JP2004258383A - 電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】演奏者の習熟度に応じた演奏練習のサポートが可能な電子楽器を提供する。
【解決手段】演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が所定の楽曲のリズムに合わせて操作することで該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を有する演奏練習サポート機能を持つ電子楽器において、演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については第2の演奏操作子を操作しても該音高の音を発音しないものとする。また、この電子楽器において、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数は、演奏者の習熟度に応じて変更される。
【選択図】 図2
【解決手段】演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が所定の楽曲のリズムに合わせて操作することで該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を有する演奏練習サポート機能を持つ電子楽器において、演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については第2の演奏操作子を操作しても該音高の音を発音しないものとする。また、この電子楽器において、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数は、演奏者の習熟度に応じて変更される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏練習サポート機能を持つ電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子鍵盤楽器などの電子楽器では、その練習用の機能として、押鍵すべき鍵盤のキーを指示するガイド機能を持つものがある。このガイド機能は、課題曲の譜面に合わせて、押すべきキーやその近辺に設けられた発光素子が光って、演奏者にこの光が点灯したキーを押下させることで、練習をサポートするといったものである。この場合のガイド機能は、譜面通りの指示がなされるものであるが、これを改善できるものとして、例えば、特許文献1に開示された演奏指示装置がある。この演奏指示装置では、ある楽曲を構成する演奏情報とこの楽曲に対応したガイド方式情報を対で供給し、供給されるガイド方式情報に基づくガイド方式で、供給される演奏情報に応じて押鍵すべき鍵盤の鍵を指示するようにして、楽曲に応じた適切なガイド方式が自動的に選択されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−297487号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子鍵盤楽器ように、課題曲の譜面に合わせて、押すべきキーやその近辺に設けられた発光素子が光って、この光が点灯したキーを押下させることで、練習をサポートするものでは、演奏者が、演奏と同時に楽譜を見ると、せっかくのガイド機能が役に立たない。また、光ったキーをタイミング良く押すのは実際にはむずかしい。
また、演奏者が、ある楽曲の演奏の練習を重ねると、この楽曲の演奏についての習熟度が上がるが、上記ガイド機能や特許文献1に開示された発明では、こうした演奏者の習熟度に応じた演奏練習のサポートがなされるものではない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、演奏者の習熟度に応じた演奏練習のサポートが可能な電子楽器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が前記楽曲のリズムに合わせて操作することで該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を有する演奏練習サポート機能を持つ電子楽器において、前記演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については前記第2の演奏操作子を操作しても該音高の音を発音しないことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子楽器において、前記第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数が演奏者の習熟度に応じて変更されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子楽器において、前記第1の演奏操作子の内の一つを、前記第2の演奏操作子として設定することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子楽器において、前記楽曲に含まれる音高に対応する前記第1の演奏操作子の内の少なくとも一つ以外を、前記第2の演奏操作子として設定することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子鍵盤楽器であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子打楽器であることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子弦楽器であることを特徴としている。
【0008】
上記各発明による演奏練習サポート機能を持つ電子楽器は、演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が前記楽曲のリズムに合わせて操作することで少なくとも1つの音高を除いて該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を備えている。複数ある第1の演奏操作子は、通常の演奏のため操作するものであり、例えば、鍵盤楽器の場合は、鍵盤の各キーが相当する。演奏者は、この第1の演奏操作子を操作することにより、通常の楽曲の演奏を行う。一方、第2の演奏操作子は、楽曲のリズムに合わせて操作されると、本電子楽器が少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲を奏でる。すなわち、演奏者は、第2の演奏操作子を楽曲のリズムで操作するだけで、少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲の演奏を実現することができる。したがって、演奏者は、この第2の演奏操作子を主として用いることで、この楽曲のリズムをマスターすることができる。
