JP2004261029A - 緑化用培地 - Google Patents

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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

【課題】緑化場所や緑化用栽培容器のサイズや形状などに制約されず比較的容易に使用することができ、降雨時などに土壌が流出せず、保水性および保肥性に優れ、植物の生育状態も良好な緑化用培地を提供する。
【解決手段】ビル屋上面1の一部に四角形の側壁2を立設し、これら側壁2で囲まれた領域内に、下から順に耐根シート3、排水マット4、透水シート5および保水シート6を積層状態に敷設した後、保水シート6の上に緑化用培地7を形成する。緑化用培地7は、焼却炭1m程度と、石膏粉20kg程度と、竹酢液4l程度と、発根促進剤0.4l程度と、中性固化剤20kg程度と、保水剤3kg程度と、水400l程度とを混合して得られた流動状混練物を、側壁2で囲まれた保水シート6の上面に流し込んで、固化させることによって形成したものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑化などを目的として、建築物の屋上部分、地面、栽培容器内などにおいて植物を育成する際に使用される緑化用培地に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の地球温暖化の進行に伴い、夏場の都市部などにおいて生じているヒートアイランド現象を抑制する手段の一つとして、ビルの屋上部分などにおける緑化が推進されている。ビルの屋上部分などを緑化する場合、植物が生育する培地を形成する必要があるが、通常の土砂を敷き詰めて形成しただけの培地は水もちが悪い、雨天の際に土砂が流出しやすいなどの多くの欠点がある。
【0003】
このため、雨天などの際に土砂が流出せず、保水性も良好な培地を形成することのできる緑化用培地として、セラミックスを原料とする板状またはブロック状の植生基盤材料(例えば、特許文献1参照。)などがある。
【0004】
特許文献1に記載された植生基盤材料は、セラミックス粒子が互いに1mm以上の空隙を介して相互に焼結、部分結着されることによって形成された板状またはブロック状のものである。焼結して形成されているため土壌のように流出することがなく、気孔率60%以上の連続気孔を有しているため、かさ比重が小さく、保水性に優れている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−348171号公報(第2−4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている植生基盤材料は、900℃〜1000℃の高温焼成工程を経て製造されるものであるため、高温焼成炉などの加熱装置が必要であり、これらの焼成工程に多大な労力と時間が費やされ、加熱用として大量のエネルギーが消費されている。
【0007】
また、この植生基盤材料は、板状あるいはブロック状の一定サイズの固形体として施工現場に搬入するものであるため、緑化部分の広さや形態によっては、植生基盤材料をそのまま敷設できないことがある。このような場合、切断や研削などにより、緑化部分に合わせて植生基盤材料の形状を加工する必要があるため、施工が煩雑となる。また、気孔率60%以上の連続気孔を有しているとはいえ、セラミックス粒子の結着によって形成された硬質の固形体であるため、セラミックス粒子に接触することで根の伸長や発根が妨げられ、生育不良が生じることがある。
【0008】
さらに、この植生基盤材料の形状は、焼成工程において板状あるいはブロック状の一定サイズの固形体に決定されるため、これらの固形体がサイズ的あるいは形状的に収容できない栽培容器には使用できない。したがって、プランターや植木鉢など、一定形状の栽培容器を利用する緑化工事には不向きである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、緑化場所や緑化用栽培容器のサイズや形状に制約されず容易に使用することができ、降雨時などに土壌が流出することがなく、保水性および保肥性に優れ、植物の生育状態も良好な、緑化用培地を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の緑化用培地は、焼却炭、火山灰、石炭灰のいずれか1つ以上の1mに対して、石膏粉5kg〜40kg、竹酢液1l〜10l、発根促進剤0.1l〜2.0l、中性固化剤10kg〜80kg、保水剤1kg〜10kgおよび水100l〜600lを添加したものを基本組成とする流動状混練物を一定形状に固化させて形成したことを特徴とする。
