JP2004270550A - 排気マニホールド - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伸縮差を吸収でき、組立作業が容易な排気マニホールドを得る。
【解決手段】シリンダヘッドSに並べて形成された複数の排気ポートに接続される複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備え、枝管部がフランジ部材を介してシリンダヘッドSに取り付けられる。フランジ部材は、内側の1つの枝管部に固定される基準フランジ部材と、残りの枝管部に固定される吸収フランジ部材16とが独立して設けられる。吸収フランジ部材16の貫通孔28に締結カラー32を装着し、締結カラー32は、取付ボルト41が挿入される円筒部36と円筒部36の両端に径方向に突き出した鍔部38,40とを有し、両鍔部38,40の間に吸収フランジ部材16を挟むと共に、円筒部36と貫通孔28との間に隙間aを設ける。取付ボルト41により締結カラー32を介して吸収フランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付ける。
【選択図】 図5
【解決手段】シリンダヘッドSに並べて形成された複数の排気ポートに接続される複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備え、枝管部がフランジ部材を介してシリンダヘッドSに取り付けられる。フランジ部材は、内側の1つの枝管部に固定される基準フランジ部材と、残りの枝管部に固定される吸収フランジ部材16とが独立して設けられる。吸収フランジ部材16の貫通孔28に締結カラー32を装着し、締結カラー32は、取付ボルト41が挿入される円筒部36と円筒部36の両端に径方向に突き出した鍔部38,40とを有し、両鍔部38,40の間に吸収フランジ部材16を挟むと共に、円筒部36と貫通孔28との間に隙間aを設ける。取付ボルト41により締結カラー32を介して吸収フランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備えた排気マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気マニホールドでは、枝管部とフランジ部材とを一体に溶着すると、枝管部や集合部とフランジ部材やシリンダヘッドとの温度差により熱伸縮差が生じ、枝管部とフランジ部材との間に亀裂が生じたり、フランジ部材が湾曲したりする問題があった。そこで、特許文献1にあるように、枝管部の端にフランジ状の座部を形成すると共に、フランジ部材にはこの座部を収納する凹部を形成し、フランジ部材がシリンダヘッドに固定された状態で、座部の外周面とフランジ部材の凹部の内壁面、及び枝管部の外側面とフランジ部材の開口の内壁面との間には隙間が形成されるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−44812号公報(第2頁 第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、排気マニホールドをシリンダヘッドに取り付ける際、枝管部とフランジ部材との間にガタがあり、フランジ部材をシリンダヘッドに取り付けるボルトを締付けながら、複数の枝管部とシリンダヘッドの複数の排気ポートとの位置を合わせなければならず、組立作業が煩わしいという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、熱伸縮差を吸収できると共に、組立作業が容易な排気マニホールドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
エンジンのシリンダヘッドに並べて形成された複数の排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
前記フランジ部材は、内側の1つの前記枝管部に固定される基準フランジ部材と、残りの前記枝管部に固定される吸収フランジ部材とがそれぞれ独立して設けられ、
前記吸収フランジ部材の貫通孔に締結カラーを装着し、該締結カラーは、取付ボルトが挿入される円筒部と該円筒部の両端に径方向に突き出した鍔部とを有し、前記両鍔部の間に前記吸収フランジ部材を挟むと共に、前記円筒部と前記貫通孔との間に隙間を設け、
前記取付ボルトにより前記締結カラーを介して前記吸収フランジ部材を前記シリンダヘッドに取り付けることを特徴とする排気マニホールドがそれである。
【0007】
