JP4917217B2 - 噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に圧入された流体を押ボタンの操作によりノズルから噴射する噴射装置に関し、特に、流体をノズルから口腔内の歯、歯間、歯茎に噴射することにより、歯、歯間、歯茎を清掃する噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯槽膿漏等の歯周病においては患部を十分に清掃して殺菌し、薬剤を適切に塗布することが重要である。従来、口腔内における歯、歯間、歯茎の清掃には、歯ブラシ、楊子、デンタルフロス、洗口液等が用いられている。これらのうち歯ブラシは一般的であり最も利用されているが、使用準備にある程度手間が掛かるため使用場面が限定され、さらに歯間を十分に清掃することができないという欠点がある。
【0003】
これに対し、楊子やデンタルフロスは上記欠点をある程度解消するものであるが、歯間の特に狭い部分に対しては十分に清掃することができず、無理に清掃しようとすると場合によっては歯茎を傷付けてしまうことがあるという欠点がある。一方、洗口液では口腔内をすすぐのみであるため、物理的作用が弱く、歯、歯間、歯茎を十分に清掃することができないという欠点がある。そこで、ウォーターピックと呼ばれる液体を歯間の特に狭い部分に高圧噴射して清掃する歯間清掃装置が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した歯間清掃装置では、液体を機械的に加圧しているため、動力源として電気が必要であり、簡便性や携帯性に劣るという問題がある。これに対し、例えば特公平3−176417号公報、特表平3−500895号公報、特開平11−256191号公報に記載のように、充填された高圧ガスを用いて液体を噴射させる装置が種々提案されている。
【0005】
ところが、特公平3−176417号公報に記載の発明では、噴射される液体は口中清涼剤であり、歯、歯間、歯茎を清掃することはできない。また、特表平3−500895号公報に記載の発明では、噴射される液体は歯磨剤であるものの、装置については何ら開示されていない。
【0006】
特開平11−256191号公報に記載の発明では、噴射される液体は歯ブラシ用洗浄剤であり、歯、歯間、歯茎を清掃するものではない。一方、特開平10−167944号公報に記載の発明は、口腔用組成物を用いているが、口腔内に噴射させるのではなく、単に投入するのみであるので、歯、歯間、歯茎を清掃するものではない。
【0007】
本発明の課題は、簡便かつ適切に清掃等することができ、使用時や使用場面を限定することがない利便性及び携帯性に優れた安価な噴射装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の第1の様相は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器(1)と、容器(1)に装着された噴射ノズル(2)とを有する噴射装置において、容器(1)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(1)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(1a)が設けられ、噴射ノズル(2)は、容器(1)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(3)と、この押ボタン(3)の操作により液体を噴射するノズル(4)とを有し、押ボタン(3)は、略円筒状に形成され、側面にノズル(4)を支持するホルダー(3a)がはめ込まれ、押ボタン(3)には、吐出口(1a)をはめ込むための孔(3b)及び吐出された液体を通す流路(3c)が略中心軸方向に形成され、ホルダー(3a)には、流路(3c)を通ってきた液体を通す流路(3d)が流路(3c)と直交する方向に形成されており、ノズル(4)は、棒状に形成され、後端部がホルダー(3a)に対し一方向に略90゜旋回可能に支持され、先端部が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる楔状に形成され、ノズル(4)には、流路(3d)を通ってきた液体を通す流路(4a)が略中心軸方向に形成され、ノズル(4)の先端にはスリットが形成されており、該スリットは、ノズル(4)の先端の噴孔(4c)から噴射される液体の方向性を高めるための両壁(4b)を含むことを特徴とする。可撓性の材料として例えば高分子材料を用いてテーパ形状に形成することにより、ノズルを噴射対象、例えば歯、歯間、歯茎に対し正確に向けることができ、さらにはノズルを例えば歯、歯間、歯茎に対して密着させることができるので、流体を歯、歯間、歯茎に確実に噴射して歯、歯間、歯茎を清掃または、マッサージし、あるいは流体を歯、歯間、歯茎に塗布することができる。
