JP2004270917A - ハロゲン系ガス充填容器およびこれに充填されたガス並びに充填容器の処理方法 - Google Patents

ハロゲン系ガス充填容器およびこれに充填されたガス並びに充填容器の処理方法 Download PDF

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Abstract

【要約書】
【解決課題】 砥材による内面処理を施された、ハロゲン系ガス充填用の金属容器であって、ガス充填後の、水分や内面吸着ガス以外の不純物の経時増加による純度低下が起こらない容器、および高純度のハロゲン系ガスを提供する。
【解決手段】 砥材による内面処理を施されたガス容器内表面のX線光電子スペクトルにおけるSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値が0.3以下であるようにするべく、内面処理方法を改善する。
【選択図】 なし

Description

本発明はハロゲン系ガスの充填容器とこれに充填されたガスおよび充填容器の内面処理方法に関する。更に詳しくは、内面表層部のSi量が一定量以下であるハロゲン系ガスの充填容器、その内面処理方法およびこの充填容器に充填されたハロゲン系ガスに関する。
ハロゲン系ガスは、半導体のドーピング剤、ドライエッチング剤やCVD装置のクリーニングガスとして使用されているが、これらの用途に使用されるハロゲン系ガスは高純度のものが要求されている。このような高純度ガスの充填容器は、その内面への水分や不純物ガスの吸着を防ぎガスを高純度に保つため、しばしば内面の平滑化処理が施される。
たとえば、高圧ガス保安法規に基づく水圧による耐圧検査後、水分を除去するために、平滑化処理が施される。
この内面平滑化には種々の方法があるが、安価かつ容易にできる点で砥材を用いる方法が多く採用されている。
砥材を用いて内面処理を行った後には、通常、水および/又は溶剤で洗浄したのち乾燥し、バルブを取り付けてガス容器として使用する。しかしながら、砥材による内面処理を施した容器に充填したハロゲン系ガスには、充填後の時間経過とともに水分や内面吸着ガスにより不純物が増大し純度が低下するという問題があった。
本発明は、ハロゲン系ガスの純度低下を起こさない金属製容器、その内面処理方法およびその容器に充填された高純度ハロゲン系ガスを提供することを目的とする。
本発明者等は、砥材を用いて内面平滑化処理をしたガス容器に充填したハロゲン系ガスの純度低下の原因およびこれを防止する方法について鋭意検討を重ねた結果、純度低下の原因となる不純物がハロゲン化ケイ素であること、これが容器内面の残留Si分と充填ガスとの反応により生成すること、およびX線光電子分光法により定量的に把握される容器内面表層部のSi残留量を一定レベル以下まで低減することによりハロゲン化ケイ素ガスの生成を抑止し、極めて効率よくかつ経済的にハロゲン系ガスの純度低下を防止できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち本発明は、第1には、砥材を用いる容器内表面処理を施されたガス容器であって、容器内表面をX線光電子分光法により測定したスペクトルにおいてSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値が0.3以下であることを特徴とするハロゲン系ガス充填用金属容器である。
Si2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値が0.1以下であることは更に好ましい態様である。
第2には、金属容器の材質が鉄-マンガン鋼、鉄-クロム-マンガン鋼、ステンレス鋼のいずれかであることを特徴とする第1に記載の金属製容器である。
第3には、砥材中のSi含有量が砥材の総重量に対し10wt%以下である砥材を用いて容器内表面処理を施したことを特徴とする第1または第2に記載の金属容器である。
Si含有量が、砥材総重量に対し1wt%以下、更には100wtppm以下であることは好ましい態様である。
第4には、砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmである砥材を使用することを特徴とする第3に記載の金属容器である。
砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmの大粒と平均粒径が1〜100μmの細粒とを含有してなる砥材であることは更に好ましい態様である。
