JP2006223022A - リングコアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リングコアの製造方法は、帯状の素材鋼板に扇状の分割コアプレート111,112を並列に近接させて配置した板取り設定を行い、素材鋼板を流しながら、半分が重なる重なり部127,128を備えた扇状の分割コアプレート111,112を打ち抜く第1工程と、分割コアプレート112を重ねる際に、先の分割コアプレート112の分割端同士115,115に後から重ねる分割コアプレート112の中心Cmを一致させた第2工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図26
Description
鋼板からドーナツ状の円盤を1回で打ち抜いて鉄心を形成する場合に比べ、コア片を打ち抜いて鉄心を形成すると、必要な枚数は多くなるが、圧延した鋼板に生じる配向を各コア片間でほぼ一定にすることができ、磁界(磁場)の強さのばらつきを小さくすることができる。
図29(a)〜(c)は、従来の技術を説明する図であり、従来のコア部材の積層方法は、第1のコア部材206を形成する第1の工程と、第2のコア部材209を形成する第2の工程と、を備え、第1のコア部材206と第2のコア部材209とを交互に積層するとともに、第1のコア部材206の縁部(凸部201)と第2のコア部材209の縁部(凹部202)が重なり合うように積層する。
その結果、第1・第2のコア部材206,209の形成と同時に積層作業も行うことができるというものである。
また、第1〜第3のコア部材206,209,214を打ち抜いた後に残る素材板の量は多く、歩留りが悪い。
図1は、本発明のリングコアの製造方法で形成したリングコア構造の斜視図である。
リングコア構造11は、電動機に用いるコア(鉄心)で、例えば、ロータコアであり、第1分割コアプレート12と、第2分割コアプレート13・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)と、第3分割コアプレート14・・・と、接着剤15・・・(図2参照)とからなる。rはコア基準半径、θは中心角を示す。
接着剤15は、素材鋼板に予め塗布し、加熱・冷却することで接着力を発揮するものである。
図1に描いた第1・第2・第3分割コアプレート12,13,14の板の厚さは、層の形態を理解できるように模式的に誇張して描いたもので、正確なものではない。従って、層数も一致しない。
第1分割コアプレート12は、扇状であり、コア基準半径rより小さい内円端部26を成形し、内円端部26の外側に外円端部27を成形し、中心角θ(例えば30°)で形成した端を含む突出分割端28及び切り欠き分割端31を形成し、突出分割端28側に重なり部32及び連結孔33を成形し、中央に掛止孔34を成形し、掛止孔34の外方にマグネット孔35を開けた鉄心の部品である。突出分割端28に切り欠き分割端31を当接させて円環状に12枚並べると、円環状の単層のコア36(第1層21)が形成される。
第1分割コアプレート12の材質は、電磁鋼板を用いた。
掛止部47は、掛止凸部53(図19参照)と掛止凹部42(図19参照)とからなり、第1分割コアプレート12の掛止孔34に嵌る。
第1分割コアプレート12の材質は、電磁鋼板を用いた。
掛止部62は、掛止部47と同じ形状であり、掛止部47に嵌る。
第1分割コアプレート12の材質は、電磁鋼板を用いた。
このようなリングコア構造を製造するリングコアの製造方法を次に説明する。
コア製造ライン71は、第1成形装置72と、第1成形装置72に平行に配置した、第2成形装置73と、第1・第2成形装置72,73に連ねて配置した旋回テーブル74と、コア連結装置75と、これらを制御する制御装置(図に示していない)と、を備える。Ctは旋回テーブル74の中心、CLは対称中心線を示す。
コア連結装置75を旋回テーブル74と同じ場所に配置したが、コア連結装置75を配置する位置は任意であり、旋回テーブル74から離すことも可能である。
次にコア製造ライン71を用いて実施する各工程について説明する。
第1成形装置72に第1素材鋼板86を矢印a2のように供給する。
第1素材鋼板86は、表面に塗布した接着剤15を有する。
第1素材鋼板86を矢印a2のように供給し、第1素材鋼板86にパイロット孔成形金型77で1枚目のパイロット孔88,88を開ける。
パイロット孔88,88を開けた後、第1素材鋼板86を1ピッチ送る(矢印a2の方向)。
