JP2004257778A - ナビゲーション装置および交差点案内方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の道路が互いに直角に交わっていない角度の表現が難しい交差点においても、より分かりやすい交差点案内を行うことができるようにする。
【解決手段】車両が案内交差点に差し掛かった際に、外周に時計の1時から12時までを描画した交差点拡大図を表示するとともに、車両の進行方向を「この先1時の方角、斜め右方向です」のように時計の表現になぞって音声案内することにより、誰もが熟知している時計の配置に従って進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両が案内交差点に差し掛かった際に、外周に時計の1時から12時までを描画した交差点拡大図を表示するとともに、車両の進行方向を「この先1時の方角、斜め右方向です」のように時計の表現になぞって音声案内することにより、誰もが熟知している時計の配置に従って進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はナビゲーション装置および交差点案内方法に関し、特に、誘導経路上の案内交差点付近でその交差点の案内画像を拡大表示するとともに、進行方向を音声で案内したりするなどの交差点案内を行うナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の走行案内を行うナビゲーション装置は、単に現在地周辺の地図を表示するのみでなく、目的地を指定することにより、現在地から目的地までの誘導経路を自動設定して案内する機能を備えている。この経路誘導機能では、地図データを用いて現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな経路を、幅優先探索(BFS)法あるいはダイクストラ法などのシミュレーションを行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として設定する。
【0003】
誘導経路の設定後は、車両の走行中に地図画像上で誘導経路を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。また、車両が誘導経路上の案内交差点から所定距離内に近づいたときに、交差点案内図(交差点拡大図とこの交差点での進行方向を示す矢印)を表示したり、進行方向を音声で案内したりするなどの交差点案内を行うことにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。
【0004】
このように、従来の交差点案内では画像表示と音声出力とが用いられている。このうち画像表示に関しては、案内交差点を拡大表示して、例えば進行方向を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。また、音声出力に関しては、経路案内を行う交差点に対する進入道路の方位を基準として、進入方位と進出方位との角度差に応じて、「この先直進です」「間もなく右折です」「斜め右方向です」などと案内する。
【0005】
このような交差点案内について、誘導経路上の交差点をどの方向に走行すれば良いかを運転者がより容易に把握できるように、種々の改良が考えられている。例えば、交差点、進入路、進出路の位置関係から交差点での走行すべき方向を求め、求めた走行方向に基づき走行方向案内画像を画面表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、交差点で接続する進入路に対する進出路の方向データに基づき案内情報を出力するようにした技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−296774号公報
【特許文献2】
特開平8−94368号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の交差点案内では、複数の道路が互いに直角に交わっていない交差点においては、上述のように「斜め右方向です」などの音声案内が行われていた。しかしながら、角度の表現が難しい交差点では、このような曖昧な表現の音声案内では進行方向が分かりづらく、画面表示に頼らざるを得ないという問題があった。
【0008】
例えば、図6に示すような5差路を例にとって説明する。この交差点では、コンビニエンスストアを目印にして斜め右方向に2本の道路がある。この場合に「この先斜め右方向です。コンビニが目印です。」という音声案内だけでは、進むべき方向が把握しづらい。そのため、運転者は画面表示の交差点拡大図に頼ってしまう。ところが、画面表示に頼ると、運転者が視線を前方から外さなければならないため、運転上好ましくない。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、複数の道路が互いに直角に交わっていない角度の表現が難しい交差点においても、ユーザにとってより分かりやすい交差点案内を行うことができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明においては、車両が案内交差点に差し掛かった際、どの方向に進むのかを時計の表現になぞって音声案内するようにしている。これによりユーザは、表示画面を見なくても、誰もが熟知している時計の配置をイメージした形で進行方向を直感的に理解することが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様では、交差点拡大図の外周にも時計の1時から12時までを描画するようにしている。これによりユーザは、音声案内と合わせて交差点拡大図も時計をイメージした形で直感的に把握することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態により表示される交差点拡大図の画面例を示す図であり、図6と同様の5差路を例にとって示している。本実施形態は、車両が案内交差点に差し掛かった際に、進行方向を時計の表現になぞって案内することに特徴がある。
【0013】
すなわち、図1のように交差点拡大図の外周に時計の1時から12時までに相当する数字を描画し、案内交差点に接続する各道路を、それぞれの方位に応じた時間の方向に描画するようにしている。この例では、案内交差点に対する進入道路を6時の方向に描画するとともに、案内交差点に接続する他の道路を、それらの方位に応じて1時、2時、9時、略11時の方向に描画している。そして、進入道路および進出道路から成る誘導経路を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。
【0014】
