JP2004270175A - 排水桝の構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の排水枝管を適当な角度で接続し、そのため、自由なレイアウトで配設することができ、容易に排水設備を設置することを可能とする。
【解決手段】建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する排水桝本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、排出口4内面に連続する略すり鉢状に形成されたインバート面10とを具備する底部6と、を備えた排水桝1の構造において、流入接続口5が排水桝本体2の外周部11における、排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、排水桝本体2の外周面に周方向Aに並ぶ各流入接続口5が、隣り合う各流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設される。
【選択図】 図1
【解決手段】建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する排水桝本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、排出口4内面に連続する略すり鉢状に形成されたインバート面10とを具備する底部6と、を備えた排水桝1の構造において、流入接続口5が排水桝本体2の外周部11における、排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、排水桝本体2の外周面に周方向Aに並ぶ各流入接続口5が、隣り合う各流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸建て住宅、集合住宅等の屋内に用いられる集合一括排水されるための排水桝の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、戸建て住宅などのトイレ,風呂場,洗面所などの排水設備から排出される雑排水は、各排水設備に接続された排水枝管をできるだけ最短距離で建物の外側に導出される。従来、この建物の外側に導出した排水枝管を建物の外郭に沿って宅地内に配管した排水管に接続されている排水桝の流入枝管口に接続し、この排水管の下端側末端に公共桝を接続し、この公共桝を道路などに埋設された下水管に接続する構造が採られていた。
【0003】
また、下記特許文献1に開示されるように、家庭の台所,洗面所,浴室などから排水される雑排水を、基礎の外部で直接あるいは排水桝に集めて下水本管に接続し排水する排水設備があった。建物内の各排水設備にそれぞれ接続した複数の排水枝管は、建物の床下に配管された上で、基礎を貫通して外側に延出され、この延出された部分が排水桝に接続される。そして、この排水桝に外部接続管が接続されている。また、上記排水桝は、その側部に同一方向に流入枝管口が突出した形である。
【0004】
さらに、特許文献2に開示されるように、排水枝管を屋外に出さずに建物等の床下で各排水枝管から雑排水を排水主管に集合させて一括排水する床下排水設備があった。このような排水設備においては、各排水枝管を屋内の床下に設置される内部排水桝に接続し、接続排水管を介して建物の外部に設置されている外部排水桝へと接続されている。すなわち、屋内の排水は各排水枝管から内部排水桝に一旦集められ、接続排水管によって建物の外部に設置されている外部排水桝へと一括排水される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−331221号公報
【特許文献2】
特開2001−348927号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排水管設備では、排水枝管は、配水管を建物の外側へ出すため、住戸周りの配水管に関しては土木工事となり、住戸内の配管を行う管工事とは違った業種として位置付けされるため管理する建築業者にとっては管理が煩雑になり、そのためコストが嵩むという問題があった。
【0007】
また、宅地内に建物の外郭に沿って排水管を配管し、この排水管に排水桝を建物から導出される各排水枝管ごとに接続し、そして宅地内の排水管に接続する排水桝間は排水管で接続するため、建物の外側に排水桝を設置する空間が必要となるが、宅地の狭隘化により、建物の外郭に沿って排水桝を設置することが困難な場合が生じる。
【0008】
さらに、上記した特許文献1では、すべて基礎の外側に延出されたうえで、排水桝に接続されているので、これら排水枝管が長くなり、しかも排水枝管は複数設けているので、狭い宅地内では、排水枝管の設置が複雑となり、その設置が困難であった。また、基礎に複数の排水枝管を通すための穴を複数形成する必要があり、それに手間がかかっていた。さらに、この排水桝の側部に、同一方向に流入枝管口が突出した形であるので、排水枝管を一方向に向けて接続しなくてはならず、これについても狭い宅地内では、その設置が困難であった。
【0009】
そして近年では、建物の柱・梁・床などの構造躯体(スケルトン)と、住戸内の内装・設備(インフィル)とを分離した工法、いわゆるSI(スケルトン・インフィル)工法を取り入れた住宅が普及しており、水回りを含む自由な内装変更が求められているが、排水枝管の設置方向の自由度が少ないため、それが困難であった。
【0010】
さらに、上記した特許文献2では、排水枝管は、その長さを短く抑えられるものの、内部排水桝への接続角度が限定されてしまい、配管のレイアウトに気を付けなければならず、ときには、排水管の上を別の排水管が横切るような事態に陥る危険性があった。
【0011】
そこで本発明は、上記問題を解消するために、複数の排水枝管を状況に応じた適当な角度で接続し、排水枝管を自由なレイアウトで配設することができ、容易に排水設備を設置することができる排水桝の構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の排水桝の構造によれば、建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、該排出口4内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面10とを具備する底部部材6と、を接続した排水桝1の構造において、
前記各流入接続口5が前記本体2の外周部11における、前記排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、前記本体2の外周面に周方向に並ぶ前記各流入接続口5が、隣り合う該各流入接続口5でそれぞれ前記本体2の中心軸線Zの軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする。
【0013】
このような構造によれば、複数設けられている流入接続口5によって、屋内の各排水設備から排出される雑排水を本体2内部に集合させることができ、本体2に一箇所のみ設けられている排出口4によってこの本体2内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0014】
また、この排水桝1の底部部材6に連続する略すり鉢状のインバート面10が形成されることによって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込んでくる雑排水が、本体2内部を渦状に流動し、排出口4に到るまでの送流性の向上が可能となる。
【0015】
さらに、排水桝1の上部に点検口3が開口されることによって、排水桝1内の集中管理が可能となる。
【0016】
また、本体2の外周部11に複数の流入接続口5が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管31を1つの排水桝1に集合させて接続させることが可能となる。
【0017】
さらに、流入接続口5を外周部11上で隣り合う流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれて上下方向に互い違いに配列されることによって、外周部11における流入接続口5の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管31の接続が容易となる。
【0018】