【0009】
本発明による電子楽器は、その特徴として演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については第2の演奏操作子を操作してもこの音高の音を発音しないので、特定の音高については、この第2の演奏操作子を操作しても発音されない。したがって、楽曲の演奏を完全なものとするには、第2の演奏操作子を操作しても発音されない音高の音を発音させる第1の演奏操作子を操作する必要がある。すなわち、演奏者は、特定の音高については、通常の演奏で操作する第1の演奏操作子を操作することが求められる。
このような状況で、演奏者が演奏の練習を行うと、この特定の音高とこの音高に対応する第1の演奏操作子との関係およびその操作のタイミングもマスターすることができる。
なお、上記において第2の演奏操作子によって発音されない音高に対応する第1の演奏操作子は、当該楽曲の演奏でより多く操作されることになるものから順に割り当てられることが好ましい。
【0010】
また、請求項2に記載の発明では、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数が演奏者の習熟度に応じて変更されるので、例えば、演奏者の習熟度が上がるにつれて、上記発音しない音高または音高の数を増やすように変更することで、演奏者は、通常の演奏で操作する、より多くの種類の第1の演奏操作子の操作方法を、マスターすることができるようになる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、第1の演奏操作子の内の一つが、第2の演奏操作子として設定され、請求項4に記載の発明では、前記楽曲に含まれる音高に対応する第1の演奏操作子の内の少なくとも一つ以外が、第2の演奏操作子として設定されるので、この第2の演奏操作子を別途特別に設ける必要がない。また、前述のように演奏者の習熟度が上がり、この第2の演奏操作子で発音される音高が、本来第1の演奏操作子として発音する標準の1つの音高に設定された場合、この第2の演奏操作子は、第1の演奏操作子として標準的な通常の演奏をするための演奏操作子となるので、演奏者は、本電子楽器を用いて標準の(第1の演奏操作子を用いた通常の)演奏を行うこともできる。
なお、本明細書で言う音高とは、音の高さの違いのみを表すのではなく、一つの楽器の中の異なる演奏操作子を操作することで発せられる音の違いを表すものとする。例えば、請求項6に記載の電子打楽器が電子ドラムセットである場合は、音高とは、その電子ドラムの各パッドを叩いた時に発せられるそれぞれの音を表す。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施の形態である電子鍵盤楽器の外観を示し、図2にその概略構成を示している。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の電子鍵盤楽器1は、従来の電子鍵盤楽器と同様の外観をもつ。同図に示す符号2は、各種設定をするための設定スイッチからなる設定スイッチ群を示している。この設定スイッチ群2には、通常の演奏を行うための標準モードや、後述する練習モード等を切り替えるモード切替スイッチや、練習モードにおける難易度のレベル(例えば、低いものから順に1,2,3…)を切り替えるレベル切替スイッチや、練習する楽曲を選択する楽曲選択スイッチおよびその他の設定スイッチが設けられている。
【0014】
符号3は、いわゆる鍵盤である。以下では、練習モードにおいて一つの楽曲を選択した場合に、この鍵盤3を構成するすべてのキー(第1の演奏操作子)15の内、本来そのキー15に割り当てられる音高のみを発音させるキー15(あるいは、下記の多機能キーではないキー15)を標準キーと称し、選択した楽曲に含まれる少なくとも1つの音高を除いて、押下された時点に発音すべき楽曲の音高を発音させるキー15を多機能キー(第2の演奏操作子)と称す。通常(標準モード等では)、この鍵盤3は、標準の鍵盤として機能するが、上記モード切替スイッチにより練習モードが選択されると、選択した楽曲に含まれない音高に対応するキー15の一つを多機能キーとして設定する。この場合、残りのキー15が標準キーとなる。例えば、鍵盤3の最も右側のキー15が、選択した楽曲の中で使われないとすれば、それを多機能キーとして設定できる。なお、楽曲中に和音その他複数の音高を含む音が使われている場合、この和音等を構成するすべての音高を多機能キーは発音するとしてもよい。
【0015】
なお、指定された楽曲に含まれる音高で多機能キーに割り当てられない音高に対応するものを除いた鍵盤3上のすべてのキー15を多機能キーとしてもよいし(この場合、楽曲に含まれる音高に対応するキー15の内の少なくとも一つ以外が、多機能キーとして設定される)、あるいは、鍵盤3上のキー15以外に多機能キーとして別途専用のキーを設けてもよい。こうした多機能キーとして用いるキーの選択など、その設定方法は特に限定するものではなく、マニュアルでも設定可能とする。
【0016】
符号11は、バス30を介して各部を制御するCPU(中央処理装置)である。このCPU11は、タイマを内蔵しており、このタイマにより所定時間が経過する毎に、供給される割り込み信号を受け、時間の経過に応じた所定の処理を実行する。
符号12は、RAM(Random−Access Memory)であり、CPU11が各種処理を行う際に用いる各種レジスタ、フラグ、キーイベントバッファおよびスイッチイベントバッファ等のために用いるワークエリアをもつ。さらに、下記の外部I/F14を介してメモリカード等の記憶媒体から読み込まれる新しい楽曲データを保存するための領域も持つ。
【0017】
