JP2004150385A - 排気マニホールド - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伸縮差を吸収できると共に、組立作業が容易な排気マニホールドを得る。
【解決手段】排気ポートが第1から第3までの3つで、内側にある第2排気ポート2に接続される第2枝管部12をフランジ部材16に溶着し、残りの第1,第3枝管部11,13には第1,第3枝管部11,13のシリンダヘッド側端に鍔部20b,26bを形成する。フランジ部材16には排気ポート1,3に連通する貫通孔22,28と、貫通孔22,28に連接して鍔部20b,26bを収納する凹部24,30とを形成する。凹部24,30に鍔部20b,26bを収納してシリンダヘッドSに固定された状態で、残りの第1,第3枝管部11,13には熱伸縮に応じて移動可能な隙間を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】排気ポートが第1から第3までの3つで、内側にある第2排気ポート2に接続される第2枝管部12をフランジ部材16に溶着し、残りの第1,第3枝管部11,13には第1,第3枝管部11,13のシリンダヘッド側端に鍔部20b,26bを形成する。フランジ部材16には排気ポート1,3に連通する貫通孔22,28と、貫通孔22,28に連接して鍔部20b,26bを収納する凹部24,30とを形成する。凹部24,30に鍔部20b,26bを収納してシリンダヘッドSに固定された状態で、残りの第1,第3枝管部11,13には熱伸縮に応じて移動可能な隙間を形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備えた排気マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気マニホールドでは、枝管部とフランジ部材とを一体に溶着すると、枝管部や集合部とフランジ部材との温度差により熱伸縮差が生じ、枝管部とフランジ部材との間に亀裂が生じたり、フランジ部材が湾曲したりする問題があった。そこで、特許文献1にあるように、枝管部の端にフランジ状の座部を形成すると共に、フランジ部材にはこの座部を収納する凹部を形成し、フランジ部材がシリンダヘッドに固定された状態で、座部の外周面とフランジ部材の凹部の内壁面、及び枝管部の外側面とフランジ部材の開口の内壁面との間には隙間が形成されるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−44812号公報(第2頁 第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、排気マニホールドをシリンダヘッドに取り付ける際、枝管部とフランジ部材との間にガタがあり、フランジ部材をシリンダヘッドに取り付けるボルトを締付けながら、複数の枝管部とシリンダヘッドの複数の排気ポートとの位置を合わせなければならず、組立作業が煩わしいという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、熱伸縮差を吸収できると共に、組立作業が容易な排気マニホールドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
エンジンのシリンダヘッドの排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
内側の前記枝管部の1つを前記フランジ部材に溶着し、残りの前記枝管部には前記枝管部のシリンダヘッド側端に鍔部を形成し、前記フランジ部材には前記排気ポートに連通する貫通孔と、該貫通孔に連接して前記鍔部を収納する凹部とを形成し、
前記凹部に前記鍔部を収納して前記シリンダヘッドに固定された状態で、残りの前記枝管部が熱伸縮に応じて移動可能な隙間を形成したことを特徴とする排気マニホールドがそれである。
【0007】
前記排気ポートが第1から第3までの3つで、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着してもよい。あるいは、前記排気ポートが第1から第4までの4つで、第2排気ポートあるいは第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着してもよい。また、前記排気ポートが第1から第4までの4つで、前記フランジ部材が第1と第2の前記排気ポートに対応した第1フランジ部材と、第3と第4の前記排気ポートに対応した第2フランジ部材との2つに分割され、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記第1フランジ部材に溶着し、第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記第2フランジ部材に溶着してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、Sはエンジンのシリンダヘッドで、本実施形態ではV型6気筒エンジンの片側3気筒を示す。シリンダヘッドSには3気筒分の第1〜第3排気ポート1〜3が一列に配置されている。
【0009】