前記吸収フランジ部材の前記シリンダヘッド側には、一方の前記鍔部を収納する凹部を前記貫通孔に連接して形成した構成としてもよい。また、前記各フランジ部材と前記シリンダヘッドとの間には、ガスケットが介装された構成でもよい。更に、前記吸収フランジ部材に、前記締結カラーを前記貫通孔に装着可能な切欠を形成した構成としてもよい。あるいは、前記締結カラーは、前記円筒部を前記貫通孔に挿入した後、一方の前記鍔部をフレア加工により径方向に突き出させて、前記貫通孔に装着した構成としてもよい。また、前記貫通孔は、前記枝管部の並び方向に長い孔であってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、Sはエンジンのシリンダヘッドで、本実施形態ではV型6気筒エンジンの片側3気筒を示す。シリンダヘッドSには3気筒分の第1〜第3排気ポート1〜3が一列に並べられて配置されている。
【0009】
このシリンダヘッドSには排気マニホールド10が取り付けられている。排気マニホールド10は、第1〜第3枝管部11〜13、集合部14、フランジ部材16〜18を備えている。第1〜第3枝管部11〜13は第1〜第3排気ポート1〜3に対応して一列に並べて配設されており、第1〜第3枝管部11〜13が中空状の集合部14にそれぞれ接続されて集合されている。
【0010】
各フランジ部材16〜18は、第1〜第3枝管部11〜13毎にそれぞれ個別に独立して設けられている。各フランジ部材16〜18には、3つの第1〜第3枝管部11〜13がそれぞれ挿入される挿入孔20〜22が形成されている。挿入される第1〜第3枝管部11〜13の外周と挿入孔20〜22の内周との間に隙間はなく、挿入孔20〜22の内周は、第1〜第3枝管部11〜13を挿入可能な大きさに形成されている。各挿入孔20〜22にそれぞれ第1〜第3枝管部11〜13が挿入されて、溶接により固定されている。
【0011】
フランジ部材16〜18は、基準フランジ部材17と吸収フランジ部材16,18とからなり、基準フランジ部材17は、1列に並べられている第1〜第3枝管部11〜13のうち、内側の1つの第2枝管部12に溶接・固定されている。吸収フランジ部材16,18は、基準フランジ部材17以外のもので、第1、第3枝管部11,13に溶接・固定されている。
【0012】
排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付けた状態で、温度差による熱伸縮が生じた場合、内側の1つの第2枝管部12をシリンダヘッドSに固定して、その両側にある第1、第3枝管部11,13が、並び方向と平行に、外側に向かって移動できるように構成するために、内側の1つの第2枝管部12に固定したものを基準フランジ部材17とする。外側にある第1あるいは第3枝管部11,13の一方に固定したものを基準フランジ部材とすると、反対側の第3枝管部13あるいは第1枝管部11の熱伸縮による移動量が大きくなりすぎるからである。
【0013】
基準フランジ部材17には、2つの取付孔24,26が穿設されており、取付孔24,26はシリンダヘッドSに取り付ける際の図示しない取付ボルトの位置に設けられると共に、取付孔24,26の直径は取付ボルトを挿入できる大きさに形成されている。また、取付孔24,26に取付ボルトを挿入した際に、排気マニホールド10のシリンダヘッドSに対する位置が定まるように、取付孔24,26の大きさ等を決定する。
【0014】
次に2つの吸収フランジ部材16,18のうち、一方の吸収フランジ部材16について図3〜図5によって説明する。他方の吸収フランジ部材18も構成が同じであるので、詳細な説明を省略する。吸収フランジ部材16には、2つの貫通孔28,30が形成されている。貫通孔28,30は第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に長い形状の孔であり、2つの半円を直線で結んだ形状に形成されている。
【0015】
両貫通孔28,30には、それぞれ締結カラー32,34が装着されている。両締結カラー32,34は同じ形状であるので、一方の締結カラー32について図4,図5によって説明する。締結カラー32は円筒部36とその両端の鍔部38,40とを備えている。
【0016】
円筒部36の内周には、取付ボルト41を挿入できるように形成されており、円筒部36の内周と取付ボルト41の外周との間の隙間は小さくてよい。円筒部36の外周と貫通孔28の内周との間には、少なくとも第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に、隙間aが円筒部36の両側に形成されるように構成されている。
【0017】
両鍔部38,40は、貫通孔28の開口全体を覆う大きさに形成されている。本実施形態では、貫通孔28が長孔に形成されているので、両鍔部38,40も貫通孔28よりも大きい相似形状に形成されている。吸収フランジ部材16のシリンダヘッドS側には、貫通孔28に連接して凹部42が形成されている。凹部42は下側の鍔部40を収納することができると共に、少なくとも第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に、隙間bが鍔部40の両側に形成されるように構成されている。