符号13は、ROM(Read−Only Memory)であり、CPU11が実行する制御プログラムや予めプリセットされる楽曲データを記憶する。この楽曲データはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に基づくものであり、デュレーション(時間情報)とイベントの組からなるデータである。ここでイベントは音高の情報と発音を指示する情報を含んでいる。この楽曲データをもとに自動演奏される場合や練習モードでは、CPU11がこの楽曲データをMIDI規格に基づき解釈し、デュレーションに従って下記の音源部19へ音高情報と発音指示からなる演奏情報を供給する。
【0018】
符号14の外部I/F(インターフェース)は、外部機器と接続するためのインターフェースであり、上記のようにメモリカード等の記憶媒体が着脱可能に接続される。
鍵盤3は、上記のように複数のキー(鍵)15からなり、演奏者がこれらのキー15を押鍵または離鍵すると、CPU11がこれらの操作に応じたキーオン・キーオフを検出する。
【0019】
符号16は、LED(Light−Emitting Diode)であり複数設けられている。各LED16は、鍵盤3上の各キー15に内蔵されており、楽曲データに従い発光することで押鍵すべきキー15と押鍵すべきタイミングを演奏者に知らせる。あるいは、多機能キーとして設定されたキー15や練習モードで使用する(実際に押鍵する)標準キーを演奏者に知らせる。
符号17は、表示部であり、液晶ディスプレイ等からなり、設定されたモードの種別や選択/再生される楽曲に関する情報等の表示をする。符号18に示すSW群は、前述の設定スイッチ群2である。
【0020】
符号19は、音源部である。演奏者の鍵盤操作により、CPU11がキーオンを検出すると、発音指示および音高情報等からなる演奏情報がこの音源19に供給される。この音源部19は、供給される演奏情報に応じて、楽音信号を生成する。一方、CPU11がキーオフを検出すると、音源部19に消音指示を与え、発音している音を消音させる。
符号20は、スピーカであり、音源部19にて生成された楽音信号を受け、楽音を発音する。
【0021】
次に、このように構成された本実施の形態の電子鍵盤楽器1の特徴部分である練習モード時の動作について図3を参照し説明する。
なお、下記で説明する動作フローは一例であり、その処理の流れに限定されるものではない。また、本フローでは、和音の様な複数の音高を同時に発音することは考慮しておらず、単音の演奏を条件とした処理である。
【0022】
演奏者が、設定スイッチ群2(SW群18)を用いて楽曲の指定と練習モードの設定を完了すると(練習のレベルは最も低い1とする)、鍵盤3上の何れかのキー15(ここでは当該楽曲で発音しない音高のキーとする)が、楽曲中の1つの音高を除くその他の音高を発音するための多機能キーとして設定され、そのキー15をLED16の発光により演奏者に知らせる。このときその他のキー15が標準キーとなる。また、多機能キーに割り当てられない楽曲中の音高に対応する標準キーもLED16の発光により演奏者に知らせる。以下では、この発光は、実際に押鍵するタイミングで発光させるものとする。
本実施の形態では、多機能キーを1回押すことで楽曲がスタートするものとする。なお、どのようにして練習モードでの楽曲を開始するかは、各種方法が適用できる。
【0023】
ここで演奏者が演奏をスタートするために、多機能キーを示すために発光しているLED16を内蔵したキー15(多機能キー)を押鍵すると、このキーオンイベントに応じて、CPU11が演奏者により指定された楽曲データをROM・13からRAM・12のワークエリアに読み込む。
ステップS11では、この楽曲データからデュレーションとイベントをMIDI規格に基づき解釈し、最初の音のキーオンの期間と発音する音高を認識する。
続いて、認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されているか否か判断する(ステップS12)。
【0024】
この判断で、ステップS11にて認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されていると判定された場合(Yesの判定)、さらにステップS13の判断で、この多機能キーが押鍵されているか判断する。
この判断で、多機能キーが押鍵されていると判定されると(Yesの判定)、ステップS14に移行し、ステップS11で認識されたキーオン期間内で、多機能キーが押鍵されている時に、ステップS11にて楽曲データから得た音高情報と発音の指示からなる演奏情報を音源部19に供給する。音源部19は、この演奏情報を受け、対応する楽音信号を発生しスピーカ20から発音する。
一方、ステップS13の判断で、Noと判定されると、ステップS15に移行する。
【0025】
先のステップS12の判断で、ステップS11にて認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されていないと判定された場合(Noの判定)、さらにステップS16の判断で、対応する標準キーが押鍵されているか判断する。このとき、この標準キーのLED・16を発光させ、演奏者に、押鍵すべきキー15と押鍵するタイミングを知らせる。
【0026】
この判断で、対応する標準キーが押鍵されていると判定されると(Yesの判定)、ステップS17に移行し、キーオン期間内で、この標準キーが押鍵されている時に、このキーオンイベントの発音の指示と音高情報等からなる演奏情報を音源部19に供給する。音源部19は、この演奏情報を受け、対応する楽音信号を発生しスピーカ20から発音する。
一方、ステップS16の判断で、Noと判定されると、ステップS15に移行する。
【0027】
ステップS15では、キーオン期間が終了したか否かの判断をする。この判断により、キーオン期間である間(当ステップS15にてNoと判定されるまでの間)上記ステップS12以降の処理が繰り返される。一方、キーオン期間が終了し、ステップS15の判断でYesと判定されると、ステップS18に移る。
ステップS18では、楽曲データが終了したか否かの判断をする。そして、楽曲データが終了していない場合には、Noの判定がなされ、ステップS11に戻る。ステップS11では、次の音のキーオン期間と発音する音高を認識するために、次のデータのデュレーションとイベントを解釈する。以降、ステップS18までの処理が繰り返される。一方、楽曲データが終了し、Yesの判定がなされると一連の処理を終了する。
