JP2004269117A - 被記録材カセット、被記録材給送装置、記録装置 - Google Patents

被記録材カセット、被記録材給送装置、記録装置 Download PDF

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泰晴 原田
Masashi Furuyama
将史 古山
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周大 山下
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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、給送ローラと分離手段のみによって用紙をピックアップし、且つ、下流側へ給送可能とする。
【解決手段】給紙カセット300は揺動可能なホッパ311を備え、ホッパ311が揺動することにより、ホッパ311上に支持された用紙が給紙ローラ20に圧接する。ホッパ311上に支持された用紙の先端位置を規制する先端規制面343は、ホッパ311の先端が描く軌跡に略沿うような凹曲面によって形成されるとともに、用紙の後端位置を規制する後端規制面345aは、先端規制面343に略沿うような凸曲面によって形成される。これにより、リバースローラ22と給紙ローラ20を用紙先端に接近させることができ、給紙ローラ20を大径化せずに、ホッパ311上に支持された用紙を給紙ローラ20に圧接させることができる。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、略箱形の形状を成して複数枚の被記録材を収納セット可能な被記録材カセットに関する。また、本発明は、給送ローラ及び分離手段を備えた被記録材給送装置に関する。更に、本発明は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
Fax、プリンタ等に代表される記録装置の被記録材給送装置(給紙装置)は、複数枚の印刷用紙が積層状態でセット可能に構成されている。例えば、略箱形の形状を成すカセットが着脱自在に設けられ、該カセットの底部には、揺動可能なホッパが設けられ、該ホッパ上に、複数枚の印刷用紙が積層状態でセットされる。セットされる印刷用紙の先端は、カセット内部の壁面にガイドされ、後端は、カセット内部において用紙長さ方向にスライド可能に設けられた後端ガイドによってガイドされ、これにより、カセット内で用紙先端が揃う様になっている(例えば、特許文献1参照)
この被記録材給送装置においては、カセットから印刷用紙をピックアップする為に、セットされた印刷用紙が当接可能な位置にピックアップローラが設けられ、ホッパが揺動することにより、セットされた印刷用紙がピックアップローラに圧接する。ピックアップローラの下流側には、給送ローラと、該給送ローラとの間で印刷用紙をニップすることにより、給送されるべき最上位の用紙と重送されようとする次位以降の用紙とを分離する分離手段(例えば、印刷用紙を給送する為の回転方向とは逆方向に回転するリバースローラ)が設けられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−116772号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述の様にピックアップローラと給送ローラとを設ける構成においては、コストアップとなり易く、従って両ローラを兼用する構成とすることが望ましい。しかし、給送ローラと分離手段とは一組で用いられる為、給送ローラをセットされた印刷用紙に当接可能な位置に設けること、即ち、給送ローラの配設位置を用紙先端に接近させることは困難である。
【0007】
そこで、給送ローラを大径化し、印刷用紙と当接可能な位置まで給送ローラの円弧部分を延長する方法も考えられる。しかし、これでは装置が大型化する弊害が生じる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、装置を大型化することなく、給送ローラと分離手段のみによって用紙をピックアップし、且つ、下流側へ給送可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラ及び該給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段を備えた被記録材給送装置に着脱可能に設けられ、略箱形の形状を成して複数枚の被記録材を収納セット可能な被記録材カセットであって、複数枚の被記録材を積層状態で支持し且つ被記録材の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被記録材を前記給送ローラに圧接させるホッパと、前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面と、前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面と、を備え、前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されていることを特徴とする。
【0009】
上記第1の態様によれば、前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面が、ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成されているので、先端規制面の上側では、給送ローラと分離手段とをより一層被記録材の先端に接近させて配置することができる。従ってこれにより、給送ローラを大径化して装置を大型化することなく、給送ローラと分離手段のみの低コストな構成によって、被記録材をピックアップし且つ下流側へ給送することができる。また、前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面は、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されているので、被記録材を最大枚数セットした場合でも、セットされた被記録材の上位のものの先端が前記先端規制面の上部凹曲面に強く接して前記ホッパの揺動動作を阻害したりすることが無い。
【0010】
