JP2004267278A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】飛行性能とコントロール性能とに優れたゴルフボール1の提供。
【解決手段】ゴルフボール1は、コア2と、カバー3とを備えている。コア2は、センター4と中間層5とからなる。カバー3の表面には、多数のディンプル6が形成されている。このカバー3の基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分としている。このカバー3のショアD硬度は、30以上55以下である。これらディンプル6の表面積占有率Yは、0.80以上である。これらディンプル6の総容積Vは、300mm以上700mm以下である。この総容積Vがディンプル総数で除された値である平均容積Vaは、1.30mm以上である。ディンプル6の断面形状における曲率rの平均値である平均曲率Rは、16mm以上である。表面積占有率Yがディンプル総数Nで除された値である平均占有率yは、0.0022以上である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コアとカバーとを備えておりカバーにディンプルが形成されているゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
市販されている一般的なゴルフボールは、コアとカバーとを備えている。コアには、単一のソリッドゴム層からなるもの、2以上のソリッドゴム層からなるもの、ソリッドゴム層と合成樹脂層からなるもの等が存在する。
【0003】
カバーの表面には、多数のディンプルが形成されている。ディンプルの役割は、飛行時のゴルフボール周りの空気の流れを乱すことによって乱流剥離を起こさせることにある(以下、「ディンプル効果」と称される)。乱流剥離によって空気のゴルフボールからの剥離点が後方に下がり、抗力係数(Cd)が小さくなる。乱流剥離によってバックスピンに起因するゴルフボールの上側と下側とにおける剥離点の差が助長され、ゴルフボールに作用する揚力が高められる。抗力の低減と揚力の向上とによって、ゴルフボールの飛距離が増大する。空力的に優れたディンプルは、乱流剥離を促進する。換言すれば、空力的に優れたディンプルは、空気の流れをよりよく乱しうる。
【0004】
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の要求は、飛距離である。ゴルファーは、特にドライバーで打撃したときの飛距離を重視する。ゴルフボールの飛行性能に大きく影響を与えるディンプルの仕様として、総容積が挙げられる。総容積が小さすぎるゴルフボールの弾道はホップする傾向があり、総容積が大きすぎるゴルフボールの弾道はドロップする傾向がある。いずれの場合も、十分な飛距離が得られない。適正な弾道と大きな飛距離とを得るには、ディンプルの総容積が所定範囲内とされる必要がある。
【0005】
ディンプルの密度に関する種々の提案もなされている。特公昭58−50744号公報には、ディンプル相互間のピッチがなるべく1.62mm以下となるように、密にディンプルが配置されたゴルフボールが開示されている。特開昭62−192181号公報には、平均面積以上の面積を備えた新たなディンプルが形成されえないように、密にディンプルが配置されたゴルフボールが開示されている。特開平4−347177号公報には、極めて密にディンプルが配置されており、所定寸法の長方形が画かれうるランドの数が40ヶ所以下であるゴルフボールが開示されている。これら公知文献に開示されたゴルフボールはいずれもディンプルが密に配置されたものであり、換言すれば、ディンプルの表面積占有率が高められたものである。総容積とともに表面積占有率がディンプル効果に影響を与える重要な要素であることは、当業者によって認識されている。
【0006】
飛距離と同様に重視されるゴルフボールの性能として、スピン性能が挙げられる。バックスピンの速度が大きいと、ラン(ゴルフボールが落下した地点から静止した地点までの距離のことであり、「ロール」とも称される)が小さい。換言すれば、ゴルファーにとっては、バックスピンのかかりやすいゴルフボールは目標地点に静止させやすいものである。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。換言すれば、ゴルファーにとっては、サイドスピンのかかりやすいゴルフボールは意図的に曲げやすいものである。スピン性能に優れたゴルフボールは、コントロール性能に優れている。上級ゴルファーは、特にショートアイアンで打撃したときのコントロール性能を重視する。
【0007】
一般的なゴルフボールでは、カバーにアイオノマー樹脂が用いられている。アイオノマー樹脂は、耐久性及び反発性能に優れる。しかし、アイオノマー樹脂は概して高硬度である。アイオノマー樹脂からなるカバーを備えたゴルフボールは、コントロール性能に劣る。コントロール性能向上を意図して、硬質アイオノマー樹脂と、軟質な三元共重合体系アイオノマー樹脂とが併用されたカバーが提案されている。アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマーとが併用されたカバーも提案されている。熱硬化性ポリウレタンからなるカバーも提案されている。
【0008】
