JP2004259912A - 磁気記憶装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅配線を用いた微細加工技術を磁気記憶装置に応用する際に、主にビット線上部に磁気シールド層をいわゆる自己整合的に形成する技術を提供するものである。
【解決手段】書き込み用の磁界を発生させる配線(ビット線12)と、ビット線12で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子13とを備えた磁気記憶装置1であって、ビット線12はその上面を露出した状態で第5絶縁膜45に埋め込まれ、ビット線12上面は第5絶縁膜45表面よりも低く形成され、ビット線12上の第5絶縁膜45よりも低く形成されたリセス部18にビット線12上面を被覆する磁気シールド層21が形成されているものである。
【選択図】 図1
【解決手段】書き込み用の磁界を発生させる配線(ビット線12)と、ビット線12で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子13とを備えた磁気記憶装置1であって、ビット線12はその上面を露出した状態で第5絶縁膜45に埋め込まれ、ビット線12上面は第5絶縁膜45表面よりも低く形成され、ビット線12上の第5絶縁膜45よりも低く形成されたリセス部18にビット線12上面を被覆する磁気シールド層21が形成されているものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記憶装置およびその製造方法に関し、詳しくは記憶素子に書き込みを行う配線上部に磁気シールド層を形成した磁気記憶装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及にともない、これを構成するメモリ素子やロジック素子等の素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリはユビキタス時代に必要不可欠の素子と考えられている。
【0003】
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合であっても、不揮発性メモリは個人の重要な情報を保護することができる。そして、不揮発性メモリの高密度化、大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術としてますます重要になってきている。
【0004】
また、最近の携帯機器は不要な回路ブロックをスタンバイ状態にして、でき得る限り消費電力を抑えようと設計されているが、高速ネットワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力の無駄とメモリの無駄を無くすことができる。また、電源を入れると瞬時に起動できる、いわゆる「インスタント・オン」機能も高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば可能になってくる。
【0005】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)などがあげられる。しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒の桁であるため遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014で完全にスタティックランダムアクセスメモリやダイナミックランダムアクセスメモリに置き換えるには耐久性が低いという問題が指摘されている。また、強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという課題も指摘されている。
【0006】
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)とよばれる磁気メモリであり(例えば、非特許文献1参照。)、近年のトンネル磁気抵抗(以下TMRという、TMRはTunnel Magnetoresistanceの略)材料の特性向上により、注目を集めるようになってきている。MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記録を行うために、書き換え回数が大であると予測されている。またアクセス時間についても、非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0007】
上述の通り、高速化・高集積化が容易という長所を有するMRAMではあるが、書き込みは、TMR素子に近接させて設けられた書き込みビット線と書き込み書き込みワード線に電流を流し、その発生磁界によって行う。TMR素子の記憶層(記憶層)の反転磁界は材料にもよるが、1.58kA/m〜15.8kA/m(20Oe〜200Oe)が必要であり、このときの電流は数mAから数十mAになる。これは消費電流の増大につながり、携帯機器の低消費電力化に対して大きな課題となる。
【0008】
また、素子の微細化により隣接ビットへの漏れ磁界の影響も無視できなくなっている。すなわち、図7に示すように、例えば、複数本の書き込みワード線11(図面では代表して2本を描いた)と、これら書き込みワード線11と立体的に交差(直交)する複数本のビット線12(図面では代表して1本を描いた)とが設けられ、各書き込みワード線11と各ビット線12との交差領域のそれぞれには磁性体膜を備えた記憶素子13(TMR素子、巨大磁気抵抗(以下GMRという、GMRはGiant Magnetoresistanceの略)素子等)が設けられている。素子が微細化すると、書き込みワード線間の距離、ビット線間の距離が近接し、隣接する書き込みワード線11に発生する電流磁界Hw同士が互いに影響を及ぼすようになり、またビット線12に発生する電流磁界Hb同士が互いに影響を及ぼすようになり、書き込み不良を発生する原因となる。
【0009】
また、この消費電流が増大する問題を解決するためには、書き込みワード線およびビット線により形成される磁界を磁性層でシールドすることにより、効率的に記憶素子(例えばTMR層もしくはGMR層)側に集中させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。磁性層シールド構造を用いたMRAMの一部を簡略化した構成を、図8の断面図によって説明する。
【0010】
図8に示すように、絶縁膜47上に軟磁性体からなる磁気シールド層21を形成し、この磁気シールド層21をパターニングして、各ビット線12上面を被覆する磁気シールド層21を形成する。すなわち、各ビット線12上に形成された磁気シールド層21は互いに離間された状態に形成される。これにより、ビット線12下方に対しての磁束密度が上昇しTMR型の記憶素子13に作用する磁界が増加する。すなわち、書き込みワード線11およびビット線12に流す電流値を低く押さえることが可能となる。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−246566号公報(第3−5頁、図6,8)
【非特許文献1】
Zhi G.Wang, Desmond J.Mapps, Lian N.He, Warwick W.Clegg, David T.Wilton, P.Robinson, and Yoshihisa Nakamura「IEEE Transactions Magnetics」Vol.33, No.6, (1997) P.4498−4512
【非特許文献2】
R.Scheuerlein et al.,「ISSCC Digest of Technical Papers」(Feb. 2000),p.128−129
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記図8によって説明した構造には以下のような欠点がある。高集積化という面からみると、図9に示すように、ビット線12は、加工限界の最小スペースaで配置することが望まれている。ところが、ビット線12上に磁気シールド層21を形成する本構造では、ビット線12に対する磁気シールド層21の重ね合わせ余裕cが必要であり、この余裕分2cだけ、磁気シールド層21間の間隔bが加工限界の最小スペースaを下回ることになる。このため、加工性が著しく低下し歩留りも期待できない。
【0013】
また、ビット線幅や書き込みワード線幅はリソグラフィ技術から決まる最小線幅に近い幅が要求される。一方、書き込み電流値が高くなると、エレクトロマイグレーション等の配線の信頼性が課題になる。この課題を解決するためには、銅配線を用いることが有効であると考えられる。また、通常のプロセスに対して、リソグラフィー工程、加工工程が加わるために、素子自体のコストも高くなってしまう。
【0014】
本発明は、銅配線を用いた微細加工技術を磁気記憶装置に応用する際に、上記不具合を解決すべく考案されたもので、主にビット線上部に磁気シールド層をいわゆる自己整合的に形成する技術を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた磁気記憶装置およびその製造方法である。
【0016】
本発明の磁気記憶装置は、書き込み用の磁界を発生させる配線と、前記配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子とを備えた磁気記憶装置であって、前記配線はその上面を露出した状態で絶縁膜に埋め込まれ、前記配線上面は前記絶縁膜表面よりも低く形成され、前記配線上の前記絶縁膜よりも低く形成された部分に前記配線上面を被覆する磁気シールド層が形成されているものである。
【0017】
