JP3550561B2 - クローラ式走行装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショベル、バックホー、キャリアダンプ等の土木・建設機械や、運搬車、又はコンバイン、耕耘機、管理機、トラクタ等の農業機械や、その他の不整地走行用車両等の走行部として採用されるクローラ式走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クローラ式走行装置は、駆動輪と、アイドラと、複数の転輪と、これら駆動輪、アイドラ及び転輪に亘って巻き掛けられる無端帯状のクローラベルトとから主構成されたクローラユニットを備えていて、駆動輪を回転駆動させてクローラベルトを周方向に循環回走させることで、走行可能とされている。
また、駆動輪、アイドラ及び転輪は、クローラ式走行装置を採用した機体に取り付けられたトラックフレームに回転自在に支持されており、機体からの荷重は転輪を介してクローラベルトに作用する。
【0003】
このクローラ式走行装置に採用されるクローラベルトとして、弾性体で主構成された弾性クローラがあり、この種のクローラベルトは、ゴム様弾性体からなる無端帯状のクローラ本体内に埋設された左右方向の補強材と、クローラ本体の内周側の左右方向中央側に設けられた左右一対のガイド突部と、クローラ本体の外周側に設けられたラグとをクローラ周方向に間隔をおいて設けて主構成されている。
また、クローラ式走行装置に採用される転輪として、左右各ガイド突部の左右方向外側方を転動する左右一対のサイド輪のみを備えた外つばタイプの転輪と、左右ガイド突部間を転動する中央輪のみを備えた中つばタイプの転輪とがある。
【0004】
前記外つばタイプの転輪にあっては、走行振動は良いが、耐脱輪性が劣るものであり、一方、中つばタイプの転輪にあっては、耐脱輪性は良いが、補強材上を走行する場合と、補強材間を走行する場合との落差が大きく、走行振動に劣るものである。
そこで、転輪を、左右のガイド突部間を転動する中央輪と、ガイド突部の左右方向外側方を転動するサイド輪とを備えた構成とし、外つば転輪の長所と、中つば転輪の長所とを備えた転輪を有するクローラ式走行装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のものにあっては、外つば転輪の振動性の良さと、中つば転輪の耐脱輪性の良さとを兼ね備えたものであるが、転輪とクローラベルトのラグとの関係については考慮されていないものであり、振動性の点については、まだ十分といえるものではなく、振動性改善の余地があるものであった。
そこで、本発明は、振動性についてさらに改善し、低振動で且つ耐脱輪性のよいクローラ式走行装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体内に埋設された左右方向の補強材と、クローラ本体の内周側の左右方向中央側に設けられた左右一対のガイド突部と、クローラ本体の外周側に設けられたラグとをクローラ周方向に間隔をおいて設けて主構成されたクローラベルトを備え、このクローラベルトの内周側に配置されていて、左右のガイド突部間を転動する中央輪と、ガイド突部の左右方向外側方を転動するサイド輪とを有する転輪を備えると共に、この転輪のサイド輪が転動する部分に対応するラグを、クローラ周方向で隣り合う補強材間に配置したことを特徴とする。
【0007】
また、ラグがクローラ本体の左右両側にそれぞれ配置されると共に、この左右両側に配置された各ラグがクローラ周方向で隣り合う補強材間に配置されているのがよい。
また、クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置する左右のラグが、クローラ周方向において千鳥状に配設されているのがよい。
また、クローラ本体の補強材に対応する位置に、クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置するラグよりも、突出高さの低い第2のラグを設けるのがよい。
【0008】
また、転輪側からクローラベルトに作用する荷重の荷重分担が、転輪が補強材上を転動する場合は、サイド輪側よりも中央輪側の方が大とされ、転輪が補強材間を転動する場合は、中央輪側よりもサイド輪側の方が大となるように構成されているのがよい。
また、サイド輪が転動する転動面の、クローラ周方向で隣り合う補強材間に凸部を設けるのがよい。
また、駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向外方側にのみ設けられているのがよい。
【0009】
また、駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向内方側にのみ設けられているのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4は第1の実施の形態を示しており、図2において、1は、土木・建設機械や運搬車又は農業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置であり、このクローラ式走行装置1は、トラックフレームFと、1又は複数のクローラユニットU(走行体)を有する。