本発明の第2の態様は、被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラ及び該給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段を備えた被記録材給送装置であって、上記第1の態様の前記被記録材カセットを着脱自在に備えていることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、被記録材を給送する被記録材給送装置は上記第1の態様の被記録材カセットを備えているので、被記録材給送装置において上述した第1の態様と同様な作用効果を得ることができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、回転駆動され、被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラと、複数枚の被記録材を積層状態で支持し且つ被記録材の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被記録材を前記給送ローラに圧接させるホッパと、前記給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより、給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段と、前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面と、前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面と、を備えた、被記録材を給送する被記録材給送装置であって、前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記第3の態様によれば、前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面が、ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成されているので、先端規制面の上側では、給送ローラと分離手段とをより一層被記録材の先端に接近させて配置することができる。従ってこれにより、給送ローラを大径化して装置を大型化することなく、給送ローラと分離手段のみの低コストな構成によって、被記録材をピックアップし且つ下流側へ給送することができる。また、前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面は、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されているので、被記録材を最大枚数セットした場合でも、セットされた被記録材の上位のものの先端が前記先端規制面の上部凹曲面に強く接して前記ホッパの揺動動作を阻害したりすることが無い。
【0013】
本発明の第4の態様は、被記録材に記録を行う記録手段を備えた記録装置であって、上記第2のまたは第3の態様に記載された前記被記録材給送装置を備えていることを特徴とする。
上記第4の態様によれば、被記録材に記録を行う記録装置は上記第2又は第3の態様の被記録材給送装置を備えているので、記録装置において上述した第2又は第3の態様と同様な作用効果を得ることができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、回転駆動され、被噴射媒体と接して回転することにより被噴射媒体を前記液体噴射手段へ給送する給送ローラと、複数の被噴射媒体を積層状態で支持し且つ被噴射媒体の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被噴射媒体の先端部を前記給送ローラに圧接させるホッパと、前記給送ローラとの間で被噴射媒体をニップすることにより、給送されるべき被噴射媒体と重送されようとする被噴射媒体とを分離する分離手段と、前記ホッパ上に支持された被噴射媒体の先端位置を規制する先端規制面と、前記ホッパ上に支持された被噴射媒体の後端位置を規制する後端規制面と、を備えた、被噴射媒体を給送する被噴射媒体給送装置であって、前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、
1.インクジェットプリンタの概略構成
2.オプション給紙ユニットの構成
の順に図面を参照しながら説明する。
【0016】
<1.インクジェットプリンタの概略構成>
以下では、本発明の一実施形態に係る「記録装置」、「液体噴射装置」としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概略構成について図1乃至図4を参照しながら説明する。ここで、図1はプリンタ1の外観斜視図、図2はプリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態における外観斜視図、図3はプリンタ1の側断面概略図、図4はプリンタ1の要部平面図(プラテン65の平面図)である。
【0017】
図1において、「被記録材」、「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う。)に、「液体」の一例としてのインク滴を吐出して記録を行うプリンタ1は、装置本体1aと、該装置本体1aの下に、本発明に係る「被記録材給送装置」としてのオプション給紙ユニット(以下「OPTユニット」と言う)3とを連結可能に、また、逆に切り離し可能な様に構成されている。装置本体1aは、給紙部、記録部、排紙部等(詳細は後述)を有し、一方でOPTユニット3は、上部の装置本体1aに向けて、セットされた用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部(詳細は後述)を備えている。
【0018】
このプリンタ1は、装置本体1aの側に給紙カセット200を、OPTユニット3の側に給紙カセット300を有し、双方の給紙カセットに、多数枚(本実施形態では、それぞれ500枚)の用紙Pを積層状態で収納セット可能となっている。そして、装置本体1aの側においては、給紙カセット200の上部に、任意のサイズの用紙Pを手差し給紙可能な手差し給紙口202を備えている。更に、OPTユニット3の側においては、給紙カセット300がOPTユニット3の本体部301に対して着脱可能に設けられ、OPTユニット3から取り外した状態で用紙Pのセットが可能となっている。
【0019】
次に、プリンタ1は、装置本体1aの上部に、記録の行われた用紙Pを装置前方側に向けて排出するフェイスダウン(以下「Fd」と略称する)用紙排出口500と、これとは逆に装置後方側に向けて排出するフェイスアップ(以下「Fu」と略称する)用紙排出口600と、を有している。Fd用紙排出口500の側においては、装置手前側に設けられた回動軸を中心にして回動することにより、装置手前側に向けて開くことのできるカバー150が設けられている。
【0020】
図1は、カバー150を開いた状態を示すものであり、当該開いた状態においては、カバー150は、Fd用紙排出口500から排出される用紙Pをスタックする排紙スタッカとしての機能を果たす。また、閉じた状態においては、装置上部の外観を構成するとともに装置内部への塵埃等の進入を防止する機能を果たす。更に、Fu用紙排出口600の側においては、排紙スタッカ601が傾斜姿勢で設けられていて、Fu用紙排出口600から排出された用紙Pは、排紙スタッカ601上に傾斜姿勢で順次積層される。
【0021】
