JP2004268655A - 弾性クローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】転輪の振動に伴う乗り心地の低下を招来することなく、オフロードでのトラクション性能を向上することができる芯金レスの弾性クローラを提供する。
【解決手段】周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起7が内周面から一体に突設されたゴム様弾性体よりなるクローラ本体8と、このクローラ本体8の外周面に所定のラグパターンで形成されたラグ群9と、クローラ本体8の内部に周方向に沿って埋設された抗張体10と、を備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、クローラ本体8における転輪通過領域16の周方向のラグピッチP1がそれ以外の領域17,18の周方向のラグピッチP2よりも小さくなるように、ラグ群9を構成するラグ12,13の設置密度を幅方向で区分する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的高速で走行するクローラ走行装置に適した芯金レスの弾性クローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車輪の代わりにクローラ走行装置を装着した、フルトラック、ハーフトラック及びRV車等の高速履帯車両においては、不整地と公道の双方で走行可能なクローラ走行装置を採用する必要がある。かかる高速履帯車両用のクローラ走行装置においては、建設機械や農業機械に装着する場合に比べて走行速度が比較的大きくなるため、高速回転が可能な柔軟性と軽量さを有する弾性クローラを採用する必要がある。
【0003】
このような柔軟性と軽量さを兼備した弾性クローラとして、例えば、クローラ本体の内部に芯金を埋設していない芯金レスのものがあり、このタイプの弾性クローラは、通常、周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起が内周面から一体に突設されたクローラ本体と、このクローラ本体の外周面に所定のパターンで形成されたラグ群と、前記クローラ本体の内部に周方向に沿って埋設された抗張体と、を備えている(特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−1187号公報(図1〜図4、図11)
【特許文献2】
特開平11−49045号公報(図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の芯金レスの弾性クローラでは、高速回転に対応する柔軟性を確保しかつ乗り心地を向上するために、断面高さの小さいラグを比較的小さいラグピッチで多数配列したラグパターンを採用するのが一般的である。しかし、このようなラグパターンでは、湿田、泥濘地又は雪上等のオフロードを走行中に土砂(雪上では雪)がラグ間に詰まりやすく、オフロードでのトラクション性能が悪化するという欠点がある。
【0006】
一方、オフロードでのトラクション性能を向上させるには、ラグ群を構成する各ラグのラグピッチを出来るだけ大きくしたラグパターンを採用すればよいが、そのラグピッチを余り大きくすると転輪がラグ間に来たときに下方に落ち込み易くなり、このため、転輪の上下方向の振動が激しくなってオンロードでの乗り心地が悪くなるという新たな欠点が生じる。
本発明は、このような実情に鑑み、転輪の振動に伴う乗り心地の低下を招来することなく、オフロードでのトラクション性能を向上することができる芯金レスの弾性クローラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明が採用した第一の技術的手段は、前記した芯金レスの弾性クローラにおいて、クローラ本体における転輪通過領域の周方向のラグピッチがそれ以外の領域の周方向のラグピッチよりも小さくなるように、ラグ群を構成するラグの設置密度が幅方向で区分されていることを特徴とするものである。
この場合、転輪通過領域以外の領域(以下、必要に応じて、非転輪通過領域という。)では、周方向のラグピッチが比較的大きいラグパターンになっているので、走行中に土砂(雪上では雪)がラグ間に詰り難く、土砂の詰まりに伴う牽引力の低下を有効に防止することができる。他方、クローラ本体の転輪通過領域では、周方向のラグピッチが比較的小さいラグパターンになっているので、転輪が下方に落ち込み難くなって振動が軽減されることになり、オンロードでの乗り心地が向上する。