また、流入接続口5を平面視で外周部11上の略半部に略放射状に設けることによって本体2内部のインバート面10上で雑排水を周方向Aに沿って流動させ、本体2内部に流れ込む雑排水に混入した汚物等の滞留防止が可能となる。
【0019】
また、この発明の請求項2記載の排水桝の構造によれば、前記各流入接続口5における前記排出口4に近接した該流入接続口5の平面視における中心軸線Lが、前記本体2の中心軸線Zよりも該排出口4から遠ざかる位置に延びていることを特徴とする。
【0020】
このような構造によれば、本体2に対して略放射状に配設されている複数の流入接続口5のうち排出口4に近接した位置の流入接続口5の中心軸線Lが本体2の中心軸線Zよりも排出口4から遠ざかる。これにより、図6に示すように、平面視で両端の流入接続口5の両中心軸線L,Lとの交点である中心点Cが本体2の中心点Oよりも排出口4の中心軸線Yと直交する横軸線Xを境界線として排出口4と遠ざかる反対側の略半部へ移ることで、各流入接続口5から本体2内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口5から流れ込む排水が、本体2内部において1点で衝突しない。そのため、雑排水はインバート面10上に沿って周方向Aに強力に流動する。したがって、雑排水が排出口4に到るまでの送流性が更に向上し、また、本体2内部での汚物等の滞留防止が更に強化される。
【0021】
さらに、この発明の請求項3記載の排水桝の構造によれば、建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、該排出口4内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面10とを具備する底部部材6と、を接続した排水桝1の構造において、
前記各流入接続口5が前記本体2の外周部11における、前記排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、該複数の流入接続口5のうちの1つを前記排出口4が設けられている面と対向する面50に配設し、且つ、該流入接続口5を除く前記各流入接続口5の中心軸線Lを前記排出口4の中心軸線Yと直交させて配設し、前記本体2の外周面に周方向Aに並ぶ前記各流入接続口5が、隣り合う該各流入接続口5でそれぞれ前記本体2の中心軸線Zの軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする。
【0022】
このような構造によれば、上記した請求項1記載の排水桝の構造と同様の効果に加え、平面視において本体2に対する各流入接続口の配設方向が平行および垂直方向であるので、射出成形による本体2の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝1を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0023】
また、各流入接続口5同士が充分に離れているため、この流入接続口5にエルボ管20を取り付け易くなる。
【0024】
さらに、この発明の請求項4記載の排水桝の構造によれば、前記流入接続口5には、エルボ管20を介して短直管21が上方へ垂直に接続され、且つ該短直管21の上端には前記排水枝管31が接続される上部エルボ管22が接続されることを特徴とする。
【0025】
このような構造によれば、各エルボ管20によって、それぞれの短直管21を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口5に接続し、さらに、この立ち上げられた短直管21の上端に上部エルボ管22を接続し、この上部エルボ管22に排水枝管31を接続することができる。これにより、排水枝管31は本体2の高さより高い位置に配管され、本体2に阻まれることなく自由な向きに配管することが可能となる。
【0026】
また、この発明の請求項5記載の排水桝の構造によれば、前記本体2の呼び径を300mmとし前記流入接続口5の呼び径を75mm〜100mmとし、前記本体2に前記流入接続口5が5〜6個配設されていることを特徴とする。
【0027】
このような構造によれば、流入接続口5の呼び径を、すべて75mmとしても、流入接続口5間に充分な間隙をあけてこの流入接続口5を5〜6個設けることができ、コンパクトな排水桝1が可能となる。したがって、各箇所の流入接続口5のうち、どの接続口5にも全ての排水設備からの排水枝管31に接続可能となり、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0028】
また、本体2に配設される複数の流入接続口5のうち1〜2個の流入接続口5を呼び径が更に大径な100mmの流入接続口5として配設し、その他の流入接続口5は呼び径を75mmとすることにより、排水桝1を多段に接続させる場合などに用いると有効な呼び径100mmの排水枝管31を接続できる。そして、本体2に、呼び径が75mmのものと、呼び径が100mmの流入接続口5とを混在させても、上下方向に互い違いに配列させることで流入接続口5を本体2に5〜6個設けることができる。したがって、排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明による排水桝の構造の一実施の形態を示す斜視図、図2は同排水桝の構造の一実施の形態を示す平断面図、図3は同排水桝の構造の一実施の形態を示す側断面図、図4は同排水桝の構造の一実施の形態を示す組立て側断面図、図5は同排水桝の一実施の形態の設置状態を示す側断面図である。
【0030】
本発明の排水桝の構造は、例えば、戸建て住宅や集合住宅などの建物の床下に配設され、建物内のトイレ,風呂場,洗面台などの排水設備に接続された各排水枝管が集合接続されるものである。この排水桝1には1本の排水主管30が接続されており、建物の外部に設けられている下水本管に接続されるものである。そして、この排水桝1は、本体2と、底部部材6とで構成されている。
【0031】
この本体2は、図1及び図4に示すように、略円筒形に形成されている。本体2は、上方に開口した点検口3を備ている。この点検口3には、桝蓋14が取り付けられ閉塞されている。
また、本体2の外周部11には、後述する流入接続口5が形成されている。
さらに、下方には後述する底部部材6を取り付けるための切欠部13が略半円形に形成されている。
なお、この本体2は、硬質塩化ビニル樹脂から形成され、射出成形によって一体形成されている。また、本実施の形態では、本体2の呼び径は300mmとされている。
【0032】
本体2の外周部11には、複数の流入接続口5が形成されている。本実施の形態では、6個の流入接続口5が形成されている。この流入接続口5は、短い略円筒状に形成されエルボ管20が接続される挿口となっている。各流入接続口5は、図2に示すように、平面視で本体2の外周の略半部に略放射状に周方向Aに並んで配列されている。なお、配列されている流入接続口のうち両端に位置する流入接続口5の中心軸線Lがこれと直交する横軸線Xと一致するように配列されている。
【0033】
さらに、この流入接続口5は、図3及び図4に示すように、側面視において上下方向に高低差をつけて配列されている。すなわち、本体2の外周部11にて、排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設され、外周部11上に周方向Aに並ぶ各流入接続口5が隣り合う各流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれて配列されている。また、隣り合う各流入接続口5の周縁12同士はお互いに干渉しないように配列されている。本実施の形態では、この上下方向の高低差は50mmとしている。
なお、エルボ管20は90度屈曲された管であり、両端は受口で構成されている。
【0034】
通常、排水設備には、主としてトイレ,風呂,洗濯機,台所,洗面台などがあり、接続される排水枝管31の呼び径は、トイレのみが75mmとなっており、その他の排水設備には呼び径50mmの排水枝管31が接続されることが多い。本実施の形態では、すべての流入接続口5の呼び径を75mmとし、上記エルボ管20がそれぞれ接続される。また、このエルボ管20には、短尺な直管よりなる短直管21が接続され、垂直方向に立ち上げられ、さらに、その上端に上部エルボ管22が接続される。この短直管21は、好ましくは、上部エルボ管22が本体2の底からの高さ位置で略水平面上に並ぶように、長短2種類で構成されている。上部エルボ管22は、その短直管21に接続される一端が大径な75mmに形成され、また、排水枝管31が接続される他端が排水枝管31の管径に対応させ小径な50mmに形成されているものと、大径な75mmに形成されているものがある。