【0018】
円筒部36の外周の隙間aと、鍔部40の外周の隙間bとは、等しいか、あるいは、一方を大きく形成してもよい。隙間a,bは、排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付けて、両者の熱伸縮差により、吸収フランジ部材16,18が移動して、熱伸縮を吸収できる値とすればよく、実験等により定めればよい。
【0019】
また、上側と下側の両鍔部38,40の間には、吸収フランジ部材16を挟み込むように構成されており、かつ、本実施形態では、挟み込んだ吸収フランジ部材16との間に隙間cが形成されるように構成されている。この隙間cは0でもよく、締結カラー32と吸収フランジ部材16との間で、相対的に軽く動かすことができればよい。
【0020】
排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付ける際には、基準フランジ部材17及び吸収フランジ部材16,18とシリンダヘッドSとの間には、ガスケット44が介装される。ガスケット44は、取り付ける際には圧縮されて、排気の洩れ止めが図られる。
【0021】
図4に示すように、ガスケット44は、薄い金属板を2枚重ね合わせ、外周に沿ってその間に隙間を設けて、圧縮することによりシール効果を持たせるようにした周知のものである。このガスケット44を介して、吸収フランジ部材16をシリンダヘッドSに載せた際には、下側の鍔部40とガスケット44との間には、隙間dが生じるように形成されている。図5に示すように、取付ボルト41にナット46を螺入して締め付けた際には、ガスケット44が圧縮されて、隙間dが無くなる。
【0022】
上側の鍔部38が接触する吸収フランジ部材16の上面48とガスケット44に接触する吸収フランジ部材16の下面50との吸収フランジ部材16の厚さtに、吸収フランジ部材16の下面50と下側の鍔部40の下面との段差eを加えた値f(=t+e)が、上側の鍔部38の下面と下側の鍔部40の下面との間隔と等しくなるように締結カラー32が形成される。段差eはガスケット44の圧縮によりシール効果を発揮するように、かつ、熱伸縮により、吸収フランジ部材16が移動できる程度に圧縮するように、段差eを実験等で決定すればよい。他方の吸収フランジ部材18にも同様に締結カラー52,54が装着されている。
【0023】
次に、前述した本実施形態の排気マニホールド10の作動について説明する。
まず、シリンダヘッドSに排気マニホールド10を組み付ける際、シリンダヘッドSに予め螺着された取付ボルトに、基準フランジ部材17の取付孔24,26を通すと共に、同様に取付ボルト41(一部のみ図示する)に吸収フランジ部材16,18の締結カラー32,34,52,54を通す。
【0024】
その際、締結カラー32,34,52,54は吸収フランジ部材16,18に脱落しないように組み付けられているので、複数の取付ボルトに容易に通すことができる。また、排気マニホールド10とシリンダヘッドSとは、基準フランジ部材17の取付孔24,26に取付ボルトを通すことにより、これらに案内されて、その取付位置が決まり、取付作業が容易になる。
【0025】
次に、取付ボルト41にナット46を螺入して締付け、基準フランジ部材17と吸収フランジ部材16,18とをシリンダヘッドSに固定する。ガスケット44は圧縮されて、排気の洩れ止めが図られる。エンジンの運転に伴って、排気ガスが第1〜第3排気ポート1〜3から排出されると、排気マニホールド10の温度が上昇する。その際、シリンダヘッドSは内部で冷却されているので、その温度上昇は小さく、集合部14の温度上昇は大きい。
【0026】
シリンダヘッドSと排気マニホールド10、特に集合部14との間で温度差が生じ、これにより、熱伸縮差が生じる。集合部14が高温になった場合、内側の第2枝管部12の基準フランジ部材17はシリンダヘッドSにしっかりと固定されているので、内側の第2枝管部12を中心に、その外側にある残りの第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に、第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に移動しようとする。よって、吸収フランジ部材16,18がそれぞれ反対方向に締結カラー32,34,52,54の両鍔部38,40の間を、隙間a,bの範囲で移動して、熱伸縮差を吸収する。
【0027】
前述した実施形態では、締結カラー32を吸収フランジ部材16に装着する際、円筒部36の端に下側の鍔部40を形成し、その状態で、貫通孔28に円筒部36を挿入してから、フレア加工により円筒部36の端を径方向に突き出して、上側の鍔部38を形成している。
【0028】
