JP2004267656A - 下肢水浴装置 - Google Patents

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Yumiko Katsukawa
由美子 勝川
Hirotomo Suyama
博友 須山
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Chihiro Kobayashi
千尋 小林
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Abstract

【課題】湯水を浴びる者の下肢形状の相違を考慮しつつ、飛散湯水の装置外部への漏出を防止することを目的とする。
【解決手段】下肢水浴装置10は、上部20を覆う前カバー21および後カバー22に、下肢を取り囲む形状の開口27L,27Rを備える。この開口27L,27R内には、開口27L,27Rの中心付近に穴部25L,25Rを有するゴム部材23L,24L,ゴム部材23R,24Rが設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下肢に水を浴びせる下肢水浴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、足裏に水を噴射して足裏をマッサージする足裏水圧マッサージ器や下肢の患部に温水を噴射して温熱治療を実現する温熱治療用シャワー装置が提案されていた(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。これらの装置では、噴射された水や温水の飛散を防止するために、噴射位置の上方にカバーや覆い手段を設けていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−111049号公報
【特許文献2】
特開平11−197204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の装置では、カバーや覆い手段と噴射対象である下肢との間に隙間が生じるため、足裏や下肢に当たって飛散した水や温水(以下、飛散湯水という)が装置外部に漏出して意に反した箇所にかかってしまうおそれがあり、こうした隙間からの飛散湯水の漏出について改善の余地が残されていた。また、上記従来の装置では、カバーや覆い手段の形状が画一的であるのに対し、足のサイズや下肢の形状は様々であることから、上記隙間に広狭が生じる。このため、特に隙間が大きくなったような場合にあっては、飛散湯水の装置外部への漏出が起き易くなるという難点があった。
【0005】
そこで、本発明は、湯水を浴びる者の下肢形状の相違を考慮しつつ、飛散湯水の装置外部への漏出を防止することを目的として、以下の構成を採った。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の下肢水浴装置は、
下肢に湯水を浴びせる下肢水浴装置であって、
足が載せられる足置き台と、
水浴対象となる下肢部分の存在範囲を、前記足置き台を含んで取り囲む本体と、
該本体内において湯水を飛水するノズルと、
該ノズルに前記湯水を給水する給水機構とを有し、
前記本体における天井壁箇所には、前記足置き台に足が載せられた状態の下肢を取り囲む範囲に、開口が形成されており、
該開口を絞る絞り手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
上記構成の下肢水浴装置では、本体における天井壁箇所の、足置き台に足が載せられた状態の下肢を取り囲む範囲には、開口が形成されており、この開口を絞る絞り手段を備える。こうした絞り手段によって開口が絞られる結果、その開口を下肢形状に応じた形状とすることが可能となり、開口と下肢との間に生じる隙間は下肢形状の相違に拘らず小さくなる。従って、飛散湯水の装置外部への漏出の防止効果が高まる。
【0008】
上記の絞り手段を、開口内に設けられた弾性部材とすることも好適である。弾性部材は、外から力を加えることによって変形し、その力を取り除くことによって元の形に戻ろうとする性質を有する部材である。こうすれば、弾性部材は、水浴対象となる下肢部分が本体内に配置されることによって弾性変形し、該弾性変形によって生じる弾性力によって下肢に密着する。従って、飛散湯水の装置外部への漏出を簡便な手法で防止することができる。
【0009】
上記の絞り手段を、開口内に設けられた可撓性部材の撓みを利用して開口を絞る手段とすることもできる。可撓性部材は、折り曲げるような力がかかっても壊れない性質を有する部材である。
【0010】
体における天井壁箇所の少なくとも一部が、開閉可能なカバー部材で形成されることも、本体内部のメンテナンスが容易となる点で望ましい。また、カバー部材の端部を切り欠くことにより下肢を取り囲む開口を形成してもよい。こうすれば、使用者は、水浴対象となる下肢部分を、カバー部材を開けた状態で本体内に配置することが可能となる。こうした配置後にカバー部材が閉止されると、下肢はカバー部材の端部に形成された開口に取り囲まれ、この開口が絞り手段によって絞られる。従って、飛散湯水の装置外部への漏出の防止を、本体内に下肢部分を配置し易い構造で実現することができる。
【0011】
足置き台に足が載せられた状態を検出してノズルからの湯水の吐水を開始する吐水開始手段を備えることも好適である。こうすれば、本体内に下肢が入っていないときに吐水されてしまうことを防止することができる。
【0012】
足置き台から足が離れた状態を検出してノズルからの湯水の吐水を停止する吐水停止手段を備えることも好ましい。こうすれば、使用者は、下肢部分に湯水を浴びること(以下、足浴という)を止める際に煩雑な操作が不要となる。また、足置き台から足を離した後に吐水が不要に継続されることが防止される。
【0013】
カバー部材の開閉状態を検出する状態検出手段と、該状態検出手段によりカバー部材の開状態が検出されたとき、ノズルからの湯水の吐水を禁止する禁止手段とを備えることも望ましい。こうすれば、カバー部材が開状態のときにノズルから湯水が吐水され、湯水が装置外部に出てしまうことを防止することができる。
【0014】
本体における天井壁箇所の少なくとも一部に透明部材を用いることも、足置き台への足の配置状態やノズルからの吐水状態を装置外部から視認することが可能となる点で好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(1)実施例:
