JP5550388B2 - エンジンの排気マニホールド構造とその組付方法 - Google Patents

エンジンの排気マニホールド構造とその組付方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの排気マニホールド構造に関するものである。
出力の大きいエンジン、特にV型エンジンの分割型排気マニホールドをシリンダヘッドに組付ける場合には次のような問題点が存在する。
即ち、エンジンの排気マニホールドは内部を通過する排気ガスの熱によって膨張するため、各気筒間の排気マニホールドは金属ベローズ等で連結して、排気マニホールドの熱膨張による各気筒間の変形(排気マニホールドの軸線方向)を吸収している。
ところが、V型エンジンのシリンダヘッドの排気マニホールド取付面は傾斜しており、特に大きなエンジンでは分割された各排気マニホールドの重量が重いので、シリンダヘッドと排気管、排気管と金属ベローズとの位置決め作業の際、排気管が傾斜面から滑り落ちないようにそれらの部材を支持しながら行う必要があり多大の工数を要していた。
また、エンジンの左右のバンクにおいて、シリンダヘッドの排気マニホールドを取付ける傾斜面の角度がクランク軸に対して左右対称になっているため、この傾斜面に合わせた取付面を有する別々の排気マニホールドを準備する必要があり、排気マニホールドの製造コスト、部品点数増加に伴う管理費の増大等の不具合を有している。
排気マニホールドの構造として、特開2004−346816号公報が開示されている。
図5に示すように、シリンダヘッド010の側面に形成された排気マニホールド取付面010aに取付けられる上流側フランジ部04と、該上流側フランジ部04に対して略直行して接続されると共に、下流側の排気系部品が取付けられる下流側フランジ部05とからなるフランジ部材02と、各気筒毎に対応してそれぞれ設けられ、上流端が上流側フランジ部04に接合される一方、下流端又は各下流端部を集合させた集合部が下流側フランジ部05に接合される複数の分岐管03とから構成された排気マニホールド01が開示されている。
しかし、上流側フランジ部04と下流側フランジ部05とが略直行した状態で接続されたフランジ部材02に、各気筒毎に対応した排気マニホールド01が一体的に接合された構造である。
従って、大きな出力のエンジンではシリンダヘッド010の側面に排気マニホールド01を取付ける際、排気マニホールド01の重量が大きく、位置決め作業の工数が多大となると共に、排気マニホールド01の熱膨張による変形を吸収する構造になっておらず、排気マニホールド01に高い応力が発生し、耐久性に問題が発生する可能性がある。
特開2004−346816号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、シリンダヘッドと集合排気管との間に、集合排気管との接合面が上側水平面となる接合フランジ面を有した排気コネクタを介装したので、組付け工数の低減によるコスト低減と、組付け容易化による組付精度向上を図り、品質の安定性を向上させることを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、複数の気筒を有するV型エンジンの排気系に配置されるシリンダヘッドと、該シリンダベッドに設けられ燃焼室内の排ガスが排出される排気ポートと、該排気ポートの前記排気系下流側に配設され、前記各気筒からの排気ガスを集合して前記排気系下流側へ排出するバンク毎の集合排気管と、前記シリンダヘッドと前記集合排気管との間に介装され、前記各気筒毎の前記排気ポートに接続するように装着され排気ガスを前記集合排気管に導く排気コネクタとを備え、さらに、シリンダヘッドの各バンクの上端面は右側のバンクは右側に傾斜し、左側のバンクは左側に傾斜して前記エンジンのクランク軸に対し左右対称に形成されるとともに、シリンダブロックの上面と平行な傾斜面に形成され、該シリンダヘッドの上端面の前記傾斜面に前記排気ポートに接続する前記排気コネクタが締結され、前記排気コネクタは前記シリンダヘッドの前記排気ポートの配設位置の傾斜面に沿った傾斜フランジを有し、前記シリンダヘッドに装着された前記排気コネクタは前記集合排気管との接合面が上側を向いた水平面となる接合フランジ面を有し、該接合フランジ面に前記集合排気管を載置した状態で前記集合排気管を前記接合フランジ面に締結できるように構成されたことを特徴とする。