これに限らず、図6に示す第2実施形態の吸収フランジ部材16のように、貫通孔28,30に連通する切欠60,62を、第1〜第3枝管部11〜13の並び方向と直交する方向に、外側に開口して形成する。切欠60,62の幅は、締結カラー32,34の円筒部36の直径よりも少し小さく形成して、この切欠60,62を通して円筒部36を圧入できるようにする。これにより、圧入後は、締結カラー32,34が吸収フランジ部材16から脱落することはない。
【0029】
一方、4気筒のエンジンに適用する場合には、第1〜第4枝管部が1列に順に並んでいるとすると、内側にある第2あるいは第3枝管部の一方に基準フランジ部材を固定し、残りの3つの枝管部に吸収フランジ部材を固定すれば実施可能である。
【0030】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の排気マニホールドは、基準フランジ部材の取付で、位置が決まねので、組付けが容易であると共に、熱伸縮差が生じても、締結カラーと吸収フランジ部材との間で移動が生じるので、熱伸縮差を吸収できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図2】本実施形態の排気マニホールドの側面図である。
【図3】一方の締結カラーを断面で示す図2のAA拡大断面図である。
【図4】図3のBB断面図である。
【図5】本実施形態の取付ボルトを挿入した際の説明図である。
【図6】第2実施形態の吸収フランジ部材の拡大図である。
【符号の説明】
10…排気マニホールド 11…第1枝管部
12…第2枝管部 13…第3枝管部
14…集合部
16,18…吸収フランジ部材
17…基準フランジ部材 24,26…取付孔
28,30…貫通孔
32,34,52,54…締結カラー
36…円筒部 38,40…鍔部
41…取付ボルト 42…凹部
44…ガスケット 46…ナット
60,62…切欠 S…シリンダヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備えた排気マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気マニホールドでは、枝管部とフランジ部材とを一体に溶着すると、枝管部や集合部とフランジ部材やシリンダヘッドとの温度差により熱伸縮差が生じ、枝管部とフランジ部材との間に亀裂が生じたり、フランジ部材が湾曲したりする問題があった。そこで、特許文献1にあるように、枝管部の端にフランジ状の座部を形成すると共に、フランジ部材にはこの座部を収納する凹部を形成し、フランジ部材がシリンダヘッドに固定された状態で、座部の外周面とフランジ部材の凹部の内壁面、及び枝管部の外側面とフランジ部材の開口の内壁面との間には隙間が形成されるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−44812号公報(第2頁 第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、排気マニホールドをシリンダヘッドに取り付ける際、枝管部とフランジ部材との間にガタがあり、フランジ部材をシリンダヘッドに取り付けるボルトを締付けながら、複数の枝管部とシリンダヘッドの複数の排気ポートとの位置を合わせなければならず、組立作業が煩わしいという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、熱伸縮差を吸収できると共に、組立作業が容易な排気マニホールドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
エンジンのシリンダヘッドに並べて形成された複数の排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
前記フランジ部材は、内側の1つの前記枝管部に固定される基準フランジ部材と、残りの前記枝管部に固定される吸収フランジ部材とがそれぞれ独立して設けられ、
前記吸収フランジ部材の貫通孔に締結カラーを装着し、該締結カラーは、取付ボルトが挿入される円筒部と該円筒部の両端に径方向に突き出した鍔部とを有し、前記両鍔部の間に前記吸収フランジ部材を挟むと共に、前記円筒部と前記貫通孔との間に隙間を設け、
前記取付ボルトにより前記締結カラーを介して前記吸収フランジ部材を前記シリンダヘッドに取り付けることを特徴とする排気マニホールドがそれである。
【0007】
前記吸収フランジ部材の前記シリンダヘッド側には、一方の前記鍔部を収納する凹部を前記貫通孔に連接して形成した構成としてもよい。また、前記各フランジ部材と前記シリンダヘッドとの間には、ガスケットが介装された構成でもよい。更に、前記吸収フランジ部材に、前記締結カラーを前記貫通孔に装着可能な切欠を形成した構成としてもよい。あるいは、前記締結カラーは、前記円筒部を前記貫通孔に挿入した後、一方の前記鍔部をフレア加工により径方向に突き出させて、前記貫通孔に装着した構成としてもよい。また、前記貫通孔は、前記枝管部の並び方向に長い孔であってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、Sはエンジンのシリンダヘッドで、本実施形態ではV型6気筒エンジンの片側3気筒を示す。シリンダヘッドSには3気筒分の第1〜第3排気ポート1〜3が一列に並べられて配置されている。