上記磁気記憶装置では、記憶素子に情報を書き込むための電流を配線に流した場合、この配線に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子に情報が書き込まれる。その際、絶縁膜表面よりも低く形成された配線上面を被覆する磁気シールド層が形成されていることから、記憶素子方向に磁束を向かわせることができるので、書き込み効率が高められる。そのため、配線の消費電流が低減される。
【0018】
本発明の磁気記憶装置の製造方法は、書き込み磁界を発生させる配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子を備えた磁気記憶装置の製造方法であって、前記配線を形成する工程は、前記記憶素子を覆う絶縁膜に前記記憶素子の配線接続部分を底部に露出させるように配線溝を形成する工程と、前記配線溝内に前記配線を形成する工程と、前記配線の上部を除去する工程と、前記配線上部を除去した領域に前記配線を被覆する磁気シールド層を形成する工程とを備えている。
【0019】
上記磁気記憶装置の製造方法では、配線溝内に配線を形成した後に配線の上部を除去し、その後配線上部を除去した領域に配線を被覆する磁気シールド層を形成することから、記憶素子に情報を書き込むための電流を配線に流した場合、この配線に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子に情報が書き込まれる。その際、配線の上面に磁気シールド層を形成したことから、記憶素子方向に磁束を向かわせることができるようになり、書き込み効率が高められる磁気記憶装置が製造される。そのため、配線の消費電流が低減される。また磁気シールド層を自己整合的に形成できるため、磁気シールド層を形成するためのリソグラフィー工程が不要となるので、工程数の削減が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を、図1によって説明する。
【0021】
本発明の磁気記憶装置は、記憶素子上に接続する書き込み用の配線を有する磁気記憶装置の全てに適用できるものである。ここでは一例として、書き込みワード線と、この書き込みワード線に立体的に交差(例えば直交)するビット線と、書き込みワード線とビット線との交差領域に、書き込みワード線とは絶縁膜を介し、ビット線とは導電層を介して接続されている磁気記憶装置について、図1により説明する。図1では、(1)は磁気記憶装置の主要部(書き込みワード線、ビット線および記憶素子)を簡略化して示した概略構成斜視図であり、(2)は(1)のA面(ビット線の幅方向断面)概略構成拡大断面図であり、(3)は(1)のB面(書き込みワード線の幅方向断面)概略構成拡大断面図である。
【0022】
図1(1)に示すように、磁気記憶装置1は、以下に説明するような構成をなしている。複数個(図面では一例として9個)のメモリセルを含み、相互に交差する複数本(図面では一例として3本)の書き込みワード線11(11a、11b、11c)および複数本(図面では一例として3本)のビット線12(12a、12b、12c)を有する。それらの書き込みワード線11とビット線12の各交差領域には、書き込みワード線11上に絶縁膜(図示せず)を介して形成されているとともにビット線12に接続されている磁気トンネル接合(以下、MTJという、MTJはMagnetic Tunnel Junctionの略)を有する記憶素子13(13a〜13i)が配置されている。記憶素子13への書き込みは、ビット線12および書き込みワード線11に電流を流し、それから発生する合成磁界によってビット線12と書き込みワード線11との交差領域に形成された記憶素子13の記憶層304の磁化方向を磁化固定層302に対して平行または反平行にして行う。なお、記憶素子13の上部には導電層((1)図では図示せず)を設け、記憶素子13の下部には反強磁性層301を設けている。
【0023】
図1(2)、(3)に示すように、図示はしない半導体基板上に選択用のトランジスタ等の素子が形成され、その選択用の素子に接続するセンス線が形成され、それらを覆う状態に第1絶縁膜41が形成されている。さらに第1絶縁膜41上に第2絶縁膜42が形成され、第2絶縁膜42に配線溝421が形成され、その配線溝421に拡散を防止するバリア層111を介して書き込みワード線11が形成されている。その書き込みワード線11上を被覆するように、金属の拡散を防止するためのバリア層を含むもしくは金属の拡散を防止するためのバリア層からなる第3絶縁膜43が形成されている。さらに書き込みワード線11上には第3絶縁膜43を介して、MTJを有する記憶素子13が形成されている。この記憶素子13としては、例えば、TMR型の記憶素子であってもよく、GMR型の記憶素子であってもよい。この記憶素子13上には、例えばビット線との接続のための導電層309が形成されている。
【0024】
上記第3絶縁膜43上に、記憶素子13を覆う状態に第4絶縁膜44が形成され、この第4絶縁膜44表面と記憶素子13の上面とは、例えば平坦に形成されていてもよい。この第4絶縁膜44上には第5絶縁膜45が形成されている。この第5絶縁膜45に記憶素子13に達する配線溝451が形成されている。この配線溝451内にバリア層121を介して書き込み用の配線となるビット線12が形成されている。このビット線12の上面は上記第5絶縁膜45表面より低く形成されている。すなわち、ビット線12上にリセス部18が形成されている。このリセス部18には、上記ビット線12上面を被覆するバリア層125を介して磁気シールド層21が形成されている。ここでは、ビット線12上に形成される磁気シールド層21は第5絶縁膜45表面とほぼ同等の高さに形成され、第5絶縁膜45表面は平坦化されている。
【0025】
上記バリア層125には、銅の拡散防止層として、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができることを記載したが、例えば、周期律表IV−A族元素、V−A族元素、VI−A族元素、遷移金属元素または、その窒化物を用いることもできる。もしくは、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等を用いることもできる。
【0026】
上記磁気シールド層21に用いることができる磁性体としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、もしくはこれらの材料の合金を用いることができる。すなわち、軟磁性体を構成するものであればよい。
【0027】
上記ビット線12の配線材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅合金、アルミニウム合金、銀合金もしくは金合金を用いることができる。
【0028】
さらに図示はしないが、磁気シールド129を被覆するように第6絶縁膜が形成されている。
【0029】
本発明の特徴は、ビット線12上にリセス部18を設け、このリセス部18内にビット線12上面を覆う磁気シールド層21が形成されていることにある。したがって、ビット線12より下層の構成は磁気記憶装置を構成するものであれば如何なる構成であってもよい。例えば、書き込みワード線上に選択素子(例えばダイオード)を介してMTJを有する記憶素子13が形成されている構成であってもよい。すなわち、本願発明は、記憶素子上に接続する書き込み用の配線(例えばビット線)を有する磁気記憶装置の全てに適用できる。
【0030】
上記磁気記憶装置では、記憶素子13に情報を書き込むための電流をビット線12に流した場合、このビット線12に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子13に情報が書き込まれる。その際、第5絶縁膜45表面よりも低く形成されたビット線12上面を被覆する磁気シールド層21が形成されていることから、ビット線12で発生した磁束は、磁気シールド層21によって記憶素子13方向に向かわせることができるので、隣接するビット線への漏れが低減され、書き込み効率が高められる。そのため、ビット線12の消費電流が低減されるので、低消費電力で記憶素子13に情報の書き込みを行うことが可能になる。
【0031】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を、図2〜図4の製造工程図によって説明する。なお図2(1)〜(2)は書き込みワード線を配線幅方向に切った断面図であり、図2(3)、図3(4)〜(5)および図4(6)〜(8)はビット線を配線幅方向に切った断面図である。したがって図2(3)、図3(4)〜(5)および図4(6)〜(8)では、書き込みワード線は配設方向の断面で示される。
【0032】
図示はしないが、通常のLSIプロセスにより、半導体基板(例えばシリコン基板)上にトランジスタ素子、センス線等を形成した後、層間絶縁膜として第1絶縁膜を成膜する。次いで、図2(1)に示すように、第1絶縁膜41上に書き込みワード線を溝配線構造に形成するための第2絶縁膜42を形成する。次いで、通常のリソグラフィー、RIE法により、第2絶縁膜42に書き込みワード線用の配線溝421を形成する。
【0033】
次いで、通常のマグネトロンスパッタ法等により、上記配線溝421の内面に、バリア層112を例えば窒化タンタル(TaN)で成膜した後、続いてシード層(図示せず)を銅により成膜する。さらに、電解メッキ法により上記配線溝421を銅により埋め込む。このとき、第2絶縁膜42上にもバリア層112を介して電解めっきにより堆積された銅からなる銅(図示せず)が形成される。その後、通常の化学的機械研磨(以下、CMPという)にて配線溝421内部以外の銅を除去し、配線溝421内にバリア層112を介して銅からなる書き込みワード線11を形成する。ここでは、配線溝421の幅を0.2μm、深さを0.3μmとした。
【0034】