特開2002−360740公報には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とするカバーを備えたゴルフボールが開示されてる。このカバーは、柔軟である。このゴルフボールは、コントロール性能にきわめて優れる。
【0009】
【特許文献1】
特公昭58−50744号公報
【特許文献2】
特開昭62−192181号公報
【特許文献3】
特開平4−347177号公報
【特許文献4】
特開2002−360740公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とするカバーを備えたゴルフボールでは、バックスピンがかかりやすい。このゴルフボールがドライバーで打撃されると、弾道初期の揚力が過大となる傾向がある。弾道初期の揚力の水平成分は、飛行方向と反対方向である。過大なバックスピンは、ゴルフボールの飛距離を損なわせる。
【0011】
このように、飛行性能とコントロール性能とは、相反する性能である。ゴルファーが十分に満足するゴルフボールは、未だ得られていない。本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、飛行性能とコントロール性能との両方に優れたゴルフボールの提供をその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るゴルフボールは、コアと、カバーと、このカバーの表面に形成された多数のディンプルとを備えている。このカバーの基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする。このカバーのショアD硬度は、30以上55以下である。これらディンプルの表面積占有率Yは、0.80以上0.90以下である。これらディンプルの総容積Vは、300mm以上700mm以下である。この総容積Vがディンプル総数で除された値である平均容積Vaは、1.30mm以上である。
【0013】
このカバーの基材ポリマーは熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分としており、しかもカバーのショアD硬度は30以上55以下なので、このゴルフボールはコントロール性能に優れる。このゴルフボールは、飛行性能にも優れる。
このゴルフボールの飛行性能が優れている理由は詳細には不明であるが、平均容積Vaが1.30mm以上であるディンプルパターンが、ドライバーで打撃されたときの弾道初期における揚力抑制に寄与するためと推測される。本発明では、コントロール性能向上を意図して用いられる熱可塑性ポリウレタンエラストマーの欠点である飛行性能が、ディンプルによって補われる。このゴルフボールは、飛行性能とコントロール性能との両方に優れる。
【0014】
好ましくは、ディンプルの断面形状における曲率rの平均値である平均曲率Rは、16mm以上である。このゴルフボールは、飛行性能にきわめて優れる。
【0015】
好ましくは、表面積占有率Yがディンプル総数Nで除された値である平均占有率yは、0.0022以上である。このゴルフボールでは、面積が大きなディンプルの占める比率が大きい。面積の大きなディンプルは、ゴルフボールの飛行性能に寄与する。
【0016】
好ましくは、ディンプルの輪郭長さxの総計Xと表面積占有率Yとは、下記数式(I)に示される関係を満たす。
X≦3882×Y+1495 −−−(I)
このゴルフボールは、表面積占有率Yの割りには総輪郭長Xが小さなディンプルパターンを備える。このゴルフボールは、飛行性能にきわめて優れる。
【0017】
好ましくは、輪郭長さxが10.5mm以上であるディンプルの個数は、ディンプル総数の91%以上である。輪郭長さxが大きなディンプルは、ゴルフボールの飛行性能に寄与する。
【0018】
好ましくは、カバーの基材ポリマーは、熱可塑性ポリアミドエラストマーを含む。平均容積Vaが1.30mm以上であるディンプルパターンでは、幅が狭いランドが多数点在することに起因して、耐擦傷性が不十分となる傾向が見られる。熱可塑性ポリアミドエラストマーは、耐擦傷性に寄与する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール1が示された模式的断面図である。このゴルフボール1は、球状のコア2と、カバー3とを備えている。コア2は、球状のセンター4と、中間層5とからなる。カバー3の表面には、多数のディンプル6が形成されている。カバー3の表面のうちディンプル6以外の部分は、ランド7である。このゴルフボール1は、カバー3の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。このゴルフボール1の直径は、通常は40mmから45mm、さらには42mmから44mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされる範囲で空気抵抗が低減されるという観点から、直径は42.67mm以上42.85mm以下が特に好ましい。このゴルフボール1の質量は、通常は40g以上50g以下、さらには44g以上47g以下である。米国ゴルフ協会の規格が満たされる範囲で慣性が高められるという観点から、質量は45.00g以上45.93g以下が特に好ましい。
【0021】
本明細書においてカバー3とは、ペイント層及びマーク層を除く最外層を意味する。カバーが2層構造であると称されるゴルフボールが存在するが、この場合は、外側の層が本明細書におけるカバー3に相当する。
