JP3086316B2 - フェニルカーバメート誘導体、その製造法及び該誘導体を有効成分とする農園芸用殺菌剤 - Google Patents

フェニルカーバメート誘導体、その製造法及び該誘導体を有効成分とする農園芸用殺菌剤

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JP3086316B2 JP04016864A JP1686492A JP3086316B2 JP 3086316 B2 JP3086316 B2 JP 3086316B2 JP 04016864 A JP04016864 A JP 04016864A JP 1686492 A JP1686492 A JP 1686492A JP 3086316 B2 JP3086316 B2 JP 3086316B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェニルカーバメート誘
導体、その製造法及び該誘導体を有効成分とする農園芸
用殺菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明に係るフェニルカーバメート誘導
体、その酸付加塩は文献等に未記載の新規化合物であ
り、従ってその生物活性についても全く知られていな
い。従来フェニルカーバメート系殺菌剤として知られる
ものは少なく、僅にジエトフェンカルブ(diethofencar
b)として知られる化合物が特にベンツイミダゾール系殺
菌剤耐性の灰色かび病(Botrytis cinerea) に実用化さ
れているに止まっている。また本発明化合物に関連し
て、ピリミジン環を有する殺菌剤としてはフェナリモル
(fenarimol)として知られるベンツヒドリルアルコール
類、フェリムゾン(ferimzone)として知られるヒドラゾ
ン系化合物、ジメチリモール(dimethirimol) として知
られる置換ピリジノール化合物が知られている。これら
のピリミジン環を有する殺菌剤の多くは所謂エルゴステ
ロール生合成阻害剤(EBI剤)として知られ、うどん
こ病(Erysiphe graminis 、Podosphaera leucotricha
等) 、黒星病(Venturia inaequalis)、さび病(Puccin
ia striiformis、P. graminis 、P.recondita 等) の病
害に実用化されている。
【0003】然し、これら一連のEBI剤はうどんこ病
等に対して耐性菌の出現から、地域によっては防除困難
な事態が問題化されるに至っている。また特開平2-8526
3 号公報中には置換ピリミジン環化合物の殺虫性、殺ダ
ニ性、殺菌活性が示されている。また特開昭63-208581
号においてフェニル、ピリミジナミン化合物の、灰色か
び病、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum) に対する有
効性が示されているがその有効性はこれら特定の病菌に
限られている。
【0004】既述のようにEBI剤として注目されるエ
ルゴステロール生合成阻害剤例えばビテルタノール、ト
リアジメホン、フェナリモル等は果樹の黒星病(Ventur
ia inaequalis)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、
うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、灰星病(Moni
linia fructigena) 、野菜類のうどんこ病(Sphaerothe
ca fuliginea) 、穀類のうどんこ病(Erysiphe gramini
s)、さび病(Pucciniastriiformis、P. graminis 、P.
recondita) 等の病害に対しては低薬量で優れた防除効
果が見出され、今日広く使用されているがうどんこ病等
に対する耐性菌の出現による防除の困難性のほか、所謂
卵菌類によって引き起こされる疫病(Phytophthora mel
onis−キュウリ疫病、P. capsici−ナス科疫病、P. inf
estans−馬鈴薯、トマト疫病、P. nicotiana−タバコ疫
病等)、べと病(Pseudoperonospora cubensis−キュウ
リべと病、Plasmopara viticola −ブドウべと病、Pseu
doperonospora humuli−ホップべと病等)の重要病害に
は不効である点の難点が指摘される。
【0005】その後べと病、疫病に対しては防除効果の
高い薬剤の開発が続けられており、今日メタラキシル、
オキサジキシル等のアシルアラニン系化合物が開発さ
れ、世界的に実用に供されているが、アシルアラニン系
化合物に対してもべと病菌、疫病菌の耐性の出現から防
除の行き詰まりが深刻化している現状である。従来これ
ら疫病、べと病の防除剤としては、マンコゼブ、マンネ
ブ等のジチオカーバメート系殺菌剤、TPN、キャプタ
ンが広く使用されているが、いづれも1,500ppm 前後
の高濃度を必要とし、また予防的な効果が主体で、治療
的防除効果は全く期待出来ない。現実に農園芸作物の病
害防除は多かれ少なかれ、病害発生後に実施されること
からこれらの殺菌剤の効果が十分発揮され得ない欠点を
有する。またこれらの殺菌剤は多く併発するうどんこ病
に対しては殆ど効果が得られない不都合さが指摘されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な先行技術の欠点を克服して、より低薬量で予防・治療
の両効果を発揮し、べと病、疫病、うどんこ病、さび病
等の主要病害に優れた防除効果を有する新規な化合物を
提供し、該化合物を有効成分とする農園芸用殺菌剤を提
供するものである。
【0007】また、本発明は、該化合物が高収率で得ら
れる製造法をも併せ提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】前述の課題を解
決するため、本発明者等は種々の非置換或いは置換フェ
ニルカーバメート誘導体について鋭意研究した結果、非
置換或いは置換アミノピリミジンとエチレン結合を介し