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は本実施例の下肢水浴装置10の概略構成を示す説明図、図2はこの下肢水浴装置10における湯水の吐水の様子を示す説明図である。
【0016】
図示するように、下肢水浴装置10は、ゴム足15付きの本体12を備える。この本体12は、足を含む下肢を収納可能な空間を有する上部20と、吐水のための各種の機能部を収納可能な空間を有する下部30を備える。下肢水浴装置10は、上部20内に収納された下肢に吐水ノズル40から吐水された湯水を浴びせる装置である。
【0017】
本体12の天井壁は、上部20内の空間を覆う前カバー21と後カバー22とによって構成されている。前カバー21,後カバー22は、それぞれ、上部20の上端部の前端,後端に、開閉可能に軸着されている。なお、図示しないが、上部20には、閉じられた前カバー21ないし後カバー22を閉止状態に保持するストッパが装着されている。
【0018】
前カバー21および後カバー22は、いずれも透明度の高い部材で形成されている。従って、使用者は、前カバー21,後カバー22によって覆われた下肢部分の状態(例えば、足置き台50への足の配置状態や吐水ノズル40からの吐水状態)を装置10の外部から視認することができる。
【0019】
前カバー21,後カバー22は、閉止状態において互いに向き合う側端面21t,側端面22tを備える。この側端面21t,側端面22tには、それぞれ、マグネットスイッチ21a,マグネットスイッチ22aが埋め込まれている。このマグネットスイッチ21aとマグネットスイッチ22aは、前カバー21および後カバー22が閉止されたときに対向する。
【0020】
マグネットスイッチ22aは、後述する制御装置64に電気的に接続されており、マグネットスイッチ21aと対向しない状態(前カバー21および後カバー22が閉止されていない状態)において制御装置64にオフ信号を出力し、マグネットスイッチ21aと対向する状態(前カバー21および後カバー22が閉止されている状態)において制御装置64にオン信号を出力する(図6を参照)。
【0021】
側端面21tと側端面22tとが向き合った箇所には略円形の開口27L,27Rが設けられている。この開口27L,27Rは、前カバー21の側端面21tの2箇所,後カバー22の側端面21tの2箇所を、それぞれ半円状に切り欠いた形状とすることにより形成されている。各開口27L,27Rは、図2に示すように、足置き台50に足が載せられた状態の下肢を取り囲む形状で形成されている。
【0022】
こうした各開口27L,27R内には、弾性部材としてのゴム部材23L,24L,ゴム部材23R,24Rが設けられている。ゴム部材23L,23Rは、前カバー21の裏面に装着されており、ゴム部材24L,24Rは後カバー22の裏面に装着されている。本実施例では、上記のゴム部材23L,24L,23R,24Rが、特許請求の範囲における「絞り手段」ないし「弾性部材」に相当する。
【0023】
後カバー22を閉止した後に前カバー21を閉止すると、開口27L,27R内には、ゴム部材23L,23Rとゴム部材24L,24Rとが重なる部分(以下、重合部DL,DRという)が形成される。また、開口27Lの中心部,開口27Rの中心部には、ゴム部材23L,24L,ゴム部材23R,24Rが存在しない空隙部分である穴部25L,25Rが形成される。
【0024】
図2に示すように、上部20の内部底面には足置き台50が設けられている。足置き台50は、両足が載せられる上面板54を備える。上面板54の中央部には、足の裏を指向して湯水を吐水する吐水ノズル40からの湯水を通過させる貫通穴51が形成されている。
【0025】
足置き台50の拡大断面を図3に示した。図3に示すように、上面板54には小径の孔53が多数形成されている。この多数の孔53により、上面板54の表面における湯水の滞留を抑制することができる。
【0026】
図3に示すように、上面板54の表面には、足の固有箇所である踵を案内する踵凹所50aが形成されている。よって、本装置の使用者が足置き台50に足を載せたとき、足の踵は、踵凹所50aに案内されてこの踵凹所50aに入り込む。これにより、足置き台50上の足の位置が踵を基準として定まる。
【0027】
上面板54の裏面には、踵凹所50aの形成位置に対応する位置に、樹脂モールドされた足裏センサ52が設置されている。この足裏センサ52は、圧力検出素子をマトリックス状に配設して構成され、後述する制御装置64に電気的に接続されている。足裏センサ52は、非押圧状態では制御装置64にオフ信号を出力し、踵凹所50aへの荷重による押圧によって制御装置64にオン信号を出力する。
【0028】
なお、上記の上部20,前カバー21,後カバー22,足置き台50を、片足のみの収納や載置が可能に構成することも可能である。また、本実施例では、足置き台50を上部20の内部底面と一体として形成したが、メンテナンス性を考慮して足置き台50を着脱可能に構成しても差し支えない。
【0029】
図2に戻って説明する。図2に示すように、下肢水浴装置10は、上部20内に、足置き台50に載置された足に湯水を浴びせかける吐水ノズル40を備える。吐水ノズル40は、足置き台50に載置された足の各部(裏,指,爪,くるぶし、甲、かかと、足首等)を指向して湯水が吐水されるように、上部20の内部に多数設置されている。このうち、図2では、上部20と下部30との間に設置固定され、上部20の内底から足置き台50に載置された足の裏を指向して湯水を吐水する吐水ノズル40を、代表例として示している。この代表例としての吐水ノズル40から吐水された湯水は、足置き台50に形成された貫通穴51を通過して、足裏の所定の箇所(例えば、つぼ)に到達する。
【0030】
吐水ノズル40から吐水されて上部20内に飛散した湯水(以下、飛散湯水という)は、排水孔28を通って装置10の外部に排出される。これにより、上部20内に飛散湯水が滞留して吐水ノズル40が水没してしまうといった事態を有効に防止することができる。本実施例において、排水孔28は、上部20の内底面から下部30の底面までを貫通することによって形成されている。また、上部20の内底面には、飛散湯水が排水孔28にスムーズに流れていくように、排水孔28に向かう傾斜が付与されている。なお、吐水ノズル40を水没に耐え得る構造とした場合には、排水孔28への装着によって排水孔28を塞ぐ栓を別途用意してもよい。この栓を装着することにより、吐水ノズル40から吐水された湯水を上部20内に溜めて下肢を湯水に浸すことができる。
【0031】