このシリンダヘッドSには排気マニホールド10が取り付けられている。排気マニホールド10は、第1〜第3枝管部11〜13、集合部14、フランジ部材16を備えている。第1〜第3枝管部11〜13は第1〜第3排気ポート1〜3に対応して一列に配設されており、第1〜第3枝管部11〜13が中空状の集合部14にそれぞれ接続されて集合されている。
【0010】
フランジ部材16には、特定の、即ち、3つの第1〜第3枝管部11〜13のうちの、内側にある第2枝管部12が挿入される貫通孔18が形成されている。挿入される第2枝管部12の外周と貫通孔18の内周との間に隙間はなく、貫通孔18の内周は、第2枝管部12を挿入可能な大きさに形成されている。尚、貫通孔18はフランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付けた際に、第2排気ポート2に連通する位置に設けられている。
【0011】
一方、第1枝管部11には、シリンダヘッド側端にスライドカラー20が設けられている。スライドカラー20は、第1枝管部11が内部に挿入される筒部20aと、筒部20aの先端が外側にフランジ状に広げられた鍔部20bとを備えている。第1枝管部11と筒部20aとは溶接により固定されている。
【0012】
フランジ部材16には、スライドカラー20の筒部20aが挿入される貫通孔22が形成されている。この貫通孔22はフランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付けた際に、第1排気ポート1に連通する位置に設けられている。スライドカラー20の筒部20aの外周と、貫通孔22の内周との間には、図3に示すように、隙間aが形成されるように構成されている。隙間aの大きさは、第1〜第3枝管部11〜13及び集合部14とフランジ部材16との熱伸縮差に応じて、実験等により定めるとよい。
【0013】
フランジ部材16のシリンダヘッド側には、貫通孔22に連接して凹部24が形成されている。凹部24はスライドカラー20の鍔部20bを収納可能な大きさに形成されており、鍔部20bの外周と、凹部24の内周との間には、隙間bが形成されるように構成されている。この隙間bの大きさは、第1〜第3枝管部11〜13及び集合部14とフランジ部材16との熱伸縮差に応じて、実験等により定めるとよい。
【0014】
第3枝管部13も、第1枝管部11と同様に、シリンダヘッド側端にスライドカラー26が取り付けられており、スライドカラー26は、筒部26aと鍔部26bとを備えている。フランジ部材16には、第3排気ポート3に連通する貫通孔28が形成されており、スライドカラー26の外周と貫通孔28の内周との間には、隙間が形成されている。
【0015】
貫通孔28に連接して凹部30が形成されており、凹部30には鍔部26bが収納されると共に、鍔部26bの外周と凹部30の内周との間に隙間が形成されている。第3枝管部13とスライドカラー26とは溶接により固定されている。尚、フランジ部材16には、複数個の取付孔32が形成されている。
【0016】
そして、本実施形態では、第1〜第3枝管部11〜13のうち、内側にある第2枝管部12が、貫通孔18に挿入された後、第2枝管部12の外周に沿って、全周溶接されて、第2枝管部12をフランジ部材16に溶着している。溶接の際、第1枝管部11では、隙間a,bが、スライドカラー20の外周の全周にわたってほぼ均等になるように、位置が決められてから溶接される。第3枝管部13でも同様である。
【0017】
次に、前述した本実施形態の排気マニホールドの作動について説明する。
まず、シリンダヘッドSに排気マニホールド10を組み付ける際には、各取付孔32に図示しないボルトを挿入して、フランジ部材16をシリンダヘッドSに固定する。その際、フランジ部材16と第1〜第3枝管部11〜13とが動くことがなく、組付けが容易である。
【0018】
エンジンの運転に伴って、排気ガスが第1〜第3排気ポート1〜3から排出されると、排気マニホールド10の温度が上昇する。その際、フランジ部材16はシリンダヘッドSに密着されているので、その温度上昇は小さく、集合部14の温度上昇は大きい。
【0019】
排気マニホールド10ではフランジ部材16と集合部14との間で温度差が生じ、これにより、熱伸縮差がでる。集合部14が高温になった場合、内側の第2枝管部12を中心に、その外側にある残りの第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に伸びようとする。
【0020】
その伸びは、スライドカラー20,26が隙間a,bの範囲内で貫通孔22,26と凹部24,30内を移動し、熱伸縮差を吸収する。この結果、第1〜第3枝管部11〜13には亀裂や湾曲が発生せず、また、フランジ部材16が湾曲することはない。また、第2枝管部12には、スライドカラーが不要であるので、部品点数を低減でき、鍔部が不要であるので製造も容易になる。
【0021】
内側の第2枝管部12をフランジ部材16に溶接することにより、第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に移動する。外側の第1枝管部11又は第3枝管部13を溶着すると、第1枝管部11と第3枝管部13との距離が長く、熱伸縮量が大きくなり好ましくない。
【0022】
次に、前述した実施形態と異なる第2実施形態の排気マニホールドについて、図4によって説明する。
