JP2004267627A - 吐水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動操作による開閉弁の開度調整を要することなく安定した吐水が得られ、また適正長さの洗浄時間が得られる吐水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】液体貯留タンクと、前記液体貯留タンクを密閉し密閉空間を形成する蓋と、一端が前記液体貯留タンク内に連通し他端が前記液体貯留タンク外で開口する通水路と、前記通水路を開閉する開閉弁と、を備え、前記密閉空間内で発泡剤を液体に溶解させて発生した気体により前記液体貯留タンク内部を加圧し、前記液体に気泡が分散混入した気泡流を前記通水路の前記他端から吐出する吐水装置であって、前記通水路の前記他端から吐出する前記気泡流の流量及び吐出圧力の少なくといずれかを略一定に維持する水勢調整手段をさらに備えたことを特徴とする吐水装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐水装置に関し、より詳細には、炭酸水などの液体を吐出させ、美容・健康促進効果や洗浄作用などが得られる吐水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸水などの気泡を含有した液体は、人体に対して、血行促進や、温感刺激、角質除去、静菌作用、洗浄効果などの各種の効果を与える。従って、このような液体を、使用場所を選ばずに何処でも手軽に吐出させ使用できる小型の吐水装置があると便利である。
【0003】
液体を吐出させる装置としては、例えば、特許文献1に開示された液体吐出容器がある。この液体吐出容器は、 容器本体と、上記容器本体の首部に着脱自在に取付けられた蓋体を備え、上記容器本体の内部に、発泡成分を含有した液体が収容され、上記蓋体の内部に、容器本体内に連通する液体通路が形成されているとともに、上記液体通路から複数の分岐路が分岐し、各分岐路の先端部に対応する上記蓋体の部分にそれぞれノズルが設けられ、上記蓋体に、上記液体通路の開閉を行う手動式の開閉弁が取付けられていることを特徴とする。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−15022号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された液体吐出容器の場合、容器本体の内圧が高い吐水の初期に、液体の吐水流量が過大になり易く、容器本体の内圧が低下した吐水終期に液体の吐水流量が過少になり易い。このため、手動操作により開閉弁の開度を経時調整しない限り、安定した吐水が得られ難いという問題があった。
また、吐水の初期に必要以上に液体が吐水するので、吐水時間が短いという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、手動操作による開閉弁の開度調整を要することなく安定した吐水が得られ、また適正長さの洗浄時間が得られる吐水装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の吐水装置は、液体貯留タンクと、前記液体貯留タンクを密閉し密閉空間を形成する蓋と、一端が前記液体貯留タンク内に連通し他端が前記液体貯留タンク外で開口する通水路と、前記通水路を開閉する開閉弁と、を備え、前記密閉空間内で発泡剤を液体に溶解させて発生した気体により前記液体貯留タンク内部を加圧し、前記液体に気泡が分散混入した気泡流を前記通水路の前記他端から吐出する吐水装置であって、前記通水路の前記他端から吐出する前記気泡流の流量及び吐出圧力の少なくといずれかを略一定に維持する水勢調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、通水路の前記他端から吐出する気泡流の流量が水勢調整手段により略一定に自動的調整されるので、手動操作による開閉弁の開度調整を要することなく吐水の初期から終期まで安定した吐水が得られ、また適正長さの吐水時間が得られる。
【0008】
ここで、前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧が変動しても前記気泡流の吐出流量を略一定にする定流量弁を有するものとすることができる。または、前記水勢調整手段は、液体貯留タンク内圧が変動しても液体の吐出圧力を略一定にする調圧弁を有する。定流量弁や調圧弁により、通水路を流れる液体の流量を略一定に自動調整し、ひいては気泡流の吐出流量を略一定に自動調整することができる。
【0009】
前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧が変動しても前記気泡流の吐出圧力を略一定にする調圧弁と、前記気泡流の吐出流量を調整する流量調整弁と、を有するものとすることができる。調圧弁に流量調整弁を付加すれば、流量調整弁を手動操作して通水路を流れる液体の流量を所望値に調整し、ひいては気泡流の吐出流量を所望値に調整することができる。
【0010】
また、前記水勢調整手段は、ポンプを有するものとすることができる。ポンプにより、通水路を流れる液体の流量を略一定に自動調整し、ひいては気泡流の吐出流量を略一定に自動調整することができる。
また、前記水勢調整手段は、前記開閉弁の下流に配設されているものとすることができる。このようにすれば、水勢調整手段の耐圧強度を軽減できる。また、水勢調整手段と通水路の前記他端との間の距離が短いので、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0011】
または、前記水勢調整手段は、前記開閉弁の上流に配設されているものとすることもできる。このようにすれば、開閉弁の開弁操作から液体吐出までの待機時間を短縮することができる。水勢調整手段に気体を貯留できるので、空気層を形成するための空間を液体貯留タンク内に作る必要が無くなり、液体貯留タンクを小型化できる。水勢調整手段と通水路の前記他端との間の距離が長いので、微細気泡が合体して形成した粒径の大きな気泡を含む、適度な刺激のある吐水が可能となる。
【0012】
また、前記通水路の前記他端は、択一的に選択可能な複数の吐水口を有するものとすることができる。このようにすれば、形態の異なる複数の吐水口から択一的に所望の吐水口を選択し、所望の態様で液体を吐出させることができる。
またここで、吐水口毎に吐水口面積が異なるものとすることができる。このようすれば、択一的に流量、流速の異なる吐水を選択することができる。
またさらに、吐水口の少なくとも一つは複数の小径穴を有するものとすることができる。このようにすれば、複数の小径穴から吐水することにより、広い面積の洗浄が可能となる。
【0013】
または、前記通水路の前記他端は、選択数可変の複数の小径穴から成る吐水口を有するものとすることができる。このようにすれば、所望の数の小径穴を選択することより、所望の流量、流速で所望の範囲を洗浄することができる。
また、前記開閉弁の閉弁時に前記開閉弁より下流の前記通水路から残水を排出させる残水排出手段をさらに備えたものとすることができる。このようにすれば、開閉弁より下流の通水路内での雑菌の繁殖を防止し、吐水装置を持ち運ぶ際の水漏れを防止することができる。
【0014】
また、前記通水路の一部は前記液体貯留タンク内で延在し、前記延在した部分は柔軟なチューブを有し、前記チューブの先端近傍に錘が取り付けられているものとすることができる。このようにすれば、通水路の一端が確実に没水するので、確実に液体を吐水できる。
またここで、前記錘に浮体が取り付けられているものとすることもできる。こようにすれば、通水路の一端が確実に没水するので、確実に液体を吐水できる。
【0015】
また、前記通水路の前記他端の近傍に複数の可撓性突起体が配設されているものとすることができる。頭部などに吐水する場合、可撓性突起体により頭皮が刺激され頭皮の血行が促進される。
また、前記通水路の前記他端は、複数の可撓性突起体の先端にそれぞれ配設されているものとすることができる。このようにすれば、通水路の前記他端が頭皮に接近するので、使用者の快適感が増加する。
また、前記発泡剤は、pH調整剤、保湿剤、殺菌剤、香料、消臭剤、界面活性剤、薬効成分剤の少なくとも何れかを含有するものとすることができる。このようにすれば、液体に種々の効果を付加することができる。
【0016】
また、前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧の増減に応じて前記気泡流の吐出流量を減増させる流量調整弁を有するものとすることができる。液体の吐出流量と気泡の吐出流量の和である気泡流の吐出流量は、液体貯留タンク内圧が高く、液体に多量の気体が溶解し、吐出液体に混入する気泡量が多い吐水の初期に大となり、液体貯留タンク内圧が低く、液体に溶解する気体量が少なく、吐出液体に混入する気泡量が少ない吐水の終期に小となる傾向がある。流量調整弁により、液体貯留タンク内圧の増減に応じて液体の吐出流量が減増すれば、気泡流の吐出流量が吐水の初期から終期まで略一定に維持され、快適な吐水が終期まで維持される。
【0017】
ここで、前記流量調整弁は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含むものとすることができる。液体貯留タンク内圧が増加すると、流量調整弁の一次圧と二次圧との差圧が増加し、流量調整弁の面外方向への弾性変形量が増加する。この結果小径穴の一次圧側端部の縮径量が増加し、流量調整弁を通過する液体の流量が減少する。液体貯留タンク内圧が減少すると、流量調整弁の一次圧と二次圧との差圧が減少し、流量調整弁の面外方向への弾性変形量が減少する。この結果小径穴の一次圧側端部の縮径量が減少し、流量調整弁を通過する液体の流量が増加する。弾性体の弾性率、円板の肉厚、円板の外径、小径穴の径、小径穴の数等を調整することにより、流量調整弁を通過する液体の流量を調整することができる。中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を備える流量調整弁は構造が簡単なので、安価に製造可能である。
