JP2009149235A - 弾性履帯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 履帯本体1Aの外周面17と抗張体8との間の弾性材の厚みAと、脱輪防止突起13の履帯幅方向Y外方側の面18と、幅方向補強体7の履帯内周側の面19との延長線上の交点P1から履帯幅方向Y外方側に20mm行ったの位置における、履帯本体1Aの転輪通過面15と芯金7との間の弾性材の厚みCとの関係を、2C≧A≧0.5Cとする。
【選択図】図1
Description
このクローラ式走行装置の弾性履帯として、ゴム様弾性材から無端帯状に形成された履帯本体を備え、この履帯本体内に履帯周方向に間隔をおいて芯金を埋設し、履帯本体の芯金間に形成した係合孔にスプロケットの歯を挿入して係合させることにより、スプロケットから駆動力が伝達されるように構成されているものがある。
また、ラグを履帯周方向に関して芯金間に配置した弾性履帯がある(特許文献1参照)。
また、ラグ10が履帯周方向Xに関して芯金7の位置と同じ位置に設けられたものにあっては、弾性履帯6の芯金7より外周側のゴム厚みが厚いものとなり、耐カット性に優れ、抗張体8への損傷は少ないと共に、履帯周方向Xにおけるラグ10間には芯金7がないので、弾性履帯6が突起物に乗り上げても履帯本体1Aの全体のゴム厚みや抗張体のしなやかさで、応力緩和されるので、外傷が入りにくいことから、履帯本体1Aの外周面に設けられたラグ10が履帯周方向Xに関して芯金7の位置と同じ位置に設けられた弾性履帯6にあっては、図5に示すように、履帯本体1Aの転輪通過面15と芯金7との間のゴム厚みCを、履帯本体1Aの外周面17と抗張体8との間のゴム厚みAよりも大としている。
また、耐久面では有利であるものの、履帯周方向Xに関して芯金7と同じ位置にラグ10があることは、そうでない部分との剛性差が大となり、振動が大となる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、ラグを履帯周方向に関して幅方向補強体間に配置して低振動を確保した弾性履帯において、履帯本体の外周面の耐カットと、履帯本体の内周側の転輪通過面の虫喰い現象とを考慮して弾性材の厚みを設定することにより、製品の重量増を抑えつつ耐久性を確保することができる弾性履帯を提供することを目的とする。
履帯本体の外周面と抗張体との間の弾性材の厚みをAとし、
脱輪防止突起の履帯幅方向外方側の面と、幅方向補強体の履帯内周側の面との延長線上の交点から履帯幅方向外方側に20mm行った位置における、履帯本体の転輪通過面と幅方向補強体との間の弾性材の厚みをCとすると、
2C≧A≧0.5Cとされていることを特徴とする。
また、転輪通過面を、幅方向補強体に対応する部分が履帯内周側に凸となり且つ幅方向補強体間に対応する部分が履帯外周側に凹となる凹凸形状に形成し、この凹凸面の凸部分の頂上点と凹部分の谷底点との履帯厚さ方向に関する距離をLとすると、前記弾性材の厚みCとの関係が、
1/7C<L<1/3Cとされているのがよい。
履帯本体の外周面とラグの履帯周方向一側の面との延長線上の交点と、該ラグの履帯周方向一側の面に履帯周方向で対向するラグの履帯周方向の面と履帯本体の外周面との延長線上の交点との履帯周方向に関する距離をHとすると、
0.45H<G<0.8Hとされているのがよい。
さらに、ラグと幅方向補強体とが履帯周方向で同位置に位置するものであれば、幅方向補強体を転輪が通過するときに、転輪と弾性履帯との間に異物が入り込むと、該異物は転輪と幅方向補強体との間で挟まれ、弾性材内でつぶされ、めり込み、場合によっては、亀裂を生じさせるが、ラグと幅方向補強体とが履帯周方向で同位置に位置しないものであれば、幅方向補強体上を転輪が通過するときに、該転輪は該位置の幅方向補強体の履帯周方向前後のラグに橋架けられた部分に載るような格好となり、履帯本体がラグ間で下方側に向けて凸となる湾曲状に撓んで逃げてくれるので、弾性材に対するダメージは少ない。
そして、履帯本体の外周面と抗張体との間の弾性材の厚みをAとし、
脱輪防止突起の履帯幅方向外方側の面と、幅方向補強体の履帯内周側の面との延長線上の交点から履帯幅方向外方側に20mm行った位置における、履帯本体の転輪通過面と幅方向補強体との間の弾性材の厚みをCとし、AとCとの関係を2C≧A≧0.5Cとすることにより、振動低減を図った弾性履帯における履帯本体の外周面側の耐カット性、内周面側の耐虫喰い性の両方を確保でき、結果として製品の重量増を抑えつつ耐久性を確保することができる弾性履帯を提供することができる。
