験装置を被験サンプル中に浸漬する場合、試薬を被験サンプル中に溶解させ、そして被験サンプル中の被検体と反応できるようになる。塩複合体を形成することにより吸収成分または材料に適用できる試薬の量が増えるので、被験サンプル中に溶解させ、そして本明細書に記載する方法を用いて被検体の存在を検出することができる試薬の量が増す。故に、本明細書に記載する方法および、本明細書に記載する方法により調製された診断試験装置を用いて、装置により、または肉眼で検出可能な使用者に対するシグナル(すなわち色の変化)が概して増強される。
診断試験装置に適用される有機試薬は概して有機酸である。有機試薬を、塩複合体を作製するためのアニオンの供給源として提供する。有機試薬の溶解性を促進するのに用いられるアミンを、有機試薬のアニオンにより提供される負の電荷に対抗する正の対イオンの供給源として提供する。正味電荷を有していない塩複合体を形成できるように、アニオンおよびカチオンの電荷を対抗させることができる。
本明細書に記載する方法および製品は多くの利点を提供する。本明細書に記載する方法および製品を用いることにより、有機試薬が通常有機溶媒のみ、または水性溶媒のみにしか溶解しない場合に、その試薬を、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を介して診断試験装置に適用することができる。この方法により、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中でトランソルビリティーがないか、またはトランソルビリティーが非常に低い有機試薬を、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物を用いて診断試験装置に吸収させる能力が改善される。本明細書に記載する方法および製品を用いることにより、通常有機被験サンプルのみにしか、または水性被験サンプルにしか溶解しない有機試薬を用いて有機被験サンプル、水性被験サンプル、およびそれらの混合物中の被検体の存在を検出することができる。
本明細書に記載する方法および製品の更なる利点は、方法および製品により使用者が概して特定の溶媒中で得られた塩複合体の溶解性の程度および、吸収成分または材料、例えば試験ストリップ紙に適用して被験サンプルと反応させる有機試薬の利用率を調節できる点である。試薬の吸収材料への取り込みの量および時期、ならびに被験サンプル中の被検体と反応するための試薬の放出または利用率を調節することができる。有機試薬およびアミンの特定の混合物を選択することにより、所望の場合、特定の溶媒により多くまたは少なく溶解するように塩複合体を設計することができる。例えば塩形成にトリ−n−オクチルアミンを選択することにより、トリエチルアミンと比較して、使用者はアリールスルホン酸塩試薬を有機溶媒中で更に可溶性にすることができる。より大きなまたは小さな水または非水親和性を有する目的の試薬に対する対イオンを選択することにより、概して有機溶媒、水性溶媒、および/またはそれらの混合物中の塩複合体の溶解性の程度を調節することができる。より大きな水親和性を有するこれらの塩は、より高い親水特性を有している。非水性溶媒に対するより大きな親和性を有するこれらの塩は、より高い親油特性を有している。
本明細書に記載する方法および製品の更なる利点は、方法および製品により使用者が概して被験サンプル中の被検体とのその相互作用において望ましい試薬の選択性を変化させることができるという点である。例えば、最終的なタンパク質指示反応が有機試薬と1つ以上のタンパク質との相互作用に依存する場合、これらの相互作用の部位は、親油性または親水性対イオンから形成される塩複合体に対する親和性の程度が異なっている親油性および親水性の特徴を有している。
本発明の態様において使用するための適切な有機試薬は、形成される塩複合体が有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中で可溶性であるように、酸性試薬とアミンのアニオンとの適合する相互作用を可能にする構造特性を有している。使用者が有機溶媒中の有機試薬の溶解性を高めることを望む場合、使用者は親油特性を有する高級脂肪族性または芳香族性の置換基、例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、アリール、またはフェニル基を有する試薬の選択を欲すればよい。使用者が水性溶媒中の有機試薬の溶解性を高めることを望む場合、使用者は親水特性を有する官能基、例えば−(CH2n−OH、−(CH2n−C(O)NH2、−(CH2n−SH、または−CH2CH2−(O−CH2CH2nOH基(ここでnはゼロまたは正の整数である)を有する試薬の選択を欲すればよい。本明細書で用いる「親油性」および「疎水性」なる用語は同義語であり、そして「疎油性」および「親水性」なる用語は同義語である。
塩複合体を形成するために用いられる有機試薬は典型的には有機酸である。適切な有機酸には、非限定例としては各々−COOH、−SO3H、および−OPO3H官能基を有するカルボン酸、スルホン酸、およびリン酸が含まれるが、親油性基を含有するアミンと組み合わせたときに、塩複合体を形成するために十分な酸度のイオン化できる基を提供できるいずれかの有機分子を用いることができることが企図される。適切な有機試薬の実例には、ピロガロールレッドおよび置換されたフェノールスルホンフタレインのごとき色素が、含まれる。