ここで、吐水ノズル40の構造について説明する。図4は吐水ノズル40とその作動の様子を説明する説明図である。図示するように、吐水ノズル40は、ノズルブロック41に湯水が流入する流入室42を備え、この流入室42にノズル体44を傾斜姿勢を採るように組み込んで備える。ノズル体44は、流入室42に流入した湯水をその側面から内部に導き入れ、先端側に有底で形成された吐水孔45から湯水を吐水する。
【0032】
流入室42にその偏心流路から図中矢印で示すように湯水が流入すると、流入室42では、旋回流が生じる。この旋回流は、流入室42内に位置するノズル体44にこれを旋回させる力を及ぼす。ノズル体44は、その先端側が開口46に僅かな遊びを持って挿入支持され、上記したように傾斜姿勢を採ることから、開口46による支持箇所を中心に傾斜姿勢で旋回する。ところで、ノズル体44の先端側は、流入室42においてガイド部48でも案内される。このガイド部48は、円形状の中ぐり孔であり、傾斜姿勢のノズル体44の先端外壁と接触する。ノズル体44は、上記の旋回流により傾斜姿勢のまま旋回しようとするが、その動きは、ノズル体先端とガイド部内壁との接触箇所Xで制限される。この接触箇所Xはガイド部形状の円弧に沿って移動するので、ノズル体44は、そのノズル先端開口をガイド部形状の円弧に倣った円軌跡で移動させ(旋回させ)、こうした動きを起こしつつ吐水孔45から湯水を吐水する。従って、傾斜して旋回しつつノズル体44から吐水された湯水は、略円形状に足裏等に着水することになる。なお、こうした着水形状(本実施例では略円形状)は、ガイド部48の中ぐり孔形状を変更することで種々のものとでき、例えば、ガイド部48を楕円形状とすれば、ノズル体44からの湯水の着水形状を略楕円形とすることができる。
【0033】
このように下肢水浴装置10では、略円形状に旋回された状態で湯水を吐水する吐水ノズル40を用いたので、吐水される湯水の量が少量でも足に十分な刺激感を与えることが可能となる。従って、ノズル吐水用の湯水を効率的に使うことができる。
【0034】
図2に戻って、下部30に収納された各種の機能部について説明する。図2に示すように、下部30内には、吐水ノズル40に湯水を送り込む電動ポンプ60と、電動ポンプ60の給水孔に接続された給水管63と、電動ポンプ60の吐水孔と吐水ノズル40の給水孔とを接続する可撓管61とが収納されている。給水管63は装置10の外部に持ち出されており、この給水管63に水道管や給湯管等の一次側配管が接続される。これにより、給水管63から電動ポンプ60に湯水が供給され、供給された湯水は電動ポンプ60の動作によって吐水ノズル40に圧送される。
【0035】
上部20と下部30との間には、上部20内や下部30内の収納空間から独立した空間として収納室38が形成されており、この収納室38には制御装置64が収納されており、この制御装置64の出力側には電動ポンプ60が接続されている。制御装置64は、電動ポンプ60に対してポンプの駆動パターンを指示することにより電動ポンプ60の動作を制御し、吐水ノズル40への湯水の供給の要否や吐水ノズル40に供給する湯水の水勢等を調節する。このような水勢制御により、吐水ノズル40から吐水される湯水の水勢を、足の状態(例えば、汚れの程度,外傷の有無,疲労の度合い等)に応じて変えることができる。本実施例では、上記の給水管63,電動ポンプ60,可撓管61,制御装置64が、特許請求の範囲における「給水機構」に相当する。
【0036】
なお、図示していないが、制御装置64の入力側にはセンサ装置が接続されており、このセンサ装置の受信部は収納室38の側壁に外部に露出した状態で埋め込まれている。この受信部はリモコン装置19からの設定信号を受信し、この設定信号を制御装置64に入力する。制御装置64は、入力された設定信号に基づいて電動ポンプ60や前カバー21および後カバー22の動作を制御する。リモコン装置19には、吐水ノズル40からの吐水の開始(オン),終了(オフ)を指示する吐水スイッチ19a、吐水される湯水の水勢を設定する水勢設定スイッチ19c、前カバー21ないし後カバー22の開閉を指示するカバー開閉スイッチ19b等が設けられている。吐水スイッチ19a,水勢設定スイッチ19cを用いた遠隔操作により、電動ポンプ60の駆動状態を調節することができる。カバー開閉スイッチ19bを用いた遠隔操作により、前カバー21および後カバー22を自動で開閉することができる。
【0037】
また、制御装置64の入力側には、既述した足裏センサ52,マグネットスイッチ22aが接続されている(図3,図6を参照)。
【0038】
次に、飛散湯水の下肢水浴装置10外部への漏出を防止する仕組みについて説明する。図5は上部20内への下肢FTの配置に伴って開口27R内が変化する様子を示す説明図である。図5(A)および図5(B)は前カバー21および後カバー22を閉止した状態における下肢水浴装置10の開口27R付近の上面を表わしており、図5(A),図5(B)は、それぞれ、足置き台50に足が載置されていないときの様子,足置き台50に足が載置され上部20内に下肢FTが配置されたときの様子を示している。図5(C)は図5(B)の5C−5C線に沿って下肢水浴装置10を切断したときの矢視断面形状を示している。なお、図5(B),図5(C)では、説明の便宜上、下肢FTを点模様のハッチングを用いて表わしている。
【0039】
図5(A)に示すように、足置き台50に足を載置することなく前カバー21および後カバー22を閉止した状態では、下肢水浴装置10の開口27R内に、ゴム部材23R,24Rが存在しない空隙部分としての穴部25Rが形成されている。下肢水浴装置10を使用する際、使用者は、まず、カバー開閉スイッチ19bの閉スイッチを押し、図5(A)に示した閉止状態の前カバー21および後カバー22を開いた状態にする。この後、上部20内に下肢FTを挿入し、足置き台50の踵凹所50aに足を載せ、カバー開閉スイッチ19bの閉スイッチを押す。これにより、前カバー21および後カバー22が閉じられ、前カバー21および後カバー22は、既述したストッパによって、図5(B)に示すような閉止状態に保持される。
【0040】
図5(B)に示す前カバー21,後カバー22の閉止状態においては、開口27R内の下肢FTの所定の部位(本実施例では、足首よりもやや上の、開口27R近傍に位置する部位)FTsの周囲がゴム部材23R,24Rの弾性力によって適度に締め付けられるので、開口27Rと下肢FTとの間に隙間が生じない。締め付けられた部位FTsよりも下方の下肢部分FTmは、図5(C)に示すように、前カバー21,後カバー22およびゴム部材23R,24Rに覆われた状態で上部20内に水浴対象として収納される。これにより、上部20内の飛散湯水が下肢FTと開口27Rとの間から装置10の外部に漏れ出すことが防止される。なお、図5では右足用の開口27Rを例として説明したが、左足用の開口27Lにおいても同様に、飛散湯水が下肢FTと開口27Lとの間から装置10の外部に漏れ出すことが防止される。
