JP2004262127A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステッピングモータを回転させて印圧バネの伸長で印圧を調整する孔版印刷装置において、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御ができ、均一な画質を維持できるようにする。
【解決手段】ステッピングモータ24の回転は複数のギアを介してギア30に伝達され、該ギア30の回転軸30aに固定されたアーム34が回動する。これによりバネ35が伸長し、軸21を支点として回動するプレスローラ支持フレーム22の回動により印圧が調整される。印刷動作終了後はバネ35の縮退の影響を受けない位置までステッピングモータ24が回転され、その後ステッピングモータ24の励磁を切る。
【選択図】 図2
【解決手段】ステッピングモータ24の回転は複数のギアを介してギア30に伝達され、該ギア30の回転軸30aに固定されたアーム34が回動する。これによりバネ35が伸長し、軸21を支点として回動するプレスローラ支持フレーム22の回動により印圧が調整される。印刷動作終了後はバネ35の縮退の影響を受けない位置までステッピングモータ24が回転され、その後ステッピングモータ24の励磁を切る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿孔製版されたマスタ(孔版原紙)を版胴の外周面に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段でシート状記録媒体としての用紙(以下、「印刷用紙」ともいう)を印刷ドラムに連続的に押圧して、ドラム開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
印刷ドラムは、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。マスタは、熱可塑性樹脂フィルムに、多孔質支持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
【0003】
押圧手段ではプレスローラが印刷ドラムに対して接離自在に設けられており、印刷時のみ印刷ドラムに用紙を押圧するようになっている。
印刷ドラムに対するプレスローラの押圧力(印圧)は弾性部材としての例えばバネの付勢力によって得られるようになっている。環境条件(温度)等の変化による印刷濃度の変化に対応するため、バネをステッピングモータで伸長させて印圧を変化させ、常に均一な印刷濃度が得られるようにしている。
このような印圧可変方式では、印刷動作の終了時にステッピングモータの励磁を切り、制御を終了させていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−191629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ステッピングモータの回転により印圧バネの引張力を可変させる方式において、印刷動作の終了時にステッピングモータの励磁を切ると、励磁を切った後でも伸長していた印圧バネの縮退する力によりステッピングモータが回転し、内部のロータの位置がずれることがあった。ロータの位置がずれた場合、次回の印刷動作における制御においてステッピングモータの脱調が起こり、正確な印圧調整ができない場合があった。
【0006】
本発明は、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御ができ、均一な画質を維持できる孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、印刷動作終了後、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置まで上記ステッピングモータを回転させた後、該ステッピングモータの励磁を切る、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置で励磁を切る、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の伸長がゼロとなる位置に上記ステッピングモータを回転させてから励磁を切る、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、上記ステッピングモータの回転を伝達する回転伝達機構を有するとともに、該回転伝達機構を任意にロック可能なロック手段を有し、該ロック手段により上記回転伝達機構をロックした後、上記ステッピングモータの励磁を切り、次の印刷動作を行うときは上記ステッピングモータの励磁を入れた後で上記ロック手段によるロックを解除する、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記ロック手段がソレノイドを有し、該ソレノイドにより上記回転伝達機構の要素のいずれかを固定する構成である、という構成を採っている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版部90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。
製版部90の下方には給紙部110が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0013】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0014】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0015】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
すなわち、原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0016】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版部90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0017】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0018】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0019】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された用紙としての印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ140によりレジストローラ対142に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対142によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部(画像転写部位)120に送られる。
送り出された版付け用紙としての印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。
プレスローラ103の押圧による印圧により、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。プレスローラ103を含む押圧手段の構成及び印圧調整機能については後述する。