その他の適切な色素には、非限定例としては、アシッドアリザリンバイオレットN、アシッドブラック、アシッドブルー、アシッドオレンジ、アシッドグリーン、アシッドレッド、アシッドバイオレット、アシッドイエロー、アリザリンレッドS、アリザリンバイオレット3R、アリザリンイエローGG、アルファズリンA、アマランス、8−アニリノ−1−スルホン酸(ANS)、アルセナゾ色素、アウリントリカルボン酸、アゾカルミンB、ベンゾプルプリン、ビーブリッヒ(biebrich)スカーレット、ボルドーR、ブリリアントブラックBN、ブリリアントブルーG、ブリリアントブルーR、ブリリアントスルファフラビン、ブリリアントイエロー、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、ブロモピロガロールレッド、ブロモチモールブルー、ブロモキシレノールブルー、シカゴスカイブルー6B、クロロフォノールレッド、クロモトロープ色素、クロモキサンシアニン(chromoxane cyanine)R、キソフェニン(chysophenine)、チバクロン(cibacron)・ブリリアントレッド3B−A、チバクロン・ブリリアントイエロー3G−P、チバクロン・ブルー3G−A、コンゴーレッド、クレゾールフタレイン、クレゾールパープル、クレゾールレッド、ダイレクトレッド75、ダイレクトレッド81、ジニトロヘキサブロモスルホンフタレイン、エオシンB、エオシンY、エリオクロムブラックT、エリオクロムブルーブラック2B、エリオクロムレッドB、エリオグラウシン、エリスロシンB、エチルオレンジ、エバンスブルー、ファストグリーンFCF、ファストイエロー、フラバジンL、フルオレセイン、水溶性フルオレセイン、2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸(HABA)、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、インジゴカルミン、インジゴトリスルホン酸、インドシアニングリーン、ルシファーイエロー、メルブロミン、メタニルイエロー、メチルオレンジ、メチルレッド、メチルチモールブルー、モルダントオレンジ、モルダントレッド、モルダントイエロー、ナフトクロムグリーン、ナフトールAS BIホスフェート、ナフトールブルーブラック、ナフトールイエローS、ニューコクシン、ニッケルフタロシアニンテトラスルホン酸、ニトラジンイエロー、ニトロレッド、ニトロソナフトールジスルホン酸、ヌクレアファストレッド、オレンジG、オレンジII、パラチンクロムブラック6BN、パテントブルーVF、フェノールフタレイン、フェノールレッド、フロキシンB、プラスモコリントB、ポンソーS、ポンソーSS、プリムリン、ピロカテコールバイオレット、ロゾール酸、ローズベンガル、タルトラジン、テトラブロモフェノールブルー、テトラブロモフェノールフタレイン、テトラブロモフェノールスルホンフタレイン、チモールブルー、チモールフタレイン、チモールフタレイン一リン酸、タイロン、トロペオリンO、トリパンブルー、ビオラミンR、キシレノールブルー、キシリジルブルー、およびジンコンが含まれる。1つ以上の適合する有機試薬の混合物を本明細書で記載する方法および製品において用いることができる。有機試薬が色素である場合、それは通常塩複合体を形成するためのアニオンの供給源として提供される。
本発明の態様で用いるのに適したいくつかの色素のアニオン性構造を以下の構造A−Eとして示す。本発明で有用なブロモクレゾールグリーンの第1イオン化形態を構造Aで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なエオシンYの第1イオン化形態を構造Bで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なエリスロシンBの第1イオン化形態を構造Cで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なピロガロールレッドの第1イオン化形態を構造Dで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なロゾール酸の第1イオン化形態を構造Eで表す。
Figure 0004818586
塩複合体を形成するために用いられるアミンは、得られた塩複合体が有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中で可溶性であるように、カチオンの適合する相互作用を可能にする構造特性を有している。いくらかの親水特性を有している塩複合体にいくらかの親油性を与えるようにアミンを選択する。使用者が水性溶媒中の有機試薬の溶解性を高めることを望む場合、使用者はイオン化、極性化または水素結合性を高める構造特性、例えば−OH、−SH、−C(O)NH2、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、および/または−(CH2CH2O)n官能性を含有するR基を有するアミンを選択することを欲すればよい。使用者が有機溶媒中の有機試薬の溶解性を高めることを望む場合、使用者は通常的に知られている親油特性、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、芳香族、またはハロ芳香族官能基を有しているアミンを選択することを欲すればよい。また対イオン構造の選択により使用者はR基と溶媒との相互作用による沈殿または結晶化を阻止することもできる。
アミンは、有機試薬供給源により提供されるアニオンと対形成するときに塩複合体を形成するためのカチオン供給源である。本発明の態様において使用するのに適したアミンは概して以下の式を有している。
mNRn
アミンは、正味電荷を有していない形態でよく、式中、mは0、1、または2であり、nは1、2、または3であり、そしてmおよびnの合計は3である。アミンはまたアンモニウム形態でよく、この場合mの値は1だけ大きくなる。更にアミンは荷電した第4級形態でもよく、この場合nは4であり、そしてmはゼロに等しい。Rは独立して選択される基であり、nが1よりも大きい場合、Rは同一でも異なっていてもよいことを意味している。本発明の方法および製品に従って、塩複合体を形成するのに用いられるアミンは親油特性、親水特性、または親油性および親水性の双方の特性を有していてよい。
塩複合体を形成するためのカチオンの供給源として荷電した第4級アミンを用いる場合、イオン化有機試薬、例えば有機酸試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせて塩複合体を形成することができ、ここでアンモニウムイオンは、式:
NR4