【0022】
カバー3の基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする。一般的な熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは柔軟であり、ゴルフボール1のスピン性能を向上させる。このゴルフボール1は、コントロール性能に優れる。
【0023】
ポリウレタン成分の硬化剤としては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー3の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー3の傷つきが抑制される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
【0024】
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物である4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、キシリレンジイソシアネートの水素添加物である1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。H12MDIが構成成分である熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFポリウレタンエラストマーズ社の商品名「エラストランXNY90A」、商品名「エラストランXNY97A」及び商品名「エラストランXNY585」が挙げられる。
【0025】
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
【0026】
カバー3の基材ポリマーとして、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと共に、他の合成樹脂が用いられてもよい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の合成樹脂とが併用される場合、コントロール性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが主成分とされる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーが全基材ポリマーに占める比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
【0027】
用いられうる合成樹脂として、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及びアイオノマー樹脂が例示される。特に、熱可塑性ポリアミドエラストマーが好ましい。熱可塑性ポリアミドエラストマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとの相溶性に優れる。熱可塑性ポリアミドエラストマーは、ゴルフボール1の反発性能に寄与する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーと熱可塑性ポリアミドエラストマーとが併用される場合、両者の質量比は70/30以上95/5以下が好ましい。
【0028】
熱可塑性ポリアミドエラストマーは、カバー3の耐擦傷性にも寄与する。表面積占有率Yが0.80以上であるゴルフボール1では、ランド7の面積が小さいので、ゴルフクラブとのインパクト時にランドに加わる圧力が大きい。このゴルフボール1では、ランド7が傷つきやすい。特に、平均容積Vaが1.30mm以上であるゴルフボール1では、幅の小さなランド7がその表面に多数点在するので、傷つきが助長される。熱可塑性ポリアミドエラストマーが用いられることにより、傷つきが抑制される。
【0029】
一般的な熱可塑性ポリアミドエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリアミド成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。好適なソフトセグメントは、ポリエーテル成分である。好適な熱可塑性ポリアミドエラストマーの具体例としては、アトフィナ・ジャパン社の商品名「ペバックス5533」及び「ペバックス4033」が挙げられる。
【0030】
カバー3には、必要に応じ、各種添加剤が適量配合される。添加剤の具体例としては、二酸化チタン等の着色剤、硫酸バリウム等の充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤及び蛍光増白剤等が挙げられる。比重調整の目的で、カバー3に高比重金属の粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。
【0031】
カバー3のショアD硬度Hcは、30以上55以下である。換言すれば、カバー3は軟質である。軟質なカバー3が採用されることにより、ゴルフクラブで打撃された際のクラブフェースとゴルフボール1との接触時間及び接触面積が大きくなる。これによりゴルフボール1のスピン性能が向上し、コントロール性能が向上する。この観点から、カバー3の硬度Hcは50以下がより好ましい。カバー3の硬度Hcが低すぎるとゴルフボール1の反発性能が不十分となるので、硬度Hcは35以上がより好ましく、40以上が特に好ましい。