【0014】
本発明の第2の様相は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器(11)と、容器(11)に装着された噴射ノズル(12)とを有する噴射装置において、容器(11)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(11)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(11a)が設けられ、
噴射ノズル(12)は、容器(11)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(13)と、この押ボタン(13)の操作により液体を噴射するノズル(14)とを有し、押ボタン(13)は、略円筒状に形成され、上端面に使用時及び不使用時のノズル(14)をそれぞれ略垂直上方向に向けて保持する保持孔(13a)及び(13b)が設けられ、且つ、押ボタン(13)には、吐出口(11a)をはめ込むための孔(13c)及び吐出された液体を通す流路(13d)が略中心軸方向に形成され、ノズル(14)は、棒状に形成され、後端部が保持孔(13a)及び(13b)に対し着脱可能に保持され、先端部の側面が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる略円錐状に形成され、ノズル(14)には、流路(13d)を通ってきた液体を通す流路(14a)が略中心軸方向に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の様相は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器(31)と、容器(31)に装着された噴射ノズル(32)とを有する噴射装置において、容器(31)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(31)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(31a)が設けられ、噴射ノズル(32)は、容器(31)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(33)と、この押ボタン(33)の操作により液体を噴射するノズル(34)と、押ボタン(33)を支持すると共にノズル(34)を保持可能なヘッド部(35)を有し、押ボタン(33)は、略直方体状の支持部(331)と略円筒状の押圧部(332)とが一体化された前方後円形状に形成され、支持部(331)の底面部には、吐出口(31a)をはめ込むための孔(331a)が形成され、この孔(331a)から支持部(331)の先端部にかけては、吐出された液体を通す流路(331b)及び(331c)が形成され、支持部(331)の先端部は、一端がヘッド部(35)に固定された略L字形状の帯状弾性部材(331d)の他端に固定され、押圧部(332)の上面部は椀状に凹んだ形状に形成され、ノズル(34)は、略直方体状のつまみ部(34a)と、そのつまみ部(34a)に形成されているはめ込み部(34aa)にはめ込まれ、可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる矢尻状の筒部(34b)で形成され、つまみ部(34a)には、底面からはめ込み部(34aa)にかけて流路(34c)が形成され、筒部(34b)には、流路(34c)を通ってきた液体を通す流路(34d)が略中心軸方向に形成され、押ボタン(33)の流路(331c)とノズル(34)の流路(34c)はブッシュ(36a、36b)を介して可撓性の管(36)で接続されている噴射装置であって、ヘッド部(35)は、略円筒状に形成され、帯状弾性部材(331d)を介して連結されている押ボタン(33)の両側を囲むように立設された側壁部(35a、35b)の上部に、ノズル(34)を保持可能なノズル保持部(35c)が形成され、側壁部(35a)には、ノズル(34)のつまみ部(34a)を挟持可能な溝部(35ca)が形成され、側壁部(35b)には、ノズル(34)の筒部(34b)を挿入可能な溝部(35cb)が形成され、更に、溝部(35ca)の内側両側壁には、つまみ部(34a)の外周面に形成されている切り込み部(34ab)に噛み合わせ可能な凸部(35cc)が形成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する本実施の形態は、口腔内に液体を噴射する噴射ノズル、噴射装置及び噴射方法である。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図、図2(A)及び(B)は、その使用時の正面図及び側面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、この噴射装置は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器1と、この容器1に装着された噴射ノズル2とを有する。容器1は、いわゆるエアゾール容器であり、一端部(下端部)が閉じた円筒状に形成されている。この容器1の他端部(上端部)には、上下動による弁の開閉により容器1の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口1aが設けられている。