また、音声案内に関しては、図6に示す従来では「この先斜め右方向です。」と曖昧な表現だったのに対し、本実施形態では「この先1時の方角、斜め右方向です。」のように時間の表現を入れて、進行方向を正確に示している。これにより、ユーザが表示画面を見なくても、時計をイメージした形で進行方向を直感的に把握できるようにしている。
【0015】
図2は、上記の交差点案内を実現するナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。図2において、100はナビゲーションコントローラであり、ナビゲーション装置の全体を制御する。11はDVD−ROM等の記録媒体であり、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記憶している。ここでは地図データを記憶する記録媒体としてDVD−ROM11を用いているが、CD−ROM、ハードディスク等の他の記録媒体を用いても良い。
【0016】
DVD−ROM11に記録された地図データは、広い地域を一望するための上位レベルの地図から、狭い地域を詳細に記述した下位レベルの地図まで、レベルと呼ばれる単位に階層化して管理されている。各レベルは、所定の経度および緯度で区切られた区画と呼ばれる矩形領域を単位として分割されている。各区画の地図データは、区画番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。
【0017】
区画ごとの地図データには、地図表示に必要な各種のデータから成る描画ユニットと、マップマッチングや経路探索等の各種の処理に必要なデータから成る道路ユニットと、交差点の詳細データから成る交差点ユニットとが含まれている。このうち描画ユニットには、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータとが含まれている。また、交差点ユニットには、図1のように時計の時間表現を用いた交差点拡大図に関するデータが含まれている。
【0018】
また、道路ユニットには、交差点や分岐など、複数の道路が交わる点に対応するノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、道路上のあるノードとこれに隣接する他のノードとの間を接続する、道路や車線等に対応するリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0019】
前者の接続ノードテーブルには、存在するノードのそれぞれ毎に、a.ノードの正規化経度・緯度、b.ノードの属性フラグ、c.接続しているノードの数、d.交通規制の数、e.接続ノードレコード、f.交通規制レコード、g.交差点レコードの格納位置およびサイズ等の情報が含まれている。
【0020】
a.ノードの正規化経度・緯度は、区画を基準とした経度方向・緯度方向の相対位置を示す。例えば、隣接するノードの正規化経度・緯度情報をもとに、そのノード間を接続するリンクの方位を求めることができる。b.ノードの属性フラグは、そのノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグを含んでいる。c.接続しているノードの数は、そのノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に、各リンクの他方端を構成するノードの数を示す。
【0021】
d.交通規制の数は、そのノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合に、その交通規制の数を示す。e.接続ノードレコードは、そのノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を、リンク本数分だけ示す。f.交通規制レコードは、上述した交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す。g.交差点レコードの格納位置およびサイズは、そのノードが交差点ノードである場合に、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズを示す。
【0022】
また、後者のリンクテーブルには、a.第1、第2ノード番号、b.リンクの距離、c.リンクのコスト、d.道路属性フラグ、e.道路種別フラグ等の情報が含まれている。a.第1、第2ノード番号は、リンクの両端に位置する2つのノードを特定する番号を示す。b.リンクの距離は、当該リンクに対応した実際の道路の実距離を示す。
【0023】
c.リンクのコストは、そのリンクを走行する場合の所要時間を道路種別等から計算により求めて、そのリンクの通過に必要な時間を例えば分単位で示したものである。d.道路属性フラグは、そのリンクに関する各種の属性を示す。e.道路種別フラグは、そのリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった種別を示す。
【0024】
12はリモコン、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部であり、ユーザがナビゲーションコントローラ100に対して各種の情報(例えば、誘導経路の目的地)を設定したり、各種の操作(例えば、メニュー選択操作、拡大/縮小操作、手動地図スクロール、数値入力など)を行ったりするためのものである。
【0025】
13は車両の現在位置を測定するための自立航法センサであり、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する距離センサ(車速センサ)13aと、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)13bとを含んでいる。自立航法センサ13は、これらの距離センサ13aおよび角速度センサ13bによって車両の相対位置および方位を検出し、その情報をナビゲーションコントローラ100に出力する。
【0026】
14は車両の現在位置を測定するためのGPS受信機であり、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナ15で受信し、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。そして、これらの計算した車両の絶対位置および方位の情報を、測位時刻と共にナビゲーションコントローラ100に出力する。
【0027】
16はディスプレイ装置であり、ナビゲーションコントローラ100の制御によって生成された画像を表示する。このディスプレイ装置16の画面上には、自車周辺の地図情報が車両位置マーク等と共に表示される。また、この地図上に誘導経路が表示されるとともに、車両の位置が案内交差点近傍に近づいたときに交差点拡大図が表示される。17はスピーカであり、車両の位置が案内交差点近傍に近づいたときに案内音声が出力される。