なお、以上に説明したフローのもとでは、例えば発音すべき音高に対応しない標準キーが間違って押鍵された場合、無音となる。
【0028】
以上のように、演奏者が、指定した楽曲のリズムに合わせて多機能キーを押すと、タイミングが合っていればその時の楽曲の音高の音がスピーカ20より発音され、同様に、所定のタイミングで発音すべき音高に対応する標準キーを押すとこの標準キーに対応する音高の音がスピーカ20より発音される。このようにして楽曲のメロディが奏でられる。このとき、楽曲データに含まれる伴奏用の音高情報とその発音指示を、キー操作に応じた演奏情報とともに音源部19に与え、その伴奏音を同時に再生するのが好ましい。こうすると、演奏者が楽曲のリズムを認識しやすくなる。また、演奏者がリズムを無視して多機能キーを押しっぱなしにした場合に、多機能キーに設定されている音高が楽曲のとおりに発音されてしまうことを防ぐため、一度離鍵されることを検知して、離鍵されない時は、次の音が発音されないようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態では、演奏者の習熟度の向上に応じて、上記レベルを段階的に上げていくようにする。この場合、レベルを1つ上げる毎に、標準キーを用いて発音させる音高を一つずつ増やし、同時にこの音高を多機能キーの割り当てから除外するようにする。このように演奏者の習熟度の向上に応じて、押鍵しなければならない標準キーを増やすようにする。この習熟度に応じてレベルを上げる操作は、ここではマニュアルで行っているが、練習モードで演奏したときの間違いの頻度を検出して演奏者の習熟度を判定し、この判定結果に応じて練習のレベルや多機能キーに割り当てる音高を自動的に設定するようにしてもよい。他方、演奏者が初心者レベルで、リズムのみの練習を希望する場合には、すべての音高が多機能キーに割り当てられるようにしてもよい。
【0030】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。例えば、前述の電子鍵盤楽器に代えて電子ドラムセットのような電子打楽器に本発明を適用することができる。電子ドラムセットの場合、各パッドが鍵盤の各キーに相当する。最も低い練習のレベルでは、上記実施の形態における多機能キーに相当する一つのパッドと、楽曲中の音高でこのパッドで発音されない一つの音高が割り当てられた上記標準キーに相当する他の一つのパッドをそれぞれ設定する。
【0031】
演奏者は、自身が指定した楽曲のリズムに合わせて多機能キーに相当するパッドを叩くと、前述の電子鍵盤楽器と同じ仕組みで、タイミングが合っていればその時の楽曲の音高のドラム音が発音され、同様に、所定のタイミングで発音すべき音高に対応する標準キーに相当するパッドを叩くとそのパッドに対応した音高のドラム音が発音される。そして、演奏者の習熟度の向上に応じて、上記レベルを段階的に上げるようにし、レベルを1つ上げる毎に、標準キーに相当するパッドで発音させる音高を一つずつ増やす(同時にこの音高を多機能キーの割り当てから除外する)ようにする。リズムのみの練習を希望する場合には、すべての音高が、多機能キーに相当する一つのパッドに割り当てられるようにしてもよい。
【0032】
その他の例としては、電子ギター等の電子弦楽器に対しても本発明を適用できる。その仕組みは前述の電子鍵盤楽器と同様である。電子ギターの場合、演奏者により弾かれる弦と電子ギターのネック部分のフレットという弦を押さえる場所(弦を開放する場合も含む)の組が鍵盤のキーに相当し、特定の弦とこの弦の特定のフレット位置(弦を開放する場合も含む)の組が上記多機能キーに相当する。この場合、練習モードで最も低いレベルでは、例えば、開放状態にある特定の一つの弦(多機能キーに相当)を、楽曲で定まる所定のタイミングで弾くだけで、この弦で発音されない所定の音高以外の音高であって、このタイミングで発音すべきすべての楽曲の音高の音が奏でられる。ここで除かれた音高は、所定のタイミングで、対応する弦とその音高を発音させるためのフレット位置を指で押下(あるいは、その音高が弦を開放して発音する場合には、この弦を開放)して、この弦を弾くことにより発音される。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、第2の演奏操作子が、楽曲のリズムに合わせて操作されると、本発明による電子楽器が少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲を奏でるので、演奏者は、第2の演奏操作子を楽曲のリズムで操作するだけで、少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲の演奏を実現することができる。このようにして、演奏者は、この楽曲のリズムをマスターすることができ、このように最初にリズムを主として練習することで、初心者には当該電子楽器の演奏が入門しやすいものとなる。また、初期の段階からメロディが奏でられるので、練習を楽しく行うことができる。
また、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数を、演奏者の習熟度に応じて変更することで、演奏者は、段階的に当該電子楽器の演奏方法をマスターすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子鍵盤楽器の外観図である。
【図2】同実施の形態の電子鍵盤楽器の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態の電子鍵盤楽器における練習モード時の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1…電子鍵盤楽器(電子楽器)、2…設定スイッチ群、3…鍵盤、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…外部I/F、15…鍵(キー:第1または第2の演奏操作子)、16…LED、17…表示部、18…SW群、19…音源部、20…スピーカ、30…バス