続いて、図2は、プリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態を示すものである。図2において、装置本体1aの上部前方側には、インク・カートリッジ105をプリンタ1の幅方向(後述するインクジェット記録ヘッド100の主走査方向)に複数個(本実施形態では4個)セットする為のカートリッジ取付フレーム110が設けられている。本実施形態に係るプリンタ1においては、ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー用の、計4個のインク・カートリッジ105が、プリンタ1の幅方向に並んで配設される。このインク・カートリッジ105は、プリンタ1の外観を構成するカートリッジカバー151(図1参照)を開放することで露呈する様になっている。そして、カートリッジカバー151を開放した状態において装置前方側から後方側に向けて差し込む様にして装着可能となり、装置前方側に引き出すことで取り外すことができる様になっている。
【0022】
次に、図3を参照しながらプリンタ1の用紙搬送経路について概説する。尚、以下では用紙搬送経路の上流側を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を単に「下流側」と言うこととする。プリンタ1は、装置下部前方側から装置上部後方側に向けて斜めに用紙Pを搬送し、傾斜した搬送経路上において用紙Pにインクジェット記録を行い、記録の行われた用紙Pを斜め上方(前方側(Fd用紙排出口500)又は後方側(Fu用紙排出口600))に向けて排出する構成を有している。また、プリンタ1は、用紙Pの表面と裏面の両面にインクジェット記録を行うべく、表面にインクジェット記録の行われた用紙Pを反転させ、そして裏面を上にした状態で記録部へと搬送する為の両面記録用反転経路を有している。
【0023】
より詳しくは、プリンタ1の用紙搬送経路は、給紙部2と、記録部11と、フェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)排出部6と、用紙反転部4と、から大略構成される。尚、図3では図示を省略するが、給紙部2の下には上述したOPTユニット3が装着されることにより、記録部11へと用紙を給紙する給紙部が更に追加される。図3における駆動ローラ61及び従動ローラ62は、OPTユニット3から装置本体1aへ用紙Pを給送する為のものである。
【0024】
給紙部2は、ホッパ203と、手差しトレイ201と、ピックアップローラ25と、給紙(給送)ローラ21と、リバースローラ23とを有している。ホッパ203は給紙カセット200(図1)にセットされる複数枚の用紙Pを積層状態で支持し、且つ、回動軸203aを中心にして、図示を省略するホッパ駆動手段によって図の時計方向及び反時計方向に揺動可能に構成されている。ホッパ203には用紙幅方向にスライド可能な可動エッジガイド204(図2)が設けられ、給紙カセット200(図1)にセットされた用紙Pは、フレーム左206(図2)と可動エッジガイド204とによって側端をガイドされる。ホッパ203の上方に設けられた手差しトレイ201にも同様に用紙幅方向にスライド可能な可動エッジガイド201aが設けられ、手差し給紙口202(図1)から給送される用紙Pは、フレーム206と可動エッジガイド201aとによって側端をガイドされる。
【0025】
ピックアップローラ25は外周面が高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成され、ホッパ203が揺動することにより、ホッパ203上に積重された用紙Pの最上位のものと接触する。そして、当該接触状態で回転することにより、最上位の用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23へと送り出す。
【0026】
給紙ローラ21及びリバースローラ23は、ピックアップローラ25と同様に外周面が高摩擦材によって構成されている。給紙ローラ21及びリバースローラ23は、図4に示す様に主走査方向において0桁側(図4の左側)に偏寄した位置に設けられている。尚、上述したピックアップローラ25も同様に、図4に示す様に0桁側に偏寄した位置に設けられている。図3に戻って、給紙ローラ21は用紙Pを下流側に給送する回転方向(図3の反時計方向)に回転駆動され、リバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す様な回転方向(図3の反時計方向)に回転駆動される。ピックアップローラ25によってホッパ203上から送出された最上位の用紙Pは、給紙ローラ21とリバースローラ23とにニップされた状態で、給紙ローラ21が回転することにより、下流側の搬送駆動ローラ28へと給送される。
【0027】
ここで、リバースローラ23は、図3では図示を省略する駆動機構により、給紙ローラ21に圧接する状態(図3の状態)と給紙ローラ21から離間する状態とを切り換え可能に設けられている。リバースローラ23は、給紙ローラ21に圧接した状態において、給送されるべきホッパ203上の最上位の用紙Pと、これにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pとを分離する機能を果たす。即ち、給紙ローラ21と用紙Pとの間の摩擦係数をμ1、用紙P間の摩擦係数をμ2、用紙Pとリバースローラ23との間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ3>μ2の関係が成立する様に、給紙ローラ21及びリバースローラ23の外周面を形成する高摩擦材が選定されている。
【0028】
そして、リバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す方向に回転することにより、重送されようとする次位以降の用紙Pを、給紙ローラ21とリバースローラ23とのニップ点で確実に止める。一方で、リバースローラ23は、用紙P先端が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされた後は、搬送駆動ローラ28による用紙Pの搬送動作を阻害しない様に、つまり、搬送負荷(バックテンション)を与えない様に、給紙ローラ21から離間する。
尚、以下では、用紙Pに搬送力を与えるローラ対に対し、当該ローラ対の上流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを引っ張ろうとする様な力)を「バックテンション」と言い、逆に下流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを下流側から上流側へ押し戻そうとする様な力)を「フロントテンション」と言うこととする。
【0029】
