JP2004266913A - モータ固定子ピースとその製造方法およびその製造装置 - Google Patents

モータ固定子ピースとその製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インシュレータを薄して占積率を向上させることができ、固定子コイル放熱性を高め、モータの小型化、高速化に寄与するモータ固定子ピースの製造方法を提供する。
【解決手段】極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形した固定子ピースにおいて、前記電磁鋼板の打ち抜き工程で、インシュレータ成形下型に打ち抜かれた前記電磁鋼板を直接積層し、その後前記インシュレータを一体成形するモータ固定子ピースの製造方法において、電磁鋼板として接着剤コーティング電磁鋼板を用い、電磁鋼板の打ち抜き後に、加圧シリンダ31による積層電磁鋼板24の加圧下で接着するようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータの固定子ピースに関するもので、極歯単位に分割され、電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形したモータ固定子ピースとその製造方法およびその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固定子ピースを電磁鋼板を多数枚積層して作ることは周知であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−333388号公報
【0004】
特許文献1記載のものは、固定子のうず電流損を低減し、小型で効率の良いモータを安価に提供することを目的とするもので、そのために固定子ピースにインシュレータを一体成形することにより固定子ピースを固着するためのレーザ溶接を省略することができるようにしている。ところがこれにも次のような欠点があることが判明した。
以下、従来のモータの固定子ピースについて図5〜図7に基づいて説明する。
図5は従来のモータを示す側断面図、図6は固定子分割鉄心を示す斜視図、図7は固定子ピースの斜視図である。
図において、1はモータ、2はモータのフレーム、3はこのフレーム2の負荷側端部に取付けた負荷側ブラケットで、4はフレーム2の反負荷側端部に取付けた反負荷側ブラケットである。5はフレーム2の内周面に取付けた固定子で、固定子鉄心6と固定子コイル7とを有している。
固定子鉄心6は、図6に示す電磁鋼板を積層したT字状の複数個の固定子分割鉄心8の周方向端部を連接させてリング状に構成するが、積層電磁鋼板がばらばらにならないようにかしめ9が設けられている。
さらに、固定子分割鉄心8にはリング状に連結しやすいように、固定子分割鉄心8周方向端部に例えば凸部10と凹部11を形成し、それぞれの凸部10と凹部11を係合するようにしている。
また、固定子分割鉄心8には、図7に示すようにインシュレータ12が一体成型されており固定子ピース13を形成している。このインシュレータ12は、筒体部12aと、その両端に形成した鍔部12b、12cとからなっている。固定子コイル7は、インシュレータ12の筒体部12aに巻装される。コイル巻線後の固定子ピース13を所定数連接させ、固定子5を形成する。固定子5はフレーム2の内周面に嵌合固定される。
14は両ブラケット3、4に軸受15を介して回転自在に支承された回転軸で、中央部に固定子5に径方向の細隙を介して対向するように回転子16を嵌合固定している。この回転子16は、回転軸14に回転子ヨーク16aを嵌合固定し、この回転子ヨーク16aの外周面に永久磁石16bを固定している。
【0005】
ここで、従来の固定子ピース13の製造工程を図8〜図9を基に説明する。
図8は、従来の固定子分割鉄心打ち抜き、かしめ装置の構造図である。
図8において、17はパンチ、18はパンチホルダ、19はダイ、20はダイシュー、21は電磁鋼板、22はシリンダ、23は可傾台、24は積層電磁鋼板、25はストッパ、26はトレーである。
同図の横方向から送られる電磁鋼板21はパンチホルダ18に固定されたパンチ17と、ダイシュー20に支持されたダイ19により打ち抜かれる。
打ち抜かれた電磁鋼板21は、ダイシュー20の内側に設置されシリンダ22によって支持された可傾台23上にのる。その後シリンダ22は、電磁鋼板21の厚さ分だけ降下する。それとともに、電磁鋼板21は1ピッチ分だけ送られる。
次に、打ち抜かれた電磁鋼板21は、パンチ17と可傾台23上の電磁鋼板21に挟まれ、上下から加圧されることにより、可傾台上の電磁鋼板とかしめられる。
この動作を繰り返すことにより可傾台23上に、かしめられた積層電磁鋼板24が形成される。積層電磁鋼板24の積厚が所定の値になると、シリンダ22が大きく下降し、可傾台23の左端がストッパ25にあたり、可傾台23は右方に傾斜し、所定枚数かしめられた積層電磁鋼板24、つまり固定子分割鉄心8はトレー26に排出される。
