JP2004267968A - 脱硝触媒の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用済排煙脱硝触媒を洗浄して触媒性能を回復させた場合でも、少なくとも洗浄前の耐摩耗強度を維持させることができる脱硝触媒の再生方法を提供する。
【解決手段】少なくとも酸化チタンを含有する使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液を用いて洗浄する脱硝触媒の再生方法であって、該洗浄後の脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることを特徴とする脱硝触媒の再生方法。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも酸化チタンを含有する使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液を用いて洗浄する脱硝触媒の再生方法であって、該洗浄後の脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることを特徴とする脱硝触媒の再生方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脱硝触媒の再生方法に関し、さらに詳しくは使用済排煙脱硝触媒を強度の低下を生じさせることなく再生させることができる脱硝触媒の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物の発生量を低減することが求められており、脱硝触媒が使用済となった場合でもこれを再利用する必要が生じている。例えば、石炭や重油を燃料としたボイラ排ガスの排ガス脱硝触媒では、排ガス中に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属、砒素化合物などの触媒毒により経時的な脱硝性能の低下が発生する。これらの毒物質は、使用済触媒を洗浄することにより除去することが可能であり、性能が低下した使用済触媒を水、硫酸、蓚酸、アンモニア、硫酸塩などの溶液またはこれらを組み合わせた溶液で洗浄し、毒物質を除去して脱硝触媒の性能を回復させる方法が提案されている(例えば、特許文献1および2)。
しかし、脱硝触媒を洗浄することにより、触媒粒子間に付着していたシリカ、アルミナなどの触媒毒ではない物質も同時に除去されるため、触媒内部の空隙が大きくなり、機械的強度が低下し、その結果、脱硝性能の回復度に反比例して触媒体の曲げ強度、引張り強度、耐摩耗強度などが低下するという問題があった。
特に石炭焚ボイラの排ガスに使用される脱硝触媒の場合、触媒を洗浄しすぎると耐摩耗強度が低下し、使用不能になる場合もある。このように従来の技術では再生触媒の強度低下という点に関して対策がなされていないのが現状である。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−37634号公報
【特許文献2】
特開2000−37635号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、使用済排煙脱硝触媒を洗浄して触媒性能を回復させた場合でも、少なくとも洗浄前の耐摩耗強度を維持させることができる脱硝触媒の再生方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、水、酸またはアルカリ溶液に浸漬して洗浄した後の使用済触媒に、硫酸アルミニウム溶液等を含浸させることにより、触媒活性の回復を阻害することなく、脱硝触媒の耐摩耗強度の低下を抑制できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)少なくとも酸化チタンを含有する使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液を用いて洗浄する脱硝触媒の再生方法であって、該洗浄後の脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることを特徴とする脱硝触媒の再生方法。
【0006】
【作用】
長時間排ガス中で使用した使用済脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液に浸漬すると、該触媒の脱硝活性が回復し、脱硝性能が上昇する。これは、使用済脱硝触媒の表面を覆っていた触媒毒や灰成分が除去されるためであるが、他方、触媒の密度や触媒粒子同士の結合力も低下するため触媒強度が低下する。
本発明の再生方法によれば、触媒活性を回復させた後の、触媒強度が低下した脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることにより、触媒性能を低下させることなく、触媒強度の低下を防止することができる。この理由は、硫酸アルミニウムが無機バインダーとして、触媒内部の触媒粒子同士を結合しているためと考えられる。なお、硫酸アルミニウム溶液等の代わりに、シリカゾルのような無機粒子のゾルを使用済触媒に含浸させると、触媒強度は高くなるものの、ゾルが細孔内部まで浸透できず、触媒表層部を重点的に被服してしまうため、硫酸アルミニウム溶液等を含浸させた場合に比べ、触媒性能の低下が大きくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の再生方法では、まず、使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液に浸漬して洗浄が行われる。この洗浄は水、酸またはアルカリ溶液のいずれか一の溶液で行えばよいが、アルカリ溶液に浸漬した後、さらに酸溶液に浸漬するなどのように2種類以上の溶液を組み合わせても用いてもよい。これらの溶液への使用済触媒の浸漬時間や酸またはアルカリの濃度は、使用済触媒の触媒性能の低下の程度や回復させる性能の程度等に応じて適宜選定するのが好ましい。