給紙部2の下流側に設けられた記録部(記録手段)11は、搬送駆動ローラ28と、搬送従動ローラ29と、ガイドローラ30と、「液体噴射ヘッド」の一例としてのインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)100と、プラテン65と、記録部下流側駆動ローラ32と、記録部下流側従動ローラ33と、記録部補助ローラ35a及び35bとを有している。搬送駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ29は、搬送駆動ローラ28に接して従動回転する。搬送従動ローラ29は、本実施形態では図4に示す様に1つの搬送従動ローラホルダ26の下流側(図4の上側)に2つ軸支され、また、搬送従動ローラホルダ26は、主走査方向(図4の左右方向)に4つ並設されている。
【0030】
更に、1つの搬送従動ローラホルダ26において搬送従動ローラ29の下流側近傍には、ガイドローラ30が1つ、自由回転可能に軸支されている。このガイドローラ30は、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりを防止する機能を果たすものであり、これにより、用紙Pと記録ヘッド100との距離が安定し、適切な記録品質を得ることが可能となる。
【0031】
次に、搬送駆動ローラ28の下流側には、用紙搬送経路の上側に記録ヘッド100が、用紙搬送経路の下側に、記録ヘッド100と対向する様にプラテン65が、それぞれ設けられている。ここで、記録部11における用紙搬送経路は図示する様に傾斜角を有し、本実施形態においては、水平面に対して約60°の傾斜角を有する様に、用紙搬送経路が構成されている。従って、プラテン65と記録ヘッド100とは、図示する様に傾斜姿勢で設けられている。記録ヘッド100はキャリッジ101の下部に設けられ、キャリッジ101は、主走査方向(図3の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸103を挿通する様に設けられ、キャリッジガイド軸103によってガイドされながら、図示しない駆動手段の動力を受けて主走査方向に往復動する。
【0032】
プラテン65には、図4に示す様に副走査方向(図4の上下方向)に延びるリブ65aが、主走査方向に所定の間隔を置いて形成されていて、用紙Pは、該リブ65aによって記録ヘッド100との距離を規制される。また、プラテン65には、隣接するリブ65aの間に主走査方向に延びる長穴65bが形成されている。この長穴65bは、用紙Pのサイズ(幅寸法)をより適切に検出する為に設けられている。即ち、キャリッジ101においてプラテン65と対向する面には、プラテン65へ向けて放射する光の反射成分を検出する光学センサ(図示せず)が設けられていて、用紙Pとプラテン65との反射率差を利用して、用紙Pの幅寸法を検出することができる様に構成されている。しかし、用紙Pとプラテン65とが同色である場合には、用紙Pの幅寸法を適切に検出することができない。そこで、本実施形態においては、前記放射光を、長穴65bに向けて放射する様に構成し、これによって用紙Pの幅寸法をより一層正確に検出可能としている。
【0033】
次に、図3に戻ってキャリッジ101は、本実施形態においてはインク・カートリッジを搭載せず、前述した様に、インク・カートリッジ取付フレーム110に装着されたインク・カートリッジ105から、図3では図示を省略するインクチューブを介して記録ヘッド100へとインクが供給される様に構成されている。また、各色のインク・カートリッジ105には、各インク・カートリッジに関する情報を保持したICチップ107がそれぞれ装着されている。このICチップ107には、インクの色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報を記憶する記憶装置が内蔵されている。各ICチップ107には、受信アンテナ(図示せず)がそれぞれ接続されており、一方で主走査方向に往復動するキャリッジ101には、前記受信アンテナへ無線信号を送信する送信アンテナ(図示せず)を備えたアンテナ基板109が略垂直に立設されている。
【0034】
そして、アンテナ基板109は、キャリッジ101が主走査方向に移動することにより、主走査方向に並んで複数配設されたインク・カートリッジ105のうちの、1つのインク・カートリッジ105のICチップ107と対向する。そして、ICチップ107と通信することにより、ICチップ107に記憶された各種情報を、図示しないプリンタ1の制御部へと送信することができる様になっている。
【0035】
次に、記録ヘッド100の下流側には、回転駆動される記録部下流側駆動ローラ32と、該記録部下流側駆動ローラ32に接して従動回転する記録部下流側従動ローラ33とが設けられ、記録ヘッド100によって記録の行われた用紙Pは、記録部下流側駆動ローラ32の回転によって下流側へ排紙される。また、記録部下流側従動ローラ33の上流側には、記録部補助ローラ35a、35bが設けられていて、これにより、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりがより一層防止されている。尚、記録部下流側従動ローラ33と、記録部補助ローラ35a、35bとは、インク滴が吐出された用紙Pの記録面と接触する為、記録面と点接触する歯付きローラによって構成されている。
【0036】
図3に戻って記録部11の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備えている。記録部下流側駆動ローラ32の下流側には、記録部下流側駆動ローラ32によって記録部11から排紙された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)排出経路またはフェイスアップ(Fu)排出経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材503が設けられている。Fd排出経路は用紙PをFd用紙排出口500(図1)から排出する為の用紙排出経路、Fu排出経路はFu用紙排出口600(図1)から排出する為の用紙排出経路である。
【0037】
Fd/Fu切替部材503は、揺動軸503aを中心にして、用紙排出経路を側視して揺動(図3の時計方向及び反時計方向)可能に設けられ、揺動することにより、記録部11から下流側に送られる用紙Pの進行方向を切り替える。また、Fd/Fu切替部材503は、Fd排出経路における湾曲反転経路の外側に設けられ、湾曲面503bによって用紙Pを湾曲反転させる。尚、湾曲面503bは、用紙Pとの間の摩擦抵抗を軽減してフロントテンションの増大を防止すべく、滑らかに形成されている。また、湾曲面503bは、用紙Pの紙幅方向(図3の紙面表裏方向)に複数のリブ(図示せず)が所定の間隔を置いて設けられることによって形成されていて、つまり、一様な面でないので、これによっても、用紙Pとの間の摩擦抵抗を軽減している。
【0038】