【0028】
次いで、ナビゲーションコントローラ100の内部構成において、21は地図バッファであり、DVD−ROM11から読み出された地図データを一時的に格納する。22は読出制御部であり、DVD−ROM11からの地図データの読み出しを制御する。
【0029】
この読出制御部22は、後述するマップマッチング制御部25からマップマッチング処理後の車両現在位置情報を入力する。そして、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示をDVD−ROM11に対して出力する。これにより、地図表示に必要な地図データをDVD−ROM11から読み出して、地図バッファ21に格納する。
【0030】
23は車両位置・方位計算部であり、自立航法センサ13から出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。24はデータ記憶部であり、GPS受信機14から出力される自車の絶対的な位置および方位のデータを順次格納する。
【0031】
上述のマップマッチング制御部25は、地図バッファ21に読み出されている地図データと、車両位置・方位計算部23により計算された自立航法センサ13に基づく推定車両位置および車両方位のデータと、データ記憶部24に格納されたGPS受信機14に基づく車両位置および車両方位のデータとを用いて、車両走行距離毎に投影法等によるマップマッチング処理を行って、自車の走行位置を地図データの道路上に位置修正する。
【0032】
26は誘導経路探索部であり、地図バッファ21に格納された地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する。27は誘導経路メモリであり、誘導経路探索部26によって設定された誘導経路のデータ(現在地から目的地までのノードの集合)を記憶する。
【0033】
すなわち、誘導経路探索部26は、操作部12の操作によって経路探索の目的地が設定されると、その目的地データを誘導経路メモリ27に格納する。また、操作部12の操作によって経路探索の指示が出されると、マップマッチング制御部25によって位置修正された後の自車位置を出発地データとして設定して誘導経路メモリ27に格納する。そして、誘導経路メモリ27に格納された出発地および目的地を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索し、その結果を誘導経路メモリ27に更に格納する。
【0034】
28は地図描画制御部であり、地図バッファ21に格納された地図データと、誘導経路メモリ27に格納された誘導経路のデータとに基づいて、ディスプレイ装置16への地図表示に必要な地図画像データを生成する。このとき地図描画制御部28は、マップマッチング処理された後の自車位置に表示する車両位置マークや、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等を表示する各種ランドマーク等も生成する。また、誘導経路に関しては、これを他の道路と異なる所定色で太く強調して描画する。
【0035】
29は距離計算部であり、車両が誘導経路上にあるとき、地図バッファ21に格納されている地図データと、マップマッチング制御部25によりマップマッチング処理された後の車両現在位置情報と、誘導経路メモリ27に格納されている誘導経路のノード列とに基づいて、車両位置から交差点ノードまでの誘導経路に沿った距離を求める。
【0036】
30は道路方位検出部であり、車両が誘導経路上にあるとき、地図バッファ21に格納されている地図データと、マップマッチング制御部25より出力される車両現在位置情報と、誘導経路メモリ27に格納されている誘導経路のノード列とに基づいて、案内交差点に接続する進出道路の方位を検出する。このとき、案内交差点に対する進入道路を6時の方位に設定して、これを基準として進出道路の方位を検出する。
【0037】
ここで、例えば12時半の方角から1時半の方角の間にある道路は全て1時の方角の道路として検出する。同様に、1時半の方角から2時半の方角の間にある道路は全て2時の方角の道路として検出する。その他も同様に、所定時間幅内にある方角の道路をそれぞれ3時〜12時の方角の道路として検出する。
【0038】
31は音声パターンメモリであり、交差点付近において音声案内を行う際に用いる種々の音声パターンに関するデータを記憶している。この音声パターンメモリ31に記憶されている音声パターンには、誘導経路上の進出道路の方角を「この先○時の方角」という時間表現で表す第1の音声パターンと、進出道路の方向を「斜め右方向です」「道なりです」「斜め左方向です」などといった従来方式で表す第2の音声パターンとが含まれている。
【0039】
32は交差点案内制御部であり、距離計算部29により求められた自車位置から交差点までの距離情報に基づいて、自車が誘導経路前方にある案内交差点から所定距離内に接近したと判断したときに、地図バッファ21に格納されている地図データの交差点ユニットや、音声パターンメモリ31に格納されている音声パターンデータを用いて交差点案内を実行する。
【0040】
このとき交差点案内制御部32は、該当する案内交差点の詳細データを地図バッファ21から読み出し、時計表現を用いた交差点拡大図を描画して出力する。また、道路方位検出部30により検出された進出道路の方位に基づいて、音声パターンメモリ31の中から適切な第1の音声パターンと第2の音声パターンとを読み出して出力する。図1に示す音声案内の場合は、「この先1時の方角」という第1の音声パターンと、「斜め右方向です」という第2の音声パターンとを読み出して出力する。
【0041】
33は第1のVRAM(ビデオRAM)であり、地図描画制御部28により生成された地図画像データを一時的に格納する。すなわち、地図描画制御部28によって生成された地図画像データは、第1のVRAM33に一時的に格納され、1画面分ずつ読み出されて出力される。34は第2のVRAMであり、交差点案内制御部32により生成された交差点案内図の画像データを一時的に格納する。
【0042】
35は画像合成部であり、通常時は第1のVRAM33から読み出した地図画像をディスプレイ装置16に出力する。一方、交差点案内制御部32から合成指令を入力したときは、第1のVRAM33から読み出した地図画像に第2のVRAM34から読み出した交差点案内図画像を合成してディスプレイ装置16に出力する。これにより、合成された画像がディスプレイ装置16の画面上に表示される。
【0043】