【0018】
また、前記水勢調整手段は、前記通水路の前記他端近傍に配設されているものとすることができる。液体に溶解した気体は、水勢調整手段の下流で発泡し、微細気泡となって液体中に分散混入する。水勢調整手段が、通水路の前記他端近傍に在れば、水勢調整手段と通水路の前記他端との間の距離が短いので、吐出前の微細気泡の合体が抑制され、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0019】
ここで、前記水勢調整手段は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含んだ流量調整弁を有し、前記小径穴は前記通水路の前記他端と同軸に配設されているものとすることができる。液体貯留タンク内圧が増加すると、流量調整弁の一次圧と二次圧との差圧が増加し、流量調整弁の面外方向への弾性変形量が増加する。この結果小径穴の一次圧側端部の縮径量が増加し、流量調整弁を通過する液体の流量が減少する。液体貯留タンク内圧が減少すると、流量調整弁の一次圧と二次圧との差圧が減少し、流量調整弁の面外方向への弾性変形量が減少する。この結果、小径穴の一次圧側端部の縮径量が減少し、流量調整弁を通過する液体の流量が増加する。流量調整弁により、液体貯留タンク内圧の増減に応じて液体の吐出流量が減増すれば、液体の吐出流量と気泡の吐出流量の和である気泡流の吐出流量が吐水の初期から終期まで略一定に維持され、快適な吐水が終期まで維持される。流量調整弁の前記小径穴が通水路の前記他端と同軸に配設されていれば、流量調整弁から通水路の前記他端まで直線状に通水路が延在するので、液体中に分散混入した微細気泡の吐水前の合体が抑制され、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0020】
またここで、前記水勢調整手段は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含んだ流量調整弁を有し、前記小径穴は前記通水路の前記他端を形成しているものとすることができる。流量調整弁の前記小径穴が通水路の前記他端を形成していれば、液体中に分散混入した微細気泡の吐水前の合体が阻止され、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0021】
また、前記気泡流における気泡の含有比率を増加させる泡生手段をさらに備えたものとすることができる。発泡水をクリーム状または泡状とすることにより、人体に長時間、塗布することができ、また、気泡を構成する炭酸ガスなどの気体成分がその周囲を覆う発泡水の皮膜に供給され、発泡水の皮膜の気体含有量を高く保ち、有効成分の浸透効果がさらに高まる。
【0022】
このような前記泡生成手段は、前記気泡流の流速を低下させること、あるいは前記気泡流を撹拌することにより前記気泡の含有比率を増加させるものとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例にかかる吐水装置の断面構造を表す模式図である。同図に表したように、本実施例の吐水装置Aは、液体貯留タンク1と、液体貯留タンク1を密閉する蓋2と、を備えている。吐水装置Aは、一端が液体貯留タンク1の内部空間に連通し他端が液体貯留タンク1外で開口する通水路3を備えている。通水路3の一部は液体貯留タンク1内で延在し、この延在部分は柔軟なチューブ4を有している。通水路3の前記一端を形成するチューブ4の先端の近傍には、多孔質セラミック、高比重樹脂焼結体等の多孔質体、樹脂焼結体と重量物の結合体、目の細かな金網等で構成された錘5が取り付けられている。チューブ4の他端は蓋2に固定され、通水路3の蓋2内で延在する部分に連通している。
【0024】
吐水装置Aは、通水路3の蓋2内で延在する部分を開閉する開閉弁6と、通水路3の蓋2内で延在する部分に配設された定流量弁7と、を備えている。定流量弁7、正確には後述の弁体7bと弁座7cとの当接部は、開閉弁6の下流に配設されている。
【0025】
定流量弁7は、ダイヤフラム7aと、ダイヤフラム7aによって支持された弁体7bと、弁体7bに対峙する弁座7cと、弁体7bを弁座7cから遠ざかる方向へ付勢するバネ7dと、を有している。開閉弁6は、定流量弁7の一次側空間と二次側空間との間の液体の流れを開閉する。
【0026】
定流量弁7の二次圧p′が一次圧pに対して相対的に低下すると、ダイヤフラム7aと弁体7bとに印加される一次圧pと二次圧p′との差圧により弁体7bがバネ7dを押し縮めつつ弁座7cに接近し、定流量弁7の二次側空間からの液体の流出が抑制されて、定流量弁7の二次圧p′が上昇する。
定流量弁7の二次圧p′が一次圧pに対して相対的に上昇すると、ダイヤフラム7aと弁体7bとに印加される一次圧pと二次圧p′との差圧の低下とバネ7dの付勢力とにより弁体7bが弁座7cから離れ、定流量弁7の二次側空間からの液体の流出が促進され、定流量弁7の二次圧p′が低下する。従って、定流量弁7の一次圧pと二次圧p′との差圧が略一定に維持され、定流量弁7を通る液体の流量が略一定に維持される。
【0027】
通水通路3の蓋2外で延在する部分が、吐水ノズル8を構成している。吐水ノズル8は、蓋2に寄り添う図1で実線で示す収納位置と蓋2から起立する図1で一点鎖線で示す稼働位置との間で回動可能に、通水路3の蓋2内で延在する部分の下流端に接続されている。
【0028】
開閉弁6を手動操作するための操作スイッチ9が、蓋2に取り付けられている。操作スイッチ9は、開閉弁6に接続された第1部分9aと、第1部分9aに係合する図1で実線で示す第1位置と、第1部分9aに係合しない図1で一点鎖線で示す第2位置との間で移動可能な第2部分9bと、を有している。また、蓋2には、収納位置に在る吐水ノズル8を保護するノズルキャップ10が着脱可能に取り付けられている。
【0029】
図2は、本実施例の吐水装置が備える吐水ノズルの先端部の側面図である。
同図に表したように、吐水ノズル8の先端部は、大径開口8a′が側壁に形成された内筒8aと、単一の中径穴から成る第1吐水口8b′と複数の小径穴から成る第2吐水口8b″とが側壁に形成された外筒8bとを有している。外筒8bは軸方向に摺動可能に内筒8aに外嵌合している。
【0030】
次に、本実施例の吐水装置Aの作動を説明する。使用者はまず、蓋2を液体貯留タンク1から取り外し、液体貯留タンク1に水などの液体を入れ、次いで発泡剤を液体貯留タンク1に投入し、蓋2により液体貯留タンク1を施蓋して液体貯留タンク1を密閉する。ここで用いる発泡剤としては、例えば、炭酸塩と有機酸とが混合された錠剤や粉末あるいはカプセルなどを挙げることができる。
【0031】
液体貯留タンクの中で発泡剤が液体に溶解すると、炭酸ガスが発生する。例えば、発泡剤に炭酸水素ナトリウム(3NaHCO:重曹)と、有機酸たとえばクエン酸などの果実酸(HOOC−C(OH)(CHCOOH))とを配合した場合、これらが水に溶解すると、以下の反応により、炭酸ガス(CO)が発生する。
Figure 2004267627
なおここで、反応生成物 NaOOC−C(OH)(CHCOONa)は、クエン酸ナトリウムである。これら配合剤及び反応生成物は、いずれも食品添加物などとして用いられるものであり、人体に害を及ぼす心配はない。
【0032】
発生した炭酸ガスは、液体貯留タンク1内の液体に溶解すると共に、液体貯留タンク1内及び蓋2内の空気層αに合流して、空気層αの圧力を上昇させ、液体貯留タンク1内部を加圧する。
本実施例の吐水装置Aの場合、蓋2内に空気層が存在することにより、確実に空気層αが形成される。従って液体貯留タンク1の内圧は必要以上に上昇しない。また、液体貯留タンク1の内壁に液体位を規定する目盛などを設け、これによってタンク内に空気層を確保するようにしてもよい。
【0033】
しかる後に、使用者は、ノズルキャップ10を取り外し、吐水ノズル8を収納位置から稼働位置まで回動させて起立させ、次いで、吐水ノズル8先端の外筒8bを摺動させて、吐水口8b′、8b″の何れか一方を択一的に内筒8aの大径開口8a′に重畳させる。そして使用者は、吐水口8b′、8b″の択一的に選択した一方を所望の身体部位へ差し向け、次いで、操作スイッチ9の第2部分9bを第1位置から第2位置へ移動させて第2部分9bと第1部分9aとの係合を解除し、第1部分9aを押圧して開閉弁6を開く。
【0034】
すると、加圧された液体が、錘5が取り付けられた一端からチューブ4に流入し、チューブ4から通水路3の蓋2内で延在する部分に流入し、開閉弁6を通過し、定流量弁7を通って略一定流量に調整される。液体が定流量弁7を通過する際に、圧力損失により液体圧力が低下し、液体に溶解していた炭酸ガスが多数の微細気泡となって液体中に分散混入する。
【0035】
多数の微細気泡が分散混入した液体の気泡流が、吐水ノズル8に流入し、吐水口8b′、8b″の択一的に選択された一方から吐出する。使用者は、吐出した気泡流を、自分あるいはその他の被処理体に当て、美容・健康促進、洗浄などの処理を行うことができる。後に詳述するように、気泡が分散混入された気泡流により、これらの処理に際して高い効果を得ることができる。
【0036】
本発明者の試作検討の結果、例えば、容量が約120ミリリットルの容器に約90ミリリットルの水を入れ、上記の炭酸水素ナトリウムと果実酸とを配合した発泡剤を約5グラム程度、投入して密閉すると、内圧を4〜5Kgf/cm(およそ0.4〜0.5MPa)程度にまで加圧できることが分かった。
【0037】
図3は、圧力と炭酸ガスの溶解量との関係を表すグラフ図である。同図に表したように、圧力を4〜5Kgf/cmにまで加圧すると、水90ミリリットルに対しておよそ400〜500ミリリットルもの炭酸ガスを溶解させることができる。このように高濃度の炭酸ガスを含有した水が定流量弁7を通過すると、圧力の低下により、溶解していた炭酸ガスが多数の微細気泡となって水中に分散混入した炭酸水となる。
【0038】
図4は、本発明の吐水装置及び比較例の吐水装置における給水圧力と吐水量との関係を表すグラフ図である。