図3は、Fd/Fu切替部材503が、記録部11から下流側に送られた用紙Pの進行方向をFd排出経路に切り替える状態を示している。記録部11から下流側に送られた用紙P先端は、Fd/Fu切替部材503に形成された滑らかな湾曲面503bに当接する。用紙P先端は、湾曲面503bと、湾曲面503bの下流側に設けられたガイド部材505に接しながら進み、やがてFd排出駆動ローラ41とFd排出従動ローラ43とによってニップされる。Fd排出駆動ローラ41はゴムローラからなり、回転駆動される。Fd排出従動ローラ43は歯付きローラから成り、ゴムローラから成るFd排出駆動ローラ41に接して従動回転する。そして、Fd排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、Fd用紙排出口500(図1)から装置前方(矢印「Fd」で示す方向)に向けて記録の行われた用紙Pが排出される。
【0039】
用紙Pが上記Fd排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pは記録面を内側にして略U字形の形状に湾曲させられて排出される。従って、Fd排出経路を進行して排出される場合には、排紙スタッカ150(図1)に積重される用紙Pは、ページ順に順序良く積重されることになり、ユーザの利便性が向上する。
【0040】
一方、記録部11の下流側であって装置本体1aの後部(図3の右側)に設けられたFu排出部6は、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47と、Fu補助ローラ49とを備えている。用紙PがFu排出経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材503は、図3の時計方向に揺動し(図示せず)、これにより、記録部11から下流側に送られる用紙Pが斜め上方(図3の右上方向)に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成される。記録部11から下流側に送られた用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによってニップされ、Fu排出駆動ローラ45が回転駆動されることにより、Fu用紙排出口600(図1参照)から装置後方(矢印「Fu」で示す方向)に向けて排出される。
【0041】
用紙Pが上記Fu排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pには湾曲状態は形成されず、記録面を上にして記録部11から下流側がほぼ真っ直ぐに排出される。従って、上記Fu排出経路を利用することにより、厚手の用紙や腰の強い用紙でも、無理なく記録を行い、且つ適切に排出することが可能となる。
【0042】
続いて、プリンタ1の後部(図3の右側)に設けられた用紙反転部4は、上述したFu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47等のFu排出部6を構成するローラ群を含み、更にガイド駆動ローラ51と、可動ガイド従動ローラ52と、ガイド駆動ローラ53と、ガイド従動ローラ54と、反転駆動ローラ55と、反転従動ローラ57と、ガイドローラ59と、を備えている。
【0043】
用紙反転部4は、上記Fu排出経路を進んできた用紙Pの後端部分を、可動ガイド従動ローラ52とガイド駆動ローラ51とでニップする。そして、Fu排出駆動ローラ45及びガイド駆動ローラ51を図3の反時計方向に回転駆動することにより、用紙PをFu用紙排出口600(図1)から排出せずに、用紙反転部4内へと引き入れ、用紙P後端を先頭にして鉛直下方向へと搬送する。尚、用紙反転部4を進む用紙Pは、最初の記録面(表面)の記録時とは進行方向が逆になる。即ち、最初の記録時には先端であった側が後端側となり、後端であった側が先端側となるので、以下では用紙反転部4を進む際に先端となる側を「用紙P先端(R)」、後端となる側を「用紙P後端(R)」と表記することとする。
【0044】
ガイド駆動ローラ51の下流側には、回転駆動されるガイド駆動ローラ53と、これに接して従動回転する、歯付きローラからなるガイド従動ローラ54とが設けられていて、用紙P先端(R)が当該ローラ対にニップされることにより、更に下流側に搬送される。ガイド駆動ローラ53の下流側には、大径のガイドローラ59が設けられるとともに、該ガイドローラ59を中心にした略U字形の形状をなす湾曲反転経路が形成されている。ガイドローラ59と対向する側には、回転駆動される反転駆動ローラ55が設けられ、該反転駆動ローラ55と、該反転駆動ローラ55に接して従動回転する反転従動ローラ57とよって用紙P先端(R)がニップされることにより、用紙Pは前記湾曲反転経路を更に進む。
【0045】
ガイドローラ59によって形成された湾曲反転経路を通過し、用紙P先端(R)が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされると、用紙Pは記録ヘッド100へ搬送され、用紙Pの裏面への記録が実行される。そして、用紙反転部4を経由した用紙Pは、本実施形態においては上述のFu排出経路(Fu排出部6)を通り、Fu用紙排出口600(図1)から斜め上方に排出される。
以上が、プリンタ1の概略である。
【0046】
<オプション給紙ユニット3の構成>
続いて、図5乃至図10を参照しながら、OPTユニット3の詳細な構成について説明する。ここで、図5はOPTユニット3の外観斜視図、図6はOPTユニット3の側断面概略図、図7は給紙カセット300及び給紙ローラ20近傍の外観斜視図、図8はホッパ311及びレバー部材313の外観斜視図である。また、図9(A)はホッパ311の一部拡大斜視図であり、図9(B)は摩擦部材340の斜視図である。更に、図10はホッパ311の一部側断面図である。
【0047】
先ず、図5においてOPTユニット3は給紙カセット300と本体部301とを有している。符号61は図3を参照しながら説明した駆動ローラ61であり、図示する様にOPTユニット3の上部において軸61aに複数設けられ、従動ローラ62(図3)との間で用紙PをニップしてOPTユニット3から用紙Pを上方に給送する。駆動ローラ61はガイド部材302によって軸支され、該ガイド部材302の上部には、2つの突起303が設けられている。
【0048】
突起303は、装置本体1aの側における給紙部2を構成するフレーム材209a(図3参照)に設けられた穴(図示せず)に嵌入することにより、OPTユニット3が装置本体1aに連結されるとともに、OPTユニット3の装置本体1aに対する位置が決まる様になっている。尚、前記給紙部2を構成するフレーム材209aは、図3を参照しながら説明した給紙ローラ21を備えていて、従ってこれにより、給紙部2から用紙Pが給送される場合の用紙Pの桁方向位置と、OPTユニット3から用紙Pが給送される場合の用紙Pの桁方向位置とがばらつかず、適切な記録結果を得ることができる様になっている。
【0049】
図6において符号20は給紙ローラを、符号22はリバースローラを示している。給紙ローラ20、リバースローラ22は、それぞれ図3を参照しながら説明した給紙ローラ21、リバースローラ23と同様な構成であり、また、同様な機能を果たすものである為、ここではその説明を省略するが、図6に示す本実施形態に係る給紙ローラ20は、図3に示したピックアップローラ25の機能をも兼ね備えている(詳細は後述)。