クローラユニットUは、本実施の形態のものでは、進行方向(図4の左右方向)前後一側に配置された駆動輪2と、進行方向前後他側に配置されたアイドラ3と、これら駆動輪2とアイドラ3との間に配置された複数個の転輪4と、これら駆動輪2,アイドラ3及び転輪4に亘って巻き掛けられるエンドレス状のクローラベルト6とから主構成されており、駆動輪2,アイドラ3及び転輪4はトラックフレームFの左右両側のサイドフレームに左右方向(図4の紙面貫通方向)の軸心廻りに回転自在に支持されている。
【0011】
このクローラ式走行装置1を採用した機械の、本機側からの重量等の荷重は、トラックフレームFから転輪4を介してクローラベルト6に作用し、駆動輪2を回転駆動することによりクローラベルト6を周方向Aに循環回走させることで進行する。
なお、図例の構造のクローラ式走行装置1は一例を示したものであり、採用される機械・車両によって、クローラベルト6の駆動形式、トラックフレームF、クローラユニットU等の構造が種種変更される。
【0012】
このクローラベルト6は、図1〜図3に示すように、ゴム様弾性体(ゴム、樹脂等)によって無端帯状に形成されたクローラ本体8を備えると共に、このクローラ本体8内に埋設された左右方向B(クローラベルト6の幅方向)の補強材9(芯金)と、クローラ本体8の内周側Cの左右方向B中央側に設けられた左右一対のガイド突部10と、クローラ本体8の外周側Dに設けられたラグ11とをクローラ周方向Aに間隔をおいてクローラ周方向A全周に亘って設けることで主構成されている。
【0013】
補強材9のクローラ外周側Dには、スチールコード等の抗張力コードから構成された抗張体12が、クローラ本体8内にクローラ周方向A全周に亘って埋設されている。
また、クローラ本体8の、周方向Aで隣り合う補強材9間の左右方向B中央部には、駆動輪2からクローラベルト6に駆動力を伝達すべく、駆動輪2の歯が挿入される係合孔13が貫通形成されている。
また、左右のガイド突部10は、補強材9からクローラ内周側Dに一体的に突出しており、このガイド突部10によって転輪4等の脱輪防止(クローラベルト6の転輪4等からの外れ防止)を図っている。
【0014】
なお、この左右のガイド突部10の形状は本実施の形態のものに限定されることはなく、例えば、前後に分割状(二股状)であってもよく、また、左右同形状でなくてもよい。
転輪4は、左右のガイド突部10間を転動する中央輪15と、ガイド突部10の左右方向B外側方を転動するサイド輪16
とから構成されていて、転輪4は、左右一方のガイド突部10を跨ぐように形成されている。
【0015】
ラグ11は、クローラベルト6の左右両側に配置されており、左右の各ラグ11は、左右方向B外方に向かうにしたがってクローラ周方向A一方(又は他方)に移行する傾斜状に形成されている。
なお、ラグパターン(ラグ形状)は本実施の形態で開示したものに限定されることはなく、他のラグパターンのものであってもよい。
また、本実施の形態のクローラベルト6にあっては、左右のラグ11のうち、左右一方側に配置されたラグ11(図2の左側のラグ11)はクローラ周方向Aで隣り合う補強材9間に配置されており、左右他方側に配置されたラグ11(図2の右側のラグ11)は、前述した左側のラグ11に対してクローラ周方向Aに関して位置ズレしていて、一部(左右方向B中央側)が補強材9とクローラ厚さ方向Eに関してラップしている。
【0016】
そして、前記補強材9間に配置されたラグ11が設けられたところの、クローラ本体8上を、転輪4のサイド輪16が転動するように構成されている。
図5は、第2の実施の形態に係るクローラベルト6を示しており、第1の実施の形態と異なる点は、クローラベルト6の左右一方側に配置されたラグ11と、左右他方側に配置されたラグ11とが、ともにクローラ周方向Aで隣り合う補強材9間に配置されている点であり、その他の構成は前記第1の実施の形態と略同様に構成される。
【0017】
図16は、比較例に係るクローラベルト31及び転輪32を示しており、このクローラベルト31にあっては、左右一方側に配置されたラグ33と、左右他方側に配置されたラグ33とが、ともに補強材34とクローラ厚さ方向Eに関してラップしている。
また、転輪32は本実施の形態の転輪4と同様に構成されている。
この比較例のものと、前記第1、2の実施の形態のものとを比較すると、比較例のものでは、転輪32のサイド輪35が転動するところに対応するラグ33が、補強材34にラップしているので、サイド輪35の転動部分の補強材34対応部分の剛性が高く、振動低減に関して十分とはいえないものであるが、これに対して、本実施の形態のものでは、サイド輪16が転動するところに対応するラグ11は、補強材9間に位置しているので、サイド輪16の転動部分の補強材9対応部分の縦剛性が低いと共に、補強材9間に配置されたラグ11によって、サイド輪16が補強材9間で落ち込むのが防止(低減)され、これらにより低振動でスムーズな走行が得られるのである。
【0018】