て結合したフェニルカーバメート誘導体ないしその酸付
加塩であって、文献等に未記載の新規化合物が全く予期
せざる高い殺菌活性を示し、各種作物の諸病害、就中う
どんこ病、べと病、疫病、さび病の重要病害に対して低
薬量で有効なことを見いだし、本発明を完成した。前述
のとおり上記の病害を幅広く防除することは従来の殺菌
剤を以ってしては不可能であり、二〜三剤を混用するこ
とによって或る程度の防除効果を期待する以外に方策の
なかったことから、本発明の貢献するところは極めて大
きいといえる。
【0009】本発明のフェニルカーバメート誘導体及び
その酸付加塩は、一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中R1 は水素原子、ハロゲン原子、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基
及び低級ハロアルキル基からなる群から選ばれる同一若
しくは異なる置換基で、nは1〜5の整数を示す。X、
Yは酸素または硫黄原子を示し、R2 、R3 は水素原子
または同一或いは異なってもよい低級アルキル基を示
し、R4 、R5 は水素原子または低級アルキル基を示
し、R6 は水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル
基を示し、R7 は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキ
ル基、低級ハロアルキル基或いは非置換または置換フェ
ニル基を示す。またR6 、R7 が互いに結合してベンゼ
ン環を形成してもよい。但しXが酸素原子である場合
は、R6 がハロゲン原子で、R7 がエチル基で、R4
5 が水素原子で、且つR2 、R3 が水素原子または低
級アルキル基である場合を除く。)で表されるフェニル
カーバメート誘導体及びその酸付加塩である。この酸付
加塩の付加される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸または
燐酸等の鉱酸類、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェニルリン酸
またはアルキル硫酸等の有機酸類を包含する。上記本発
明の化合物のR1 のハロゲン原子としては塩素、臭素、
フッ素または沃素、低級アルキル基としては例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、s−ブチル基またはt−ブチル基等、低級
アルコキシ基としては例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基またはt−ブトキ
シ基等、低級アルキルチオ基としては例えばメチルチオ
基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチ
オ基、i−ブチルチオ基またはs−ブチルチオ基等、ま
た低級ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基等
が挙げられる。R2 、R3 の同一或いは異なってもよい
低級アルキル基及びR4 、R5 の低級アルキル基として
は例えばメチル基またはエチル基等が挙げられる。
6 、R7 のハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素
または沃素、また低級アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基またはi−プロピル基等が挙げ
られる。R7 の低級ハロアルキル基としてはトリフルオ
ロメチル基等、また置換フェニル基としてはクロロフェ
ニル基またはメチルフェニル基等が挙げられる。但し、
一般式(I)のXが酸素である場合は、上記R2
3 、R6 、R7 の各例示の組み合わせにおいて、
2 、R3 がメチル基またはエチル基等で、R6 が塩
素、臭素、フッ素または沃素で、R7 がエチル基である
組み合わせは除外する。
【0012】また本発明の化合物において、いづれかの
炭素原子が不斉炭素であるときは種々の光学異性体が存
在するが、これらのいづれもが本発明に含まれる。上記
一般式(I)で表される本発明のフェニルカーバメート
誘導体並びにその酸付加塩(以下本発明化合物という)
の代表例及びその物性を表1に示す。
【0013】
【表1】 表 1 No. (R1)n R2 R3 R4 R5 R6 R7 X Y 酸 融点(℃)屈折率 1 4-Cl H H H H H Cl O O 190 2 3-Cl H H H H H Cl O O 148 3 2-Cl H H H H H Cl O O 94 4 4-Cl H H H H Cl CF3 O O 136 5 3-Me H H H H Cl CF3 O O 105 6 4-CF3 H H H H Cl CF3 O O 144 7 4-Cl H H H H Cl Me O O 175 8 2,5-シ゛Cl H H H H Cl Me O O 133 9 2-MeO H H H H Cl Me O O 118 10 4-Cl H H H H Cl Et S O 162 11 4-Cl H H H H Cl i-Pr O O 136 12 4-Cl H H H H Cl n-Pr O O 102 13 3-Cl H H H H Cl n-Pr O O 105 14 4-Cl H H H H Cl t-Bu O O 140 15 2-Cl H H H H Cl t-Bu O O 72 16 4-Cl H H H H Cl φ O O 157 17 3-Cl H H H H Cl φ O O 115 18 3,4-シ゛Cl H H H H Me H O O 199 19 4-Cl H H H H Me H O O 193 20 4-Cl H H H H Me Me O O 190 21 4-Cl H H H H Me Et O O 128 22 3-Me H H H H Me Et O O 95 23 4-Cl H H H H Me n-Pr O O 121 24 3-Me H H H