JP2004269023A - 自立袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、落下強度の向上を図ること。
【解決手段】合成樹脂製の袋本体11を金型成形し、袋本体11に定めた折り線51上に折り目成形部52を設け、袋本体11への内容剤の充填前段階で該袋本体11を折り線51に沿って折りたたみ可能にした自立袋10であって、袋本体11に設ける折り目成形部52を折り線51上に断続配置したもの。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自立袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
自立袋として、表裏の合成樹脂製胴部シートと、合成樹脂製底部シートを貼合せて可撓袋本体を形成し、更に、この袋本体内に補強用の筒状弾性体を配設し、袋本体の剛性を高め、袋本体のしわの発生を抑えるものがある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−244793([0009]、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自立袋には以下の問題点がある。
(1)袋本体は複数枚のシート(胴部シート、底部シート)を用意してこれを貼合わせることにて製造するものであり、製造工程が複雑である。
【0005】
(2)胴部シートと底部シートは、貼合わせを可能にするための接着性内側フィルムと、胴部シートの外縁に接する貼合わせ用のヒートシールバーの加熱によっても溶けて汚損しない非接着性外側フィルムとを中間接着層の介在により積層した積層フィルムを用いる。このため、内容剤に界面活性剤や溶剤を含む場合、界面活性剤や溶剤が内側フィルムから中間接着層に浸透して内側フィルムと外側フィルムの剥離を生ずる等、袋品質の安定を損なうおそれがある。
【0006】
(3)胴部シートと底部シートの貼合わせ交点部が落下の衝撃に対して弱く、割れ易い。
【0007】
(4)注ぎ口が表裏の胴部シートの平面的な貼合わせ部分に設けられるから、閉塞し易い。閉塞を防ぐためには、表裏の胴部シートの間にストロー等を挟み込む必要がある。
【0008】
そこで、本出願人は、特願2002−310260により、自立袋において、製造工程を簡易にすること、袋品質の安定を図ること、落下強度を向上すること、注ぎ口を安定確保することを目的とし、胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、該袋本体に定めた折り線の全長に渡って連続する折り目成形部を設け、該袋本体への内容剤充填前段階で該袋本体を折り線に沿って折りたたみ可能にした自立袋を提案している。
【0009】
しかしながら、金型成形された自立袋では、袋本体への内容剤の充填前段階での折りたたみにより、折り線の全長に渡って連続配置した折り目成形部が折りたたみのきっかけとなって強く扁平化されて強い折り痕を生成し、この折り痕が連続する折り線の全長に渡って脆弱化するものになる。その後、袋本体に内容剤が充填された状態で落下すると、脆弱化した折り線の部分が落下の衝撃に耐えきれずに破損し易くなる。
【0010】
本発明の課題は、金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、落下強度の向上を図ることにある。同時に、外観の向上、製造工程の簡易、袋品質の向上、注ぎ口の安定確保も図る。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、該袋本体に定めた折り線上に折り目成形部を設け、該袋本体への内容剤の充填前段階で該袋本体を折り線に沿って折りたたみ可能にした自立袋であって、袋本体に設ける折り目成形部を折り線上に断続配置したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
自立袋10は、図1に示す如く、胴部20と底部30からなる合成樹脂製の袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階で袋本体11の全体を折りたたみ状態にし得るものである。
【0013】
袋本体11は、胴部20と底部30からなる内容剤の収容部21と、胴部20の上縁部の全巾又は全巾近くに渡る広巾の開口を形成し、内容剤のための充填口22Aを形成するための充填口形成部22とを有し、収容部21と充填口形成部22とを肩部23により滑らかにつなぐように、収容部21、充填口形成部22及び肩部23の全体をブロー成形する。肩部23は、自立袋10の側面視(充填口形成部22の後述するシール部22Bの長手方向に沿って見る方向)で、収容部21の側から充填口形成部22の側に向けて逆V字状をなす如くに狭巾化される。
【0014】
袋本体11は、胴部20が正面部20A、背面部20B、両側面部20Cからなるものとし、ブロー成形により、正面部20Aと両側面部20Cの境界に稜線部41を設け、背面部20Bと両側面部20Cの境界に稜線部42を設け、正面部20Aと底部30の境界に稜線部43を設け、背面部20Bと底部30の境界に稜線部44を設け、両側面部20Cと底部30の境界に稜線部45を設ける。また、袋本体11は、両側面部20Cの長手方向に沿う中央部にブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部46を設け、底部30の中央部にもブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部47を設ける。
【0015】
