JP2004269402A - フラボン化合物及びそれを有効成分とする除草剤又は殺菌剤 - Google Patents

フラボン化合物及びそれを有効成分とする除草剤又は殺菌剤 Download PDF

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Hideyoshi Miyake
秀芳 三宅
Mitsuru Sasaki
満 佐々木
Tetsuya Imai
哲弥 今井
Kenji Umetsu
憲治 梅津
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Abstract

【課題】本発明は、優れた除草活性及び殺菌活性を有する新規なフラボン化合物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のフラボン化合物は、一般式(1)
【化1】
Figure 2004269402

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキル基を示す。Xはハロゲン原子又はC1−4アルキル基を示す。Yはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基又はC1−4ハロアルキル基を示す。mは0〜4の整数を示す。mが2〜4の整数を示す場合、m個のXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは0〜5の整数を示す。nが2〜5の整数を示す場合、n個のYは同一であってもよいし、異なっていてもよい。但し、m及びnが同時に0を示さないものとする。]
で表される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラボン化合物及び該化合物を含有する除草剤又は殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日まで数多くの除草活性成分又は殺菌活性成分を有する化合物が研究され、その幾つかの化合物が実用化されて農業生産効率の向上に貢献している。
【0003】
フラボンは自然界に存在する化合物であり、その誘導体も数多く研究されている。例えば、抗菌活性を有する化合物として、下記に示す一般式(A)で表される化合物(非特許文献1及び非特許文献2参照)、一般式(B)で表される化合物(非特許文献3参照)等が知られている。
【0004】
【化2】
Figure 2004269402
【0005】
[式中、Raは水素原子又は水酸基を示す。Raは水素原子又はニトロ基を示す。]
【0006】
【化3】
Figure 2004269402
【0007】
[式中、Rbはアミノ基、基−SOCl、基−SOH又は基−SOCHを示す。Rbはニトロ基を示す。]
しかしながら、同一又は同系統化合物を含む除草剤又は殺菌剤の多年に亙る使用により、該剤に対する対象雑草又は対象病害の抵抗性が生ずることが避けられない。そのため、多種多様な除草剤及び殺菌剤の開発が要求されている。
【0008】
【非特許文献1】
J. Inst. Chem.(India), 67(6), p.223−224(1990)
【0009】
【非特許文献2】
J. Indian Chem. Soc., 66(7), p.482−484(1989)
【0010】
【非特許文献3】
Dtsch. Apoth. −Ztg., 117(41), p.1699−1702(1977)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた除草活性を有する新規なフラボン化合物を提供することを課題とする。
【0012】
本発明は、優れた殺菌活性を有する新規なフラボン化合物を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、フラボン化合物に興味を抱き、各種フラボン化合物を合成し、その生物活性を研究したところ、下記一般式(1)で表される化合物が農園芸上問題となる各種有害雑草及び病原菌に対して優れた殺菌又は除草活性を有することを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
1.本発明は、一般式(1)
【0014】
【化4】
Figure 2004269402
【0015】
[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキル基を示す。Xはハロゲン原子又はC1−4アルキル基を示す。Yはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基又はC1−4ハロアルキル基を示す。mは0〜4の整数を示す。mが2〜4の整数を示す場合、m個のXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは0〜5の整数を示す。nが2〜5の整数を示す場合、n個のYは同一であってもよいし、異なっていてもよい。但し、m及びnが同時に0を示さないものとする。]
で表されるフラボン化合物である。
2.本発明は、一般式(2)
【0016】
【化5】
Figure 2004269402
【0017】