【0009】
このシリンダヘッドSには排気マニホールド10が取り付けられている。排気マニホールド10は、第1〜第3枝管部11〜13、集合部14、フランジ部材16〜18を備えている。第1〜第3枝管部11〜13は第1〜第3排気ポート1〜3に対応して一列に並べて配設されており、第1〜第3枝管部11〜13が中空状の集合部14にそれぞれ接続されて集合されている。
【0010】
各フランジ部材16〜18は、第1〜第3枝管部11〜13毎にそれぞれ個別に独立して設けられている。各フランジ部材16〜18には、3つの第1〜第3枝管部11〜13がそれぞれ挿入される挿入孔20〜22が形成されている。挿入される第1〜第3枝管部11〜13の外周と挿入孔20〜22の内周との間に隙間はなく、挿入孔20〜22の内周は、第1〜第3枝管部11〜13を挿入可能な大きさに形成されている。各挿入孔20〜22にそれぞれ第1〜第3枝管部11〜13が挿入されて、溶接により固定されている。
【0011】
フランジ部材16〜18は、基準フランジ部材17と吸収フランジ部材16,18とからなり、基準フランジ部材17は、1列に並べられている第1〜第3枝管部11〜13のうち、内側の1つの第2枝管部12に溶接・固定されている。吸収フランジ部材16,18は、基準フランジ部材17以外のもので、第1、第3枝管部11,13に溶接・固定されている。
【0012】
排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付けた状態で、温度差による熱伸縮が生じた場合、内側の1つの第2枝管部12をシリンダヘッドSに固定して、その両側にある第1、第3枝管部11,13が、並び方向と平行に、外側に向かって移動できるように構成するために、内側の1つの第2枝管部12に固定したものを基準フランジ部材17とする。外側にある第1あるいは第3枝管部11,13の一方に固定したものを基準フランジ部材とすると、反対側の第3枝管部13あるいは第1枝管部11の熱伸縮による移動量が大きくなりすぎるからである。
【0013】
基準フランジ部材17には、2つの取付孔24,26が穿設されており、取付孔24,26はシリンダヘッドSに取り付ける際の図示しない取付ボルトの位置に設けられると共に、取付孔24,26の直径は取付ボルトを挿入できる大きさに形成されている。また、取付孔24,26に取付ボルトを挿入した際に、排気マニホールド10のシリンダヘッドSに対する位置が定まるように、取付孔24,26の大きさ等を決定する。
【0014】
次に2つの吸収フランジ部材16,18のうち、一方の吸収フランジ部材16について図3〜図5によって説明する。他方の吸収フランジ部材18も構成が同じであるので、詳細な説明を省略する。吸収フランジ部材16には、2つの貫通孔28,30が形成されている。貫通孔28,30は第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に長い形状の孔であり、2つの半円を直線で結んだ形状に形成されている。
【0015】
両貫通孔28,30には、それぞれ締結カラー32,34が装着されている。両締結カラー32,34は同じ形状であるので、一方の締結カラー32について図4,図5によって説明する。締結カラー32は円筒部36とその両端の鍔部38,40とを備えている。
【0016】
円筒部36の内周には、取付ボルト41を挿入できるように形成されており、円筒部36の内周と取付ボルト41の外周との間の隙間は小さくてよい。円筒部36の外周と貫通孔28の内周との間には、少なくとも第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に、隙間aが円筒部36の両側に形成されるように構成されている。
【0017】
両鍔部38,40は、貫通孔28の開口全体を覆う大きさに形成されている。本実施形態では、貫通孔28が長孔に形成されているので、両鍔部38,40も貫通孔28よりも大きい相似形状に形成されている。吸収フランジ部材16のシリンダヘッドS側には、貫通孔28に連接して凹部42が形成されている。凹部42は下側の鍔部40を収納することができると共に、少なくとも第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に、隙間bが鍔部40の両側に形成されるように構成されている。
【0018】