【0011】
前記流動状混練物は所定時間が経過すれば水分が蒸発するとともに中性固化剤の作用によって固化するものであるため、枠材などで包囲した緑化場所に流し込んだり、緑化用栽培容器に充填したりした後、固化させることにより、所定形状の緑地用培地を形成することが可能である。したがって、緑化場所あるいは緑化用栽培容器のサイズ、形状などに制約されず容易に使用することができる。また、一定形状の型枠などに流し込んで固化させれば、その後は、脱型して緑地用培地のみを運搬することも可能である。このため、予め工場などで製造した一定形状の緑化用培地を施工現場に搬入した後、緑化場所の広さや形状に合わせて適切な個数の緑化用培地を敷設することによって緑地を形成することもできる。
【0012】
なお、流動状混練物を作る段階において、植物の種子および肥料成分を当該混練物に混入させておけば、緑化場所などに流し込んだ後の播種および施肥の手間を省くことができる。また、流動状混練物が固化した後、周囲の気温などが植物に適した状態となれば、間もなく、混入された種子の発根、発芽が始まるので、比較的短期間のうちに緑化を図ることができる。
【0013】
前記混練物が中性固化剤の作用によって固化すると、焼却炭(または火山灰、石炭灰のいずれか1以上)および石膏粉などの比較的細かな粒子同士が互いに結合した多孔質団粒構造を有する固形体状の緑化用培地が形成される。この結果、緑化用培地は微細な隙間を大量に含んだ構造となるため、一般土壌よりも優れた通気性、通水性を備えたものとなる。このため、緑化用培地は、植物の根の伸長および養分の保持に最適な状態となり、培地形成後における植物の生育状態は良好となる。
【0014】
前記混練物は、中性固化剤の作用によって一定形状の固形体となるため、固化後は、降雨などによって緑化用培地が崩壊したり、流出したりすることがない。また、この緑化用培地は、平均的体格の人間が載っても崩壊しない程度の強度を有しているため、犬・猫などのペット類やその他の鳥獣類などが培地上に載ることがあっても足跡などが残ることがない。また、緑化用培地は保水剤を含有しているため、保水性および保肥性にも優れており、植物の成長に有効である。
【0015】
なお、石膏粉は培地を中性領域に維持するとともに、通気性、透水性を確保するはたらきがあり、竹酢液は固化した培地中における種子の発根および根の伸長を促進し、病害虫を忌避し、培地を中性領域に維持するはたらきがある。また、カラスなどは竹酢液の臭いを嫌うので、培地中に竹酢液を含んでいることによって有害な鳥獣類を忌避することもできる。さらに、竹酢液の発根促進作用に加え、発根促進剤によって種子の発根が大幅に促進されるため、培地形成後の植物の生育状態も極めて良好となり、比較的短期間で緑化を実現することができる。
【0016】
ここで、前述した流動状混練物の組成が、本発明に係る基本組成の範囲内にない場合について説明する。石膏粉が5kgより少ないと緑化用培地の強度が低下して脆くなり、40kgより多いと緑化用培地が固くなり過ぎて植物の生育が困難となる。竹酢液が1lより少ないと前述した発根促進、病害虫忌避、中性維持などの作用が失われ、10lより多いと緑化用培地が酸性化して植物の生育に不適となる。発根促進剤が0.1lより少ないと発根不良が生じやすく、2lより多いと発根のみが促進され葉や茎などの生育が抑制される傾向が生じる。
【0017】
また、中性固化剤が10kgより少ないと緑化用培地の固化強度が低下して脆くなり、80kgより多いと緑化用培地が固くなり過ぎて、植物の生育が困難となる。保水剤が1kgより少ないと緑化用培地の保水性が悪くなり、10kgより多いと緑化用培地の固化強度が低下して土壌が流出しやすくなる。
【0018】