【0041】
図6は前カバー21および後カバー22を閉止した状態における上部20付近の側面を示す説明図である。この図6では、閉止前の前カバー21を二点鎖線を用いて表わしている。図6に示すように、前カバー21および後カバー22を閉止すると、前カバー21および後カバー22の下端部は、上部20の上端部周縁に装着されたゴムパッキン16を介して上部20の上端部に密接する。また、前カバー21および後カバー22を閉止すると、前カバー21の側端面21tと後カバー22の側端面22tとが側端面22tに装着されたゴムパッキン22bを介して密接する。これにより、上部20内の飛散湯水が前カバー21,後カバー22と上部20との間や前カバー21と後カバー22との間から装置10の外部に漏れ出すことが防止される。
【0042】
次に、吐水ノズル40からの吐水状態を制御する処理(吐水状態制御処理)について説明する。この吐水状態制御処理は、上述した制御装置64が行なう処理であり、この処理の内容および手順を吐水状態制御処理ルーチンとして図7および図8に示す。本ルーチンは、下肢水浴装置10に電源を投入したときに起動する。本ルーチンが起動されると、まず、入力を初期状態(吐水スイッチ19aからの入力信号が「オフ」の状態)に設定する処理を行ない(ステップS100)、吐水スイッチ19aからオン信号を入力したか否かを判断する処理を行なう(ステップS110)。
【0043】
吐水スイッチ19aからオン信号を入力したと判断した場合には、足裏センサ52からの入力信号がオン,オフのいずれであるかを判断する処理を行なう(ステップS120)。足裏センサ52からの入力信号がオフであると判断した場合には、足置き台50の正規の位置に足が置かれていないとみなし、足置き台50の踵凹所50aに踵を置く旨を指示する処理を行ない(ステップS125)、ステップS120の処理に戻る。
【0044】
足裏センサ52からの入力信号がオンであると判断した場合には、マグネットスイッチ22aからの入力信号がオン,オフのいずれであるかを判断する処理を行なう(ステップS130)。マグネットスイッチ22aからの入力信号がオフであると判断した場合には、前カバー21および後カバー22が閉止されていないとみなし、前カバー21および後カバー22を閉止する旨を指示する処理を行ない(ステップS135)、ステップS130の処理に戻る。
【0045】
一方、マグネットスイッチ22aからの入力信号がオンであると判断した場合には、電動ポンプ60に駆動信号を送出する処理を行なう(ステップS140)。これにより、電動ポンプ60から吐水ノズル40への湯水の供給が開始され、吐水ノズル40から上部20内に湯水が吐水される。
【0046】
こうして吐水ノズル40からの湯水の吐水が開始された後、足裏センサ52からオフ信号を入力したか否かを判断する処理を行なう(ステップS150)。足裏センサ52からオフ信号を入力したと判断した場合には、電動ポンプ60に対して駆動を一時停止する旨の信号を送出する処理を行なう(ステップS155)。これにより、電動ポンプ60から吐水ノズル40への湯水の供給が待機状態となり、吐水ノズル40からの吐水が一時停止される。なお、上記の一時停止の場合には、それまでに設定されていた水勢の設定値は制御装置64内に保持される。
【0047】
この後、足裏センサ52からオン信号を入力した場合には(ステップS160)、電動ポンプ60に対し、吐水ノズル40から吐水される湯水の水勢が一時停止前と同じとなるように駆動を再開する旨の信号を送出する処理を行なう(ステップS165)。これにより、使用者は、足置き台50に載置していた足を離したり置いたりすることにより、吐水ノズル40からの吐水の実行あるいはその停止をコントロールすることができる。
【0048】
ステップS160の処理において足裏センサ52からオン信号を入力していないと判断した場合には、吐水ノズル40から湯水が吐水されていない状態であることを考慮し、マグネットスイッチ22aからの入力信号の判断(ステップS170)を行なわずに、後述するステップS190の処理に移る。
【0049】
一方、ステップS150の処理において足裏センサ52からオフ信号を入力していないと判断した場合、ステップS165の処理において電動ポンプ60の駆動を再開する旨の信号を送出する処理を行なった場合には、吐水ノズル40から湯水が吐水されている状態であることを考慮し、マグネットスイッチ22aからオフ信号を入力したか否かを判断する処理を行なう(ステップS170)。
【0050】
ステップS170の処理においてマグネットスイッチ22aからオフ信号を入力したと判断した場合には、閉止状態の前カバー21,後カバー22が吐水ノズル40からの吐水中に開成されたとみなし、電動ポンプ60に対して駆動を停止する旨の信号を送出する処理を行ない(ステップS195)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS170の処理においてマグネットスイッチ22aからオフ信号を入力していないと判断した場合には、吐水スイッチ19aからオフ信号が入力されるまで、ステップS150ないしステップS170の処理を繰り返す(ステップS190)。吐水スイッチ19aからオフ信号が入力されたと判断した場合には、電動ポンプ60に対して駆動を停止する旨の信号を送出する処理を行ない(ステップS195)、本ルーチンを終了する。
【0051】
上記した本実施例の下肢水浴装置10では、上部20の天井壁を構成する前カバー21,後カバー22に、足置き台50に足が載せられた状態の下肢FTを取り囲む開口27L,27Rを形成すると共に、この開口27L,27Rを絞る絞り手段として、ゴム部材23L,24L,23R,24Rを下肢FTを取り囲む態様で設ける。こうしたゴム部材23L,24L,23R,24Rは、水浴対象となる下肢部分FTmが上部20内に配置された状態で前カバー21,後カバー22が閉止されることによって下肢FTの部位FTsの外形に応じた形状に弾性変形し、この弾性変形によって生じる弾性力によって部位FTsに密着する。これにより、開口27L,27Rと下肢FTとの間に生じる隙間は下肢形状の相違に拘らず小さくなる。従って、飛散湯水の装置10の外部への漏出を簡便かつ確実に防止することができる。例えば、下肢部分FTmに湯水を浴びようとする者は、開口27L,27Rと下肢FTとの間に生じる隙間を小さくするために、下肢部分FTmが本体12の上部20内に拘束された状態で、開口27L,27Rを絞るための煩雑な作業(例えば、部材の接続作業や部材の位置調節作業等)を行なう必要がない。