また、第1の実施の形態のものは、サイド輪16が転動しない側のラグ11(図2の右側のラグ11)が補強材9とラップしているので、このラグ11と補強材とがラップしている部分の剛性が高く、これがサイド輪16転動側 に影響を与え(サイド輪16が補強材9上を転動する際に、サイド輪16が接地面からの反力を受け)、振動特性を悪くするが、これに対して、第2の実施の形態のものにあっては、サイド輪16が転動しない側のラグ11(図5の右側のラグ11)も補強材9間に設けられていて、サイド輪16が補強材9上を転動する際に、サイド輪16が接地面からの反力を受けないので、第1の実施の形態のものに比べて振動特性がよい。
【0019】
図7及び図8は、第1の実施の形態と、第2の実施の形態と、比較例との振動特性の試験結果を、表及びグラフに表したものであり、図7は転輪4,32の上下振動に関し、図8は転輪4,32の変位に関するものである。
振動特性試験は、所定長さの、有端で且つ平坦状に形成されたクローラベルト6,31を、ラグ11,33を下にして床面等に載置し、このクローラベルト6,31に対して転輪4,32から一定荷重を加えながら、該転輪4,32を、クローラベルト6,31上の一端側から他端側へと転動させて行った。
【0020】
速度は転輪4,32の速度を示しており、加速度は転輪4,32の回転支軸付近の振動加速度を示しており、変位は転輪4,32の上下方向の変位を示している。
この図7及び図8から、前述したように、比較例のものに比べて、第1及び第2の実施の形態のものが振動特性に優れており、さらに、第1の実施の形態のものに比べて第2の実施の形態のものが振動特性に優れていることが証明される。
また、サイド輪16が補強材9上を転動する際において、サイド輪16とクローラ本体8内周面との間に小石等が咬み込まれると、サイド輪16によって小石等がクローラ本体8内に圧入され、穴が生じる(虫喰いが生じる)が、本実施の形態のものにあっては、転輪4を介してクローラベルト6に作用する本機側からの荷重は、中央輪15とサイド輪16とで分担され、中央輪15が補強材9上を走行する時には、中央輪15から荷重を受け、サイド輪16下のゴム部分は、荷重を受けないので、サイド輪16の転動部分の耐虫喰い性が向上する。
【0021】
また、補強材9間にラグ11を配置し、その上をサイド輪16が転動するようにしたものにあっては、補強材9のクローラ外周側Dにラグがないことから、走行時において、クローラ本体8の、補強材9外周側Dに石ころ、突起物等の固い物があると、サイド輪16が補強材9上を転動する際に、サイド輪16側からの荷重によって、クローラ本体8の、補強材9対応部分の接地側ゴム部分が、石ころ等の固い物と補強材9との間に挟まれて、損傷したり、切れたりする。また、クローラ本体8の補強材9外周側の損傷が抗張体12又は補強材9にまで波及すると、クローラ本体8を構成するゴムが抗張体12又は補強材9から剥離する惧れがある。
【0022】
そこで、図5及び図6に仮想線で示すように、クローラ本体8の補強材9対応部分の接地側ゴム部分に、前記補強材9間のラグ11の突出高さH1よりも低い突出高さH2の第2のラグ17を設け、このラグ17により、クローラ本体8の補強材9対応部分の接地側ゴム部分を保護することで、該ゴム部分の損傷等を防止できる。
また、前記第2のラグ17の突出高さH2を、補強材9間に配置されるラグ11と同じ高さにすると、ラグ11,17間に泥詰まりが生じる惧れが大となるが、前述したように、第2のラグ17の突出高さH2を、補強材9間に配置されるラグ11の突出高さH1よりも低くすることにより、クローラ本体8の保護を図るために第2のラグ17を設けたものであっても、ラグ11,17間の泥詰まりを極力抑えることができる。
【0023】
したがって、第2のラグ17の突出高さH2は、泥詰まりが生じない程度の突出高さH2に形成される。
また、第2のラグ17の突出高さH2を、補強材9間のラグ11と同じ高さにして第2のラグ17を接地させると、第2のラグ17は補強材9下にあるので、振動に悪影響を与えるが、第2のラグ17の突出高さH2を補強材9間のラグ11の突出高さH1よりも低くすることにより、振動に悪影響を与えることがない。
【0024】
なお、この第2のラグ17は第1の実施の形態のクローラベルト6にも設けてもよく、また、第2のラグ17は、クローラ周方向Aにおいて、千鳥状に設けても良い。
図9〜図13は、他の実施の形態を示している。
図9は、転輪4が中央輪15の左右両側にサイド輪16を備えて構成されているものであり、この場合であっても、少なくとも、左右一方側のサイド輪16が転動する部分に対応するラグ11が補強材9間に配置される(なお、左右両側のラグ11が補強材9間にあるのが好ましい)。
【0025】
図10は、中央輪15が補強材9上にある場合において、クローラ本体8のサイド輪16転動面と、サイド輪16との間に隙間hが生じるように構成されているものである。
このものにあっては、中央輪15が補強材9上にある時には、本機側からの荷重は、すべて中央輪15を介してクローラベルト6に作用するので、サイド輪16とクローラ本体8との間に小石等を咬み込むことによる虫喰いを無くすことができる。
【0026】
なお、補強材9間を転動する際には、中央輪15が落ち込むので、サイド輪16がクローラ本体8の内周面に接当する。
この転輪4が補強材9間を転動する際における本機側からクローラベルト6に作用する荷重の荷重分担は、中央輪15<サイド輪16となるように構成されている。