36は音声合成部であり、交差点案内制御部32から音声出力指令を入力すると、音声パターンメモリ31から読み出された第1の音声パターンと第2の音声パターンとを組み合わせて合成し、「この先1時の方角、斜め右方向です」などの音声信号を発生する。これにより、合成された音声がスピーカ17から出力される。なお、一般的な十字路やT字路においては、「この先右折です」のように第2の音声パターンのみを音声信号に合成する。
【0044】
以上のように構成した本実施形態のナビゲーション装置によって行われる交差点案内の例は図1に示した通りであるが、その他の例を従来例と比較して図3〜図5に示す。図3は、進入道路に対する進出道路と他の道路との角度差が共に少なく、進出道路である本線が分かりにくいY字路を示す。このY字路において、従来は図3(a)のような交差点拡大図が表示され、「この先道なりです」の音声案内がされていたのに対し、本実施形態では図3(b)のような時計表現の交差点拡大図を表示し、「この先1時の方角、道なりです」の音声案内を行う。
【0045】
また、図4は、6差路や7差路などの案内が非常に困難な複雑交差点を示す。この複雑交差点において、従来は図4(a)のような交差点拡大図が表示され、「この斜め右方向です」の音声案内がされていたのに対し、本実施形態では図4(b)のような時計表現の交差点拡大図を表示し、「この先4時の方角、斜め右方向です」の音声案内を行う。
【0046】
また、図5は、複数の道路が互いに直角に交わる十字路を示す。このような一般的な十字路やT字路においては、時間表現をすると逆に分かりづらくなるため、本実施形態においても図5のような従来と同様の交差点拡大図を表示し、「この先右折です」の音声案内を行う。なお、画面表示される交差点拡大図だけは時計表現としても良い。
【0047】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、従来の方式では分かりづらかった交差点情報(案内したい方向)を時計の表現になぞって音声案内するようにしたので、ナビゲーション装置の使用経験の有無を問わず、誰にでも案内方向を簡単にイメージさせることができる。これによりユーザは、画面表示に頼ることなく運転することが可能となる。また、本実施形態では、交差点拡大図の外周に時計の1時から12時までを描画するようにしたので、交差点拡大図上でも案内方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、時計表現の交差点拡大図を地図データ中の交差点ユニットに基づき描画する例について説明したが、これに限定されない。例えば、道路方位検出部30により検出された進出道路の方位(1時から12時の何れかの方位)に応じて、その時間の方向に進出道路を描画したデフォルメの画像を交差点案内制御部32がリアルタイムに生成するようにしても良い。
【0049】
すなわち、交差点ユニットのデータに基づく場合は、例えば進出道路の方位が12時35分の方位にあったとすると、その12時35分の方角に進出道路が描画される。これに対して、12時35分は道路方位検出部30により1時と検出され、その検出された1時の方角に進出道路を描画するようにする。このようにすれば、音声案内と交差点拡大図との時間表現を常に一致させることができ、より分かりやすい交差点案内を提供することができる。
【0050】
また、進出道路だけでなく、案内交差点に接続する他の道路も各時間の方向に合わせて描画するようにしても良い。すなわち、道路方位検出部30において、進出道路の方位だけでなく、案内交差点に接続する各道路の方位を検出する。そして、交差点案内制御部32が各道路の方位に基づいて、進入道路を6時の方向に描画するとともに、他の道路をそれらの方位に応じて各時間の方向に描画したデフォルメの画像を生成する。
【0051】
この場合において、1時から12時までの全方位を12等分したうちの1つの時間幅内に2つの道路が存在するときは、それらは隣接する時間方向の道路に分けて描画する。例えば、12時半の方角から1時半の方角の間に2つの道路がある場合、一方を1時、他方を12時または2時の方角の道路として描画する。
【0052】
その他、以上に説明した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、誘導経路上の案内交差点付近において、車両の進行方向を時計の表現になぞって音声案内するようにしたので、誰もが熟知している時計の配置に従って進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。これによりユーザは、表示画面を見なくても進行方向を直感的に把握することが可能となり、画面表示に頼ることなく運転することができる。
【0054】
本発明の他の態様では、交差点拡大図の外周にも時計の1時から12時までを描画するようにしたので、音声案内と合わせて交差点拡大図も時計をイメージした形で進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による交差点案内の例を示す図である。
【図2】本実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による交差点案内の例を従来例と比較して示す図である。
【図4】本実施形態による交差点案内の例を従来例と比較して示す図である。
【図5】本実施形態による交差点案内の例を示す図である。
【図6】従来の交差点案内の例を示す図である。
【符号の説明】
21 地図バッファ
26 誘導経路探索部
27 誘導経路メモリ
28 地図描画制御部
29 距離計算部
30 道路方位検出部
31 音声パターンメモリ
32 交差点案内制御部
33 第1のVRAM
34 第2のVRAM
35 画像合成部
36 音声合成部
【発明の属する技術分野】
本発明はナビゲーション装置および交差点案内方法に関し、特に、誘導経路上の案内交差点付近でその交差点の案内画像を拡大表示するとともに、進行方向を音声で案内したりするなどの交差点案内を行うナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の走行案内を行うナビゲーション装置は、単に現在地周辺の地図を表示するのみでなく、目的地を指定することにより、現在地から目的地までの誘導経路を自動設定して案内する機能を備えている。この経路誘導機能では、地図データを用いて現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな経路を、幅優先探索(BFS)法あるいはダイクストラ法などのシミュレーションを行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として設定する。
【0003】