【0032】
カバー3の厚みは、0.2mm以上2.0mm以下が好ましい。厚みが上記範囲未満であると、ゴルフボール1のコントロール性能及び耐久性が不十分となることがある。この観点から、厚みは0.3mm以上がより好ましく、0.5mm以上が特に好ましい。厚みが上記範囲を越えると、ゴルフボール1の反発性能及び飛行性能が不十分となることがある。この観点から、厚みは1.8mm以下がより好ましく、1.5mm以下が特に好ましい。
【0033】
図2は図1のゴルフボール1が示された拡大平面図であり、図3はその正面図である。このゴルフボール1は、平面形状が円形であり直径が4.5mmであるAディンプルと、平面形状が円形であり直径が4.1mmであるBディンプルと、平面形状が円形であり直径が3.5mmであるCディンプルと、平面形状が円形であり直径が2.7mmであるDディンプルとを備えている。本明細書において「平面形状」という用語は、仮想球面とディンプルとの境界である輪郭線が無限遠から見られたときの形状を意味する。Aディンプルの個数は130個であり、Bディンプルの個数は150個であり、Cディンプルの個数は60個であり、Dディンプルの個数は32個である。このゴルフボール1のディンプル総数は、372個である。
【0034】
図4は、図1のゴルフボール1の一部が示された模式的拡大断面図である。この図には、ディンプルの平面形状の重心及びゴルフボール1の中心を通過する平面による断面が示されている。この図から明らかなように、ディンプルの断面形状はほぼ円弧である。換言すれば、ディンプルの表面は球面の一部である。図3において二点鎖線で示されているのは、仮想球(ディンプルが存在しないと仮定されたときの球)である。
【0035】
本明細書において「総容積V」とは、全てのディンプルの容積vの総和を意味する。ここで「ディンプルの容積v」とは、仮想球面(図4において二点鎖線で示されている)とディンプルの表面とに囲まれた部分の容積を意味する。総容積Vがディンプル総数Nで除された値(V/N)が、平均容積Vaである。図2及び図3に示されたゴルフボール1のAディンプルの容積vは1.788mmであり、Bディンプルの容積vは1.351mmであり、Cディンプルの容積vは0.855mmであり、Dディンプルの容積vは0.426mmである。
従って、このゴルフボール1の総容積Vは500.0mmであり、平均容積Vaは1.344mmである。
【0036】
図4において矢印rで示されているのは、断面形状を構成する円弧の曲率である。断面形状が円弧でないディンプル及び平面形状が円形でないディンプルの場合は、測定箇所によって曲率rが異なる。このようなディンプルの場合は、当該ディンプルの平面形状面積と同一の面積を有し、かつ当該ディンプルと同一の容積vを有する、円形であって断面形状が円弧であるディンプルが想定される。そして、想定されたディンプルの断面形状に基づいて、曲率rが算出される。
【0037】
本明細書において「平均曲率R」と言う用語は、全てのディンプルの曲率rの平均値を意味する。例えば、曲率がr1であるn1個のディンプルと、曲率がr2であるn2個のディンプルと、曲率がr3であるn3個のディンプルとを備えているゴルフボール1の場合、平均曲率Rは下記数式によって算出される。
R=(r1×n1+r2×n2+r3×n3)/(n1+n2+n3)
【0038】
図2及び図3に示されたゴルフボール1のAディンプルの曲率rは23.98mmであり、Bディンプルの曲率rは19.91mmであり、Cディンプルの曲率rは14.53mmであり、Dディンプルの曲率rは8.67mmである。従って、このゴルフボール1の平均曲率Rは、19.5mmである。
【0039】
図3において両矢印dで示されているのは、ディンプルの直径である。この直径dは、ディンプルの両端に共通の接線が画かれたときの両接点の距離である。この接点の連続したものが、輪郭線である。
【0040】
本明細書において「表面積占有率Y」という用語は、全てのディンプルの面積の総和が仮想球の表面積で除された値を意味する。ここで「ディンプルの面積」とは、当該ディンプルの平面形状の面積を意味する。円形ディンプルの場合は、下記数式によって面積sが算出される。
s=(d/2)×π
【0041】
図2及び図3に示されたゴルフボール1では、Aディンプルの面積sは15.9mmであり、Bディンプルの面積sは13.2mmであり、Cディンプルの面積sは9.6mmであり、Dディンプルの面積sは5.7mmである。従って、ディンプル面積の総和Sは、4805.4mmである。この総面積Sが仮想球の表面積で除されることにより、表面積占有率Yが算出される。このゴルフボール1では、表面積占有率Yは0.840である。この表面積占有率Yがディンプルの総数Nで除されることにより、平均占有率yが算出される。このゴルフボール1では、平均占有率yは0.00226である。
【0042】
本明細書において、「総輪郭長X」という用語は、全てのディンプルの輪郭長さxの総和を意味する。ここで「輪郭長さx」とは、ディンプルの輪郭線に沿って実測される距離のことである。例えば、平面形状が三角形であるディンプルの場合は、3つの辺の長さの合計が輪郭長さxである。この辺は球面上に存在するので、厳密には直線ではなく円弧状である。この円弧の長さが、辺の長さとされる。円形ディンプルの場合は、下記数式によって輪郭長さxが算出される。