また、前記隙間hは零であってもよく、この場合、転輪4が補強材9上を転動する際における本機側からクローラベルト6に作用する荷重の荷重分担が、中央輪15>サイド輪16となっていればよい。
【0027】
図11及び図12は、サイド輪16の転動面の補強材9間に、クローラ内周側Cに突出する凸部18を設けたものである。
この凸部18は、側面視で、クローラ内周側Cに凸となる円弧状に形成されていて、サイド輪16が、補強材9間を転動する場合において、落ち込みがある場合、この凸部18によって、サイド輪16の落ち込みを防止できる。
図13は、第2の実施の形態における左右のラグ11をクローラ周方向Aにおいて千鳥状に配置したものであり、これによって、さらなる振動低減が図れる。
【0028】
なお、前述した実施の形態の各構成部分を適宜組み合わせるようにしてもよい。
図14及び図15は、本発明のクローラ式走行装置1の使用形態を示しており、このクローラ式走行装置1は、クローラユニットUを左右一対備えたものを示しており、図14に示すものでは、中央輪15の左右方向B外方側にのみサイド輪16を設けたものであり、図15に示すものでは、中央輪15の左右方向B内方側にのみサイド輪16を設けたものである。
【0029】
図14に示すものにあっては、クローラ式走行装置1を装着した機械の安定性が確保でき、特に、傾斜地を走行する場合等において有効である。
また、図15に示すものにあっては、バックホー等において、旋回台を左右に旋回させて横向きで掘削作業等をする場合に、本機側からの荷重を、中央輪15を介して補強材9で直接受けるので、横向きの作業に対して有効である。
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されることはなく、例えば、1つのクローラユニットUに対して、左右一方のガイド突部10を跨ぐ転輪4と、左右他方のガイド突部10を跨ぐ転輪4との2種類を備えているものであってもよく、この場合、一方のガイド突部10を跨ぐ転輪4と、他方のガイド突部10を跨ぐ転輪4とが交互に配置されていてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明のクローラ式走行装置にあっては、左右のガイド突部間を転動する中央輪と、ガイド突部の左右方向外側方を転動するサイド輪とを有する転輪と、この転輪のサイド輪が転動する部分に対応するラグをクローラ周方向で隣り合う補強材間に配置したクローラベルトとの組み合わせにより、耐脱輪性に優れ、且つ従来よりも低振動のクローラ式走行装置を提供できる。
また、ラグがクローラ本体の左右両側にそれぞれ配置されると共に、この左右両側に配置された各ラグがクローラ周方向で隣り合う補強材間に配置されていることにより、より低振動のクローラ式走行装置を提供できる。
【0031】
また、クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置する左右のラグが、クローラ周方向において千鳥状に配設されていることにより、さらに低振動のクローラ式走行装置を提供できる。
また、補強材間にラグを配置し、その上をサイド輪が転動するようにしたものにあっては、補強材のクローラ外周側にラグがないことから、走行時において、クローラ本体の、補強材外周側に石等があると、サイド輪が補強材上を転動する際に、サイド輪からの荷重によって、クローラ本体の外周面が石等に接触して、クローラ本体を構成する弾性体が損傷し、これが抗張体又は補強材にまで波及すると、抗張体又は補強材が弾性体から剥離する惧れがあるが、クローラ本体の補強材に対応する位置に、クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置するラグよりも、突出高さの低い第2のラグを設けることにより、クローラ本体8を構成する弾性体の損傷を防止できる。また、第2のラグの突出高さを、接地するラグの突出高さよりも低くすることにより、サイド輪が補強材上を転動する際に、接地面からの反力が転輪に作用するのを防止することができる。
【0032】
また、転輪側からクローラベルトに作用する荷重の荷重分担が、転輪が補強材上を転動する場合は、サイド輪側よりも中央輪側の方が大とされ、転輪が補強材間を転動する場合は、中央輪側よりもサイド輪側の方が大となるように構成されていることにより、転輪が補強材上を転動する際において、サイド輪とクローラ本体との間に咬み込まれた小石等が、クローラ本体内に圧入されるのを防止できる、低振動のクローラ式走行装置を提供できる。
また、サイド輪が転動する転動面の、クローラ周方向で隣り合う補強材間に凸部を設けることにより、サイド輪が、補強材間を転動する場合において、落ち込みがある場合、前記凸部によって、サイド輪の落ち込みを防止することができる。
【0033】
また、駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向外方側にのみ設けられていることにより、クローラ式走行装置を装着した機械の安定性が確保できる。