図3に関して前述したように、液体貯留タンク1内で発泡剤が溶解した直後は、その内圧は、0.5MPa程度あるいはそれ以上にまで上昇する。従って、吐出の初期には液体貯留タンク1の内圧は高いが、炭酸ガスの発生量が経時的に減少し且つ発生した炭酸ガスは液体と共に吐出されるので、吐出の終期には液体貯留タンク1の内圧は低下する。しかし、本実施例の吐水装置Aにおいては、定流量弁7を設けたことにより、図4に実線で表したように、液体貯留タンク1の内圧が吐出初期から経時的に変動しても、通水路3を流れる液体の流量が、定流量弁7により略一定に自動的調整され、ひいては吐水ノズル8から吐出する気泡流の流量が略一定に自動調整される。
【0039】
つまり、本実施例の吐出装置においては、定流量弁7を設けることにより、吐出の初期から吐出の終期まで吐出気泡流量がほぼ一定に維持されるので、手動操作による開閉弁6の開度調整を要することなく安定した吐出量が得られ、また適正長さの洗浄時間が得られる。定流量弁7を配設することにより、図4から分かるように、吐出初期の液体貯留タンク1の内圧(ゲージ圧)を0.5MPa程度あるいはそれ以上にまで高めても、洗浄初期に液体の吐出流量が過大になるおそれは無い。本発明者の試作検討の結果によれば、例えば、90ミリリットルの炭酸水を約30秒間に亘って安定して吐出させることが可能であった。
【0040】
従って、多量の発泡剤を投入して液体貯留タンク1の内圧を高め、液体中への炭酸ガスの溶解量を増加させ、高い濃度の炭酸水を安定して吐出させることができる。その結果として、炭酸ガスあるはその他の混合成分が有する血行促進などの各種の効果を大幅に増強することが可能となる。
【0041】
炭酸ガスの濃度が1000ppm以上の炭酸水は、一般に「炭酸泉」と呼ばれ、人体に対して各種の効果を有することが知られている。これに対して、本発明によれば、炭酸ガスの濃度が3000ppmあるいはそれ以上の高濃度の炭酸水を生成させ、水勢調整手段を設けることによって、それを安定して吐出させることができる。このような高濃度の炭酸水は、皮膚直下の血管を拡張させることにより血行を促進させる。また、皮膚の温感(受容器)を刺激し、冷感(受容器)を抑制することにより、暖まり感を与えることもできる。さらにまた、皮膚の角質を除去するピーリング効果や、静菌効果、アストリンゼント効果なども得られる。
【0042】
またさらに、本実施例によれば、定流量弁7を設けることにより、炭酸水などの液体がこれを通過する際に減圧作用により多量の微細気泡量を発生させ、これを液体に散混入させることにより、柔らかな触感を与える気泡流を吐出させることができるという効果も得られる。
【0043】
本実施例の吐水装置Aにおいては、定流量弁7の弁体7bと弁座7cの当接部が開閉弁6の下流に配設されているので、開閉弁6の閉弁時には、液体貯留タンク1内の高圧は定流量弁7の前記当接部に印加されない。従って、定流量弁7の耐圧強度を軽減でき、吐水装置Aの製造コストを低減できる。また、定流量弁7と吐水ノズルの吐水穴8b′又は8b″との間の距離が短いので、定流量弁7の位置で液体に分散混入した微細気泡は合体して大径化することなく、吐水ノズル8から吐出する。従って、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能である。
【0044】
また、図2に表したように、本実施例の吐水装置Aにおいては、通水路3の他端を形成する吐水ノズル8の先端部に、択一的に選択可能な吐水口8b′、8b″が形成されている。つまり、形態の異なる吐水口8b′、8b″から択一的に所望の吐水口を選択し、所望の態様で気泡流を吐出させることができ、塗布や洗浄の目的や部位に応じた処理を行うことができる。吐水口8b′、8b″の面積を異ならしめておけば、択一式に流速の異なる吐水を選択することもできる。複数の小径穴から成る吐水口8b″から液体を吐出すれば、広い面積の吐水が可能となる。
【0045】
また、本実施例の吐水装置Aにおいては、通水路3の液体貯留タンク1内で延在する部分が柔軟なチューブ4で構成され、通水路3の一端を形成するチューブ4の先端の近傍に錘5が取り付けられている。このため、図1に示すように吐水ノズル8を上にして吐水装置Aを使用しても、或いは吐水ノズル8を下にして吐水装置Aを使用しても、或いは吐水ノズル8を横にして吐水装置Aを使用しても、錘5が取り付けられたチューブ4の一端は錘5に引かれて確実に没水し、吐水ノズル8から確実に気泡流が吐出する。
【0046】
後に詳述するように、吐水装置Aは、炭酸ガスなどを含有した発泡水を頭部や顔あるいは上半身などに噴出塗布する用途に適している。この場合は、図1に表したように、吐水ノズル8を上にして使用できる。
【0047】
一方、本実施例の吐水装置Aは、下半身や足指、爪などに対する使用にも適している。この場合には、吐水ノズル8を下にし、ノズル8先端の吐水口を斜め上方または下方に差し向けて吐水装置Aを使用することになるが、前述の如く錘5が取り付けられたチューブ4の一端は確実に水没するので、吐水ノズル8から確実に気泡流が吐出する。
【0048】
これらいずれの場合にも、炭酸水による血行促進効果が得られる。また、炭酸水のpHを2〜4に調整すれば、角質除去効果や殺菌効果が得られる。
【0049】
一方、本実施例の吐水装置Aにおいて、定流量弁7に代えて、調圧弁を配設しても良い。
図5は、調圧弁11を設けた吐水装置の蓋部の断面構造を表す模式図である。
【0050】
調圧弁11は、ダイヤフラム11aと、ダイヤフラム11aにより支持された弁体11bと、弁体11bに対峙する弁座11cと、ダイヤフラム11aを弁座11cの方向へ付勢するバネ11dとを有している。
【0051】
調圧弁11の二次圧p′が増加すると二次圧p′を受けるダイヤフラム11aがバネ11dを押し縮める方向へ移動し、ダイヤフラム11aに従動する弁体11bが弁座11cに接近し、調圧弁11の一次側空間から二次側空間への液体の流入が抑制されて、調圧弁11の二次圧p′が低下する。
【0052】
一方、調圧弁11の二次圧p′が低下するとバネ11dが伸長する方向へダイヤフラム11aが移動し、ダイヤフラム11aに従動する弁体11bが弁座11cから離れ、調圧弁11の一次側空間から二次側空間への液体の流入が促進されて、調圧弁11の二次圧p′が増加する。
【0053】
調圧弁11の二次圧p′はダイヤフラム11aの受圧面積とバネ11dの付勢力とにより支配され、一次圧pの影響を殆ど受けない。従って、一次圧pの変動に関わらず二次圧p′は略一定に維持され、調圧弁11より下流の通水路3を通る液体の流量、ひいては吐水ノズル8から吐出する気泡流の流量が、吐出の初期から終期まで自動的に略一定に維持され、安定した吐出感が得られる。
【0054】
図5に表したように、調圧弁11の下流に開閉弁6を配設すれば、開閉弁6の開度を手動調整することにより、吐水ノズル8から吐出する気泡流の流量を所望値に手動調整することが可能である。
【0055】
一方、調圧弁11の上流に開閉弁6を配設しても良い。この場合には、調圧弁11の耐圧強度を軽減でき、微少気泡が分散混入した柔らかな吐水を得ることができる。調圧弁11を配設した場合、吐水ノズル8の吐水口8b′、8b″の面積を異ならしめることにより、吐水ノズル8から吐出する気泡流の流量を択一的に可変調整することが可能となる。
【0056】
また、通水路3の途上に任意の形式のポンプを配設し、ポンプの出力を経時的に自動調整して、通水路3を流れる液体の流量、ひいては吐水ノズル8から吐出する気泡流の流量を、洗浄初期から洗浄終期まで略一定に自動調整しても良い。
【0057】
なお、図1において、定流量弁7を開閉弁6の上流に配設しても良い。こうすると、開閉弁6から吐水ノズル8までの距離が短縮されるので、開閉部6の開弁操作から気泡流吐出までの待機時間を短縮することができる。また、定流量弁7が収容された空間を空気層として利用できるので、空気層を形成するための空間を液体貯留タンク1内に作る必要が無くなり、液体貯留タンクの小型化が可能となる。
【0058】
またこの場合、定流量弁7と吐水ノズル8の吐水口8b′、8b″との間の距離が長くなるので、定流量弁7の位置において液体に分散混入した状態の微細気泡が、吐水口8b′、8b″に到達するまでに合体し、粒径の大きな気泡が形成される。従って、粒径の大きな気泡を含む、適度な刺激のある吐水が可能となる。図5に示すように、調圧弁11を開閉弁6の上流に配設した場合にも、上記と同様の効果が得られる。
【0059】
図6は、本実施例の吐水装置Aに用いることができる吐水ノズルの先端部を表す模式図である。同図(a)及び(b)に表したように、外筒8bに複数の小径穴8cを形成し、外筒8bを軸方向へ摺動させて、内筒8aに形成した大径開口8a″と重畳する小径穴8cの数を選択的に可変調整するように、吐水ノズル8を構成しても良い。所望の数の小径穴8cを選択し、選択した小径穴8cから気泡流を吐出することより、所望の流量又は流速で吐出させることができ、また所望の範囲に吐出させることもできる。
【0060】
図7は、残水処理弁を設けた吐水装置の蓋部の断面を表す模式図である。
同図に表したように、開閉弁6の下流に、残水処理弁12を配設しても良い。この残水処理弁12は、通水路3を流れる液体に接すると共に外気に連通する通気穴12aに当接可能なフロート12bを有する。開閉弁6の開弁時には、通水路3を流れる液体により押し上げられたフロート12bが通気穴12aに当接し、通気穴12aを閉鎖する。
【0061】
一方、開閉弁6が閉弁すると、開閉弁6よりも下流の通水路3に発生する負圧とフロート12bの自重とにより、フロート12bは通気穴12aから離れて下降し、通気穴12aが開放される。通気穴12aを通って外気が通水路3へ導入され、開閉弁6より下流の通水路3内の残水が吐水ノズル8を通って排出される。この結果、開閉弁6より下流の通水路3内での雑菌の繁殖が防止され、吐水装置Aを持ち運ぶ際の水漏れが防止される。図1の蓋2に残水処理弁12を取り付けても同様の効果が得られる。
【0062】
図8は、液体貯留タンク内に延在するチューブの先端付近を表す模式断面図である。同図に表したように、チューブ4の先端近傍に取り付けられた錘5に、浮体13を取り付けても良い。通水路3を形成するチューブ4の先端が浮体13の下側になり確実に没水するので、確実に気泡流を吐水することができる。