x=d×π
【0043】
図2及び図3に示されたゴルフボール1では、Aディンプルの輪郭長さxは、14.1mmであり、Bディンプルの輪郭長さxは12.9mmであり、Cディンプルの輪郭長さxは11.0mmであり、Dディンプルの輪郭長さxは8.5mmである。このゴルフボール1では、総輪郭長Xは、4701.1mmである。
【0044】
本発明では、表面積占有率Yは0.80以上0.90以下に設定される。表面積占有率Yが上記範囲未満であると、飛行中のゴルフボール1の揚力が不足するおそれがある。この観点から、表面積占有率Yは0.81以上がより好ましく、0.83以上が特に好ましい。表面積占有率Yが上記範囲を超えると、ゴルフボール1の弾道が高くなりすぎるおそれがある。この観点から、表面積占有率Yは0.87以下が特に好ましい。
【0045】
本発明では、総容積Vは300mm以上700mm以下に設定される。総容積が上記範囲未満であると、ホップする弾道となるおそれがある。この観点から、総容積Vは400mm以上がより好ましく、460mm以上が特に好ましい。総容積Vが上記範囲を超えると、ドロップする弾道となるおそれがある。
この観点から、総容積は600mm以下がより好ましく、540mm以下が特に好ましい。
【0046】
設計者が、所定の総容積Vを備えかつ表面積占有率Yが大きなゴルフボールを設計しようとする場合、ディンプル数を多くしてその表面積占有率Yを達成する手段があり、また、ディンプル6のサイズを大きくしてその表面積占有率Yを達成する手段もある。本発明のゴルフボール1は、1.30mm以上の平均容積Vaを備えている。換言すれば、本発明のゴルフボール1では、ディンプル6のサイズが大きく設定されることで所定の表面積占有率Yが達成されている。サイズが大きなディンプルは、弾道初期の段階(すなわち高速で飛行している段階)における揚力の抑制に寄与すると推測される。
【0047】
飛行性能の観点から、平均容積Vaは1.35mm以上がより好ましく、1.50mm以上が特に好ましい。平均容積Vaが大きすぎるとゴルフボール1の表面が滑らかでなくなるので、平均容積Vaは3.00mm以下が好ましく、2.50mm以下が特に好ましい。
【0048】
個々のディンプルの容積vは、通常は0.2mm以上4.5以下mmである。容積vが1.35mm以上であるディンプルの数が総数Nに占める比率は20%以上が好ましく、30%以上が特に好ましい。
【0049】
飛行性能の観点から、平均曲率Rは16mm以上が好ましく、18mm以上がより好ましく、20mm以上が特に好ましい。平均曲率Rが大きすぎるとゴルフボール1の表面が滑らかでなくなるので、平均曲率Rは30mm以下が好ましく、25mm以下が特に好ましい。
【0050】
個々のディンプルの曲率rは、通常は5mm以上50mm以下である。曲率rが16mm以上であるディンプルの数が総数Nに占める比率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。この比率は、理想的には100%である。
【0051】
平均占有率yは、0.0022以上が好ましい。平均占有率yが上記範囲未満であると、弾道初期の揚力が過大となり、ゴルフボール1の飛距離が不十分となるおそれがある。この観点から、平均占有率yは0.00225以上がより好ましく、0.00230以上がさらに好ましく、0.00250以上が特に好ましい。平均占有率yが大きすぎるとゴルフボール1の表面が滑らかでなくなるので、平均占有率yは0.00400以下が好ましい。
【0052】
表面積占有率Yと総輪郭長Xとは、下記数式(I)に示される関係を満たすのが好ましい。
X≦3882×Y+1495 −−−(I)
このゴルフボール1では、表面積占有率Yの割りには総輪郭長Xが小さい。このゴルフボール1では、飛行時の抗力係数(Cd)が小さい。このゴルフボール1は、飛行性能に優れるものである。本発明者の知る限り、上記数式(I)を満たすラージサイズゴルフボールは、従来は存在していない。
【0053】
抗力係数(Cd)の低減の観点から、総輪郭長Xと表面積占有率Yとが下記数式(II)を満たすことがより好ましく、下記数式(III)を満たすことがさらに好ましく、下記数式(IV)を満たすことが特に好ましい。
X≦3882×Y+1445 −−−(II)
X≦3882×Y+1335 −−−(III)
X≦3882×Y+1085 −−−(IV)
略球体であるというゴルフボールの本来的特徴を維持するためには、総輪郭長Xと表面積占有率Yとは、下記数式(V)の関係を満たす必要がある。
X≧3882×Y+95 −−−(V)
【0054】
総輪郭長Xは、上記数式(I)を満たす範囲で、表面積占有率Yとの関係から適宜決定されるが、通常は2800mm以上5000mm以下、特には3100mm以上4800mm以下とされる。
【0055】
抗力係数(Cd)低減の観点から、輪郭長さxが10.5mm以上であるディンプルの個数がディンプル総数の91%以上とされるのが好ましく、95%以上とされるのが特に好ましい。この比率は、理想的には100%である。
【0056】