【0035】
また、建物内の各排水設備の個数は、その建物の状況に応じて異なる。そのため、未使用の流入接続口5がでてくる場合がある。そのとき、使用しない流入接続口5には、接続される短直管21の上端にキャップ17が取り付けられる。
【0036】
次に、底部部材6は、排水桝1の下端を構成しており、前記した本体2と同様に硬質塩化ビニル樹脂を素材とし、射出成形によって形成され、図3及び図4に示すように、排出口4とインバート面10とによって構成されている。
インバート面10は、湾曲凹面状に形成されている。また、このインバート面10には略円筒形に形成されている排出口4が一体的に設けられている。さらに、このインバート面10は、その底面が略半管状に形成され、略水平方向に延設する排出口4の内面と連続している。
また、インバート面10の外周を取り囲むように、円筒部15が設けられている。
さらに、底部部材6の排出口4の上部には略板状の立上り部16が設けられている。
【0037】
そして、この底部部材6は、図4に示すように、円筒部15および立上り部16に接着剤を塗布して、排出口4を切欠部13に挿入しながら本体2に内嵌させ、接着接合されている。
【0038】
次に、この排水桝1の設置方法について説明する。
図5に示すように、この排水桝1を建物等の床下に設置する場合、まず、排出口4を建物の外方を向けて排水桝1を所望の位置に設置する。
【0039】
それから、排出口4に排水主管30を接続する。なお、この排水主管30は、外部に設けられている下水本管へと接続される。また、建物の基礎42には、排水主管30を通すための穴が穿設されている。
【0040】
次に、排水桝1の流入接続口5にエルボ管20を接続し、このエルボ管20に短直管21を垂直に接続する。
【0041】
そして、排水桝1の周りにコンクリートを流し込む。つまり、コンクリート基礎40内に排水桝1が埋め込まれる状態となる。なお、その際、排水桝1は、点検口3より下側までコンクリート基礎40で埋め込まれ、点検口3および短直管21の上部は、コンクリート基礎40の表面から出ている。
【0042】
その後、短直管21に上部エルボ管22を接続して、各排水設備に接続されている排水枝管31に向けて角度を調整し、この各排水枝管31に接続する。排水枝管31はコンクリート基礎40と床面41との間の空間に配管される。
なお、この床下に配管されている排水枝管31には、排水設備から排水桝1に到るまで緩やかな下り勾配となって配管されている。また、排水枝管31が接続されていない短直管21の上端には、その開口部を塞ぐため上記したキャップ17が取り付けられる。
【0043】
このような排水管設備によって、屋内のトイレ,風呂場,洗面台などから排出される生活雑排水は、床下に配管されている排水枝管31を通って排水桝1に集められ、その後、この排水桝1に集められた雑排水は一括して排水主管30を通って屋外に設けられている下水本管へと排出される。
【0044】
この実施の形態によれば、複数設けられている流入接続口5によって、屋内のトイレ,洗面台などの各排水設備から排出される雑排水を本体2内部に集合させることができ、本体2に一箇所のみ設けられている排出口4によってこの本体2内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0045】
また、この排水桝1の底部部材6にインバート面10が形成されることによって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込んでくる雑排水が、本体2内部を渦状に流動し、排出口4に到るまでの送流性が向上する。
【0046】
さらに、排水桝1の上部に点検口3が開口されることによって、排水桝1内の集中管理が可能となる。
【0047】
また、本体2の外周部11に複数の流入接続口5が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管31を1つの排水桝1に集合させて接続させることが可能となる。
【0048】
さらに、流入接続口5を外周部11に上下方向に互い違いに配列することによって、外周部11における流入接続口5の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管31の接続が容易となる。
【0049】
また、流入接続口5の呼び径をすべて75mmとすることによって、6箇所の流入接続口5のうち、どの接続口5にも全ての排水設備からの排水枝管31に接続可能となる。したがって、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0050】
さらに、流入接続口5を平面視で略放射状に設けることによって、本体2内部に流れ込んでくる雑排水のなかに混入されている汚物等の滞留防止が可能となる。
【0051】
また、各エルボ管20によって、それぞれの短直管21を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口5に接続し、さらに、この立ち上げられた短直管21の上端に上部エルボ管22を接続し、この上部エルボ管22に排水枝管31を接続することができる。これにより、排水枝管31は本体2の高さよりも高い位置に上部エルボ管22が接続されることから本体2に阻まれることなく自由な向きに排水枝管31を配管することが可能となる。
また、両端の管径が異なるエルボ管20を用いることによって、全ての排水設備からの排水枝管31を最適な位置にある流入接続口5に接続することができる。したがって、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0052】
さらに、本体2の呼び径を300mmとし、流入接続口5の呼び径を、すべて大径な75mmとすれば、本体2の外周面の略半部の周の長さが約470mmとなり、この周の長さから流入接続口5の呼び径である75mmを除算すると470/75≒6.267となる。このことから、流入接続口5を本体2の外周面上に流入接続口間に充分な間隙をあけて5〜6個設けることができる。したがって、流入接続口5の呼び径が75mmの排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、図2に示すように、各流入接続口5は、平面視において、両端に位置する流入接続口5の中心軸線Lが横軸線Xと一致するように配置されるとともに本体2の略半部に略放射状に配設されているが、図6に示すように、排出口4に近い各流入接続口5がこの排出口4にややずれた配置となっていてもよい。
これにより、両端の流入接続口5の両中心軸線L,Lとの交点である中心点Cの位置が排出口の中心軸線となる縦軸線Y上を、横軸線Xを境界線として本体2の中心点Oに対して排出口4が設けられている側と遠ざかる反対側となる。
したがって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口5から流れ込む排水が、本体2内部において図6に示す矢線のように、1点で衝突しないため、雑排水はインバート面10上に沿って周方向Aに流動する。これにより、雑排水が排出口4に到るまでの送流性がより向上し、また、本体2内部での汚物等の滞留防止が可能となる。
【0054】
また、図7(a)に示すように、平面視において、本体2の外周面に周方向Aに並ぶ各流入接続口5のうちの1つが、本体2の外周部11上の排出口4が設けられている面と対向する面50に、その中心軸線L1を縦軸線Yに沿って配設され、且つ、この流入接続口5を除く残りの各流入接続口5が、その中心軸線L2を縦軸線Yと直交(横軸線Xと平行)させて配設され、また、これら各流入接続口5は、図7(b)に示すように、側面視において、上下方向となる軸方向Bに互い違いに配設されている構成としてもよい。これにより、図7(a)に示すように、平面視において本体2に対する各流入接続口5の配設方向が平行および直交方向であるので、射出成形による排水桝本体2の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝1を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0055】