【0020】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0021】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に排出される。このようにして版付けが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記版付けと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0022】
次に、図2に基づいてプレスローラ103を含む押圧手段20(図1では省略)を説明する。
押圧手段20は、図示しない装置側板間に支持された軸21に回動自在に設けられたプレスローラ支持フレーム22と、該プレスローラ支持フレーム22を印刷ドラム101に接近する矢印U方向に回動するように付勢し、プレスローラ103を印刷ドラム101に押圧して基本的な印圧を得る主弾性部材としての図示しないバネと、カムやソレノイド等によりプレスローラ支持フレーム22を回動させてプレスローラ103を印刷ドラム101に対して接離させる図示しない接離機構と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する印圧調整機構23を有している。プレスローラ103の回転軸103aは、プレスローラ支持フレーム22の凹部22aに支持されている。
【0023】
印圧調整機構23は、ステッピングモータ24と、該ステッピングモータ24の回転軸24aに固定された小径のギア25と、該ギア25に噛み合う大径のギア26と、該ギア26の回転軸26aに固定又は一体成形された小径のギア27と、該ギア27に噛み合う大径のギア28と、該ギア28の回転軸28aに固定又は一体成形された小径のギア29と、該ギア29に噛み合う大径のギア30と、該ギア30の回転軸30aの外方(紙面手前側)に固定された扇形のセンサ検知板(遮蔽板)31と、図示しない装置側板間に固定されたセンサ支持ブラケット32と、該センサ支持ブラケット32に固定されたホームポジション検知センサ33と、ギア30の回転軸30aの内方(紙面奥側)に固定されたアーム34と、該アーム34とプレスローラ支持フレーム22間に掛けられた副弾性部材としてのバネ35を有している。
ギア25、24、26、27、28、29、30により、ステッピングモータ24の回転を伝達する回転伝達機構が構成されている。
【0024】
副弾性部材としてのバネ35の弾性力は上記主弾性部材としてのバネよりも小さく設定されている。主弾性部材による基本的印圧の上においてバネ35による印圧調整を行うため、バネ35による印圧調整範囲を確保するためには、本実施形態における主弾性部材としてのバネは従来のバネよりも弾性力の小さいものが望ましい。
【0025】
図3に示すように、ホームポジション検知センサ33の検知信号は制御手段36に入力され、制御手段36はこれに基づいてステッピングモータ24を制御して印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する。
制御手段36は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータである。
センサ検知板31がホームポジション検知センサ33により検知される位置がバネ35の伸長がゼロの位置、すなわち、バネ35の縮退影響を受けない位置であり、制御手段36は操作パネル37を介して印圧調整が設定された場合、このホームポジションを基準にしてステップ数を管理してステッピングモータ24を制御する。
印刷動作が終了したら、制御手段36はステッピングモータ24をホームポジションまで回転させた後、バネ35の縮退影響を受けない位置まで回転させてから励磁を切る。励磁を切るタイミングは、検知手段としてのホームポジション検知センサ33からの検知信号と、ステッピングモータ24のパルス移動に基づいて行われる。
【0026】
上記回転伝達機構のギア比によっては、必ずしもバネ35の伸長がゼロになる位置までステッピングモータ24を回転させる必要はない。幾分伸長状態であっても回転伝達機構の噛み合い重さによってバネ35の縮退影響が励磁を切った後のステッピングモータ24に及ばないからである。
【0027】
次に図4に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要が無い限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
本実施形態では、ステッピングモータ24を一々ホームポジションまで回転させずにその回転をロックしてバネ35の縮退による影響を無くすことを特徴としている。
回転伝達機構の要素の1つであるギア26の近傍には、ロック手段としてのソレノイド38が設けられており、ギア26の外周近傍には周方向に間隔をおいて回転軸方向に厚みを有する凸部39が複数形成されている。
印刷動作が終了すると、制御手段36はソレノイド38をオフし、その可動片(プランジャ)38aを突出させる。突出した可動片38aは任意の位置での凸部39間に進入し、これによって回転伝達機構はロックされる。可動片38aの先端は凸部39に突き当たっても円滑に凸部39間に進入するように鋭角に形成されている。凸部39の外周側端部も鋭角にするのが望ましい。
回転伝達機構のロックにより、印刷動作終了後ステッピングモータ24の励磁を切ってもバネ35の縮退による影響は及ばない。
【0028】
次の印刷動作を行うときは、制御手段36はステッピングモータの励磁を入れた後でソレノイド38をオンし、可動片38aを退動させて回転伝達機構のロック状態を解除する。
ロック手段は上記構成に限らず、例えば可動片38aの先端部にギア26の歯部の一部に噛み合う噛合片を形成し、両者を噛み合わせて回転伝達機構をロックするなど種々の構成を採用できる。
また、ロックする対象はギア26に限らず、回転伝達機構をロックできるものであればいずれでもよい。
【0029】
上記各実施形態では副弾性部材としてのバネ35に対するステッピングモータ24の脱調防止制御について説明したが、主弾性部材の場合についても同様に実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、印刷動作終了後、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置まで上記ステッピングモータを回転させた後、該ステッピングモータの励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置で励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の伸長がゼロとなる位置に上記ステッピングモータを回転させてから励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、上記ステッピングモータの回転を伝達する回転伝達機構を有するとともに、該回転伝達機構を任意にロック可能なロック手段を有し、該ロック手段により上記回転伝達機構をロックした後、上記ステッピングモータの励磁を切り、次の印刷動作を行うときは上記ステッピングモータの励磁を入れた後で上記ロック手段によるロックを解除する構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できるとともに、印圧制御を迅速且つ簡易化できる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記ロック手段がソレノイドを有し、該ソレノイドにより上記回転伝達機構の要素のいずれかを固定する構成であることとしたので、簡易な構成でステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できるとともに、印圧制御を迅速且つ簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】押圧手段の構成を示す概要正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】第2の実施形態におけるロック手段とそのロック動作を示す図である。