円筒部36の外周の隙間aと、鍔部40の外周の隙間bとは、等しいか、あるいは、一方を大きく形成してもよい。隙間a,bは、排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付けて、両者の熱伸縮差により、吸収フランジ部材16,18が移動して、熱伸縮を吸収できる値とすればよく、実験等により定めればよい。
【0019】
また、上側と下側の両鍔部38,40の間には、吸収フランジ部材16を挟み込むように構成されており、かつ、本実施形態では、挟み込んだ吸収フランジ部材16との間に隙間cが形成されるように構成されている。この隙間cは0でもよく、締結カラー32と吸収フランジ部材16との間で、相対的に軽く動かすことができればよい。
【0020】
排気マニホールド10をシリンダヘッドSに取り付ける際には、基準フランジ部材17及び吸収フランジ部材16,18とシリンダヘッドSとの間には、ガスケット44が介装される。ガスケット44は、取り付ける際には圧縮されて、排気の洩れ止めが図られる。
【0021】
図4に示すように、ガスケット44は、薄い金属板を2枚重ね合わせ、外周に沿ってその間に隙間を設けて、圧縮することによりシール効果を持たせるようにした周知のものである。このガスケット44を介して、吸収フランジ部材16をシリンダヘッドSに載せた際には、下側の鍔部40とガスケット44との間には、隙間dが生じるように形成されている。図5に示すように、取付ボルト41にナット46を螺入して締め付けた際には、ガスケット44が圧縮されて、隙間dが無くなる。
【0022】
上側の鍔部38が接触する吸収フランジ部材16の上面48とガスケット44に接触する吸収フランジ部材16の下面50との吸収フランジ部材16の厚さtに、吸収フランジ部材16の下面50と下側の鍔部40の下面との段差eを加えた値f(=t+e)が、上側の鍔部38の下面と下側の鍔部40の下面との間隔と等しくなるように締結カラー32が形成される。段差eはガスケット44の圧縮によりシール効果を発揮するように、かつ、熱伸縮により、吸収フランジ部材16が移動できる程度に圧縮するように、段差eを実験等で決定すればよい。他方の吸収フランジ部材18にも同様に締結カラー52,54が装着されている。
【0023】
次に、前述した本実施形態の排気マニホールド10の作動について説明する。
まず、シリンダヘッドSに排気マニホールド10を組み付ける際、シリンダヘッドSに予め螺着された取付ボルトに、基準フランジ部材17の取付孔24,26を通すと共に、同様に取付ボルト41(一部のみ図示する)に吸収フランジ部材16,18の締結カラー32,34,52,54を通す。
【0024】
その際、締結カラー32,34,52,54は吸収フランジ部材16,18に脱落しないように組み付けられているので、複数の取付ボルトに容易に通すことができる。また、排気マニホールド10とシリンダヘッドSとは、基準フランジ部材17の取付孔24,26に取付ボルトを通すことにより、これらに案内されて、その取付位置が決まり、取付作業が容易になる。
【0025】
次に、取付ボルト41にナット46を螺入して締付け、基準フランジ部材17と吸収フランジ部材16,18とをシリンダヘッドSに固定する。ガスケット44は圧縮されて、排気の洩れ止めが図られる。エンジンの運転に伴って、排気ガスが第1〜第3排気ポート1〜3から排出されると、排気マニホールド10の温度が上昇する。その際、シリンダヘッドSは内部で冷却されているので、その温度上昇は小さく、集合部14の温度上昇は大きい。
【0026】
シリンダヘッドSと排気マニホールド10、特に集合部14との間で温度差が生じ、これにより、熱伸縮差が生じる。集合部14が高温になった場合、内側の第2枝管部12の基準フランジ部材17はシリンダヘッドSにしっかりと固定されているので、内側の第2枝管部12を中心に、その外側にある残りの第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に、第1〜第3枝管部11〜13の並び方向に移動しようとする。よって、吸収フランジ部材16,18がそれぞれ反対方向に締結カラー32,34,52,54の両鍔部38,40の間を、隙間a,bの範囲で移動して、熱伸縮差を吸収する。
【0027】
前述した実施形態では、締結カラー32を吸収フランジ部材16に装着する際、円筒部36の端に下側の鍔部40を形成し、その状態で、貫通孔28に円筒部36を挿入してから、フレア加工により円筒部36の端を径方向に突き出して、上側の鍔部38を形成している。
【0028】
これに限らず、図6に示す第2実施形態の吸収フランジ部材16のように、貫通孔28,30に連通する切欠60,62を、第1〜第3枝管部11〜13の並び方向と直交する方向に、外側に開口して形成する。切欠60,62の幅は、締結カラー32,34の円筒部36の直径よりも少し小さく形成して、この切欠60,62を通して円筒部36を圧入できるようにする。これにより、圧入後は、締結カラー32,34が吸収フランジ部材16から脱落することはない。