本発明に係る金属容器は、ハロゲン系ガスがF、Cl、Br、Iのうち少なくとも1元素を含有する化合物で、常温に於いて圧縮ガスまたは液化ガスであるガスに適しており、さらにはF元素を含有する化合物で、常温に於いて圧縮ガス又は液化ガスに好ましく適用でき、NF3、ClF3、CF4、C26、C38、C46、SF6、GeF4、WF6、F2、COF2、Cl2、HF、HCl、HBr、HIのガスにより好ましく適用でき、NF3、ClF3、CF4、C26、C38、C46、SF6、GeF4、WF6、F2、COF2であるハロゲン系ガスに最も好ましく適用できる。
第5には、第1から第4に記載の金属製容器に充填されたハロゲン化珪素含有量が0.3ppm以下であるハロゲン系ガスである。
第6には、内面処理に使用する砥材のSi含有量が砥材の総重量に対し10wt%以下である砥材を使用することを特徴とするハロゲン系ガス充填用金属製容器の内面処理方法である。
Si含有量が、砥材総重量に対し1wt%、更には100wtppm以下であることは好ましい態様である。また砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmである砥材を使用することは好ましい態様であり、更には砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmの大粒と平均粒径が1〜100μmの細粒とを含有してなる砥材であることは好ましい態様である。
高純度のハロゲン系ガスを充填するに適した、砥材により内面平滑化されたハロゲン系ガス充填用の金属容器を使用するにあたり、容器内面表層のSi原子の量を容器内面のX線光電子スペクトルにおけるSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値が0.3以下であるように制御することにより、ハロゲン系ガス充填後のハロゲン化珪素の生成を抑制できることを見出した。これにより、ハロゲン系ガス充填後の純度低下がないガス容器および高純度のハロゲン系ガスを提供することが可能となった。
また、内面処理時に使用する砥材のSi含有量を砥材(固形分)総重量に対し10wt%以下にすることにより、充填後にハロゲン化珪素の生成を防止することができ、半導体製造に際し半導体の性能に悪影響を防止することができる。
本発明に於いてハロゲン系ガスとは、F、Cl、Br、Iのうち少なくとも1元素以上を含有する化合物で、常温に於いて圧縮ガス又は液化ガスの状態のものをいう。これらを例示すると、NF3、ClF3、CF4、C26、C38、C46、SF6、GeF4、WF6、F2、COF2、Cl2、HF、HCl、HBr、HIなどが挙げられる。特にNF3、ClF3、CF4、C26、C38、C46、SF6、GeF4、WF6等の高純度が要求されるフッ素系ガスに好ましく使用できる。ハロゲン系ガスは半導体のドーピング剤、ドライエッチング剤やCVD装置のクリーニングガスの用途で用いられることが多く、高純度であることが要求される。
本発明の高純度ハロゲン系ガスの充填用容器は、金属製、特に鉄−マンガン鋼、鉄−クロム−マンガン鋼、ないしステンレス鋼製、ニッケル鋼製、アルミニウム合金鋼製の容器が好ましい。高純度ガスの容器としては、パーティクルや吸着ガスによる汚染を防止するため、通常、内面を平滑化したものが使用される。一般に内面粗度(平滑度)は凹部と凸部の高さの差をミクロン単位で表した数値にSをつけて表されるが、通常は3S〜1S以下まで平滑化されたものが使用される。
この平滑化には種々の方法があるが、処理が簡便かつ安価であることから、砥材を用いて湿式法或いは乾式法により処理する方法が用いられることが多い。このような研磨については、容器を成形する前に行う方法と、容器を成形した後に行う方法が知られている。また耐圧試験後に行うこともある。湿式研磨では、砥材および水ないし薬液を容器又は成形前の円筒管に入れたのち、内容物がこぼれないように密栓し、容器又は成形前の円筒管を横転した状態で遊星運動の回転を加えて平滑化するバレル研磨という方法が一般的である。
上記の平滑化処理で用いられる砥材としては、ダイヤモンド、ジルコニア、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ−シリカの複合酸化物などが挙げられる。その中でアルミナ−シリカの複合酸化物系の砥材が一般的に広く用いられているが、Si成分を含有する砥材を用いて容器内面の平滑化処理を行った場合、研磨終了後、容器内面表層部に砥材中のSi成分が残留しがちであり、ハロゲン系ガス充填後にSi成分とハロゲン系ガスとが反応して半導体用途としての使用において好ましくない不純物であるハロゲン化ケイ素が生成する。従って、本発明においてはSi含有量が、砥材固形分中にSi原子として10wt%以下、好ましくは1wt%以下、さらに好ましくは100wtppm以下の砥材を使用することが望ましい。具体的には、ダイヤモンド、ジルコニア、アルミナ等が挙げられる。砥材を用いた内面処理を2回以上施すことによって容器内面を3S〜1Sグレードまで平滑化する場合には、最終回の処理に前記の砥材を使用するのが好ましい。この条件を満たす限りにおいて、砥材は混合物および/又は複合物であってもよく、2種類以上の砥材を組み合わせて使用してもよい。なお、ここでいうSi含有量とは、砥材中の全Si原子の重量を乾燥状態の砥材の総重量(固形分)に対する割合で表したものである。