【0052】
また、本実施例の下肢水浴装置10では、上部20の天井壁に開閉可能な前カバー21,後カバー22を備えるので、上部20内のメンテナンス(例えば、上部20内の清掃や吐水ノズル40等の部品の交換)が容易となる。また、上記の開口27L,27Rは、前カバー21の側端面21t,後カバー22の側端面21tをそれぞれ切り欠いた形状とすることにより形成されているので、使用者は、水浴対象となる下肢部分FTmを、前カバー21,後カバー22を開けた状態で上部20内に配置することが可能となり、下肢部分FTmの出し入れがし易くなる。従って、飛散湯水の装置10の外部への漏出防止を、本体12内に下肢部分FTmを配置し易い構造で実現することができる。
【0053】
本実施例の下肢水浴装置10では、制御装置64は、足置き台50に足が載せられた状態を検出して吐水ノズル40からの湯水の吐水を開始する。従って、水浴対象となる下肢部分FTmに確実に湯水を浴びせることができる。例えば、上部20内に足が入っていない状態で吐水ノズル40から不要に吐水がなされてしまうことがない。また、制御装置64は、足置き台50から足が離れた状態を検出して吐水ノズル40からの湯水の吐水を停止する。従って、使用者は、足浴を止めるに際して煩雑な操作が不要となる。また、足置き台50から足を離した後に吐水ノズル40からの吐水が不要に継続されることが防止される。加えて、制御装置64は、前カバー21,後カバー22の開閉状態を検出し、前カバー21,後カバー22のいずれかの開状態が検出されたとき、吐水ノズル40からの湯水の吐水を禁止する。従って、前カバー21や後カバー22が開状態のときに吐水ノズル40から湯水が吐水され、湯水が装置10の外部に出てしまうことを防止することができる。
【0054】
(2)変形例:
次に、上記実施例に対する変形例について説明する。以下の各変形例では、上記実施例の下肢水浴装置10と共通する各部につき、符号の十の位以下を上記実施例と同じ数字ないし英字を用いて表わしている。
【0055】
上記実施例では、本体12の天井壁を、2枚に分割された前カバー21,後カバー22によって構成したが、3枚以上に分割されたカバーによって本体12の天井壁を構成してもよいし、図9に示す第1変形例としての下肢水浴装置110のように、1枚のカバー121によって本体112の天井壁を構成してもよい。
【0056】
また、図10に示す第2変形例としての下肢水浴装置210のように、開閉可能なカバーに替えて、上部220内の空間を覆う天壁220tを設け、この天壁220tによって本体212の天井壁を構成するものとしても差し支えない。この下肢水浴装置210を使用する際、使用者は、開口227L,227R内に装着されたゴム部材223L,223Rの穴部225L,225Rから、ゴム部材223L,223Rの弾性変形を利用して、足を出し入れする。
【0057】
上記実施例では、開口27L,27R内に装着される弾性部材としてゴム部材23L,23R,24L,24Rを用いたが、ゴム部材以外の弾性部材(例えば、シリコン樹脂部材,弾力性を有する多孔体,内部への流体の給排により膨張・収縮する袋状の部材(以下、袋状部材という)等)を用いることも可能である。弾性部材の成形材料としては、天然ゴムや合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、二トリルゴム、シリコンゴム)、ゲル材料のほか、上記の材料を発泡させた発泡体、上記の材料に対して添加剤を付加したもの、上記の材料を他の材料と複合化したもの等を考えることができる。また、弾性部材の表面に耐水処理を施してもよい。
【0058】
第1実施例における開口27L,27R内に、ゴム部材23L,23R,24L,24Rに替えて、弾力性を有する多孔体を装着した例を第3変形例として図11に示した。この図11(A)〜(C)では、図5(A)〜(C)に対応する上面ないし断面を表わしており、第1実施例と共通の各部については、符号の十の位以下を図5と同じ数字ないし英字を用いて表わしている。
【0059】
図示するように、開口627Rの周囲の前カバー621,後カバー622には、それぞれ、弾力性を有する多孔体623R,624Rが装着されている。多孔体623R,624Rの表面には、多孔体623R,624Rの内部に水がしみ込まないように、防水加工が施されている。
【0060】
図11(A)は、後カバー622を閉止した後に前カバー621を閉止したときの状態を表している。この状態において、開口627R内には、多孔体623Rと多孔体624Rとが重なる部分である重合部DRが形成される。また、開口627Rの中心部には、多孔体623R,624Rが存在しない空隙部分である穴部625Rが形成される。なお、図示しない開口627L内にも、開口627R内と同様に、多孔体623L,624Lが設けられ、重合部DLや穴部625Lが形成される。
【0061】
このように構成された第3変形例によれば、開口627R内の多孔体623R,624Rは、上部620内に挿入された下肢部分FTmに当たって穴部625Rの大きさを拡張する方向に容易に変形し、この変形によって生じた弾力によって下肢FTの部位FTsの周囲をソフトに締め付けながら部位FTsの形状に追従し、部位FTsの周囲に隙間なく接する。従って、飛散湯水の外部への漏出を防止できることに加え、装置の使用中において、部位FTsが過度に締め付けられることがなく、下肢部分FTmを楽に動かすことができる。この結果、長時間の足浴により適した装置を実現することができる。また、多孔体623R,624Rとして弾力性の高いものを用いれば、多孔体のクッション作用により開口627Rの周囲に体重をかけることができる。なお、第3変形例では、前カバー621,後カバー622の双方に多孔体を装着したが、いずれか一方のみに装着することとしても差し支えない。
【0062】
第2変形例における開口227L,227R内に、ゴム部材223L,223Rに替えて、袋状部材としてのエアバッグを装着した例を第4変形例として図12,図13に示した。この図12,図13では、第2変形例と共通の各部については、符号の十の位以下を図10と同じ数字ないし英字を用いて表わしている。図12はエアバッグ723R,724R内の空気ARがほぼ抜けた状態における開口727R周辺の様子を示す説明図である。図12(A)は上部720の上面を表わしており、図12(B)は図12(A)の12B−12B線に沿って切断したときの矢視断面形状を表している。図13は上部720内に下肢部分FTmが挿入されてエアバッグ723R,724R内に空気ARが供給された状態における開口727R周辺の様子を示す説明図である。図13(A)は上部720の上面を表わしており、図13(B)は図13(A)の13B−13B線に沿って切断したときの矢視断面形状を表している。なお、図13では、説明の便宜上、下肢FTを点模様のハッチングを用いて表わすと共に、太めの下肢FTの外形を実線で表わし、細めの下肢FTの外形を二点鎖線で表わしている。