H Me n-Pr O O 111 25 2,5-シ゛MeO H H H H Me n-Pr O O 90 26 4-Cl H H H H Et Me O O 172 27 3-Me H H H H Et Me O O 105 28 4-Cl H H H H Et Et O O 147 29 2,5-シ゛Cl H H H H Et Et O O 88 30 3-Me H H H H Et Et O O 1.558 31 2,6-シ゛Me H H H H Et Et O O 137 32 4-Br H H H H Et Et O O 162 33 4-Br H H H H Et Et O O 1HCl 107 34 3-MeS H H H H Et Et O O 81 35 4-Cl H H H H i-Pr Me O O 163 36 3-Me H H H H i-Pr Me O O 1.512 37 2,5-シ゛MeO H H H H i-Pr Me O O 1.537 38 4-Cl H H H Me Cl Et O O 70 39 3-Cl H H H Me Cl Et O O 80 40 4-F H H H Me Cl Et O O 1.573 41 4-CF3 H H H Me Cl Et O O 85 42 4-Cl H Me H H Cl Me O O 145 43 3-Me H Me H H Cl Me O O 115 44 4-Cl H Me H H Et Me O O 270 45 3-Me H Me H H Et Me O O 160 46 4-Cl H Me H H n-Pr Et O O 173 47 2-MeO H Me H H n-Pr Et O O 1.559 48 2,4,6-トリMe H Me H H n-Pr Et O O 104 49 4-Cl H Me Me H Cl Et O O 121 50 3-Me H Me Me H Cl Et O O 100 51 3-Cl H Me Me H Cl Et O O 100 52 4-Cl H Me Me H Cl Et O O 1DB 1.568 53 3-Me H Me Me H Cl Et O O 1DB 51 54 H Me H H H Et Et O O 114 55 4-Cl H H H H -C4H4- O O 180 (註) (1) 表1中の元素記号以外の記号は下記の意味をあら
わす。
【0014】−Me:−CH3 −MeS :−CH3S t-B
u:t-C4H9 −MeO :−CH3O i-Pr:i-C3H7 −φ:−C6H5 −Et:−C2H5
n-Pr:n-C3H7 DB:ドデシルベンゼンスルホン酸 (2) 表1中の酸の欄の数字は付加する酸のモル数を表
わす。 つぎに本発明化合物の製造法について説明する。 製造法(I) 一般式(I)で表わされる本発明化合物の製造法を反応
図式(1)に示し、以下に詳しく説明する。
【0015】反応図式(1)
【0016】
【化5】
【0017】(ただし式中R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 、n、X及びYは前記と同じである。)
上記反応は、触媒の存在下、無溶媒或いは溶媒中0〜1
50℃、好ましくは20〜100℃の温度で行なわれ
る。一般式(II)と一般式(III)で表わされる化合物の
モル比は0.2〜5.0、好ましくは0.9〜1.1である。
【0018】触媒は塩基触媒と酸触媒があり、塩基触媒
としてはピリジン、トリエチルアミン、N−メチルピペ
リジン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基、ナト
リウムメトキシド、カリウムエトキシド、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、また
酸触媒としては塩酸、硫酸等の鉱酸、塩化アルミニウ
ム、塩化スズ、塩化亜鉛等のルイス酸が挙げられる。
【0019】溶媒は、本反応に関与しないものであれば
特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタ
ン、クロルベンゼン、塩化メチレン、シクロヘキサン等
のような塩素化された、或いはされていない芳香族、脂
肪族、脂環式の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールのよ
うなエーテル類が挙げられる。
【0020】反応生成物は、通常、例えば抽出、再結
晶、カラムクロマトグラフィー等により単離精製され
る。 製造法(II) 一般式(I)で表わされる化合物の酸付加塩の製造法を
反応図式(2)に示し以下詳しく説明する。
【0021】反応図式(2)
【0022】
【化6】
【0023】(式中R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
6 、R7 、n、X及びYは前記と同じであり、Aは塩
酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類またはアルキルスルホン
酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸等の有機酸を示す。)上記反応は、一般式(I)で表
わされる化合物を溶媒に溶解または懸濁し、0〜120
℃、好ましくは20〜80℃の温度で攪拌しながら酸を
加えて0.1〜2時間反応することにより酸付加塩が得ら
れる。この時、一般式(I)で表わされる化合物と酸の
モル比は1:1〜3、好ましくはほぼ1:1である。
【0024】溶媒は本反応に関与しないものであれば特
に制限はないが、好ましくは生成する酸付加塩を溶解す
るものがよい。例えばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロルベン
ゼン、塩化メチレン、クロロホルムのような塩素化され
た、或いはされていない芳香族、脂肪族の炭化水素類、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジオキサンのようなエー
テル類が挙げられる。