1ピッチだけ送った後、連結孔成形金型78のピンにパイロット孔88,88を嵌め、連結孔成形金型78で第1素材鋼板86に1枚目の連結孔33を開ける。
連結孔33を開けた後、第1素材鋼板86を1ピッチ送る(矢印a2の方向)。
1ピッチだけ送った後、2枚目のパイロット孔88,88を開ける。パイロット孔88,88を開けた後、第1素材鋼板86を1ピッチだけ送る(矢印a2の方向)。
1ピッチだけ送った後、掛止孔成形金型81のピンに1枚目のパイロット孔88,88を嵌め、掛止孔成形金型81で第1素材鋼板86に1枚目の掛止孔34を開ける。このとき、供給側では、連結孔成形金型78のピンに2枚目のパイロット孔88,88を嵌め、掛止孔成形金型81に同期して連結孔成形金型78で第1素材鋼板86に2枚目の連結孔33を開ける。そして、1ピッチ送る。
まず、第2成形装置73に第2素材鋼板89を矢印a3のように供給する。
第2素材鋼板89は、表面に塗布した接着剤15を有する。
第2素材鋼板89を矢印a3のように供給し、パイロット孔成形金型77で第2素材鋼板89に1枚目のパイロット孔88,88を開ける。
パイロット孔88,88を開けた後、第2素材鋼板89を2ピッチ送る(矢印a3の方向)。
第1成形装置72では、1ピッチだけ送った後、パイロット孔成形金型77で第1素材鋼板86に3枚目のパイロット孔88,88を開ける。
パイロット孔88,88を開けた後、第1素材鋼板86を1ピッチだけ送る(矢印a2の方向)。
第1成形装置72では、既に説明した要領と同様に、2枚目の掛止孔34及び3枚目の連結孔33を同期させたタイミングで開ける。
続けて、第1・第2分割コアプレート12(図2参照),13(図2参照)のそれぞれの1枚目のマグネット孔35,35をマグネット孔成形金型83,83で開ける。
第1成形装置72では、マグネット孔成形金型83のピンにパイロット孔88,88を嵌め、第1素材鋼板86にマグネット孔成形金型83で1枚目のマグネット孔35を開ける。同時に、4枚目のパイロット孔88,88を既に説明したように開ける。
第1成形装置72では、既に説明した要領と同様に、3枚目の掛止孔34及び4枚目の連結孔33を同期させたタイミングで開け、第1素材鋼板86を1ピッチ送る。
(a):打ち抜き金型84に第2素材鋼板89をパイロット孔を用いてセットする。打ち抜き金型84は、上型91と下型92とからなり、下型92はプッシュバック機構93を備える。
第1成形装置72では、第1素材鋼板86から打ち抜き金型84で1枚目の第1分割コアプレート12を打ち抜くとともに、プッシュバックを実施する。同時に、2枚目のマグネット孔35、5枚目のパイロット孔88,88を開け、第1素材鋼板86を1ピッチ送る。
第1成形装置72では、前述した要領で第1分割コアプレート12の打ち抜きを繰り返し、かつ、供給側の各金型で所定の孔を開け、第1素材鋼板86とともに第1分割コアプレート12を抜き落とし装置85に送る。引き続き、第1分割コアプレート12を旋回テーブル74に載せ始める。
一方、第2成形装置73は待機状態であり、抜き落とし装置85は、待機状態で第2分割コアプレート13を保持する。
旋回テーブル74のテーブル97に第1分割コアプレート12を円環状に載せる。具体的には、テーブル97をピッチ角αだけ断続的に旋回させながら、第1分割コアプレート12を仮り組み半径Rfで7枚並べ、8枚目を抜き落とすときに、同時に第2成形装置73に配置した抜き落とし装置85の作動を開始する。
第2成形装置73の抜き落とし装置85で1枚目の第2分割コアプレート13を抜き落とし、先に並べた2枚目の第1分割コアプレート12に1枚目の第2分割コアプレート13を重ねる。引き続き、第1・第2素材鋼板86,89を2ピッチだけ送ると同時に、第1・第2素材鋼板86,89を送る情報に基づいて、旋回テーブル74はテーブル97をピッチ角αだけ旋回させる。
第1分割コアプレート12をテーブル97の9枚目の位置に抜き落とし、この9枚目と同時に第2分割コアプレート13をテーブル97の2枚目の位置、つまり、先に並べた第1分割コアプレート12の3枚目の上に重ねる。
これらの重ね合わせを次に具体的に説明する。
第1分割コアプレート12の基準点Bを仮り組み半径Rfの位置に一致させて並べることで、第1分割コアプレート12の突出分割端28と切り欠き分割端31との間に隙間S1を形成する。
同様に、第2分割コアプレート13の基準点Bを仮り組み半径Rfの位置に一致させて並べることで、第2分割コアプレート13の突出分割端43と切り欠き分割端44との間に隙間S2(S2=S1)を形成する。