【0008】
このように、本発明によれば、転輪通過領域にあるラグによって転輪の振動を抑えつつ、非転輪通過領域にあるラグによって牽引力の低下を防止するようにしたので、オンロードでの乗り心地とオフロードでのトラクション性能の両立を実現することができる。
本発明において、ラグ群は、クローラ本体の幅方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜したラグを備えていることが好ましい。この場合、非転輪通過領域にあるラグによってオフロードでのトラクション性能を確保しながら、上記のように傾斜したラグによって幅方向外側への排土性が発揮されることになるので、トラクション性能と走破性能が両立したバランスの良い走行性能を有する芯金レスの弾性クローラが得られる。
【0009】
また、本発明において、ラグ群が、転輪の軸方向一端から他端に行き渡る幅方向長さを有するラグを備えている場合には、クローラ本体の幅方向中央部の捩れ剛性が増大するので、転輪通過領域を通過する転輪の安定性が向上し、より一層乗り心地が向上する。更に、上記ラグ群が、先端部分が中途部分よりも太い頂面形状に形成されたラグを備えている場合には、ラグの先端部分が欠けたり偏摩耗を起こすのが有効に防止され、弾性クローラの耐久性を向上することができる。
また、ラグ群が、クローラ本体の幅方向中心線よりも一方側にあるラグと他方側にあるラグの周方向位置が若干ずれたラグパターンとなっている場合には、その周方向位置が揃っている場合に比べてより細かいピッチでラグが転輪を支持することになるので、転輪の落ち込みがより減少し、走行時における振動が軽減されて乗り心地が向上する。
【0010】
一方、本発明が採用した第二の技術的手段は、前記した芯金レスの弾性クローラにおいて、ラグ群は、走行中に土砂が詰まらない程度の十分なラグピッチを有するラグパターンとなっており、クローラ本体における転輪通過領域に対応する部分に、転輪の落ち込みを防止する厚肉部が一体に形成されていることを特徴とするものである。
この場合、ラグ群が、走行中に土砂が詰まらない程度の十分なラグピッチを有するラグパターンとなっているので、土砂の詰まりに伴う牽引力の低下を有効に防止することができるとともに、クローラ本体における転輪通過領域に対応する部分に形成した厚肉部が転輪の落ち込みを防止するので、その落ち込みに伴う振動が軽減され、オンロードでの乗り心地が向上する。
【0011】
このように、本発明によれば、転輪通過領域にある厚肉部によって転輪の振動を抑えつつ、ラグピッチを十分大きく取ることによって牽引力の低下を防止するようにしたので、オンロードでの乗り心地とオフロードでのトラクション性能の両立を実現することができる。
本発明において、厚肉部は、クローラ本体の外周面のラグ間を接地側に盛り上げることによって形成することが好ましい。その理由は、厚肉部をクローラ本体の内周面に形成すると転輪の通過高さが高くなってクローラ走行装置が不安定になるのに対して、厚肉部をクローラ本体の外周面に形成した場合には、そのような不都合がなく、しかも、ラグの裾野部同士を厚肉部で一体に連結することでラグの剛性を増加させることにより、転輪の振動をより有効に抑制することができるからである。
また、当該厚肉部を接地側に形成した場合は、転輪の通過時において接地側の厚肉部が路面の突起物や岩等と接触しても、スチールコードからなる抗張体が損傷し難くなり、耐カット性が向上するという利点もある。
【0012】
また、本発明において、クローラ本体における転輪通過領域に対応する部分に、抗張体よりも外周側に配置された補強層を埋設するようにすれば、クローラ本体の転輪通過領域が下方へ撓むのがより確実に防止され、転輪の落ち込みに伴う振動の発生をより有効に抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る芯金レスの弾性クローラ1を示し、図2はこのクローラ1を用いたクローラ走行装置2を示している。