また、各流入接続口5同士が充分に離れているため、この流入接続口5にエルボ管20を取り付け易くなる。
【0056】
さらに、上述した実施の形態では、本体2には呼び径がすべて75mmの流入接続口5が6個配設されている例について述べたが、本体2に配設される各流入接続口5のうち、呼び径が更に大径な100mmの流入接続口5を1〜2個配設して、その他に配設される流入接続口5の呼び径を75mmとする構成としてもよい。これにより、例えば、2階建て家屋など複数のフロアを有する建物において、各フロアごとに雑排水を集合させ、この集合させた雑排水を更に主となる排水桝に集合させるというような、排水桝を多段に接続させる場合などに有効な呼び径100mmの排水枝管31を接続することが可能となる。
【0057】
また、このような呼び径が100mmの流入接続口5と呼び径が75mmの流入接続口5とが混在する排水桝1であっても、上記したように、流入接続口5を上下方向に互い違いに配列することで、これら大径な流入接続口5を本体2に5〜6個設けることができる。つまり、排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による請求項1記載の排水桝の構造によれば、複数設けられている流入接続口によって、屋内のトイレ,洗面台などの各排水設備から排出される雑排水を本体内部に集合させることができ、本体に一箇所のみ設けられている排出口によってこの本体内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0059】
また、この排水桝の底部部材にインバート面が形成されることによって、各流入接続口から本体内部に流れ込んでくる雑排水が、本体内部を渦状に流動し、排出口に到るまでの送流性の向上が可能となる。
【0060】
さらに、排水桝の上部に点検口が開口されることによって、排水桝内の集中管理が可能となる。
【0061】
また、本体の外周部に複数の流入接続口が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管を1つの排水桝に集合させて接続させることが可能となる。
【0062】
さらに、流入接続口を外周部上で隣り合う流入接続口でそれぞれ軸方向にずれて上下方向に互い違いに配列されることによって、外周部における流入接続口の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管の接続が容易となる。
【0063】
また、流入接続口を平面視で外周部上の略半部に略放射状に設けることによって本体内部のインバート面上で雑排水を周方向に沿って流動させ、本体内部に流れ込んでくる雑排水のなかに混入されている汚物等の滞留防止が可能となる。
【0064】
そして、この発明の請求項2記載の排水桝の構造によれば、本体に対して略放射状に配設されている複数の流入接続口のうち排出口に近接した位置の流入接続口の中心軸線が本体の中心軸線よりも排出口から遠ざかる。これにより、平面視で両端の流入接続口の両中心軸線との交点である中心点が本体の中心点よりも横軸線を境界線として排出口と遠ざかる反対側の略半部へ移ることで、各流入接続口から本体内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口から流れ込む排水が、本体内部において1点で衝突しない。そのため、雑排水はインバート面上に沿って周方向に強力に流動する。したがって、雑排水が排出口に到るまでの送流性が更に向上し、また、本体内部での汚物等の滞留防止が更に強化される。
【0065】
また、この発明の請求項3記載の排水桝の構造によれば、上記した請求項1記載の排水桝の構造と同様の効果に加え、平面視において本体に対する各流入接続口の配設方向が平行および垂直方向であるので、射出成形による本体の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0066】
さらに、各流入接続口同士が充分に離れているため、この流入接続口にエルボ管を取り付け易くなる。
【0067】
また、この発明の請求項4記載の排水桝の構造によれば、各エルボ管によって、それぞれの短直管を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口に接続し、更にこの立ち上げられた短直管の上端に、例えば上部エルボ管を接続し、この上部エルボ管に排水枝管を接続することができる。これにより、排水枝管は本体の高さより高い位置に配管され、本体に阻まれることなく自由な向きに配管することが可能となる。
【0068】
さらに、この発明の請求項5記載の排水桝の構造によれば、排水桝の本体の呼び径を300mmとし、流入接続口の呼び径を、すべて大径な75mmとしても、流入接続口間に充分な間隙をあけてこの流入接続口を5〜6個設けることができ、排水桝をコンパクトに構成することが可能となる。したがって、各箇所の流入接続口のうち、どの接続口にも全ての排水設備からの排水枝管に接続可能となり、排水枝管を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0069】
また、本体に配設される複数の流入接続口のうち1〜2個を呼び径が更に大径な100mmの流入接続口とし、その他を呼び径が75mmの流入接続口とする構成とすれば、呼び径100mmの流入接続口に、排水桝を多段に接続させる場合などに用いると有効な呼び径100mmの排水枝管を接続できる。そして、このような呼び径75mmの流入接続口と呼び径100mmの流入接続口とを混在した構成としても、流入接続口を上下方向に互い違いに配列させることによって、これら大径な流入接続口を本体に複数設けることができる。つまり、排水桝をコンパクトに構成することが可能となるという上記同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す平断面図である。
【図3】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す側断面図である。
【図4】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す分解側断面図である。
【図5】本発明の排水桝の構造の設置状態を示す側断面図である。
【図6】本発明の排水桝の構造の他の実施の形態を示す平断面図である。
【図7】本発明の排水桝の構造の他の実施の形態を示す平断面図である。
【符号の説明】
2…本体
3…点検口
4…排出口
5…流入接続口
6…底部部材
10…インバート面
11…外周部
12…周縁
20…エルボ管
21…短直管
22…上部エルボ管
30…排水主管
31…排水枝管
50…対向する面
A…周方向
B…軸方向
L…流入接続口の中心軸線
Y…排出口の中心軸線(縦軸線)
Z…本体の中心軸線
C…中心点
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸建て住宅、集合住宅等の屋内に用いられる集合一括排水されるための排水桝の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、戸建て住宅などのトイレ,風呂場,洗面所などの排水設備から排出される雑排水は、各排水設備に接続された排水枝管をできるだけ最短距離で建物の外側に導出される。従来、この建物の外側に導出した排水枝管を建物の外郭に沿って宅地内に配管した排水管に接続されている排水桝の流入枝管口に接続し、この排水管の下端側末端に公共桝を接続し、この公共桝を道路などに埋設された下水管に接続する構造が採られていた。
【0003】
また、下記特許文献1に開示されるように、家庭の台所,洗面所,浴室などから排水される雑排水を、基礎の外部で直接あるいは排水桝に集めて下水本管に接続し排水する排水設備があった。建物内の各排水設備にそれぞれ接続した複数の排水枝管は、建物の床下に配管された上で、基礎を貫通して外側に延出され、この延出された部分が排水桝に接続される。そして、この排水桝に外部接続管が接続されている。また、上記排水桝は、その側部に同一方向に流入枝管口が突出した形である。
【0004】