【0025】本発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用
する場合、就中べと病、疫病、うどんこ病、さび病に対
し、低薬量で、保護的、治療的防除効果に基づく極めて
高い殺菌効果を示す。薬液濃度としては65〜260pp
m 程度で十分であり、従来これらの病害に適用される各
殺菌剤に比較してより低薬量である。また本発明化合物
の単剤のほか、他の殺菌剤や、殺虫剤、除草剤、植物生
長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥料とも混合して
使用することが出来る。
【0026】本発明化合物は農薬として通常製剤に供さ
れる溶剤、担体、界面活性剤等の補助剤を使用して調剤
し実用に供される。即ち、乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、
フロアブル剤、水溶剤等の剤型に夫々製剤することが出
来る。ここにいう担体としては、固体担体と液体担体に
分けられるが、固体担体としては無機物質、例えばタル
ク、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオラ
イト、珪藻土など、また動植物性有機物質としては澱
粉、大豆粉、木粉、小麦粉、粉乳などが挙げられる。液
体担体としては水、メチルアルコール、プロピレングリ
コールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジオキサンな
どのエーテル類、キシレン、メチルナフタレン、テトラ
ヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルク
ロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミン類、酢酸エチル、脂肪酸のグリ
セリンエステルなどのエステル類、アセトニリトルなど
のニトリル類、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合
物などが挙げられる。
【0027】本発明化合物は実際の適用に当り、水和
剤、乳剤、粉剤、フロアブル剤、水溶剤、粒剤等の剤型
に調整し、使用されるが、次のような補助剤を使用する
ことが出来る。リグニンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ワッ
クス、カゼイン、キサンタンガム、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール類等が挙げられるが、
以上のものに限定されるものではない。有効成分として
の本発明化合物の組成物中の含有量は通常水和剤で20
〜75重量%、乳剤では5〜25重量%、粉剤では0.5
〜10重量%、粒剤では0.1〜10重量%、フロアブル
剤では10〜70重量%、水溶剤では0.5〜10重量%
である。然しながらこれらの割合を逸脱する場合も在り
得る。これらの製剤の中、水和剤、乳剤、フロアブル
剤、水溶剤のように水に希釈して散布する場合、通常適
用される本発明化合物の有効成分濃度としては65〜2
60ppm 程度で有効な病害防除を達成することが出来
る。
【0028】
【実施例】つぎに合成例を挙げて本発明化合物の製造法
をさらに詳細に説明する。 合成例1 4−(2−(3−メチルフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5−クロロ−6−トリフルオロメチル
ピリミジンの製造(化合物No. 5の合成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−クロロ−6
−トリフルオロメチルピリミジン1.47g(6.1mmol)
及び3−メチルフェニルイソシアナート0.80g(6.0
mmol)をベンゼン8mlに溶解させ、次いでピリジン0.1
gを加え50℃で1時間攪拌した。反応終了後、水を加
えベンゼンで抽出した。ベンゼン溶液を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後ベンゼンを減圧下留去し、得られた粗生成
物2.18gをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
展開溶媒ベンゼン−エタノール(20:1))で精製
し、目的物1.81gを得た。 融点 105℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 2.30(s, 3H) 、3.82(q, 2H) 、4.38(t, 2H)
、7.16(m, 4H) 、8.52(s, 1H)
【0029】合成例2 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5−クロロ−6−メチルピリミジンの
製造(化合物No. 7の合成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−クロロ−6
−メチルピリミジン1.16g(6.2mmol)及び4−クロ
ロフェニルイソシアナート0.9g(5.9mmol)をベンゼ
ン7mlに溶解させ、次いでピリジン0.1gを加え室温で
2時間攪拌した。反応終了後、水を加えベンゼンで抽出
した。ベンゼン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後ベン
ゼンを減圧下留去し、得られた粗生成物2.0gをカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒ベンゼン−
エタノール(20:1))で精製し、目的物1.68gを
得た。 融点 175℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 2.55(s, 3H) 、3.92(q, 2H) 、4.50(t, 2H)
、7.50(d, 2H) 、7.70(s, 2H) 、8.50(s, 1H)
【0030】合成例3 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5−クロロ−6−n−プロピルピリミ