Si含有量が10wt%を超える砥材を使用して内面処理した場合、内面処理後に水および/又は溶剤で洗浄し乾燥したのちにも、Si分が容器内面に残留しがちである。とりわけ、最終回の内面処理時にSi含有量が10wt%を超える砥材を使用した場合には容器内面へのSi残留量がより増加する。
この容器にハロゲン系ガスを充填した場合、充填後のガスが時を追って残存した砥材のSi成分と反応し、ハロゲン化珪素が容器内部で生成してガスの純度を低下させる。ハロゲン化珪素は、SiFx、SiClx、SiBrx、SiIx(xは0を超え4以下の有理数を表す)で示される物質で、ガス状または蒸気圧をもつ液体或いは昇華性の固体である。このようにして生成したハロゲン化珪素は、ハロゲン系ガスを半導体用途として使用する際、ハロゲン系ガスと共に細密フィルターを通過し、半導体製造用のチャンバーに導入され、半導体の性能に悪影響を及ぼす。
本発明で用いる砥材の粒径は、特に限定されるものではないが、内面処理を効率よく行うためには、粒径の異なる数種の砥材を組み合わせて使用することが好ましい。より好ましくは砥材の平均粒径が、1〜20mmの球形の大粒と平均粒径1〜100μmの微粒子粉とを組み合わせて使用することで内面処理を一層効果的に行うことが出来るので好ましい。砥材の組み合わせ比は、特に限定されるものではないが、大粒子に対する微粒子の重量比が10wt%以下であることが好ましい。
次に容器の内面処理の方法について詳細に述べる。
内面処理は、砥材を容器に入れたのち、内容物がこぼれないように密栓し、容器を横転した状態で遊星運動の回転を加える、所謂バレル研磨法によって容器自身に自転と公転運動を与え、研磨剤が容器内部で重力を掛けながら流動することによって内面を平滑化する方法による。なお、この内面処理においては、砥材とともに純水や、酸化性溶液、アルカリ性溶液、或いは界面活性剤を添加した水等の液を加えるのが一般的で、必要に応じてさらに亜硝酸塩などの防錆剤を加えることもある。
砥材を用いて内面処理を行った後には、通常、水および/又は溶剤で洗浄したのち乾燥し、バルブを取り付けてガス容器として使用する。この洗浄は、とりわけ平滑化の際にSi成分を含有する砥材を使用した場合には、例えばジェット噴霧水などにより徹底的に行うのが好ましい。
本発明においては、容器内面表層部のSi残留量をX線光電子分光(XPS)
法による分析によって定量的に把握し、上記の内面処理工程および/またはその後の洗浄工程において前述のような工夫をすることによって、容器内面のX線光電子スペクトルにおけるFeとSiとのピーク面積比を特定の値以下となるようにする。これによって、砥材による内面処理を施された容器に充填されたハロゲン系ガスにハロゲン化ケイ素の混入が0.3ppm以下の実質的にないものを提供することができる。
本発明におけるX線光電子スペクトルの測定では、まず、容器を円柱状にカットした後、2cm角程度のサイズに切り出し、測定試料を作成する。試料の作成においては、容器の内面側を汚染しないよう、細心の注意を払う必要がある。上記で作成した試料を市販のXPS測定装置に導入し、単色化されたAlKα線(1486.6eV)を試料上0.3〜0.7mm2の領域に照射して、取り出し角45°で光電子を取りこみ、分光する。分光器のパスエネルギーは純銀標準試料のスペクトルでAg3d5/2ピークの半値幅が0.8eV以下になるように設定する。
このような条件で、Si2s領域およびFe2p領域のナロースキャン測定を行い、Si2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値を求める。
この値が0.3以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。上記の値が0.3を越えると、ハロゲン系ガスを当該容器に充填した後、ハロゲン化ケイ素が経時的に増加し、ガス純度を低下させてしまうので好ましくない場合がある。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
内面粗度6Sの鉄-マンガン鋼の、47L容量の高圧用継ぎ目なし容器2本にSi含有量50重量ppmで直径5mmの球形アルミナボール5kg、Si含有量50重量ppmで直径3mmの球形アルミナボール5kg、およびSi含有量50重量ppmで平均粒子径50μmのアルミナ粉300gを分散させた水3Lを入れて、上部のバルブ接続用ねじ部2に密栓をした。