【0063】
図9は、水勢調整手段として多孔質体を設けた吐水装置の断面を表す模式図である。通水路3の蓋2内に延在する部分に、多孔質セラミック、樹脂焼結体等の多孔質体13を配設し、気泡流の吐出流量を略一定に自動調整しても良い。
図10は、水勢調整手段の他の具体例を表す模式断面図である。すなわち、定流量弁7に代えて、チューブ4の先端に、ゴム等の弾性体から成る定流量弁17を取り付けても良い。定流量弁17は、チューブ4内の通水路3に連通する通水路17aと、通水路17aの途上に配設された第1環状突起17bと、通水路17aの途上に且つ第1環状突起17bの下流に配設された第2環状突起17cと、を備えている。通水路17aを通過する液体流量が増加すると、第1環状突起17bによる圧力損失が増加して一次圧pと二次圧p′の差圧が増加し、定流量弁17が縮小変形して第2突起17c位置の通水路17aが狭まり、通水路17aを通過する液体量が減少する。通水路17aを通過する液体流量が減少すると、第1環状突起17bによる圧力損失が減少して一次圧pと二次圧p′の差圧が減少し、定流量弁17が拡大変形して第2突起17c位置の通水路17aが広がり、通水路17aを通過する液体量が増加する。この結果、定流量弁17を通過する液体流量は自動的に略一定に維持され、液体吐出流量は吐水の初期から終期まで略一定に自動調整される。このような定流量弁17は、簡便な構造で定流量機能を発揮することができる。
【0064】
次に、本発明の吐水装置に用いる発泡剤について具体的に説明する。
前述したように、発泡剤に例えば炭酸塩と有機酸とを含有させると、液体に投入し溶解して炭酸ガスを発生させることができる。発泡剤に使用される炭酸塩と有機酸の具体例を以下に列挙する。
【0065】
炭酸塩 :ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩。
有機酸 :クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸、またはこれらの混合物。酸性リン酸ナトリウムもしくはカリウムを含む他の酸、またはそれらの混合物でも良い。
また一方、発泡剤には、pH調整剤、保湿剤、殺菌剤、香料、消臭剤、界面活性剤、その他各種薬効成分剤の何れかを配合させて各種の効果を得ることができる。また、液体にこれらいずれかを配合してもよい。このような配合成分の具体例を以下に列挙する。
【0066】
pH調整剤(対象部位や使用目的に応じたpHを得ることができる):クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、マレイン酸およびその塩、アスパラギン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルクロン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、アジピン酸およびその塩、乳酸およびその塩、パントテン酸およびその塩、塩酸、水酸化アルカリ金属等。
【0067】
保湿剤あるいは湿潤剤(皮膚の角質の水分保持能力を増すことができる):多価アルコール、乳糖等の糖類及びその誘導体、アミノ酸類及びその誘導体、水溶性高分子、酵母エキス、海草エキス、各種植物エキス、植物油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール、エステル類、各種植物精油又はこれらの混合物等。
香料:ターピネオール、リナロール、シトロネロール、シトラール、リモネン、レモングラス油、ラベンダー油等、酢酸イソボニル、酢酸メンタニル、酢酸フレンチル、ボルネオール、メントール、カンファー、精油、松の抽出物、テルピノレン類、パラジクロルベンゼン、ローズ、レモン、ジャスミン、ブーケ調香料、イランイラン油等。
皮膚温冷感付与剤(皮膚に対して温感あるいは冷感を与えることができる):メントール類、多価アルコール等およびこれらの混合物。
【0068】
ビタミン作用物質(皮膚などに対してビタミンを与えることができる):ビタミンA類、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンH類等。より具体的には、例えば、酢酸−dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジルなどを挙げることができる。
界面活性剤(浸透効果、洗浄効果、気泡維持効果などが得られる):アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤(一分子中に陰陽両イオンの官能基をもつもの)等。
殺菌剤:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼントコニウム、塩化セチルピリジニウム等。エチルアルコール、メチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等。銅、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、銀等を含む無機系抗菌剤、脂肪酸銀等。
【0069】
消臭剤:過ホウ酸ナトリウム、次亜塩素酸、二酸化マンガン、過マンガン酸塩、ベンゾキノン、ナフトキノン酸等の酸化剤、グリオキザール、アクロレイン等のアルデキド類、ケトン類、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−n−プロピレンオキサイド等のエポキシ化合物、メタクリル酸エステル、マレイン酸誘導体等のα、β−不飽和化合物、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属塩、活性炭、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤、硫酸鉄、亜鉛化合物、アルミニウム塩、珪酸塩類等の無機塩、クエン酸、アスコルビン酸鉄等の他、各種の植物抽出物、例えば、つばき科植物、緑茶の抽出物等、更に葉緑素の主成分であるクロロフィル、食品分野で利用され得る消臭物質であるジメチルアミノスルホネート、グルコサミン、サイクロデキストリン、有機酸(L−アスコルビン酸、安息香酸、グルコン酸、葉酸、ニコチン酸)等。
残留塩素除去成分(還元剤):亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩、アスコルビン酸等のビタミンC、過酸化水素を発生して脱塩素を行う過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、他の過酸の塩、過酸化ナトリウム、過酸化亜鉛等の金属過酸化物等。
【0070】
洗浄成分:エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノブチルエーテル等の、低級アルコールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサドを付加したアルキレングリコールルキルエーテル系溶剤等。
痔疾等の疾患に効果的な痔疾薬剤:酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸フェニレフリン等の抗炎症剤、酢酸トコフェロール、dl−塩酸メチルフェドリン等の血液の循環を助ける薬剤、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル、l−メントール等の局所の痛み、痒みに効果的な薬剤、アラントイン等の傷口の治りを助ける薬剤等。
【0071】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図11は、本発明の第2の実施例に係る吐水装置の断面を表す模式図である。すなわち、本実施例の吐水装置A’は、図1に表した吐水装置Aと類似した構造を有する。そこで、図11については、図1乃至図10に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例の吐水装置A’においては、液体貯留タンク1の底部に開口1bが設けられ、これと係合する蓋20により施蓋が可能とされている。使用者は、この吐水装置A’を図示した方向とは上下逆転させて保持し、蓋20を開けて液体貯留タンク1の中に水などの所定の液体と、発泡剤とを投入することができる。しかる後に、蓋20を閉め、タンク1の内部が加圧されたら、ノズル8を所望の方向に向け、発泡水を吐出させることができる。
【0072】
本実施例によれば、液体貯留タンク1に液体を充填したり発泡剤を投入する度に開閉する蓋20には、ノズル8や水勢調整手段(定流量弁)7、あるいはチューブ4や錘5を設ける必要がない。このため、液体や発泡剤を充填する際の蓋の開け閉めがやりやすく、操作性に優れるという効果が得られる。
また、本実施例においては、上方の蓋2は、通常の使用において開け閉めする必要がない。このため、蓋2を液体貯留タンク1と一体化させて形成することが可能である。または、蓋2を液体貯留タンク1に固定し、使用者が脱着できないようにしてもよい。このようにすれば、蓋2を開け閉めする際に生じうるノズル8や水勢調整手段7などの破損や、タンク1との気密維持機構の劣化などの問題を解消できる。
【0073】
なお、図11は一例に過ぎず、液体や発泡剤を投入するための蓋20の取り付け位置については、図示した以外にも、例えば、液体貯留タンク1の側面や上下の傾斜面など、いずれの場所に設けてもよい。蓋20のサイズや気密維持の手段についても、同様に、各種の設計変更が可能である。
【0074】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図12は、本発明の第3の実施例に係る吐水装置の断面を表す模式図である。本実施例の吐水装置Bは、液体貯留タンク21と、液体貯留タンク21の口21aに係合して液体貯留タンク21を密閉する蓋22と、を備えている。一端が液体貯留タンク21に連通し、他端が液体貯留タンク21外で開口する通水路23が蓋22に形成されている。通水路23を開閉する開閉弁24と、開閉弁24を駆動する操作スイッチ25とが蓋22に取り付けられている。通水路23の開閉弁24よりも下流域に流量調整弁26が配設されている。