ジンの製造(化合物No. 12の合成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−クロロ−6
−n−プロピルピリミジン1.40g(6.5mmol)及び4
−クロロフェニルイソシアナート0.97g(6.3mmol)
をベンゼン10mlに溶解させ、次いでピリジン0.1gを
加え室温で2時間攪拌した。反応終了後、水を加えベン
ゼンで抽出した。ベンゼン溶液を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後ベンゼンを減圧下留去し、得られた粗生成物2.2
8gをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶
媒ベンゼン−エタノール(20:1))で精製し、目的
物1.82gを得た。 融点 102℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 0.98(t, 3H) 、1.71(m, 2H) 、2.74(t, 2H)
、3.79(q, 2H) 、4.38(t, 2H) 、7.28(m, 4H) 、8.38
(s, 1H)
【0031】合成例4 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5−メチル−6−エチルピリミジンの
製造(化合物No. 21の合成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−メチル−6
−エチルピリミジン1.27g(7.0mmol)及び4−クロ
ロフェニルイソシアナート1.06g(6.9mmol)をトル
エン10mlに溶解させ、次いでピリジン0.2gを加え室
温で2時間攪拌した。反応終了後、水を加えベンゼンで
抽出した。ベンゼン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後
トルエンを減圧下留去し、得られた粗生成物2.25gを
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒ベン
ゼン−エタノール(20:1))で精製し、目的物1.7
7gを得た。 融点 128℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 1.20(t, 3H) 、2.01(s, 3H) 、2.67(q, 2H)
、3.79(q, 2H) 、4.41(t, 2H) 、7.31(m, 4H) 、8.42
(s, 1H)
【0032】合成例5 4−(2−(3−メチルフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5,6−ジエチルピリミジンの製造
(化合物No. 30の合成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5,6−ジエチ
ルピリミジン1.19g(6.1mmol)及び3−メチルフェ
ニルイソシアナート0.78g(5.9mmol)をベンゼン8
mlに溶解させ、次いでピリジン0.1gを加え50℃で2
時間攪拌した。反応終了後、水を加えベンゼンで抽出し
た。ベンゼン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後トルエ
ンを減圧下留去し、得られた粗生成物1.91gをカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒ベンゼン−
エタノール(20:1))で精製し、目的物1.50gを
得た。 nD (25℃) 1.5581 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 1.10(t, 3H) 、1.22(t, 3H) 、2.29(s, 3H)
、2.45(q, 2H) 、2.63(q, 2H) 、3.74(q, 2H) 、4.38
(t, 2H) 、7.18(m, 4H) 、8.42(s, 1H)
【0033】合成例6 4−(N−メチル−2−(4−フルオロフェニルカルバ
モイルオキシ)エチルアミノ)−5−クロロ−6−エチ
ルピリミジンの製造(化合物No. 40の合成) 4−(N−メチル−2−ヒドロオキシエチルアミノ)−
5−クロロ−6−エチルピリミジン1.40g(6.5mmo
l)及び4−フルオロフェニルイソシアナート0.88g
(6.4mmol)をトルエン10mlに溶解させ、次いでピリ
ジン0.1gを加え60℃で1時間攪拌した。反応終了
後、水を加えトルエンで抽出した。トルエン溶液を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後トルエンを減圧下留去し、得ら
れた粗生成物2.20gをカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル、展開溶媒ベンゼン−エタノール(20:
1))で精製し、目的物1.73gを得た。 nD (25℃) 1.5731 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 1.24(t, 3H) 、2.82(q, 2H) 、3.23(s, 3H)
、3.87(t, 2H) 、4.43(t, 2H) 、6.95(t, 2H) 、7.32
(t, 2H) 、8.38(s, 1H)
【0034】合成例7 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
−1−メチルエチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル
ピリミジンの製造(化合物No. 42の合成) 4−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチルアミノ)−5
−クロロ−6−メチルピリミジン1.41g(7.0mmol)
及び4−クロロフェニルイソシアナート1.06g(6.9
mmol)をベンゼン10mlに溶解させ、次いでピリジン0.