かかる発明において、排気コネクタの集合排気管との接合フランジ面が上側水平面となっているので、集合排気管を排気コネクタの接合フランジ面に載置した状態で、排気コネクタと集合排気管との位置合せ及び、組付けが可能となり、組付け作業が容易となり組付けコスト低減及び、組付け容易化による組付精度が向上と品質の安定性が確保できる。
また、本願発明において好ましくは、前記集合排気管は前記各排気コネクタと結合する複数に分割された排気管と、該複数の排気管の間には内部を排気ガスが通過すると共に、前記複数の排気管の軸線方向の熱変形を吸収する蛇腹管が介装されているとよい。
このような構成にすることにより、排気コネクタの水平のフランジ面に分割された各排気管を載置して位置合せを行い、排気コネクタと排気管とを組付ける。各排気管の間に蛇腹管を組みこむ構造としたので、排気コネクタ及び各排気管夫々の製造誤差、及び組付け誤差等の集積誤差を容易に吸収して組付けることができると共に、排気管の軸線方向の熱変形を容易に吸収でき、排気管系統に高応力が発生するのを防止できる。
また、本願発明は、前記エンジンがV型エンジンからなり、シリンダヘッドの上端面の前記傾斜面に前記排気ポートに接続する前記排気コネクタが締結され、前記排気コネクタは前記シリンダヘッドの前記排気ポートの配設位置の傾斜面に沿った傾斜フランジを有し、前記シリンダヘッドに装着された前記排気コネクタは前記集合排気管との接合面が上側を向いた水平面となる接合フランジ面を有し、該接合フランジ面に前記集合排気管を載置した状態で前記集合排気管を前記接合フランジ面に締結できるように構成されている。
このような構成にすることにより、シリンダヘッドの排気コネクタ取付面が傾斜していても、排気コネクタの接続フランジ面上に集合排気管を載置する構造としたので、従来の排気マニホールドの傾斜面滑り落ちを防止しながら位置合せを行い、取付ボルトで締結する構造に対し、組付け作業が容易となり組付けコスト低減及び、組付け容易化による組付精度が向上と品質の安定性が確保できる。
また、本願発明において好ましくは、前記V型エンジンは前記クランク軸を中心にして夫々複数の気筒を有する右側バンクと左側バンクとを有し、前記左側及び右側バンクには夫々左側集合排気管及び、右側集合排気管が配設され、前記左側集合排気管は排気系上流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する左上流側排気系及び、排気系下流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する左下流側排気系を有し、前記右側集合排気管は排気系上流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する上流側排気系及び、排気系下流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する右下流側排気系とから構成され、前記左上流側排気系と前記左下流側排気系及び、前記右上流側排気系と前記右下流側排気系夫々の軸線は前記左右夫々のバンクのシリンダヘッドに配設された上記排気コネクタの接合フランジ面の中心を連ねた排気コネクタ中心線に対して前記エンジンの幅方向に等間隔で振分けた構造とすることにより、前記左側又は、右側集合排気管の少なくとも何れか一方の前記排気系の上流側に配設された前記複数の排気管と、前記右側又は、左側集合排気管の少なくとも何れか他方の前記排気系の下流側に配設された前記複数の排気管とを共通化するとよい。
このような構成にすることにより、排気コネクタの各排気管との接続面を水平にすると共に、片側バンクの集合排気管を上流側排気系と下流側排気系との2系統にして、それぞれの系統の軸線を排気コネクタ2の接合フランジ面の中心を連ねた中心線に対しエンジンの幅方向に等間隔に振分けた位置に配設2系統に構成したので、左側(右側)集合排気管の第一及び第二排気管を、右側(左側)集合排気管の第四及び第五排気管と共通化でき、コスト低減が可能となる。