[式中、R、X及びmは前記に同じ。Y及びYは、同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。Yはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基又はC1−4ハロアルキル基を示す。但し、mが0を示す場合、Y、Y及びYが同時に水素原子であることはない。]
で表されるフラボン化合物である。
3.本発明は、一般式(3)
【0018】
【化6】
Figure 2004269402
【0019】
[式中、X及びmは前記に同じ。Y1a及びY2aは、同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表されるフラボン化合物である。
4.本発明は、一般式(4)
【0020】
【化7】
Figure 2004269402
【0021】
[式中、R、X及びmは前記に同じ。Y3aはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基又はC1−4ハロアルキル基を示す。]
で表されるフラボン化合物である。
5.本発明は、上記1に記載のフラボン化合物を含有する除草剤である。
6.本発明は、上記2に記載のフラボン化合物を含有する除草剤である。
7.本発明は、上記3に記載のフラボン化合物を含有する除草剤である。
8.本発明は、上記1に記載のフラボン化合物を含有する殺菌剤である。
9.本発明は、上記2に記載のフラボン化合物を含有する殺菌剤である。
10.本発明は、上記4に記載のフラボン化合物を含有する殺菌剤である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本明細書において、ハロゲン原子としては、例えば弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0023】
1−4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基等が挙げられる。
【0024】
1−4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基等が挙げられる。
【0025】
1−4ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、1−フルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、1−フルオロブチル基、1−クロロブチル基、4−フルオロブチル基等のハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基等が挙げられる。
【0026】
本発明化合物の基本構造となるフラボン骨格の置換位置番号は次の通りである。
【0027】
【化8】
Figure 2004269402
【0028】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、Yが少なくとも2’位又は4’位のいずれかに置換した化合物が好ましい。
【0029】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、Yが2’位、4’位及び6’位のいずれかに置換した化合物が好ましい。
【0030】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、Yが2’位及び6’位に置換した化合物及び4’位に置換した化合物がより好ましい。
【0031】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、除草効果の観点から、Rが水素原子、Yがハロゲン原子で2’位及び6’位に置換した一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0032】
上記一般式(3)で表される本発明化合物の中でも、除草効果の観点から、mが0である化合物が好ましい。
【0033】
上記一般式(3)で表される本発明化合物の中でも、除草効果の観点から、Xが少なくとも6位に置換した化合物が好ましい。
【0034】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、殺菌効果の観点から、Yが少なくとも2’位又は4’位のいずれかに置換した化合物が好ましい。
【0035】
上記一般式(1)で表される本発明化合物の中でも、殺菌効果の観点から、Yが4’位に置換した一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0036】
上記一般式(4)で表される化合物の中でも、殺菌効果の観点から、mが0である化合物が好ましい。
【0037】
上記一般式(4)で表される化合物の中でも、殺菌効果の観点から、Xが少なくとも6位に置換した化合物が好ましい。
【0038】
本発明の一般式(1)で表されるフラボン化合物は、種々の方法により製造することができる。
【0039】
本発明の一般式(1)で表されるフラボン化合物は、例えば、下記反応式−1で示される方法によって製造される。
【0040】
【化9】
Figure 2004269402
【0041】
[式中、R、X、Y、m及びnは前記に同じ。]
反応式−1に示すように、一般式(1)で表される本発明のフラボン化合物は、一般式(5)で表される1,3−ジケトン化合物を環化することにより製造される。
【0042】