次いで、図2(2)に示すように、上記第2絶縁膜42上に書き込みワード線11を覆う第3絶縁膜43を形成する。ここでは、第3絶縁膜43に、通常の銅を配線材料に用いた多層配線で用いられる窒化シリコン(SiN)等の銅の拡散を防止する膜により形成する。その後、第3絶縁膜43上に磁気トンネル接合(以下MTJという、MTJはMagnetic Tunnel Junctionの略)を有する多層膜を形成する。次いで、レジスト塗布、リソグラフィー技術により、マスクを形成した後、そのマスクを用いて上記多層膜を加工(例えば、イオンミリング、ドライエッチング等)して、上記書き込みワード線11上方の第3絶縁膜43上にMTJを有する記憶素子13を形成する。この記憶素子13上には、上記多層膜上に予め形成しておいた電極接続用の導電膜309が形成されている。上記多層膜は、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有する多層膜を用いることができる。例えば、トンネル磁気抵抗(以下、TMRという、TMRはTunnel Magnetic Resistanceの略)効果を発現するTMR膜としては、一例として、下層より、反強磁性膜、磁化固定層となる強磁性体膜、トンネル絶縁膜(例えば、酸化アルミニウム(Al2 O3 )膜)、記憶層となる強磁性体膜、導電膜を順に積層した構成となっている。また、強磁性体膜間に非磁性導電膜を挟んだ構成のGMR膜を用いることもできる。
【0035】
次いで図2(3)に示すように、上記記憶素子13を覆う状態に第4絶縁膜44を形成する。その後、例えば化学的機械研磨(以下CMPという、CMPはChemical Mechanical Polishingの略)により上記導電層309を露出させるとともに、第4絶縁膜44表面を平坦化する。その後、第4絶縁膜44上に第5絶縁膜45を形成する。この第5絶縁膜45は、例えば下層にエッチングストッパ層451を設けた2層構造とする。次いで、通常のリソグラフィー技術およびエッチング技術(例えば反応性イオンエッチング)を用いて、上記第5絶縁膜45にビット線を形成するための配線溝453を形成する。このエッチングでは、一旦エッチングストッパ層451上でエッチングを停止した後、さらにエッチングストッパ層451をエッチングして配線溝453を形成した。ここでは、ビット線用の配線溝453の幅を0.2μm、深さを0.3μmとした。
【0036】
次に図3(4)に示すように、上記配線溝453の内面および上記第5絶縁膜45表面にバリア層121を形成する。この成膜は、例えばスパッタリング(例えば、高真空中におけるマグネトロンスパッタ法)により行う。上記バリア層121には、例えば窒化タンタル(TaN)を用いたが、銅の拡散を防止する材料であれば、他の材料を用いることができる。引き続いて、スパッタリングにより銅シード層(図示せず)を上記バリア層121表面に形成する。この銅シード層は、次工程の電解銅めっきの下地層となる。その後、電解銅めっきにより、配線溝453を埋め込むように、銅膜123を形成する。
【0037】
上記マグネトロンスパッタ法による窒化タンタル膜の成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)と窒素(N2 )とを用い、アルゴンの流量を30cm3 /min、窒素の流量を80cm3 /minとし、DCパワーを5kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、30nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、窒化タンタル膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0038】
上記銅シード層の上記マグネトロンスパッタ法による成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)を用い、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、DCパワーを3kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、150nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、銅膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0039】
ここでは通常のマグネトロンスパッタ法でバリア層121および銅シード層を成膜しているが、よりアスペクトの高い配線溝、接続孔、または配線溝およびその底部に接続孔が形成されたディユアルダマシン形状へ適用する場合は、カバレッジの良い遠距離スパッタ法、イオン化スパッタ法等を利用するほうが好ましい。
【0040】
次に、上記電解銅めっきの条件の一例を以下に説明する。電解めっき液には、硫酸銅(CuSO4 )と硫酸(H2 SO4 )と塩酸(HCl)との混合液に添加剤として界面活性剤を添加したものを用いた。硫酸銅の濃度を67g/L、硫酸の濃度を170g/L、塩酸の濃度を70ppmとした。めっき液温度は20℃、電流は9A(20cm(8インチ)ウェハーに対して)に設定した。
【0041】
その後、例えばCMPによって、上記配線溝453内に上記銅膜123を残すように上記第5絶縁膜45上の銅膜123およびバリア層121を除去して、図3(5)に示すように、配線溝453内にバリア層121を介して銅膜123からなるビット線12を形成する。
【0042】
上記CMP条件の一例としては、研磨パッドに発泡ポリウレタン樹脂と不織布との積層構造のものを用い、スラリーに過酸化水素(H2 O2 )を添加したシリカ含有スラリーを用い、研磨圧力を100g/cm2 、その流量を100cm3 /min、研磨定盤の回転数を30rpm、研磨ヘッドの回転数を30rpm、研磨雰囲気の温度を25℃〜30℃に設定した。上記研磨条件は一例であって、銅膜を腐食することなく、銅膜123およびバリア層121が第5絶縁膜45に対して選択的に研磨される条件であれば如何なる条件であってもよい。
【0043】
次に、図4の(6)に示すように、ビット線12の表面を第5絶縁膜45表面よりも後退(リセス)させる。例えば銅を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0044】
上記銅のエッチング条件の一例としては、エッチング液にアンモニア水溶液(0.1wt%)を用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは20nmの深さとした。また、CMP法では機械的要因により、パターン依存(線幅、密度等)が発生するが、本方法では、機械的要因が無いために、パターン依存は発生しない。したがって、ウエハ面内均一にリセス部18を形成することができる。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行う。
【0045】
次に、図4(7)に示すように、上記リセス部18の内面および上記第5絶縁膜45表面にバリア層125を形成する。この成膜は、例えばスパッタリング(例えば、高真空中におけるマグネトロンスパッタ法)により行う。上記バリア層125には、例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができるが、銅の拡散を防止する材料であれば、他の材料を用いることもできる。引き続いて、スパッタリングにより軟磁性体からなる磁気シールド層21を上記バリア層125表面に形成する。この軟磁性体には、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)もしくはこれらのうちの少なくとも2種を含む合金を用いることができる。ここでは、バリア層125として下地のバリア層121と同じ窒化タンタルを用い、磁気シールド層21としてニッケルを用いた。
【0046】
上記バリア層125の成膜条件は上記バリア層121と同様であり、ここでは、一例として10nmの厚さに成膜した。また、磁気シールド層21のニッケル膜の成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)を用い、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、DCパワーを5kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、例えば10nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、ニッケル膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0047】
次いで、通常のCMP法により、リセス部18以外のバリア層125と磁気シールド層21との積層膜を除去する。その結果、図4(8)に示すように、リセス部18内にバリア層125を介して磁気シールド層21が形成される。
【0048】
上記リセス部18の深さ、バリア層125の膜厚および磁気シールド層21の膜厚は、第5絶縁膜45上の磁気シールド層21およびバリア層125を除去したとき、リセス部18に必要な厚さのバリア層125および必要な厚さの磁気シールド層21が残るように、適宜設定される。
【0049】
上記CMP条件の一例としては、研磨パッドに発泡ポリウレタン樹脂の単層構造のものを用い、スラリーに過酸化水素(H2 O2 )を添加したシリカ含有スラリーを用い、研磨圧力を100g/cm2 、その流量を100cm3 /min、研磨定盤の回転数を30rpm、研磨ヘッドの回転数を30rpm、研磨雰囲気の温度を25℃〜30℃に設定した。上記研磨条件は一例であって、バリア層125と磁気シールド層21との積層膜が第5絶縁膜45に対して選択的に研磨される条件であれば如何なる条件であってもよい。
【0050】