また、本願発明において好ましくは、複数の気筒を有するエンジンの排気系に配置されるシリンダヘッドと、該シリンダヘッドの前記排気系下流側に配設され、前記各気筒からの排気ガスを集合して前記排気系下流側へ排出すると共に複数の排気管に分割され、前記複数の排気管の軸線方向の熱変形を吸収する蛇腹管が介装されている集合排気管と、前記シリンダヘッドと前記集合排気管の分割された前記複数の排気管との間に介装され、前記各気筒毎に装着され排気ガスを前記集合排気管に導き、且つ前記複数の排気管との接合面が上側を向いた水平面となる接合フランジ面を有した排気コネクタとを備えた排気マニホールドの組立方法において、
前記排気コネクタ前記各シリンダヘッドの前記排気コネクタ取付面毎に、前記排気管との前記接合フランジ面が上側平面になるように位置決めして、第一ガスケットを介して、前記各シリンダヘッドに締結部材にて固定する第一工程と、前記排気コネクタの前記接合フランジ面に前記分割された排気管を載置して、前記排気コネクタと前記排気管との位置決めをして、第二ガスケットを介して前記排気コネクタ毎に前記排気管を締結部材にて固定する第二工程と、前記分割された排気管と前記分割された各排気管との間に前記蛇腹管を介装して、前記各排気管端部と前記蛇腹管端部との接合面外周部を覆うクランプ部材にて固定する第三工程とを有することを特徴とする。
このような構成にすることにより、各気筒毎にコネクタ、排気管、蛇腹管の順に組付ける様にしたので、排気コネクタの集合排気管との接合フランジ面が上側水平面となっているので、集合排気管を排気コネクタの接合フランジ面に載置することで、排気コネクタと集合排気管との組付け位置合せが容易に可能となり、組付け工数の低減によるコスト低減、組付け容易化による組付精度の向上と共に、品質の安定性も向上する。
本発明によれば、排気コネクタの集合排気管との接続フランジ面が上向きの水平面となっているので、集合排気管を排気コネクタの接合フランジ面に載置して、排気コネクタと集合排気管との組付け位置合せが容易となり、組付け工数の低減によるコスト低減、組付け容易化による組付精度の向上と共に、品質の安定性も向上する。
更に、排気コネクタの水平なフランジ面に排気管を載置して位置合せを行い、排気コネクタと排気管との組付け後に、各排気管の間に蛇腹管を組みこむ構造としたので、排気コネクタ及び複数の排気管夫々の製造誤差、及び組付け誤差等の集積誤差を蛇腹管にて容易に吸収すると共に、排気管の軸線方向の熱変形を容易に吸収でき、排気管系統に高応力が発生するのを防止できる。
は本発明の実施形態にかかるV型エンジンのクランク軸に対し直角方向の断面概略図を示す。 は本発明の実施形態にかかるV型エンジンの排気マニホールドの配置状態を説明する平面図を示す。 図2のS−S視における排気マニホールド構成部品の部分分解断面図を示す。 (イ)は排気管締結用のクリップバンドの全体概略図で、(ロ)はZ−Z断面形状を示す。 従来技術における排気マニホールドの概略図を示す。(特許文献1)
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の実施形態における、多気筒のV型エンジンのクランク軸に対し直角方向の断面概略図を示す。
1は内部をピストン15が摺動するシリンダ17を保持するシリンダブロックがクランク軸16を中心として左右へ対称に傾斜し、片側に6気筒備えた12気筒の多気筒V型エンジンである。
以後、左右に傾斜したシリンダブロックは右側へ傾斜した部分を右側バンク18、左側へ傾斜した部分を左側バンク19と称す。
シリンダブロックの各バンク18,19の上側傾斜面にはシリダヘッド11が取付けられており、シリダヘッド11の排気系下流側上端部の面はシリダブロックの上面と平行な面を有する傾斜面になっている。
以後シリンダ17と、シリンダ17内を摺動するピストン15及びシリンダヘッド11とで燃焼室14を構成しており、この構成状態を気筒と称す。シリンダ17内の燃焼室14で燃焼した燃料と空気は排気ガスとして、排気ポート13から排気系下流側に配置されている排気マニホールド5に排出される。