環化は、適当な溶媒中、一般式(5)の1,3−ジケトン化合物に無機酸を作用させることにより行われる。
【0043】
環化反応に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メタノ−ル、エタノール等のアルコ−ル類、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0044】
無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられる。無機酸の使用量は、通常、一般式(5)の1,3−ジケトン化合物に対して大過剰量とすればよい。
【0045】
本反応は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点程度、好ましくは10〜200℃程度で行われ、一般に0.5〜1時間程度で完結する。
【0046】
上記反応により生成する一般式(1)のフラボン化合物は、通常の分離手段、例えば、有機溶媒抽出法、クロマトグラフィー法、再結晶法等の慣用の単離及び精製手段により、反応混合物から容易に単離、精製される。
【0047】
上記反応式−1において、出発原料として用いられる一般式(5)で表される1,3−ジケトン化合物は、公知の方法、例えば、オーガニック・シンセシス・コレクティブ・ボリューム(Org. Synth. Coll. Vol.),IV,第478頁(1963年)に記載の方法に準じて、容易に製造される(後記参考例及び参考例2参照)。
【0048】
本発明の一般式(1)で表されるフラボン化合物は、各種有害雑草に対して優れた除草効果を有している。有害雑草としては、例えば、タカサブロウ、アオビユ、ハコベ、アサガオ、クサネム、スズメノテッポウ、タデ、ヨモギ、オオアレチノギク、ギシギシ、アゼナ、キカシグサ、コナギ、タマガヤツリ、カヤツリグサ、ミズガヤツリ、ノビエ、タイヌビエ、ホタルイ、メヒシバ、オヒシバ等が挙げられる。
【0049】
本発明の化合物を有効成分として含有する除草剤は、茎葉処理及び土壌処理において優れた除草効果を発揮する。本発明除草剤は、特に、湛水処理において一段と優れた除草効果を発揮する。
【0050】
更に本発明の化合物は、各種の菌に対して、優れた抗菌活性を有している。本発明化合物が有効な菌としては、例えば、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、イネばか苗病菌(Fusarium moniliforme)、リンゴのうどん粉病菌(Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、リンゴ黒点病菌(Mycosphaerella pomi)、リンゴ褐斑病菌(Marssonina mali)、リンゴモニリア病菌(Sclerotinia mali)、カキうどん粉病菌(Phyllactinia kakicola)、カキ炭そ病菌(Gloeosporium kaki)、モモ灰星病菌(Sclerotinia cinerea)、モモ黒星病菌(Cladosporium carpophilum)、モモフォモプシス腐敗病菌(Phomopsis sp.)、ブドウ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、ブドウ褐斑病菌(Cercospora viticola)、ブドウうどん粉病菌(Uncinula necator)、ブドウ黒とう病菌(Elsinoeam pelina)、ブドウ晩腐病菌(Glomerella cingulata)、テンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、ラッカセイ褐斑病菌(Cercospora arachidicola)、ラッカセイ黒渋病菌(Cercospora personata)、オオムギうどん粉病菌(Erysiphe graminis f. sp. hordei)、オオムギ眼紋病菌(Cercosporella herpotrichoides)、オオムギ紅色雪腐病菌(Fusarium nivale)、ダイズ斑点病菌(Cercospora sojina)、コムギうどん粉病菌(Erysiphe graminis f. sp. tritici)、キュウリつる割病菌(Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinum)、キュウリ炭そ病菌(Colletorichum lagenarium)、キュウリうどん粉病菌(Sphaerotheca fuliginea)、キュウリつる枯病菌(Mycosphaerella melonis)、キュウリ菌核病菌(Solerotinia sclerotiorum)、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、キュウリ黒星病菌(Cladosporium cucumerinum)、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)、トマト葉かび病菌(Cladosporium fulvum)、トマト灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、ナス黒枯病菌(Corynespora melongenae)、ナス半身萎ちょう病菌(Verticillium