【0063】
図示するように、開口727Rを形成する周端面には2つの溝726R,729Rが設けられている。溝726Rは装置の前方向の周端面に形成されており、溝726Rよりもやや下方に位置する溝729Rは、装置の後方向の周端面に形成されている。なお、図12(A)に示す範囲DMにおいては、溝726Rおよび溝729Rの双方が形成されている。
【0064】
上記の溝726R,729Rには可撓性材料であるポリ塩化ビニルで形成されたエアバッグ723R,724Rが挿入されている。挿入されたエアバッグ723R,724Rの外周面は溝726R,729Rの内壁に弾性接着されている。これにより、エアバッグ723Rとエアバッグ724Rとで囲まれた範囲の内側に、足を挿入可能な大きさの穴部725Rが形成されている。
【0065】
装置の前方向に位置するエアバッグ723Rには前側用ポンプ766が接続されており、装置の後方向に位置するエアバッグ724Rには、前側用ポンプ766と同期して作動する後側用ポンプ767が接続されている。この前側用ポンプ766や後側用ポンプ767は、エアバッグ723R,724R内への空気ARの供給およびエアバッグ723R,724R内の空気の排出を実現可能に構成されている。なお、図示しない開口727L内にも、開口727R内と同様に、前側用ポンプ766に接続されたエアバッグ723L,後側用ポンプ767に接続されたエアバッグ724Lが設けられている。
【0066】
このように構成された装置を使用する際、使用者は、まず、開口727R内の穴部725Rから足を入れて上部720内に下肢部分FTmを挿入する。この後、使用者は、前側用ポンプ766や後側用ポンプ767を作動させる。これにより、エアバッグ723R,724Rの内部に空気ARが供給される。こうした空気ARの供給により、エアバッグ723R,724Rが次第に膨らんで穴部725Rの大きさが徐々に小さくなり、やがて、図13(A)に示したように、エアバッグ723R,724Rが下肢FTの部位FTsに当たって部位FTsの周囲に密着する。この状態において、開口727R内の範囲DMには、エアバッグ723Rとエアバッグ724Rとが上下に重なる部分である重合部DRが形成される。
【0067】
エアバッグ723R,724Rが部位FTsの周囲に密着すると、前側用ポンプ766や後側用ポンプ767からの空気ARの供給に抵抗が生じる。前側用ポンプ766,後側用ポンプ767は、上記の抵抗の発生を検知してエアバッグ723R,724Rへの空気ARの供給を停止する。
【0068】
なお、前側用ポンプ766,後側用ポンプ767からエアバッグ723R,724Rに供給される空気ARの量が多くなるほど、エアバッグ723R,724Rがより内側に膨らみ、穴部725Rの大きさが小さくなる。よって、図12に二点鎖線で示したように、下肢FTの細い人が本装置を使用した場合においても、下肢FTの部位FTsの周囲にエアバッグ723R,724Rを密着させることができる。
【0069】
このような第4変形例によれば、エアバッグ723R,724Rに供給される空気ARの量を調節することにより、穴部725Rの形状を、種々の太さの下肢FT形状に追従させることが可能となる。従って、上記実施例と同様に、飛散湯水の装置外部への漏出を防止することができる。
【0070】
なお、前側用ポンプ766,後側用ポンプ767による供給物は、空気以外の流体であっても差し支えない。例えば、空気に替えて湯を供給する構成とすれば、装置の使用中に、下肢FTの部位FTsの周囲を暖めることができる。
【0071】
また、上記実施例では、弾性部材としてのゴム部材23L,24L,23R,24Rを前カバー21ないし後カバー22に形成された開口27L,27R内に設けたが、弾性部材が設けられる範囲は適宜変更することができる。例えば、上記実施例の下肢水浴装置10において、前カバー21や後カバー22の全体をゴム等の弾性体で形成し、この前カバー21や後カバー22に下肢挿入用の穴部25L,25Rを設ける構成としてもよい。また、上記第2変形例の下肢水浴装置210において、天壁220tの全体をゴム等の弾性体で形成し、この天壁220tに下肢挿入用の穴部225L,225Rを設ける構成としてもよい。
【0072】
上記実施例や第1変形例,第3変形例,第4変形例では、開口27L,27R,127L,127R,627L,627R,727L,727R内に設けられる重合部DL,DRを2箇所としたが、開口27L,27R,127L,127R,627L,627R,727L,727R内に3箇所以上の重合部DL,DRを設けてもよい。
【0073】
また、上記実施例や第1変形例では、開口27L,27R,127L,127R内に2枚のゴム部材が重なる部分(重合部DL,DR)を設けたが、図10に示した第2変形例としての下肢水浴装置210のように、重合部DL,DRを設けず、開口227L,227R内に1枚のゴム部材223L,223Rを装着する構成としてもよい。
【0074】
なお、穴部25L,25R,125L,125R,225L,225Rの周囲の弾性部材の形状は、上部20,120,220内への下肢の出し入れや下肢との密着度合いを考慮して、種々の形状に変更することができる。こうした変更例を、第5変形例として図14に示した。例えば、図14(A)に示すように、第2変形例における開口227L,227Rに、穴部525L,525Rの周囲にスリットSLが入った形状のゴム部材523L,523Rを装着することとしてもよい。また、図14(B)に示したように、上記の複数枚のゴム部材523L(若しくはゴム部材523R)をスリットSLの位置をずらしながら重ねることによって形成された重合部材523WL(若しくは重合部材523WR)を、開口227L(若しくは開口227R)に装着すれば、飛散湯水の装置10外部への漏出防止の確実性をより高めることができる。なお、左右のゴム部材523L,523Rや重合部材523WL,523WRを一体として成形してもよい。左右のゴム部材523L,523Rを一体として成形したゴム部材523を図14(C)に示した。このゴム部材523を開口に装着する場合には、下肢水浴装置の天壁220tの一箇所のみに開口227(直立状態で両足が入る程度の大きさのもの)を設ければよい。