【0050】
給紙カセット300の底部には揺動中心311aを中心にして図6の時計方向及び反時計方向に揺動可能なホッパ311が設けられている。ホッパ311は図6乃至図8に示す様に板形状を成し、給紙カセット300にセットされる複数枚の用紙Pを積層状態で下から支持する。そして、揺動することにより、支持した用紙P(用紙束)を給紙ローラ20に圧接させる。
【0051】
図6及び図8に示す様に本体部301の側においては、ホッパ311の下部に位置する様に、金属板材によって形成されたレバー部材313が設けられている。レバー部材313は、平面視において略「E」の字形の形状をなし、先端部が湾曲形状をなす様に形成された2つのレバー313d、313eが、略台形の形状を成してホッパ311から下方に突出する様に形成された当接部311b、311bと接触可能に設けられている。また、レバー部材313は、揺動中心313aを中心にして図6の時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられ、図8に示す様に、上方に揺動して突出することにより、当接部311bを上方に押し上げて、これによってホッパ311を上方に押し上げる。即ち、ホッパ311上に支持された用紙Pの最上位のものの、先端部近傍部分を給紙ローラ20に圧接させる。
【0052】
また、この状態から図6に示す様に下方に揺動することにより、ホッパ311を、該ホッパ311の自重及び該ホッパ311上に支持された用紙Pの荷重によって、下方に揺動させる。即ち、用紙Pと給紙ローラ20との圧接状態を解除する。
レバー部材313と、本体部301の基体を構成するフレーム(図示せず)との間には、図7及び図8に示す様に引っ張りばね315が掛架されていて、該引っ張りばね315により、レバー部材313は上方に突出する様に常に付勢された状態となっている。一方、レバー部材313の一部にはカムフォロア317が設けられ、カム319によって下方に押し下げられる様になっている。カム319は歯車輪列20を介して駆動モータ321により回転駆動される様構成されていて、従ってカム319の回転により、レバー部材313が揺動し、これによってホッパ311が揺動(上下動)する。
【0053】
次に、図9及び図10並びに適宜その他の図面を参照しながら、ホッパ311に設けられる摩擦部材340について詳説する。
図6乃至図8に示す様に、ホッパ311において給紙ローラ20と圧接する位置、具体的には、ホッパ311における用紙Pの給送方向下流側(図6では左側)端部であって、ホッパ311の幅方向中央からやや左側に偏倚した位置には、摩擦部材340が設けられている。摩擦部材340は高摩擦材料(本実施形態においては、コルク材)から成り、また、方形の板形状を成す様に形成され、ホッパ311上に支持された用紙Pの束の最下位のものと接して、最上位のものが給紙ローラ20によって繰り出される際に、用紙束毎下流側に送られない様に用紙束をホッパ311上に保持する機能を果たすものである。尚、摩擦部材340としては、用紙Pとの間で摩擦力を発揮して上記機能を果たすものであればどの様なものであっても構わない。
【0054】
この摩擦部材340は、以下のようにしてホッパ311に設けられている。先ず、ホッパ311において摩擦部材340が設けられる位置には、図9に示す様に凹部311eが形成されている。ホッパ311は本実施形態においては高強度を得る為に金属板材によって形成されているので、凹部311eは、絞り加工によって形成される。凹部311eは、摩擦部材340のサイズ(幅方向寸法)よりもやや大なる様に形成される。
【0055】
次に、平坦な用紙支持面311dと凹部311eとの境界には、図示する様に摩擦部材340の幅方向(用紙幅方向)に延びる様な長方形の形状を成す窓穴311cが形成される。そして摩擦部材340は、図9(B)に示す様に、用紙P給送方向とは反対側(上流側)の端部340a(以下「端部340a」と言う)を、窓穴311cから下側に挿入させる様にして、凹部311cに接着固定される。
【0056】
図10(A)は、摩擦部材340が設けられたホッパ311の、摩擦部材340部分の側断面図である。図示する様に、摩擦部材340の端部340aは、窓穴311cから下側に挿入されるので、端部340aが用紙支持面311dから突出する様なことがなく、従って用紙束を用紙支持面311d上を滑らせる様に(図10の左方向)してセットしても、用紙束が端部340aに引っ掛かるといった問題を確実に防止することが可能となる。
【0057】
つまり、摩擦部材340は本実施形態においては低コスト化の観点からコルク材によって形成される為、厚みのばらつきが大きく、上述の様に窓穴311cを設けずに単に摩擦部材340を凹部311eに接着固定した場合には、端部340aが上方に突出し易く、これによって用紙束がセット時に引っ掛かる状態となる。加えて、接着層の厚み管理も困難であり、これによっても端部340aが上方に突出し易い状態となる。
【0058】
また、ホッパ311を本実施形態の様に金属板材によって形成する場合には、凹部311eを絞り加工によって精度良く形成することが困難であり、これによっても、端部340aが上方に突出して用紙束が引っ掛かる状態となり易い。他方、この様な問題を解決すべく凹部311eを設計上より深く設定したり、或いは、摩擦部材340の厚みを設計上より薄く設定すると、図10(B)においてホッパ311上に支持された用紙束の最下位のもの(用紙P)と摩擦部材340とが接し難くなり、用紙Pと摩擦部材340との間で充分な摩擦力が発揮されず、給送時に給送されるべき最上位の用紙Pのみならず次位以降の用紙(図10(B)では用紙P)までもが下流側に送られるといった虞もある。これは、用紙間の摩擦係数が高い場合(例えば、コート層を有する厚手の写真用紙)にはより一層顕著に発生し易くなる。加えて、摩擦部材340の寸法(厚み)精度或いは凹部311eの寸法(深さ)精度をより一層向上させると、コストアップを招くことになる。
【0059】
しかし、上述の通り、ホッパ311において摩擦部材340が設けられる位置には窓穴311cが設けられるとともに、摩擦部材340は、用紙P給送方向に対して反対側の端部340aを、窓穴311cから下側に挿入させる様にして設けられているので、端部340aはホッパ311の下部に隠れた状態となる。従って、上流側から差し込まれた用紙束が摩擦部材340に引っ掛かることが無くなり、これによって摩擦部材340を確実に用紙P(図10(B)では用紙P)と接触させるべく、ホッパ311における用紙支持面311dから、摩擦部材340を余裕を持って突出させることが可能となり、適切な給送動作を実行することができる。加えて、凹部311cの絞り深さや、摩擦部材340の厚み管理を精密に行う必要がなくなり、凹部311c及び摩擦部材340のコストダウンを図ることが可能となる。
【0060】
ところで、摩擦部材340が用紙支持面311dから必要以上に突出すると、用紙Pが摩擦部材340の部分で湾曲し、これによって用紙Pを長期間セットしたままの状態にすると用紙Pに部分的な変形を生じさせる虞もあるが、摩擦部材340は凹部311cに設けられていることから必要以上突出せず、この様な問題を解消することが可能となっている。