個々のディンプルの大きさは特には制限されないが、円形ディンプルの場合、通常その直径dは、2.0mm以上8.0mm以下、特には3.0mm以上7.0mm以下とされる。形成されるディンプルは単一種類でもよく、複数種類であってもよい。円形ディンプルに代えて、又は円形ディンプルとともに、非円形ディンプル(平面形状が円でないディンプル)が形成されてもよい。非円形ディンプルが形成される場合、通常その輪郭長さxは6mm以上25mm以下、特には9mm以上22mm以下とされる。ゴルフボール用の成形型の製作容易の観点からは、非円形ディンプルが形成されず、円形ディンプルのみが形成されるのが好ましい。特に、断面形状が円弧からなる円形ディンプルが好ましい。
【0057】
ディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。総数が上記範囲未満であると、略球体であるというゴルフボールの本来的特徴が維持されえないおそれがある。この観点から、総数は250個以上が特に好ましい。総数が上記範囲を超えると、抗力係数(Cd)が大きくなって飛距離が不十分となるおそれがある。この観点から、総数は400個以下が特に好ましい。
【0058】
直径d、曲率r、容積v等のディンプル仕様は、ゴルフボール1が実測されることで求められる。ゴルフボールは表面に塗装層を備えているのが一般的であり、この塗装層の影響で寸法の正確な実測に困難を伴うことがある。本発明では、便宜上塗装前のゴルフボールが実測されてもよい。
【0059】
センター4は通常、ゴム組成物が架橋されることで得られる。ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。これらのゴムの2種以上が併用されてもよい。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。シス−1,4結合の比率が40%以上、特には80%以上であるポリブタジエンが特に好ましい。
【0060】
センター4の架橋には、通常は共架橋剤が用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
【0061】
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、共架橋剤として機能する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
【0062】
共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上50質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は15質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は45質量部以下がより好ましい。
【0063】
センター4のゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。有機過酸化物は、架橋反応に寄与する。有機過酸化物の配合により、ゴルフボール1の反発性能が高まる。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
【0064】
有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は2.5質量部以下が特に好ましい。
【0065】
センター4には、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、センター4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、単なる比重調整のみならず架橋助剤としても機能する。センター4には、硫黄、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合されてもよい。センター4に架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
【0066】
一般的なセンター4の直径は、25mm以上41mm以下、特には27mm以上40mm以下である。センター4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。センター4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。
【0067】
中間層5は、架橋ゴムから構成されてもよく、樹脂組成物から構成されてもよい。架橋ゴムから構成される場合の基材ゴムは上記センター4の基材ゴムと同等である。また、上記センター4の場合と同様の共架橋剤及び有機過酸化物が配合されうる。共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して15質量部以上50質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は20質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1の打球感が悪くなることがある。この観点から、配合量は45質量部以下がより好ましく、40質量部以下が特に好ましい。
【0068】
中間層5における有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上6.0質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能が不十分となることがある。この観点から、配合量は0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、ゴルフボール1の打球感が硬くなることがある。この観点から、配合量は5.0質量部以下がより好ましく、4.0質量部以下が特に好ましい。中間層5にも、上記センター4と同様の充填剤及び各種添加剤が配合されうる。