誘導経路の設定後は、車両の走行中に地図画像上で誘導経路を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。また、車両が誘導経路上の案内交差点から所定距離内に近づいたときに、交差点案内図(交差点拡大図とこの交差点での進行方向を示す矢印)を表示したり、進行方向を音声で案内したりするなどの交差点案内を行うことにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。
【0004】
このように、従来の交差点案内では画像表示と音声出力とが用いられている。このうち画像表示に関しては、案内交差点を拡大表示して、例えば進行方向を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。また、音声出力に関しては、経路案内を行う交差点に対する進入道路の方位を基準として、進入方位と進出方位との角度差に応じて、「この先直進です」「間もなく右折です」「斜め右方向です」などと案内する。
【0005】
このような交差点案内について、誘導経路上の交差点をどの方向に走行すれば良いかを運転者がより容易に把握できるように、種々の改良が考えられている。例えば、交差点、進入路、進出路の位置関係から交差点での走行すべき方向を求め、求めた走行方向に基づき走行方向案内画像を画面表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、交差点で接続する進入路に対する進出路の方向データに基づき案内情報を出力するようにした技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−296774号公報
【特許文献2】
特開平8−94368号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の交差点案内では、複数の道路が互いに直角に交わっていない交差点においては、上述のように「斜め右方向です」などの音声案内が行われていた。しかしながら、角度の表現が難しい交差点では、このような曖昧な表現の音声案内では進行方向が分かりづらく、画面表示に頼らざるを得ないという問題があった。
【0008】
例えば、図6に示すような5差路を例にとって説明する。この交差点では、コンビニエンスストアを目印にして斜め右方向に2本の道路がある。この場合に「この先斜め右方向です。コンビニが目印です。」という音声案内だけでは、進むべき方向が把握しづらい。そのため、運転者は画面表示の交差点拡大図に頼ってしまう。ところが、画面表示に頼ると、運転者が視線を前方から外さなければならないため、運転上好ましくない。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、複数の道路が互いに直角に交わっていない角度の表現が難しい交差点においても、ユーザにとってより分かりやすい交差点案内を行うことができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明においては、車両が案内交差点に差し掛かった際、どの方向に進むのかを時計の表現になぞって音声案内するようにしている。これによりユーザは、表示画面を見なくても、誰もが熟知している時計の配置をイメージした形で進行方向を直感的に理解することが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様では、交差点拡大図の外周にも時計の1時から12時までを描画するようにしている。これによりユーザは、音声案内と合わせて交差点拡大図も時計をイメージした形で直感的に把握することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態により表示される交差点拡大図の画面例を示す図であり、図6と同様の5差路を例にとって示している。本実施形態は、車両が案内交差点に差し掛かった際に、進行方向を時計の表現になぞって案内することに特徴がある。
【0013】
すなわち、図1のように交差点拡大図の外周に時計の1時から12時までに相当する数字を描画し、案内交差点に接続する各道路を、それぞれの方位に応じた時間の方向に描画するようにしている。この例では、案内交差点に対する進入道路を6時の方向に描画するとともに、案内交差点に接続する他の道路を、それらの方位に応じて1時、2時、9時、略11時の方向に描画している。そして、進入道路および進出道路から成る誘導経路を他の道路と識別可能なように色を変えて太く描画する。
【0014】
また、音声案内に関しては、図6に示す従来では「この先斜め右方向です。」と曖昧な表現だったのに対し、本実施形態では「この先1時の方角、斜め右方向です。」のように時間の表現を入れて、進行方向を正確に示している。これにより、ユーザが表示画面を見なくても、時計をイメージした形で進行方向を直感的に把握できるようにしている。
【0015】
図2は、上記の交差点案内を実現するナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。図2において、100はナビゲーションコントローラであり、ナビゲーション装置の全体を制御する。11はDVD−ROM等の記録媒体であり、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記憶している。ここでは地図データを記憶する記録媒体としてDVD−ROM11を用いているが、CD−ROM、ハードディスク等の他の記録媒体を用いても良い。
【0016】
DVD−ROM11に記録された地図データは、広い地域を一望するための上位レベルの地図から、狭い地域を詳細に記述した下位レベルの地図まで、レベルと呼ばれる単位に階層化して管理されている。各レベルは、所定の経度および緯度で区切られた区画と呼ばれる矩形領域を単位として分割されている。各区画の地図データは、区画番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。
【0017】
区画ごとの地図データには、地図表示に必要な各種のデータから成る描画ユニットと、マップマッチングや経路探索等の各種の処理に必要なデータから成る道路ユニットと、交差点の詳細データから成る交差点ユニットとが含まれている。このうち描画ユニットには、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータとが含まれている。また、交差点ユニットには、図1のように時計の時間表現を用いた交差点拡大図に関するデータが含まれている。
【0018】
また、道路ユニットには、交差点や分岐など、複数の道路が交わる点に対応するノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、道路上のあるノードとこれに隣接する他のノードとの間を接続する、道路や車線等に対応するリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0019】