【0019】
噴射ノズル2は、容器1に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン3と、この押ボタン3の操作により液体を噴射するノズル4とを有する。押ボタン3は、略円筒状に形成され、側面にノズル4を支持するホルダー3aがはめ込まれている。押ボタン3には、吐出口1aをはめ込むための孔3b及び吐出された液体を通す流路3cが略中心軸方向に形成されている。ホルダー3aには、流路3cを通ってきた液体を通す流路3dが流路3cと直交する方向に形成されている。
【0020】
ノズル4は、棒状に形成され、一端部(後端部)がホルダー3aに対し図示矢印a方向に略90゜旋回可能に支持され、他端部(先端部)が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる楔状に形成されている。ノズル4には、流路3dを通ってきた液体を通す流路4aが略中心軸方向に形成されている。ノズル4の先端にはスリットが入れられており、このスリットの両壁4bはノズル4の先端の噴孔4cから噴射される液体の方向性を高める役割をする。
【0021】
このような構成の噴射装置を使用しないときは、図1に示すように、ノズル4を旋回させてノズル4の軸を容器1の軸と略平行、すなわち略垂直上方向に向け、キャップ5を被せて容器1の上端部を覆っている肩カバー6にキャップ5の一端部をはめ込み固定する。一方、噴射装置を使用するときは、図2に示すように、キャップ5の一端部を肩カバー6から外して取り除く。
【0022】
そして、ノズル4を旋回させてノズル4の軸を容器1の軸と略垂直、すなわち略水平横方向に向け、ノズル4の先端部を噴射対象、例えば歯、歯間、歯茎に向ける。続いて、押ボタン3を上方から押し下げることにより、容器1内部の液体を吐出口1aから押ボタン3の流路3c、ホルダー3aの流路3d及びノズル4の流路4aを介してノズル4の先端の噴孔4cから噴射させる。
【0023】
このとき、ノズル4は旋回可能であるので、好みの角度で位置合わせを行うことができると共に、ノズル4の先端部を例えば高分子材料により楔状に形成しているので、歯、歯間、歯茎に対し正確に向けることができ、さらには歯、歯間、歯茎に対して密着させることができる。このため、液体を歯、歯間、歯茎に確実に噴射して歯、歯間、歯茎を清掃または、マッサージし、あるいは液体を歯、歯間、歯茎に塗布することができる。
【0024】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図、図4(A)及び(B)は、その使用時の正面図及び側面図である。
【0025】
図3及び図4に示すように、この噴射装置は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器11と、この容器11に装着された噴射ノズル12とを有する。容器11は、図1及び図2に示す容器1と同様であり、説明を省略する。
【0026】
噴射ノズル12は、容器11に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン13と、この押ボタン13の操作により液体を噴射するノズル14とを有する。押ボタン13は、略円筒状に形成され、上端面に使用時及び不使用時のノズル14をそれぞれ略垂直上方向に向けて保持する保持孔13a及び13bが設けられている。押ボタン13には、吐出口11aをはめ込むための孔13c及び吐出された液体を通す流路13dが略中心軸方向に形成されている。
【0027】
ノズル14は、棒状に形成され、一端部(後端部)が保持孔13a及び13bに対し着脱可能に保持され、他端部(先端部)の側面が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる略円錐状に形成されている。ノズル14には、流路13dを通ってきた液体を通す流路14aが略中心軸方向に形成されている。
【0028】
このような構成の噴射装置を使用しないときは、図3に示すように、ノズル14を保持孔13b内に挿入して保持させてノズル14の軸を容器11の軸と略平行、すなわち略垂直上方向に向け、キャップ15を被せて容器11の上端部を覆っている肩カバー16にキャップ15の一端部をはめ込み固定する。一方、噴射装置を使用するときは、図4に示すように、キャップ15の一端部を肩カバー16から外して取り除く。