この容器を横倒しにして研磨装置4にセットし、研磨装置を起動して平滑化処理を開始した。60分間研磨したのち、容器を転倒させて内容物を取り出し、更に高圧純水を5分間噴射して残留固形分を排出した。その後純水を置換するためにイソプロピルアルコールで容器内を洗浄した。内面粗度を確認したところ、2Sまで平滑化されていた。
更に容器を180℃の乾燥器に入れ、容器内部を乾燥N2で置換しながら2時間乾燥した。その内の容器1本を切断し、約2cm角の分析用試験片を作成して容器内面側のX線光電子スペクトルを下記の条件で測定した。
装置 : アルバック・ファイ社製 Quantam 2000
X線源: AlKα線を単色化
光電子取りだし角:45°
測定面積: 約1.4mm×0.3mm(0.4mm
パスエネルギー: 23.5eV
(純銀のAg3d5/2ピークのエネルギー分解能:約0.7eV)
Fe2p領域、Si2s領域の各々についてナロースキャン測定を実施したところ、Si2sピークは有意には検出されず、Si2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値は0.01未満であった。
他方の容器にはバルブを取り付け、60℃の乾燥器に入れて、内部を真空引きしながら、2時間乾燥を行った。室温まで冷却した後、99.999容量%の高純度NF3ガスを10MPa充填した。充填日から、1日後、7日後、30日後にこの充填したNF3ガス190NLを超純水200gにバブリングしてこの液のF濃度及びSi濃度を測定した。表に示すとおり、F,Si濃度の経時上昇はなく、フッ化ケイ素は有意には生成しないことが確認できた。
実施例2
平滑化処理時の内容物をSi含有量9%のアルミナ−シリカ系複合酸化物からなる直径3mmの球形の砥材10kg、およびSi含有量9%のアルミナ−シリカ系複合酸化物からなる平均粒子径50μmの粉状の砥材300gを分散させた水3Lにし、高圧純水による残留固形分排出のための洗浄の時間を60分とした以外は、実施例1と同様の方法で容器2本に平滑化処理、内容物の排出、水洗、イソプロピルアルコールによる洗浄を行った。処理後の内面粗度は2Sであった。その後、乾燥、試験片作成を行い、1本の容器についてはXPS測定を、他方について高純度NF3ガスの充填およびF及びSiの分析を行った。条件は実施例1と同様である。
X線光電子スペクトルにおけるSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面
積で割った値を求めたところ、0.23であった。また、充填ガス吸収液のF、
Si濃度は表に示す通りであり、充填後30日経過時点でわずかな濃度上昇が見られたが許容範囲内であった。
実施例3
図1,2に示した内面粗度25Sの鉄−マンガン鋼製で47L容量の高圧用目継ぎなし容器1に、砥材としてほぼ球状で直径5mmと3mmの高純度アルミナ砥材(Si含有量:50wtppm)各5kgを入れ、更に純水を1Kg入れて、上部のバルブ接続用ねじ部に密栓2をした。この容器を横倒しにして図2に示した研磨装置4にセットし、研磨装置を起動して研磨を開始した。1時間研磨したのち、砥材を取り出して、イソプロピルアルコールで洗浄した。この方法によって内面粗度3Sグレードに平滑化できた。更に容器内部を乾燥N2で置換した後、バルブ3を取り付け、100〜200℃の乾燥器に入れて、内部を真空引きしながら、2時間乾燥を行った。
室温まで冷却後、99.999Vol%の高純度NF3ガスを10MPa充填した。充填日から、1日後、7日後、30日後にこの充填したNF3ガス190NLを、0.01μmの金属フィルターを通したのち、超純水200g中にバブリングし、この水を分析サンプルとした。Fイオン及びSi、Alの分析を行った結果、経時的変化は見られなかった。結果を表に示す。なお、ここに示す分析値はNF3ガスの重量ベースに換算した値である。
実施例4
砥材を、球状で直径3mmのアルミナシリカ系砥材(Si含有量:9wt%)10kgと、平均粒子径50μmのアルミナ粉(Si含有量:100wtppm)300gとの混合物に変更した以外は実施例1と同様な方法で内面処理を行った。この方法によって内面粗度2Sグレードに平滑化できた。
実施例1と同様の評価を行ったところ、表に示す通り、経時的変化は見られなかった。なお、分析値はNF3ガスの重量ベースに換算した値である。
実施例5
砥材を、球状で直径3mmのアルミナシリカ系砥材(Si含有量:9wt%)
10kgに変更し、また純水の代わりに0.05NのKOH水溶液1Kgを加え、更には研磨時間を2時間とした以外は実施例1と同様の方法で内面処理を行った。内面粗度は1Sグレードであった。
実施例1と同様の評価を行ったが、表に示す通り、経時的変化は見られなかった。なお、分析値はNF3ガスの重量ベースに換算した値である。
実施例6