以上の工程により、ビット線12上部を磁気シールド層21でキャップすることができる。これにより、ビット線12下方にある記憶素子13方向に磁束を集中することが可能となる。またP(プラズマ)−SiN等の誘電率の高い層間膜を使うことなく、ビット線12を構成する銅の絶縁膜への拡散を防止できる。また、ビット線12の銅表面が露出していないため、次工程の層間絶縁膜を形成するときに銅が酸化されることを防ぐこともできる。
【0051】
この後、引き続き通常の配線工程を経て磁気記憶装置を完成させる。
【0052】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を、図5の製造工程図によって説明する。この第2実施の形態は、前記第1実施の形態において、リセス部を形成する方法が異なるのみで、その他の工程は第1実施の形態と同様である。したがって、以下、リセス部の形成工程のみを説明する。
【0053】
図5(1)に示すように、前記第1実施の形態と同様にして、第5絶縁膜45に形成した配線溝453内にバリア層121を介して銅からなるビット線12を形成する。
【0054】
次いで図5(2)に示すように、表面に酸素プラズマを照射し、ビット線12の銅表面を酸化させ、酸化膜31を形成する。この酸化膜31の厚さは、後にこの酸化膜31を除去したときに第5絶縁膜45表面に対して所望の深さのリセス部が形成されるように設定される。この酸化には、例えばICPプラズマ発生装置を用いた。
【0055】
上記酸素プラズマによる酸化条件の一例としては、プロセスガスに酸素(O2 )とアルゴン(Ar)とを用い、酸素の流量を5cm3 /minとし、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、プラテンパワーを300W(13.56MHz)、コイルパワーを500W(13.56MHz)、酸化雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を20℃に設定した。
【0056】
次に、図5の(3)に示すように、酸化膜31〔前記図5の(2)参照〕を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0057】
上記酸化膜31のエッチング条件の一例としては、エッチング液にシュウ酸(COOH)2 を主成分としたもの用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは2分間のエッチング時間で所望の深さ、例えば20nmの深さのリセス部18を得た。このリセス部18の深さは、後に形成されるバリア層および磁気シールド層の膜厚を考慮して適宜設定される。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行うことが好ましい。
【0058】
上記エッチング液としては、シュウ酸以外に、例えばカルボキシル基(COOH基)を含む薬液、例えば、酢酸、クエン酸等を使用しても良い。
【0059】
このようにしてビット線12上にリセス部18を形成する。その後の工程は、前記第1実施の形態で説明した工程と同様である。
【0060】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を、図6の製造工程図によって説明する。この第3実施の形態は、前記第1実施の形態において、リセス部を形成する方法が異なるのみで、その他の工程は第1実施の形態と同様である。したがって、以下、リセス部の形成工程のみを説明する。
【0061】
図6(1)に示すように、前記第1実施の形態と同様にして、第5絶縁膜45に形成した配線溝453内にバリア層121を介して銅からなるビット線12を形成する。
【0062】
次いで図6(2)に示すように、ビット線12表面を、酸化雰囲気(例えば酸素雰囲気)にさらして、ビット線12の銅表面を酸化させ、酸化膜31を形成する。この酸化膜31の厚さは、後にこの酸化膜31を除去したときに第5絶縁膜45表面に対して所望の深さのリセス部が形成されるように設定される。また、酸化には、例えば通常の減圧炉を用いた。
【0063】
上記減圧炉による酸化条件の一例としては、酸化ガスに酸素(O2 )を用い、酸素の流量を10cm3 /minとし、酸化雰囲気の圧力を0.1Pa、酸化雰囲気の温度を150℃に設定した。この第3実施の形態では、減圧炉を用いたが、その他の方式(常圧のシンター炉)のアニール装置を用いても良い。
【0064】
次に、図6の(3)に示すように、酸化膜31を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0065】
上記酸化膜31のエッチング条件の一例としては、前記第2実施の形態と同様に、エッチング液にシュウ酸(COOH)2 を主成分としたもの用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは2分間のエッチング時間で上記酸化膜31を完全に除去して所望の深さ、例えば20nmの深さのリセス部18を得た。このリセス部18の深さは、後に形成されるバリア層および磁気シールド層の膜厚を考慮して適宜設定される。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行うことが好ましい。
【0066】
上記エッチング液としては、前記第2実施の形態と同様に、シュウ酸以外に、例えばカルボキシル基(COOH基)を含む薬液、例えば、酢酸、クエン酸等を使用しても良い。
【0067】
このようにしてビット線12上にリセス部18を形成する。その後の工程は、前記第1実施の形態で説明した工程と同様である。
【0068】
上記第1、第2、第3実施の形態によれば、ビット線12上部を酸化させて酸化膜31(銅の酸化膜)を形成した後、ウエットエッチングにより酸化膜31を除去することから、ビット線12にはダメージが入りにくいという特徴を有している。
【0069】
本発明の特徴は、ビット線12上にいわゆる自己整合的に磁気シールド層21を形成することにある。したがって、ビット線12より下層の製造方法は磁気記憶装置を構成するならば如何なる製造方法であってもよい。例えば、書き込みワード線上に選択素子(例えばダイオード)を介してMTJを有する記憶素子13を形成する構成であってもよい。
【0070】
上記第1〜第3実施の形態で用いるバリア層125には、銅の拡散防止層として、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができることを記載したが、例えば、周期律表IV−A族元素、V−A族元素、VI−A族元素、遷移金属元素または、その窒化物を用いることもできる。さらに、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等を用いることもできる。
【0071】
上記第1〜第3実施の形態で用いる磁気シールド層21に用いることができる磁性体としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、もしくはこれらの材料の合金を用いることができる。すなわち、軟磁性体を構成するものであればよい。
【0072】
上記第1〜第3実施の形態で用いるビット線12の配線材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅合金、アルミニウム合金、銀合金もしくは金合金を用いることができる。
【0073】
上記第1〜第3実施の形態では、磁気シールド層21をマグネトロンスパッタ法で成膜したが、無電解めっき法にて形成することができる。またバリア層125が金属で形成されている場合には磁気シールド層21を電解めっき法にて形成することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の磁気記憶装置およびその製造方法によれば、書き込み用の磁界を発生させる配線上に磁気シールド層を形成することで、磁性体を用いた記憶素子方向に磁束を集中することができるようになる。そのため、書き込み用の磁界を発生させる配線に流す電流を低減できるので、低消費電力で書き込みを行うことができる。また、磁気シールド層を自己整合的に形成できるため、追加のリソグラフィー工程が不要となる。そのため、プロセス的負荷を少なくして、磁気シールド層の形成が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を示す図面であり、(1)は磁気記憶装置の主要部を簡略化して示した概略構成斜視図であり、(2)は(1)のA面概略構成拡大断面図であり、(3)は(1)のB面概略構成拡大断面図である。
【図2】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図3】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図4】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図5】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を示す製造工程図である。
【図6】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を示す製造工程図である。
【図7】従来技術の磁気記憶装置の問題点を説明する概略構成斜視図である。
【図8】従来技術の磁気記憶装置を説明する概略構成断面図である。
【図9】従来技術の磁気記憶装置の課題を説明する概略構成断面図である。
【符号の説明】