また、第2分割コアプレート13の基準点Bは、下になる第1分割コアプレート12の基準点Bとほぼ一致する。
第1分割コアプレート12の突出分割端28と切り欠き分割端31との間に隙間S1を形成すると、連結孔33側に第2分割コアプレート13の連結部46が載った状態で重なる。
第1分割コアプレート12(図19参照)に第2分割コアプレート13を重ね、この第2分割コアプレート13の上面に第3分割コアプレート14を重ね、このように第2分割コアプレート13と第3分割コアプレート14とを交互に重ね続ける。
第4工程では、第1分割コアプレート12をそれぞれ円環状に並べた単層のコア36(第1層21)を形成し、第1層21上に第2・第3分割コアプレート13,14をそれぞれ円環状に並べた単層のコア36(第1層21),51(第3層23)を形成しつつ、単層のコア48,63を所定の層数だけ交互に積層することで、仮り組みリングコア104が完成する。
その次に、仮り組みリングコア104を旋回テーブル74に載せたまま、コア連結装置75を稼働する。コア連結装置75は、仮り組みリングコア104の外方から第1・第2・第3分割コアプレート12,13,14に力Fを加え、第1・第2・第3分割コアプレート12,13,14を内方(矢印a8・・・の方向)に移動させる。
コア連結装置75で第1・第2・第3分割コアプレート12,13,14を内方(矢印a8・・・の方向)に移動させると、第1分割コアプレート12の突出分割端28と切り欠き分割端31とが接近して、当接する。同時に第2分割コアプレート13の突出分割端43と切り欠き分割端44とが当接し、同時に第3分割コアプレート14の突出分割端56と切り欠き分割端57とが当接する。そのとき、基準点Bの半径はrとなる。
その結果、第1分割コアプレート12の連結孔33に第2分割コアプレート13の連結部46が嵌り、連結されると同時に、隣の第1分割コアプレート12の中央の掛止孔34に第2分割コアプレート13の中央の掛止部47が嵌り、連結される。同時に、第2分割コアプレート13の連結部46に第3分割コアプレート14の連結部61が嵌り、連結され、隣の第2分割コアプレート13の中央の掛止部47に第3分割コアプレート14の掛止部62が嵌り、連結され、仮密着したリングコア106が完成する。
第3工程では、第2工程と同様に、リングコア構造11の製品精度(上下面の平行度)を向上させることができる。
別の実施のリングコア構造11Bは、第1分割コアプレート111・・・を円環状に配列し、これらの第1分割コアプレート111・・・に第2分割コアプレート112・・・を円環状に配列するとともに、第2分割コアプレート112・・・を所定の層だけ重ねた鉄心である。
連結部126は、積層したときに連結部126同士で勘合する。
(a)において、別の実施のリングコアの第1製造方法では、コア製造装置131を用いる。
コア製造装置131は、図左の素材供給側から順に配置したパイロット孔成形金型132と、連結孔成形金型133と、連結部成形金型134と、マグネット孔成形金型135と、打ち抜き金型136と、第1抜き落とし装置137と、第1旋回テーブル138と、第2抜き落とし装置141と、第2旋回テーブル142と、これらを制御する制御装置(図に示していない)と、を備える。P1は素材鋼板を矢印b1の方向に送るときの1回の送りピッチを示す。ピッチP1については後述する。
第3素材鋼板145は、第3素材鋼板145の表面に塗布した接着剤15を有する。
第3素材鋼板145を送ることで、パイロット孔146,146を連結孔成形金型133まで送ったときに、パイロット孔146,146を連結孔成形金型133のピンに嵌め、連結孔成形金型133で連結孔123,123を成形する。
一方、供給側では、打ち抜き金型136の稼働に連結部成形金型134及びマグネット孔成形金型135を同期させて、連結孔123,123及びマグネット孔35,35を形成する。
12枚目の連結孔123,123を開けたなら、13枚目に相当するパイロット孔146,146を連結部成形金型134のピンに嵌め、連結部成形金型134で連結部126,126の成形を開始する。
一方、供給側では、マグネット孔成形金型135に連結部成形金型134を同期させて、連結孔123,123を成形する。
一方、供給側では、打ち抜き金型136に連結部成形金型134及びマグネット孔成形金型135を同期させて、連結孔123,123及びマグネット孔35,35を形成する。
ピッチP1は、具体的には、帯状の素材鋼板(第3素材鋼板)145に扇状の分割コアプレート(第2分割コアプレート)112を並列に近接させて配置した板取りに基づいて設定したものである。