図3において、1はコンバイン等の農業機械、土木・建設機械、運搬車等の走行体の走行部として採用されるクローラ式走行装置1であり、このクローラ式走行装置1は、本実施の形態のものにあっては、トラックフレーム2と、進行方向(図3の左右方向)前後一側に配置された駆動輪(スプロケット)3と、進行方向前後他側に配置されたアイドラ4と、これら駆動輪3とアイドラ4との間に配置された複数の転輪5と、これら駆動輪3,アイドラ4及び転輪5にわたって巻き掛けられたエンドレス状の弾性履帯6とから主構成されている。
なお、図例の構造のクローラ式走行装置1は一例を示したものであり、走行体又は使用目的等によって構造が異なる。
芯金7は、金属等の硬質材料によって形成されていて、履帯周方向Xに所定間隔をおいて且つ履帯本体1Aの周方向X全周にわたって設けられている。
この芯金7は、履帯本体1Aの幅方向Y(左右方向ともいう)中央側に位置する(埋設された)中央部11と、この中央部11から左右両側に一体的に延出されていて履帯本体1Aの左右側部に位置する(埋設された)翼部12とから主構成され、該芯金7の中央部11には、履帯本体1Aの幅方向Y中央側に位置し且つ履帯内周側に突出する左右一対の脱輪防止突起13が一体形成されている。
前記履帯本体1Aの各芯金7間には駆動輪3の係合歯が挿入される係合孔14が形成され、駆動輪3からの動力が芯金7を介して弾性履帯6に伝達される。
前記転輪5は、左右の両脱輪防止突起13を跨いで配置されて、左右の各脱輪防止突起13の左右方向Y外方側を走行する外ツバタイプの転輪5が採用され、履帯本体1Aの内周面の、芯金翼部12に対応する部分は転輪5の左右の転動部20が転動する転輪通過面15とされている。
補強帯9は、ナイロン等の合成繊維帆布等によって形成され、芯金7の左右各翼部12及び各脱輪防止突起13と左右の抗張体8との間に配置され、且つ履帯本体1Aの周方向X全周にわたるように設けられている。
また、ラグ10は、前記芯金7と履帯周方向Xに関して同じ位置に位置しないように配置されている(各芯金7間に設けられている)。
なお、図1、2に示すラグ10は、履帯本体1Aの左右方向Y中央部から左右両側に延びるように形成されていて、左右方向Yにストレート状に形成されていると共に、履帯周方向X前後の面16が、履帯本体1Aに固着された部分である基部側から履帯外周側に行くに従って、ラグ10の履帯周方向X中央側に移行する傾斜面に形成されている。
前記構成の弾性履帯6にあっては、以下に示すように、弾性履帯6の弾性材の厚み、芯金7の寸法等が設定されている。
履帯本体1Aの外周面17と抗張体8との間の弾性材の厚みをAとし、
脱輪防止突起13の履帯幅方向Y外方側の面18と、幅方向補強体7の履帯内周側の面19との延長線上の交点P1から履帯幅方向Y外方側に20mm行った(交点P1から履帯幅方向Y外方側に20mmの距離K離れた)位置における、履帯本体1Aの転輪通過面15と芯金7との間の弾性材の厚みをCとすると、
2C≧A≧0.5Cとなるように構成している。
また、芯金7の、転輪通過面15における履帯周方向Xの幅Gを、ラグ10の履帯周方向Xの1ピッチSの30〜55%(0.3S≦G≦0.55S)の寸法に形成している。
これにより、軽量化を図れ、コストダウンとなる。
また、転輪通過面15における芯金7の履帯周方向Xの幅をGとし、
履帯本体1Aの外周面17とラグ10の履帯周方向X一側の面16との延長線上の交点P2と、前記ラグ10の履帯周方向X一側の面16に履帯周方向Xで対向するラグ10の履帯周方向Xの面16と履帯本体1Aの外周面17との延長線上の交点P3との履帯周方向Xに関する距離をHとすると、
0.45H<G<0.8Hとなるように構成している。
また、Gの数値が0.3H以下になると、芯金7とラグ10との履帯周方向Xに関する間隔が広がり過ぎて、転輪通過時に転輪5が落ち込み振動が大となる。
また、図4は弾性履帯6の他の実施形態を示し、この実施形態における弾性履帯6にあっては、前述した図1〜図3に示す実施形態と異なる点を説明し、同じ部分については説明を省略する。
この凹凸面の凸部分15Aの頂上点と凹部分15Bの谷底点との履帯厚さ方向Wに関する距離Lは、前記弾性材の厚みCに対して、
1/7C<L<1/3Cとなるように構成されている。
このように転輪通過面15を凹凸形状にすることにより、弾性履帯6の縦剛性差がさらに緩和され、振動低減を図ることができる。
下記の表1は、従来品に係る弾性履帯と、比較例に係る弾性履帯と、実施例に係る弾性履帯との、加速度,変位を比較した試験結果を示したものである。