1gを加え50℃で1時間攪拌した。反応終了後、水を
加えベンゼンで抽出した。ベンゼン溶液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後ベンゼンを減圧下留去し、得られた粗生
成物2.38gをカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、展開溶媒ベンゼン−エタノール(20:1))で精
製し、目的物1.85gを得た。 融点 145℃1 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 1.30(d, 3H) 、2.44(s, 3H) 、4.26(m, 2H)
、4.56(m, 1H) 、7.28(m, 4H) 、8.32(s, 1H)
【0035】合成例8 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)キナゾリンの製造(化合物No. 55の合
成) 4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)キナゾリン1.51
g(8.0mmol)及び4−クロロフェニルイソシアナート
1.18g(7.7mmol)をベンゼン15mlに溶解させ、次
いでピリジン0.1gを加え50℃で1時間攪拌した。反
応終了後、水を加えベンゼンで抽出した。ベンゼン溶液
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後ベンゼンを減圧下留去
し、得られた粗生成物2.57gをカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、展開溶媒ベンゼン−エタノール(2
0:1))で精製し、目的物1.73gを得た。 融点 180℃1 H−NMR(CD3SOCD3) δ(ppm) 4.06(q, 2H) 、4.58(t, 2H) 、7.48(d, 2H)
、7.67(m, 3H) 、7.89(m, 2H) 、8.42(d, 1H) 、8.66
(s, 1H)
【0036】合成例9 4−(2−(4−ブロモフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5,6−ジエチルピリミジン塩酸塩の
製造(化合物No. 33の合成) 4−(2−(4−ブロモフェニルカルバモイルオキシ)
エチルアミノ)−5,6−ジエチルピリミジン1.18g
(3.0mmol)をエタノール15mlに溶解させ、次いで3
6%塩酸水溶液0.31g(3.1mmol)を加え室温で30
分攪拌した。反応終了後減圧下エタノール及び水を留去
し、目的物1.27gを得た。 融点 107℃1 H−NMR(CD3SOCD3) δ(ppm) 1.07(t, 3H) 、1.23(t, 3H) 、2.64(q, 2H)
、2.80(q, 2H) 、3.85(q, 2H) 、4.36(t, 2H) 、7.44
(s, 4H) 、8.63(s, 1H)
【0037】合成例10 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
−1,1−ジメチルエチルアミノ)−5−クロロ−6−
エチルピリミジンドデシルベンゼンスルホン酸酸の製造
(化合物No. 52の合成) 4−(2−(4−クロロフェニルカルバモイルオキシ)
−1,1−ジメチルエチルアミノ)−5−クロロ−6−
エチルピリミジン1.15g(3.0mmol)をエタノール1
5mlに溶解させ、次いでドデシルベンゼンスルホン酸1.
01g(3.1mmol)を加え室温で2時間攪拌した。反応
終了後減圧下エタノール及び水を留去し、目的物2.15
gを得た。 nD (25℃) 1.5601 H−NMR(CDCl3) δ(ppm) 0.86(m, 6H) 、1.22(m, 17H)、1.56(m, 9H)
、2.38〜2.72(m, 1H)、2.84(q, 2H) 、4.27(s, 2H) 、
7.14(m, 4H) 、7.43(d, 2H) 、7.80(d, 2H) 、8.60(s,
1H)
【0038】合成例11 合成例1と同様に処理することにより表1に化合物番号
1〜3、6、8、9、22〜25、31、35〜39、
43〜48、51、54として示す化合物を、合成例2
と同様に処理することにより表1に化合物番号4、13
〜15、34、49として示す化合物を、合成例4と同
様に処理することにより表1に化合物番号10、11、
32、50として示す化合物を、合成例6と同様に処理
することにより表1に化合物番号16〜20、26〜2
9、41として示す化合物を得た。また合成例10と同
様に処理することにより表1に化合物番号53として示
す化合物を得た。
【0039】つぎに具体的な製剤例を示すが、添加する
担体、界面活性剤などはこれらの例に挙げられたものに
限定されるものではない。なお、以下に「部」とあるの
は「重量部」を意味する。 製剤例1−水和剤 化合物番号28の化合物20部、酸性白土56部、ホワ
イトカーボン15部、リグニンスルホン酸カルシウム4
部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル5部
を均一に混合粉砕して水和剤100部を得た。 製剤例2−乳剤 化合物番号40の化合物10部にキシレン80部、ジメ
チルホルムアミド55部、これに乳化剤としてニューカ
ルゲンST−20(竹本油脂製)4部、ニューカルゲン
ST−50(竹本油脂製)6部を加え混合溶解して乳剤
100部を得た。 製剤例3−フロアブル剤 化合物番号6の化合物30部、キサンタンガム0.2部、
ソルポール3078(東邦化学工業製)5部、プロピレ
ングリコール5部、水59.8部をサンドグラインダーで
湿式粉砕し、フロアブル剤100部を得た。
【0040】製剤例4−粒剤 化合物番号7の化合物5部、リグニンスルホン酸カルシ
ウム3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
部、ベントナイト30部、及びクレー61部をよく粉砕
混合し、水を添加してよく練り合わせた後押し出し造粒
機を用いて通常の方法により造粒し、乾燥後、粒剤10
0部を得た。 製剤例5−粉剤 化合物番号21の化合物3部、ホワイトカーボン3部、
タルク74部を均一に混合粉砕して粉剤100部を得
た。
【0041】つぎに本発明化合物の殺菌効果を具体的に
試験例によって示す。比較のためにつぎの化合物を比較
対象化合物として用いた。 比較化合物(a):TPN(クロロタロニル)(市販殺
菌剤)
【0042】
【化7】
【0043】比較化合物(b):マンゼブ(市販殺菌
剤)
【0044】
【化8】
【0045】比較化合物(c):トリアジメホン(市販
殺菌剤)
【0046】
【化9】
【0047】比較化合物(d):キノメチオネート(市
販殺菌剤)
【0048】
【化10】
【0049】比較化合物(e):ジエトフェンカルブ
(市販殺菌剤)
【0050】
【化11】
【0051】比較化合物(f):特開昭63−2085
81号に記載の化合物
【0052】
【化12】
【0053】比較化合物(g):特開平2−85263
号に記載の化合物(化合物No. 94)
【0054】
【化13】
【0055】試験例1 キュウリべと病予防効果試験 直径6cmのプラスチックポットで栽培した1.5葉期のキ
ュウリ苗(品種 相模半白)に、製剤例1に従って水和
剤に製剤した本発明化合物の水希釈液を、スプレーガン
を用いて均一に散布した。散布1日後に、キュウリべと
病菌(Pseudoperonospora cubensis) の遊走子けんだく
液を噴霧接種し、25℃の高湿度の部屋に24時間放置
後、調査まで温室で管理した。接種の6日後に、発病の
程度を以下の基準で調査し、防除価(発病を抑制する効
果)を算出した。結果を表2に記載する。表2、表3中
の防除価の意味はつぎのとおりである。
【0056】発病程度=B/A A:調査葉数 B:100×a+50×b+25×c+12.5×d+6.