本実施形態のクローラ走行装置2は、不整地と公道の双方で走行可能となるように、フルトラック、ハーフトラック及びRV車等の車輪の代わりに装着されるものである。図2に示すように、その走行装置2は、駆動輪である上部中央に配置されたスプロケット3と、前後一対のアイドラ4,4と、このアイドラ4,4間に列設された複数の転輪5とを備えており、これらの外周に前記弾性クローラ1を側面視ほぼ三角形状に巻き掛けることによって構成されている。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の弾性クローラ1は、周方向(図1(a)の上下方向)で一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起7が内周面から一体に突設された係合孔を有しない芯金レスのクローラ本体8と、このクローラ本体8の外周面に所定のラグパターンで形成されたラグ群9と、同クローラ本体8の内部に周方向に沿って埋設された抗張体10と、クローラ本体8の内部における抗張体10の外周側に埋設された幅方向補強層11と、を備えている。
【0015】
このうち、クローラ本体8は、ゴム様弾性体によってほぼ一定厚さの無端帯状に形成されており、このクローラ本体8の内周面における幅方向(図1(a)の左右方向)中央部に、当該クローラ本体8と同じ材質のゴム様弾性体からなる前記駆動突起7が突設されている。この駆動突起7は、周方向に一定間隔をおいてクローラ本体8の全周に渡って設けられており、この各駆動突起7に前記スプロケット3を係合させることにより、弾性クローラ1を周方向に沿って駆動できるようになっている。
【0016】
クローラ走行装置2の転輪5は、クローラ本体8の幅方向に一定間隔をおいて同軸心状に連結された左右一対の円形車輪部5A,5Aを有する跨ぎ転輪よりなり、この転輪5の両車輪部5A,5Aはその間で駆動突起7を跨いだ状態でクローラ本体8の内面に当接するようになっている(図1(b)参照)。なお、駆動突起7の内部に、硬質樹脂製又は金属製の補強部材を埋設することにしてもよい。
抗張体10は、周方向に沿って延設されたスチールコード等よりなる抗張力コードを並設することによって構成されている。他方、幅方向補強層11は、周方向に対して傾斜した方向にスチールコード等よりなる抗張力コードを並設することによって構成されている。なお、この補強層11は、抗張体10の内周側や、その内周側及び外周側の双方に設けることもできる。
【0017】
図1(a)に示すように、本実施形態のラグ群9は、クローラ本体8の幅方向中央部に配置された中央ラグ12と、同クローラ本体8の幅方向左右両側に配置された左右一対のサイドラグ13とから構成されている。なお、図1(a)においてハッチングで示す領域は、各ラグ12,13の頂面形状を表しており(図3、図4、図6及び図7(a)の場合も同様)、このため、各ラグ12,13の裾野部分の面積は当該ハッチングで示す領域よりも広くなっている。
【0018】
上記ラグ群9を構成する各ラグ12,13のうち、左右一対のサイドラグ13L,13Rは、クローラ本体8の幅方向中心線を挟んで線対称となるように、ほぼハの字状に配置されている。左右の各サイドラグ13L,13Rは、クローラ本体8の幅方向中央部から同方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向(図示のx方向)後方に傾斜した状態でほぼ真っ直ぐに延びている。また、左右の各サイドラグ13L,13Rは、周方向に並ぶもの同士が互いに平行となり、かつ、周方向に所定のラグピッチP1だけ間隔を開けた状態で、クローラ本体8の全周に渡って設けられている。
なお、このサイドラグ13のラグピッチP1は、周方向で隣り合うサイドラグ13の間に走行中に土砂が詰まらない程度の十分な寸法(具体的には、90〜200mm)に設定されている。
【0019】
他方、中央ラグ12は、クローラ本体8の幅方向中央部に位置する屈曲部14と、この屈曲部14の左右両端部から幅方向外側に延びる左右一対の延伸部15L,15Rとから、ほぼへの字状に形成されている。この中央ラグ12は、屈曲部14間の周方向間隔がサイドラグ13のラグピッチP1と同じになるように、クローラ本体8の全周に渡って設けられている。
中央ラグ12の左側の延伸部15Lは、左側のサイドラグ13Lと概ね同じ傾斜角度でクローラ回転方向(図示のx方向)後方に傾斜した状態でほぼ真っ直ぐに延びており、周方向で隣接する左側のサイドラグ13L,13L間のちょうど中間部分に配置されている。また、中央ラグ12の右側の延伸部15Rは、右側のサイドラグ13Rと概ね同じ傾斜角度でクローラ回転方向(図示のx方向)後方に傾斜した状態でほぼ真っ直ぐに延びており、周方向で隣接する右側のサイドラグ13R,13R間のちょうど中間部分に配置されている。
【0020】