alboatrum)、イチゴうどん粉病菌(Sphaerotheca humili)、イチゴ萎黄病菌(Fusarium oxysporum)、タマネギ灰色腐敗病菌(Botrytis alii)、レタス菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、セロリ斑点病菌(Cercospora apii)、インゲン角斑病菌(Phaeoisariopsis griseola)、インゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、ホップ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、タバコうどん粉病菌(Erysiphe cichoracearum)、バラ黒星病菌(Diplocarpon rosae)、カンキツそうか病菌(Elsinoe fawcetti)、カンキツ青かび病菌(Penicillium italicum)、カンキツ緑かび病菌(Penicillium digitatum)等が挙げられる。本発明化合物は、うどん粉病菌に特に優れた防除効果を発揮する。
【0051】
本発明化合物を除草剤又は殺菌剤として使用する場合、他の成分を加えずにそのまま使用してもよいが、通常は、液体状、固体状、ガス状等の各種担体と混合し、更に必要に応じて界面活性剤、その他製剤用補助剤等を添加して、乳剤、水和剤、ドライフロアブル剤、フロアブル剤、水溶剤、粒剤、微粒剤、顆粒剤、粉剤、塗布剤、スプレー用製剤、エアゾール製剤、マイクロカプセル製剤、燻蒸用製剤、燻煙用製剤等の各種製剤形態に製剤して用いることができる。
【0052】
これら製剤において、有効成分の本発明化合物の含有量は、その製剤形態や使用場所等の各種条件に応じて広い範囲かた適宜選択できるが、通常0.01〜95重量%程度、好ましくは0.1〜50重量%程度とすればよい。
【0053】
これら製剤を調製するに当たって用いられる固体状担体としては、この分野で通常用いられている公知の固体状担体を広く使用でき、例えば、カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等の粘土類、タルク類、セラミック、セライト、石英、硫黄、活性炭、炭酸シリカ、水和シリカ等の無機鉱物、化学肥料等の微粉末、粒状物等が挙げられる。
【0054】
液状担体としては、この分野で通常用いられている公知の液状担体を広く使用でき、例えば、水、アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等が挙げられる。
【0055】
ガス状担体としては、一般に噴射剤として用いられている公知のガス状担体を広く使用でき、例えば、ブタンガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、炭酸ガス等が挙げられる。
【0056】
界面活性剤としては、この分野で通常用いられている公知の界面活性剤を広く使用できる。その具体例としては、例えば、非イオン界面活性剤としては、ボリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリエチレンソルビタンアルキルエステル等を、陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、アリルスルホネート、リグニン亜硫酸塩等が挙げられる。
【0057】
製剤用補助剤としては、例えば、固着剤、分散剤、安定剤等が挙げられる。
【0058】
固着剤及び分散剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)等が挙げられる。
【0059】
安定剤としては、例えば、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸又はそのエステル等が挙げられる。
【0060】
これら製剤は、有機及び無機染料を用いて着色してもよい。
【0061】
このようにして得られる製剤は、そのまま又は水等で希釈して用いることができる。但し、粒剤、粉剤等は通常希釈することなくそのまま使用される。また、乳剤、水和剤、フロアブル剤等を水等で希釈して使用する場合には、通常有効成分濃度が0.0001〜100重量%、好ましくは0.001〜10重量%程度となるようにすればよい。
【0062】
本発明の化合物は、他の除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、植物生長調節剤、共力剤(例えばピペロニルブトキシド等)、土壌改良剤等と予め混合して製剤化してもよい。或いは、本発明の製剤と上記各剤とを、使用の際に併用してもよい。
【0063】
本発明の化合物を除草剤又は殺菌剤として用いる場合、その施用量は特に制限されず、製剤の形態、施用方法、施用時期、施用場所、施用作物の種類、除草対象の雑草の種類等の各種条件に応じて広い範囲から適宜選択される。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた除草活性を有するフラボン化合物を提供できる。
【0065】
本発明によれば、優れた殺菌活性を有するフラボン化合物を提供できる。
【0066】
【実施例】
以下に、本発明化合物の製造原料の製造例を参考例として掲げ、次に本発明化合物の製造例を実施例として掲げる。尚、以下において、単に「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0067】