第2実施形態のエンジンは、4気筒で、シリンダヘッドSには第1〜第4排気ポート51〜54が一列に配置されている。排気マニホールド60は第1〜第4枝管部61〜64と、集合部66とを備えている。フランジ部材68には第3枝管部63が挿入される貫通孔69が形成されており、この貫通孔69は第3排気ポート53に連通するように形成されている。
【0023】
第1,第2,第4枝管部61,62,64は、前述した実施形態と同様、シリンダヘッド側端にスライドカラー71,72,74が取り付けられている。スライドカラー71,72,74はそれぞれ筒部71a,72a,74aと鍔部71b,72b,74bとを備えている。
【0024】
筒部71a,72a,74aは、それぞれフランジ部材68に形成された貫通孔76,78,80に、隙間を設けて挿入されており、鍔部71b,72b,74bは凹部82,84,86に収納されている。鍔部71b,72b,74bの外周と凹部82,84,86の内周との間には、隙間が形成されている。
【0025】
第3枝管部63が貫通孔69に挿入された後、第3枝管部63の外周に沿って全周溶接あるいは部分溶接されて、第3枝管部63がフランジ部材68に溶着されている。これにより、フランジ部材68と第1〜第4枝管部61〜64とが固定され、組立時に、フランジ部材68が動くことがなく、組立が容易になる。
【0026】
本第2実施形態では、第3枝管部63を溶着したが、これに代えて、第2枝管部62を溶着しても同様に実施可能であり、4つの第1〜第4枝管部61〜64のうち、内側にある1つの枝管部を溶着すればよい。外側の1つの枝管部、例えば第1枝管部61を溶着すると、第4枝管部64までの距離が遠くなり、熱伸縮量が大きくなりすぎる。
【0027】
次に、前述した第2実施形態と異なる第3実施形態の排気マニホールドについて、図5によって説明する。尚、前述した第2実施形態と同じ部材については同一番号を付して詳細な説明を省略する。
本第3実施形態では、第1,第2排気ポート51,52に対応した第1フランジ部材68aと第3,第4排気ポート53,54に対応した第2フランジ部材68bとの2つに分割されている。内側にある第2枝管部62が第1フランジ部材68aの貫通孔91に挿入されて、第2枝管部62の外周が全周溶接あるいは部分溶接されて溶着されている。また、内側にある第3枝管部63は第2実施形態と同様、第2フランジ部材68bの貫通孔69に挿入されて溶着されている。
【0028】
この第3実施形態の場合でも、組立時に、第1フランジ部材68a及び第2フランジ部材68bが動くことがなく、組立が容易になる。この場合、外側にある第1枝管部61を第1フランジ部材68aに、同じく外側にある第4枝管部64を第2フランジ部材68bに溶着すると、熱伸縮を吸収できなくなる。
【0029】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の排気マニホールドは、フランジ部材と枝管部及び集合部とが相対的に動くことがなく、組付けが容易であるという効果を奏する。また、熱伸縮差が生じても、残りの枝管部が移動できるので、熱伸縮差を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図2】本実施形態の排気マニホールドの側面図である。
【図3】本実施形態の排気マニホールドの凹部を中心とする拡大断面図である。
【図4】第2実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図5】第3実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【符号の説明】
1,51…第1排気ポート 2,52…第2排気ポート
3,53…第3排気ポート 10,60…排気マニホールド
11,61…第1枝管部 12,62…第2枝管部
13,63…第3枝管部 14,66…集合部
16,68…フランジ部材
18,22,28,69,76,91…貫通孔
20,26,71…スライドカラー
20a,26a,71a…筒部
20b,26b,71b…鍔部
24,30,82…凹部 54…第4排気ポート
64…第4枝管部 68a…第1フランジ部材
68b…第2フランジ部材 S…シリンダヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の枝管部と、枝管部が集合される集合部とを備えた排気マニホールドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気マニホールドでは、枝管部とフランジ部材とを一体に溶着すると、枝管部や集合部とフランジ部材との温度差により熱伸縮差が生じ、枝管部とフランジ部材との間に亀裂が生じたり、フランジ部材が湾曲したりする問題があった。そこで、特許文献1にあるように、枝管部の端にフランジ状の座部を形成すると共に、フランジ部材にはこの座部を収納する凹部を形成し、フランジ部材がシリンダヘッドに固定された状態で、座部の外周面とフランジ部材の凹部の内壁面、及び枝管部の外側面とフランジ部材の開口の内壁面との間には隙間が形成されるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−44812号公報(第2頁 第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、排気マニホールドをシリンダヘッドに取り付ける際、枝管部とフランジ部材との間にガタがあり、フランジ部材をシリンダヘッドに取り付けるボルトを締付けながら、複数の枝管部とシリンダヘッドの複数の排気ポートとの位置を合わせなければならず、組立作業が煩わしいという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、熱伸縮差を吸収できると共に、組立作業が容易な排気マニホールドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