【0075】
上記の実施例や変形例では、下肢を取り囲む開口を絞る絞り手段を弾性部材によって実現したが、同様の絞り手段を弾性部材以外の部材を用いて実現することも可能である。この一例を第6変形例として図15に示した。この第6変形例としての下肢水浴装置310は、第2変形例の下肢水浴装置210の開口227L,227R内に、弾性部材としてのゴム部材223L,223Rに替えて、可撓性部材(折り曲げるような力がかかっても壊れない性質を有する部材)331L,331Rを設けたものである。図15では、可撓性部材331Rが設けられた開口227R付近を上から見たときの様子を示している。
【0076】
可撓性部材の成形材料としては、不織布等の防水布、防水性に富んだ合成樹脂(例えば、ナイロン,ポリエステル,ポリ塩化ビニル,ポリアミド,ポリビニルアセタール,ポリエチレンテレフタラート,ポリアクリロニトリル,ポリ塩化ビニリデン,ポリオフィレン)製の軟質フィルム、ゴムラミネート膜材のほか、上記の材料を他の材料と複合化したもの等を考えることができる。この複合化材料としては、上記の材料に弾性材料を混入したもののほか、上記の材料にアルミニウム箔等の金属箔を積層したもの、上記の材料と他の材料とを断熱材を挟んで積層したもの等を考えることができる。また、可撓性部材の表面に耐水処理を施してもよい。
【0077】
図15に示すように、開口227R内には可撓性部材331Rが設けられている。この可撓性部材331Rは、天壁220tの裏面に装着されている。可撓性部材331Rは、開口227Rの中心部に空隙部分である穴部325Rを備える。穴部325Rの周囲の可撓性部材331Rには袋部332Rが形成されており、袋部332R内には、1本の紐333Rが、その両端を外部に露出した状態で挿通されている。
【0078】
このように構成された下肢水浴装置310を使用する際、使用者は、まず、袋部332Rを拡げて紐333Rを緩める。これにより穴部325Rの面積が大きくなる。続いて、穴部325Rから足を入れて水浴対象となる下肢部分FTmを上部220内に挿入し、足置き台250に足を載せる。この後、紐333Rの両端を引っ張り、可撓性部材331Rよりも上方に露出された下肢FTの所定の部位FTsの周囲を紐333Rで適度に締め付けながら、紐333Rを結ぶ。これにより、袋部332Rは、部位FTsの周囲長の長短に拘らず、部位FTsの周囲に密着し、開口227Rと下肢FTとの間に生じる隙間は下肢FTの形状の相違に拘らず微小となる。従って、上部220内の飛散湯水が下肢FTと開口227Rとの間から装置310の外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。なお、図15では右足用の開口227Rを例として説明したが、左足用の開口227Lにも、上記可撓性部材331Rと同様の紐333L付きの可撓性部材331Lが設けられている。よって、飛散湯水が下肢FTと開口227Lとの間から装置310の外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0079】
第6変形例において、紐333R以外の部材を用いて袋部332Rを下肢FTに密着させることとしてもよい。この一例を第7変形例として図16に示した。この第7変形例としての下肢水浴装置410は、第6変形例の下肢水浴装置310の開口227L,227R内に、紐333L,333R付きの可撓性部材331L,331Rに替えて、ファスナー433L,433R付きの可撓性部材431L,431Rを設けたものである。図16では、可撓性部材431Rが設けられた開口227R付近を上から見たときの様子を示している。
【0080】
このように構成された下肢水浴装置410を使用する際、使用者は、まず、ファスナー433Rを下げて穴部425Rの面積を大きくする。続いて、穴部425Rから足を入れて水浴対象となる下肢部分FTmを上部220内に挿入して足置き台250に足を載せ、ファスナー433Rを、穴部425R内の下肢FTに当接するまで上げる。これにより、穴部425Rの周囲の可撓性部材431R(ファスナー433Rのレール部も含む)が、下肢FTの所定の部位FTsの周囲長の長短に拘らず、部位FTsの周囲に密着し、開口227Rと下肢FTとの間に生じる隙間は下肢FTの形状の相違に拘らず微小となる。従って、上部220内の飛散湯水が下肢FTと開口227Rとの間から装置410の外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。なお、図16では右足用の開口227Rを例として説明したが、左足用の開口227Lにも、上記可撓性部材431Rと同様のファスナー433L付きの可撓性部材431Lが設けられている。よって、飛散湯水が下肢FTと開口227Lとの間から装置410の外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0081】
なお、上記の第7変形例において、ファスナー433Rに替えて面ファスナーを用いてもよい。また、第6変形例,第7変形例において、紐333Rやファスナー433R以外の部材を用いて、袋部332Rや穴部425Rの周囲の可撓性部材431Rを下肢FTに密着させることとしてもよい。例えば、第6変形例の袋部332R内に紐333Rに替えてリング形状のゴムを収納し、このゴムの弾性変形を利用して袋部332Rを下肢FTに密着させる構成を考えることができる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態を実施例,変形例に基づいて説明したが、本発明はこうした実施例等に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施例ないし上記変形例を適宜組み合わせて実施しても差し支えない。
【0083】
上記実施例ないし変形例の下肢水浴装置10,110,210,310,410は、給水設備や排水設備を備えた空間(例えば、浴室)浴室内に設置して使用されるが、ノズル吐水用の湯水を貯留する給水タンクを電動ポンプ60に接続しつつ下部30等に内蔵する構成とすれば、給水設備のない場所でも足浴を行なうことができる。更に、上部20内の飛散湯水を受け入れる排水タンクを排水孔28の途中に設ければ、給排水設備のない一般の室内でも足浴を行なうことができる。
【0084】
また、給水機構に瞬間式のヒータを設けることも可能である。こうすれば、給水管63に給水された水はヒータで温水化されて吐水ノズル40に供給される。従って、給湯設備がない場所においても足に温水を得ることができる。