【符号の説明】
24 ステッピングモータ
35 弾性部材としてのバネ
38 ソレノイド
61 マスタ
62 シート状記録媒体としての用紙
101 印刷ドラム
【発明の属する技術分野】
本発明は、穿孔製版されたマスタ(孔版原紙)を版胴の外周面に巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な印刷ドラムの外周面に巻装し、印刷ドラム内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラ等の押圧手段でシート状記録媒体としての用紙(以下、「印刷用紙」ともいう)を印刷ドラムに連続的に押圧して、ドラム開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル孔版印刷装置が知られている。
印刷ドラムは、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。マスタは、熱可塑性樹脂フィルムに、多孔質支持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。
【0003】
押圧手段ではプレスローラが印刷ドラムに対して接離自在に設けられており、印刷時のみ印刷ドラムに用紙を押圧するようになっている。
印刷ドラムに対するプレスローラの押圧力(印圧)は弾性部材としての例えばバネの付勢力によって得られるようになっている。環境条件(温度)等の変化による印刷濃度の変化に対応するため、バネをステッピングモータで伸長させて印圧を変化させ、常に均一な印刷濃度が得られるようにしている。
このような印圧可変方式では、印刷動作の終了時にステッピングモータの励磁を切り、制御を終了させていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−191629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ステッピングモータの回転により印圧バネの引張力を可変させる方式において、印刷動作の終了時にステッピングモータの励磁を切ると、励磁を切った後でも伸長していた印圧バネの縮退する力によりステッピングモータが回転し、内部のロータの位置がずれることがあった。ロータの位置がずれた場合、次回の印刷動作における制御においてステッピングモータの脱調が起こり、正確な印圧調整ができない場合があった。
【0006】
本発明は、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御ができ、均一な画質を維持できる孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、印刷動作終了後、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置まで上記ステッピングモータを回転させた後、該ステッピングモータの励磁を切る、という構成を採っている。
【0008】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置で励磁を切る、という構成を採っている。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の伸長がゼロとなる位置に上記ステッピングモータを回転させてから励磁を切る、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、上記ステッピングモータの回転を伝達する回転伝達機構を有するとともに、該回転伝達機構を任意にロック可能なロック手段を有し、該ロック手段により上記回転伝達機構をロックした後、上記ステッピングモータの励磁を切り、次の印刷動作を行うときは上記ステッピングモータの励磁を入れた後で上記ロック手段によるロックを解除する、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記ロック手段がソレノイドを有し、該ソレノイドにより上記回転伝達機構の要素のいずれかを固定する構成である、という構成を採っている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における画像形成装置としての孔版印刷装置の全体構成及び孔版印刷プロセスの概要を説明する。
装置本体50の上部には原稿読取部80が設けられており、その下方中央部には多孔性の印刷ドラム101を有する印刷ドラム部100が設けられている。印刷ドラム部100の上方右側には製版部90が設けられ、印刷ドラム部100の上方左側には排版部70が設けられている。
製版部90の下方には給紙部110が、印刷ドラム部100の下方には印圧部120が、排版部70の下方には排紙部130が、それぞれ設けられている。
【0013】
次に、上記構成に係る孔版印刷装置の印刷動作を説明する。
先ず、原稿読取部80の上部に配置された図示しない原稿載置台に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネル上の製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済み感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0014】
印刷ドラム101が反時計回りに回転し、印刷ドラム101の外周面の使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a、71bに近づくと、この排版剥離ローラ対71a、71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ対71aで使用済み感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げる。
使用済み感熱性孔版マスタ61bは、排版剥離ローラ対71a、71bの左側に配設された排版コロ対73a、73bと排版剥離ローラ対71a、71bとの間に掛け回された排版搬送ベルト対72a、72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、印刷ドラム101の外周面から引き剥がされて排版工程が終了する。このとき、印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離・排出された使用済み感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0015】