エンジンのシリンダヘッドの排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
内側の前記枝管部の1つを前記フランジ部材に溶着し、残りの前記枝管部には前記枝管部のシリンダヘッド側端に鍔部を形成し、前記フランジ部材には前記排気ポートに連通する貫通孔と、該貫通孔に連接して前記鍔部を収納する凹部とを形成し、
前記凹部に前記鍔部を収納して前記シリンダヘッドに固定された状態で、残りの前記枝管部が熱伸縮に応じて移動可能な隙間を形成したことを特徴とする排気マニホールドがそれである。
【0007】
前記排気ポートが第1から第3までの3つで、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着してもよい。あるいは、前記排気ポートが第1から第4までの4つで、第2排気ポートあるいは第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着してもよい。また、前記排気ポートが第1から第4までの4つで、前記フランジ部材が第1と第2の前記排気ポートに対応した第1フランジ部材と、第3と第4の前記排気ポートに対応した第2フランジ部材との2つに分割され、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記第1フランジ部材に溶着し、第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記第2フランジ部材に溶着してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、Sはエンジンのシリンダヘッドで、本実施形態ではV型6気筒エンジンの片側3気筒を示す。シリンダヘッドSには3気筒分の第1〜第3排気ポート1〜3が一列に配置されている。
【0009】
このシリンダヘッドSには排気マニホールド10が取り付けられている。排気マニホールド10は、第1〜第3枝管部11〜13、集合部14、フランジ部材16を備えている。第1〜第3枝管部11〜13は第1〜第3排気ポート1〜3に対応して一列に配設されており、第1〜第3枝管部11〜13が中空状の集合部14にそれぞれ接続されて集合されている。
【0010】
フランジ部材16には、特定の、即ち、3つの第1〜第3枝管部11〜13のうちの、内側にある第2枝管部12が挿入される貫通孔18が形成されている。挿入される第2枝管部12の外周と貫通孔18の内周との間に隙間はなく、貫通孔18の内周は、第2枝管部12を挿入可能な大きさに形成されている。尚、貫通孔18はフランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付けた際に、第2排気ポート2に連通する位置に設けられている。
【0011】
一方、第1枝管部11には、シリンダヘッド側端にスライドカラー20が設けられている。スライドカラー20は、第1枝管部11が内部に挿入される筒部20aと、筒部20aの先端が外側にフランジ状に広げられた鍔部20bとを備えている。第1枝管部11と筒部20aとは溶接により固定されている。
【0012】
フランジ部材16には、スライドカラー20の筒部20aが挿入される貫通孔22が形成されている。この貫通孔22はフランジ部材16をシリンダヘッドSに取り付けた際に、第1排気ポート1に連通する位置に設けられている。スライドカラー20の筒部20aの外周と、貫通孔22の内周との間には、図3に示すように、隙間aが形成されるように構成されている。隙間aの大きさは、第1〜第3枝管部11〜13及び集合部14とフランジ部材16との熱伸縮差に応じて、実験等により定めるとよい。
【0013】
フランジ部材16のシリンダヘッド側には、貫通孔22に連接して凹部24が形成されている。凹部24はスライドカラー20の鍔部20bを収納可能な大きさに形成されており、鍔部20bの外周と、凹部24の内周との間には、隙間bが形成されるように構成されている。この隙間bの大きさは、第1〜第3枝管部11〜13及び集合部14とフランジ部材16との熱伸縮差に応じて、実験等により定めるとよい。
【0014】
第3枝管部13も、第1枝管部11と同様に、シリンダヘッド側端にスライドカラー26が取り付けられており、スライドカラー26は、筒部26aと鍔部26bとを備えている。フランジ部材16には、第3排気ポート3に連通する貫通孔28が形成されており、スライドカラー26の外周と貫通孔28の内周との間には、隙間が形成されている。
【0015】
貫通孔28に連接して凹部30が形成されており、凹部30には鍔部26bが収納されると共に、鍔部26bの外周と凹部30の内周との間に隙間が形成されている。第3枝管部13とスライドカラー26とは溶接により固定されている。尚、フランジ部材16には、複数個の取付孔32が形成されている。