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏練習サポート機能を持つ電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子鍵盤楽器などの電子楽器では、その練習用の機能として、押鍵すべき鍵盤のキーを指示するガイド機能を持つものがある。このガイド機能は、課題曲の譜面に合わせて、押すべきキーやその近辺に設けられた発光素子が光って、演奏者にこの光が点灯したキーを押下させることで、練習をサポートするといったものである。この場合のガイド機能は、譜面通りの指示がなされるものであるが、これを改善できるものとして、例えば、特許文献1に開示された演奏指示装置がある。この演奏指示装置では、ある楽曲を構成する演奏情報とこの楽曲に対応したガイド方式情報を対で供給し、供給されるガイド方式情報に基づくガイド方式で、供給される演奏情報に応じて押鍵すべき鍵盤の鍵を指示するようにして、楽曲に応じた適切なガイド方式が自動的に選択されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−297487号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子鍵盤楽器ように、課題曲の譜面に合わせて、押すべきキーやその近辺に設けられた発光素子が光って、この光が点灯したキーを押下させることで、練習をサポートするものでは、演奏者が、演奏と同時に楽譜を見ると、せっかくのガイド機能が役に立たない。また、光ったキーをタイミング良く押すのは実際にはむずかしい。
また、演奏者が、ある楽曲の演奏の練習を重ねると、この楽曲の演奏についての習熟度が上がるが、上記ガイド機能や特許文献1に開示された発明では、こうした演奏者の習熟度に応じた演奏練習のサポートがなされるものではない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、演奏者の習熟度に応じた演奏練習のサポートが可能な電子楽器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が前記楽曲のリズムに合わせて操作することで該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を有する演奏練習サポート機能を持つ電子楽器において、前記演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については前記第2の演奏操作子を操作しても該音高の音を発音しないことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子楽器において、前記第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数が演奏者の習熟度に応じて変更されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子楽器において、前記第1の演奏操作子の内の一つを、前記第2の演奏操作子として設定することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子楽器において、前記楽曲に含まれる音高に対応する前記第1の演奏操作子の内の少なくとも一つ以外を、前記第2の演奏操作子として設定することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子鍵盤楽器であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子打楽器であることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器において、前記電子楽器が、電子弦楽器であることを特徴としている。
【0008】
上記各発明による演奏練習サポート機能を持つ電子楽器は、演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、演奏者が前記楽曲のリズムに合わせて操作することで少なくとも1つの音高を除いて該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を備えている。複数ある第1の演奏操作子は、通常の演奏のため操作するものであり、例えば、鍵盤楽器の場合は、鍵盤の各キーが相当する。演奏者は、この第1の演奏操作子を操作することにより、通常の楽曲の演奏を行う。一方、第2の演奏操作子は、楽曲のリズムに合わせて操作されると、本電子楽器が少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲を奏でる。すなわち、演奏者は、第2の演奏操作子を楽曲のリズムで操作するだけで、少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲の演奏を実現することができる。したがって、演奏者は、この第2の演奏操作子を主として用いることで、この楽曲のリズムをマスターすることができる。
【0009】
本発明による電子楽器は、その特徴として演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については第2の演奏操作子を操作してもこの音高の音を発音しないので、特定の音高については、この第2の演奏操作子を操作しても発音されない。したがって、楽曲の演奏を完全なものとするには、第2の演奏操作子を操作しても発音されない音高の音を発音させる第1の演奏操作子を操作する必要がある。すなわち、演奏者は、特定の音高については、通常の演奏で操作する第1の演奏操作子を操作することが求められる。
このような状況で、演奏者が演奏の練習を行うと、この特定の音高とこの音高に対応する第1の演奏操作子との関係およびその操作のタイミングもマスターすることができる。
なお、上記において第2の演奏操作子によって発音されない音高に対応する第1の演奏操作子は、当該楽曲の演奏でより多く操作されることになるものから順に割り当てられることが好ましい。
【0010】