【0061】
尚、図6乃至図10では、OPTユニット3が備えるホッパ311について説明したが、本実施形態ではプリンタ1の装置本体1a側の給紙部2を構成するホッパ203(図3参照)にも、同様な摩擦部材(図示せず)が、上記と同様な構造及び方法によって設けられていて、装置本体1a側及びOPTユニット3の双方で、用紙セット時の引っ掛かりが確実に防止されるとともに用紙束毎給送される不具合を確実に防止される様になっている。
【0062】
続いて、図11乃至図16を参照しながら、給紙カセット300内において用紙Pの先端位置及び後端位置をそれぞれ規制する先端規制面及び後端規制面について説明する。ここで、図11はOPTユニット3の従来例であるOPTユニット3’を示す側断面概略図であり、図12乃至図16は本実施形態に係るOPTユニット3の側断面概略図である。
【0063】
図11に示すOPTユニット3’と、図12に示す本実施形態に係るOPTユニット3は、ホッパ311上に支持された用紙Pの先端位置を規制する先端規制面及び後端位置を規制する後端規制面の形状が異なる。即ち、図11に示す従来例に係るOPTユニット3’における先端規制面347は、給紙カセット本体内部の前方側壁面によって形成され、図示する様に用紙給送経路を側視してほぼ垂直な面となっている。また、後端規制面349aは、用紙Pのサイズに合わせて前後方向(図11の左右方向)にスライド可能に設けられた後端規制部材349において、用紙給送経路を側視してほぼ垂直な面となる様に形成されている。また、図3を参照しながら説明したピックアップローラ25と同様な構成及び機能を有するピックアップローラ24が設けられている。
【0064】
これに対し、図12に示す本実施形態に係るOPTユニット3における先端規制面343は、上記同様給紙カセット300本体内部の前方側壁面によって形成されているが、図示する様に用紙給送経路を側視して凹曲面となっている。また、後端規制面347aは、用紙Pのサイズに合わせて前後方向(図12の左右方向)にスライド可能に設けられた後端規制部材347において、図示する様に用紙給送経路を側視して凸曲面となる様に形成されている。また、図3において符号25で示したピックアップローラに相当するローラが設けられていない。
【0065】
ここで、図11を参照しながら、従来例に係るOPTユニット3’について詳説する。OPTユニット3’では、上述の通りピックアップローラ24が設けられている。ピックアップローラ24は、ホッパ311の上昇によって用紙Pが圧接した状態で回転することにより、最上位の用紙Pをピックアップし、下流側の給紙ローラ20及びリバースローラ22へ送る機能を果たす。ここで、コストダウンの観点からはピックアップローラ24を廃止し、ホッパ311の上昇によって用紙Pを給紙ローラ20へ直接圧接させることが望ましい。
【0066】
その為には、給紙ローラ20を大径化することが必要となるが、ホッパ311上に支持された用紙枚数が最少の場合、ホッパ311は最も大きく揺動することから、この状態においてホッパ311上に支持された用紙Pを給紙ローラ20に確実に圧接させる為には、符号20’及び仮想線で示す様に給紙ローラ20を極めて大径化する必要があり、これに伴って装置が大型化する弊害が生じる。一方、給紙ローラ20には「分離手段」としてのリバースローラ22を圧接させる必要があることから、給紙ローラ20とリバースローラ22の位置を用紙P先端に接近させることは困難である。
【0067】
そこで、本実施形態に係るOPTユニット3では、図12に示す様に、先端規制面343を、ホッパ311先端の描く軌跡(円弧)に略沿う様な凹曲面とした。従ってこれにより、リバースローラ22及び給紙ローラ20を用紙P先端に接近して配置することができ、給紙ローラ20を大径化せずに、図11に示したピックアップローラ24を廃止することが可能となる。
【0068】
尚、リバースローラ22の代替として摩擦材を用い、当該摩擦材と給紙ローラ20との間で用紙Pをニップすることにより、給送されるべき用紙Pと重送されようとする次位以降の用紙Pとを分離する構成とすることもできる。しかしこの場合、給紙ローラ20を側面視略D形の形状をなす様に形成し、下流側に設けられる搬送駆動ローラ28(図3)による用紙Pの搬送時には、その平坦部を前記摩擦材と対向する様にする必要があるが、給紙ローラ20をこの様にD形の形状とすると、給紙ローラ20と搬送駆動ローラ28(図3)との間の用紙搬送経路が長い場合に対応できない。従って、分離手段として本実施形態の様にリバースローラ22を用い、そして給紙ローラ20を完全な円形のローラとすることで、用紙搬送経路の長短に関わらず、適切に給紙することができる。
【0069】
また、セットされた用紙Pの後端位置を規制する後端規制面345aは、先端規制面343の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されていて、従って用紙Pを最大枚数セットした場合でも、セットされた用紙Pの上位のものの先端が、先端規制面343の上部凹曲面に強く接してホッパ311の揺動動作を阻害したりすることが無い。つまり、図13に示す様に、用紙Pのセット枚数が多い場合に、後端規制面345aが鉛直な平坦面であって符号xで示す位置にあると、セットされた用紙Pの上位のものの先端が先端規制面343に強く接することになる。一方、図15に示す様に、用紙Pのセット枚数が少ない場合に、後端規制面345aが鉛直な平坦面であって符号x’で示す位置にあると、ホッパ311が揺動した際に、ホッパ311上に支持された用紙Pの後端は後方側(図15の右側)に滑って、給紙ローラ20に接触しない虞もある。
【0070】
しかし、上述の通り本実施形態では後端規制面345aは、先端規制面343の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されているので、ホッパ311が揺動した場合でも、セットされた用紙Pの多少に関わらず、図14及び図16に示す様にホッパ311の先端と、支持された用紙Pの先端位置が常にほぼ揃い、そして正常な給送動作を行うことが可能となる。
【0071】
尚、本実施形態においては、上述の様な凹曲面から成る先端規制面と凸曲面から成る後端規制面を、OPTユニット3の側に設けたが、図3を参照しながら説明した、装置本体1a側を構成する給紙部2(被記録材給送装置)にこれを適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの外観斜視図である。
【図2】本発明に係るプリンタの装置本体の斜視図である。
【図3】本発明に係るプリンタの側断面概略図である。
【図4】本発明に係るプリンタの要部平面図である。
【図5】オプション給紙ユニットの外観斜視図である。
【図6】オプション給紙ユニットの側断面概略図である。
【図7】給紙カセット及び給紙ローラ近傍の外観斜視図である。
【図8】ホッパ及びレバー部材の外観斜視図である。