で表される。Rは独立して選択される基であり、Rは同一でも異なっていてもよいことを意味している。本発明の方法および製品に従って、塩複合体を形成するのに用いられる荷電した第4級アミンは、親油特性、親水特性、または親油性および親水性の双方の特性を有していてよい。
技術分野で公知の種々の方法により、例えばイオン交換法により、イオン化有機試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせることができる。例えばイオン交換媒体、例えばイオン化可能な基を有する樹脂または炭水化物を用いてバッチ様式またはカラム様式を用いてイオン交換を実施することができる。有機酸に関する典型的なイオン交換法を、有機酸をカラムに結合させるために適切な形態、例えば水酸化物で調製したアニオンイオン交換媒体のカラムに、有機酸をイオン化pHで、または塩、例えばナトリウムとして負荷することで開始することができる。次いで第4級アンモニウム塩、例えば塩化テトラエチルアンモニウムの溶液をカラムに適用することができる。塩化物イオンが有機酸アニオンと置き換わり、そしてカラム媒体から有機酸アニオンを放出するので、残りの第4級アンモニウムイオンはイオン化有機酸と対形成し、有機酸の第4級アンモニウム塩の溶液をカラムから溶出することが可能になる。
塩複合体の望ましい溶解性の程度は、特定の製造方法および最終製品の究極的な機能に必要な溶媒の種類に基づいて変動し得る。例えば、特定のタンパク質色素は、製造浸漬方法の1つの工程のために水性溶媒(すなわち含水量の大きい溶媒)に溶解するが、色素が、有機溶媒に洗い流されるのを阻止するために、次の工程での有機溶媒には不溶性である必要があるかもしれない。医学的診断のためには、色素塩は概して、生物学的サンプル、例えば尿との化学反応に利用できるためにいくらか水溶性を有している必要がある。更に色素塩は、タンパク質の親油性または親水性部分への誘引により、タンパク質への結合時に保存または増強できる色調変化のごとき機能を有することができる。塩複合体を形成するために用いられるアミンはこれらの溶解および適合性特性を色素に与えることができる。
アミンでの使用に適したR基の選択は、概して有機溶媒、水性溶媒、またはそれらの混合物の各々におけるアミンの望ましい溶解性の程度に依存する。n=0およびm=3で始まって、アミンは概して親水特性を有している。アミンの親水特性を維持するか、またはアミンに親油特性を加えるためにR基およびR基の数を選択することができる。
得られた塩複合体が望ましい有機溶媒、水性溶媒、またはそれらの混合物に溶解するようにアミンに十分な親油性または親水性を提供し、そして塩複合体の有機溶媒、水性溶媒、またはそれらの混合物との適合する相互作用を可能にするためにRを選択する。水性溶媒、有機溶媒、およびそれらの混合物中に塩複合体を溶解させするためにRを選択する。Rにより提供される望ましい溶解特性を、RHまたはROHのごとき物質に関するオクタノール/水の分配比のごときデータから推定することができる。ある態様では、Rは親油性および親水性の双方の特性を有する置換基でよい。別の態様では、少なくとも1つのR基は、塩複合体を有機溶媒に可溶性にするのに十分な親油性を提供し、そして塩複合体を水性溶媒、または水性溶媒および有機溶媒の混合物に可溶性にするのに十分な親水性を提供する。Rを、非限定例として、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、芳香族、ハロ芳香族、アルキルアミノアセチル、ヒドロキシアルキル、およびヒドロキシアルコキシアルキル置換基から選択することができる。
アミンで使用するためのmおよびnの値の選択は、概して選択されたR基の親水性の程度、およびアミンの別の試薬に対する反応性に依存する。例えば、n=0、1、または2である場合、アミンはいくつかの求核反応に参加できる。使用者が、有機溶媒中で診断試験装置に適用される有機試薬の溶解性を高めることを望む場合、使用者はnに関してより高い値、例えばトリオクチルアミンのn=3、を有する疎水性の置換基を有するアミンを選択することを欲すればよい。塩複合体の疎水特性はR基の疎水特性が高くなるほど、概して高くなる。例えばRをエチルからブチルに変えると、塩複合体の疎水特性は概して高くなるが、Rをオクチルからブチルに変えると、塩複合体の疎水特性は概して低くなる。
本発明の態様で使用するのに適したアミンの実例には、非限定例として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物が含まれる。いくつかの態様では、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)を使用する。その使用が絶対不可欠ではないが、TRISのヒドロキシ基が水性溶媒と適合し、そして−CH2OH基もまた有機溶媒、例えばメタノールに適合するアルキル特性を有していると考えられる。
本発明の態様において荷電した第4級アミンを用いる場合、適切な第4級アンモニウム塩には、非限定例としては、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化フェニルトリメチルアンモニウム、臭化テトラペンチルアンモニウム、臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テトラヘプチルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、および臭化テトラオクタデシルアンモニウムが含まれる。
本発明の態様において使用するのに適した第4級アンモニウムイオンの実例には、非限定例として、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、およびテトラオクタデシルアンモニウムが含まれる。