【0085】
上記実施例および変形例において、上部20にシーズヒータを埋め込む構成を採ることも可能である。例えば、シーズヒータを足置き台50に埋め込んだ場合には、下肢水浴装置10の使用中に足裏を暖めることができる。
【0086】
また、上部20内への送風を行なう送風機を設ければ、足浴後の足を乾かすことが可能となり好適である。特に、送風機による送風を足指間に向けて行なえば、股状で乾きにくい足指間を早期に乾かすことができる。
【0087】
上記実施例および変形例において、制御装置64が吐水ノズル40の向きを制御するよう構成してもよい。こうすれば、足置き台50に載置された足のサイズの大小に拘らず、下肢の一定の位置(例えば、足の裏の特定のつぼ)に吐水ノズル40からの湯水を着水させることができる。
【0088】
なお、上記実施例や変形例では、足に湯水を吐水する吐水ノズル40を設けたが、こうした吐水ノズル40に替えて、霧状の湯水を噴霧するノズルを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての下肢水浴装置10の概略構成を示す説明図である。
【図2】下肢水浴装置10における湯水の吐水の様子を示す説明図である。
【図3】足置き台50の拡大断面を示す説明図である。
【図4】吐水ノズル40の作動の様子を説明する説明図である。
【図5】上部20内への下肢FTの配置に伴って開口27R内が変化する様子を示す説明図である。
【図6】前カバー21および後カバー22を閉止した状態における上部20付近の側面を示す説明図である。
【図7】吐水状態制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】吐水状態制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第1変形例としての下肢水浴装置110を示す説明図である。
【図10】第2変形例としての下肢水浴装置210を示す説明図である。
【図11】第3変形例を示す説明図である。
【図12】第4変形例において、エアバッグ723R,724R内の空気ARがほぼ抜けた状態における開口727R周辺の様子を示す説明図である。
【図13】第4変形例において、上部720内に下肢部分FTmが挿入されてエアバッグ723R,724R内に空気ARが供給された状態における開口727R周辺の様子を示す説明図である。
【図14】第5変形例を示す説明図である。
【図15】第6変形例を示す説明図である。
【図16】第7変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110,210,310,410…下肢水浴装置
12,112,212…本体
15…ゴム足
16…ゴムパッキン
19…リモコン装置
19a…吐水スイッチ
19b…カバー開閉スイッチ
19c…水勢設定スイッチ
20,120,220,620,720…上部
21,621…前カバー
21a…マグネットスイッチ
21t…側端面
22,622…後カバー
22a…マグネットスイッチ
22b…ゴムパッキン
22t…側端面
23L,23R,24L,24R,123L,123R,124L,124R,223L,223R,523L,523R、523…ゴム部材
25L,25R,125L,125R,225L,225R,325L,325R,425L,425R,525L,525R,625L,625R,725L,725R…穴部
27L,27R,127L,127R,227L,227R,627L,627R,727L,727R…開口
28…排水孔
30…下部
38…収納室
40…吐水ノズル
41…ノズルブロック
42…流入室
44…ノズル体
45…吐水孔
46…開口
48…ガイド部
50…足置き台
50a…踵凹所
51…貫通穴
52…足裏センサ
53…孔
54…上面板
60…電動ポンプ
61…可撓管
63…給水管
64…制御装置
120a,121a…マグネットスイッチ
121…カバー
150a…踵凹所
220t…天壁
331L,331R,431L,431R…可撓性部材
332L,332R…袋部
333L,333R…紐
433L.433R…ファスナー
523WL,523WR…重合部材
623L,623R…多孔体
624L,624R…多孔体
723L,723R…エアバッグ
724L,724R…エアバッグ
726L,726R…溝
729L,729R…溝
766…前側用ポンプ
767…後側用ポンプ
DL,DR…重合部
FT…下肢
FTm…下肢部分
FTs…部位

Claims (9)

  1. 下肢に湯水を浴びせる下肢水浴装置であって、
    足が載せられる足置き台と、
    水浴対象となる下肢部分の存在範囲を、前記足置き台を含んで取り囲む本体と、
    該本体内において湯水を飛水するノズルと、
    該ノズルに前記湯水を給水する給水機構とを有し、
    前記本体における天井壁箇所には、前記足置き台に足が載せられた状態の下肢を取り囲む範囲に、開口が形成されており、
    該開口を絞る絞り手段を備えた
    下肢水浴装置。
  2. 前記絞り手段は、前記開口内に設けられた弾性部材である請求項1に記載の下肢水浴装置。
  3. 前記絞り手段は、前記開口内に設けられた可撓性部材の撓みを利用して前記開口を絞る手段である請求項1に記載の下肢水浴装置。
  4. 前記本体における天井壁箇所の少なくとも一部が、開閉可能なカバー部材で形成された請求項1ないし3のいずれかに記載の下肢水浴装置。
  5. 前記開口が前記カバー部材の端部を切り欠くことにより形成された請求項4に記載の下肢水浴装置。
  6. 前記足置き台に足が載せられた状態を検出して前記ノズルからの湯水の吐水を開始する吐水開始手段を備えた請求項1ないし5のいずれかに記載の下肢水浴装置。
  7. 前記足置き台から足が離れた状態を検出して前記ノズルからの湯水の吐水を停止する吐水停止手段を備えた請求項1ないし6のいずれかに記載の下肢水浴装置。
  8. 請求項4ないし7のいずれかに記載の下肢水浴装置であって、
    前記カバー部材の開閉状態を検出する状態検出手段と、
    該状態検出手段により前記カバー部材の開状態が検出されたとき、前記ノズルからの湯水の吐水を禁止する禁止手段と
    を備えた下肢水浴装置。
  9. 前記本体における天井壁箇所の少なくとも一部に透明部材が用いられた請求項1ないし8のいずれかに記載の下肢水浴装置。
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