また、駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向内方側にのみ設けられていることにより、バックホー等において、旋回台を左右に旋回させて横向きで掘削作業等をする場合に、本機側からの荷重を、中央輪を介して補強材で直接受けるので、横向きの作業に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るクローラベルト及び転輪の側面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る転輪正面図及びクローラベルトを外周側からみた図である。
【図3】図2のX−X線矢示断面図である。
【図4】クローラ式走行装置の側面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る転輪正面図及びクローラベルトを外周側からみた図である。
【図6】他の実施の形態に係る転輪及びクローラベルトの正面断面図である。
【図7】本発明と比較例に係るクローラ式走行装置の振動特性についての試験結果の上下振動に関する表及びグラフである。
【図8】本発明と比較例に係るクローラ式走行装置の振動特性についての試験結果の変位に関する表及びグラフである。
【図9】他の実施の形態に係る転輪及びクローラベルトの正面断面図である。
【図10】他の実施の形態に係る転輪及びクローラベルトの正面断面図である。
【図11】他の実施の形態に係るクローラベルトの側面図である。
【図12】他の実施の形態に係る転輪及びクローラベルトの正面断面図である。
【図13】他の実施の形態に係るクローラベルトを外周側からみた図である。
【図14】使用例に係るクローラ式走行装置の正面断面図である。
【図15】使用例に係るクローラ式走行装置の正面断面図である。
【図16】比較例に係るクローラベルト及び転輪の図である。
【符号の説明】
2 駆動輪
3 アイドラ
4 転輪
6 クローラベルト
8 クローラ本体
9 補強材(芯金)
10 ガイド突部
11 ラグ
15 中央輪
16 サイド輪
17 第2のラグ
18 凸部
A クローラ周方向
B 左右方向(クローラ幅方向)
U クローラユニット

Claims (8)

  1. 弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体内に埋設された左右方向の補強材と、クローラ本体の内周側の左右方向中央側に設けられた左右一対のガイド突部と、クローラ本体の外周側に設けられたラグとをクローラ周方向に間隔をおいて設けて主構成されたクローラベルトを備え、このクローラベルトの内周側に配置されていて、左右のガイド突部間を転動する中央輪と、ガイド突部の左右方向外側方を転動するサイド輪とを有する転輪を備えると共に、この転輪のサイド輪が転動する部分に対応するラグを、クローラ周方向で隣り合う補強材間に配置し、転輪側からクローラベルトに作用する荷重の荷重分担が、転輪が補強材上を転動する場合は、サイド輪側よりも中央輪側の方が大とされ、転輪が補強材間を転動する場合は、中央輪側よりもサイド輪側の方が大となるように構成されていることを特徴とするクローラ式走行装置。
  2. ラグがクローラ本体の左右両側にそれぞれ配置されると共に、この左右両側に配置された各ラグがクローラ周方向で隣り合う補強材間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
  3. クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置する左右のラグが、クローラ周方向において千鳥状に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のクローラ式走行装置。
  4. クローラ本体の補強材に対応する位置に、クローラ周方向で隣り合う補強材間に位置するラグよりも、突出高さの低い第2のラグを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクローラ式走行装置。
  5. 中央輪が補強材上にある場合において、クローラ本体のサイド輪転動面と、サイド輪との間に隙間が生じるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクローラ式走行装置。
  6. サイド輪が転動する転動面の、クローラ周方向で隣り合う補強材間に凸部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ式走行装置。
  7. 駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向外方側にのみ設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクローラ式走行装置。
  8. 駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けて主構成されたクローラユニットを左右一対備えてなるクローラ式走行装置であって、転輪のサイド輪がガイド突部の左右方向内方側にのみ設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクローラ式走行装置。
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