1…磁気記憶装置、12…ビット線、13…記憶素子、18…リセス部、21…磁気シールド層、45…第5絶縁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記憶装置およびその製造方法に関し、詳しくは記憶素子に書き込みを行う配線上部に磁気シールド層を形成した磁気記憶装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信機器、特に携帯端末などの個人用小型機器の飛躍的な普及にともない、これを構成するメモリ素子やロジック素子等の素子には、高集積化、高速化、低消費電力化など、一層の高性能化が要求されている。特に不揮発性メモリはユビキタス時代に必要不可欠の素子と考えられている。
【0003】
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合であっても、不揮発性メモリは個人の重要な情報を保護することができる。そして、不揮発性メモリの高密度化、大容量化は、可動部分の存在により本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディスクを置き換える技術としてますます重要になってきている。
【0004】
また、最近の携帯機器は不要な回路ブロックをスタンバイ状態にして、でき得る限り消費電力を抑えようと設計されているが、高速ネットワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力の無駄とメモリの無駄を無くすことができる。また、電源を入れると瞬時に起動できる、いわゆる「インスタント・オン」機能も高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば可能になってくる。
【0005】
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory)などがあげられる。しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒の桁であるため遅いという欠点がある。一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014で完全にスタティックランダムアクセスメモリやダイナミックランダムアクセスメモリに置き換えるには耐久性が低いという問題が指摘されている。また、強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという課題も指摘されている。
【0006】
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして注目されているのが、MRAM(Magnetic Random Access Memory)とよばれる磁気メモリであり(例えば、非特許文献1参照。)、近年のトンネル磁気抵抗(以下TMRという、TMRはTunnel Magnetoresistanceの略)材料の特性向上により、注目を集めるようになってきている。MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であり、また磁気モーメントの回転により記録を行うために、書き換え回数が大であると予測されている。またアクセス時間についても、非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0007】
上述の通り、高速化・高集積化が容易という長所を有するMRAMではあるが、書き込みは、TMR素子に近接させて設けられた書き込みビット線と書き込み書き込みワード線に電流を流し、その発生磁界によって行う。TMR素子の記憶層(記憶層)の反転磁界は材料にもよるが、1.58kA/m〜15.8kA/m(20Oe〜200Oe)が必要であり、このときの電流は数mAから数十mAになる。これは消費電流の増大につながり、携帯機器の低消費電力化に対して大きな課題となる。
【0008】
また、素子の微細化により隣接ビットへの漏れ磁界の影響も無視できなくなっている。すなわち、図7に示すように、例えば、複数本の書き込みワード線11(図面では代表して2本を描いた)と、これら書き込みワード線11と立体的に交差(直交)する複数本のビット線12(図面では代表して1本を描いた)とが設けられ、各書き込みワード線11と各ビット線12との交差領域のそれぞれには磁性体膜を備えた記憶素子13(TMR素子、巨大磁気抵抗(以下GMRという、GMRはGiant Magnetoresistanceの略)素子等)が設けられている。素子が微細化すると、書き込みワード線間の距離、ビット線間の距離が近接し、隣接する書き込みワード線11に発生する電流磁界Hw同士が互いに影響を及ぼすようになり、またビット線12に発生する電流磁界Hb同士が互いに影響を及ぼすようになり、書き込み不良を発生する原因となる。
【0009】
また、この消費電流が増大する問題を解決するためには、書き込みワード線およびビット線により形成される磁界を磁性層でシールドすることにより、効率的に記憶素子(例えばTMR層もしくはGMR層)側に集中させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。磁性層シールド構造を用いたMRAMの一部を簡略化した構成を、図8の断面図によって説明する。
【0010】
図8に示すように、絶縁膜47上に軟磁性体からなる磁気シールド層21を形成し、この磁気シールド層21をパターニングして、各ビット線12上面を被覆する磁気シールド層21を形成する。すなわち、各ビット線12上に形成された磁気シールド層21は互いに離間された状態に形成される。これにより、ビット線12下方に対しての磁束密度が上昇しTMR型の記憶素子13に作用する磁界が増加する。すなわち、書き込みワード線11およびビット線12に流す電流値を低く押さえることが可能となる。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−246566号公報(第3−5頁、図6,8)
【非特許文献1】
Zhi G.Wang, Desmond J.Mapps, Lian N.He, Warwick W.Clegg, David T.Wilton, P.Robinson, and Yoshihisa Nakamura「IEEE Transactions Magnetics」Vol.33, No.6, (1997) P.4498−4512
【非特許文献2】
R.Scheuerlein et al.,「ISSCC Digest of Technical Papers」(Feb. 2000),p.128−129
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記図8によって説明した構造には以下のような欠点がある。高集積化という面からみると、図9に示すように、ビット線12は、加工限界の最小スペースaで配置することが望まれている。ところが、ビット線12上に磁気シールド層21を形成する本構造では、ビット線12に対する磁気シールド層21の重ね合わせ余裕cが必要であり、この余裕分2cだけ、磁気シールド層21間の間隔bが加工限界の最小スペースaを下回ることになる。このため、加工性が著しく低下し歩留りも期待できない。
【0013】
また、ビット線幅や書き込みワード線幅はリソグラフィ技術から決まる最小線幅に近い幅が要求される。一方、書き込み電流値が高くなると、エレクトロマイグレーション等の配線の信頼性が課題になる。この課題を解決するためには、銅配線を用いることが有効であると考えられる。また、通常のプロセスに対して、リソグラフィー工程、加工工程が加わるために、素子自体のコストも高くなってしまう。
【0014】
本発明は、銅配線を用いた微細加工技術を磁気記憶装置に応用する際に、上記不具合を解決すべく考案されたもので、主にビット線上部に磁気シールド層をいわゆる自己整合的に形成する技術を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた磁気記憶装置およびその製造方法である。
【0016】
本発明の磁気記憶装置は、書き込み用の磁界を発生させる配線と、前記配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子とを備えた磁気記憶装置であって、前記配線はその上面を露出した状態で絶縁膜に埋め込まれ、前記配線上面は前記絶縁膜表面よりも低く形成され、前記配線上の前記絶縁膜よりも低く形成された部分に前記配線上面を被覆する磁気シールド層が形成されているものである。
【0017】
上記磁気記憶装置では、記憶素子に情報を書き込むための電流を配線に流した場合、この配線に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子に情報が書き込まれる。その際、絶縁膜表面よりも低く形成された配線上面を被覆する磁気シールド層が形成されていることから、記憶素子方向に磁束を向かわせることができるので、書き込み効率が高められる。そのため、配線の消費電流が低減される。
【0018】
本発明の磁気記憶装置の製造方法は、書き込み磁界を発生させる配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子を備えた磁気記憶装置の製造方法であって、前記配線を形成する工程は、前記記憶素子を覆う絶縁膜に前記記憶素子の配線接続部分を底部に露出させるように配線溝を形成する工程と、前記配線溝内に前記配線を形成する工程と、前記配線の上部を除去する工程と、前記配線上部を除去した領域に前記配線を被覆する磁気シールド層を形成する工程とを備えている。
【0019】