参考例1
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソプロパンの合成
カリウム−t−ブトキシド(12ミリモル)に4−フルオロ安息香酸 2−アセチル−4−クロロフェニル2.3g(8.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(THF)(7ml)溶液を滴下し、室温で10分間撹拌後、60〜70℃で2分間撹拌した。反応混合物に1M塩酸40mlを加えた後、生じた粗結晶を吸引濾過により集め、それをエタノールから再結晶することにより精製して、1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソプロパンを得た。
【0068】
収量 1.4g
収率 59%
H−NMR(CDCl,δppm):6.70(s,1H),6.96(d,J=8.8Hz,1H),7.16−7.21(m,2H),7.40(dd,J=2.4Hz,8.8Hz,1H),7.69(d,J=2.4Hz,1H),7.95−7.99(m,2H),11.96(s,1H)
13C−NMR(CDCl,δppm):91.8,116.1(d,JC−F=21.8Hz),119.6,120.4,123.8,127.6,129.4(d,JC−F=9.4Hz),135.6,160.9,165.6(d,JC−F=254.3Hz),177.3,194.2。
【0069】
参考例2
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ジオキソプロパンの合成
カリウム−t−ブトキシド(5.0ミリモル)に1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジオキソプロパン1.5g(5.0ミリモル)のジメチルホルムアミド(DMF)(10ml)溶液を0℃で滴下し、ヨウ化メチル1.4g(10ミリモル)のDMF(2ml)溶液を滴下して加え、8.5時間加熱還流した。反応混合物に1M塩酸30mlを加えた後、50mlの酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機相(酢酸エチル溶液)を30mlの飽和食塩水と共に振り混ぜ、次いで飽和食塩水を除去した。これに無水硫酸マグネシウム(約5g)を加え、軽く振り混ぜた後、濾過して硫酸マグネシウムを除去した。減圧下で濾液から酢酸エチルを除去し、残った固形物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ジオキソプロパンを得た。
【0070】
収量 0.83g
収率 54%
H−NMR(CDCl,δppm):1.62(d,J=7.2Hz,3H),5.17(q,J=7.2Hz,1H),7.1−7.2(m,2H),7.4−7.5(m,1H),7.6−7.7(m,2H),7.9−8.0(m,2H),11.89(s,1H)。
【0071】
実施例1
6−クロロ−4’−フルオロ−3−メチルフラボン(化合物番号36)の合成
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ジオキソプロパン0.81g(2.7ミリモル)と硫酸0.20mlを酢酸6.0ml中で、1時間加熱還流した。反応混合物に水20mlを加え、生じた粗結晶を吸引濾過によって集め、エタノールから再結晶することにより精製して、6−クロロ−4’−フルオロ−3−メチルフラボンを得た。
【0072】
収量 0.56g
収率 73%
融点 154−155℃
H−NMR(CDCl,δppm):2.15(s,3H),7.19−7.25(m,2H),7.41(d,J=8.9Hz,1H),7.59(dd,J=2.4Hz,8.9Hz,1H),7.62−7.67(m,2H),8.20(d,J=2.4Hz,1H)
13C−NMR(CDCl,δppm):11.8,115.8(d,JC−F=21.8Hz),117.7,119.6,123.4,125.3,129.2(d,JC−F=3.1Hz),130.7,131.1(d,JC−F=8.7Hz),133.7,154.4,160.2,163.8(d,JC−F=251.9Hz),177.6
IR(cm−1):1640,1570,1515,1310,1270,1240,1190,1170,1130,1110,1010,1000,850,825,820,785,725。
【0073】
対応する出発原料を用い、実施例1と同様にして、下記表1に示す本発明化合物を製造した。
【0074】
また、表2及び表3に各化合物の性状、融点及びH−NMRスペクトルを示す。尚、H−NMRスペクトルはテトラメチルシラン(TMS)を基準物質として測定した。
【0075】
【表1】
Figure 2004269402
【0076】
【表2】
Figure 2004269402
【0077】
【表3】
Figure 2004269402
【0078】
次に製剤例を示す。
【0079】
製剤例1(乳剤)
本発明化合物の各々10部を、ソルベッソ150の45部及びN−メチルピロリドン35部に溶解し、これに乳化剤(商品名:ソルポール3005X、東邦化学株式会社製)10部を加え、撹拌混合して各々の10%乳剤を得た。