また、請求項2に記載の発明では、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数が演奏者の習熟度に応じて変更されるので、例えば、演奏者の習熟度が上がるにつれて、上記発音しない音高または音高の数を増やすように変更することで、演奏者は、通常の演奏で操作する、より多くの種類の第1の演奏操作子の操作方法を、マスターすることができるようになる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、第1の演奏操作子の内の一つが、第2の演奏操作子として設定され、請求項4に記載の発明では、前記楽曲に含まれる音高に対応する第1の演奏操作子の内の少なくとも一つ以外が、第2の演奏操作子として設定されるので、この第2の演奏操作子を別途特別に設ける必要がない。また、前述のように演奏者の習熟度が上がり、この第2の演奏操作子で発音される音高が、本来第1の演奏操作子として発音する標準の1つの音高に設定された場合、この第2の演奏操作子は、第1の演奏操作子として標準的な通常の演奏をするための演奏操作子となるので、演奏者は、本電子楽器を用いて標準の(第1の演奏操作子を用いた通常の)演奏を行うこともできる。
なお、本明細書で言う音高とは、音の高さの違いのみを表すのではなく、一つの楽器の中の異なる演奏操作子を操作することで発せられる音の違いを表すものとする。例えば、請求項6に記載の電子打楽器が電子ドラムセットである場合は、音高とは、その電子ドラムの各パッドを叩いた時に発せられるそれぞれの音を表す。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施の形態である電子鍵盤楽器の外観を示し、図2にその概略構成を示している。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の電子鍵盤楽器1は、従来の電子鍵盤楽器と同様の外観をもつ。同図に示す符号2は、各種設定をするための設定スイッチからなる設定スイッチ群を示している。この設定スイッチ群2には、通常の演奏を行うための標準モードや、後述する練習モード等を切り替えるモード切替スイッチや、練習モードにおける難易度のレベル(例えば、低いものから順に1,2,3…)を切り替えるレベル切替スイッチや、練習する楽曲を選択する楽曲選択スイッチおよびその他の設定スイッチが設けられている。
【0014】
符号3は、いわゆる鍵盤である。以下では、練習モードにおいて一つの楽曲を選択した場合に、この鍵盤3を構成するすべてのキー(第1の演奏操作子)15の内、本来そのキー15に割り当てられる音高のみを発音させるキー15(あるいは、下記の多機能キーではないキー15)を標準キーと称し、選択した楽曲に含まれる少なくとも1つの音高を除いて、押下された時点に発音すべき楽曲の音高を発音させるキー15を多機能キー(第2の演奏操作子)と称す。通常(標準モード等では)、この鍵盤3は、標準の鍵盤として機能するが、上記モード切替スイッチにより練習モードが選択されると、選択した楽曲に含まれない音高に対応するキー15の一つを多機能キーとして設定する。この場合、残りのキー15が標準キーとなる。例えば、鍵盤3の最も右側のキー15が、選択した楽曲の中で使われないとすれば、それを多機能キーとして設定できる。なお、楽曲中に和音その他複数の音高を含む音が使われている場合、この和音等を構成するすべての音高を多機能キーは発音するとしてもよい。
【0015】
なお、指定された楽曲に含まれる音高で多機能キーに割り当てられない音高に対応するものを除いた鍵盤3上のすべてのキー15を多機能キーとしてもよいし(この場合、楽曲に含まれる音高に対応するキー15の内の少なくとも一つ以外が、多機能キーとして設定される)、あるいは、鍵盤3上のキー15以外に多機能キーとして別途専用のキーを設けてもよい。こうした多機能キーとして用いるキーの選択など、その設定方法は特に限定するものではなく、マニュアルでも設定可能とする。
【0016】
符号11は、バス30を介して各部を制御するCPU(中央処理装置)である。このCPU11は、タイマを内蔵しており、このタイマにより所定時間が経過する毎に、供給される割り込み信号を受け、時間の経過に応じた所定の処理を実行する。
符号12は、RAM(Random−Access Memory)であり、CPU11が各種処理を行う際に用いる各種レジスタ、フラグ、キーイベントバッファおよびスイッチイベントバッファ等のために用いるワークエリアをもつ。さらに、下記の外部I/F14を介してメモリカード等の記憶媒体から読み込まれる新しい楽曲データを保存するための領域も持つ。
【0017】
符号13は、ROM(Read−Only Memory)であり、CPU11が実行する制御プログラムや予めプリセットされる楽曲データを記憶する。この楽曲データはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に基づくものであり、デュレーション(時間情報)とイベントの組からなるデータである。ここでイベントは音高の情報と発音を指示する情報を含んでいる。この楽曲データをもとに自動演奏される場合や練習モードでは、CPU11がこの楽曲データをMIDI規格に基づき解釈し、デュレーションに従って下記の音源部19へ音高情報と発音指示からなる演奏情報を供給する。
【0018】
符号14の外部I/F(インターフェース)は、外部機器と接続するためのインターフェースであり、上記のようにメモリカード等の記憶媒体が着脱可能に接続される。
鍵盤3は、上記のように複数のキー(鍵)15からなり、演奏者がこれらのキー15を押鍵または離鍵すると、CPU11がこれらの操作に応じたキーオン・キーオフを検出する。
【0019】
符号16は、LED(Light−Emitting Diode)であり複数設けられている。各LED16は、鍵盤3上の各キー15に内蔵されており、楽曲データに従い発光することで押鍵すべきキー15と押鍵すべきタイミングを演奏者に知らせる。あるいは、多機能キーとして設定されたキー15や練習モードで使用する(実際に押鍵する)標準キーを演奏者に知らせる。
符号17は、表示部であり、液晶ディスプレイ等からなり、設定されたモードの種別や選択/再生される楽曲に関する情報等の表示をする。符号18に示すSW群は、前述の設定スイッチ群2である。
【0020】