このため、クローラ本体8の転輪通過領域16(転輪5の円形車輪部5Aがクローラ本体8と接触する領域)においては、中央ラグ12の延伸部15L,15Rとサイドラグ13L,13Rが周方向に交互に配列され、この領域16におけるラグピッチP2は、サイドラグ13のラグピッチP1の半分(具体的には、45〜100mm)になっている。これに対して、クローラ本体8の転輪通過領域16以外の幅方向領域のうち、幅方向中央部に位置する円形車輪部5A,5A間の中央領域17では、中央ラグ12の屈曲部14だけが周方向に配列され、転輪通過領域16の幅方向外側に位置する端部領域18では、サイドラグ13L,13Rだけが周方向に配列されている。
【0021】
しかして、本実施形態の弾性クローラ1においては、クローラ本体8における転輪通過領域16の周方向のラグピッチP2がそれ以外の領域17,18の周方向のラグピッチP1よりも小さくなるように、ラグ群9を構成するラグ12,13の設置密度が幅方向で区分されている。
なお、本実施形態では、中央ラグ12が転輪5の軸方向一端から他端に行き渡る幅方向長さを有しており、これにより、クローラ本体8の幅方向中央部の捩れ剛性を増大させて、転輪通過領域16を通過する転輪5の安定性をより向上させるようにしている。また、本実施形態では、中央ラグ12及びサイドラグ13の先端部分に、その中途部分よりも太い頂面形状の拡幅部19が形成されており、これにより、ラグ12,13の先端部分が欠けたり偏摩耗を起こすのを防止している。
【0022】
上記構成に係る本実施形態の弾性クローラ1によれば、転輪通過領域16以外の中央領域17や端部領域18において周方向のラグピッチP1が大きくなっているので、走行中に土砂(雪上では雪)がラグ間に詰り難く、土砂の詰まりに伴う牽引力の低下を有効に防止することができる。また、クローラ本体8の転輪通過領域16では、周方向のラグピッチP2がそれ以外の領域17,18のラグピッチP1の半分になっているので、転輪5が下方に落ち込み難くなって振動が軽減され、オンロードでの乗り心地が向上する。
このため、本実施形態の弾性クローラ1によれば、転輪通過領域16にあるラグによって転輪5の振動を抑えつつ、非転輪通過領域17,18にあるラグによって牽引力の低下を防止することができ、オンロードでの乗り心地とオフロードでのトラクション性能の両立を実現することができる。
【0023】
また、本実施形態の弾性クローラ1によれば、中央ラグ12とサイドラグ13の双方がクローラ本体8の幅方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜しているので、非転輪通過領域17,18にあるラグによってオフロードでのトラクション性能を確保しながら、上記のように傾斜したラグ12,13によってクローラの幅方向外側への排土性が発揮され、トラクション性能と走破性能が両立したバランスの良い走行性能を発揮することができる。
【0024】
なお、図1(a)に示すラグパターンでは、中央ラグ12とサイドラグ13を一つおきに交互に配列しているが、例えば、「中央、中央、サイド、中央、中央、サイド・・・」というように、サイドラグ13間に複数の中央ラグ12を配置するようにしたり、或いは、「中央、サイド、サイド、中央、サイド、サイド・・・」というように、中央ラグ12間に複数のサイドラグ13を配置するようにしてもよい。また、中央ラグ12の延伸部15とサイドラグ13は、必ずしも互いに平行である必要はない。
【0025】
図3は、本発明の第二実施形態に係る弾性クローラ1を示している。
本実施形態の弾性クローラ1が第一実施形態の場合と異なる点は、中央ラグ12の屈曲部14の接地部分に切り欠き凹部20が形成されている点にあり、その他の構成は第一実施形態の場合とほぼ同様である。
従って、本実施形態の弾性クローラ1では、第一実施形態の弾性クローラ1(図1)の場合と概ね同じ作用効果が得られるとともに、中央ラグ12の切り欠き凹部20のエッジ効果によって地面に対する食い付き力が増大し、トラクション性能が向上するという付加的な作用効果が得られる。また、中央ラグ12の屈曲部に当該切り欠き凹部20を形成した場合には、弾性クローラ1の幅方向中央部における周方向のラグ間隔が大きくなり、弾性クローラ1の排土性がより向上するという作用効果も得られる。
【0026】
図4は、本発明の第三実施形態に係る弾性クローラ1を示している。
本実施形態の弾性クローラ1が第一実施形態の場合と異なる点は、中央ラグ12が左右一対の小ラグ12L,12Rにそれぞれ分割されているとともに、クローラ本体8の幅方向中心線よりも左側にあるラグ12L,13Lと右側にあるラグ12R,13Rの周方向位置が若干ずれたラグパターンとなっている点にある。