【0069】
中間層5が樹脂組成物からなる場合、好適な基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが挙げられる。2種以上の合成樹脂が併用されてもよい。
【0070】
アイオノマー樹脂の中でも、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体におけるカルボン酸の一部が金属イオンで中和されたものが好適である。好ましいα−オレフィンは、エチレン及びプロピレンである。好ましいα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸及びメタクリル酸である。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール1の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
【0071】
中間層5には、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、中間層5の意図した比重が達成されるように適宜決定される。中間層5に、着色剤、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
【0072】
中間層5の厚みは、0.5mm以上4.0mm以下が好ましい。厚みが上記範囲未満であると、ゴルフボール1の反発性能が不十分となることがある。この観点から、厚みは0.7mm以上がより好ましい。厚みが上記範囲を超えると、ゴルフボール1の打球感が不十分となることがある。この観点から、厚みは3.0mm以下がより好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。
【0073】
中間層5のショアD硬度Hmは、55以上が好ましい。これにより、ゴルフボール1の反発性能が向上する。この観点から、硬度Hmは58以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。硬度Hmが極端に大きいと、ゴルフボール1の打球感が不十分となる。この観点から、硬度Hmは70以下が好ましく、65以下がより好ましい。
【0074】
中間層5のショアD硬度Hmとカバー3のショアD硬度Hcとの差(Hm−Hc)は、5以上が好ましい。これにより、ゴルフボール1の反発性能が向上する。この観点から、硬度差(Hm−Hc)は8以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。硬度差(Hm−Hc)が極端に大きいとゴルフボール1の打球感が不十分となる。この観点から、硬度差(Hm−Hc)は40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下が特に好ましい。カバー3及び中間層5のショアD硬度は、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、スプリング式硬度計ショアD型によって測定される。測定対象(カバー3又は中間層5)が樹脂組成物からなる場合は、この樹脂組成物から成形されたスラブによって硬度が測定される。測定対象がゴム組成物が架橋されてなる場合は、このゴム組成物が測定対象の架橋条件と同じ条件で架橋されてなるスラブによって硬度が測定される。
【0075】
図1のゴルフボール1のセンター4は単一層からなるが、2以上の層からなるセンターが用いられてもよい。センター4と中間層5との間に他の中間層が設けられてもよく、中間層5とカバー3との間に他の中間層が設けられてもよい。中間層5を備えておらず単一層からなるコアが用いられてもよい。2以上の中間層を備えたゴルフボール1では、少なくとも1つの中間層において、そのショアD硬度Hmがカバー3のショアD硬度Hcよりも5以上大きくされるのが好ましく、その中間層のショアD硬度が55以上とされるのが好ましい。
【0076】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0077】
センター、中間層、カバー及びディンプルの仕様を下記の表1に示される通りとして、実施例1から5及び比較例1から5のゴルフボールを得た。これらゴルフボールの直径は、42.7mmである。センター及び中間層の配合の詳細が表2に示されており、カバーの配合の詳細が表3に示されており、ディンプル仕様の詳細が表4及び表5に示されている。
【0078】
【表1】
Figure 2004267278
【0079】
【表2】
Figure 2004267278
【0080】
【表3】
Figure 2004267278
【0081】
【表4】
Figure 2004267278
【0082】
【表5】
Figure 2004267278
【0083】
[圧縮変形量の測定]
まず、ゴルフボールを金属製の剛板の上に置いた。次に、ゴルフボールに向かって金属製の円柱を徐々に降下させ、この円柱の底面と剛板との間に挟まれたゴルフボールを変形させた。そして、ゴルフボールに98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離を測定した。この結果が、下記の表6に示されている。