さらに、特許文献2に開示されるように、排水枝管を屋外に出さずに建物等の床下で各排水枝管から雑排水を排水主管に集合させて一括排水する床下排水設備があった。このような排水設備においては、各排水枝管を屋内の床下に設置される内部排水桝に接続し、接続排水管を介して建物の外部に設置されている外部排水桝へと接続されている。すなわち、屋内の排水は各排水枝管から内部排水桝に一旦集められ、接続排水管によって建物の外部に設置されている外部排水桝へと一括排水される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−331221号公報
【特許文献2】
特開2001−348927号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の排水管設備では、排水枝管は、配水管を建物の外側へ出すため、住戸周りの配水管に関しては土木工事となり、住戸内の配管を行う管工事とは違った業種として位置付けされるため管理する建築業者にとっては管理が煩雑になり、そのためコストが嵩むという問題があった。
【0007】
また、宅地内に建物の外郭に沿って排水管を配管し、この排水管に排水桝を建物から導出される各排水枝管ごとに接続し、そして宅地内の排水管に接続する排水桝間は排水管で接続するため、建物の外側に排水桝を設置する空間が必要となるが、宅地の狭隘化により、建物の外郭に沿って排水桝を設置することが困難な場合が生じる。
【0008】
さらに、上記した特許文献1では、すべて基礎の外側に延出されたうえで、排水桝に接続されているので、これら排水枝管が長くなり、しかも排水枝管は複数設けているので、狭い宅地内では、排水枝管の設置が複雑となり、その設置が困難であった。また、基礎に複数の排水枝管を通すための穴を複数形成する必要があり、それに手間がかかっていた。さらに、この排水桝の側部に、同一方向に流入枝管口が突出した形であるので、排水枝管を一方向に向けて接続しなくてはならず、これについても狭い宅地内では、その設置が困難であった。
【0009】
そして近年では、建物の柱・梁・床などの構造躯体(スケルトン)と、住戸内の内装・設備(インフィル)とを分離した工法、いわゆるSI(スケルトン・インフィル)工法を取り入れた住宅が普及しており、水回りを含む自由な内装変更が求められているが、排水枝管の設置方向の自由度が少ないため、それが困難であった。
【0010】
さらに、上記した特許文献2では、排水枝管は、その長さを短く抑えられるものの、内部排水桝への接続角度が限定されてしまい、配管のレイアウトに気を付けなければならず、ときには、排水管の上を別の排水管が横切るような事態に陥る危険性があった。
【0011】
そこで本発明は、上記問題を解消するために、複数の排水枝管を状況に応じた適当な角度で接続し、排水枝管を自由なレイアウトで配設することができ、容易に排水設備を設置することができる排水桝の構造を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の排水桝の構造によれば、建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、該排出口4内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面10とを具備する底部部材6と、を接続した排水桝1の構造において、
前記各流入接続口5が前記本体2の外周部11における、前記排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、前記本体2の外周面に周方向に並ぶ前記各流入接続口5が、隣り合う該各流入接続口5でそれぞれ前記本体2の中心軸線Zの軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする。
【0013】
このような構造によれば、複数設けられている流入接続口5によって、屋内の各排水設備から排出される雑排水を本体2内部に集合させることができ、本体2に一箇所のみ設けられている排出口4によってこの本体2内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0014】
また、この排水桝1の底部部材6に連続する略すり鉢状のインバート面10が形成されることによって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込んでくる雑排水が、本体2内部を渦状に流動し、排出口4に到るまでの送流性の向上が可能となる。
【0015】
さらに、排水桝1の上部に点検口3が開口されることによって、排水桝1内の集中管理が可能となる。
【0016】
また、本体2の外周部11に複数の流入接続口5が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管31を1つの排水桝1に集合させて接続させることが可能となる。
【0017】
さらに、流入接続口5を外周部11上で隣り合う流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれて上下方向に互い違いに配列されることによって、外周部11における流入接続口5の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管31の接続が容易となる。
【0018】
また、流入接続口5を平面視で外周部11上の略半部に略放射状に設けることによって本体2内部のインバート面10上で雑排水を周方向Aに沿って流動させ、本体2内部に流れ込む雑排水に混入した汚物等の滞留防止が可能となる。
【0019】
また、この発明の請求項2記載の排水桝の構造によれば、前記各流入接続口5における前記排出口4に近接した該流入接続口5の平面視における中心軸線Lが、前記本体2の中心軸線Zよりも該排出口4から遠ざかる位置に延びていることを特徴とする。
【0020】
このような構造によれば、本体2に対して略放射状に配設されている複数の流入接続口5のうち排出口4に近接した位置の流入接続口5の中心軸線Lが本体2の中心軸線Zよりも排出口4から遠ざかる。これにより、図6に示すように、平面視で両端の流入接続口5の両中心軸線L,Lとの交点である中心点Cが本体2の中心点Oよりも排出口4の中心軸線Yと直交する横軸線Xを境界線として排出口4と遠ざかる反対側の略半部へ移ることで、各流入接続口5から本体2内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口5から流れ込む排水が、本体2内部において1点で衝突しない。そのため、雑排水はインバート面10上に沿って周方向Aに強力に流動する。したがって、雑排水が排出口4に到るまでの送流性が更に向上し、また、本体2内部での汚物等の滞留防止が更に強化される。
【0021】
さらに、この発明の請求項3記載の排水桝の構造によれば、建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口3と、複数の排水枝管31が接続される複数の流入接続口5とを具備する本体2と、排水主管30が接続される1個の排出口4と、該排出口4内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面10とを具備する底部部材6と、を接続した排水桝1の構造において、
前記各流入接続口5が前記本体2の外周部11における、前記排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、該複数の流入接続口5のうちの1つを前記排出口4が設けられている面と対向する面50に配設し、且つ、該流入接続口5を除く前記各流入接続口5の中心軸線Lを前記排出口4の中心軸線Yと直交させて配設し、前記本体2の外周面に周方向Aに並ぶ前記各流入接続口5が、隣り合う該各流入接続口5でそれぞれ前記本体2の中心軸線Zの軸方向Bにずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする。
【0022】
このような構造によれば、上記した請求項1記載の排水桝の構造と同様の効果に加え、平面視において本体2に対する各流入接続口の配設方向が平行および垂直方向であるので、射出成形による本体2の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝1を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0023】
また、各流入接続口5同士が充分に離れているため、この流入接続口5にエルボ管20を取り付け易くなる。
【0024】