【0080】
製剤例2(水和剤)
本発明化合物の各々20部を、ラウリル硫酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム4部、合成含水酸化珪素微粉末20部及びクレー54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで撹拌混合して20%水和剤を得た。
【0081】
製造例3(粒剤)
本発明化合物の各々5部に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト10部及びクレー83部を加え十分撹拌混合した。適当量の水を加え、更に撹拌し、造粒機で造粒し、通風乾燥して5%粒剤を得た。
【0082】
製造例4(粉剤)
本発明化合物の各々1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP(酸性リン酸イソプロピル)0.3部及びクレー93.7部を加え、ジュースミキサーで撹拌混合し、アセトンを蒸発除去して1%粉剤を得た。
【0083】
製剤例5(フロアブル剤)
本発明化合物の各々20部とポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルトリエタノールアミン3部、シリコーン系消泡剤(商品名:RHODORSIL(ローダジル) 426R、RHODIA CHIMIE社製)0.2部を含む水20部を混合し、ミル(ダイノミル、Willy A. Bachofen社製)を用いて湿式粉砕後、プロピレングリコール8部、キサンタンガム0.32部を含む水60部と混合し、20%水中懸濁液を得た。
【0084】
次に本発明化合物が除草剤の有効成分として有用であることを試験例を掲げて示す。尚、本発明化合物は表1に記載の化合物番号で示した。
【0085】
試験例1(湛水処理除草効果試験)
口径8cm(約52cm)のスチロールカップに篩別(2mm)した滅菌土壌(約45ml)を充填し、加水(約115ml)混和して湛水状態とした。1日置床した後、コナギ、タマガヤツリ及びノビエを播種した。
【0086】
薬剤をそれぞれアセトンに溶解し、ツィーン80を含む水で希釈した薬液を1区当たり1ml(薬量2kg/1万m)を処理区内全面に滴下処理した。
処理後ガラス室内にて植物を生育させ、21日目に除草活性を肉眼観察により調査し、以下の判定基準に従い評価した。
0: 生育抑制効果が10%未満である。
1: 生育抑制効果が10%以上30%未満である。
2: 生育抑制効果が30%以上50%未満である。
3: 生育抑制効果が50%以上70%未満である。
4: 生育抑制効果が70%以上90%未満である。
5: 生育抑制効果が90%以上、又は完全枯殺である。
【0087】
結果を表4に示す。
【0088】
【表4】
Figure 2004269402
【0089】
試験例2(湛水処理除草効果試験)
口径8cm(約52cm)のスチロールカップに篩別(2mm)した滅菌土壌(約45ml)を充填し、加水(約115ml)混和して湛水状態とした。1日置床した後、タイヌビエを播種した。
【0090】
本発明化合物番号16及び18をそれぞれアセトンに溶解し、ツィーン80を含む水で希釈した薬液を1区当たり1mlを処理区内全面に滴下処理した。処理後ガラス室内にて植物を生育させ、14日目に茎葉長を測定した。
【0091】
結果を表5に示す。
【0092】
【表5】
Figure 2004269402
【0093】
尚、表5における抑制率は、次式に従い求めた。
【0094】
【数1】
Figure 2004269402
【0095】
試験例3(キュウリうどんこ病防除効果試験)
約2週間温室で栽培したキュウリ(品種「鈴成四葉」)苗に、製剤例2で調製した本発明化合物の水和剤の所定濃度(200ppm)薬液を十分量散布し、風乾させた後、うどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)分生胞子懸濁液を噴霧接種した。これを温室内に置き、10日後に発病状態を調査した。調査葉の病斑面積率に応じ、下記式に従い防除価を算出した。
【0096】
【数2】
Figure 2004269402
【0097】
本発明化合物No.1、4、5、6、7、8、11、12、13、16、17、18、19、20、29、32、35、36及び37が、いずれも防除価50%以上を示した。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2004269402
    [式中、Rは水素原子又はC1−4アルキル基を示す。Xはハロゲン原子又はC1−4アルキル基を示す。Yはハロゲン原子、C1−4アルコキシ基又はC1−4ハロアルキル基を示す。mは0〜4の整数を示す。mが2〜4の整数を示す場合、m個のXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。nは0〜5の整数を示す。nが2〜5の整数を示す場合、n個のYは同一であってもよいし、異なっていてもよい。但し、m及びnが同時に0を示さないものとする。]
    で表されるフラボン化合物。
  2. 請求項1に記載のフラボン化合物を含有する除草剤。
  3. 請求項1に記載のフラボン化合物を含有する殺菌剤。
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