【0016】
そして、本実施形態では、第1〜第3枝管部11〜13のうち、内側にある第2枝管部12が、貫通孔18に挿入された後、第2枝管部12の外周に沿って、全周溶接されて、第2枝管部12をフランジ部材16に溶着している。溶接の際、第1枝管部11では、隙間a,bが、スライドカラー20の外周の全周にわたってほぼ均等になるように、位置が決められてから溶接される。第3枝管部13でも同様である。
【0017】
次に、前述した本実施形態の排気マニホールドの作動について説明する。
まず、シリンダヘッドSに排気マニホールド10を組み付ける際には、各取付孔32に図示しないボルトを挿入して、フランジ部材16をシリンダヘッドSに固定する。その際、フランジ部材16と第1〜第3枝管部11〜13とが動くことがなく、組付けが容易である。
【0018】
エンジンの運転に伴って、排気ガスが第1〜第3排気ポート1〜3から排出されると、排気マニホールド10の温度が上昇する。その際、フランジ部材16はシリンダヘッドSに密着されているので、その温度上昇は小さく、集合部14の温度上昇は大きい。
【0019】
排気マニホールド10ではフランジ部材16と集合部14との間で温度差が生じ、これにより、熱伸縮差がでる。集合部14が高温になった場合、内側の第2枝管部12を中心に、その外側にある残りの第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に伸びようとする。
【0020】
その伸びは、スライドカラー20,26が隙間a,bの範囲内で貫通孔22,26と凹部24,30内を移動し、熱伸縮差を吸収する。この結果、第1〜第3枝管部11〜13には亀裂や湾曲が発生せず、また、フランジ部材16が湾曲することはない。また、第2枝管部12には、スライドカラーが不要であるので、部品点数を低減でき、鍔部が不要であるので製造も容易になる。
【0021】
内側の第2枝管部12をフランジ部材16に溶接することにより、第1枝管部11及び第3枝管部13がそれぞれ外側に移動する。外側の第1枝管部11又は第3枝管部13を溶着すると、第1枝管部11と第3枝管部13との距離が長く、熱伸縮量が大きくなり好ましくない。
【0022】
次に、前述した実施形態と異なる第2実施形態の排気マニホールドについて、図4によって説明する。
第2実施形態のエンジンは、4気筒で、シリンダヘッドSには第1〜第4排気ポート51〜54が一列に配置されている。排気マニホールド60は第1〜第4枝管部61〜64と、集合部66とを備えている。フランジ部材68には第3枝管部63が挿入される貫通孔69が形成されており、この貫通孔69は第3排気ポート53に連通するように形成されている。
【0023】
第1,第2,第4枝管部61,62,64は、前述した実施形態と同様、シリンダヘッド側端にスライドカラー71,72,74が取り付けられている。スライドカラー71,72,74はそれぞれ筒部71a,72a,74aと鍔部71b,72b,74bとを備えている。
【0024】
筒部71a,72a,74aは、それぞれフランジ部材68に形成された貫通孔76,78,80に、隙間を設けて挿入されており、鍔部71b,72b,74bは凹部82,84,86に収納されている。鍔部71b,72b,74bの外周と凹部82,84,86の内周との間には、隙間が形成されている。
【0025】
第3枝管部63が貫通孔69に挿入された後、第3枝管部63の外周に沿って全周溶接あるいは部分溶接されて、第3枝管部63がフランジ部材68に溶着されている。これにより、フランジ部材68と第1〜第4枝管部61〜64とが固定され、組立時に、フランジ部材68が動くことがなく、組立が容易になる。
【0026】
本第2実施形態では、第3枝管部63を溶着したが、これに代えて、第2枝管部62を溶着しても同様に実施可能であり、4つの第1〜第4枝管部61〜64のうち、内側にある1つの枝管部を溶着すればよい。外側の1つの枝管部、例えば第1枝管部61を溶着すると、第4枝管部64までの距離が遠くなり、熱伸縮量が大きくなりすぎる。
【0027】
次に、前述した第2実施形態と異なる第3実施形態の排気マニホールドについて、図5によって説明する。尚、前述した第2実施形態と同じ部材については同一番号を付して詳細な説明を省略する。
本第3実施形態では、第1,第2排気ポート51,52に対応した第1フランジ部材68aと第3,第4排気ポート53,54に対応した第2フランジ部材68bとの2つに分割されている。内側にある第2枝管部62が第1フランジ部材68aの貫通孔91に挿入されて、第2枝管部62の外周が全周溶接あるいは部分溶接されて溶着されている。また、内側にある第3枝管部63は第2実施形態と同様、第2フランジ部材68bの貫通孔69に挿入されて溶着されている。
【0028】
この第3実施形態の場合でも、組立時に、第1フランジ部材68a及び第2フランジ部材68bが動くことがなく、組立が容易になる。この場合、外側にある第1枝管部61を第1フランジ部材68aに、同じく外側にある第4枝管部64を第2フランジ部材68bに溶着すると、熱伸縮を吸収できなくなる。