次に、洗浄後の脱硝触媒に硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させる。洗浄後の脱硝触媒の強度は、硫酸アルミニウムの担持量を多くするほど向上するが、硫酸アルミニウムの担持量が多くなると、触媒性能の低下が生じ易くなる。この場合には硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合液液を含浸させることにより、触媒活性の低下を防止することができる。
【0008】
脱硝触媒への硫酸アルミニウムの含浸担持量は、触媒の強度低下防止および触媒の活性低下防止の点から20重量%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。また硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を使用する場合には、硫酸バナジルの含浸担持量は、触媒の強度低下防止および触媒の活性低下防止の点から10重量%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜8重量%である。
脱硝触媒への硫酸アルミニウム溶液等の含浸は、必ずしも触媒全体に対して行う必要はなく、例えば、摩耗し易い触媒体の排ガス入口部分のみに含浸させるようにしてもよい。
また本発明の再生方法は、少なくともチタンを含有する使用済排煙脱硝触媒に好適に適用される。チタンを含有する脱硝触媒は石炭や重油を燃料としたボイラなどから発生する燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去するのに好適に用いられる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
使用済排煙脱硝触媒として、石炭焚ボイラで使用して脱硝性能が劣化した脱硝触媒サンプル(SUS304製のラス板を基材にした板状触媒)を用いた。この触媒成分のTi/Mo/Vモル比は90/10/2であった。
使用済排煙脱硝触媒を水に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥し、次いで10重量%の硫酸アルミニウム水溶液に2分浸漬した。その後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は1重量%であった。
【0010】
実施例2
実施例1において、使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した以外は実施例1と同様にして洗浄および硫酸アミニウムの含浸を行って再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は1重量%であった。
【0011】
実施例3
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥し、次いで30重量%の硫酸アルミニウムと5重量%の硫酸バナジルを含んだ水溶液に2分浸漬した。その後、液切りして450℃で焼成して再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は3重量%であった。
【0012】
比較例1
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を水に1時間戦績した後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。
【0013】
比較例2
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。
【0014】
〔試験例〕
無処理の使用済排煙脱硝触媒と、実施例1〜3および比較例1〜2で得られたそれぞれの再生脱硝触媒の脱硝率および耐摩耗強度を測定した。
脱硝率は、NO:200ppm、NH3 :240ppm、SO2 :500ppm、SO3 :50ppm、CO2 :12%、H2 O:12%、O2 :3%、N2 :バランスからなるガス組成および反応温度350℃で脱硝試験を行って算出した。
また耐摩耗強度は、鋼鉄製グリット6kgを高さ50cmから自然落下させ、触媒平面に対し、角度45°で衝突させ、そのときの摩耗減量で評価した。
【0015】
無処理の使用済触媒の脱硝率および摩耗減量の測定結果を100とした相対値で各再生触媒の性能を表1に示した。
表1から、実施例および比較例で得られたいずれの再生脱硝触媒も、無処理の使用済排煙脱硝触媒の脱硝率に比べて高い脱硝率を示しているが、実施例1〜3で得られた再生脱硝触媒の摩耗減量は無処理の使用済排煙脱硝触媒と同等かそれ以下であるのに対し、比較例1〜2の再生脱硝触媒では摩耗減量が増大しているがわかる。これにより、本発明の方法で再生された触媒では摩耗強度の低下を防止しつつ脱硝率の回復が可能であることが確認された。また硫酸アルミニウムの含浸担持量を増やすことにより、脱硝率の低下を生じさせることなく、触媒の耐摩耗強度を無処理のものよりもさらに向上することがわかる。また硫酸アルミニウムと硫酸バナジルを併用する方が硫酸アルミニウムの単独使用よりも耐摩耗強度がより増大できることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明の再生方法によれば、使用済排煙脱硝触媒を耐摩耗強度を低下させることなく、脱硝率を回復させることができるため、使用済触媒を破棄することなく、再利用することができ、産業廃棄物を削減することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は脱硝触媒の再生方法に関し、さらに詳しくは使用済排煙脱硝触媒を強度の低下を生じさせることなく再生させることができる脱硝触媒の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物の発生量を低減することが求められており、脱硝触媒が使用済となった場合でもこれを再利用する必要が生じている。例えば、石炭や重油を燃料としたボイラ排ガスの排ガス脱硝触媒では、排ガス中に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属、砒素化合物などの触媒毒により経時的な脱硝性能の低下が発生する。これらの毒物質は、使用済触媒を洗浄することにより除去することが可能であり、性能が低下した使用済触媒を水、硫酸、蓚酸、アンモニア、硫酸塩などの溶液またはこれらを組み合わせた溶液で洗浄し、毒物質を除去して脱硝触媒の性能を回復させる方法が提案されている(例えば、特許文献1および2)。