【0029】
そして、ノズル14を保持孔13bから取り出して保持孔13a内に挿入して保持させてノズル14の軸を容器11の軸と略平行、すなわち略垂直上方向に向け、ノズル14の先端部を噴射対象、例えば歯、歯間、歯茎に向ける。続いて、押ボタン13を上方から押し下げることにより、容器11内部の液体を吐出口11aから押ボタン13の流路13d及びノズル14の流路14aを介してノズル14の先端の噴孔14bから噴射させる。
【0030】
このとき、ノズル14の先端部を例えば高分子材料により略円錐状に形成しているので、歯、歯間、歯茎に対し正確に向けることができ、さらには歯、歯間、歯茎に対して密着させることができる。このため、液体を歯、歯間、歯茎に確実に噴射して歯、歯間、歯茎を清掃または、マッサージし、あるいは液体を歯、歯間、歯茎に塗布することができる。なお、ノズル14は押ボタン13と分離可能であるので、個人別としたり、汚れたときに交換したりすることが容易となる。
【0031】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図、図6(A)及び(B)は、その使用時の正面図及び側面図である。
【0032】
図5及び図6に示すように、この噴射装置は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器21と、この容器21に装着された噴射ノズル22とを有する。容器21は、図1及び図2に示す容器1と同様であり、説明を省略する。
【0033】
噴射ノズル22は、容器21に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン23と、この押ボタン23の操作により液体を噴射するノズル24とを有する。押ボタン23は、略円筒状に形成され、吐出口21aをはめ込むための孔23a及び吐出された液体を通す流路23b及び23cが略中心軸方向及びそれと直交する方向に形成されている。
【0034】
ノズル24は、略直方体状のつまみ部24aと、そのつまみ部24aにはめ込まれ、可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる矢尻状の筒部24bで形成されている。つまみ部24aには、側面から筒部24bのはめ込み部にかけて流路24cが形成され、筒部24bには、流路24cを通ってきた液体を通す流路24dが略中心軸方向に形成されている。そして、押ボタン23の流路23cとノズル24の流路24cは可撓性の管25で接続されている。
【0035】
このような構成の噴射装置を使用しないときは、図5に示すように、ノズル24のつまみ部24aを持って筒部24bを容器21の上端部にはめ込まれているカバー26の保持孔26aに挿入して保持させる。一方、噴射装置を使用するときは、図6に示すように、ノズル24のつまみ部24aを持って筒部24bを保持孔26aから取り出し、筒部24bの先端部を噴射対象、例えば歯、歯間、歯茎に向ける。
【0036】
続いて、押ボタン23を上方から押し下げることにより、容器21内部の液体を吐出口21aから押ボタン23の流路23b、23c、管25及びノズル24の流路24c、24dを介して筒部24bの先端の噴孔24eから噴射させる。このとき、ノズル24は単体で取り扱うことができるので、自由に配置することができると共に、筒部24bを例えば高分子材料により矢尻状に形成しているので、歯、歯間、歯茎に対し正確に向けることができ、さらには歯、歯間、歯茎に対して密着させることができる。このため、液体を歯、歯間、歯茎に確実に噴射して歯、歯間、歯茎を清掃または、マッサージし、あるいは液体を歯、歯間、歯茎に塗布することができる。
【0037】
図7は、本発明の第4の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図、図8は、それを別の角度から見た斜視図、図9(A)、(B)及び(C)は、それの上面図、B―B′断面側面図及びA―A′断面正面図、図10(A)及び(B)は、その使用時の正面図及び断面側面図である。
【0038】
図7〜図10に示すように、この噴射装置は、液体が噴射ガスを介して圧入された容器31と、この容器31に装着された噴射ノズル32とを有する。容器31は、図1及び図2に示す容器1と同様であり、説明を省略する。噴射ノズル32は、容器31に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン33と、この押ボタン33の操作により液体を噴射するノズル34と、押ボタン33を支持すると共にノズル34を保持可能なヘッド部35を有する。
【0039】