本発明の態様で用いるのに適したいくつかのアミンのイオン構造を、以下の構造F−Jとして示す。本発明で有用なトリオクチルアンモニウムイオンを構造Fで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なトリエチルアンモニウムイオンを構造Gで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なトリエタノールアンモニウムイオンを構造Hで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なTRISのアンモニウム形態を構造Iで表す。
Figure 0004818586
本発明で有用なグルクアンモニウム(glucammonium)イオンを構造Jで表す。
Figure 0004818586
先に記載した工程により一度塩複合体を形成すると、塩複合体を有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物に溶解する。1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物の実例は、アルコールおよび水の混合物である。塩複合体を有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物に溶解することにより、試薬を溶媒に放出させることができる。有機試薬およびアミンを混合することにより形成した塩複合体は概して、塩を形成していない有機試薬単独よりも広範な溶媒に溶解する。
塩複合体が溶解できる適切な有機溶媒の実例には、非限定例として、アルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ならびにトルエンおよびTHFの混合物が含まれる。塩複合体が溶解できる適切な水性溶媒の実例には、非限定例として、水ならびにアルコールおよび水の混合物が含まれる。複数回の浸漬適用方法、例えば2回浸漬適用に適した溶媒の実例には、非限定例として、アルコール−水混合物およびTHF−トルエン混合物が含まれる。
望ましい溶媒に塩複合体を溶解するときに、試薬が溶媒に放出される。次いで使用者が吸収材料、例えば紙を望ましい溶媒に浸漬する場合、溶媒に存在する試薬が吸収材料に吸収されるようになる。使用者は概して、得られた塩複合体が有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中で望ましい程度の溶解性を有するように特定のアミンおよび特定の有機試薬を選択することにより、溶媒または被験サンプル中の試薬の溶解性の程度を調節することができる。本明細書に記載する方法および本明細書に記載する方法により調製された診断試験装置により、使用者が概して複数回の浸漬適用方法の種々の浸漬溶液において試薬の溶解性の程度を調節することが可能になる。
先に記載した方法により一度試薬が吸収成分に吸収されると、吸収成分を乾燥し、そして診断試験装置、例えば有機被験サンプル、水性被験サンプル、ならびに1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物における被検体の存在を検出するのに使用するための診断試験ストリップに組み立てる。適切な被験サンプルの実例には、体液および希釈されたその水性混合物が含まれる。
本発明の態様を例示するために以下の実施例を提示する。これらの実施例は、別に本明細書で記載および主張するように本発明を限定するように解釈されるべきではない。
3つのサブミックス(サブミックス1〜3)を添加することにより第1水溶液を形成した。サブミックス1を形成するために、メタノール10ml、メタノール中125mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)1.76ml、およびピロガロールレッド44.0mgを一緒に加えた。これらの成分を約20から約30分間混合してサブミックス1を形成した。サブミックス2を形成するために、40% フィチン酸4.10g(3.20ml)、5% 31−50KのPVA(ポリビニルアルコール)水溶液8.00ml、1N NaOH 11.2ml、100mg/mlモリブデン酸ナトリウム水溶液0.654ml、および水45.6mlを一緒に加えた。NaOHを加えてpHおよそ2.3に調整した。これらの成分を約60分間混合してサブミックス2を形成した。サブミックス3を形成するために、シュウ酸2ナトリウム217.5mg、pH2.5の500mM L−シトルリン120.0ml、およびチバクロン・ブリリアントイエロー100.0mgを一緒に加えた。これらの成分を約30分間混合してサブミックス3を形成した。
サブミックス1およびサブミックス2を約10分間一緒に混合した。次に、サブミックス3をサブミックス1およびサブミックス2の組み合わせに加え、そして均一になるまで混合した。サブミックス1、2および3の混合物をpH2.6に調整した。サブミックス1〜3を用いて第1浸漬溶液を形成し、水で容量200mlに調整した。
試薬紙を第1浸漬溶液200mlに浸漬し、そして3段階トンネル式オーブン中50/50/70℃で、1インチの空気流で乾燥した。使用した試薬紙は4インチAhlstrom204紙から作製した。
以下の手順で第2浸漬溶液を作製した。例えば米国特許第5,424,215号に開示されるKOK(ポリプロピレングリコールカーボネートポリマー)0.48gを直接ビーカー中で重量測定した。次いでDNHB(5’5”ジニトロ−3’,3”,3,4,5,6−ヘキサブロモフェノールスルホンフタレイン)36.57mgを、KOKを含有する容器に加えた。ドラフト中、安定化したTHF16mlをKOKおよびDNHBの混合物に加えた。トルエン144mlをKOK、DNHBおよびTHFの混合物に加え、そして均質になるまで混合して第2浸漬溶液を形成した。第2浸漬溶液は24時間安定であった。
次いで試薬紙を第2浸漬溶液160mlに浸漬した。診断試薬紙を3段階トンネル式オーブン中50/50/70℃で、1インチの空気流で乾燥した。その紙を切断して診断試験ストリップの活性パッドを形成した。診断用ストリップはポリマーストリップに付着した活性パッドを含んだ。