しかし、脱硝触媒を洗浄することにより、触媒粒子間に付着していたシリカ、アルミナなどの触媒毒ではない物質も同時に除去されるため、触媒内部の空隙が大きくなり、機械的強度が低下し、その結果、脱硝性能の回復度に反比例して触媒体の曲げ強度、引張り強度、耐摩耗強度などが低下するという問題があった。
特に石炭焚ボイラの排ガスに使用される脱硝触媒の場合、触媒を洗浄しすぎると耐摩耗強度が低下し、使用不能になる場合もある。このように従来の技術では再生触媒の強度低下という点に関して対策がなされていないのが現状である。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−37634号公報
【特許文献2】
特開2000−37635号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、使用済排煙脱硝触媒を洗浄して触媒性能を回復させた場合でも、少なくとも洗浄前の耐摩耗強度を維持させることができる脱硝触媒の再生方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、水、酸またはアルカリ溶液に浸漬して洗浄した後の使用済触媒に、硫酸アルミニウム溶液等を含浸させることにより、触媒活性の回復を阻害することなく、脱硝触媒の耐摩耗強度の低下を抑制できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)少なくとも酸化チタンを含有する使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液を用いて洗浄する脱硝触媒の再生方法であって、該洗浄後の脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることを特徴とする脱硝触媒の再生方法。
【0006】
【作用】
長時間排ガス中で使用した使用済脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液に浸漬すると、該触媒の脱硝活性が回復し、脱硝性能が上昇する。これは、使用済脱硝触媒の表面を覆っていた触媒毒や灰成分が除去されるためであるが、他方、触媒の密度や触媒粒子同士の結合力も低下するため触媒強度が低下する。
本発明の再生方法によれば、触媒活性を回復させた後の、触媒強度が低下した脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることにより、触媒性能を低下させることなく、触媒強度の低下を防止することができる。この理由は、硫酸アルミニウムが無機バインダーとして、触媒内部の触媒粒子同士を結合しているためと考えられる。なお、硫酸アルミニウム溶液等の代わりに、シリカゾルのような無機粒子のゾルを使用済触媒に含浸させると、触媒強度は高くなるものの、ゾルが細孔内部まで浸透できず、触媒表層部を重点的に被服してしまうため、硫酸アルミニウム溶液等を含浸させた場合に比べ、触媒性能の低下が大きくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の再生方法では、まず、使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液に浸漬して洗浄が行われる。この洗浄は水、酸またはアルカリ溶液のいずれか一の溶液で行えばよいが、アルカリ溶液に浸漬した後、さらに酸溶液に浸漬するなどのように2種類以上の溶液を組み合わせても用いてもよい。これらの溶液への使用済触媒の浸漬時間や酸またはアルカリの濃度は、使用済触媒の触媒性能の低下の程度や回復させる性能の程度等に応じて適宜選定するのが好ましい。
次に、洗浄後の脱硝触媒に硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させる。洗浄後の脱硝触媒の強度は、硫酸アルミニウムの担持量を多くするほど向上するが、硫酸アルミニウムの担持量が多くなると、触媒性能の低下が生じ易くなる。この場合には硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合液液を含浸させることにより、触媒活性の低下を防止することができる。
【0008】
脱硝触媒への硫酸アルミニウムの含浸担持量は、触媒の強度低下防止および触媒の活性低下防止の点から20重量%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。また硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を使用する場合には、硫酸バナジルの含浸担持量は、触媒の強度低下防止および触媒の活性低下防止の点から10重量%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜8重量%である。
脱硝触媒への硫酸アルミニウム溶液等の含浸は、必ずしも触媒全体に対して行う必要はなく、例えば、摩耗し易い触媒体の排ガス入口部分のみに含浸させるようにしてもよい。
また本発明の再生方法は、少なくともチタンを含有する使用済排煙脱硝触媒に好適に適用される。チタンを含有する脱硝触媒は石炭や重油を燃料としたボイラなどから発生する燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去するのに好適に用いられる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
使用済排煙脱硝触媒として、石炭焚ボイラで使用して脱硝性能が劣化した脱硝触媒サンプル(SUS304製のラス板を基材にした板状触媒)を用いた。この触媒成分のTi/Mo/Vモル比は90/10/2であった。
使用済排煙脱硝触媒を水に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥し、次いで10重量%の硫酸アルミニウム水溶液に2分浸漬した。その後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は1重量%であった。