押ボタン33は、略直方体状の支持部331と略円筒状の押圧部332とが一体化された前方後円形状に形成されている。図9(B)に示すように、支持部331の底面部には、吐出口31aをはめ込むための孔331aが形成され、この孔331aから支持部331の先端部にかけては、吐出された液体を通す流路331b及び331cが形成されている。そして、支持部331の先端部は、一端がヘッド部35に固定された略L字形状の帯状弾性部材331dの他端に固定されている。また、押圧部332の上面部は、椀状に凹んだ形状に形成されている。
【0040】
ノズル34は、略直方体状のつまみ部34aと、そのつまみ部34aに形成されているはめ込み部34aaにはめ込まれ、可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる矢尻状の筒部34bで形成されている。図9(C)に示すように、つまみ部34aには、底面からはめ込み部34aaにかけて流路34cが形成され、筒部34bには、流路34cを通ってきた液体を通す流路34dが略中心軸方向に形成されている。そして、図9(B)、(C)に示すように、押ボタン33の流路331cとノズル34の流路34cはブッシュ36a、36bを介して可撓性の管36で接続されている。
【0041】
ヘッド部35は、略円筒状に形成されており、帯状弾性部材331dを介して連結されている押ボタン33の両側を囲むように立設された側壁部35a、35bの上部には、ノズル34を保持可能なノズル保持部35cが形成されている。すなわち、側壁部35aには、ノズル34のつまみ部34aを挟持可能な溝部35caが形成され、側壁部35bには、ノズル34の筒部34bを挿入可能な溝部35cbが形成されている。さらに、図9(A)に示すように、溝部35caの内側両側壁には、つまみ部34aの外周面に形成されている切り込み部34abに噛み合わせ可能な凸部35ccが形成されている。
【0042】
このような構成の噴射装置を使用しないときは、図7〜図9に示すように、ノズル34のつまみ部34aを持ってヘッド部35の側壁部35aに形成されている溝部35ca内に挿入すると共に、筒部34bをヘッド部35の側壁部35bに形成されている溝部35cb内に挿入する。このとき、つまみ部34aの外周面に形成されている切り込み部34abを、溝部35caの内側両側壁に形成されている凸部35ccに噛み合わせることにより、つまみ部34aを溝部35ca内でしっかりと挟持することができ、結果としてノズル34をヘッド部35に対し確実に保持させることができる。さらに、ノズル34の保持姿勢が水平となるので、噴射後にノズル34先端に液が残留していても、その液垂れを回避することができる。
【0043】
一方、噴射装置を使用するときは、図10に示すように、ノズル34のつまみ部34aを持ってヘッド部35の側壁部35aに形成されている溝部35caから取り出すと共に、筒部34bをヘッド部35の側壁部35bに形成されている溝部35cbから取り出し、筒部34bの先端部を噴射対象、例えば歯、歯間、歯茎に向ける。
【0044】
続いて、押ボタン33の押圧部332を上方から押し下げることにより、容器31内部の液体を吐出口31aから押ボタン33の流路331b、331c、管36及びノズル34の流路34c、34dを介して筒部34bの先端の噴孔34eから噴射させる。この押ボタン33の押圧部332を指で押下する際には、指の腹が凹みにはまるので、指の滑りを防止して押圧部332を確実に押下することができる。さらに、押ボタン33の支持部331の先端部が帯状弾性部材331dを介してヘッド部35に支持され、支持部331の底面部が吐出口31aに支持された構成となっているので、押ボタン33の押圧部332に対する押下力をてこの原理により小さくすることができ、押ボタン33の操作が容易となる。
【0045】
また、ノズル34は単体で取り扱うことができるので、自由に配置することができると共に、筒部34bを例えば高分子材料により矢尻状に形成しているので、歯、歯間、歯茎に対し正確に向けることができ、さらには歯、歯間、歯茎に対して密着させることができる。このため、液体を歯、歯間、歯茎に確実に噴射して歯、歯間、歯茎を清掃または、マッサージし、あるいは液体を歯、歯間、歯茎に塗布することができる。
【0046】
上述した各実施の形態において、ノズル4、14、24、34に使用する可撓性材料である高分子材料としては、リニア・ローデンシティ・ポリエチレン(LLDPE)、ローデンシティ・ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、シリコンゴム、ウレタンゴム、エラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。また、ノズル4、14、24、34における液体の噴孔4c、14b、24e、34eを1つ形成する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、2つ以上形成してもよい。例えば噴孔を2つ形成するときはV字状に配列する。あるいは、噴孔を斜面形状のノズル先端部に設けてもよい。いずれの場合も、流体の噴射はV字状となり、広範な清掃やマッサージが可能となる。