自立袋10は、充填口22Aから内容剤を充填した後、充填口形成部22の正面部20Aと背面部20Bをシールバーにより挟圧し、正面部20Aと背面部20Bをヒートシール又は超音波シール等により融着して封止する。これにより、充填口形成部22はシール部22Bになる。
【0016】
自立袋10は、ブロー成形時に、胴部20の上縁側の一部に注ぎ口24Aを形成するための注ぎ口形成部24を成形できる。注ぎ口形成部24の切断により注ぎ口24Aを形成する。
【0017】
ここで、自立袋10は、図1、図5に示す如く、袋本体11に設けた前述の稜線部41〜47のそれぞれが、袋本体11を折りたたむための折り線51として定められ、各折り線51上に折り目成形部52を設けている。折り目成形部52は、袋本体11の折りたたみのきっかけ部分(折りたたみの誘導部)になる。
【0018】
しかるに、自立袋10にあっては、袋本体11への内容剤の充填状態での落下強度を向上するため、袋本体11の折りたたみのための折り線51となる、全て又は一部の稜線部41〜47上において、図5〜図7に示す如く、折り目成形部52をそれらの折り線51に沿って不連続状になるように断続配置している。本実施形態では、自立袋10が正立状態で落下したとき、最も破損し易い、底部30寄りの逆V字状をなす2本の稜線部45と、2本の稜線部45の交点に交わる側面部20Cの稜線部46のそれぞれが構成する各折り線51の折り目成形部52をそれらの折り線51に沿って断続配置した。
【0019】
本実施形態において、折り目成形部52は、袋本体11の一部をその両側部に対し、袋本体11の外側に張り出した張り出し状をなし、かつ袋本体11の一部をその両側部に対し、薄肉にした薄肉状をなす。
【0020】
自立袋10は、袋本体11への内容剤の充填前段階で、袋本体11を折り線51(稜線部41〜47)に沿って例えば以下の如くに折りたたむ。
【0021】
(a)胴部20を平らにし、平板状の底部30の全体を胴部20の下部に対し折り曲げ、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむほぼ平面状の折りたたみ形態。両側面部20Cの稜線部46を胴部20の外側に張り出すもの(図2(A))と、胴部20の内側に折り込むもの(図2(B))がある。稜線部46を外側に張り出すようにした自立袋10の方が折りたたみ状態の全厚が薄くなる。
【0022】
(b)底部30の中央部の稜線部47を胴部20の内側に向けて2つ折りし、この2つ折りした底部30を胴部20の下部の内側に折り込み、胴部20を平らにすることにより、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむほぼ平面状の折りたたみ形態。両側面部20Cの稜線部46を胴部20の外側に張り出すもの(図3(A))と、胴部20の内側に折り込むもの(図3(B))がある。稜線部46を外側に張り出すようにした自立袋10の方が折りたたみ状態の全厚が薄くなる。
【0023】
(c)底部30の中央部の稜線部47を胴部20の外側に向けて2つ折りし、この2つ折りした底部30を胴部20の下部の外側に張り出し、胴部20を平らにすることにより、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむほぼ平面状の折りたたみ形態。両側面部20Cの稜線部46を胴部20の外側に張り出すもの(図4(A))と、胴部20の内側に折り込むもの(図4(B))がある。稜線部46を外側に張り出すようにした自立袋10の方が折りたたみ状態の全厚が薄くなる。
【0024】
自立袋10は、ダイレクトブロー成形により製造できる。ダイレクトブロー成形は、パリソンを押出し、パリソンの内部への空気の吹き込みにより円周方向の延伸を行なって袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形は単層又は積層した樹脂層からなる袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形による袋本体11の構成樹脂材料としては、単層のときにはLDPE(低密度ポリエチレン)又はL−LDPE(直鎖低密度ポリエチレン)又はHDPE(高密度ポリエチレン)を採用でき、積層のときには外側層をHDPE、内側層をLDPE又はL−LDPEとしても良く、内層側をHDPE、外層側をLDPEとするものも採用できる。
【0025】
自立袋10は、界面活性剤0.1%〜50%又は溶剤0.1%〜50%の少なくとも1種以上を成分とする内容剤を入れて製品とした自立袋に用いて好適である。
【0026】
自立袋10によれば以下の作用効果を奏する。
▲1▼自立袋10において、合成樹脂製の可撓袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階では袋本体11の全体を折りたたみ、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむ全体ほぼ平面状の折りたたみ状態にて平積み保管でき、内容剤の充填時には袋本体11を3次元状に復元させて自立可能にする。袋本体11は、ブロー成形によって全体を薄肉可撓状にされ、従来のフィルムを貼り合わせた袋に比して使用樹脂量は少なく、平積み保管によって保管効率も良い。
【0027】
▲2▼袋本体11の折り線51となる稜線部41〜47に折り目成形部52を設けた。稜線部41〜47の折り目成形部52は袋本体11の折りたたみのきっかけ部分になって折りたたみ作業性を向上し得るし、袋本体11に内容剤を充填して3次元状に復元させたときの袋本体11の正背面、側面の輪郭をそれらの稜線部41〜47がきれいに画定し、袋本体11の美的外観性を向上する。