一方、水は前記流動状混練物の粘性を増減する作用はあるが、固化後の緑化用培地の性質を変化させる作用はないので、施工条件に応じて、比較的自由に増減することができる。しかしながら、水が100lより少ないと流動状混練物の粘性が高まり粘土に近い状態となるため緑化用栽培容器などへの充填性が悪化し、600lより多いと粘性が低下して液体に近い状態となるため周囲が包囲されていない面あるいは傾斜面への施工が困難となる。
【0019】
以上のことより、前記流動状混練物は前述した基本組成とすることが望ましいことが分かる。なお、前述した基本組成は、焼却炭、火山灰、石炭灰のいずれか1以上の1mに対する添加量を示したものであるため、この基本組成の範囲内にある限り、総量は任意に変更することができる。
【0020】
ここで、前記焼却灰として製紙汚泥の焼成生成物を使用することが望ましい。このような焼成生成物は、適度の保水性を有しつつ、水はけも良好であり、肥料成分の吸着性、保持性に優れ、土壌の酸性化を防止する作用も有しているため、植物の成長を活性化することができる。また、近年、問題となっている酸性雨による培地(土壌)の酸性化を防止する効果も得られる。なお、製紙汚泥の焼成生成物(焼却灰)としては、例えば、王子製紙株式会社の「ランドリーフォーマー(商品名)」などが好適である。
【0021】
一方、前記火山灰としては、カルシウムアルミケイ酸を主成分とし、硫酸カルシウム、石英、クリストバライト、ヘマタイトおよびマグネタイトを含有するものが望ましい。このような火山灰を構成する粒状体は、多数の微細気泡を内蔵した構造を有することで保水性が良好であり、植物にとって有益なコケ類や菌類などが繁殖しやすい環境が形成される。このため、火山灰に繁殖するこれらのコケ類や菌類などのはたらきを通じて植物の生育状態が活性化されるという効果が得られる。なお、このような火山灰としては、例えば、三宅島(東京都)の噴火によって生じた火山灰が好適である。
【0022】
一方、前記石炭灰としては、石炭火力発電所の燃焼生成物を使用することが望ましい。このような燃焼生成物(石炭灰)は、緑化用培地中において、前述した焼却灰、火山灰と同様の機能を発揮するため、植物の生育に適切な状態を得ることができる。また、火力発電所の燃焼生成物を使用することにより、従来、一定の工程に従って処分されていた産業廃棄物を有効活用することができるようになる。
【0023】
前記発根促進剤としてはエンテロバクター属の微生物(E.cloacae No.11−5)の培養濾液を含有するものを用いることが望ましく、このような発根促進剤を用いることにより、特に、生育初期の毛細根の発達が促進されるため、培地形成後の植物の生育状態がさらに向上する。また、発根した大量の根が培地中の広範囲にわたって伸長することによって培地はより強く固められるため、雨天時などにおける培地の流出、崩壊を防止する効果も高まる。なお、このような発根促進剤としては、例えば、NOK株式会社の「ネバルくん(商品名)」などが好適である。
【0024】
前記中性固化剤としては、アルギン酸ナトリウムおよびゼオライトを含有するものを用いることが望ましい。このような中性固化剤は、高分子系薬剤よりも凝集反応時間が短いため、前記混練物を比較的短時間(混練後5分〜10分程度)で固化させることができ、これによって施工時間の短縮化を図ることができる。また、この中性固化剤は、文字通り中性であるため、植物への負担が殆どなく、ゼオライトを含有することで脱臭効果も発揮する。
【0025】
なお、このような中性固化剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム10重量%以上およびゼオライト50重量%以上を含有する、株式会社ジー・ピーの泥土中性固化剤「カタナール(商品名)」などが好適である。「カタナール(商品名)」は黄色〜褐色粉末の薬剤であり、海藻からの抽出成分と天然鉱物資源を主成分とするため、環境への悪影響がなく、安全性にも優れており、脱臭効果も発揮する。また、「カタナール(商品名)」に含まれる海藻抽出成分などは植物の発根を促進する作用を有するとともに、植物の養分となるため、植物の成長を促進させることができる。
【0026】