前者の接続ノードテーブルには、存在するノードのそれぞれ毎に、a.ノードの正規化経度・緯度、b.ノードの属性フラグ、c.接続しているノードの数、d.交通規制の数、e.接続ノードレコード、f.交通規制レコード、g.交差点レコードの格納位置およびサイズ等の情報が含まれている。
【0020】
a.ノードの正規化経度・緯度は、区画を基準とした経度方向・緯度方向の相対位置を示す。例えば、隣接するノードの正規化経度・緯度情報をもとに、そのノード間を接続するリンクの方位を求めることができる。b.ノードの属性フラグは、そのノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグを含んでいる。c.接続しているノードの数は、そのノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に、各リンクの他方端を構成するノードの数を示す。
【0021】
d.交通規制の数は、そのノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合に、その交通規制の数を示す。e.接続ノードレコードは、そのノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を、リンク本数分だけ示す。f.交通規制レコードは、上述した交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す。g.交差点レコードの格納位置およびサイズは、そのノードが交差点ノードである場合に、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズを示す。
【0022】
また、後者のリンクテーブルには、a.第1、第2ノード番号、b.リンクの距離、c.リンクのコスト、d.道路属性フラグ、e.道路種別フラグ等の情報が含まれている。a.第1、第2ノード番号は、リンクの両端に位置する2つのノードを特定する番号を示す。b.リンクの距離は、当該リンクに対応した実際の道路の実距離を示す。
【0023】
c.リンクのコストは、そのリンクを走行する場合の所要時間を道路種別等から計算により求めて、そのリンクの通過に必要な時間を例えば分単位で示したものである。d.道路属性フラグは、そのリンクに関する各種の属性を示す。e.道路種別フラグは、そのリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった種別を示す。
【0024】
12はリモコン、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部であり、ユーザがナビゲーションコントローラ100に対して各種の情報(例えば、誘導経路の目的地)を設定したり、各種の操作(例えば、メニュー選択操作、拡大/縮小操作、手動地図スクロール、数値入力など)を行ったりするためのものである。
【0025】
13は車両の現在位置を測定するための自立航法センサであり、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する距離センサ(車速センサ)13aと、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)13bとを含んでいる。自立航法センサ13は、これらの距離センサ13aおよび角速度センサ13bによって車両の相対位置および方位を検出し、その情報をナビゲーションコントローラ100に出力する。
【0026】
14は車両の現在位置を測定するためのGPS受信機であり、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナ15で受信し、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。そして、これらの計算した車両の絶対位置および方位の情報を、測位時刻と共にナビゲーションコントローラ100に出力する。
【0027】
16はディスプレイ装置であり、ナビゲーションコントローラ100の制御によって生成された画像を表示する。このディスプレイ装置16の画面上には、自車周辺の地図情報が車両位置マーク等と共に表示される。また、この地図上に誘導経路が表示されるとともに、車両の位置が案内交差点近傍に近づいたときに交差点拡大図が表示される。17はスピーカであり、車両の位置が案内交差点近傍に近づいたときに案内音声が出力される。
【0028】
次いで、ナビゲーションコントローラ100の内部構成において、21は地図バッファであり、DVD−ROM11から読み出された地図データを一時的に格納する。22は読出制御部であり、DVD−ROM11からの地図データの読み出しを制御する。
【0029】
この読出制御部22は、後述するマップマッチング制御部25からマップマッチング処理後の車両現在位置情報を入力する。そして、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示をDVD−ROM11に対して出力する。これにより、地図表示に必要な地図データをDVD−ROM11から読み出して、地図バッファ21に格納する。
【0030】
23は車両位置・方位計算部であり、自立航法センサ13から出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。24はデータ記憶部であり、GPS受信機14から出力される自車の絶対的な位置および方位のデータを順次格納する。
【0031】
上述のマップマッチング制御部25は、地図バッファ21に読み出されている地図データと、車両位置・方位計算部23により計算された自立航法センサ13に基づく推定車両位置および車両方位のデータと、データ記憶部24に格納されたGPS受信機14に基づく車両位置および車両方位のデータとを用いて、車両走行距離毎に投影法等によるマップマッチング処理を行って、自車の走行位置を地図データの道路上に位置修正する。
【0032】
26は誘導経路探索部であり、地図バッファ21に格納された地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する。27は誘導経路メモリであり、誘導経路探索部26によって設定された誘導経路のデータ(現在地から目的地までのノードの集合)を記憶する。
【0033】
すなわち、誘導経路探索部26は、操作部12の操作によって経路探索の目的地が設定されると、その目的地データを誘導経路メモリ27に格納する。また、操作部12の操作によって経路探索の指示が出されると、マップマッチング制御部25によって位置修正された後の自車位置を出発地データとして設定して誘導経路メモリ27に格納する。そして、誘導経路メモリ27に格納された出発地および目的地を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索し、その結果を誘導経路メモリ27に更に格納する。