ロッカカバー12内にはピストン15の行程に連動して回転するカム軸121によって駆動されるプッシュロッド122がロッカアーム123を揺動している。ピストン15が排気行程になった時に、ロッカアーム123が揺動して、排気バルブ124を押付け、燃焼室14内の排気ガスが排気ポート13側へ排出される。
図1に示すように、シリダヘッド11の上端部の傾斜面には、傾斜フランジ22を有した排気コネクタ2がシリンダヘッド11の排気ポート13毎に第一ガスケット21(図3参照)を介して締結部材(図示省略)にて締結される。
排気コネクタ2はシリンダヘッド11に設けられた排気ポート13の配設位置の傾斜面に沿った平面状の傾斜フランジ22と、該傾斜フランジ22の上面から上方へ円弧状に形成され、内部を流れる排気ガスが滑らかに流れる形状にした筒部26と、該円弧状の筒部26の上端部を後述する分割された各排気管31,32が載置可能にするために上面を水平面状に形成した接合フランジ24とで構成されている。
図2は排気管の配置を示し、各排気管のアルファベットは形状の種類を区別するものでシリンダヘッド11上部の排気マニホールド5の配設状況が示されている。また、図3は図2のS−S断面を示す。
排気マニホールド5は左側バンク19(図1参照)の上部に左上流側排気系38と、左下流側排気系39とを備えた左側集合排気管3と、右側バンク18(図1参照)の上部に右上流側排気系48と、右下流側排気系49とを備えている右側集合排気管4とで構成されている。
図2及び図3に示すように、左側集合排気管3は各シリンダヘッド11に第一ガスケット21を介して締結された排気コネクタ2と、排気コネクタ2の接合フランジ面24に第二ガスケット25(図3参照)を介して左側の各排気管31,32(以後、各排気管と呼称した場合は各排気管の代表符号として、「各排気管31,32」と記載する。)が締結部材(図示省略)にて締結される。
左側集合排気管3の左上流側排気系38は、各シリンダヘッド11の排気ポート13毎に合わせて取付けられた排気コネクタ2と、各排気コネクタ2と結合する左バンク19の排気系上流側から夫々左側第一排気管31と、左側第二排気管32と、左側第三排気管33と左側バイパス管37と、各排気管31,32の間に介装される蛇腹管6とで構成されている。
左側集合排気管3の左下流側排気系39は各シリンダヘッド11の排気ポート13毎に合わせて取付けられた排気コネクタ2と、各排気コネクタ2と結合する左バンク19の排気系上流側から左側第四排気管34と、左側第五排気管35と、左側第六排気管36と各排気管31,32の間に介装される金属製の蛇腹管6とで構成されている。
左上流側排気系38と左下流側排気系39の各排気管31,32の軸線P、R(図2参照)は左側バンク19のシリンダヘッド11に取付けられた排気コネクタ2上面の接合フランジ面24の中心を連ねた中心線Mを中心に等間隔に振分けた位置Q(P,R)に配設されている。
左側第六排気管36の排気系上流側は二又形状に形成され、二又形状の一方は左側第六排気管36としての機能を有して左側バンク19の左下流側排気系39を形成している。
他方は左上流側排気系38の左側バイパス管37の排気系下流端と蛇腹管6を介して連結されて、左上流側排気系38と左下流側排気系39の排気ガスが合流する構造になっている。
右側集合排気管4はエンジン1のクランク軸16を中心にして、左側集合排気管3と対称に配置されている。
右側集合排気管4の右上流側排気系48は各シリンダヘッド11の排気ポート13毎に合わせて取付けられた排気コネクタ2と、各排気コネクタ2と結合する右側バンク18の排気系上流側から右側第一排気管41と、右側第二排気管42と、右側第三排気管43と右側バイパス管47と、夫々の排気管の間に介装される蛇腹管6とで構成されている。
右側集合排気管4の右下流側排気系49は各シリンダヘッド11の排気ポート13毎に合わせて取付けられた排気コネクタ2と、各排気コネクタ2と結合する右側バンク18の排気系上流側から右側第四排気管44と、右側第五排気管45と、右側第六排気管46と夫々の排気管の間に介装される蛇腹管6とで構成されている。
右側第六排気管46の排気系上流側は二又形状に形成され、二又形状の一方は右側第六排気管46としての機能を有して左側バンク19の右下流側排気系49を形成している。