96% メタノール、2% エタノールおよび2% 水中に、表1〜5に列挙した5つの色素(すなわちブロモクレゾールグリーン、エオシンY、ロゾール酸、8−アニリノ−1−スルホン酸、エリスロシンB)の5mM 溶液を調製した。次いで5つの色素溶液を表1〜5に列挙した各塩基(すなわち水酸化ナトリウム、TRIS、およびトリエチルアミン)の1当量により処理し、塩溶液(すなわち、各々ナトリウム塩溶液、TRIS塩溶液、およびトリエチルアミン塩溶液)を形成した。
次いで各塩溶液の50μl部分を水950μlおよびブタノール1000μlと混合した。次いでAldrich Chemical社から入手可能なMixxor抽出機で抽出を実施した。長々と接触相を処理する必要がある場合、サンプルを遠心した。
次いで各々の塩溶液に関して試験を実施して各々の色素の塩がブタノール(より親油性の溶媒)または水(あまり親油性でない溶媒)のいずれに優先的に溶解するかを決定した。Hewlett Packard 8453 ダイオードアレイ分光光度計および1ml 石英キュベットを用いて分光法によりブタノール層対水層に関する色素濃度の比率を決定した。ブタノールブランクまたは水ブランクに対する分光法を、上(ブタノール)層または下(水)層50μlプラス対応する溶媒950μlとして行った。石英キュベット中の溶媒で、全吸光度をブランク化し、そして次にキュベットの配置、塵等を補正するための計算を行う前に、900nmでの吸光度でベースライン補正した。次いで以下に記した波長で全吸光度を測定した。
水に対するブタノール吸光度レベルを決定する前に、ブタノール中の溶質の吸光度を、最大波長における溶媒依存的シフトならびにブタノールおよび水中の既知の重量の色素塩の参照スペクトルに基づく強度に関して補正した。このような場合、ブタノール吸光度の水吸光度に対する分配比を以下の式を用いて計算した。
分配比=ブタノール中のサンプル吸光度x強度因子/水中のサンプル吸光度
ここで強度因子は以下の式を用いて計算された。
強度因子=水中λmaxでの参照サンプル吸光度/ブタノール中λmaxでの参照サンプル吸光度
2つの異なる溶媒中の同一濃度の色素が、2つの異なる吸光度を生み出す場合に関しては、強度因子を調整する。
水吸光度、ブタノール吸光度、強度因子、未加工の吸光度比、および各々の塩溶液の分配比を以下の表1〜5に示す。
Figure 0004818586
1 波長(λmax)は615nmであった。
2 波長(λmax)は630nmであった。
Figure 0004818586
3 波長(λmax)は518nmであった。
4 波長(λmax)は530nmであった。
Figure 0004818586
5 波長(λmax)は547nmであった。
6 強力な溶媒依存的スペクトル強度および優勢なロゾール酸塩のブタノール分配のために、その吸光度を測定する前にロゾール酸塩の参照サンプルのための水性溶媒をブタノールで飽和させた。ロゾール酸塩の場合の水層の吸光度は非常に弱く、希釈せずに、4倍である溶液を測定した。従って、前記の表3で示す水性吸光度は、4で割られている。
7 波長(λmax)は562nmであった。
Figure 0004818586
8 波長(λmax)は265nmであった。
9 波長(λmax)は269nmであった。
Figure 0004818586
10 波長(λmax)は528nmであった。
11 波長(λmax)は536nmであった。
前記の表1〜5に示すデータはブタノール層対水層の各々の色素塩の分配のより高い比率が、試験した中で最も親油性のアミンであるトリエチルアミンで得られたことを示している。これらの結果は、トリエチルアンモニウムカチオンの存在で塩がより親油性になり、溶媒が、より親油性であるほど、ブタノール層で溶解する塩をより多くすることができることを示している。
2% エタノールおよび2% 水を含むメタノール中2mg/ml ピロガロールレッド溶液を調製した。次いでピロガロールレッド溶液を表6(すなわちトリエタノールアミン、グルカミン、水酸化ナトリウム、トリオクチルアミン、TRISおよびトリエチルアミン)に列挙した各塩基1当量により処理し、各々のピロガロールレッド塩溶液(すなわち各々トリエタノールアミン塩溶液、グルカミン塩溶液、ナトリウム塩溶液、トリオクチルアミン塩溶液、TRIS塩溶液およびトリエチルアミン塩溶液)を形成した。
次いで各ピロガロールレッド塩溶液50μlのアリコートを水950μlおよびブタノール1000μlと混合した。次いでMixxor抽出機で抽出を行った。
次いで各々の塩溶液に関して試験を行い、ピロガロールレッド色素の塩がブタノール(より親油性の溶媒)または水(あまり親油性でない溶媒)のいずれに優先的に溶解するかを決定した。Hewlett Packard 8453 ダイオードアレイ分光光度計および石英キュベット1mlを用いて分光法によりブタノール層対水層に関する色素濃度の比率を決定した。ブタノールブランクまたは水ブランクに対する分光法を、上(ブタノール)層または下(水)層50μlプラス対応する溶媒950μlとして行った。石英キュベット中の溶媒で、全吸光度をブランク化し、そして次にキュベットの配置、塵等を補正するための計算を行う前に、900nmでの吸光度でベースライン補正し、そして次に276nmで測定した。
Figure 0004818586
前記の表6に示すデータはブタノール層対水層の各々の色素塩の分配のより高い比率が、試験した中で最も親油性のアミンであるトリオクチルアミンで得られたことを示している。これらの結果は、トリオクチルアンモニウムカチオンの存在で塩がより親油性になり、溶媒が、より親油性であるほど、ブタノール層で溶解する塩をより多くすることができることを示している。
2% エタノールおよび2% 水を含むメタノール中2mg/ml ピロガロールレッド溶液を調製した。次いでピロガロールレッド溶液を以下のアミン:TRIS、トリエタノールアミン、グルカミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、およびナトリウム1当量により処理し、表7に列挙する各々のピロガロールレッド塩溶液(すなわち各々TRIS塩溶液、トリエタノールアミン塩溶液、グルカミン塩溶液、トリエチルアミン塩溶液、トリオクチルアミン塩溶液、およびナトリウム塩溶液)を形成した。