【0034】
28は地図描画制御部であり、地図バッファ21に格納された地図データと、誘導経路メモリ27に格納された誘導経路のデータとに基づいて、ディスプレイ装置16への地図表示に必要な地図画像データを生成する。このとき地図描画制御部28は、マップマッチング処理された後の自車位置に表示する車両位置マークや、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等を表示する各種ランドマーク等も生成する。また、誘導経路に関しては、これを他の道路と異なる所定色で太く強調して描画する。
【0035】
29は距離計算部であり、車両が誘導経路上にあるとき、地図バッファ21に格納されている地図データと、マップマッチング制御部25によりマップマッチング処理された後の車両現在位置情報と、誘導経路メモリ27に格納されている誘導経路のノード列とに基づいて、車両位置から交差点ノードまでの誘導経路に沿った距離を求める。
【0036】
30は道路方位検出部であり、車両が誘導経路上にあるとき、地図バッファ21に格納されている地図データと、マップマッチング制御部25より出力される車両現在位置情報と、誘導経路メモリ27に格納されている誘導経路のノード列とに基づいて、案内交差点に接続する進出道路の方位を検出する。このとき、案内交差点に対する進入道路を6時の方位に設定して、これを基準として進出道路の方位を検出する。
【0037】
ここで、例えば12時半の方角から1時半の方角の間にある道路は全て1時の方角の道路として検出する。同様に、1時半の方角から2時半の方角の間にある道路は全て2時の方角の道路として検出する。その他も同様に、所定時間幅内にある方角の道路をそれぞれ3時〜12時の方角の道路として検出する。
【0038】
31は音声パターンメモリであり、交差点付近において音声案内を行う際に用いる種々の音声パターンに関するデータを記憶している。この音声パターンメモリ31に記憶されている音声パターンには、誘導経路上の進出道路の方角を「この先○時の方角」という時間表現で表す第1の音声パターンと、進出道路の方向を「斜め右方向です」「道なりです」「斜め左方向です」などといった従来方式で表す第2の音声パターンとが含まれている。
【0039】
32は交差点案内制御部であり、距離計算部29により求められた自車位置から交差点までの距離情報に基づいて、自車が誘導経路前方にある案内交差点から所定距離内に接近したと判断したときに、地図バッファ21に格納されている地図データの交差点ユニットや、音声パターンメモリ31に格納されている音声パターンデータを用いて交差点案内を実行する。
【0040】
このとき交差点案内制御部32は、該当する案内交差点の詳細データを地図バッファ21から読み出し、時計表現を用いた交差点拡大図を描画して出力する。また、道路方位検出部30により検出された進出道路の方位に基づいて、音声パターンメモリ31の中から適切な第1の音声パターンと第2の音声パターンとを読み出して出力する。図1に示す音声案内の場合は、「この先1時の方角」という第1の音声パターンと、「斜め右方向です」という第2の音声パターンとを読み出して出力する。
【0041】
33は第1のVRAM(ビデオRAM)であり、地図描画制御部28により生成された地図画像データを一時的に格納する。すなわち、地図描画制御部28によって生成された地図画像データは、第1のVRAM33に一時的に格納され、1画面分ずつ読み出されて出力される。34は第2のVRAMであり、交差点案内制御部32により生成された交差点案内図の画像データを一時的に格納する。
【0042】
35は画像合成部であり、通常時は第1のVRAM33から読み出した地図画像をディスプレイ装置16に出力する。一方、交差点案内制御部32から合成指令を入力したときは、第1のVRAM33から読み出した地図画像に第2のVRAM34から読み出した交差点案内図画像を合成してディスプレイ装置16に出力する。これにより、合成された画像がディスプレイ装置16の画面上に表示される。
【0043】
36は音声合成部であり、交差点案内制御部32から音声出力指令を入力すると、音声パターンメモリ31から読み出された第1の音声パターンと第2の音声パターンとを組み合わせて合成し、「この先1時の方角、斜め右方向です」などの音声信号を発生する。これにより、合成された音声がスピーカ17から出力される。なお、一般的な十字路やT字路においては、「この先右折です」のように第2の音声パターンのみを音声信号に合成する。
【0044】
以上のように構成した本実施形態のナビゲーション装置によって行われる交差点案内の例は図1に示した通りであるが、その他の例を従来例と比較して図3〜図5に示す。図3は、進入道路に対する進出道路と他の道路との角度差が共に少なく、進出道路である本線が分かりにくいY字路を示す。このY字路において、従来は図3(a)のような交差点拡大図が表示され、「この先道なりです」の音声案内がされていたのに対し、本実施形態では図3(b)のような時計表現の交差点拡大図を表示し、「この先1時の方角、道なりです」の音声案内を行う。
【0045】
また、図4は、6差路や7差路などの案内が非常に困難な複雑交差点を示す。この複雑交差点において、従来は図4(a)のような交差点拡大図が表示され、「この斜め右方向です」の音声案内がされていたのに対し、本実施形態では図4(b)のような時計表現の交差点拡大図を表示し、「この先4時の方角、斜め右方向です」の音声案内を行う。
【0046】
また、図5は、複数の道路が互いに直角に交わる十字路を示す。このような一般的な十字路やT字路においては、時間表現をすると逆に分かりづらくなるため、本実施形態においても図5のような従来と同様の交差点拡大図を表示し、「この先右折です」の音声案内を行う。なお、画面表示される交差点拡大図だけは時計表現としても良い。
【0047】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、従来の方式では分かりづらかった交差点情報(案内したい方向)を時計の表現になぞって音声案内するようにしたので、ナビゲーション装置の使用経験の有無を問わず、誰にでも案内方向を簡単にイメージさせることができる。これによりユーザは、画面表示に頼ることなく運転することが可能となる。また、本実施形態では、交差点拡大図の外周に時計の1時から12時までを描画するようにしたので、交差点拡大図上でも案内方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、時計表現の交差点拡大図を地図データ中の交差点ユニットに基づき描画する例について説明したが、これに限定されない。例えば、道路方位検出部30により検出された進出道路の方位(1時から12時の何れかの方位)に応じて、その時間の方向に進出道路を描画したデフォルメの画像を交差点案内制御部32がリアルタイムに生成するようにしても良い。