上記磁気記憶装置の製造方法では、配線溝内に配線を形成した後に配線の上部を除去し、その後配線上部を除去した領域に配線を被覆する磁気シールド層を形成することから、記憶素子に情報を書き込むための電流を配線に流した場合、この配線に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子に情報が書き込まれる。その際、配線の上面に磁気シールド層を形成したことから、記憶素子方向に磁束を向かわせることができるようになり、書き込み効率が高められる磁気記憶装置が製造される。そのため、配線の消費電流が低減される。また磁気シールド層を自己整合的に形成できるため、磁気シールド層を形成するためのリソグラフィー工程が不要となるので、工程数の削減が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を、図1によって説明する。
【0021】
本発明の磁気記憶装置は、記憶素子上に接続する書き込み用の配線を有する磁気記憶装置の全てに適用できるものである。ここでは一例として、書き込みワード線と、この書き込みワード線に立体的に交差(例えば直交)するビット線と、書き込みワード線とビット線との交差領域に、書き込みワード線とは絶縁膜を介し、ビット線とは導電層を介して接続されている磁気記憶装置について、図1により説明する。図1では、(1)は磁気記憶装置の主要部(書き込みワード線、ビット線および記憶素子)を簡略化して示した概略構成斜視図であり、(2)は(1)のA面(ビット線の幅方向断面)概略構成拡大断面図であり、(3)は(1)のB面(書き込みワード線の幅方向断面)概略構成拡大断面図である。
【0022】
図1(1)に示すように、磁気記憶装置1は、以下に説明するような構成をなしている。複数個(図面では一例として9個)のメモリセルを含み、相互に交差する複数本(図面では一例として3本)の書き込みワード線11(11a、11b、11c)および複数本(図面では一例として3本)のビット線12(12a、12b、12c)を有する。それらの書き込みワード線11とビット線12の各交差領域には、書き込みワード線11上に絶縁膜(図示せず)を介して形成されているとともにビット線12に接続されている磁気トンネル接合(以下、MTJという、MTJはMagnetic Tunnel Junctionの略)を有する記憶素子13(13a〜13i)が配置されている。記憶素子13への書き込みは、ビット線12および書き込みワード線11に電流を流し、それから発生する合成磁界によってビット線12と書き込みワード線11との交差領域に形成された記憶素子13の記憶層304の磁化方向を磁化固定層302に対して平行または反平行にして行う。なお、記憶素子13の上部には導電層((1)図では図示せず)を設け、記憶素子13の下部には反強磁性層301を設けている。
【0023】
図1(2)、(3)に示すように、図示はしない半導体基板上に選択用のトランジスタ等の素子が形成され、その選択用の素子に接続するセンス線が形成され、それらを覆う状態に第1絶縁膜41が形成されている。さらに第1絶縁膜41上に第2絶縁膜42が形成され、第2絶縁膜42に配線溝421が形成され、その配線溝421に拡散を防止するバリア層111を介して書き込みワード線11が形成されている。その書き込みワード線11上を被覆するように、金属の拡散を防止するためのバリア層を含むもしくは金属の拡散を防止するためのバリア層からなる第3絶縁膜43が形成されている。さらに書き込みワード線11上には第3絶縁膜43を介して、MTJを有する記憶素子13が形成されている。この記憶素子13としては、例えば、TMR型の記憶素子であってもよく、GMR型の記憶素子であってもよい。この記憶素子13上には、例えばビット線との接続のための導電層309が形成されている。
【0024】
上記第3絶縁膜43上に、記憶素子13を覆う状態に第4絶縁膜44が形成され、この第4絶縁膜44表面と記憶素子13の上面とは、例えば平坦に形成されていてもよい。この第4絶縁膜44上には第5絶縁膜45が形成されている。この第5絶縁膜45に記憶素子13に達する配線溝451が形成されている。この配線溝451内にバリア層121を介して書き込み用の配線となるビット線12が形成されている。このビット線12の上面は上記第5絶縁膜45表面より低く形成されている。すなわち、ビット線12上にリセス部18が形成されている。このリセス部18には、上記ビット線12上面を被覆するバリア層125を介して磁気シールド層21が形成されている。ここでは、ビット線12上に形成される磁気シールド層21は第5絶縁膜45表面とほぼ同等の高さに形成され、第5絶縁膜45表面は平坦化されている。
【0025】
上記バリア層125には、銅の拡散防止層として、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができることを記載したが、例えば、周期律表IV−A族元素、V−A族元素、VI−A族元素、遷移金属元素または、その窒化物を用いることもできる。もしくは、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等を用いることもできる。
【0026】
上記磁気シールド層21に用いることができる磁性体としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、もしくはこれらの材料の合金を用いることができる。すなわち、軟磁性体を構成するものであればよい。
【0027】
上記ビット線12の配線材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅合金、アルミニウム合金、銀合金もしくは金合金を用いることができる。
【0028】
さらに図示はしないが、磁気シールド129を被覆するように第6絶縁膜が形成されている。
【0029】
本発明の特徴は、ビット線12上にリセス部18を設け、このリセス部18内にビット線12上面を覆う磁気シールド層21が形成されていることにある。したがって、ビット線12より下層の構成は磁気記憶装置を構成するものであれば如何なる構成であってもよい。例えば、書き込みワード線上に選択素子(例えばダイオード)を介してMTJを有する記憶素子13が形成されている構成であってもよい。すなわち、本願発明は、記憶素子上に接続する書き込み用の配線(例えばビット線)を有する磁気記憶装置の全てに適用できる。
【0030】
上記磁気記憶装置では、記憶素子13に情報を書き込むための電流をビット線12に流した場合、このビット線12に電流磁界が発生し、その電流磁界によって、例えば磁性体のスピン方向が平行もしくは反平行によって抵抗値が変化することを利用して記憶素子13に情報が書き込まれる。その際、第5絶縁膜45表面よりも低く形成されたビット線12上面を被覆する磁気シールド層21が形成されていることから、ビット線12で発生した磁束は、磁気シールド層21によって記憶素子13方向に向かわせることができるので、隣接するビット線への漏れが低減され、書き込み効率が高められる。そのため、ビット線12の消費電流が低減されるので、低消費電力で記憶素子13に情報の書き込みを行うことが可能になる。
【0031】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を、図2〜図4の製造工程図によって説明する。なお図2(1)〜(2)は書き込みワード線を配線幅方向に切った断面図であり、図2(3)、図3(4)〜(5)および図4(6)〜(8)はビット線を配線幅方向に切った断面図である。したがって図2(3)、図3(4)〜(5)および図4(6)〜(8)では、書き込みワード線は配設方向の断面で示される。
【0032】
図示はしないが、通常のLSIプロセスにより、半導体基板(例えばシリコン基板)上にトランジスタ素子、センス線等を形成した後、層間絶縁膜として第1絶縁膜を成膜する。次いで、図2(1)に示すように、第1絶縁膜41上に書き込みワード線を溝配線構造に形成するための第2絶縁膜42を形成する。次いで、通常のリソグラフィー、RIE法により、第2絶縁膜42に書き込みワード線用の配線溝421を形成する。
【0033】
次いで、通常のマグネトロンスパッタ法等により、上記配線溝421の内面に、バリア層112を例えば窒化タンタル(TaN)で成膜した後、続いてシード層(図示せず)を銅により成膜する。さらに、電解メッキ法により上記配線溝421を銅により埋め込む。このとき、第2絶縁膜42上にもバリア層112を介して電解めっきにより堆積された銅からなる銅(図示せず)が形成される。その後、通常の化学的機械研磨(以下、CMPという)にて配線溝421内部以外の銅を除去し、配線溝421内にバリア層112を介して銅からなる書き込みワード線11を形成する。ここでは、配線溝421の幅を0.2μm、深さを0.3μmとした。
【0034】
次いで、図2(2)に示すように、上記第2絶縁膜42上に書き込みワード線11を覆う第3絶縁膜43を形成する。ここでは、第3絶縁膜43に、通常の銅を配線材料に用いた多層配線で用いられる窒化シリコン(SiN)等の銅の拡散を防止する膜により形成する。その後、第3絶縁膜43上に磁気トンネル接合(以下MTJという、MTJはMagnetic Tunnel Junctionの略)を有する多層膜を形成する。次いで、レジスト塗布、リソグラフィー技術により、マスクを形成した後、そのマスクを用いて上記多層膜を加工(例えば、イオンミリング、ドライエッチング等)して、上記書き込みワード線11上方の第3絶縁膜43上にMTJを有する記憶素子13を形成する。この記憶素子13上には、上記多層膜上に予め形成しておいた電極接続用の導電膜309が形成されている。上記多層膜は、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有する多層膜を用いることができる。例えば、トンネル磁気抵抗(以下、TMRという、TMRはTunnel Magnetic Resistanceの略)効果を発現するTMR膜としては、一例として、下層より、反強磁性膜、磁化固定層となる強磁性体膜、トンネル絶縁膜(例えば、酸化アルミニウム(Al2 O3 )膜)、記憶層となる強磁性体膜、導電膜を順に積層した構成となっている。また、強磁性体膜間に非磁性導電膜を挟んだ構成のGMR膜を用いることもできる。