他方は右上流側排気系48の右側バイパス管37の排気系下流端と蛇腹管6を介して連結されて、右上流側排気系48と右下流側排気系49の排気ガスが合流する構造になっている。
更に、右上流側排気系48と右下流側排気系49の各排気管31,32の軸線X,Y(図2参照)は右側バンク18のシリンダヘッド11に取付けられた排気コネクタ2の接合フランジ面24の中心を連ねた中心線Nを中心に等間隔に振分けた位置Q(X,Y)に配設されている。
尚、等間隔に振分けた間隔寸法Qは左側側バンクの振分間隔寸法と同じになっている。
左側第一排気管31は排気コネクタ2の接合フランジ面24に対抗するフランジ部312から上方に延在し、クランク軸側に滑らかに変化し、さらに、排気系下流側に滑らかに変化して、振分けた間隔寸法Qの位置に左側第一排気管31の軸線Pが位置するように形成されている。
左側第一排気管31の排気系下流側開口端部313の外周部は蛇腹管6との接合面側が平面で、排気系上流側へ縮径したテーパ状のテーパ部が形成されている。
また、下流側開口端部313の排気ガスが通過する開口部周縁には蛇腹管6との接合面の密閉性向上と、位置決め用のためインロー嵌合する凹部314が形成されている。
左側第一排気管31は右側第四排気管44と同一形状をしており、左側第四排気管34及び右側第一排気管41とはクランク軸16の軸線Lに対して対称形状に形成されている。
この共通化及び対称形状可能理由は、排気コネクタ2の接合フランジ面24が水平取付面になっていること、接合フランジ面24の中心線M及びNに対し各排気管31,32の軸線P,R,X及びYを等間隔の振分け寸法Qに統一して、左側集合排気管3と右側集合排気管4とをクランク軸16を中心にして対称に配設することにより可能となっている。
蛇腹管6は内部を排気ガスが通過する蛇腹部61と、蛇腹部61の排気系上流側の各排気管31,32との接合面が平面で、且つ排気ガスが通過する開口部周縁には各排気管31,32の下流側接合面に配設されたインロー嵌合の凹部と嵌合する環状の凸条部64が形成され、外周部が蛇腹部61の排気系下流側へ縮径したテーパ状に形成されたテーパ部を有した上流側蛇腹端部63と、蛇腹管6の排気系下流側開口端部62は各排気管31,32の上流側端部との接合面が平面で、且つ排気ガスが通過する開口部周縁には各排気管31,32の上流側接合面に配設されたインロー嵌合用の凸条部326と嵌合する環状の凹部65が形成され、外周部が蛇腹部61の排気系上流側へ縮径したテーパ状に形成されたテーパ部を有する下流側蛇腹端部62とで構成されている。各排気管31,32の間に介装される蛇腹管6は全個所共通の形状に統一されている。
上述のテーパ部は、後述するクリップバンド7によって、左側第一排気管31のフランジ部313の凹部と、蛇腹管6のフランジ部63の凸条部64とをインロー嵌合させ、フランジ部313外周部のテーパ部と、蛇腹管6のフランジ部63外周部のテーパ部とを、クリップバンド7の断面が台形状の内周面に沿って挟みこみ締結部材にて締結することにより、台形状の傾斜面によりフランジ部63とフランジ部313とを排気管の軸線方向に当接させるためのテーパ部構造となっている。
左側第二排気管32は排気系上流側(左側第一排気管31)からの排ガスが通過する集合筒部321と、該集合筒部321の軸線R方向中間部に、シリンダヘッド11に締結された排気コネクタ2側から排出されてくる排気ガスを集合筒部321に連通させる排気筒322が結合されている。排気筒322は集合筒部321との連結部形状が排気筒322内を流れる排気ガスが集合筒部321の排気系下流側へ滑らかに流れるように円弧状に形成されている。
また、排気筒322は集合筒部321の軸線Rが前記振分けた間隔寸法Qの位置になるように形成されている。
集合筒部321の排気系上流側端部324には蛇腹管6との接合面が平面状に形成され、内周部に蛇腹管6の凹部65とインロー嵌合する凸条部326が形成されている。
上流側開口端部324の外周部は排気系下流側に縮径したテーパ状のテーパ部が形成されている。
また、左側第二排気管32の排気系下流側開口端部323は左側第一排気管31の排気系下流側開口端部313と同じ形状に形成されている。