【0084】
[飛距離テスト]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、メタルヘッドを備えたドライバーを装着した。ヘッド速度が45m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、飛距離(発射地点から静止地点までの距離)を測定した。5回の測定の平均値が、下記の表6に示されている。
【0085】
[耐擦過傷性]
前述のスイングマシンに、ピッチングウエッジを装着した。ヘッド速度が36m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃した。打撃後のゴルフボールの表面状態を目視で観察し、下記の基準に従って評価した。
A:若干の傷があるが、目立たない
B:傷と毛羽立ちとがある
C:カバーの表面が削り取られており、毛羽立ちが目立つ
評価結果が、下記の表6に示されている。
【0086】
[コントロール性能の評価]
10名の上級ゴルファーにピッチングウェッジを持たせてゴルフボールを打撃させ、コントロール性能を評価させた。スピンがかかりやすくてコントロール性能に優れるものを「A」とし、スピンがかかりにくくてコントロール性能に劣るものを「C」とし、両者の中間のものを「B」とした。最も集中した評価の結果が、下記の表6に示されている。
【0087】
【表6】
Figure 2004267278
【0088】
表6から明らかなように、各実施例のゴルフボールは、飛行性能、耐擦過傷性及びコントロール性能の全てにおいて優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明のゴルフボールは飛行性能及びコントロール性能に優れている。このゴルフボールは、これを打撃するゴルファーに爽快感を与え、かつスコアの向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるゴルフボールが示された模式的断面図である。
【図2】図2は、図1のゴルフボールが示された拡大平面図である。
【図3】図3は、図2のゴルフボールが示された正面図である。
【図4】図4は、図1のゴルフボールの一部が示された模式的拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例4に係るゴルフボールが示された平面図である。
【図6】図6は、図5のゴルフボールが示された正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例5に係るゴルフボールが示された平面図である。
【図8】図8は、図7のゴルフボールが示された正面図である。
【図9】図9は、本発明の比較例3に係るゴルフボールが示された平面図である。
【図10】図10は、図9のゴルフボールが示された正面図である。
【図11】図11は、本発明の比較例4に係るゴルフボールが示された平面図である。
【図12】図12は、図11のゴルフボールが示された正面図である。
【図13】図13は、本発明の比較例5に係るゴルフボールが示された平面図である。
【図14】図14は、図13のゴルフボールが示された正面図である。
【符号の説明】
1・・・ゴルフボール
2・・・コア
3・・・カバー
4・・・センター
5・・.・中間層
6・・・ディンプル
7・・・ランド
A・・・Aディンプル
B・・・Bディンプル
C・・・Cディンプル
D・・・Dディンプル

Claims (6)

  1. コアと、カバーと、このカバーの表面に形成された多数のディンプルとを備えており、
    このカバーの基材ポリマーは熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分としており、
    このカバーのショアD硬度が30以上55以下であり、
    これらディンプルの表面積占有率Yが0.80以上0.90以下であり、
    これらディンプルの総容積Vが300mm以上700mm以下であり、
    この総容積Vがディンプル総数で除された値である平均容積Vaが1.30mm以上であるゴルフボール。
  2. 上記ディンプルの断面形状における曲率rの平均値である平均曲率Rが16mm以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記表面積占有率Yがディンプル総数Nで除された値である平均占有率yが0.0022以上である請求項1又2に記載のゴルフボール。
  4. 上記ディンプルの輪郭長さxの総計Xと表面積占有率Yとが下記数式(I)に示される関係を満たす請求項1から3のいずれか1項に記載のゴルフボール。
    X≦3882×Y+1495 −−−(I)
  5. 上記輪郭長さxが10.5mm以上であるディンプルの個数の、ディンプル総数Nに対する比率が91%以上である請求項1から4のいずれか1項に記載のゴルフボール。
  6. 上記カバーの基材ポリマーが、熱可塑性ポリアミドエラストマーを含む請求項1から5のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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