【0035】
次いで図2(3)に示すように、上記記憶素子13を覆う状態に第4絶縁膜44を形成する。その後、例えば化学的機械研磨(以下CMPという、CMPはChemical Mechanical Polishingの略)により上記導電層309を露出させるとともに、第4絶縁膜44表面を平坦化する。その後、第4絶縁膜44上に第5絶縁膜45を形成する。この第5絶縁膜45は、例えば下層にエッチングストッパ層451を設けた2層構造とする。次いで、通常のリソグラフィー技術およびエッチング技術(例えば反応性イオンエッチング)を用いて、上記第5絶縁膜45にビット線を形成するための配線溝453を形成する。このエッチングでは、一旦エッチングストッパ層451上でエッチングを停止した後、さらにエッチングストッパ層451をエッチングして配線溝453を形成した。ここでは、ビット線用の配線溝453の幅を0.2μm、深さを0.3μmとした。
【0036】
次に図3(4)に示すように、上記配線溝453の内面および上記第5絶縁膜45表面にバリア層121を形成する。この成膜は、例えばスパッタリング(例えば、高真空中におけるマグネトロンスパッタ法)により行う。上記バリア層121には、例えば窒化タンタル(TaN)を用いたが、銅の拡散を防止する材料であれば、他の材料を用いることができる。引き続いて、スパッタリングにより銅シード層(図示せず)を上記バリア層121表面に形成する。この銅シード層は、次工程の電解銅めっきの下地層となる。その後、電解銅めっきにより、配線溝453を埋め込むように、銅膜123を形成する。
【0037】
上記マグネトロンスパッタ法による窒化タンタル膜の成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)と窒素(N2 )とを用い、アルゴンの流量を30cm3 /min、窒素の流量を80cm3 /minとし、DCパワーを5kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、30nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、窒化タンタル膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0038】
上記銅シード層の上記マグネトロンスパッタ法による成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)を用い、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、DCパワーを3kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、150nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、銅膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0039】
ここでは通常のマグネトロンスパッタ法でバリア層121および銅シード層を成膜しているが、よりアスペクトの高い配線溝、接続孔、または配線溝およびその底部に接続孔が形成されたディユアルダマシン形状へ適用する場合は、カバレッジの良い遠距離スパッタ法、イオン化スパッタ法等を利用するほうが好ましい。
【0040】
次に、上記電解銅めっきの条件の一例を以下に説明する。電解めっき液には、硫酸銅(CuSO4 )と硫酸(H2 SO4 )と塩酸(HCl)との混合液に添加剤として界面活性剤を添加したものを用いた。硫酸銅の濃度を67g/L、硫酸の濃度を170g/L、塩酸の濃度を70ppmとした。めっき液温度は20℃、電流は9A(20cm(8インチ)ウェハーに対して)に設定した。
【0041】
その後、例えばCMPによって、上記配線溝453内に上記銅膜123を残すように上記第5絶縁膜45上の銅膜123およびバリア層121を除去して、図3(5)に示すように、配線溝453内にバリア層121を介して銅膜123からなるビット線12を形成する。
【0042】
上記CMP条件の一例としては、研磨パッドに発泡ポリウレタン樹脂と不織布との積層構造のものを用い、スラリーに過酸化水素(H2 O2 )を添加したシリカ含有スラリーを用い、研磨圧力を100g/cm2 、その流量を100cm3 /min、研磨定盤の回転数を30rpm、研磨ヘッドの回転数を30rpm、研磨雰囲気の温度を25℃〜30℃に設定した。上記研磨条件は一例であって、銅膜を腐食することなく、銅膜123およびバリア層121が第5絶縁膜45に対して選択的に研磨される条件であれば如何なる条件であってもよい。
【0043】
次に、図4の(6)に示すように、ビット線12の表面を第5絶縁膜45表面よりも後退(リセス)させる。例えば銅を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0044】
上記銅のエッチング条件の一例としては、エッチング液にアンモニア水溶液(0.1wt%)を用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは20nmの深さとした。また、CMP法では機械的要因により、パターン依存(線幅、密度等)が発生するが、本方法では、機械的要因が無いために、パターン依存は発生しない。したがって、ウエハ面内均一にリセス部18を形成することができる。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行う。
【0045】
次に、図4(7)に示すように、上記リセス部18の内面および上記第5絶縁膜45表面にバリア層125を形成する。この成膜は、例えばスパッタリング(例えば、高真空中におけるマグネトロンスパッタ法)により行う。上記バリア層125には、例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができるが、銅の拡散を防止する材料であれば、他の材料を用いることもできる。引き続いて、スパッタリングにより軟磁性体からなる磁気シールド層21を上記バリア層125表面に形成する。この軟磁性体には、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)もしくはこれらのうちの少なくとも2種を含む合金を用いることができる。ここでは、バリア層125として下地のバリア層121と同じ窒化タンタルを用い、磁気シールド層21としてニッケルを用いた。
【0046】
上記バリア層125の成膜条件は上記バリア層121と同様であり、ここでは、一例として10nmの厚さに成膜した。また、磁気シールド層21のニッケル膜の成膜条件の一例としては、プロセスガスにアルゴン(Ar)を用い、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、DCパワーを5kW、成膜雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を100℃として、例えば10nmの厚さに成膜した。ここでの成膜条件は一例であって、ニッケル膜が成膜される条件であれば、如何なる条件であってもよい。
【0047】
次いで、通常のCMP法により、リセス部18以外のバリア層125と磁気シールド層21との積層膜を除去する。その結果、図4(8)に示すように、リセス部18内にバリア層125を介して磁気シールド層21が形成される。
【0048】
上記リセス部18の深さ、バリア層125の膜厚および磁気シールド層21の膜厚は、第5絶縁膜45上の磁気シールド層21およびバリア層125を除去したとき、リセス部18に必要な厚さのバリア層125および必要な厚さの磁気シールド層21が残るように、適宜設定される。
【0049】
上記CMP条件の一例としては、研磨パッドに発泡ポリウレタン樹脂の単層構造のものを用い、スラリーに過酸化水素(H2 O2 )を添加したシリカ含有スラリーを用い、研磨圧力を100g/cm2 、その流量を100cm3 /min、研磨定盤の回転数を30rpm、研磨ヘッドの回転数を30rpm、研磨雰囲気の温度を25℃〜30℃に設定した。上記研磨条件は一例であって、バリア層125と磁気シールド層21との積層膜が第5絶縁膜45に対して選択的に研磨される条件であれば如何なる条件であってもよい。
【0050】
以上の工程により、ビット線12上部を磁気シールド層21でキャップすることができる。これにより、ビット線12下方にある記憶素子13方向に磁束を集中することが可能となる。またP(プラズマ)−SiN等の誘電率の高い層間膜を使うことなく、ビット線12を構成する銅の絶縁膜への拡散を防止できる。また、ビット線12の銅表面が露出していないため、次工程の層間絶縁膜を形成するときに銅が酸化されることを防ぐこともできる。
【0051】
この後、引き続き通常の配線工程を経て磁気記憶装置を完成させる。
【0052】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を、図5の製造工程図によって説明する。この第2実施の形態は、前記第1実施の形態において、リセス部を形成する方法が異なるのみで、その他の工程は第1実施の形態と同様である。したがって、以下、リセス部の形成工程のみを説明する。
【0053】
図5(1)に示すように、前記第1実施の形態と同様にして、第5絶縁膜45に形成した配線溝453内にバリア層121を介して銅からなるビット線12を形成する。
【0054】
次いで図5(2)に示すように、表面に酸素プラズマを照射し、ビット線12の銅表面を酸化させ、酸化膜31を形成する。この酸化膜31の厚さは、後にこの酸化膜31を除去したときに第5絶縁膜45表面に対して所望の深さのリセス部が形成されるように設定される。この酸化には、例えばICPプラズマ発生装置を用いた。