また、上記固定子分割鉄心打ち抜き、かしめ装置を用いる代わりに、打ち抜かれた電磁鋼板を積層し、溶接あるいは接着で、固定子分割鉄心8を形成する方法もある。
このようにして得られた固定子分割鉄心8は、人手を介しあるいは自動的にインシュレータ成形装置に送られる。
【0006】
図9にインシュレータ成形装置の構造図を示す。
図9において、27は上型、28はゲート、29は下型、30はキャビティーである。上型27および下型29には、インシュレータ12の成形外形状にキャビティー30が設けてある。固定子分割鉄心8は、下型29内に挿入される。
その後、図示しない油圧機構により、上型27が下降し、下型29と組み合わされ、図示しない上型上方に設けられたスクリューより樹脂が供給され、上型内に設けられたゲート28を通り、固定子分割鉄心8と上型27、下型29の間のキャビティー30に導入される。
キャビティー30内で樹脂が冷却硬化した後、上型27が上方に持ち上げられ、ゲート28部で樹脂が切断される。
その後、下型29から、固定子鉄心8と固定子鉄心8と一体となった樹脂、すなわち固定子ピース13が取り出され、固定子ピース13が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の固定子ピースの製造方法においては、かしめ部あるいは溶接部で積層鋼板積厚方向に導通部が形成されるため、鉄損が増加する。また、かしめ部あるいは溶接部で磁性劣化や材料変形が発生する。
さらに、自動かしめ装置を用いない場合には、電磁鋼板の積層、溶接・接着に工数がかかるという欠点があり、また自動かしめ装置を用いる場合にはその自動かしめ装置が高価でありかつ設置場所が必要となった。
したがって、本発明の目的は、鉄損が増加せず、また、固定子ピースの製作に工数がかからないモータの固定子ピースとその製造方法およびその製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1記載の固定子ピースの発明は、極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形したモータ固定子ピースにおいて、前記固定子分割鉄心にかしめおよび溶接部を両方とも持たないことを特徴とする。
このような構成によれば、積層鋼板積厚方向に導通が生じないため鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。
請求項2記載のモータ固定子ピースの製造方法の発明は、極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形した固定子ピースにおいて、前記電磁鋼板の打ち抜き工程で、インシュレータ成形下型に打ち抜かれた前記電磁鋼板を直接積層し、その後前記インシュレータを一体成形することを特徴とする。
このような構成によれば、固定子分割鉄心にかしめ、あるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。また、かしめあるいは溶接工程を削減できる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記電磁鋼板として、接着剤コーティング電磁鋼板を用いることを特徴とする。
このような構成によれば、コアの剛性が高く、高速度モータに適する。また、ティースの振動を防止でき、モータの静音性が向上する。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記電磁鋼板の打ち抜き後に、前記積層電磁鋼板の加圧下での接着工程を有することを特徴とする。
このような構成によれば、インシュレータ一体成形時に積層電磁鋼板のスプリングバックが生じないため、成形後にインシュレータにかかる応力を緩和できることから、インシュレータを薄くすることができ、占積率を向上させることができるとともに、固定子コイル放熱性を高めることができるため、モータの小型化に貢献できる。また、加圧接着により積層電磁鋼板の積厚の精度が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記接着剤コーティングを加熱加圧接着剤コーティングとし、前記加熱加圧接着剤コーティングの接着後硬化温度を、前記インシュレータ成形温度よりも高くしたことを特徴とする。
このような構成によれば、インシュレータ一体成形時に接着層が軟化しないため、インシュレータにかかる応力をより緩和できる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のモータの固定子ピースの製造方法において、前記接着時の加圧力として、前記電磁鋼板の打ち抜き工程におけるプレス力を利用することを特徴とする。
このような構成によれば、加圧力としてプレス力を用いるので、設備を単純化することができる。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記加熱接着材コーティング電磁鋼板の加熱接着温度を前記インシュレータ成形時の射出時の樹脂温度より低く、加熱接着後硬化温度を型開き時の樹脂温度よりも高くしたことを特徴とする。