【0075】
図13は、流量調整弁26の拡大図である。流量調整弁26は、ゴム、合成ゴム等の弾性体から成る円板26aと、円板26aの中心に形成された小径貫通穴26bと、を備えている。流量調整弁26は、通水路23の他端近傍に形成された拡径部23a内に収容されている。通水路23の他端は、複数の吐水穴を有する吐水口27を形成している。複数の穴28aが周壁に形成された有底筒状の発泡剤収納容器28が、液体貯留タンク21の口21aに装着されている。発泡剤収納容器28内には、炭酸塩と有機酸とを主成分とする粒状、粉状の発泡剤29が適宜、収容される。
【0076】
吐水装置Bの動作を説明する。
図14乃至図17は、吐水装置Bの動作を説明するための模式図である。
使用者はまず、蓋22を液体貯留タンク21から取り外し、液体貯留タンク21に液体を入れ、次いで発泡剤29を収容した発泡剤収納容器28を液体貯留タンクの口21aに装着し、蓋22により液体貯留タンク21を施蓋し、図14に表したように操作スイッチ25を押し上げて開閉弁24を閉じ、液体貯留タンク21を密閉する。
【0077】
次に、使用者は、図15に表したように、吐水装置Bを逆さまにして蓋22を下方へ差し向け、吐水装置Bを軽く揺する。すると、穴28aを介して発泡剤収納容器28へ液体が流入し、発泡剤29が液体と反応して炭酸ガスが発生する。炭酸ガスは液体に溶解すると共に、液体貯留タンク21内の空気層に合流して、空気層の圧力を上昇させ、液体貯留タンク21内の液体を加圧する。
【0078】
しかる後に、使用者は、図16に表したように、操作スイッチ25を押し下げて開閉弁24を開く。すると、加圧された液体が通水路23を通って流量調整弁26に到達し、流量調整弁の小径穴26aを通る。小径穴26aを通過する際に、圧力損失により液体圧力が低下し、液体に溶解していた炭酸ガスが多数の微細気泡となって液体中に分散混入する。多数の微細気泡が分散混入した液体の気泡流は、吐水口27の複数の吐水穴から吐出する。洗浄力の強い気泡流により、使用者の所望の身体部位が十分に洗浄される。吐水装置Bは、局部洗浄装置、ビデ洗浄装置、足指・爪洗浄装置等としての使用に適している。
【0079】
通水路23を液体が流れている時には、図17に表したように、一次圧Pと二次圧P′との差圧により、流量調整弁26は二次圧側へ凸に面外変形し、小径穴26bの一次圧側端部が縮径する。液体貯留タンク21の内圧が増加すると、一次圧Pと二次圧P′との差圧が増加し、流量調整弁26の面外方向への弾性変形量が増加する。この結果、小径穴26bの一次圧側端部の縮径量が増加し、図4に一点鎖線で示すように、流量調整弁26を通過する液体の流量が減少する。
【0080】
液体貯留タンク21の内圧が減少すると、一次圧Pと二次圧P′との差圧が減少し、流量調整弁26の面外方向への弾性変形量が減少する。この結果、小径穴26bの一次圧側端部の縮径量が減少し、図4に一点鎖線で示すように、流量調整弁26を通過する液体の流量が増加する。
液体の吐出流量と気泡の吐出流量との和である気泡流の吐出流量は、液体貯留タンク21の内圧が高く、液体に多量の炭酸ガスが溶解し、吐出液体に混入する気泡量が多い吐水の初期に大となり、液体貯留タンク21の内圧が低く、液体に溶解する炭酸ガス量が少なく、吐出液体に混入する気泡量が少ない吐水の終期に小となる傾向がある。
【0081】
これに対して、吐水装置Bにおいては、流量調整弁26により、液体貯留タンク21の内圧の増減に応じて液体の吐出流量が減増するので、気泡流の吐出流量が洗浄初期から洗浄終期まで略一定に維持され、手動操作による開閉弁24の開度調整を要することなく安定した快適な吐水が終期まで維持され、また適正長さの吐水時間が得られる。円板26aを形成する弾性体の弾性率、円板26aの肉厚、円板26aの外径、小径穴26bの径等を調整することにより、流量調整弁26を通過する液体の流量や流量勾配(図4に一点鎖線で示す相関線の勾配)を調整することができる。
通常の水を用いた試験や理論計算等により流量調整弁26を設計する場合には、流量調整弁26の使用時に、気泡発生により二次圧が上昇し、円板26aの面外変形が抑制され、ひいては小径穴26bの一次圧側端部の縮径が抑制されて、実験値、計算値よりも多量の液体が流量調整弁26を通過することを勘案して、試験や理論計算に基づく最適吐水量勾配(図4に一点鎖線で示す相関線の勾配)よりも大きな吐水量勾配を、設計値とするのが望ましい。
中心に小径穴26bが形成された弾性体の円板26aを備える流量調整弁26は構造が簡単なので、安価に製造可能である。流量調整弁26が、通水路23の他端である吐水口27の近傍に在り、流量調整弁26から吐水口27までの距離が短いので、吐出前の微細気泡の合体が抑制され、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0082】
図18は、本実施例の変形例の吐水装置の断面を表す模式図である。同図に表したように、流量調整弁26の小径穴26bが通水路23の他端である吐水口を形成しても良い。流量調整弁26の小径穴26bが通水路23の他端である吐水口を形成していれば、液体中に分散混入した微細気泡が吐水前に液体中で合体することを阻止し、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
一方、図12に表した吐水装置Bにおいて、通水路23の他端である吐水口27を単一の吐水穴で形成し、当該吐水穴と流量調整弁26の小径穴26bとを同軸に延在させても良い。流量調整弁26の小径穴26bが通水路23の他端である吐水口27と同軸に配設されていれば、流量調整弁26から吐水口27まで直線状に通水路23が延在するので、気泡流の吐出前の流速低下が抑制され、液体中に分散混入した微細気泡の吐水前の合体が抑制され、微細気泡を含む柔らかな吐水が可能となる。
【0083】
また、吐水装置Bの流量調整弁26において、円板26aの中心部に複数の小径穴26bを形成しても良い。流量調整弁の小径穴26bが通水路23の他端である吐水口を形成する場合には、複数の小径穴26bから複数条の気泡流が吐出するので、洗浄対象面積が拡大する。また一方、図19に示すように、吐水装置Bから発泡剤収納容器28を除去し、液体貯留タンク21の口21aから発泡剤の錠剤29′を液体中に投入しても良い。
【0084】
図20は、本発明の吐水装置Bの他の変型例を表す断面図である。すなわち、本変形例においては、通水路23の一部は液体貯留タンク21内で延在し、この延在部分は柔軟なチューブ4を有している。チューブ4の先端の近傍には、多孔質セラミック、高比重樹脂焼結体等の多孔質体、樹脂焼結体と重量物の結合体、目の細かな金網等で構成された錘5が取り付けられている。
【0085】
このようにすれば、図1に関して前述したように、吐水口27を上にして吐水装置Aを使用しても、或いは吐水口27を下にして吐水装置Aを使用しても、或いは吐水口27を横にして吐水装置Aを使用しても、錘5が取り付けられたチューブ4の一端は錘5に引かれて確実に没水し、吐水口27から確実に気泡流が吐出する。従って、本変型例の吐水装置を用いれば、吐水口27を上にして炭酸ガスなどを含有した発泡水を頭部や顔あるいは上半身などに噴出塗布することもでき、また、吐水口27を下にし、下半身や足指、爪などに対して使用することもできる。
なお、本実施例においても、第2実施例と同様に、タンク1に、液体や発泡剤の投入のための第2の開口1bを設け、これを蓋20により施蓋するようにしてもよい。これにより、第2実施例に関して前述したものと同様の作用効果が得られる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
図21は、本発明の第4の実施例にかかる吐水装置の断面を表す模式図である。すなわち、この吐水装置Cも、液体貯留タンク31と、液体貯留タンク31の口31aに係合して液体貯留タンク31を密閉する蓋32と、を備えている。蓋32には、一端が液体貯留タンク41に連通し、他端が液体貯留タンク41外で開口する通水路33が形成されている。通水路33の経路には、流路を開閉する開閉弁34と、開閉弁34と連動する操作スイッチ35と、水勢調整手段36と、が設けられている。操作スイッチ35は、バネによって蓋32から遠ざかる方向に付勢されている。
【0087】
そして、本実施例においては、水勢調整手段36の下流に泡生成手段38が設けられている。泡生成手段38は、後に詳述するように、水勢調整手段36から吐出された発泡水の流速を減速させあるいは撹拌することにより、さらに大きな気泡の生成を促す作用を奏する。すなわち、通水路33を通る発泡水は、まず水勢調整手段36を通過する際に、圧力低下により液体中に多数の微細な気泡が分散混入された状態となる。しかる後に、泡生成手段38において撹拌あるいは減速され、液体中からの気泡の生成がさらに促進されるとともに、これら気泡の合体が促進される。その結果として、発泡水は、多数の大きな気泡からなる泡状に吐出される。
【0088】
図22は、泡生成手段38の作用を説明するための概念図である。
同図(a)に表したように、吐出装置Cから吐出された泡状の発泡水100は、その一部を拡大すると、同図(b)に表したように、多数を大きな気泡110を有する。この気泡110は、発泡水が含有する気体成分、例えば炭酸ガス(CO)である。そして、気泡110の周囲は、発泡水の被膜120に覆われている。発泡水に界面活性剤を配合しておくと、このような気泡110の生成をさらに助長することができ、さらにクリーム状の発泡水を得ることも容易となる。
【0089】
図22(c)は、このようなクリーム状または泡状の発泡水100を人体200に塗布した状態を表す。発泡水をクリーム状または泡状とすることにより、人体200に長時間、塗布することができる。つまり、発泡水が液体状であると、人体200の表面で容易に流れてしまうため、接触時間が短くなる場合がある。これに対して、クリーム状または泡状とすれば、流れることはなく、長時間に亘って人体200に接触させることができる。
【0090】