【0029】
一方、4気筒のエンジンに適用する場合には、第1〜第4枝管部が1列に順に並んでいるとすると、内側にある第2あるいは第3枝管部の一方に基準フランジ部材を固定し、残りの3つの枝管部に吸収フランジ部材を固定すれば実施可能である。
【0030】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の排気マニホールドは、基準フランジ部材の取付で、位置が決まねので、組付けが容易であると共に、熱伸縮差が生じても、締結カラーと吸収フランジ部材との間で移動が生じるので、熱伸縮差を吸収できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図2】本実施形態の排気マニホールドの側面図である。
【図3】一方の締結カラーを断面で示す図2のAA拡大断面図である。
【図4】図3のBB断面図である。
【図5】本実施形態の取付ボルトを挿入した際の説明図である。
【図6】第2実施形態の吸収フランジ部材の拡大図である。
【符号の説明】
10…排気マニホールド 11…第1枝管部
12…第2枝管部 13…第3枝管部
14…集合部
16,18…吸収フランジ部材
17…基準フランジ部材 24,26…取付孔
28,30…貫通孔
32,34,52,54…締結カラー
36…円筒部 38,40…鍔部
41…取付ボルト 42…凹部
44…ガスケット 46…ナット
60,62…切欠 S…シリンダヘッド
Claims (6)
- エンジンのシリンダヘッドに並べて形成された複数の排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
前記フランジ部材は、内側の1つの前記枝管部に固定される基準フランジ部材と、残りの前記枝管部に固定される吸収フランジ部材とがそれぞれ独立して設けられ、
前記吸収フランジ部材の貫通孔に締結カラーを装着し、該締結カラーは、取付ボルトが挿入される円筒部と該円筒部の両端に径方向に突き出した鍔部とを有し、前記両鍔部の間に前記吸収フランジ部材を挟むと共に、前記円筒部と前記貫通孔との間に隙間を設け、
前記取付ボルトにより前記締結カラーを介して前記吸収フランジ部材を前記シリンダヘッドに取り付けることを特徴とする排気マニホールド。 - 前記吸収フランジ部材の前記シリンダヘッド側には、一方の前記鍔部を収納する凹部を前記貫通孔に連接して形成したことを特徴とする請求項1記載の排気マニホールド。
- 前記各フランジ部材と前記シリンダヘッドとの間には、ガスケットが介装されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排気マニホールド。
- 前記吸収フランジ部材に、前記締結カラーを前記貫通孔に装着可能な切欠を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の排気マニホールド。
- 前記締結カラーは、前記円筒部を前記貫通孔に挿入した後、一方の前記鍔部をフレア加工により径方向に突き出させて、前記貫通孔に装着したことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の排気マニホールド。
- 前記貫通孔は、前記排気ポートの並び方向に長い孔であることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の排気マニホールド。
Priority Applications (1)
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JP2003062402A JP2004270550A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 排気マニホールド |
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JP (1) | JP2004270550A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9695775B2 (en) | 2012-06-26 | 2017-07-04 | Deutz Aktiengesellschaft | Internal combustion engine having a spacer sleeve with a centering device |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003062402A patent/JP2004270550A/ja active Pending
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