従って、本実施形態の弾性クローラ1では、第一実施形態の弾性クローラ1(図1)の場合と概ね同じ作用効果が得られるとともに、それらのラグ12L,13L,12R,13Rの周方向位置が揃っている場合に比べてより細かいピッチでラグ12L,13L,12R,13Rが転輪5を支持することになるので、転輪5の落ち込みがより減少し、乗り心地が向上するという付加的な作用効果が得られる。
【0027】
図5は、本発明の第四実施形態に係る弾性クローラ1を示している。
本実施形態の弾性クローラ1では、クローラ本体8の転輪通過領域16に対応する部分に、転輪の落ち込みを防止するための厚肉部22が一体に形成されており、この厚肉部22は、クローラ本体8の外周面のラグ12,13間を接地面側に盛り上げることによって形成されている。更に、本実施形態で、クローラ本体8における転輪通過領域16に対応する部分に、抗張体10よりも外周側に配置されたスチールコードや帆布等よりなる補強層23が埋設されている。
従って、本実施形態の弾性クローラ1では、第一実施形態の弾性クローラ1(図1)の場合と概ね同じ作用効果が得られるとともに、厚肉部22と補強層23によってラグ間における転輪5の落ち込みに伴う振動がより確実に軽減され、オンロードでの乗り心地がより一層向上することになる。
【0028】
図6は、本発明の第五実施形態に係る弾性クローラ1を示している。
本実施形態の弾性クローラ1では、クローラ本体8の外周面に形成されたラグ群9が、クローラ本体9の幅方向ほぼ全長に渡って延設された中央ラグ12と、左右の転輪通過領域16にほぼ相当する長さを有するサイドラグ13L,13Rとからなり、これらの中央ラグ12及びサイドラグ13L,13Rはいずれもクローラ本体8の幅方向に平行で同方向に対して傾斜していないラグパターンとなっている。
従って、本実施形態の弾性クローラ1では、ラグ12,13L,13Rが傾斜していないことから、第一実施形態の弾性クローラ1に比べて、幅方向外側への排土性が悪くなって走破性能が劣ることになるが、地面から受けるせん断抵抗力がクローラ本体8の周方向に沿ってほぼ最大となる状態で各ラグ12,13L,13Rに作用するので、トラクション性能はより向上することになる。
【0029】
なお、本実施形態の弾性クローラ1においても、クローラ本体8における転輪通過領域16の周方向のラグピッチP2がそれ以外の中央領域17及び端部領域18の周方向のラグピッチP1よりも小さくなっているので、転輪通過領域16にあるラグによって転輪5の振動を抑えつつ、転輪通過領域16以外の領域17,18にあるラグによって牽引力の低下が防止され、オンロードでの乗り心地とオフロードでのトラクション性能の両立を図ることができる。
【0030】
図7は、本発明の第六実施形態に係る弾性クローラ1を示している。
本実施形態の弾性クローラ1では、右端部分から左端部分に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜する第一傾斜ラグ24と、左端部分から右端部分に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜する第二傾斜ラグ25とからなり、これら逆向きに傾斜した第一及び第二傾斜ラグ24,25を周方向に交互に並設することにより、転輪通過領域16におけるラグピッチP1,P2が大小交互に変化するラグパターンとなっている。
【0031】
そして、第一及び第二傾斜ラグ24,25の転輪通過領域16における大小のラグピッチP1,P2のうち、大きい方のラグピッチP1はそのラグ24,25の間に走行中に土砂が詰まらない程度の十分な寸法(具体的には、90〜200mm)に設定されている。また、クローラ本体8の転輪通過領域16に位置するラグ24,25間の空間部分のうち、大きい方のラグピッチP1に対応する空間部分に、転輪5の落ち込みを防止する厚肉部22が一体に形成されており、この厚肉部22は、クローラ本体8の外周面のラグ24,25間を接地側に盛り上げることによって形成されている。
【0032】
このように、本実施形態の弾性クローラ1によれば、ラグ群9が、走行中に土砂が詰まらない程度の十分なラグピッチP1を有するラグパターンとなっているので、土砂の詰まりに伴う牽引力の低下が有効に防止されるとともに、クローラ本体8における転輪通過領域16に対応する部分に形成した厚肉部22が転輪の落ち込みを防止するので、その落ち込みに伴う振動が軽減され、これらの相互作用によって、オンロードでの乗り心地とオフロードでのトラクション性能の両立を達成することができる。