このような構成によれば、接着時の加熱手段として、インシュレータ成形時の溶融樹脂を利用することができるので、工程を単純化できる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記接着時の加圧力として、前記インシュレータ成形時の型締め力を利用することを特徴とする。
このような構成によれば、接着時の加圧力として、インシュレータ成形時の型締め力を利用することができるので工程を単純化することができる
請求項9記載の発明は、請求項2〜8のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記積層電磁鋼板にかしめおよび溶接を施さないことを特徴とする。
このような構成によれば、積層鋼板積厚方向に導通が生じないため鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。
請求項10記載のモータ固定子ピースの製造装置の発明は、極歯単位に分割された形状で電磁鋼板を打ち抜くプレス部と、打ち抜かれた前記電磁鋼板を所定の積厚分貯留する貯留部と、前記貯留された電磁鋼板に積厚方向から圧力を加える加圧部と、前記貯留された電磁鋼板にインシュレータを一体成形する成形部とを備えて成るモータ固定子ピースの製造装置において、前記成形部の外型の一部を前記貯留部として用いることを特徴とする。
このような構成によれば、固定子分割鉄心にかしめ、あるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化、材料変形の発生もない。また、かしめあるいは溶接工程を削減できる。
請求項11記載の発明は、請求項10記載のモータ固定子ピースの製造装置において、前記貯留部に加熱装置を備え、貯留部で加熱・加圧接着する機能を有することを特徴とする。
このような構成によれば、加圧接着により積層電磁鋼板の積厚の精度が向上する。
請求項12記載の発明は、請求項10又は11記載のモータ固定子ピースの製造装置において、前記加圧装置として、前記プレス部を利用することを特徴とし、また、請求項13記載の発明は、請求項10又は11記載のモータ固定子ピースの製造装置において、前記加圧装置として、前記インシュレータ成形部の型締め力を利用することを特徴とする。
このような構成によれば、さらに工数、設備を低減することが可能となる。
請求項14記載の発明は、ターンテーブルを有する請求項10〜13のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造装置において、該ターンテーブルに前記プレス部および前記貯留部を設け、かつ該ターンテーブルの回転範囲内に、それぞれ別個に又は兼用した型抜き部、加熱加圧接着部および射出成形部を配置したことを特徴とする。
このような構成によれば、下型が1周する間に固定子ピースが形成されるため、生産性が一層向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態に係る固定子ピース製造方法および装置について、図1および図2に基づき説明する。
図1において、横方向から送られる両面に加熱接着層を持つ電磁鋼板21はパンチホルダ18に固定されたパンチ17と、図示しない打ち抜き装置筐体に支持されたダイ19により打ち抜かれる。
打ち抜かれた電磁鋼板21は、ダイ19の内側を通り、下型29内に順に落ち、積層電磁鋼板24を形成する。下型29内の積層電磁鋼板24が所定の積厚になった後、図2に示すように、積層電磁鋼板24を加圧シリンダ31で積厚方向に加圧するとともに、図示しない加熱手段で下型29を通じ、積層電磁鋼板24を加熱接着層の接着温度に加熱する。
その後、加熱接着層の硬化温度以下に積層電磁鋼板24を冷却した後、加圧シリンダ31を上昇させる。
この方法によれば、下型内に直接接着された電磁鋼板24つまり、固定子分割鉄心が形成される。
その後、従来と同様に図9に示すインシュレータ成形装置を用い、インシュレータを一体成形し、固定子ピースを得る。なお、加熱接着層の加熱後硬化温度を、インシュレータ成形時の温度よりも高くすることが好ましい。
この方法によれば、固定子分割鉄心にかしめあるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化、材料変形の発生もない。
また、かしめあるいは溶接工程を削減でき、コアの剛性が高いため、高速度モータに適し、ティースの振動を防止できることから、モータの静音性が向上する。
さらに、インシュレータ成形時に固定子分割鉄心にスプリングバックが生じないため、成形後にインシュレータにかかる応力を緩和できることから、インシュレータを薄くすることができ、占積率を向上させることができるとともに、固定子コイル放熱性を高めることができるため、モータの小型化に貢献できる。
また、下型29内の積層電磁鋼板24が所定の積厚になった際に、パンチ17の下降量を大きくすることにより、パンチ17に加圧シリンダ31の役割をかねさせることができる。この方法によれば、さらに工数、設備の低減が可能である。