【0055】
上記酸素プラズマによる酸化条件の一例としては、プロセスガスに酸素(O2 )とアルゴン(Ar)とを用い、酸素の流量を5cm3 /minとし、アルゴンの流量を100cm3 /minとし、プラテンパワーを300W(13.56MHz)、コイルパワーを500W(13.56MHz)、酸化雰囲気の圧力を0.4Pa、基板温度を20℃に設定した。
【0056】
次に、図5の(3)に示すように、酸化膜31〔前記図5の(2)参照〕を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0057】
上記酸化膜31のエッチング条件の一例としては、エッチング液にシュウ酸(COOH)2 を主成分としたもの用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは2分間のエッチング時間で所望の深さ、例えば20nmの深さのリセス部18を得た。このリセス部18の深さは、後に形成されるバリア層および磁気シールド層の膜厚を考慮して適宜設定される。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行うことが好ましい。
【0058】
上記エッチング液としては、シュウ酸以外に、例えばカルボキシル基(COOH基)を含む薬液、例えば、酢酸、クエン酸等を使用しても良い。
【0059】
このようにしてビット線12上にリセス部18を形成する。その後の工程は、前記第1実施の形態で説明した工程と同様である。
【0060】
次に、本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を、図6の製造工程図によって説明する。この第3実施の形態は、前記第1実施の形態において、リセス部を形成する方法が異なるのみで、その他の工程は第1実施の形態と同様である。したがって、以下、リセス部の形成工程のみを説明する。
【0061】
図6(1)に示すように、前記第1実施の形態と同様にして、第5絶縁膜45に形成した配線溝453内にバリア層121を介して銅からなるビット線12を形成する。
【0062】
次いで図6(2)に示すように、ビット線12表面を、酸化雰囲気(例えば酸素雰囲気)にさらして、ビット線12の銅表面を酸化させ、酸化膜31を形成する。この酸化膜31の厚さは、後にこの酸化膜31を除去したときに第5絶縁膜45表面に対して所望の深さのリセス部が形成されるように設定される。また、酸化には、例えば通常の減圧炉を用いた。
【0063】
上記減圧炉による酸化条件の一例としては、酸化ガスに酸素(O2 )を用い、酸素の流量を10cm3 /minとし、酸化雰囲気の圧力を0.1Pa、酸化雰囲気の温度を150℃に設定した。この第3実施の形態では、減圧炉を用いたが、その他の方式(常圧のシンター炉)のアニール装置を用いても良い。
【0064】
次に、図6の(3)に示すように、酸化膜31を第5絶縁膜45に対して選択的にエッチングすることによりビット線12上にリセス部18を形成する。
【0065】
上記酸化膜31のエッチング条件の一例としては、前記第2実施の形態と同様に、エッチング液にシュウ酸(COOH)2 を主成分としたもの用い、エッチング液温度を20℃としたウエットエッチングとした。このエッチングでは、リセス部18の深さは、エッチング条件(濃度、液温、エッチング時間)で制御することが可能である。ここでは2分間のエッチング時間で上記酸化膜31を完全に除去して所望の深さ、例えば20nmの深さのリセス部18を得た。このリセス部18の深さは、後に形成されるバリア層および磁気シールド層の膜厚を考慮して適宜設定される。なお、上記ウエットエッチング後、洗浄を行うことが好ましい。
【0066】
上記エッチング液としては、前記第2実施の形態と同様に、シュウ酸以外に、例えばカルボキシル基(COOH基)を含む薬液、例えば、酢酸、クエン酸等を使用しても良い。
【0067】
このようにしてビット線12上にリセス部18を形成する。その後の工程は、前記第1実施の形態で説明した工程と同様である。
【0068】
上記第1、第2、第3実施の形態によれば、ビット線12上部を酸化させて酸化膜31(銅の酸化膜)を形成した後、ウエットエッチングにより酸化膜31を除去することから、ビット線12にはダメージが入りにくいという特徴を有している。
【0069】
本発明の特徴は、ビット線12上にいわゆる自己整合的に磁気シールド層21を形成することにある。したがって、ビット線12より下層の製造方法は磁気記憶装置を構成するならば如何なる製造方法であってもよい。例えば、書き込みワード線上に選択素子(例えばダイオード)を介してMTJを有する記憶素子13を形成する構成であってもよい。
【0070】
上記第1〜第3実施の形態で用いるバリア層125には、銅の拡散防止層として、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)等を用いることができることを記載したが、例えば、周期律表IV−A族元素、V−A族元素、VI−A族元素、遷移金属元素または、その窒化物を用いることもできる。さらに、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)等を用いることもできる。
【0071】
上記第1〜第3実施の形態で用いる磁気シールド層21に用いることができる磁性体としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、もしくはこれらの材料の合金を用いることができる。すなわち、軟磁性体を構成するものであればよい。
【0072】
上記第1〜第3実施の形態で用いるビット線12の配線材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅合金、アルミニウム合金、銀合金もしくは金合金を用いることができる。
【0073】
上記第1〜第3実施の形態では、磁気シールド層21をマグネトロンスパッタ法で成膜したが、無電解めっき法にて形成することができる。またバリア層125が金属で形成されている場合には磁気シールド層21を電解めっき法にて形成することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の磁気記憶装置およびその製造方法によれば、書き込み用の磁界を発生させる配線上に磁気シールド層を形成することで、磁性体を用いた記憶素子方向に磁束を集中することができるようになる。そのため、書き込み用の磁界を発生させる配線に流す電流を低減できるので、低消費電力で書き込みを行うことができる。また、磁気シールド層を自己整合的に形成できるため、追加のリソグラフィー工程が不要となる。そのため、プロセス的負荷を少なくして、磁気シールド層の形成が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記憶装置に係る第1実施の形態を示す図面であり、(1)は磁気記憶装置の主要部を簡略化して示した概略構成斜視図であり、(2)は(1)のA面概略構成拡大断面図であり、(3)は(1)のB面概略構成拡大断面図である。
【図2】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図3】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図4】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第1実施の形態を示す製造工程図である。
【図5】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第2実施の形態を示す製造工程図である。
【図6】本発明の磁気記憶装置の製造方法に係る第3実施の形態を示す製造工程図である。
【図7】従来技術の磁気記憶装置の問題点を説明する概略構成斜視図である。
【図8】従来技術の磁気記憶装置を説明する概略構成断面図である。
【図9】従来技術の磁気記憶装置の課題を説明する概略構成断面図である。
【符号の説明】
1…磁気記憶装置、12…ビット線、13…記憶素子、18…リセス部、21…磁気シールド層、45…第5絶縁膜
Claims (4)
- 書き込み用の磁界を発生させる配線と、
前記配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子とを備えた磁気記憶装置であって、
前記配線はその上面を露出した状態で絶縁膜に埋め込まれ、
前記配線上面は前記絶縁膜表面よりも低く形成され、
前記配線上の前記絶縁膜よりも低く形成された部分に前記配線上面を被覆する磁気シールド層が形成されている
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 前記磁気シールド層は、バリア層と磁性体層との積層膜からなる
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記憶装置。 - 書き込み磁界を発生させる配線で発生させた磁界により情報が書き込まれる磁性体を用いた記憶素子を備えた磁気記憶装置の製造方法であって、
前記配線を形成する工程は、
前記記憶素子を覆う絶縁膜に前記記憶素子の配線接続部分を底部に露出させるように配線溝を形成する工程と、
前記配線溝内に前記配線を形成する工程と、
前記配線の上部を除去する工程と、
前記配線上部を除去した領域に前記配線を被覆する磁気シールド層を形成する工程と
を備えたことを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。 - 前記磁気シールド層は、バリア層と磁性体層との積層膜で形成する
ことを特徴とする請求項3記載の磁気記憶装置の製造方法。
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