排版工程と並行して、原稿読取部80で原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前方原稿搬送ローラ対82a、82b及び後方原稿搬送ローラ対83a、83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させ、レンズ88を通してCCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。
すなわち、原稿60の読み取りは、周知である縮小式の原稿読取方式で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力され、デジタル画像信号に変換される。
【0016】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版部90の所定部位にセットされたロール状の感熱性孔版マスタ61は、ロール状態から引き出され、サーマルヘッド91に感熱性孔版マスタ61を介して押圧されているプラテンローラ92、及びテンションローラ対93a、93bの回転により搬送路の下流側に搬送される。
このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ複数個の微小な発熱部が、図示しないA/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0017】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a、94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0018】
製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻き付けていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0019】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された用紙としての印刷用紙62のうちの最上位の1枚が、給紙コロ140によりレジストローラ対142に向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対142によりドラム部100の回転と同期した所定のタイミングで印圧部(画像転写部位)120に送られる。
送り出された版付け用紙としての印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。
プレスローラ103の押圧による印圧により、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。プレスローラ103を含む押圧手段の構成及び印圧調整機能については後述する。
【0020】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。
【0021】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸着されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に排出される。このようにして版付けが終了する。
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記版付けと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行なわれ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0022】
次に、図2に基づいてプレスローラ103を含む押圧手段20(図1では省略)を説明する。
押圧手段20は、図示しない装置側板間に支持された軸21に回動自在に設けられたプレスローラ支持フレーム22と、該プレスローラ支持フレーム22を印刷ドラム101に接近する矢印U方向に回動するように付勢し、プレスローラ103を印刷ドラム101に押圧して基本的な印圧を得る主弾性部材としての図示しないバネと、カムやソレノイド等によりプレスローラ支持フレーム22を回動させてプレスローラ103を印刷ドラム101に対して接離させる図示しない接離機構と、印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する印圧調整機構23を有している。プレスローラ103の回転軸103aは、プレスローラ支持フレーム22の凹部22aに支持されている。
【0023】
印圧調整機構23は、ステッピングモータ24と、該ステッピングモータ24の回転軸24aに固定された小径のギア25と、該ギア25に噛み合う大径のギア26と、該ギア26の回転軸26aに固定又は一体成形された小径のギア27と、該ギア27に噛み合う大径のギア28と、該ギア28の回転軸28aに固定又は一体成形された小径のギア29と、該ギア29に噛み合う大径のギア30と、該ギア30の回転軸30aの外方(紙面手前側)に固定された扇形のセンサ検知板(遮蔽板)31と、図示しない装置側板間に固定されたセンサ支持ブラケット32と、該センサ支持ブラケット32に固定されたホームポジション検知センサ33と、ギア30の回転軸30aの内方(紙面奥側)に固定されたアーム34と、該アーム34とプレスローラ支持フレーム22間に掛けられた副弾性部材としてのバネ35を有している。
ギア25、24、26、27、28、29、30により、ステッピングモータ24の回転を伝達する回転伝達機構が構成されている。
【0024】
副弾性部材としてのバネ35の弾性力は上記主弾性部材としてのバネよりも小さく設定されている。主弾性部材による基本的印圧の上においてバネ35による印圧調整を行うため、バネ35による印圧調整範囲を確保するためには、本実施形態における主弾性部材としてのバネは従来のバネよりも弾性力の小さいものが望ましい。
【0025】
図3に示すように、ホームポジション検知センサ33の検知信号は制御手段36に入力され、制御手段36はこれに基づいてステッピングモータ24を制御して印刷ドラム101に対するプレスローラ103の印圧を調整する。
制御手段36は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータである。
センサ検知板31がホームポジション検知センサ33により検知される位置がバネ35の伸長がゼロの位置、すなわち、バネ35の縮退影響を受けない位置であり、制御手段36は操作パネル37を介して印圧調整が設定された場合、このホームポジションを基準にしてステップ数を管理してステッピングモータ24を制御する。
印刷動作が終了したら、制御手段36はステッピングモータ24をホームポジションまで回転させた後、バネ35の縮退影響を受けない位置まで回転させてから励磁を切る。励磁を切るタイミングは、検知手段としてのホームポジション検知センサ33からの検知信号と、ステッピングモータ24のパルス移動に基づいて行われる。
【0026】
上記回転伝達機構のギア比によっては、必ずしもバネ35の伸長がゼロになる位置までステッピングモータ24を回転させる必要はない。幾分伸長状態であっても回転伝達機構の噛み合い重さによってバネ35の縮退影響が励磁を切った後のステッピングモータ24に及ばないからである。
【0027】
次に図4に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要が無い限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