試験は、所定長さの、有端で且つ平坦状に形成された弾性履帯を、ラグを下にして床面等に載置し、この弾性履帯に対して転輪から一定の荷重を加えながら、該転輪を弾性履帯上の一端側から他端側へと転動させ、転輪の回転支軸付近の振動加速度と、転輪の上下方向の変位とを測定器で測定することで行った。
5 転輪
7 幅方向補強体(芯金)
8 抗張体
10 ラグ
13 脱輪防止突起
15 転輪転動面
15A 転輪通過面の、幅方向補強体に対応する部分
15B 転輪通過面の、幅方向補強体間に対応する部分
16 ラグの履帯周方向一側の面
17 履帯本体の外周面
18 脱輪防止突起の履帯幅方向外方側の面
19 幅方向補強体の履帯内周側の面
A 履帯本体の外周面と抗張体との間の弾性材の厚み
C 脱輪防止突起の履帯幅方向外方側の面と、幅方向補強体の履帯内周側の面との延長線上の交点から履帯幅方向外方側に20mm行った位置における、履帯本体の転輪通過面と幅方向補強体との間の弾性材の厚み
G 幅方向補強体の、転輪通過面における履帯周方向の幅
H 履帯本体の外周面とラグの履帯周方向一側の面との延長線上の交点と、前記ラグの履帯周方向一側の面に履帯周方向で対向するラグの履帯周方向の面と履帯本体の外周面との延長線上の交点との履帯周方向の距離
L 転輪通過面を凹凸面とした場合における凸部分の頂上点と凹部分の谷底点との履帯厚さ方向に関する距離
S ラグの履帯周方向の1ピッチ
X 履帯周方向
Y 履帯幅方向
Claims (4)
- ゴム様弾性材によって無端帯状に形成された履帯本体(1A)内に、履帯周方向(X)に間隔をおいて且つ履帯周方向(X)にわたって配置された幅方向補強体(7)と、この幅方向補強体(7)より履帯外周側に配置され且つ履帯周方向(X)にわたって設けられた抗張体(8)とを埋設し、履帯本体(1A)の外周面側に、履帯周方向(X)に間隔をおいて且つ履帯周方向(X)にわたって配置されると共に前記幅方向補強体(7)と履帯周方向(X)に関して同じ位置に位置しないように配置されたラグ(10)を備え、履帯本体(1A)の幅方向(Y)中央側には、幅方向補強体(7)から履帯本体(1A)の内周側に突出する左右一対の脱輪防止突起(13)が設けられ、この左右各脱輪防止突起(13)の履帯幅方向(Y)外側方が、転輪(5)が転動する転輪通過面(15)とされた弾性履帯において、
履帯本体(1A)の外周面(17)と抗張体(8)との間の弾性材の厚みをAとし、
脱輪防止突起(13)の履帯幅方向(Y)外方側の面(18)と、幅方向補強体(7)の履帯内周側の面(19)との延長線上の交点(P1)から履帯幅方向(Y)外方側に20mm行った位置における、履帯本体(1A)の転輪通過面(15)と幅方向補強体(7)との間の弾性材の厚みをCとすると、
2C≧A≧0.5Cとされていることを特徴とする弾性履帯。 - 幅方向補強体(7)の、転輪通過面(15)における履帯周方向(X)の幅(G)を、ラグ(10)の履帯周方向(X)の1ピッチ(S)の30〜55%の寸法に形成したことを特徴とする請求項1に記載の弾性履帯。
- 転輪通過面(15)を、幅方向補強体(7)に対応する部分(15A)が履帯内周側に凸となり且つ幅方向補強体(7)間に対応する部分(15B)が履帯外周側に凹となる凹凸形状に形成し、この凹凸面の凸部分(15A)の頂上点と凹部分(15B)の谷底点との履帯厚さ方向(W)に関する距離をLとすると、前記弾性材の厚みCとの関係が、
1/7C<L<1/3Cとされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性履帯。 - 転輪通過面(15)における幅方向補強体(7)の履帯周方向(X)の幅をGとし、
履帯本体(1A)の外周面(17)とラグ(10)の履帯周方向(X)一側の面(16)との延長線上の交点(P2)と、該ラグ(10)の履帯周方向(X)一側の面(16)に履帯周方向(X)で対向するラグ(10)の履帯周方向(X)の面(16)と履帯本体(1A)の外周面(17)との延長線上の交点(P3)との履帯周方向(X)に関する距離をHとすると、
0.45H<G<0.8Hとされていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の弾性履帯。
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- 2007-12-21 JP JP2007330211A patent/JP2009149235A/ja active Pending
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