次いで各ピロガロールレッド塩溶液100μlのアリコートを、トルエン0〜100μlおよび残りをメタノールで1000μlの溶液にした。トルエンは、概して親油性である非極性有機溶媒である。密閉したバイアル中溶液1000μlを一晩放置して沈殿を形成させた。次いでサンプルを遠心した。
次いで遠心したサンプルの液体部分を分光法により分析した。トルエン中の各塩溶液の濃度の比率の分析をメタノールブランクに対して測定した。この分析を実施してトルエンのパーセンテージを高めた溶液中のピロガロールレッド塩の溶解度の閾値を決定した。遠心したサンプルの液体部分の溶解性をHewlett Packard 8453 ダイオードアレイ分光光度計および1ml 石英キュベットを用いて分光法により決定した。メタノールブランクに対する分光法を、液体50μlプラスメタノール950μlとして行った。遠心上澄の収率(すなわちどのくらいの量のピロガロールレッドが溶液に残ったか)を518nmの吸光度で決定し、そして全ての塩の完全な、そして安定した溶解性(収率100%)を提供する、トルエンを含有しない溶液の吸光度レベルと比較した。
Figure 0004818586
* 前記の表7の影を付けた項目は各塩が一晩溶解したままである溶媒中のトルエンの比率を表す。
前記の表7に示すデータは溶液の吸光度の収率として表される、親油性が高められている溶媒中のピロガロールレッドの安定性を示している。前記の表7に示すデータは、より親油性のカチオン、例えばTRIS、トリエチルアミン、およびトリオクチルアミンのカチオンにより多くのピロガロールレッド色素塩が非極性有機成分、例えばトルエンを有する溶液に残ることが可能になることを示している。
ピロガロールレッドの塩を用いて異なるタンパク質の相対検出を決定するために、BioTek、Precision 2000 96/384 ウェル・マイクロプレート自動ピペッティングシステムの自動タンパク質アッセイが考案された。希釈器を試薬180μl+サンプル40μlの反応にプログラムした。試薬は160μM モリブデン酸塩および54μM ピロガロールレッド塩を含む250mM シトルリンバッファー(pH2.5)であった。サンプルはリン酸塩緩衝食塩水(ブランク)、25mg/dl ヒト血清アルブミン(HSA)、およびその他のタンパク質(すなわちヒトIgG、タム・ホースファル(Tam-Horsfal)、およびラムダ軽鎖)25mg/dlであった。
BioTek「KC Jr」ソフトウェアを用いて吸光度比データをBiotek、Powerwave X マイクロプレート吸光度リーダーに収集し、ピロガロールレッドの塩を用いて異なるタンパク質(すなわちHSA、ヒトIgG、タム・ホースファル、およびラムダ軽鎖)の相対検出を決定した。異なるタンパク質の2セットの反復実験を行なった。600nm(青色の吸光周波数)で吸光度を測定し、そして37℃で10分後、900nm(可視範囲を超える吸光周波数)でのベースライン吸光度を引いた。リン酸塩緩衝食塩水サンプルの反応結果をタンパク質の反応結果から引くことによりタンパク質応答を決定した。反応時間10分で600nmおよび900nmでの正味吸光度を以下の表8で示す。
Figure 0004818586
ピロガロールレッドのナトリウム塩に対するトリオクチルアミン塩に関して、タンパク質サンプルから非タンパク質サンプルを引いた正味タンパク質応答を以下の表9に示す。反応時間10分で600nmでの吸光度を900nmでのベースライン吸光度により補正し、そして平均データとして以下の表9に示す。
Figure 0004818586
この実験はピロガロールレッドのナトリウム塩からのタンパク質に対する穏やかな応答を示した。タンパク質サンプルに関する600nmでの吸光度は0.201〜0.211の範囲であったが、非タンパク質サンプル(すなわちPBSブランク)に関する600nmでの吸光度は低く、0.196〜0.200の範囲であった。900nm吸光度バックグラウンドを引いた後、タンパク質と非タンパク質反応との間の平均の差は6〜15ミリ吸光度単位の範囲であった。
しかしながら、高度に親油性のカチオン、トリオクチルアンモニウムは非タンパク質ブランクのピロガロールレッド試薬溶液を即座に強力な青色にし、これはタンパク質反応と色で区別できなかった。非タンパク質ブランクの吸光度レベルはタンパク質反応の吸光度レベルよりもわずかに強力であった。トリオクチルアンモニウム・ピロガロールレッドの青色は、タンパク質を伴う場合(600nmでの吸光度=0.44〜0.48)もタンパク質を伴わない場合(600nmでの吸光度=0.48〜0.49)も、シトルリンバッファー中でインキュベートしたときに消えなかった。このデータはアニオン色素および親油性カチオンのイオン対は会合し続けることができ、そして多量のナトリウムカチオンの存在下でも中程度の時間にわたって安定であることを示唆している。
ピロガロールレッドの塩を用いて異なるタンパク質の相対検出を決定するために、BioTek、Precision 2000 96/384 ウェル・マイクロプレート自動ピペッティングシステムの自動タンパク質アッセイが考案された。希釈器を試薬180μl+サンプル40μlの反応にプログラムした。試薬は160μM モリブデン酸塩および74μM ピロガロールレッド塩を含む250mM シトルリンバッファー(pH2.5)であった。サンプルはリン酸塩緩衝食塩水(ブランク)、25mg/dl ヒト血清アルブミン(HSA)、およびその他のタンパク質(すなわちヒトIgG、タム・ホースファル、およびラムダ軽鎖)25mg/dlであった。
BioTek「KC Jr」ソフトウェアを用いて吸光度比データをBiotek Powerwave X マイクロプレート吸光度リーダーに収集し、ピロガロールレッドの塩を用いて異なるタンパク質(すなわちHSA、ヒトIgG、タム・ホースファル、およびラムダ軽鎖)の相対検出を決定した。異なるタンパク質の2セットの反復実験を行なった。600nmで吸光度を測定し、そして37℃で10分後、900nmでのベースライン吸光度を引いた。リン酸塩緩衝食塩水サンプルの反応結果をタンパク質の反応結果から引くことによりタンパク質応答を決定した。リン酸塩緩衝食塩水(PBS)サンプルの反応結果を引いた後、反応時間10分で600nmでの2セットの反復実験に関する平均の正味吸光度を以下の表10で示す。