【0028】
▲3▼袋本体11に設ける折り目成形部52が折り線51上に断続配置される。袋本体11への内容剤の充填前段階での折りたたみ時に、折り目成形部52は折りたたみのきっかけ部分になって強く扁平化されて強い折り痕を生成するものの、この折り目成形部52は折り線51の全長に渡るものでなく、折り線51上で折り目成形部52を構成していない部分は強く扁平化されず、強い折り痕を生成しない。従って、折り線51の全長に強い折り痕が連続することなく、折り線51は脆弱化しない。よって、袋本体11に内容剤が充填された状態で落下しても、折り線51の部分が落下の衝撃に耐えきれずに破損することなく、落下強度を向上する。
【0029】
▲4▼折り線51上に断続配置した折り目成形部52を張り出し状にしたから、張出部分が折りたたみのきっかけになって折りたたみ易くなる一方、折り線51上で折り目成形部52を構成していない部分が該折り線51の脆弱化を阻止し、落下強度を向上する。
【0030】
▲5▼折り線51上に断続配置した張り出し状折り目成形部52が薄肉状をなすから、この薄肉部分の存在が折りたたみのきっかけになることを促進し、より折りたたみ易くなる。同時に、折り線51上で断続配置される薄肉状の折り目成形部52は、折り線51に沿って作用する落下の衝撃を吸収して減衰する作用をなし、落下強度を向上する。
【0031】
また、自立袋10によれば、以下の作用効果も奏する。
(1)袋本体11への内容剤の充填口22Aは、袋本体11の胴部20の上縁の全幅又は全幅近くに渡って設けることができ、内容剤の充填性は良い。
【0032】
(2)袋本体11からの内容剤の注ぎ口14は、袋本体11のブロー成形時に、胴部12の一部として成形し、又はブロー成形された胴部12の上縁の開口部をシールして形成することができる。また、注ぎ口24は、袋本体11のブロー成形時に3次元状に成形されるから、閉塞しにくい。
【0033】
(3)袋本体11をブロー成形するものであるから、従来の自立袋で必要なフィルムの裁断やフィルムのシールが大幅に省略可能となるため、製造工程は簡易である。
【0034】
(4)袋本体11は胴部20と底部30を3次元状に成形したものであり、内容剤の充填による胴部20の膨らみ時に、胴部20にしわが入ることがなく、袋本体11の美的外観性を向上できる。
【0035】
(5)袋本体11をシートの貼合わせによって構成するものでないから、接着層を介在させた積層フィルムにより袋本体11を構成することを必ずしも必要としない。従って、袋本体11を単層フィルムにより構成することができ、界面活性剤や溶剤を含む内容剤が積層フィルムの接着層に浸透して該積層フィルムの剥離を生ずる等がなく、袋品質の安定を図ることができる。
【0036】
(6)袋本体11に形成した注ぎ口24を、袋本体11の底部30に平行をなす水平方向に対し0度〜90度、好適には30度〜60度の範囲内、最適には45度で傾けることにより、注ぎ出し易くできる。
【0037】
(7)袋本体11に形成した注ぎ口24を、袋本体11の外方に突出状にすることを金型設計できることから、その突出形状を自由に構成でき、注ぎ口の突出長を長くしたり、注ぎ口の口幅を広くする等、注ぎ出し易い袋を簡易に製造できる。
【0038】
尚、本発明の自立袋は、金型成形によるものであれば、ブロー成形によるものに限らず、インジェクション成形によるもの等であっても良い。
【0039】
また、本発明の自立袋は、袋本体に定めた折り線上に設けられる折り目成形部が袋本体の一部をその両側部に対し、該袋本体の内側にへこませたへこみ状をなすものであっても良い。折り線上に断続配置した折り目成形部をへこみ状にしたから、へこみ部分が折りたたみにきっかけとなって折りたたみ易くなる一方、折り線上で折り目成形部を構成していない部分が該折り線の脆弱化を阻止し、落下強度を向上する。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、落下強度の向上を図ることができる。同時に、外観の向上、製造工程の簡易、袋品質の向上、注ぎ口の安定確保を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は自立袋を示す斜視図である。
【図2】図2は自立袋の折りたたみ状態を示す斜視図である。
【図3】図3は自立袋の折りたたみ状態を示す斜視図である。
【図4】図4は自立袋の折りたたみ状態を示す斜視図である。
【図5】図5は折り線を示す模式図である。
【図6】図6は図5のVI−VIに沿う断面図である。
【図7】図7は図5のVII−VIIに沿う断面図である。
【符号の説明】
10 自立袋
11 袋本体
20 胴部
30 底部
51 折り線
52 折り目成形部

Claims (4)

  1. 胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、該袋本体に定めた折り線上に折り目成形部を設け、該袋本体への内容剤の充填前段階で該袋本体を折り線に沿って折りたたみ可能にした自立袋であって、
    袋本体に設ける折り目成形部を折り線上に断続配置した自立袋。
  2. 前記折り目成形部が袋本体の一部をその両側部に対し、該袋本体の外側に張り出した張り出し状をなす請求項1に記載の自立袋。
  3. 前記折り目成形部が袋本体の一部をその両側部に対し、該袋本体の内側にへこましたへこみ状をなす請求項1に記載の自立袋。
  4. 前記折り目成形部が袋本体の一部をその両側部に対し、薄肉にした薄肉状をなす請求項1〜3のいずれかに記載の自立袋。
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