本実施形態では、ステッピングモータ24を一々ホームポジションまで回転させずにその回転をロックしてバネ35の縮退による影響を無くすことを特徴としている。
回転伝達機構の要素の1つであるギア26の近傍には、ロック手段としてのソレノイド38が設けられており、ギア26の外周近傍には周方向に間隔をおいて回転軸方向に厚みを有する凸部39が複数形成されている。
印刷動作が終了すると、制御手段36はソレノイド38をオフし、その可動片(プランジャ)38aを突出させる。突出した可動片38aは任意の位置での凸部39間に進入し、これによって回転伝達機構はロックされる。可動片38aの先端は凸部39に突き当たっても円滑に凸部39間に進入するように鋭角に形成されている。凸部39の外周側端部も鋭角にするのが望ましい。
回転伝達機構のロックにより、印刷動作終了後ステッピングモータ24の励磁を切ってもバネ35の縮退による影響は及ばない。
【0028】
次の印刷動作を行うときは、制御手段36はステッピングモータの励磁を入れた後でソレノイド38をオンし、可動片38aを退動させて回転伝達機構のロック状態を解除する。
ロック手段は上記構成に限らず、例えば可動片38aの先端部にギア26の歯部の一部に噛み合う噛合片を形成し、両者を噛み合わせて回転伝達機構をロックするなど種々の構成を採用できる。
また、ロックする対象はギア26に限らず、回転伝達機構をロックできるものであればいずれでもよい。
【0029】
上記各実施形態では副弾性部材としてのバネ35に対するステッピングモータ24の脱調防止制御について説明したが、主弾性部材の場合についても同様に実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、印刷動作終了後、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置まで上記ステッピングモータを回転させた後、該ステッピングモータの励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置で励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の孔版印刷装置において、上記弾性部材の伸長がゼロとなる位置に上記ステッピングモータを回転させてから励磁を切る構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、上記ステッピングモータの回転を伝達する回転伝達機構を有するとともに、該回転伝達機構を任意にロック可能なロック手段を有し、該ロック手段により上記回転伝達機構をロックした後、上記ステッピングモータの励磁を切り、次の印刷動作を行うときは上記ステッピングモータの励磁を入れた後で上記ロック手段によるロックを解除する構成としたので、ステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できるとともに、印圧制御を迅速且つ簡易化できる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の孔版印刷装置において、上記ロック手段がソレノイドを有し、該ソレノイドにより上記回転伝達機構の要素のいずれかを固定する構成であることとしたので、簡易な構成でステッピングモータの脱調を防止でき、常に精度の高い印圧制御によって均一な画質を維持できるとともに、印圧制御を迅速且つ簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における孔版印刷装置の概要正面図である。
【図2】押圧手段の構成を示す概要正面図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】第2の実施形態におけるロック手段とそのロック動作を示す図である。
【符号の説明】
24 ステッピングモータ
35 弾性部材としてのバネ
38 ソレノイド
61 マスタ
62 シート状記録媒体としての用紙
101 印刷ドラム
Claims (5)
- 印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、
印刷動作終了後、上記弾性部材の縮退影響を受けない位置まで上記ステッピングモータを回転させた後、該ステッピングモータの励磁を切ることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
上記弾性部材の縮退影響を受けない位置で励磁を切ることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1記載の孔版印刷装置において、
上記弾性部材の伸長がゼロとなる位置に上記ステッピングモータを回転させてから励磁を切ることを特徴とする孔版印刷装置。 - 印刷ドラムの外周面に製版されたマスタを巻装し、弾性部材による付勢力でシート状記録媒体を上記印刷ドラムに押圧し、該押圧による印圧によって上記印刷ドラムの内部から供給されたインキをシート状記録媒体に転移させて印刷を行う孔版印刷装置であって、上記弾性部材をステッピングモータにより伸長させて印圧調整が可能な孔版印刷装置において、
上記ステッピングモータの回転を伝達する回転伝達機構を有するとともに、該回転伝達機構を任意にロック可能なロック手段を有し、該ロック手段により上記回転伝達機構をロックした後、上記ステッピングモータの励磁を切り、次の印刷動作を行うときは上記ステッピングモータの励磁を入れた後で上記ロック手段によるロックを解除することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項4記載の孔版印刷装置において、
上記ロック手段がソレノイドを有し、該ソレノイドにより上記回転伝達機構の要素のいずれかを固定する構成であることを特徴とする孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
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JP2003055876A JP2004262127A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 孔版印刷装置 |
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JP2003055876A JP2004262127A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 孔版印刷装置 |
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JP (1) | JP2004262127A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012148497A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Ricoh Co Ltd | 孔版印刷装置 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055876A patent/JP2004262127A/ja active Pending
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