【0047】
さらに、噴孔4c、14b、24e、34eの内径を絞ることにより、液体の噴射時の速度を上げることができ、より少ない噴射量で効果的な清掃力を得ることができるため、噴孔4c、14b、24e、34eの内径は0.1mm〜0.5mmに形成することが望ましい。また、噴射特性は噴孔4c、14b、24e、34eの断面形状ではなく断面積により規定されるため、噴孔4c、14b、24e、34eの断面形状は円形、楕円形、三角形、四角形、五角形をはじめとする多角形、半月形、三か月形、星形等の任意の形状で構わない。
【0048】
また、ノズル4、14、24、34から液体を噴射する際に使用される噴射ガスとしては、口腔内に使用することから、ジメチルエーテル(DME)やLPガス(LPG)等は安全性の面で問題があるため、二酸化炭素、窒素、酸素、空気、あるいはいずれか2種以上の混合ガスといった無機ガスが挙げられる。中でも、二酸化炭素は水への溶解性が高いことから、噴射力を増強したり、発泡による使用感を高めることが期待でき、含有させることが好ましい。そして、ノズル4、14、24、34から液体を噴射する際の噴射圧力は、より少ない噴射量で効果的な清掃力を得るために、0.61MPa以上、望ましくは0.7MPa以上とする。
【0049】
また、ノズル4、14、24、34から噴射される液体としては、単に水のみでも清掃は可能であるが、さらに使用目的により種々のものを配合することが可能である。清掃、マッサージ、あるいは薬剤塗布の観点からは、殺菌剤、抗炎症剤、局所保護剤、抗ヒスタミン剤、局所刺激剤、局所麻酔剤、止血剤、組織修復剤、界面活性剤、口臭防止剤、あるいはいずれか2種以上の混合物を含有することが好ましい。また、香料、甘味剤、矯味剤、防腐剤、生薬成分やビタミン等を添加してもよい。
【0050】
ここで、殺菌剤は、口腔内や咽頭、さらには手や爪の間(人以外の動物を含む)の消毒、口内炎時の感染や口臭の防止に使用されるもので、例えばヨウ素、ヨウ化カリウム、ポピドンヨード、フェノール、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸/塩酸クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、クレオソート、チモール、カテキン、キトサン、ワサビエキス等が挙げられる。
【0051】
抗炎症剤は、口内炎や咽頭炎の炎症を抑えるために使用されるもので、例えばトラネキサム酸、塩化リゾチーム、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、カンゾウエキス、カミツレエキス等が挙げられる。局所保護剤は、食物等による各種刺激から口腔内の粘膜や傷口を保護するために使用されるもので、例えばグリセリン、濃グリセリン等が挙げられる。抗ヒスタミン剤は、炎症を抑制するために使用されるもので、例えばマレイン酸クロルフェニラミン等が挙げられる。
【0052】
局所刺激剤は、清涼感をもたらすために使用されるもので、例えばl−メントール、dl−メントール、ハッカ油等が挙げられる。局所麻酔剤は、虫歯や歯肉炎の痛みを抑えるために使用されるもので、例えば塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル等が挙げられる。止血剤は、歯肉炎による歯茎からの出血を抑えるために使用されるもので、カルバゾクロム等が挙げられる。
【0053】
組織修復剤は、炎症部の治癒促進が期待できるもので、例えば銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。界面活性剤は、歯垢除去や溶解剤として使用されるものであり、例えばショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ひまし油60、ポリオキシエチレン硬化ひまし油20、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0054】
口臭防止剤は、口腔内の臭気をマスキングすることにより臭いを低減または防止するもので、口臭除去効果を奏するものである。例えばパセリシードオイル、緑茶エキス、フラノボイド、クロロフィル、シャンピニオンエキス等が挙げられる。
【0055】
さらに、香料としては、例えばライムフレーバー、ミントフレーバー、ミントオイル、ユーカリオイル、ウイキョウオイル、ケイヒオイル、ジンジャーフレーバー、レモンオイル、レッドペッパーチンキ、カプシカムフレーバー等が挙げられる。なお、ノズル4、14、24、34から噴射させる流体として液体を例に説明したが、気体であっても清掃効果を得ることが可能である。