左側第二排気管32は左側第三排気管33、及び右側第五排気管45と共通であり、左側第五排気管35、右側第二排気管42及び右側第三排気管43とはクランク軸Lに対して対称形状に形成されている。
理由は〔0029〕で記載と同じなので省略する。
尚、以下の排気管の共通化または、対称形状についても同じ理由なので、理由記載は省略する。
左側バイパス管37は左上流側排気系の排気ガスを下流側へバイパスする部材で、上流側端部は左側第二排気管32の排気系上流側端部324と同じ形状に形成され、下流側端部は左側第二排気管32の排気系下流側端部323と同じ形状に形成されている。
右側バイパス管47は左側バイパス管37と同一形状に形成されている。
左側第六排気管36は排気系上流側からの排ガスが通過する集合筒部361と、シリンダヘッド11の排気ポート13に対応して取付けられた排気コネクタ2の接合フランジ面24から上方に延在し、クランク軸と反対側(左側ポート中心線を基準に左上流側排気系38と反対側)に滑らかに変化し、さらに、排気系下流側へ滑らかに変化して、振分けた間隔寸法Qの軸線位置Pに左側第六排気管36の排気筒361の軸線が位置するように形成されている。
また、集合筒部361の排気系上流側開口端部は左側第二排気管32の排気系上流側端部324と同じ形状に形成されている。
また、左側第六排気管36の排気系下流側は左上流側排気系38と連結する集合筒部362と、左側第四、第五及び第六排気管34,35,36からの排気ガスが流入してくる集合筒部361とが合流する二股形状に形成され、排気系下流側への連結口を1つの形状とした排気開口部363からなっている。
尚、右側第六排気管46は左側第六排気管36とクランク軸Lに対して対称形状に形成されている。
従って、左上流側排気系38は上述の左側第一排気管(A)31+蛇腹管6+左側第二排気管(B)32+蛇腹管6+左側第三排気管(B)33+蛇腹管6+左側バイパス管37(E)+蛇腹管6によって構成されている。
また、右上流側排気系48は右側第一排気管(C)41+蛇腹管6+右側第二排気管(D)42+蛇腹管6+右側第三排気管(D)43+蛇腹管6+右側バイパス管(E)47+蛇腹管6によって構成されている。
また、左下流側排気系39は左側第四排気管(C)34+蛇腹管6+左側第五排気管(D)35+蛇腹管6+左側第六排気管(F)36によって構成されている。
更に、右下流側排気系49は右側第四排気管(A)44+蛇腹管6+左側第五排気管(B)45+蛇腹管6+左側第六排気管(G)46によって構成されている。
尚、( )内のアルファベット記号は分割された排気管の形状を表している。(図2参照)
各排気管31,32(含むバイパス管)の間に介装される金属製の蛇腹管6はクランプ部材であるクリップバンド7にて連結される。
図4に示すクリップバンド7は半円弧状の両端部711に締結用のボルト712をヒンジ結合した第一バンド部71と、第一バンド部71と対向した半円弧状の両端部721に締結用のボルト712が貫通する貫通孔を有する第二バンド部72とで構成されている。
バンド部は図4の(ロ)に示すように断面が台形状に形成されている。
従って、排気管と蛇腹管6とを結合する際、左側第一排気管のフランジ部313の凹部と、蛇腹管6のフランジ部63の凸条部64とをインロー嵌合させ、フランジ部313外周部のテーパ部と、蛇腹管6のフランジ部63外周部のテーパ部とを、クリップバンド7の断面が台形状の内周面に沿って挟みこみ、ボルト712とナット713にて締結することにより、台形状の傾斜面によりフランジ部63とフランジ部313とを排気管の軸線方向に当接させる構造となっている。
次に、排気マニホールド5の組付順序について図3に基づいて説明する。
排気コネクタ2の傾斜フランジ22を各気筒のシリンダヘッド11の排気ポート13に対向させ、各排気管31,32との接合フランジ面24が上側平面になるように位置決めして、第一ガスケットを介して、傾斜フランジ22を各シリンダヘッド毎に締結部材(図示省略)にて全気筒(本実施形態では12気筒)に締結する第一工程と、排気コネクタ2の上向き水平面の接合フランジ面24に分割された左側第一排気管31を載置して、方向性等の位置決めをして、排気コネクタ2の接合フランジ面24と左側第一排気管31のフランジ部312とを第二ガスケット25を介して排気コネクタ2毎に締結する第二工程と、(各排気管31,32の排気コネクタ2への取付け順序については、特に規定する必要がなく、周囲の状況により変えることは自由である。)