そして、発泡水120が含有する炭酸ガスなどの気体成分は、発泡水の皮膜120に配合されたその他の各種有効成分とともに、矢印Bの如く人体200に浸透し、所望の作用効果を奏する。本実施例によれば、気泡110を構成する炭酸ガスなどの気体成分が、矢印Aにより例示した如く、その周囲を覆う発泡水の皮膜120に供給される。その結果として、発泡水の皮膜120の気体含有量を高く保ち、矢印Bで例示した浸透効果を長時間に亘り持続させることができる。このように、長時間に亘って高濃度の発泡水の皮膜120に人体200を接触させると、皮膚の角質層が軟化し、矢印Bにより例示した有効成分の浸透効果がさらに高まる。
【0091】
本実施例において、泡生成手段38による泡の生成効果を高めるためには、液体または発泡剤の少なくともいずれかに、界面活性剤を配合するとよい。これら界面活性剤の具体例は、第1実施例に関して前述した通りである。ラウリル硫酸塩などの食品添加用の界面活性剤を用いれば、人体に対して安全であり、泡の生成効果を効果的に高めることができる。
【0092】
次に、本実施例における泡生成手段38の具体例について説明する。
図23(a)は、泡生成手段38の第1の具体例の上面図であり、同図(b)は、そのa−a線側面断面図である。
図23に表した示すように、泡生成手段38は、通水路33から発泡水を流入させる流入口50と、通水路33よりも流路断面積の広い流入室51と、流入室51から再び通水路33に発泡水を吐出する吐出口52からなる。そして、流入室51内に、吐出口52と流入口50とが直接対向しないように遮蔽板60が設けられている。
【0093】
図21に表した吐水装置Cの水勢調整手段36の減圧効果により発生した気泡は、発泡水の中に分散して混合しており、この発泡水は通水路33を通って流入室51内に侵入すると流速が減速され、同時に遮蔽板60に衝突することにより、流入室51内は攪拌された状態となる。このことより流入室51内で微細な気泡が合致して、より大きな気泡が形成される。よって吐出口52から吐水される発泡水は、図22に例示した如く皮膜層と気体層とが交互に分離した状態となる。通水路33に比べて流入室51の流路径を大きくすることにより、発泡水の流速をより低下させ、気泡の生成を促すことができる。また、発泡水に界面活性剤などを添加することより、クリーム状または泡状の発泡水を確実且つ容易に形成することができる。
なお、本具体例の泡生成手段の場合、遮蔽板60が設けられているので、流入口50と吐出口52とは、同軸上にあっても、偏心した位置関係にあっても気泡の生成の促進が容易となる。
【0094】
図24(a)は、泡生成手段38の第2の具体例の上面図であり、同図(b)は、そのa−a線側面断面図である。
本具体例においては、吐出口52と流入口50とが直接対向しないように、吐出口52は、流入口50に対して偏心して流入室51に連通している。また、発泡水の吐水時に、吐出口52が流入口50よりも上方になるように偏心して、流入室51に連通させている。
【0095】
本具体例においては、流入口50から流入室51内に流入した発泡水は、減速され、また、吐出口52が流入口50と同軸上にないため、流入室51の周壁に衝突した後に吐出口52から吐出される。よって流入室51内の流れに「乱れ」が発生し、流入室51内はより攪拌された状態となる。その結果、流入室51内で微細気泡が合致してより大きな気泡が形成される。このため、吐出口52から吐水される発泡水は、図22に例示したように、気体層と液体層とが交互に分離してクリーム状または泡状の形態になる。
【0096】
また、吐出口52が流入口50よりも上方になるように偏心して流入室51に連通されているため、浮力の大きい気泡は流入室51の上部に集中して吐出口52から吐出されやすくなるという効果も得られる。
【0097】
図25(a)は、泡生成手段38の第3の具体例の上面図であり、同図(b)は、そのa−a線側面断面図である。
本具体例においては、流入室51の上部は円錐状周壁、下部は略円筒状周壁を有する。そして、流入室51に流入した発泡水が流入室51内で旋回流を発生するように、流入口50は流入室51の下部周壁において周壁円周方向に向けて設けられている。一方、流入室51の上部の中心付近に吐出口52が設けられている。
【0098】
流入室51内で旋回流が発生するように流入口50が偏心して設けられているため、流入室51内には円心力が働き、密度の大きい液体は流入室51の周壁へ移動し、密度の軽い気体は流入室51の中心へ移動する。このことにより、微細な気泡は流入室51の中心で合体し、大きな気泡の形成が促進される。
そして、吐出口52は生成された気泡が集まる流入室51の中心に設けられているため、気泡が流入室51に滞留することがなく、分離されてクリーム状または泡状の状態が形成され、その発泡水の搬送がスムーズに行われる。
【0099】
図26(a)は、泡生成手段38の第4の具体例の上面図であり、同図(b)は、そのa−a線側面断面図である。
本具体例においては、流入室51の中に、この空間を仕切るように、フィルタ70が設けられている。フィルタ70は、例えば、メッシュ状あるいは多孔質状の如く多数の微細貫通孔を有する。フィルタ70の材料は、金属でも有機材料でも無機材料でもよい。また、例えば、複数のメッシュを適宜重ね合わせたものでもよい。
【0100】
このようなフィルタ70により流入室51を仕切ると、フィルタ70から排出された発泡水は、フィルタ70の全面に渡ってゆっくりと滲み出る。この時に、気泡の形成と合体が促進され、図22に例示したようなクリーム状または泡状の発泡水が得られる。なお、本具体例においては、フィルタ70の下流側の通水路33の流路径は、図示の如く絞る必要はなく、吐出装置Cの吐出端の開口と略同一のサイズであってもよい。
【0101】
また、図9に関して前述したように、水勢調整手段として多孔質体を用いる場合、これをフィルタ70と兼用することが可能である。すなわち、多孔質体の開口率や厚み、あるいは開口の平均経路長などを適宜選択すれば、その多孔質体を水勢調整手段としても泡生成手段としても用いることが可能である。
なお、本実施例においても、第2実施例と同様に、タンク1に、液体や発泡剤の投入のための第2の開口1bを設け、これを蓋20により施蓋するようにしてもよい。これにより、第2実施例に関して前述したものと同様の作用効果が得られる。
【0102】
次に、本発明の第5の実施例として、頭髪や頭皮などに発泡水を適用するために用いて特に好適な吐水装置について説明する。
図27は、本実施例の吐水装置の吐水ノズルの先端部を例示する斜視図である。吐水装置の本体としては、第1乃至第4実施例に関して前述したいずれのものを用いることも可能である。
図27(a)及び(b)に例示した如く、吐水ノズル8の先端部の吐水口8dの近傍に、円錐状、ブラシ状その他任意の形態の複数の可撓性突起体8eを取り付けても良い。さらにまた、吐水口8dを可撓性突起体8eの先端に配設しても良い。例えば、吐水装置Aを用いて頭部に発泡水を吐出させる場合、可撓性突起体8eにより頭皮が刺激され頭皮の血行が促進される。吐水口8dを可撓性突起体8eの先端に配設すると、吐水口8dが頭皮に接近するので、気泡流による刺激が増加し、発泡水による血行促進やマッサージ効果が高まると同時に、使用者の快適感が増加する。
【0103】
ここで、発泡成分の他に、いわゆるヘアケア用として、発泡剤あるいは液体の少なくともいずれかに添加することができる成分の一例を以下に列挙する。
【0104】
殺菌、防腐剤:安息香酸およびその塩類、イソプロピルメチルフエノール、ウンデシレン酸およびその塩類、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルクレゾール、クロルフェネシン、クロロブタノール、サリチル酸およびその塩類、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ドミフェン、ソルビン酸およびその塩類、チモール、チラム、デヒドロ酢酸およぴその塩類、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、バラオキシ安息香酸エステル、バラクロルフェノール、ハロカルバン、フェノール.ヘキサクロロフェン、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシンなど。
紫外線吸収剤:オキシベンゾン、サリチル酸フェニル、シノキサート、パラアミノ安息香酸エステル、2−(2−ヒドロキシー5−メチルフェニル)−ペンゾトリアゾールなど。
【0105】
ホルモン類:各種ホルモン。
酸化防止剤:カテコール、ジブチルヒドロキシトルエン、ピロガロ−ル、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルなど。
ビタミン類:酢酸−dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジルなど。
抗ヒスタミン剤、消炎剤:塩酸ジフェンヒドラミン、グアイアズレン、グアイアズレンスルホン酸ナトリウムなど。
毛根刺激剤:カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、ノニル酸バニリルアミドなど。
収斂剤:イクタモール、パラフェノールスルホン酸亜鉛など。
【0106】
酵素類:塩化リゾチウムなど。
多価アルコール類、保湿剤:プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど。
金属イオン封鎖剤:エデト酸およびその塩類など。
アニオン界面活性剤:セチル硫酸ナトリウム、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、ラウリルエーテル硫酸塩類、ラウリル硫酸塩類など。
カチオン界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウリルトリメチルアンニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムなど。
【0107】