【0033】
一方、ラグ間隔の広い部分(ラグピッチP1対応部)に転輪5がきてクローラ走行装置が旋回した場合には、その旋回運動によって当該広い部分のゴムが圧迫されて捻られ、クローラ本体8がラグ間で接地してしまうという苛酷な状態にさらされる恐れがある。この点、本実施形態の弾性クローラ1では、転輪通過領域16におけるラグ間隔の広い部分に厚肉部22を形成しているので、上記のような旋回時におけるクローラ本体8の接地側への圧迫や捩れが防止され、このため弾性クローラ1の耐久性をより向上させることができる。
また、ラグ間隔の広い部分(ラグピッチP1対応部)に対応するクローラ本体8の接地側表面が路面の突起物に接触しても、その接触によって発生する応力が厚肉部22によって緩和され、耐カット性が向上するという利点もある。これらの見地からすれば、少なくともラグ間隔の広い部分(ラグピッチP1対応部)に対応するクローラ本体8の接地側表面を肉厚にすればよい。
【0034】
また、図7(b)に示すように、本実施形態の弾性クローラ1では、クローラ本体8における転輪通過領域16に対応する部分に、抗張体10よりも外周側に配置されたスチールコード又は帆布等よりなる補強層23が埋設されており、この補強層23により、クローラ本体8の転輪通過領域16が下方へ撓むのをより確実に防止するようにしている。
なお、本実施形態の弾性クローラ1においても、各傾斜ラグ24,25がクローラ本体8の幅方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜していることから、良好な排土性が確保されており、同傾斜ラグ24,25が転輪5の軸方向一端から他端に行き渡る幅方向長さを有していることから、転輪通過領域16を通過する転輪5の安定性が確保されている。
【0035】
また、本実施形態の弾性クローラ1においても、各傾斜ラグ24,25の先端部分に、その中途部分よりも太い頂面形状の拡幅部19を形成することにより、ラグ24,25の先端部分の欠けや偏摩耗を防止している。
なお、上記した実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明に含まれる。
【0036】
例えば、図1、図3及び図4に示すラグパターンでは、中央ラグ12及びサイドラグ13の双方をクローラ幅方向に対して傾斜した傾斜タイプにした場合を例示しているが、そのうちの片方だけを傾斜タイプにし、他方をクローラ幅方向に平行な非傾斜ラグを採用するようにしてもよい。
また、図1、図3及び図4に示すラグパターンでは、サイドラグ13が左右のもの13L,13Rに分離されている場合を例示しているが、これら左右のサイドラグ13L.13Rの間を連続的に繋げることで、一本のラグにすることにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転輪通過領域にあるラグによって転輪の振動を抑えつつ、転輪通過領域以外の領域にあるラグによって牽引力の低下を防止するようにしたので、転輪の振動に伴う乗り心地の低下を招来することなく、オフロードでのトラクション性能を向上することができる。
【0038】
また、本発明によれば、転輪通過領域にある厚肉部によって転輪の振動を抑えつつ、ラグピッチを十分大きく取ることによって牽引力の低下を防止するようにしたので、転輪の振動に伴う乗り心地の低下を招来することなく、オフロードでのトラクション性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第一実施形態の弾性クローラを外周側から見た平面図であり、(b)は同クローラの横断面図である。
【図2】第一実施形態の弾性クローラを装着したクローラ走行装置の側面図である。
【図3】第二実施形態の弾性クローラを外周側から見た平面図である。
【図4】第三実施形態の弾性クローラを外周側から見た平面図である。
【図5】第四実施形態の弾性クローラの横断面図である。
【図6】第五実施形態の弾性クローラを外周側から見た平面図である。
【図7】(a)は第六実施形態の弾性クローラを外周側から見た平面図であり、(b)は同(a)に示すA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 弾性クローラ
7 駆動突起
8 クローラ本体
9 ラグ群
10 抗張体
12 中央ラグ
13 サイドラグ
16 転輪通過領域
17 中央領域
18 端部領域
22 厚肉部
23 補強層
24 第一傾斜ラグ
25 第二傾斜ラグ
P1 ラグピッチ