次に、蛇腹管6の排気系下流側の下流側蛇腹端部62と、左側第二排気管32の排気系上流側端部324との連結は左側第一排気管31の排気系下流側開口端部313と、蛇腹管6の上流側蛇腹端部63との連結と同様に、蛇腹管6の上流側蛇腹端部63と左側第に排気管32の排気系上流側開口端部324とを対向させて、夫々の端部に配設された凹部65と凸部326とをインロー嵌合させて、上流側蛇腹端部63のテーパ部と左側第二排気管32の開口端部324との夫々のテーパ部を断面が台形(図4(ロ))状のクリップバンド7にて夫々の端部が当接するように締結される第三工程とで組立を行う。
また、図4に示すように、クリップバンド7は第一バンド部71と第二バンド部72とをボルト712とナット713にてリング状に仮締めして、蛇腹管6又は、排気管31の何れかの端部に首輪状に掛けておき、双方の凹部314と凸部64とをインロー嵌合させた後に、接合部に配置するようにすると、分割された第一バンド部71と第二バンド部72とをボルト712とナット713にて締結する際に作業が容易になる。
尚、他の部分の排気コネクタ2と各排気管31,32との結合は同様に行うので、結合方法の説明は省略する。
また、各排気管31,32と排気コネクタ2との取付け順序については、特に規定する必要がないので、周囲の状況により変えることは自由である。
以上詳述の通り、左側集合排気管3と右側集合排気管4とをクランク軸中心Lに対し対称に配置し、夫々の集合排気管の上流側排気系38,39と、下流側排気系39,49を排気コネクタの中心を連ねた中心線M,Nを中心に等間隔Qに振分けた位置に配設した構造とした。
従って、図2に記載の各排気管31,32に付した排気管形状の種類を表すアルファベットから判断できるように、左側第一排気管31及び、左側第二排気管32は右側第四排気管44及び右側第五排気管45と同じ形状の排気管とすることができる。
更に、右側の第一排気管41及び、右側第二排気管42は左側第四排気管34及び左側第五排気管35と同じ形状の排気管とすることができる。
また、左側第二排気管32と左側第三排気管33とが同一、右側第二排気管42と右側第三排気管43とが同一形状となっており、部品の共通化ができ、コスト低減が可能となっている。
また、排気コネクタ2の排気管との接合フランジ面24が上側水平面となっているので、接合フランジ面24に排気管を載置した状態で排気コネクタ2と排気管との組付け位置合せが容易になり、組付け工数の低減によるコスト低減が可能となるとともに、組付け容易化による組付精度が向上して、品質の安定性が向上する。
排気マニホールドには複数の排気管間に蛇腹管を介装した構成としたので、内部を通過する排気ガス熱による排気管の軸線方向の熱変形を吸収するので、各排気管31,32に発生する応力を吸収できる効果を有している。
尚、本実施形態では排気マニホールドについて説明したが、マニホールド取付面が傾斜面を有する重量の大きい吸気管に使用しても、同様の効果を得られる。
大出力エンジンの排気マニホールドを取付けるシリンダヘッドの取付面が傾斜しているエンジンに適用できる。
1 エンジン
2 排気コネクタ
3 左側集合排気管
4 右側集合排気管
5 排気マニホールド
6 蛇腹管
7 クリップバンド
11 シリンダヘッド
16 クランク軸
18 右側バンク
19 左側バンク
21 第一ガスケット
24 接合フランジ面
25 第二ガスケット
31 左側第一排気管
32 左側第二排気管
33 左側第三排気管
34 左側第四排気管
35 左側第五排気管
36 左側第六排気管
37 左側バイパス管
38 左上流側排気系
39 左下流側排気系
41 右側第一排気管
42 右側第二排気管
43 右側第三排気管
44 右側第四排気管
45 右側第五排気管
46 右側第六排気管
47 右側バイパス管
48 右上流側排気系
49 右下流側排気系