【図9】ホッパの一部拡大斜視図である。
【図10】ホッパの一部側断面図である。
【図11】オプション給紙ユニット(従来例)の側断面図である。
【図12】オプション給紙ユニット(本発明)の側断面図である。
【図13】オプション給紙ユニット(本発明)の側断面図である。
【図14】オプション給紙ユニット(本発明)の側断面図である。
【図15】オプション給紙ユニット(本発明)の側断面図である。
【図16】オプション給紙ユニット(本発明)の側断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、1a 装置本体、2 給紙部、3 オプション給紙ユニット、4 反転部、5 フェイスダウン排出部、6 フェイスアップ排出部、11 記録部、20、21 給紙ローラ、22、23 リバースローラ、24、25 ピックアップローラ、26 搬送従動ローラホルダ、28 搬送駆動ローラ、29 搬送従動ローラ、30 ガイドローラ、32 記録部下流側駆動ローラ、33 記録部下流側従動ローラ、35a、35b 記録部補助ローラ、37 屈曲ローラ、41 Fd排出駆動ローラ、43 Fd排出従動ローラ、45 Fu排出駆動ローラ、47 Fu排出従動ローラ、51 ガイド駆動ローラ、52 可動ガイド従動ローラ、53 ガイド駆動ローラ、54 ガイド従動ローラ、55 反転駆動ローラ、57 反転従動ローラ、59 ガイドローラ、65 プラテン、100 インクジェット記録ヘッド、101 キャリッジ、103 キャリッジガイド軸、105 インクカートリッジ、107 カートリッジIC、110 カートリッジ取付フレーム、150 上部カバー、151 カートリッジカバー、200 給紙カセット、201 手差しトレイ、201a 手差しトレイ可動エッジガイド、202 手差し給紙口、203 ホッパ、204可動エッジガイド、206 フレーム、300 給紙カセット、301 本体部、303 突起、305 ガイドレール右、307 ガイドレール左、309フレーム、311 ホッパ、311c 窓穴、311d 用紙支持面、311e 凹部、313 レバー部材、313a 回動支点、313b フック部、313c 傾斜面、313d、313e レバー、315 引っ張りばね、317カムフォロア、319 カム、320 歯車輪列、321 駆動モータ、323 ガイド溝、325、326 傾斜面、327 レバー押下用凸部、328 傾斜面、329 ロック解除用凸部、331 レバーロック部材、331a 係合部、331b 縁、331c ばね保持部、333 コイルばね、340 摩擦部材、343 先端規制面、345 後端規制部材、345a 後端規制面、500 Fd用紙排出口、503 Fd/Fu切替部材、600 Fu用紙排出口、601 排紙スタッカ、P 印刷用紙

Claims (5)

  1. 被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラ及び該給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段を備えた被記録材給送装置に着脱可能に設けられ、略箱形の形状を成して複数枚の被記録材を収納セット可能な被記録材カセットであって、
    複数枚の被記録材を積層状態で支持し且つ被記録材の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被記録材を前記給送ローラに圧接させるホッパと、
    前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面と、
    前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面と、を備え、
    前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、
    前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されている、
    ことを特徴とする被記録材カセット。
  2. 被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラ及び該給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段を備えた被記録材給送装置であって、請求項1記載の前記被記録材カセットを着脱自在に備えている、
    ことを特徴とする被記録材給送装置。
  3. 回転駆動され、被記録材と接して回転することにより被記録材を給送する給送ローラと、
    複数枚の被記録材を積層状態で支持し且つ被記録材の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被記録材を前記給送ローラに圧接させるホッパと、
    前記給送ローラとの間で被記録材をニップすることにより、給送されるべき被記録材と重送されようとする被記録材とを分離する分離手段と、
    前記ホッパ上に支持された被記録材の先端位置を規制する先端規制面と、
    前記ホッパ上に支持された被記録材の後端位置を規制する後端規制面と、
    を備えた、被記録材を給送する被記録材給送装置であって、
    前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、
    前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されている、
    ことを特徴とする被記録材給送装置。
  4. 被記録材に記録を行う記録手段を備えた記録装置であって、請求項2または3に記載された前記被記録材給送装置を備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、
    回転駆動され、被噴射媒体と接して回転することにより被噴射媒体を前記液体噴射手段へ給送する給送ローラと、
    複数の被噴射媒体を積層状態で支持し且つ被噴射媒体の給送経路を側視して揺動可能に設けられ、揺動することにより、支持した被噴射媒体の先端部を前記給送ローラに圧接させるホッパと、
    前記給送ローラとの間で被噴射媒体をニップすることにより、給送されるべき被噴射媒体と重送されようとする被噴射媒体とを分離する分離手段と、
    前記ホッパ上に支持された被噴射媒体の先端位置を規制する先端規制面と、
    前記ホッパ上に支持された被噴射媒体の後端位置を規制する後端規制面と、
    を備えた、被噴射媒体を給送する被噴射媒体給送装置であって、
    前記先端規制面が、前記ホッパ先端の描く軌跡に略沿う様な凹曲面によって形成され、
    前記後端規制面が、前記先端規制面の凹曲面に略沿う様な凸曲面によって形成されている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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