【0012】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る固定子ピース製造方法を図3に基づき説明する。図3は本発明の第2の実施の形態の電磁鋼板接着層の接着力と温度の関係を示す特性曲線Lを描いた線図である。
図において、縦軸は接着力(単位:kN/mm)、横軸は温度(℃)である。また、T1は型開き時の温度、T2は射出時の温度で、Tcは接着力臨界温度である。型開き時の温度T1は通常、100℃〜120℃であり、射出時の温度T2は通常、270℃〜300℃で、また、接着力臨界温度Tcは樹脂の配合により様々であるが、エチレン−アクリル酸重合物のように140℃〜160℃であるものも存在する。
ここに用いられる電磁鋼板接着層の接着力はこのように接着力臨界温度Tcより低いときに大きく、逆に接着力臨界温度Tcを超えると激減する特性である。したがって、射出時の温度T2では接着力は小さいが、型開き時の温度T1では接着力が大きくなるのが特徴である。
このように電磁鋼板の加熱接着層の加熱後硬化温度を、インシュレータ成形時の温度T2よりも高くする代わりに、図3に示すような接着力の温度特性をもつ接着層を有する電磁鋼板を用い、前述のように下型内に電磁鋼板を積層した後、従来と同様に図9に示すインシュレータ成形装置を用い、インシュレータを一体成形し、固定子ピースを得る。
このような方法によれば、型締め時に上型と下型により積層電磁鋼板が圧縮されるとともに、インシュレータ射出時に接着層が溶融し、型開き時には接着層は硬化している。なお上型と下型の寸法と積層電磁鋼板の積厚の関係は設計事項とする。
このような方法によれば、新たな加熱手段を用いずとも本発明の第1の実施の形態と同様な効果が得られる。すなわち、固定子分割鉄心にかしめあるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化、材料変形の発生もないし、かしめあるいは溶接工程を削減でき、コアの剛性が高いため、高速度モータに適し、ティースの振動を防止できることから、モータの静音性が向上する。
【0013】
本発明の第3の実施の形態に係る固定子ピース製造装置について、図4に基づき説明する。
図4において、32は電磁鋼板を打ち抜く型抜き部、33は型抜き部に電磁鋼板を供給する電磁鋼板供給部、34は型抜き部から排出される抜きくずを処理する抜きくず処理部、35は積層電磁鋼板を加熱接着する加熱加圧接着部、36はインシュレータを一体成形する射出成形部、37は射出成形部に樹脂を供給する樹脂供給部である。
また、ターンテーブル38には、図1に示すような下型29が1個または複数個設けられ、下型29が型抜き部32、加熱加圧接着部35、射出成形部36を順に巡るようになっている。型抜き部32、加熱加圧接着部35、射出成形部36の具体的な機能は図1及び図2のところで上述したとおりである。
下型29が複数個の場合は、図において第1の下型29が加熱加圧接着部35および/又は射出成形部36の下に到来したときに第2の下型29が型抜き部32に到来するようにすると、複数の別の作業が同時に遂行できるので作業効率が向上する。
なお、前述のように加熱加圧接着部35は、型抜き部32あるいは射出成形部36に兼ねさせることができる。
このような構成によれば、下型が1周する間に固定子ピースが形成されるため、生産性が向上する。
なお、本発明によるモータ固定子ピースおよび、本発明によるモータ固定子ピース製造方法またはその製造装置により製造されたモータ固定子ピースは、コイル巻線後リング状に配列することにより、回転型モータに適用することもでき、直線状に配列することでリニアモータにも適用できる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の固定子ピースによれば、極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形したモータ固定子ピースにおいて、前記固定子分割鉄心にかしめおよび溶接部を両方とも持たないので、積層鋼板積厚方向に導通が生じないため鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。
請求項2記載のモータ固定子ピースの製造方法によれば、極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形した固定子ピースにおいて、前記電磁鋼板の打ち抜き工程で、インシュレータ成形下型に打ち抜かれた前記電磁鋼板を直接積層し、その後前記インシュレータを一体成形するので、固定子分割鉄心にかしめ、あるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。また、かしめあるいは溶接工程を削減できる。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記電磁鋼板として、接着剤コーティング電磁鋼板を用いるので、コアの剛性が高くなり、高速度モータに適する。また、ティースの振動を防止でき、モータの静音性が向上する。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記電磁鋼板の打ち抜き後に、前記積層電磁鋼板の加圧下での接着工程を有するので、インシュレータ一体成形時に積層電磁鋼板のスプリングバックが生じないため、成形後にインシュレータにかかる応力を緩和できることから、インシュレータを薄くすることができ、占積率を向上させることができるとともに、固定子コイル放熱性を高めることができ、モータの小型化に貢献できる。