さらに、この発明の請求項4記載の排水桝の構造によれば、前記流入接続口5には、エルボ管20を介して短直管21が上方へ垂直に接続され、且つ該短直管21の上端には前記排水枝管31が接続される上部エルボ管22が接続されることを特徴とする。
【0025】
このような構造によれば、各エルボ管20によって、それぞれの短直管21を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口5に接続し、さらに、この立ち上げられた短直管21の上端に上部エルボ管22を接続し、この上部エルボ管22に排水枝管31を接続することができる。これにより、排水枝管31は本体2の高さより高い位置に配管され、本体2に阻まれることなく自由な向きに配管することが可能となる。
【0026】
また、この発明の請求項5記載の排水桝の構造によれば、前記本体2の呼び径を300mmとし前記流入接続口5の呼び径を75mm〜100mmとし、前記本体2に前記流入接続口5が5〜6個配設されていることを特徴とする。
【0027】
このような構造によれば、流入接続口5の呼び径を、すべて75mmとしても、流入接続口5間に充分な間隙をあけてこの流入接続口5を5〜6個設けることができ、コンパクトな排水桝1が可能となる。したがって、各箇所の流入接続口5のうち、どの接続口5にも全ての排水設備からの排水枝管31に接続可能となり、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0028】
また、本体2に配設される複数の流入接続口5のうち1〜2個の流入接続口5を呼び径が更に大径な100mmの流入接続口5として配設し、その他の流入接続口5は呼び径を75mmとすることにより、排水桝1を多段に接続させる場合などに用いると有効な呼び径100mmの排水枝管31を接続できる。そして、本体2に、呼び径が75mmのものと、呼び径が100mmの流入接続口5とを混在させても、上下方向に互い違いに配列させることで流入接続口5を本体2に5〜6個設けることができる。したがって、排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明による排水桝の構造の一実施の形態を示す斜視図、図2は同排水桝の構造の一実施の形態を示す平断面図、図3は同排水桝の構造の一実施の形態を示す側断面図、図4は同排水桝の構造の一実施の形態を示す組立て側断面図、図5は同排水桝の一実施の形態の設置状態を示す側断面図である。
【0030】
本発明の排水桝の構造は、例えば、戸建て住宅や集合住宅などの建物の床下に配設され、建物内のトイレ,風呂場,洗面台などの排水設備に接続された各排水枝管が集合接続されるものである。この排水桝1には1本の排水主管30が接続されており、建物の外部に設けられている下水本管に接続されるものである。そして、この排水桝1は、本体2と、底部部材6とで構成されている。
【0031】
この本体2は、図1及び図4に示すように、略円筒形に形成されている。本体2は、上方に開口した点検口3を備ている。この点検口3には、桝蓋14が取り付けられ閉塞されている。
また、本体2の外周部11には、後述する流入接続口5が形成されている。
さらに、下方には後述する底部部材6を取り付けるための切欠部13が略半円形に形成されている。
なお、この本体2は、硬質塩化ビニル樹脂から形成され、射出成形によって一体形成されている。また、本実施の形態では、本体2の呼び径は300mmとされている。
【0032】
本体2の外周部11には、複数の流入接続口5が形成されている。本実施の形態では、6個の流入接続口5が形成されている。この流入接続口5は、短い略円筒状に形成されエルボ管20が接続される挿口となっている。各流入接続口5は、図2に示すように、平面視で本体2の外周の略半部に略放射状に周方向Aに並んで配列されている。なお、配列されている流入接続口のうち両端に位置する流入接続口5の中心軸線Lがこれと直交する横軸線Xと一致するように配列されている。
【0033】
さらに、この流入接続口5は、図3及び図4に示すように、側面視において上下方向に高低差をつけて配列されている。すなわち、本体2の外周部11にて、排出口4が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設され、外周部11上に周方向Aに並ぶ各流入接続口5が隣り合う各流入接続口5でそれぞれ軸方向Bにずれて配列されている。また、隣り合う各流入接続口5の周縁12同士はお互いに干渉しないように配列されている。本実施の形態では、この上下方向の高低差は50mmとしている。
なお、エルボ管20は90度屈曲された管であり、両端は受口で構成されている。
【0034】
通常、排水設備には、主としてトイレ,風呂,洗濯機,台所,洗面台などがあり、接続される排水枝管31の呼び径は、トイレのみが75mmとなっており、その他の排水設備には呼び径50mmの排水枝管31が接続されることが多い。本実施の形態では、すべての流入接続口5の呼び径を75mmとし、上記エルボ管20がそれぞれ接続される。また、このエルボ管20には、短尺な直管よりなる短直管21が接続され、垂直方向に立ち上げられ、さらに、その上端に上部エルボ管22が接続される。この短直管21は、好ましくは、上部エルボ管22が本体2の底からの高さ位置で略水平面上に並ぶように、長短2種類で構成されている。上部エルボ管22は、その短直管21に接続される一端が大径な75mmに形成され、また、排水枝管31が接続される他端が排水枝管31の管径に対応させ小径な50mmに形成されているものと、大径な75mmに形成されているものがある。
【0035】
また、建物内の各排水設備の個数は、その建物の状況に応じて異なる。そのため、未使用の流入接続口5がでてくる場合がある。そのとき、使用しない流入接続口5には、接続される短直管21の上端にキャップ17が取り付けられる。
【0036】
次に、底部部材6は、排水桝1の下端を構成しており、前記した本体2と同様に硬質塩化ビニル樹脂を素材とし、射出成形によって形成され、図3及び図4に示すように、排出口4とインバート面10とによって構成されている。
インバート面10は、湾曲凹面状に形成されている。また、このインバート面10には略円筒形に形成されている排出口4が一体的に設けられている。さらに、このインバート面10は、その底面が略半管状に形成され、略水平方向に延設する排出口4の内面と連続している。
また、インバート面10の外周を取り囲むように、円筒部15が設けられている。
さらに、底部部材6の排出口4の上部には略板状の立上り部16が設けられている。
【0037】
そして、この底部部材6は、図4に示すように、円筒部15および立上り部16に接着剤を塗布して、排出口4を切欠部13に挿入しながら本体2に内嵌させ、接着接合されている。
【0038】
次に、この排水桝1の設置方法について説明する。
図5に示すように、この排水桝1を建物等の床下に設置する場合、まず、排出口4を建物の外方を向けて排水桝1を所望の位置に設置する。
【0039】
それから、排出口4に排水主管30を接続する。なお、この排水主管30は、外部に設けられている下水本管へと接続される。また、建物の基礎42には、排水主管30を通すための穴が穿設されている。
【0040】
次に、排水桝1の流入接続口5にエルボ管20を接続し、このエルボ管20に短直管21を垂直に接続する。
【0041】
そして、排水桝1の周りにコンクリートを流し込む。つまり、コンクリート基礎40内に排水桝1が埋め込まれる状態となる。なお、その際、排水桝1は、点検口3より下側までコンクリート基礎40で埋め込まれ、点検口3および短直管21の上部は、コンクリート基礎40の表面から出ている。
【0042】
その後、短直管21に上部エルボ管22を接続して、各排水設備に接続されている排水枝管31に向けて角度を調整し、この各排水枝管31に接続する。排水枝管31はコンクリート基礎40と床面41との間の空間に配管される。
なお、この床下に配管されている排水枝管31には、排水設備から排水桝1に到るまで緩やかな下り勾配となって配管されている。また、排水枝管31が接続されていない短直管21の上端には、その開口部を塞ぐため上記したキャップ17が取り付けられる。
【0043】
このような排水管設備によって、屋内のトイレ,風呂場,洗面台などから排出される生活雑排水は、床下に配管されている排水枝管31を通って排水桝1に集められ、その後、この排水桝1に集められた雑排水は一括して排水主管30を通って屋外に設けられている下水本管へと排出される。
【0044】