【0056】
そして、ノズル4、14、24、34から液体を噴射する際の噴射量は使用目的により適宜調節可能であるが、清掃やマッサージを目的とする場合は、0.1g/sec〜5.0g/secが望ましい。ただし、噴射量が多いと口腔内への刺激が強過ぎ、また少ないと洗浄が不十分になることから、より好ましくは0.8g/sec〜2.0g/secである。
【0057】
ここで、図1、図3及び図5に示す各ノズル4、14、24、34を有する噴射装置を作製した。容器1、11、21内部に、清掃液として塩化セチルピリジニウムを250mg、グリチルリチン酸二カリウムを250mg、l−メントールを2500mg、白糖を50g、エタノールを100ml、香料を500mg、界面活性剤を500mg、さらに、精製水を加えて全量5000mlとした中の135g、噴射ガスとして二酸化炭素を0.8MPaの噴射圧力で充填した。これらの噴射装置から清掃液を噴射させたところ、各ノズル4、14、24からの噴射量はそれぞれ1.40g/sec、1.29g/sec、0.79g/secとなり、良好な結果を得ることができた。
【0058】
また、図7に示すノズル34を有する噴射装置を作製した。容器31内部に、清掃液としてカンゾウエキスを2000mg、パセリシードオイルを200mg、メントールエマルジョンを6000mg、キシリトールを20g、エタノールを20ml、香料を200mg、さらに、水を加えて全量2000mlとした中の135g、噴射ガスとして二酸化炭素を0.8MPaの噴射圧力で充填した。これらの噴射装置から清掃液を噴射させたところ、ノズル34からの噴射量は1.17g/secとなり、良好な結果を得ることができた。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の噴射ノズル、該ノズルを備えた噴射装置は、使用時や使用場所を限定せず、携帯性及び利便性に優れ、安価な例えば口腔内用の噴射ノズル、噴射装置として用いることができ、歯、歯間、歯茎を簡便かつ適切に清掃やマッサージ等することができる。なお、通常の口腔洗浄の他、歯槽膿漏等の歯周病にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図である。
【図2】図1に示した噴射装置の噴射ノズルの使用時の正面図及び側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図である。
【図4】図3に示した噴射装置の噴射ノズルの使用時の正面図及び側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図である。
【図6】図5に示した噴射装置の噴射ノズルの使用時の正面図及び側面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る噴射装置の噴射ノズルを示す斜視図である。
【図8】図7に示した噴射装置の噴射ノズルを別の角度から見た斜視図である。
【図9】図7に示した噴射装置の噴射ノズルの上面図、B−B′断面側面図及びA―A′断面正面図である。
【図10】図7に示した噴射装置の噴射ノズルの使用時の正面図及び断面側面図である。
【符号の説明】
1 容器
1a 吐出口
2 噴射ノズル
3 押ボタン
3a ホルダー
4 ノズル
4c 噴孔
11 容器
11a 吐出口
12 噴射ノズル
13 押ボタン
13a 保持孔
13b 保持孔
14 ノズル
14b 噴孔
21 容器
21a 吐出口
22 噴射ノズル
23 押ボタン
24 ノズル
24a つまみ部
24b 筒部
24e 噴孔
25 管
31 容器
31a 吐出口
32 噴射ノズル
33 押ボタン
331 支持部
332 押圧部
34 ノズル
34a つまみ部
34b 筒部
34e 噴孔
35 ヘッド部
35c ノズル保持部
36 管

Claims (3)

  1. 液体が噴射ガスを介して圧入された容器(1)と、容器(1)に装着された噴射ノズル(2)とを有する噴射装置において、
    容器(1)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(1)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(1a)が設けられ、