前記保水剤としては、ポリN−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物を含有するものを用いることが望ましい。このような保水剤は、使用前は粉状体であるため混練などの作業性が良好であり、水に接すると吸水して膨潤する性質を有していることにより優れた保水性を発揮するので散水作業の簡略化を図ることができる。
【0027】
また、この保水剤は、気温が上昇すると軟化して保持水分を放出し、気温が下降すると硬化して保持水分を維持する性質も備えている。このため、夏場は水分補給源として機能し、冬場は培地の乾燥を防止する機能を発揮する。このような保水剤としては、例えば、株式会社興人の「サーモゲル(商品名)」などが好適である。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態である緑化用培地を示す垂直断面図であり、ビル屋上の一部に緑化部を設けた状態を示している。図1に示すように、本実施形態においては、ビル屋上面1の一部に四角形の側壁2を立設し、これら側壁2で囲まれた領域内に、下から順に耐根シート3、排水マット4、透水シート5および保水シート6を積層状態に敷設した後、保水シート6の上に緑化用培地7を形成している。
【0029】
耐根シート3はクッション層を有する根留めシートである。排水マット4は発泡ポリスチレンで形成された通気性および通水性を備えたマット材であり、透水シート5は高い透水機能を備えた目詰まりし難いポリエステル製のシート材である。保水シート6は鉱物を原料とする人造繊維で形成され、優れた保水性を有しており、700℃程度までの耐熱性も備えている。
【0030】
緑化用培地7は、焼却炭1mに対し、石膏粉20kg、竹酢液4l、発根促進剤(「ネバルくん」)0.4l、中性固化剤(「カタナール」)20kg、保水剤(「サーモゲル」)3kgおよび水400lを添加して形成した流動状の混練物に植物8の種子および肥料成分を混合して得られた流動状の混練物を、側壁2で囲まれた保水シート6の上面に流し込んで、固化させることによって形成したものである。
【0031】
前記混練物は流動状であるため、側壁2で包囲された保水シート6の上面に簡単に流し込むことができ、緑化場所の広さや形状に制約されることなく、極めて容易に緑化用培地8を形成することができる。また、前記混練物には植物8の種子および肥料成分を混入させているため、流し込み後における播種および施肥の手間を省くことができる。また、緑化用培地7が固化した後、温度環境などが整えば、混入された種子の発根、発芽が始まるので、比較的短期間のうちに植物8による緑化を実現することができる。
【0032】
前記混練物が固化すると、焼却炭および石膏粉などの比較的細かな粒子同士が互いに結合した多孔質団粒構造を有する固形体が形成される。この結果、緑化用培地7は微細な隙間を大量に含んだ構造となるため、一般土壌よりも優れた通気性、通水性を備えたものとなる。このため、緑化用培地7は、植物8の根の伸長や養分の保持に適切な環境となり、培地形成後における植物8の生育状態も極めて良好となる。
【0033】
前記混練物は、中性固化剤の作用により一定形状に固まるため、固化した後は降雨などによって緑化用培地7が崩壊したり、流出したりすることがない。また、緑化用培地7は、平均的体格の人間が載っても崩壊しない程度の強度も有しているため、犬・猫などのペット類が培地上を歩行するようなことがあっても足跡などが残ることもない。また、緑化用培地7は保水剤も含有しているため、保水性および保肥性にも優れている。
【0034】
なお、緑化用培地7に含まれる石膏粉は培地7を中性領域に維持するとともに、通気性、透水性を確保する作用があり、竹酢液は固化した緑化用培地7中における種子の発根および根の伸長を促進し、病害虫を忌避し、培地7を中性領域に維持する作用もある。また、緑化用培地7に含まれる発根促進剤によっても植物8の種子の発根が大幅に促進されるため、培地形成後の植物8の生育状態も良好となり、比較的短期間で緑化を実現することができる。
【0035】