符号19は、音源部である。演奏者の鍵盤操作により、CPU11がキーオンを検出すると、発音指示および音高情報等からなる演奏情報がこの音源19に供給される。この音源部19は、供給される演奏情報に応じて、楽音信号を生成する。一方、CPU11がキーオフを検出すると、音源部19に消音指示を与え、発音している音を消音させる。
符号20は、スピーカであり、音源部19にて生成された楽音信号を受け、楽音を発音する。
【0021】
次に、このように構成された本実施の形態の電子鍵盤楽器1の特徴部分である練習モード時の動作について図3を参照し説明する。
なお、下記で説明する動作フローは一例であり、その処理の流れに限定されるものではない。また、本フローでは、和音の様な複数の音高を同時に発音することは考慮しておらず、単音の演奏を条件とした処理である。
【0022】
演奏者が、設定スイッチ群2(SW群18)を用いて楽曲の指定と練習モードの設定を完了すると(練習のレベルは最も低い1とする)、鍵盤3上の何れかのキー15(ここでは当該楽曲で発音しない音高のキーとする)が、楽曲中の1つの音高を除くその他の音高を発音するための多機能キーとして設定され、そのキー15をLED16の発光により演奏者に知らせる。このときその他のキー15が標準キーとなる。また、多機能キーに割り当てられない楽曲中の音高に対応する標準キーもLED16の発光により演奏者に知らせる。以下では、この発光は、実際に押鍵するタイミングで発光させるものとする。
本実施の形態では、多機能キーを1回押すことで楽曲がスタートするものとする。なお、どのようにして練習モードでの楽曲を開始するかは、各種方法が適用できる。
【0023】
ここで演奏者が演奏をスタートするために、多機能キーを示すために発光しているLED16を内蔵したキー15(多機能キー)を押鍵すると、このキーオンイベントに応じて、CPU11が演奏者により指定された楽曲データをROM・13からRAM・12のワークエリアに読み込む。
ステップS11では、この楽曲データからデュレーションとイベントをMIDI規格に基づき解釈し、最初の音のキーオンの期間と発音する音高を認識する。
続いて、認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されているか否か判断する(ステップS12)。
【0024】
この判断で、ステップS11にて認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されていると判定された場合(Yesの判定)、さらにステップS13の判断で、この多機能キーが押鍵されているか判断する。
この判断で、多機能キーが押鍵されていると判定されると(Yesの判定)、ステップS14に移行し、ステップS11で認識されたキーオン期間内で、多機能キーが押鍵されている時に、ステップS11にて楽曲データから得た音高情報と発音の指示からなる演奏情報を音源部19に供給する。音源部19は、この演奏情報を受け、対応する楽音信号を発生しスピーカ20から発音する。
一方、ステップS13の判断で、Noと判定されると、ステップS15に移行する。
【0025】
先のステップS12の判断で、ステップS11にて認識された発音すべき音高に対応するキー15が多機能キーに設定されていないと判定された場合(Noの判定)、さらにステップS16の判断で、対応する標準キーが押鍵されているか判断する。このとき、この標準キーのLED・16を発光させ、演奏者に、押鍵すべきキー15と押鍵するタイミングを知らせる。
【0026】
この判断で、対応する標準キーが押鍵されていると判定されると(Yesの判定)、ステップS17に移行し、キーオン期間内で、この標準キーが押鍵されている時に、このキーオンイベントの発音の指示と音高情報等からなる演奏情報を音源部19に供給する。音源部19は、この演奏情報を受け、対応する楽音信号を発生しスピーカ20から発音する。
一方、ステップS16の判断で、Noと判定されると、ステップS15に移行する。
【0027】
ステップS15では、キーオン期間が終了したか否かの判断をする。この判断により、キーオン期間である間(当ステップS15にてNoと判定されるまでの間)上記ステップS12以降の処理が繰り返される。一方、キーオン期間が終了し、ステップS15の判断でYesと判定されると、ステップS18に移る。
ステップS18では、楽曲データが終了したか否かの判断をする。そして、楽曲データが終了していない場合には、Noの判定がなされ、ステップS11に戻る。ステップS11では、次の音のキーオン期間と発音する音高を認識するために、次のデータのデュレーションとイベントを解釈する。以降、ステップS18までの処理が繰り返される。一方、楽曲データが終了し、Yesの判定がなされると一連の処理を終了する。
なお、以上に説明したフローのもとでは、例えば発音すべき音高に対応しない標準キーが間違って押鍵された場合、無音となる。
【0028】
以上のように、演奏者が、指定した楽曲のリズムに合わせて多機能キーを押すと、タイミングが合っていればその時の楽曲の音高の音がスピーカ20より発音され、同様に、所定のタイミングで発音すべき音高に対応する標準キーを押すとこの標準キーに対応する音高の音がスピーカ20より発音される。このようにして楽曲のメロディが奏でられる。このとき、楽曲データに含まれる伴奏用の音高情報とその発音指示を、キー操作に応じた演奏情報とともに音源部19に与え、その伴奏音を同時に再生するのが好ましい。こうすると、演奏者が楽曲のリズムを認識しやすくなる。また、演奏者がリズムを無視して多機能キーを押しっぱなしにした場合に、多機能キーに設定されている音高が楽曲のとおりに発音されてしまうことを防ぐため、一度離鍵されることを検知して、離鍵されない時は、次の音が発音されないようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施の形態では、演奏者の習熟度の向上に応じて、上記レベルを段階的に上げていくようにする。この場合、レベルを1つ上げる毎に、標準キーを用いて発音させる音高を一つずつ増やし、同時にこの音高を多機能キーの割り当てから除外するようにする。このように演奏者の習熟度の向上に応じて、押鍵しなければならない標準キーを増やすようにする。この習熟度に応じてレベルを上げる操作は、ここではマニュアルで行っているが、練習モードで演奏したときの間違いの頻度を検出して演奏者の習熟度を判定し、この判定結果に応じて練習のレベルや多機能キーに割り当てる音高を自動的に設定するようにしてもよい。他方、演奏者が初心者レベルで、リズムのみの練習を希望する場合には、すべての音高が多機能キーに割り当てられるようにしてもよい。