    噴射ノズル(2)は、容器(1)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(3)と、この押ボタン(3)の操作により液体を噴射するノズル(4)とを有し、押ボタン(3)は、略円筒状に形成され、側面にノズル(4)を支持するホルダー(3a)がはめ込まれ、押ボタン(3)には、吐出口(1a)をはめ込むための孔(3b)及び吐出された液体を通す流路(3c)が略中心軸方向に形成され、ホルダー(3a)には、流路(3c)を通ってきた液体を通す流路(3d)が流路(3c)と直交する方向に形成されており、ノズル(4)は、棒状に形成され、後端部がホルダー(3a)に対し一方向に略90゜旋回可能に支持され、先端部が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる楔状に形成され、ノズル(4)には、流路(3d)を通ってきた液体を通す流路(4a)が略中心軸方向に形成され、ノズル(4)の先端にはスリットが形成されており、該スリットは、ノズル(4)の先端の噴孔(4c)から噴射される液体の方向性を高めるための両壁(4b)を含むことを特徴とする噴射装置。
  2. 液体が噴射ガスを介して圧入された容器(11)と、容器(11)に装着された噴射ノズル(12)とを有する噴射装置において、
    容器(11)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(11)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(11a)が設けられ、
    噴射ノズル(12)は、容器(11)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(13)と、この押ボタン(13)の操作により液体を噴射するノズル(14)とを有し、押ボタン(13)は、略円筒状に形成され、上端面に使用時及び不使用時のノズル(14)をそれぞれ略垂直上方向に向けて保持する保持孔(13a)及び(13b)が設けられ、且つ、押ボタン(13)には、吐出口(11a)をはめ込むための孔(13c)及び吐出された液体を通す流路(13d)が略中心軸方向に形成され、ノズル(14)は、棒状に形成され、後端部が保持孔(13a)及び(13b)に対し着脱可能に保持され、先端部の側面が可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる略円錐状に形成され、ノズル(14)には、流路(13d)を通ってきた液体を通す流路(14a)が略中心軸方向に形成されていることを特徴とする噴射装置。
  3. 液体が噴射ガスを介して圧入された容器(31)と、容器(31)に装着された噴射ノズル(32)とを有する噴射装置において、
    容器(31)の上端部には、上下動による弁の開閉により容器(31)の内部の流体を吐出する中空ピン状の吐出口(31a)が設けられ、
    噴射ノズル(32)は、容器(31)に圧入された液体の噴射開始・停止を制御する押ボタン(33)と、この押ボタン(33)の操作により液体を噴射するノズル(34)と、押ボタン(33)を支持すると共にノズル(34)を保持可能なヘッド部(35)を有し、
    押ボタン(33)は、略直方体状の支持部(331)と略円筒状の押圧部(332)とが一体化された前方後円形状に形成され、支持部(331)の底面部には、吐出口(31a)をはめ込むための孔(331a)が形成され、この孔(331a)から支持部(331)の先端部にかけては、吐出された液体を通す流路(331b)及び(331c)が形成され、支持部(331)の先端部は、一端がヘッド部(35)に固定された略L字形状の帯状弾性部材(331d)の他端に固定され、押圧部(332)の上面部は椀状に凹んだ形状に形成され、ノズル(34)は、略直方体状のつまみ部(34a)と、そのつまみ部(34a)に形成されているはめ込み部(34aa)にはめ込まれ、可撓性の材料で先に向かうに従って細くなる矢尻状の筒部(34b)で形成され、つまみ部(34a)には、底面からはめ込み部(34aa)にかけて流路(34c)が形成され、筒部(34b)には、流路(34c)を通ってきた液体を通す流路(34d)が略中心軸方向に形成され、押ボタン(33)の流路(331c)とノズル(34)の流路(34c)はブッシュ(36a、36b)を介して可撓性の管(36)で接続されている噴射装置であって、
    ヘッド部(35)は、略円筒状に形成され、帯状弾性部材(331d)を介して連結されている押ボタン(33)の両側を囲むように立設された側壁部(35a、35b)の上部に、ノズル(34)を保持可能なノズル保持部(35c)が形成され、側壁部(35a)には、ノズル(34)のつまみ部(34a)を挟持可能な溝部(35ca)が形成され、側壁部(35b)には、ノズル(34)の筒部(34b)を挿入可能な溝部(35cb)が形成され、更に、溝部(35ca)の内側両側壁には、つまみ部(34a)の外周面に形成されている切り込み部(34ab)に噛み合わせ可能な凸部(35cc)が形成されていることを特徴とする噴射装置。
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