【0049】
すなわち、交差点ユニットのデータに基づく場合は、例えば進出道路の方位が12時35分の方位にあったとすると、その12時35分の方角に進出道路が描画される。これに対して、12時35分は道路方位検出部30により1時と検出され、その検出された1時の方角に進出道路を描画するようにする。このようにすれば、音声案内と交差点拡大図との時間表現を常に一致させることができ、より分かりやすい交差点案内を提供することができる。
【0050】
また、進出道路だけでなく、案内交差点に接続する他の道路も各時間の方向に合わせて描画するようにしても良い。すなわち、道路方位検出部30において、進出道路の方位だけでなく、案内交差点に接続する各道路の方位を検出する。そして、交差点案内制御部32が各道路の方位に基づいて、進入道路を6時の方向に描画するとともに、他の道路をそれらの方位に応じて各時間の方向に描画したデフォルメの画像を生成する。
【0051】
この場合において、1時から12時までの全方位を12等分したうちの1つの時間幅内に2つの道路が存在するときは、それらは隣接する時間方向の道路に分けて描画する。例えば、12時半の方角から1時半の方角の間に2つの道路がある場合、一方を1時、他方を12時または2時の方角の道路として描画する。
【0052】
その他、以上に説明した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、誘導経路上の案内交差点付近において、車両の進行方向を時計の表現になぞって音声案内するようにしたので、誰もが熟知している時計の配置に従って進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。これによりユーザは、表示画面を見なくても進行方向を直感的に把握することが可能となり、画面表示に頼ることなく運転することができる。
【0054】
本発明の他の態様では、交差点拡大図の外周にも時計の1時から12時までを描画するようにしたので、音声案内と合わせて交差点拡大図も時計をイメージした形で進行方向をユーザに簡単にイメージさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による交差点案内の例を示す図である。
【図2】本実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による交差点案内の例を従来例と比較して示す図である。
【図4】本実施形態による交差点案内の例を従来例と比較して示す図である。
【図5】本実施形態による交差点案内の例を示す図である。
【図6】従来の交差点案内の例を示す図である。
【符号の説明】
21 地図バッファ
26 誘導経路探索部
27 誘導経路メモリ
28 地図描画制御部
29 距離計算部
30 道路方位検出部
31 音声パターンメモリ
32 交差点案内制御部
33 第1のVRAM
34 第2のVRAM
35 画像合成部
36 音声合成部
Claims (6)
- 車両位置が誘導経路上の案内交差点に一定距離内に近づいたときに交差点案内を行うように成されたナビゲーション装置であって、
上記案内交差点における進行方向を時計の時間を用いた表現に従って案内するための音声パターンを記憶する案内音声記憶手段と、
上記案内交差点に対する進入道路の方位を6時の方向として、進出道路の方位に対応する時間の音声パターンを上記案内音声記憶手段から読み出して出力する案内音声出力手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。 - 円周を12分割した各頂点位置に時計の1時から12時までを描画した交差点拡大図を画面表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
- 上記表示制御手段は、上記案内交差点に対する進入道路を6時の方向に描画するとともに、上記案内交差点に接続する他の道路を、それらの方位に応じて各時間の方向に描画することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
- 車両位置が誘導経路上の案内交差点に一定距離内に近づいたときに交差点案内を行うための方法であって、
上記案内交差点に対する進入道路の方位を6時の方向として、進出道路が何時の方位に当たるかを検出するステップと、
上記進出道路の方位に該当する時間の表現を用いた音声パターンに従って上記案内交差点の進行方向を音声案内するステップとを有することを特徴とする交差点案内方法。 - 円周を12分割した各頂点位置に時計の1時から12時までを描画した交差点拡大図を画面表示するステップを有することを特徴とする請求項4に記載の交差点案内方法。
- 上記案内交差点に対する進入道路を6時の方向に描画するとともに、上記案内交差点に接続する他の道路を、それらの方位に応じて各時間の方向に描画することを特徴とする請求項5に記載の交差点案内方法。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111102990A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-05 | 大众问问(北京)信息科技有限公司 | 一种位置确定方法、装置及设备 |
WO2020255712A1 (ja) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 株式会社キャストアクシス | ナビゲーション装置 |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003046743A patent/JP2004257778A/ja active Pending
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WO2020255712A1 (ja) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 株式会社キャストアクシス | ナビゲーション装置 |
CN111102990A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-05 | 大众问问(北京)信息科技有限公司 | 一种位置确定方法、装置及设备 |
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