また、加圧接着により積層電磁鋼板の積厚の精度が向上する。
請求項5記載の発明によれば、請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記接着剤コーティングを加熱加圧接着剤コーティングとし、前記加熱加圧接着剤コーティングの接着後硬化温度を、前記インシュレータ成形温度よりも高くしたので、インシュレータ一体成形時に接着層が軟化しないため、インシュレータにかかる応力をより緩和できる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載のモータの固定子ピースの製造方法において、前記接着時の加圧力として、前記電磁鋼板の打ち抜き工程におけるプレス力を利用するので、設備を単純化することができる。
【0016】
請求項7記載の発明によれば、請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記加熱接着材コーティング電磁鋼板の加熱接着温度を前記インシュレータ成形時の射出時の樹脂温度より低く、加熱接着後硬化温度を型開き時の樹脂温度よりも高くしたので、接着時の加熱手段としてインシュレータ成形時の溶融樹脂を利用することができるため、工程を単純化できる。
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記接着時の加圧力として、前記インシュレータ成形時の型締め力を利用するので、工程を単純化することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項2〜8のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造方法において、前記積層電磁鋼板にかしめおよび溶接を施さないので、積層鋼板積厚方向に導通が生じないため鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。
【0017】
請求項10記載のモータ固定子ピースの製造装置によれば、極歯単位に分割された形状で電磁鋼板を打ち抜くプレス部と、打ち抜かれた前記電磁鋼板を所定の積厚分貯留する貯留部と、前記貯留された電磁鋼板に積厚方向から圧力を加える加圧部と、前記貯留された電磁鋼板にインシュレータを一体成形する成形部とを備えて成るモータ固定子ピースの製造装置において、前記成形部の外型の一部を前記貯留部として用いるので、固定子分割鉄心にかしめ、あるいは溶接を施すことが不要となり、鉄損が軽減でき、かしめ部あるいは溶接部での磁性劣化や材料変形が発生しなくなる。また、かしめあるいは溶接工程を削減できる。
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載のモータ固定子ピースの製造装置において、前記貯留部に加熱装置を備え、貯留部で加熱・加圧接着する機能を有するので、加圧接着により積層電磁鋼板の積厚の精度が向上する。
請求項12記載の発明によれば、請求項10又は11記載のモータ固定子ピースの製造装置において、前記加圧装置として、前記プレス部を利用し、また、請求項13記載の発明によれば、前記加圧装置として、前記インシュレータ成形部の型締め力を利用するので、いずれも工数、設備を低減することが可能となる。
請求項14記載の発明によれば、ターンテーブルを有する請求項10〜13のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造装置において、該ターンテーブルに前記プレス部および前記貯留部を設け、かつ該ターンテーブルの回転範囲内に、それぞれ別個に又は兼用した型抜き部、加熱加圧接着部および射出成形部を配置したので、下型が1周する間に固定子ピースが形成されるため、生産性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る固定子分割鉄心打ち抜き装置の構造図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る積層電磁鋼板加熱・加圧接着装置の構造図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の電磁鋼板接着層の接着力と温度の関係図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の固定子ピース製造装置の構成図である。