【0010】
実施例2
実施例1において、使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した以外は実施例1と同様にして洗浄および硫酸アミニウムの含浸を行って再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は1重量%であった。
【0011】
実施例3
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥し、次いで30重量%の硫酸アルミニウムと5重量%の硫酸バナジルを含んだ水溶液に2分浸漬した。その後、液切りして450℃で焼成して再生脱硝触媒を得た。再生脱硝触媒の硫酸アルミニウムの推定担持量は3重量%であった。
【0012】
比較例1
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を水に1時間戦績した後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。
【0013】
比較例2
実施例1と同様の使用済排煙脱硝触媒を1N硫酸に1時間浸漬した後、液切りして150℃で乾燥させて再生脱硝触媒を得た。
【0014】
〔試験例〕
無処理の使用済排煙脱硝触媒と、実施例1〜3および比較例1〜2で得られたそれぞれの再生脱硝触媒の脱硝率および耐摩耗強度を測定した。
脱硝率は、NO:200ppm、NH3 :240ppm、SO2 :500ppm、SO3 :50ppm、CO2 :12%、H2 O:12%、O2 :3%、N2 :バランスからなるガス組成および反応温度350℃で脱硝試験を行って算出した。
また耐摩耗強度は、鋼鉄製グリット6kgを高さ50cmから自然落下させ、触媒平面に対し、角度45°で衝突させ、そのときの摩耗減量で評価した。
【0015】
無処理の使用済触媒の脱硝率および摩耗減量の測定結果を100とした相対値で各再生触媒の性能を表1に示した。
表1から、実施例および比較例で得られたいずれの再生脱硝触媒も、無処理の使用済排煙脱硝触媒の脱硝率に比べて高い脱硝率を示しているが、実施例1〜3で得られた再生脱硝触媒の摩耗減量は無処理の使用済排煙脱硝触媒と同等かそれ以下であるのに対し、比較例1〜2の再生脱硝触媒では摩耗減量が増大しているがわかる。これにより、本発明の方法で再生された触媒では摩耗強度の低下を防止しつつ脱硝率の回復が可能であることが確認された。また硫酸アルミニウムの含浸担持量を増やすことにより、脱硝率の低下を生じさせることなく、触媒の耐摩耗強度を無処理のものよりもさらに向上することがわかる。また硫酸アルミニウムと硫酸バナジルを併用する方が硫酸アルミニウムの単独使用よりも耐摩耗強度がより増大できることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明の再生方法によれば、使用済排煙脱硝触媒を耐摩耗強度を低下させることなく、脱硝率を回復させることができるため、使用済触媒を破棄することなく、再利用することができ、産業廃棄物を削減することができる。
Claims (1)
- 少なくとも酸化チタンを含有する使用済排煙脱硝触媒を水、酸またはアルカリ溶液を用いて洗浄する脱硝触媒の再生方法であって、該洗浄後の脱硝触媒に、硫酸アルミニウム溶液または硫酸バナジルと硫酸アルミニウムの混合溶液を含浸させることを特徴とする脱硝触媒の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003065161A JP2004267968A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 脱硝触媒の再生方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003065161A JP2004267968A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 脱硝触媒の再生方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=33126256
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---|---|
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009101300A (ja) * | 2007-10-24 | 2009-05-14 | Babcock Hitachi Kk | 使用済脱硝触媒の再生法 |
JP2009142734A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-02 | Babcock Hitachi Kk | 使用済脱硝触媒の再生方法 |
JP2011098294A (ja) * | 2009-11-06 | 2011-05-19 | Babcock Hitachi Kk | 脱硝触媒の再生方法 |
JP2012139665A (ja) * | 2011-01-06 | 2012-07-26 | Babcock Hitachi Kk | 脱硝触媒及びその再生法 |
JP2012210599A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Babcock Hitachi Kk | 使用済脱硝触媒の再生方法 |
JP2014008480A (ja) * | 2012-07-02 | 2014-01-20 | Babcock-Hitachi Co Ltd | 使用済み脱硝触媒の再生方法 |
-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003065161A patent/JP2004267968A/ja active Pending
Cited By (6)
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