アルカリ剤:ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンなど。
ロウ、高分子化合物、ゴム質:セラミック、天然ゴムラテックス、トラガントロジンなど。
油 分 oil components:酢酸ポリオキシエチレンラノリンアルコール、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ラノリンアルコール.水素添加ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコールなど。
その他、赤色2号、黄色201号など各種の色素を配合してもよい。
【0108】
図28は、本実施例の別の具体例の吐水装置の断面を表す模式図である。すなわち、この吐水装置Dは、液体貯留タンク41と、液体貯留タンク41の口41aに係合して液体貯留タンク41を密閉する蓋42と、を備えている。蓋42には、一端が液体貯留タンク41に連通し、他端が液体貯留タンク41外で開口する通水路43が形成されている。通水路43の経路には、水勢調整手段47と、流路を開閉する開閉弁44と、開閉弁44と連動する操作スイッチ45と、が設けられている。操作スイッチ45は、バネ45sによって矢印Aとは反対方向に付勢されている。また、操作スイッチ45の上面には、複数の可撓性突起体45aが設けられ、さらにその周囲に吐水口45bが開口されている。
【0109】
本具体例の吐水装置Dは、その吐水口45bを鉛直下方に向けて使用するのに適している。例えば、ヘアケア用の発泡水を頭髪または頭皮に適用する場合などに、使用者は、吐水装置Dを逆さに持ち、その操作スイッチ45を頭部に押しつける。すると、スイッチ45が矢印Aの方向に押圧され、開閉弁44が開いて、吐水口から発泡水が噴出する。この際に、スイッチ45の上面に設けられた可撓性突起体45aが頭皮を圧迫刺激し、血行促進効果やマッサージ効果などが得られる。
【0110】
図29は、本実施例のさらに他の具体例を表す模式図である。すなわち、同図(a)に表した吐水装置は、液体貯留タンク81と蓋82とを有する。蓋82には、操作スイッチ85が設けられ、さらに、上方に延在したヘッド88が設けられている。ヘッド88には、ブラシ状に複数の可撓性突起体88eが設けられている。これら可撓性突起体88eの周辺には、吐水口88dが設けられている。
【0111】
使用者は、可撓性突起体88eを頭髪や頭皮に対してブラシの如く用いながら、操作スイッチ85を押圧することにより、吐水口88dから発泡水を噴出させることができる。この場合も、可撓性突起体88eが頭皮を圧迫刺激し、血行促進効果やマッサージ効果などが得られる。
また、図29(b)に表したように、吐水口88dを可撓性突起体88eの先端に設けると、吐水口が頭皮に接近するので、気泡流をより直接的に頭皮に適用させ、使用者の快適感が増加する。
【0112】
なお、図28に表した具体例の場合、水勢調整手段47として、図14に表した流量調整弁26と同様のものが設けられているが、これ以外にも、例えば、図1に表した定流量弁7、図5に表した調圧弁11、図10に表した多孔質体13、図12に表した定流量弁17などを用いてもよい。
またさらに、本実施例において、図1や図21などに表した具体例のように、通水路3の一部を液体貯留タンク1内で延在する柔軟なチューブ4とし、その先端の近傍に、多孔質セラミック、高比重樹脂焼結体等の多孔質体、樹脂焼結体と重量物の結合体、目の細かな金網等で構成された錘5を設けてもよい。このようにすれば、吐水口35aが上向きの状態でも横向きの状態でも下向きの状態でも、気泡流を確実に吐出させることが可能となる。
【0113】
また、本実施例においても、第4実施例に関して前述したような泡生成手段38を設けてもよい。すなわち、本実施例の吐水装置に泡生成手段38を適宜設けることにより、クリーム状または泡状の発泡水を頭髪や頭皮に適用し、炭酸ガスやその他の各種有効成分を長時間に亘って浸透させることが可能である。
【0114】
次に、本発明の第6の実施例として、口腔内の使用に特に適した吐水装置について説明する。
図30は、本実施例の吐水装置を表す模式図である。すなわち、同図(a)はその全体図、同図(b)は矢印Aからみた一部拡大図である。
本実施例の吐水装置も、液体貯留タンク91と蓋92とを備える。蓋92には、操作スイッチ95が設けられ、さらに、上方に延在したヘッド98が設けられている。ヘッド98の先端には、発泡水を吐出する吐水口98dが設けられている。蓋92の内部の具体的に構造としては、第1乃至第5実施例に関して前述した各種のものを採用することができる。なお、同図に表した具体例においては複数の吐水口98dが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッド98の先端に単一の吐水口98dを設けてもよい。
【0115】
使用者は、ヘッド98の先端部を口腔内の所望の位置に配置し、操作スイッチ95を押圧することにより、吐水口98dから発泡水を噴出させることができる。発泡水が含有する炭酸ガス及びその他の有効成分により、歯茎や口腔内壁の血行促進、虫歯に対する静菌作用、歯垢の分解除去、歯槽膿漏や口臭の予防・除去などの効果が得られる。
【0116】
本実施例においては、発泡成分の他に、液体貯留タンク91に投入する発泡剤または液体の少なくともいずれかに以下の薬剤を配合することができる。
【0117】
虫歯の予防を目的として、例えば、殺菌剤や各種のフッ化物など。
歯槽膿漏や歯肉炎の予防を目的として、例えば、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、ムタステインなどの酵素剤や、塩化リゾチーム、トラネキサム酸、アズノール、アラントイン、カミツレチンキ、ラタニアチンキ、ミルラチンキなどの抗炎症剤など。
口腔の洗浄や消毒、口臭除去を目的として、例えば、グルコン酸クロルヘキシジンなどの殺菌剤や、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウム、エチルアルコールなどの溶解補助剤など。
湿潤剤(保湿剤)として、例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど。
【0118】
最後に、本発明の第7の実施例として、本発明の吐水装置を用いたフェイスケアあるいはボディケアの方法の一例を紹介する。
第1実施例に関して前述したように、本発明によれば、水勢調整手段を設けることにより、液体貯留タンク内が高い圧力になっても、発泡水の吐出圧力や流量を調節することができる。その結果として、炭酸ガスなどの有効成分を高い濃度で含んだ発泡水を長時間に亘って吐出させることができる。
【0119】
例えば、炭酸ガスを発生させる場合には、本発明の吐水装置によれば、炭酸泉の濃度である1000ppmを超え、3000ppm以上の炭酸水を吐出させることも可能である。このような高濃度の炭酸水は、血管拡張作用による血行促進効果が著しい。従って、温熱効果が得られ、冷え性などを低減できる。さらにまた、各種の薬効成分を配合した場合の浸透効果も高い。一方、高濃度の炭酸水は、皮膚のターンオーバーを促進し、美白効果や皺の低減除去にも効果を有する。
【0120】
また、高濃度の炭酸水は、酸性水であるため、皮膚の角質を除去するピーリング効果も得られ、同時に、静菌作用やアストリンゼント効果も得られる。
このような発泡水は、顔や手足あるいはその他の身体の部位に直接的に噴射してもよく、または、天然パルプやコットンなどの素材からなるパック材にしみ込ませて所定の部位にあてがうように用いてもよい。
【0121】
本発明の吐水装置を用いて、主に美容効果を目的とした気泡流を形成する場合には、発泡成分の他に、液体貯留タンク1に投入する発泡剤または液体の少なくともいずれかに以下の薬剤を配合することができる。
【0122】
洗浄剤あるいは界面活性剤:アニオン界面活性剤としては、例えば、石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸、N−アシルグルタミン酸塩など。カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなど。両性界面活性剤としては、例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど。
収斂剤(発汗を抑制することができる):クエン酸、酒石酸、乳酸などのアニオン系収斂剤。アルミニウム塩などのカチオン系収斂剤。エタノールなどの非イオン系収斂剤。
湿潤剤(保湿剤):グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1、3−ブチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸、乳酸ナトリウム、尿素、尿酸、ヒロリドンカルボン酸ナトリウム、レシチン、ヘパリノイドなど。
【0123】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明の吐水装置を構成するいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0124】
例えば、水勢調整手段としては、具体例として挙げたものには限定されず、発泡水の流量または圧力の少なくともいずれかが略一定になる構造を有するものであれば、本発明の要素となる。
また、第4実施例に関して前述した泡生成手段38についても、図23乃至図26に例示した具体例に限定されるものではなく、流入口50と吐出口52との配置関係や流路径のバランス、あるいは流入室51の形状やサイズなどについては、当業者が適宜設計変更したものも、撹拌あるいは減速の少なくともいずれかの効果を有するものであれば、本発明の範囲に包含される。また、泡生成手段38は、例えば、流入室51内に回転自在に設けられた水車を有するものなどであってもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る吐水装置においては、通水路の他端から吐出する気泡流の流量または圧力が水勢調整手段により略一定に自動的調整されるので、吐水の初期から終期まで、安定した吐水が得られる。