この実施の形態によれば、複数設けられている流入接続口5によって、屋内のトイレ,洗面台などの各排水設備から排出される雑排水を本体2内部に集合させることができ、本体2に一箇所のみ設けられている排出口4によってこの本体2内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0045】
また、この排水桝1の底部部材6にインバート面10が形成されることによって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込んでくる雑排水が、本体2内部を渦状に流動し、排出口4に到るまでの送流性が向上する。
【0046】
さらに、排水桝1の上部に点検口3が開口されることによって、排水桝1内の集中管理が可能となる。
【0047】
また、本体2の外周部11に複数の流入接続口5が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管31を1つの排水桝1に集合させて接続させることが可能となる。
【0048】
さらに、流入接続口5を外周部11に上下方向に互い違いに配列することによって、外周部11における流入接続口5の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管31の接続が容易となる。
【0049】
また、流入接続口5の呼び径をすべて75mmとすることによって、6箇所の流入接続口5のうち、どの接続口5にも全ての排水設備からの排水枝管31に接続可能となる。したがって、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0050】
さらに、流入接続口5を平面視で略放射状に設けることによって、本体2内部に流れ込んでくる雑排水のなかに混入されている汚物等の滞留防止が可能となる。
【0051】
また、各エルボ管20によって、それぞれの短直管21を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口5に接続し、さらに、この立ち上げられた短直管21の上端に上部エルボ管22を接続し、この上部エルボ管22に排水枝管31を接続することができる。これにより、排水枝管31は本体2の高さよりも高い位置に上部エルボ管22が接続されることから本体2に阻まれることなく自由な向きに排水枝管31を配管することが可能となる。
また、両端の管径が異なるエルボ管20を用いることによって、全ての排水設備からの排水枝管31を最適な位置にある流入接続口5に接続することができる。したがって、排水枝管31を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0052】
さらに、本体2の呼び径を300mmとし、流入接続口5の呼び径を、すべて大径な75mmとすれば、本体2の外周面の略半部の周の長さが約470mmとなり、この周の長さから流入接続口5の呼び径である75mmを除算すると470/75≒6.267となる。このことから、流入接続口5を本体2の外周面上に流入接続口間に充分な間隙をあけて5〜6個設けることができる。したがって、流入接続口5の呼び径が75mmの排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、図2に示すように、各流入接続口5は、平面視において、両端に位置する流入接続口5の中心軸線Lが横軸線Xと一致するように配置されるとともに本体2の略半部に略放射状に配設されているが、図6に示すように、排出口4に近い各流入接続口5がこの排出口4にややずれた配置となっていてもよい。
これにより、両端の流入接続口5の両中心軸線L,Lとの交点である中心点Cの位置が排出口の中心軸線となる縦軸線Y上を、横軸線Xを境界線として本体2の中心点Oに対して排出口4が設けられている側と遠ざかる反対側となる。
したがって、各流入接続口5から本体2内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口5から流れ込む排水が、本体2内部において図6に示す矢線のように、1点で衝突しないため、雑排水はインバート面10上に沿って周方向Aに流動する。これにより、雑排水が排出口4に到るまでの送流性がより向上し、また、本体2内部での汚物等の滞留防止が可能となる。
【0054】
また、図7(a)に示すように、平面視において、本体2の外周面に周方向Aに並ぶ各流入接続口5のうちの1つが、本体2の外周部11上の排出口4が設けられている面と対向する面50に、その中心軸線L1を縦軸線Yに沿って配設され、且つ、この流入接続口5を除く残りの各流入接続口5が、その中心軸線L2を縦軸線Yと直交(横軸線Xと平行)させて配設され、また、これら各流入接続口5は、図7(b)に示すように、側面視において、上下方向となる軸方向Bに互い違いに配設されている構成としてもよい。これにより、図7(a)に示すように、平面視において本体2に対する各流入接続口5の配設方向が平行および直交方向であるので、射出成形による排水桝本体2の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝1を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0055】
また、各流入接続口5同士が充分に離れているため、この流入接続口5にエルボ管20を取り付け易くなる。
【0056】
さらに、上述した実施の形態では、本体2には呼び径がすべて75mmの流入接続口5が6個配設されている例について述べたが、本体2に配設される各流入接続口5のうち、呼び径が更に大径な100mmの流入接続口5を1〜2個配設して、その他に配設される流入接続口5の呼び径を75mmとする構成としてもよい。これにより、例えば、2階建て家屋など複数のフロアを有する建物において、各フロアごとに雑排水を集合させ、この集合させた雑排水を更に主となる排水桝に集合させるというような、排水桝を多段に接続させる場合などに有効な呼び径100mmの排水枝管31を接続することが可能となる。
【0057】
また、このような呼び径が100mmの流入接続口5と呼び径が75mmの流入接続口5とが混在する排水桝1であっても、上記したように、流入接続口5を上下方向に互い違いに配列することで、これら大径な流入接続口5を本体2に5〜6個設けることができる。つまり、排水桝1をコンパクトに構成することが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による請求項1記載の排水桝の構造によれば、複数設けられている流入接続口によって、屋内のトイレ,洗面台などの各排水設備から排出される雑排水を本体内部に集合させることができ、本体に一箇所のみ設けられている排出口によってこの本体内部に集合された雑排水を一括して屋外の下水本管に排出することができる。
【0059】
また、この排水桝の底部部材にインバート面が形成されることによって、各流入接続口から本体内部に流れ込んでくる雑排水が、本体内部を渦状に流動し、排出口に到るまでの送流性の向上が可能となる。
【0060】
さらに、排水桝の上部に点検口が開口されることによって、排水桝内の集中管理が可能となる。
【0061】
また、本体の外周部に複数の流入接続口が設けられてることによって、複数の排水設備に接続されている複数の排水枝管を1つの排水桝に集合させて接続させることが可能となる。
【0062】
さらに、流入接続口を外周部上で隣り合う流入接続口でそれぞれ軸方向にずれて上下方向に互い違いに配列されることによって、外周部における流入接続口の配置スペースを十分に確保することが可能となる。それにより、排水枝管の接続が容易となる。
【0063】
また、流入接続口を平面視で外周部上の略半部に略放射状に設けることによって本体内部のインバート面上で雑排水を周方向に沿って流動させ、本体内部に流れ込んでくる雑排水のなかに混入されている汚物等の滞留防止が可能となる。
【0064】
そして、この発明の請求項2記載の排水桝の構造によれば、本体に対して略放射状に配設されている複数の流入接続口のうち排出口に近接した位置の流入接続口の中心軸線が本体の中心軸線よりも排出口から遠ざかる。これにより、平面視で両端の流入接続口の両中心軸線との交点である中心点が本体の中心点よりも横軸線を境界線として排出口と遠ざかる反対側の略半部へ移ることで、各流入接続口から本体内部に流れ込む雑排水の流入角度が変化し、各流入接続口から流れ込む排水が、本体内部において1点で衝突しない。そのため、雑排水はインバート面上に沿って周方向に強力に流動する。したがって、雑排水が排出口に到るまでの送流性が更に向上し、また、本体内部での汚物等の滞留防止が更に強化される。