Figure 0004818586
以下の表11で示すように、非アルブミンタンパク質のタンパク質等価物に関する結果をHSAに対するタンパク質比色応答のパーセンテージとして表現した。
Figure 0004818586
前記の表11で示すように、ナトリウム塩と比較して、多くの複合化カチオンを伴う4つの塩によりIgGおよびタム・ホースファルタンパク質に関してほぼ類似の結果が得られた。より親油性のトリエチルアンモニウム対イオンはラムダ軽鎖タンパク質に対してナトリウム(8%)よりも応答性が低かった(3%)。より親水性のグルクアンモニウムカチオンはラムダ軽鎖タンパク質に対してナトリウム(8%)よりも応答性が高かった(14%)。ピロガロールレッドのナトリウム塩は結合に関して異なる親和性、および従って異なるタンパク質に対する異なる検出応答を呈することが解っている。実施例6により、イオン化された色素の異なるタンパク質に対する相対的親和性がその対イオンの特性により影響を受けることが実証される。
本発明を多くの態様と共に記載してきたが、本発明の範囲が特定の態様により限定されることを意図するものではない。記載された態様からの修飾および変法が存在する。例えば本発明は、生物学的液体、例えばヒト尿を含む被験サンプルに関連して記載しているが、適切な被験サンプルはまた農業または環境の液体をも含めてもよい。
加えて、本発明の方法および製品は有機酸試薬、例えば酸性色素に関連して記載してきたが、技術を有機可溶酵素基質、例えばブロモ、クロロインドリルリン酸塩にも適用できることが企図される。有機溶媒に溶解するが、水性溶媒では溶解性が全くないか、または溶解性が非常に低い酵素基質が水性溶媒中で可溶性になるように、有機可溶酵素基質を前記で論じた親水特性を有するアミンと組み合わせることもできることが企図される。
また、本発明の方法および製品を有機酸である試薬と関連して記載してきたが、技術を正の電荷を発達させることができる基を有する有機分子、例えば有機アミンにも適用できることが企図される。例えば、有機アミンをRSO3HまたはROPO3HまたはRCO2H(ここでRは先に記載したのと類似の様式で望ましい親水または疎水特性に基づいて選択される)と対抗させることができた。
本発明の特定の態様および適用を説明し、そして記載してきたが、本発明は、本明細書に開示した正確な構築および組成に限定されるものでなく、そして添付の請求の範囲で定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の修飾、変化、および変法が前記の記載から明らかであることを理解すべきである。

Claims (35)

  1. 有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験装置の構成要素に適用する方法であって:
    有機酸試薬およびアミンを混合して塩複合体を形成する工程
    [該アミンは、式:
    mNRn
    (式中、mは0、1、または2であり、nは1、2、または3であり、mおよびnの合計は3であり、そしてRは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である)で表される];
    塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにする工程、
    を含む方法。
  2. Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、芳香族、ハロ芳香族、アルキルアミノアセチル、ヒドロキシアルキル、またはヒドロキシアルコキシアルキルから独立して選択される、請求項1記載の方法。
  3. アミンが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項1記載の方法。
  4. アミンが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項1記載の方法。
  5. 有機酸試薬が、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項1記載の方法。
  6. 有機酸試薬が、色素である、請求項1記載の方法。
  7. 色素が、ピロガロールレッドまたはフェノールスルホンフタレインである、請求項6記載の方法。
  8. 溶媒が、有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物である、請求項1記載の方法。
  9. 診断試験装置が、診断試験ストリップであり、構成要素が紙である、請求項1記載の方法。
  10. 診断試験ストリップが、液体中の被検体の存在を検出するために適用される、請求項9記載の方法。
  11. 被検体が、タンパク質である、請求項10記載の方法。
  12. 有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機試薬を診断試験装置の構成要素に適用する方法であって:
    有機試薬ならびに、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択されるアミンを混合して塩複合体を形成する工程;
    塩複合体を溶媒に溶解して有機試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにする工程、
    を含む方法(ここで、該有機試薬は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、およびそれらの混合物から選択される)。
  13. アミンが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項12記載の方法。
  14. 有機試薬が、色素である、請求項12記載の方法。
  15. 色素が、ピロガロールレッドまたはフェノールスルホンフタレインである、請求項14記載の方法。