P2 ラグピッチ

Claims (14)

  1. 周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起(7)が内周面から一体に突設されたゴム様弾性体よりなるクローラ本体(8)と、このクローラ本体(8)の外周面に所定のラグパターンで形成されたラグ群(9)と、前記クローラ本体(8)の内部に周方向に沿って埋設された抗張体(10)と、を備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
    前記クローラ本体(8)における転輪通過領域(16)の周方向のラグピッチ(P2)がそれ以外の領域(17,18)の周方向のラグピッチ(P1)よりも小さくなるように、前記ラグ群(9)を構成するラグ(12,13)の設置密度が幅方向で区分されていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. ラグ群(9)は、クローラ本体の幅方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向(x)後方に傾斜したラグ(12,13)を備えている請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. ラグ群(9)は、転輪(5)の軸方向一端から他端に行き渡る幅方向長さを有するラグ(12)を備えている請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. ラグ群(9)は、先端部分が中途部分よりも太い頂面形状に形成されたラグ(12,13)を備えている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラ。
  5. ラグ群(9)は、クローラ本体(8)の幅方向中心線よりも一方側にあるラグ(12L,13L)と他方側にあるラグ(12R,13R)の周方向位置が若干ずれたラグパターンとなっている請求項1〜4のいずれかに記載の弾性クローラ。
  6. クローラ本体(8)における転輪通過領域(16)に対応する部分に、転輪(5)の落ち込みを防止する厚肉部(22)が一体に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の弾性クローラ。
  7. 厚肉部(22)は、クローラ本体(8)の外周面のラグ(12,13)間を接地側に盛り上げることによって形成されている請求項6に記載の弾性クローラ。
  8. クローラ本体(8)における転輪通過領域(16)に対応する部分に、抗張体(10)よりも外周側に配置された補強層(23)が埋設されている請求項1〜7のいずれかに記載の弾性クローラ。
  9. 周方向において一定間隔おきに並ぶ複数の駆動突起(7)が内周面から一体に突設されたゴム様弾性体よりなるクローラ本体(8)と、このクローラ本体(8)の外周面に所定のラグパターンで形成されたラグ群(9)と、前記クローラ本体(8)の内部に周方向に沿って埋設された抗張体(10)と、を備えている芯金レスの弾性クローラにおいて、
    前記ラグ群(9)は、走行中に土砂が詰まらない程度の十分なラグピッチ(P1)を有するラグパターンとなっており、前記クローラ本体(8)における転輪通過領域(16)に対応する部分に、前記転輪(5)の落ち込みを防止する厚肉部(22)が一体に形成されていることを特徴とする弾性クローラ。
  10. 厚肉部(22)は、クローラ本体(8)の外周面のラグ(24,25)間を接地側に盛り上げることによって形成されている請求項9に記載の弾性クローラ。
  11. クローラ本体(8)における転輪通過領域(16)に対応する部分に、抗張体(10)よりも外周側に配置された補強層(23)が埋設されている請求項9又は10に記載の弾性クローラ。
  12. ラグ群(9)は、クローラ本体(8)の幅方向外側に向かうに従ってクローラ回転方向後方に傾斜したラグ(24,25)を備えている請求項9〜11のいずれかに記載の弾性クローラ。
  13. ラグ群(9)は、転輪(5)の軸方向一端から他端に行き渡る幅方向長さを有するラグ(24,25)を備えている請求項9〜12のいずれかに記載の弾性クローラ。
  14. ラグ群(9)は、先端部分が中途部分よりも太い頂面形状に形成されたラグ(24,25)を備えている請求項9〜13のいずれかに記載の弾性クローラ。
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