【0029】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の排気マニホールドは、フランジ部材と枝管部及び集合部とが相対的に動くことがなく、組付けが容易であるという効果を奏する。また、熱伸縮差が生じても、残りの枝管部が移動できるので、熱伸縮差を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図2】本実施形態の排気マニホールドの側面図である。
【図3】本実施形態の排気マニホールドの凹部を中心とする拡大断面図である。
【図4】第2実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【図5】第3実施形態としての排気マニホールドの一部を断面で示す正面図である。
【符号の説明】
1,51…第1排気ポート 2,52…第2排気ポート
3,53…第3排気ポート 10,60…排気マニホールド
11,61…第1枝管部 12,62…第2枝管部
13,63…第3枝管部 14,66…集合部
16,68…フランジ部材
18,22,28,69,76,91…貫通孔
20,26,71…スライドカラー
20a,26a,71a…筒部
20b,26b,71b…鍔部
24,30,82…凹部 54…第4排気ポート
64…第4枝管部 68a…第1フランジ部材
68b…第2フランジ部材 S…シリンダヘッド
Claims (4)
- エンジンのシリンダヘッドの排気ポートにそれぞれ接続される複数の枝管部と、該枝管部が集合される集合部とを備え、前記枝管部がフランジ部材を介して前記シリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドにおいて、
内側の前記枝管部の1つを前記フランジ部材に溶着し、残りの前記枝管部には前記枝管部のシリンダヘッド側端に鍔部を形成し、前記フランジ部材には前記排気ポートに連通する貫通孔と、該貫通孔に連接して前記鍔部を収納する凹部とを形成し、
前記凹部に前記鍔部を収納して前記シリンダヘッドに固定された状態で、残りの前記枝管部が熱伸縮に応じて移動可能な隙間を形成したことを特徴とする排気マニホールド。 - 前記排気ポートが第1から第3までの3つで、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着したことを特徴とする請求項1記載の排気マニホールド。
- 前記排気ポートが第1から第4までの4つで、第2排気ポートあるいは第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記フランジ部材に溶着したことを特徴とする請求項1記載の排気マニホールド。
- 前記排気ポートが第1から第4までの4つで、前記フランジ部材が第1と第2の前記排気ポートに対応した第1フランジ部材と、第3と第4の前記排気ポートに対応した第2フランジ部材との2つに分割され、第2排気ポートに接続される前記枝管部を前記第1フランジ部材に溶着し、第3排気ポートに接続される前記枝管部を前記第2フランジ部材に溶着したことを特徴とする請求項1記載の排気マニホールド。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002318345A JP2004150385A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 排気マニホールド |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002318345A JP2004150385A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 排気マニホールド |
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ID=32461498
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007107447A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Calsonic Kansei Corp | エキゾーストマニホールドの締結構造 |
WO2023105938A1 (ja) * | 2021-12-10 | 2023-06-15 | 三菱パワー株式会社 | 配管の支持構造体、吸気ダクト、及びガスタービン |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002318345A patent/JP2004150385A/ja active Pending
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JP2007107447A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Calsonic Kansei Corp | エキゾーストマニホールドの締結構造 |
WO2023105938A1 (ja) * | 2021-12-10 | 2023-06-15 | 三菱パワー株式会社 | 配管の支持構造体、吸気ダクト、及びガスタービン |
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