25×e a:病斑が葉の50%以上認められる葉数 b:病斑が葉の25〜50%認められる葉数 c:病斑が葉の12.5〜25%認められる葉数 d:病斑が葉の6.25〜12.5%認められる葉数 e:発病が認められ、病斑が葉の6.25%以下の葉数 防除価=〔1−D/C〕×100 C:無処理区の発病程度 D:処理区の発病程度
【0057】
【表2】 キュウリべと病予防効果試験結果 ──────────────────────────── 化合物番号 有効成分濃度 防除価 ──────────────────────────── No. 7 256 ppm 100 64 100 No. 11 256 100 64 100 No. 21 256 100 64 100 No. 28 256 100 64 100 No. 32 256 100 64 100 No. 33 256 100 64 100 No. 40 256 100 64 100 No. 42 256 100 64 100 No. 55 256 100 64 100 比較化合物(a) 256 83 64 45 比較化合物(e) 256 0 64 0 比較化合物(f) 256 0 64 0 比較化合物(g) 256 48 64 0 ───────────────────────────── 試験例2 ピーマン疫病予防効果試験 直径6cmのプラスチックポットで栽培した4葉期のピー
マン苗(品種 エース)に、製剤例2に従って乳剤に製
剤した本発明化合物の水希釈液を、スプレーガンを用い
て均一に散布した。散布1日後に、ピーマン疫病菌(Ph
ytophthora capsici) の遊走子けんだく液を噴霧接種
し、25℃で高湿度の部屋に24時間放置後、調査まで
温室にて管理した。接種の2日後に、試験例1の基準に
従って発病の程度を調査し、防除価を算出した。結果を
表3に記載する。
【0058】
【表3】 ピーマン疫病予防効果試験結果 ───────────────────────────── 化合物番号 有効成分濃度 防除価 ───────────────────────────── No. 26 256 ppm 100 No. 30 256 100 No. 39 256 100 No. 40 256 100 No. 55 256 100 比較化合物(b) 256 88 比較化合物(e) 256 0 比較化合物(f) 256 28 比較化合物(g) 256 24 ───────────────────────────── 試験例3 大麦うどんこ病予防効果試験 直径6cmのプラスチックポットで栽培した1.5葉期の大
麦苗(品種 アカギ二条)に、製剤例2に従って乳剤に
製剤した本発明化合物の水希釈液を、スプレーガンを用
いて均一に散布した。散布1日後より、大麦うどんこ病
菌(Erysiphe graminis)の分生胞子を多数形成している
発病苗に近接して置き、自然に発病がおこるようにし
た。薬剤散布の6日後に、以下の基準で発病の程度を調
査し、防除価を算出した。結果を表4に記載する。表
4、表5中の意味はつぎのとおりである。
【0059】発病程度=B/A A:調査葉数 B:100×a+50×b+25×c+12.5×d+6.