本実施形態では、前記焼却灰として製紙汚泥の焼成生成物の一つである、王子製紙株式会社の「ランドリーフォーマー(商品名)」を使用している。この焼成生成物は、適度の保水性を有しつつ、水はけが良好であり、肥料成分の吸着性、保持性に優れ、土壌の酸性化を防止する作用も有している。このため、植物8の成長を活性化するだけでなく、近年、問題となっている酸性雨による緑化用培地7の酸性化を防止することもできる。
【0036】
発根促進剤として使用しているNOK株式会社の「ネバルくん(商品名)」はエンテロバクター属の微生物(E.cloacae No.11−5)の培養濾液を含有するものである。この発根促進剤により、特に、生育初期の毛細根の発達が促進されるため、培地形成後の植物8の生育状態が大幅に向上する。また、発根した大量の根が培地7中に広く伸長することによって培地7が固められるため、雨天時などにおける培地7の流出、崩壊を防止する効果も高まる。
【0037】
中性固化剤として使用している株式会社ジー・ピーの「カタナール(商品名)」は、アルギン酸ナトリウム10重量%以上およびゼオライト50重量%以上を含有するものである。この中性固化剤は、高分子系薬剤よりも凝集反応時間が短いため、前記混練物を比較的短時間(混練後5分〜10分程度)で固化させることができ、これによって施工時間の短縮化を図ることができる。また、この中性固化剤は、文字通り中性であるため、植物8への負担が殆どなく、ゼオライトを含有することで脱臭効果も発揮する。
【0038】
また、「カタナール」は、海藻からの抽出成分と天然鉱物資源を主成分とするため、環境へ悪影響を及ぼすこともなく、安全性にも優れており、脱臭効果も発揮する。さらに、「カタナール」に含まれる海藻抽出成分などは植物8の発根を促進する作用を有するとともに、植物8の養分にもなるため、植物8の成長を促進させることができる。
【0039】
保水剤として使用している株式会社興人の「サーモゲル(商品名)」は、ポリN−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物を含有するものである。この保水剤は、使用前は粉状体であるため混練などの作業性が良好であり、水に接すると吸水して膨潤する性質を有することにより優れた保水性を発揮するので、培地形成後において植物8への散水作業を簡略化することができる。
【0040】
また、この保水剤は、気温が上がると軟化して保持水分を放出し、気温が下がると硬化して保持水分を維持する性質があるため、夏場においては植物8に対する水分補給源として機能し、冬場においては培地7の乾燥を防止する機能を発揮する。
【0041】
本実施形態においては、緑化用培地7の構成材料の一つとして、焼却灰を使用しているが、焼却炭の代わりに、火山灰、石炭灰のいずれかを用いることも可能である。火山灰を使用する場合、カルシウムアルミケイ酸を主成分とし、硫酸カルシウム、石英、クリストバライト、ヘマタイトおよびマグネタイトを含有するものが望まく、例えば、三宅島(東京都)の噴火によって生じた火山灰が好適である。石炭灰として石炭火力発電所の燃焼生成物を用いれば、産業廃棄物を有効活用することができる。
【0042】
図1で示したように、本実施形態においては、側壁2で囲まれた領域内に、耐根シート3、排水マット4、透水シート5および保水シート6を積層状態に敷設した後、保水シート6の上に緑化用培地7を形成している。しかしながら、これに限定するものではなく、例えば、側壁2で囲まれた領域内に耐根シート3のみを敷設して、その上面に前記混練物を流し込んで固化させることによって緑化用培地7を形成することもできる。
【0043】
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態である緑化用培地20について説明する。本実施形態の緑化用培地20は、前述した配合の混練物を、浅い四角形箱体状の型枠(図示せず)に流し込んで固化させた後、脱型して形成したものである。緑化用培地20は、平板状(マット状)であり、人間の握力程度では崩壊しない程度の強度を有しているため、手作業による運搬は勿論、車両に積載して運搬することも可能である。このため、予め工場などで緑化用培地20を製造した後、必要個数程度を緑化予定場所に運び込んで使用することができる。
【0044】