【図5】従来のモータを示す側断面図である。
【図6】従来の固定子分割鉄心を示す斜視図である。
【図7】固定子ピースの斜視図である。
【図8】従来の固定子分割鉄心打ち抜き、かしめ装置の構造図である。
【図9】従来のインシュレータ成形装置の構造図である。
【符号の説明】
1 モータ、
2 フレーム、
3 負荷側ブラケット、
4 反負荷側ブラケット、
5 固定子、
6 固定子鉄心、
7 固定子コイル、
8 固定子分割鉄心、
9 かしめ、
10 凸部、
11 凹部、
12 インシュレータ、
12a筒体部、
12b、12c 鍔部、
13 固定子ピース、
14 回転軸、
15 軸受、
16 回転子、
16a 回転子ヨーク、
16b 永久磁石、
17 パンチ、
18 パンチホルダ、
19 ダイ、
20 ダイシュー、
21 電磁鋼板、
22 シリンダ、
23 可傾台、
24 積層電磁鋼板、
25 ストッパ、
26 トレー、
27 上型、
28 ゲート、
29 下型、
30 キャビティー、
31 加圧シリンダ、
32 型抜き部、
33 電磁鋼板供給部、
34 抜きくず処理部、
35 加熱加圧接着部、
36 射出成形部、
37 樹脂供給部、
38 ターンテーブル

Claims (14)

  1. 極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形したモータ固定子ピースにおいて、
    前記固定子分割鉄心にかしめおよび溶接部を両方とも持たないことを特徴とする固定子ピース。
  2. 極歯単位に分割された形状で打ち抜かれた電磁鋼板を積層した固定子分割鉄心に、インシュレータを一体成形した固定子ピースにおいて、
    前記電磁鋼板の打ち抜き工程で、インシュレータ成形下型に打ち抜かれた前記電磁鋼板を直接積層し、その後前記インシュレータを一体成形することを特徴とするモータ固定子ピースの製造方法。
  3. 前記電磁鋼板として、接着剤コーティング電磁鋼板を用いることを特徴とする請求項2記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  4. 前記電磁鋼板の打ち抜き後に、前記積層電磁鋼板の加圧下での接着工程を有することを特徴とする請求項3記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  5. 前記接着剤コーティングを加熱加圧接着剤コーティングとし、前記加熱加圧接着剤コーティングの接着後硬化温度を、前記インシュレータ成形温度よりも高くしたことを特徴とする請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  6. 前記接着時の加圧力として、前記電磁鋼板の打ち抜き工程におけるプレス力を利用することを特徴とする請求項5記載のモータの固定子ピースの製造方法。
  7. 前記加熱接着材コーティング電磁鋼板の加熱接着温度を前記インシュレータ成形時の射出時の樹脂温度より低く、加熱接着後硬化温度を型開き時の樹脂温度よりも高くしたことを特徴とする請求項3又は4記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  8. 前記接着時の加圧力として、前記インシュレータ成形時の型締め力を利用することを特徴とする請求項7記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  9. 前記積層電磁鋼板にかしめおよび溶接を施さないことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造方法。
  10. 極歯単位に分割された形状で電磁鋼板を打ち抜くプレス部と、打ち抜かれた前記電磁鋼板を所定の積厚分貯留する貯留部と、前記貯留された電磁鋼板に積厚方向から圧力を加える加圧部と、前記貯留された電磁鋼板にインシュレータを一体成形する成形部とを備えて成るモータ固定子ピースの製造装置において、
    前記成形部の外型の一部を前記貯留部として用いることを特徴とするモータ固定子ピースの製造装置。
  11. 前記貯留部に加熱装置を備え、貯留部で加熱・加圧接着する機能を有することを特徴とする請求項10記載のモータ固定子ピースの製造装置。
  12. 前記加圧装置として、前記プレス部を利用することを特徴とする請求項10又は11記載のモータ固定子ピースの製造装置。
  13. 前記加圧装置として、前記インシュレータ成形部の型締め力を利用することを特徴とする請求項10又は11記載のモータ固定子ピースの製造装置。
  14. ターンテーブルを有する請求項10〜13のいずれか1項記載のモータ固定子ピースの製造装置において、該ターンテーブルに前記プレス部および前記貯留部を設け、かつ該ターンテーブルの回転範囲内に、それぞれ別個に又は兼用した型抜き部、加熱加圧接着部および射出成形部を配置したことを特徴とするモータ固定子ピースの製造装置。
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