L クランク軸中心
M 左側ポート中心
N 右側ポート中心

Claims (4)

  1. 複数の気筒を有するV型エンジンの排気系に配置されるシリンダヘッドと、該シリンダベッドに設けられ燃焼室内の排ガスが排出される排気ポートと、該排気ポートの前記排気系下流側に配設され、前記各気筒からの排気ガスを集合して前記排気系下流側へ排出するバンク毎の集合排気管と、前記シリンダヘッドと前記集合排気管との間に介装され、前記各気筒毎の前記排気ポートに接続するように装着され排気ガスを前記集合排気管に導く排気コネクタとを備え、
    さらに、シリンダヘッドの各バンクの上端面は右側のバンクは右側に傾斜し、左側のバンクは左側に傾斜して前記エンジンのクランク軸に対し左右対称に形成されるとともに、シリンダブロックの上面と平行な傾斜面に形成され、
    該シリンダヘッドの上端面の前記傾斜面に前記排気ポートに接続する前記排気コネクタが締結され、
    前記排気コネクタは前記シリンダヘッドの前記排気ポートの配設位置の傾斜面に沿った傾斜フランジを有し、前記シリンダヘッドに装着された前記排気コネクタは前記集合排気管との接合面が上側を向いた水平面となる接合フランジ面を有し、該接合フランジ面に前記集合排気管を載置した状態で前記集合排気管を前記接合フランジ面に締結できるように構成されたことを特徴とする排気マニホールド構造。
  2. 前記集合排気管は前記各排気コネクタと結合する複数に分割された排気管と、該複数の排気管の間には内部を排気ガスが通過すると共に、前記複数の排気管の軸線方向の熱変形を吸収する蛇腹管が介装されたことを特徴とする請求項1記載の排気マニホールド構造。
  3. 前記V型エンジンは前記クランク軸を中心にして夫々複数の気筒を有する右側バンクと左側バンクとを有し、前記左側及び右側バンクには夫々左側集合排気管及び、右側集合排気管が配設され、前記左側集合排気管は排気系上流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する左上流側排気系及び、排気系下流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する左下流側排気系を有し、前記右側集合排気管は排気系上流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する右上流側排気系及び、排気系下流側の複数の気筒から排出される排気ガスを集合する前記複数の排気管を有する右下流側排気系とから構成され、前記左上流側排気系と前記左下流側排気系及び、前記右上流側排気系と前記右下流側排気系夫々の軸線は前記左右夫々のバンクのシリンダヘッドに配設された上記排気コネクタの接合フランジ面の中心を連ねた排気コネクタ中心線に対して前記エンジンの幅方向に等間隔で振分けた構造とすることにより、前記左側又は、右側集合排気管の少なくとも何れか一方の前記排気系の上流側に配設された前記複数の排気管と、前記右側又は、左側集合排気管の少なくとも何れか他方の前記排気系の下流側に配設された前記複数の排気管とを共通化したことを特徴とする請求項2記載の排気マニホールド構造。
  4. 前記請求項2に記載の排気マニホールド構造からなる排気マニホールドを組み立てる排気マニホールド組立方法において、
    前記排気コネクタを前記各シリンダヘッドの排気コネクタ取付面毎に、前記排気管との前記接合フランジ面が上側平面になるように位置決めして、第一ガスケットを介して、前記各シリンダヘッドに締結部材にて固定する第一工程と、
    前記排気コネクタの前記接合フランジ面に前記分割された排気管を載置して、前記排気コネクタと前記排気管との位置決めをして、第二ガスケットを介して前記排気コネクタ毎に前記排気管を締結部材にて固定する第二工程と、
    前記分割された排気管と前記分割された各排気管との間に前記蛇腹管を介装して、前記各排気管端部と前記蛇腹管端部との接合面外周部を覆うクランプ部材にて固定する第三工程と、
    を有することを特徴とする排気マニホールド組立方法。
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