この場合、緑化用培地20はそのまま地面上や建物の屋上面などに敷設することもできるが、図2に示すように、枠体22などで包囲された緑化面21に敷設することが望ましい。このように、予め製造された緑化用培地20を用いることにより、施工現場では緑化用培地20の敷設作業のみを行えばよいので、現場作業の簡略化を図ることができ、緑化面21の広さや形状に対する適応性も良好であり、汎用性にも優れている。
【0045】
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態である緑化用培地30について説明する。本実施形態の緑化用培地30は、前述した配合の混練物を、栽培容器の一つである植木鉢31に流し込んで固化させて形成したものである。緑化用培地30は固形化しているため、風雨で飛んだり、流出したりすることがない。また、人間や動物などが誤ってぶつかったり、強風に煽られたりして、植木鉢31が転倒しても、緑化用培地30は簡単に崩壊しない。このため、転倒した植木鉢31から植物9が離脱したり、緑化用培地30の一部が植木鉢31から零れて周囲を汚したりすることがなく、栽培期間中に培地30が減少することもない。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0047】
(1)焼却炭、火山灰、石炭灰のいずれか1つ以上の1mに対して、石膏粉5kg〜40kg、竹酢液1l〜10l、発根促進剤0.1l〜2.0l、中性固化剤10kg〜80kg、保水剤1kg〜10kg、水100l〜600lを添加したものを基本組成とする流動状混練物を一定形状に固化させて形成したことにより、緑化場所や緑化用栽培容器のサイズや形状に制約されず容易に使用することができ、降雨時などに培地が流出することがなく、保水性および保肥性に優れたものとなり、植物の生育状態も良好となる。
【0048】
(2)前記発根促進剤としてエンテロバクター属の微生物(E.cloacaeNo.11−5)の培養濾液を含有するものを用いることにより、特に、生育初期の毛細根の発達が促進されるため、培地形成後の植物の生育状態がさらに向上する。また、発根した大量の根が培地中に広く伸長することによって培地を固める作用を発揮するため、雨天時などにおける培地の流出、崩壊を防止する効果も高まる。
【0049】
(3)前記中性固化剤としてアルギン酸ナトリウムおよびゼオライトを含有するものを用いることにより、前記混練物を比較的短時間で固化させることで施工時間の短縮化を図ることができ、脱臭効果も発揮する。
【0050】
(4)前記保水剤として、ポリN−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物を含有するものを用いることにより、優れた保水性が得られるため、散水作業の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す垂直断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態であるを示す一部省略斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 ビル屋上面
2 側壁
3 耐根シート
4 排水マット
5 排水シート
6 保水シート
7,20,30 緑化用培地
8,9 植物
21 緑化面
31 植木鉢

Claims (4)

  1. 焼却炭、火山灰、石炭灰のいずれか1つ以上の1mに対して、石膏粉5kg〜40kg、竹酢液1l〜10l、発根促進剤0.1l〜2.0l、中性固化剤10kg〜80kg、保水剤1kg〜10kg、水100l〜600lを添加したものを基本組成とする流動状混練物を一定形状に固化させて形成したことを特徴とする緑化用培地。
  2. 前記発根促進剤として、エンテロバクター属の微生物の培養濾液を含有するものを用いた請求項1記載の緑化用培地。
  3. 前記中性固化剤として、アルギン酸ナトリウムおよびゼオライトを含有するものを用いた請求項1記載の緑化用培地。
  4. 前記保水剤として、ポリN−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物を含有するものを用いた請求項1記載の緑化用培地。
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