(a)において、さらに別のコア製造ライン71Bは、第1成形装置72Bと、第2成形装置73Bと、第1・第2成形装置72B,73Bに連ねて配置した旋回テーブル74B,74Cと、これらを制御する制御装置(図に示していない)と、を備える。P2は素材鋼板を矢印b3の方向に送るときの1回の送りピッチを示す。
また、別の実施のリングコアの第2製造方法では、接着剤を固化させるために、加熱炉(図に示していない)を用いる。
次にさらに別のコア製造ライン71Bを用いて実施する各工程について説明する。
第1・第2素材鋼板86B,89Bの材質は共に、電磁鋼板である。
パイロット孔88B・・・を開けた後、第1・第2素材鋼板86B,89Bを1ピッチだけ送る。
連結孔成形金型78B,78Bで連結孔123,123・・・を開け、連結孔123,123を開けた第1・第2素材鋼板86B,89Bにマグネット孔成形金型83B,83Bでマグネット孔35・・・を開け、マグネット孔35・・・を開けた第1・第2素材鋼板86B,89Bに打ち抜き金型84B,84Bで第1分割コアプレート111,111の輪郭を打ち抜き、プッシュバックを実施する。
旋回テーブル74B,74Cは、第1分割コアプレート111を載せると、ピッチ角α1(α1=中心角θ1)だけ旋回する動きを繰り返す。合計6枚で円環状の単層のコア114を形成した直後に、テーブルをピッチ角α1/2だけ旋回させる。
ここで、リングコアの第2製造方法に採用した板取を説明する。
板取は、帯状の第1・第2素材鋼板86B,89Bに扇状の第1・第2分割コアプレート111,112を、素材鋼板の長手方向に並行に配置するとともに直列に近接させて配置したものである。
「直列に」とは、第2分割コアプレート112の分割端115に、次の第2分割コアプレート112の分割端115を近接させ、並べて配置する配列。
同様に、第2素材鋼板89Bに連結部成形金型79Bで連結部126,126を成形する。
同様に、第2素材鋼板89Bにマグネット孔成形金型83Bでマグネット孔35,35を開ける。
このように、マグネット孔35・・・を開けた後、第1・第2素材鋼板86B,89Bを1ピッチだけ送る。
同様に、第2素材鋼板89Bから打ち抜き金型84Bで第2分割コアプレート112の輪郭を打ち抜き、プッシュバックを実施する。
旋回テーブル74B,74Cは、第2分割コアプレート112を載せると、ピッチ角α1(α1=中心角θ1)だけ旋回する動きを繰り返す。分割端115,115に中心Cmを一致させる。
Claims (3)
- コアプレートの重なり部同士を重ねるリングコアの製造方法において、
第1素材鋼板を流しながら、一部が重なる第1重なり部及び孔を備えた扇状の第1分割コアプレートを打ち抜く第1工程と、
第2素材鋼板を流しながら、第1重なり部に重なる第2重なり部及び前記孔に嵌る連結部を備えた扇状の第2分割コアプレートを打ち抜く第2工程と、
第1素材鋼板を流しながら、前記第2分割コアプレートとは反対形状の第3分割コアプレートを打ち抜く第3工程と、
第1分割コアプレートを旋回テーブルに円環状に配置した後、第1分割コアプレート上でかつ旋回テーブルの一方側に第2分割コアプレートを載せると同時に、第2分割コアプレート上でかつ旋回テーブルの他方側に第3分割コアプレートを載せ、それぞれをほぼ同時に1枚を載せ終える毎に旋回テーブルを分割数に対応した角度だけ、第2素材鋼板の流れに連動させて旋回し、第2・第3分割コアプレートをそれぞれ円環状に並べた単層のコアを形成しつつ、単層のコアを所定の層数だけ交互に積層する第4工程と、を備えたことを特徴とするリングコアの製造方法。 - コアプレートの重なり部同士を重ねるリングコアの製造方法において、
帯状の素材鋼板に扇状の分割コアプレートを並列に近接させて配置した板取り設定を行い、素材鋼板を流しながら、半分が重なる重なり部を備えた前記扇状の分割コアプレートを打ち抜く第1工程と、
前記分割コアプレートを重ねる際に、先の分割コアプレートの分割端に後から重ねる分割コアプレートの中心を一致させた第2工程と、を備えたことを特徴とするリングコアの製造方法。 - 前記素材鋼板を予め接着剤を塗布したものとし、前記分割コアプレートを交互に複数重ね合わせた後、接着剤を有効にするための加熱処理工程を備えたことをことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリングコアの製造方法。
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