  16. 溶媒が、有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物である、請求項12記載の方法。
  17. 診断試験装置が、液体中のタンパク質の存在を検出するために適用される、請求項12記載の方法。
  18. 診断試験装置が、診断試験ストリップであり、構成要素が紙である、請求項12記載の方法。
  19. 有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験ストリップの紙に適用する方法であって:
    トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択されるアミン、ならびにカルボン酸、スルホン酸、リン酸、およびそれらの混合物から選択される有機酸試薬を混合して塩複合体を形成する工程;
    塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験ストリップの紙に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、紙に組み込まれるようにする工程、
    を含む方法。
  20. アミンが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項19記載の方法。
  21. 有機酸試薬が、ピロガロールレッドまたはフェノールスルホンフタレインから選択される色素である、請求項19記載の方法。
  22. 溶媒が、有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物である、請求項19記載の方法。
  23. 有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機酸試薬を診断試験装置の構成要素に適用する方法であって:
    イオン交換方法によりイオン化有機酸試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせて塩複合体を形成する工程
    [該アンモニウムイオンは、式:
    NR4
    (式中、Rは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に溶解させる独立して選択される基である)で表される];
    塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにする工程、
    を含む方法。
  24. 有機酸試薬およびアミンを混合して塩複合体を形成する工程
    [該アミンは、式:
    mNRn
    (式中、mは0、1、または2であり、nは1、2、または3であり、mおよびnの合計は3であり、そしてRは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である)で表される];
    塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにする工程、
    により調製された、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機酸試薬を含有する診断試験装置。
  25. Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、芳香族、ハロ芳香族、アルキルアミノアセチル、ヒドロキシアルキル、またはヒドロキシアルコキシアルキルから独立して選択される、請求項24記載の診断試験装置。
  26. アミンが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アミノエタノール、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、ポリエチレングリコールアミン、アミノ酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項24記載の診断試験装置。
  27. アミンが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである、請求項24記載の診断試験装置。
  28. 有機酸試薬が、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、およびそれらの混合物から選択される、請求項24記載の診断試験装置。
  29. 有機酸試薬が、色素である、請求項24記載の診断試験装置。
  30. 色素が、ピロガロールレッドまたはフェノールスルホンフタレインである、請求項29記載の診断試験装置。
  31. 溶媒が、有機溶媒、水性溶媒、または1つ以上の有機溶媒および1つ以上の水性溶媒の混合物である、請求項24記載の診断試験装置。
  32. 診断試験装置が、液体中の被検体の存在を検出するために適用される、請求項24記載の診断試験装置。
  33. 被検体が、タンパク質である、請求項32記載の診断試験装置。
  34. 診断試験装置が、診断試験ストリップであり、構成要素が紙である、請求項24記載の診断試験装置。
  35. イオン交換方法によりイオン化有機酸試薬および第4級アンモニウムイオンを組み合わせて塩複合体を形成する工程
    [該アンモニウムイオンは、式:
    NR4
    (式中、Rは、塩複合体を水性溶媒、有機溶媒、またはそれらの混合物に可溶性にする独立して選択される基である)で表される];
    塩複合体を溶媒に溶解して有機酸試薬を溶媒に放出させる工程;ならびに
    溶媒を診断試験装置の構成要素に適用して、溶媒に存在する有機酸試薬が、診断試験装置に組み込まれるようにする工程、
    により調製された、有機溶媒、水性溶媒、およびそれらの混合物中のトランス−ソルビリティーが低い有機酸試薬を含有する診断試験装置。
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