【0126】
また、水勢調整手段を設けることにより、液体貯留タンク内の圧力を高くし、炭酸ガスなどの含有濃度が高い発泡水を長時間に亘って吐出させることができるので、炭酸ガスなどによる各種の効果を高めることができる。
【0127】
またさらに、炭酸ガスなどの気体成分を溶解した液体が水勢調整手段を通過した時に、圧力低下による気泡の生成を促進させ、微細な気泡が分散混入した発泡水が得られる。その結果として、柔らかい吐出感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる吐水装置の断面構造を表す模式図である。
【図2】第1実施例の吐水装置が備える吐水ノズルの先端部の側面図である。
【図3】圧力と炭酸ガスの溶解量との関係を表すグラフ図である。
【図4】本発明の吐水装置及び比較例の吐水装置における給水圧力と吐水量との関係を表すグラフ図である。
【図5】調圧弁11を設けた吐水装置の蓋部の断面構造を表す模式図である。
【図6】第1実施例の吐水装置Aに用いることができる吐水ノズルの先端部を表す模式図である。
【図7】残水処理弁を設けた吐水装置の蓋部の断面を表す模式図である。
【図8】液体貯留タンク内に延在するチューブの先端付近を表す模式断面図である。
【図9】水勢調整手段として多孔質体を設けた吐水装置の断面を表す模式図である。
【図10】水勢調整手段の他の具体例を表す模式断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例にかかる吐水装置の断面を表す模式図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る吐水装置の断面を表す模式図である。
【図13】流量調整弁26の拡大図である。
【図14】吐水装置Bの動作を説明するための模式図である。
【図15】吐水装置Bの動作を説明するための模式図である。
【図16】吐水装置Bの動作を説明するための模式図である。
【図17】吐水装置Bの動作を説明するための模式図である。
【図18】第3実施例の変形例の吐水装置の断面を表す模式図である。
【図19】発泡剤収納容器28を除去した吐水装置を表す模式図である。
【図20】本発明の吐水装置Bの他の変型例を表す断面図である。
【図21】本発明の第4の実施例にかかる吐水装置の断面を表す模式図である。
【図22】泡生成手段38の作用を説明するための概念図である。
【図23】(a)は、泡生成手段38の第1の具体例の上面図であり、(b)は、そのa−a線側面断面図である。
【図24】(a)は、泡生成手段38の第2の具体例の上面図であり、(b)は、そのa−a線側面断面図である。
【図25】(a)は、泡生成手段38の第3の具体例の上面図であり、(b)は、そのa−a線側面断面図である。
【図26】(a)は、泡生成手段38の第4の具体例の上面図であり、(b)は、そのa−a線側面断面図である。
【図27】本発明の第5の実施例の吐水装置の吐水ノズルの先端部を例示する斜視図である。
【図28】第5実施例の別の具体例の吐水装置の断面を表す模式図である。
【図29】第5実施例のさらに他の具体例を表す模式図である。
【図30】本発明の第6実施例の吐水装置を表す模式図である。
【符号の説明】
A、B、C、D 吐水装置
1、21、31、41、81、91 液体貯留タンク
1b 開口
2、22、32、42、82、92 蓋
3、23、33、43 通水路
4 チューブ
5 錘
6、24、34、44 開閉弁
7、17 定流量弁
8 吐水ノズル
9 操作スイッチ
10 ノズルキャップ
11 調圧弁
12 残水処理弁
13 多孔質体
20 蓋
25、35、45、85、95 操作スイッチ
26 流量調整弁
27 吐水口
28 発泡剤収納容器
29、29′ 発泡剤
47 水勢調整手段
50 流入口
51 流入室
52 吐出口
60 遮蔽板
70 フィルタ
88、98 ヘッド
88d、98d 吐水口
88e 可撓性突起体
100 発泡水
110 気泡
120 発泡水の皮膜
200 人体

Claims (25)

  1. 液体貯留タンクと、前記液体貯留タンクを密閉し密閉空間を形成する蓋と、一端が前記液体貯留タンク内に連通し他端が前記液体貯留タンク外で開口する通水路と、前記通水路を開閉する開閉弁と、を備え、前記密閉空間内で発泡剤を液体に溶解させて発生した気体により前記液体貯留タンク内部を加圧し、前記液体に気泡が分散混入した気泡流を前記通水路の前記他端から吐出する吐水装置であって、
    前記通水路の前記他端から吐出する前記気泡流の流量及び吐出圧力の少なくといずれかを略一定に維持する水勢調整手段をさらに備えたことを特徴とする吐水装置。
  2. 前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧が変動しても前記気泡流の吐出流量を略一定にする定流量弁を有することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  3. 前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧が変動しても前記気泡流の吐出圧力を略一定にする調圧弁を有することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  4. 前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧が変動しても前記気泡流の吐出圧力を略一定にする調圧弁と、前記気泡流の吐出流量を調整する流量調整弁と、を有することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  5. 前記水勢調整手段は、ポンプを有することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  6. 前記水勢調整手段は、前記開閉弁の下流に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の吐水装置。
  7. 前記水勢調整手段は、前記開閉弁の上流に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の吐水装置。
  8. 前記通水路の前記他端は、択一的に選択可能な複数の吐水口を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の吐水装置。
  9. 前記複数の吐水口のそれぞれは、吐水口面積が互いに異なることを特徴とする請求項8記載の吐水装置。
  10. 前記複数の吐水口の少なくともいずれかは、複数の小径穴を有することを特徴とする請求項8または9に記載の吐水装置。
  11. 前記通水路の前記他端は、選択数可変の複数の小径穴から成る吐水口を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の吐水装置。
  12. 前記開閉弁の閉弁時に前記開閉弁より下流の前記通水路から残水を排出させる残水排出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の吐水装置。
  13. 前記通水路の一部は前記液体貯留タンク内で延在し、前記延在した部分は柔軟なチューブを有し、前記チューブの先端近傍に錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の吐水装置。
  14. 前記錘に浮体が取り付けられていることを特徴とする請求項13記載の吐水装置。
  15. 前記通水路の前記他端の近傍に複数の可撓性突起体が配設されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の吐水装置。
  16. 前記通水路の前記他端は、複数の可撓性突起体の先端にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の吐水装置。
  17. 前記発泡剤は、pH調整剤、保湿剤、殺菌剤、香料、消臭剤、界面活性剤、薬効成分剤の少なくとも何れかを含有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載の吐水装置。
  18. 前記水勢調整手段は、前記液体貯留タンクの内圧の増減に応じて前記気泡流の吐出流量を減増させる流量調整弁を有することを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  19. 前記流量調整弁は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含むことを特徴とする請求項18記載の吐水装置。
  20. 前記水勢調整手段は、前記通水路の前記他端近傍に配設されていることを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  21. 前記水勢調整手段は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含んだ流量調整弁を有し、前記小径穴は前記通水路の前記他端と同軸に配設されていることを特徴とする請求項20記載の吐水装置。
  22. 前記水勢調整手段は、中心部に小径穴が形成された弾性体の円板を含んだ流量調整弁を有し、前記小径穴は前記通水路の前記他端を形成していることを特徴とする請求項20記載の吐水装置。
  23. 前記気泡流における気泡の含有比率を増加させる泡生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1つに記載の吐水装置。
  24. 前記泡生成手段は、前記気泡流の流速を低下させることにより前記気泡の含有比率を増加させるものであることを特徴とする請求項23記載の吐水装置。
  25. 前記泡生成手段は、前記気泡流を撹拌することにより前記気泡の含有比率を増加させるものであることを特徴とする請求項23記載の吐水装置。
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