【0030】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。例えば、前述の電子鍵盤楽器に代えて電子ドラムセットのような電子打楽器に本発明を適用することができる。電子ドラムセットの場合、各パッドが鍵盤の各キーに相当する。最も低い練習のレベルでは、上記実施の形態における多機能キーに相当する一つのパッドと、楽曲中の音高でこのパッドで発音されない一つの音高が割り当てられた上記標準キーに相当する他の一つのパッドをそれぞれ設定する。
【0031】
演奏者は、自身が指定した楽曲のリズムに合わせて多機能キーに相当するパッドを叩くと、前述の電子鍵盤楽器と同じ仕組みで、タイミングが合っていればその時の楽曲の音高のドラム音が発音され、同様に、所定のタイミングで発音すべき音高に対応する標準キーに相当するパッドを叩くとそのパッドに対応した音高のドラム音が発音される。そして、演奏者の習熟度の向上に応じて、上記レベルを段階的に上げるようにし、レベルを1つ上げる毎に、標準キーに相当するパッドで発音させる音高を一つずつ増やす(同時にこの音高を多機能キーの割り当てから除外する)ようにする。リズムのみの練習を希望する場合には、すべての音高が、多機能キーに相当する一つのパッドに割り当てられるようにしてもよい。
【0032】
その他の例としては、電子ギター等の電子弦楽器に対しても本発明を適用できる。その仕組みは前述の電子鍵盤楽器と同様である。電子ギターの場合、演奏者により弾かれる弦と電子ギターのネック部分のフレットという弦を押さえる場所(弦を開放する場合も含む)の組が鍵盤のキーに相当し、特定の弦とこの弦の特定のフレット位置(弦を開放する場合も含む)の組が上記多機能キーに相当する。この場合、練習モードで最も低いレベルでは、例えば、開放状態にある特定の一つの弦(多機能キーに相当)を、楽曲で定まる所定のタイミングで弾くだけで、この弦で発音されない所定の音高以外の音高であって、このタイミングで発音すべきすべての楽曲の音高の音が奏でられる。ここで除かれた音高は、所定のタイミングで、対応する弦とその音高を発音させるためのフレット位置を指で押下(あるいは、その音高が弦を開放して発音する場合には、この弦を開放)して、この弦を弾くことにより発音される。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、第2の演奏操作子が、楽曲のリズムに合わせて操作されると、本発明による電子楽器が少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲を奏でるので、演奏者は、第2の演奏操作子を楽曲のリズムで操作するだけで、少なくとも1つの音高を除いてこの楽曲の演奏を実現することができる。このようにして、演奏者は、この楽曲のリズムをマスターすることができ、このように最初にリズムを主として練習することで、初心者には当該電子楽器の演奏が入門しやすいものとなる。また、初期の段階からメロディが奏でられるので、練習を楽しく行うことができる。
また、第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数を、演奏者の習熟度に応じて変更することで、演奏者は、段階的に当該電子楽器の演奏方法をマスターすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子鍵盤楽器の外観図である。
【図2】同実施の形態の電子鍵盤楽器の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態の電子鍵盤楽器における練習モード時の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1…電子鍵盤楽器(電子楽器)、2…設定スイッチ群、3…鍵盤、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…外部I/F、15…鍵(キー:第1または第2の演奏操作子)、16…LED、17…表示部、18…SW群、19…音源部、20…スピーカ、30…バス
Claims (7)
- 演奏者が通常の演奏のため操作する複数の第1の演奏操作子と、
所定の楽曲の演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、
演奏者が前記楽曲のリズムに合わせて操作することで該楽曲を奏でることができる第2の演奏操作子を有する演奏練習サポート機能を持つ電子楽器において、
前記演奏情報に含まれる音高のうち少なくとも一つの音高については前記第2の演奏操作子を操作しても該音高の音を発音しない
ことを特徴とする電子楽器。 - 前記第2の演奏操作子を操作しても発音しない音高または音高の数は、演奏者の習熟度に応じて変更される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。 - 前記第1の演奏操作子の内の一つを、前記第2の演奏操作子として設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子楽器。 - 前記楽曲に含まれる音高に対応する前記第1の演奏操作子の内の少なくとも一つ以外を、前記第2の演奏操作子として設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子楽器。 - 前記電子楽器は、
電子鍵盤楽器である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器。 - 前記電子楽器は、
電子打楽器である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器。 - 前記電子楽器は、
電子弦楽器である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子楽器。
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