25MPaの水圧の印加による耐圧試験を施した後の、内面粗度6Sの鉄−マンガン鋼製の、47L容量の高圧用継ぎ目なし容器について、実施例1と同様の砥材を用い、実施例1と同様の方法で内面処理を行った。内面粗度は2Sであった。さらに、実施例1と同様の評価を行ったところ、X線光電子スペクトルにおけるSi2s/Fe2p3/2のピーク面積比は0.01未満であり、また、当該容器に充填されたNF3ガス中のF,Si濃度は充填後30日まで経時上昇が見られなかった。
実施例7
球状で直径3mmのアルミナシリカ系砥材(Si含有量:9wt%)10kgおよび純水3Lを用いて、実施例1の装置により、25MPaの水圧の印加による耐圧試験を施した後の、内面粗度6Sの鉄−マンガン鋼製の、47L容量の高圧用継ぎ目なし容器の内面処理を行った。60分間の研磨の後、内容物を排出し、さらに高圧純水の噴射により残留固形分を排出した。この容器に対して、さらに研削時の水を0.05NのKOH水溶液1kgに置き換えた以外は実施例1と同様の内面処理を施した。内面粗度は1S以下であった。実施例1と同様に、この容器に充填されたNF3ガスのF,Si濃度の経日変化を調べたが、充填後30日までF,Siともに不検出であった。
比較例1
砥材を、球状で直径3mmのアルミナシリカ系砥材(Si含有量:20wt%)10kgと平均粒子径50μmのアルミナシリカ粉(Si含有量:20wt%)300gとの混合物に変更した以外は実施例1と同様の内面処理を行った。内面粗度は2Sグレードであった。また、X線光電子スペクトルにおけるSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値を求めたところ、0.91であった。
実施例1と同様の評価を行ったところ、表に示すように、7日後からSi及びFの値が増加した。なお、分析値はNF3ガスの重量ベースに換算した値である。
比較例2
砥材を、球状で直径3mmのシリカアルミナ系砥材(Si含有量:30wt%)10kgに変更し、更に0.05NのKOH水溶液1kgを加えた以外は実施例1と同様に研磨処理を行った。内面粗度は2Sグレードであった。また、X線光電子スペクトルにおけるSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値を求めたところ、2.26であった。
実施例1と同様の評価を行ったところ、表に示すように、充填後1日目からSi及びFの値が増加した。
なお、分析値はNF3ガスの重量ベースに換算した値である。
Figure 2004270917
Figure 2004270917
ボンベの概略図 研磨装置の概略図
符号の説明
1.容器本体
2.密栓
3.バルブ
4.研磨機

Claims (9)

  1. 砥材を用いる容器内表面処理を施されたガス容器であって、
    容器内表面をX線光電子分光法により測定したスペクトルにおいてSi2sピークの面積をFe2p3/2ピークの面積で割った値が0.3以下であることを特徴とするハロゲン系ガス充填用金属容器。
  2. 金属容器の材質が鉄-マンガン鋼、鉄-クロム-マンガン鋼、
    ステンレス鋼のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の金属製容器。
  3. 砥材中のSi含有量が砥材の総重量に対し10wt%以下である砥材を用いて容器内表面処理を施したことを特徴とする請求項1または2に記載の金属容器。
  4. 砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmである砥材を使用することを特徴とする請求項3に記載の金属容器。
  5. 砥材の主たる成分が、ダイヤモンド、ジルコニア又はアルミナであって、平均粒径が、1〜20mmの大粒と平均粒径が1〜100μmの細粒とを含有してなる砥材であることを特徴とする請求項3に記載の金属容器。
  6. ハロゲン系ガスがF、Cl、Br、Iのうち少なくとも1元素を含有する化合物で、常温に於いて圧縮ガスまたは液化ガスであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のハロゲン系ガス充填用金属容器。
  7. 請求項1〜6に記載の金属製容器に充填されたハロゲン化珪素の含有量が0.3ppm以下のハロゲン系ガス。
  8. 内面処理に使用する砥材のSi含有量が砥材の総重量に対し10wt%以下である砥材を使用することを特徴とするハロゲン系ガス充填用金属製容器の内面処理方法。
  9. 内面処理に使用する砥材のSi含有量が砥材の総重量に対し10wt%以下である砥材を使用することを特徴とするフッ素系ガス充填用金属製容器の内面処理方法。
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