25×e a:病斑が30個以上認められる葉数 b:病斑が15〜29個認められる葉数 c:病斑が8〜14個認められる葉数 d:病斑が4〜7個認められる葉数 e:病斑が1〜3個認められる葉数 防除価=〔1−D/C〕×100 C:無処理区の発病程度 D:処理区の発病程度
【0060】
【表4】 大麦うどんこ病予防効果試験結果 ───────────────────────────── 化合物番号 有効成分濃度 防除価 ───────────────────────────── No. 6 256 ppm 100 No. 12 256 100 No. 21 256 100 No. 22 256 100 No. 30 256 100 No. 52 256 100 比較化合物(c) 256 87 比較化合物(e) 256 0 比較化合物(f) 256 56 比較化合物(g) 256 28 ───────────────────────────── 試験例4 小麦赤さび病予防効果試験 直径6cmのプラスチックポットで栽培した1.5葉期の小
麦苗(品種 農林61号)に、製剤例3に従ってフロア
ブル剤に製剤した本発明化合物の水希釈液を、スプレー
ガンを用いて均一に散布した。散布1日後に、小麦赤さ
び病菌(Puccinia recondita) の夏胞子けんだく液を噴
霧接種し、25℃の高湿度の部屋に24時間放置後、調
査まで温室にて管理した。接種の10日後に、試験例3
の基準に従って発病の程度を調査し、防除価を算出し
た。結果を表5中に記載する。
【0061】
【表5】 小麦赤さび病予防効果試験結果 ───────────────────────────── 化合物番号 有効成分濃度 防除価 ───────────────────────────── No. 4 256 ppm 100 No. 5 256 100 No. 6 256 100 No. 12 256 100 No. 13 256 100 No. 17 256 100 No. 38 256 100 No. 40 256 100 No. 41 256 100 No. 42 256 100 No. 46 256 100 比較化合物(c) 256 85 比較化合物(e) 256 0 比較化合物(f) 256 53 比較化合物(g) 256 48 ───────────────────────────── 試験例5 キュウリうどんこ病治療効果試験 直径6cmのプラスチックポットで栽培した子葉期のキュ
ウリ苗(品種 相模半白)に、キュウリうどんこ病菌
(Sphaerotheca fuliginea) の分生胞子けんだく液を噴
霧接種した。接種5日後、発病初期のキュウリ苗に、製
剤例1に従って水和剤に製剤した本発明化合物の水希釈
液を、スプレーガンを用いて均一に散布した。散布7日
後、キュウリ苗の子葉における治療効果を以下の基準で
調査した。結果を表6に記載する。効果の欄の数字は下
記を意味する。
【0062】5:再発病斑が認められない。 4:発病が少ない。 3:発病が中程度。 2:発病が多い。 1:発病が著しく、無処理区と同程度。
【0063】
【表6】 キュウリうどんこ病治療効果試験結果 ───────────────────────────── 化合物番号 有効成分濃度 効果 ───────────────────────────── No. 6 256 ppm 5 No. 12 256 5 No. 21 256 5 No. 22 256 5 No. 30 256 5 No. 52 256 5 比較化合物(d) 256 3 比較化合物(g) 256 1 ─────────────────────────────
【0064】
【発明の効果】一般式(I)で表される本発明のフェニ
ルカーバメート誘導体及びその酸付加塩は農園芸用殺菌
剤として各種の作物の病害防除にすぐれた効果を表わ
す。就中従来の殺菌剤が単独では防除が不可能であった
べと病、疫病、うどんこ病、さび病等の病害に対して極
めて低濃度ですぐれた防除効果があり、農園芸作物栽培
分野において極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 押田 敏雄 千葉県市原市五井6992 丸善石油化学岩 崎寮 (72)発明者 三輪 拓也 千葉県市原市五井2445 シティーハイム 鳴沢C−103号 (72)発明者 入江 信 千葉県市原市五井6490−1 メゾンブリ ーズ2番館203 (56)参考文献 特開 平4−275278(JP,A) 特開 平1−68362(JP,A) 特開 昭57−206651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 239/42 C07D 239/94 A01N 47/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中R1 は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基及び低級ハ
    ロアルキル基からなる群から選ばれる同一若しくは異な
    る置換基で、nは1〜5の整数を示す。X、Yは酸素ま
    たは硫黄原子を示し、R2 、R3 は水素原子または同一
    或いは異なってもよい低級アルキル基を示し、R4 、R
    5 は水素原子または低級アルキル基を示し、R6 は水素
    原子、ハロゲン原子または低級アルキル基を示し、R7
    は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
    アルキル基或いは非置換または置換フェニル基を示す。
    またR6 、R7 が互いに結合してベンゼン環を形成して
    もよい。但しXが酸素原子である場合は、R6 がハロゲ
    ン原子で、R7 がエチル基で、R4 、R5 が水素原子
    で、且つR2 、R3 が水素原子または低級アルキル基で
    ある場合を除く。)で表されるフェニルカーバメート誘
    導体及びその酸付加塩。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、Xは請
    求項1における意味と同じである。)で表される化合物
    を、一般式(III) 【化3】 (式中R1 、n、Yは請求項1における意味と同じであ
    る。)で表される化合物と反応させることを特徴とす
    る、請求項1記載のフェニルカーバメート誘導体または
    その酸付加塩の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の少くとも1つの化合物を
    有効成分として含有するべと病、うどんこ病、さび病、
    疫病を対象とする農園芸用殺菌剤。
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