【0065】
また、この発明の請求項3記載の排水桝の構造によれば、上記した請求項1記載の排水桝の構造と同様の効果に加え、平面視において本体に対する各流入接続口の配設方向が平行および垂直方向であるので、射出成形による本体の製造に用いる金型の離反方向が2方向のみとなる。したがって、排水桝を容易に製造することができる。なおかつ、この金型は2つの部材で構成されることとなり、金型の製作が容易となる。
【0066】
さらに、各流入接続口同士が充分に離れているため、この流入接続口にエルボ管を取り付け易くなる。
【0067】
また、この発明の請求項4記載の排水桝の構造によれば、各エルボ管によって、それぞれの短直管を垂直方向に立ち上げた状態で流入接続口に接続し、更にこの立ち上げられた短直管の上端に、例えば上部エルボ管を接続し、この上部エルボ管に排水枝管を接続することができる。これにより、排水枝管は本体の高さより高い位置に配管され、本体に阻まれることなく自由な向きに配管することが可能となる。
【0068】
さらに、この発明の請求項5記載の排水桝の構造によれば、排水桝の本体の呼び径を300mmとし、流入接続口の呼び径を、すべて大径な75mmとしても、流入接続口間に充分な間隙をあけてこの流入接続口を5〜6個設けることができ、排水桝をコンパクトに構成することが可能となる。したがって、各箇所の流入接続口のうち、どの接続口にも全ての排水設備からの排水枝管に接続可能となり、排水枝管を自由なレイアウトで配管することが可能となる。
【0069】
また、本体に配設される複数の流入接続口のうち1〜2個を呼び径が更に大径な100mmの流入接続口とし、その他を呼び径が75mmの流入接続口とする構成とすれば、呼び径100mmの流入接続口に、排水桝を多段に接続させる場合などに用いると有効な呼び径100mmの排水枝管を接続できる。そして、このような呼び径75mmの流入接続口と呼び径100mmの流入接続口とを混在した構成としても、流入接続口を上下方向に互い違いに配列させることによって、これら大径な流入接続口を本体に複数設けることができる。つまり、排水桝をコンパクトに構成することが可能となるという上記同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す平断面図である。
【図3】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す側断面図である。
【図4】本発明の排水桝の構造の一実施の形態を示す分解側断面図である。
【図5】本発明の排水桝の構造の設置状態を示す側断面図である。
【図6】本発明の排水桝の構造の他の実施の形態を示す平断面図である。
【図7】本発明の排水桝の構造の他の実施の形態を示す平断面図である。
【符号の説明】
2…本体
3…点検口
4…排出口
5…流入接続口
6…底部部材
10…インバート面
11…外周部
12…周縁
20…エルボ管
21…短直管
22…上部エルボ管
30…排水主管
31…排水枝管
50…対向する面
A…周方向
B…軸方向
L…流入接続口の中心軸線
Y…排出口の中心軸線(縦軸線)
Z…本体の中心軸線
C…中心点
Claims (5)
- 建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口と、複数の排水枝管が接続される複数の流入接続口とを具備する本体と、排水主管が接続される1個の排出口と、該排出口内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面とを具備する底部部材と、を接続した排水桝の構造において、
前記各流入接続口が前記本体の外周部における、前記排出口が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、前記本体の外周面に周方向に並ぶ前記各流入接続口が、隣り合う該各流入接続口でそれぞれ前記本体の中心軸線の軸方向にずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする排水桝の構造。 - 前記各流入接続口における前記排出口に近接した該流入接続口の中心軸線が、前記本体の中心軸線よりも該排出口から遠ざかる位置に延びていることを特徴とする請求項1記載の排水桝の構造。
- 建物内の複数の排水口からの雑排水を外部に排出するための排水管設備であって、
上方に開口する点検口と、複数の排水枝管が接続される複数の流入接続口とを具備する本体と、排水主管が接続される1個の排出口と、該排出口内面に連続する略湾曲凹面状に形成されたインバート面とを具備する底部部材と、を接続した排水桝の構造において、
前記各流入接続口が前記本体の外周部における、前記排出口が設けられている側の略半部と反対側の略半部に略放射状に配設されるとともに、該複数の流入接続口のうちの1つを前記排出口が設けられている面と対向する面に配設し、且つ、該流入接続口を除く前記各流入接続口の中心軸線を前記排出口の中心軸線と直交させて配設し、前記本体の外周面に周方向に並ぶ前記各流入接続口が、隣り合う該各流入接続口でそれぞれ前記本体の中心軸線の軸方向にずれ、上下方向に互い違いとなって配設されることを特徴とする排水桝の構造。 - 前記流入接続口には、エルボ管を介して短直管が上方へ垂直に接続され、且つ該短直管の上端には前記排水枝管が接続される上部エルボ管が接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の排水桝の構造。
- 前記本体の呼び径を300mmとし前記流入接続口の呼び径を75mm〜100mmとし、前記本体に前記流入接続口が5〜6個配設されていることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の排水桝の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003058740A JP2004270175A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 排水桝の構造 |
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JP2003058740A JP2004270175A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 排水桝の構造 |
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JP2004270175A true JP2004270175A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33121780
Family Applications (1)
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JP2003058740A Pending JP2004270175A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 排水桝の構造 |
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JP (1) | JP2004270175A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100684174B1 (ko) | 2005-02-28 | 2007-02-20 | 보성포리테크 주식회사 | 악취 차단 오수받이 |
KR101177495B1 (ko) | 2010-04-23 | 2012-09-10 | 삼박엘에프티 (주) | 배관 연결이 용이한 배수트랩 |
JP2017089369A (ja) * | 2015-11-09 | 2017-05-25 | 株式会社ブリヂストン | 排水継手、及びサイホン排水システム |
-
2003
- 2003-03-05 JP JP2003058740A patent/JP2004270175A/ja active Pending
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