JP2004257739A - 回転方向判定装置及び方法とそれを用いたオーディオシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】回転操作時にスイッチ特性により発生する不規則なパルス出力、特に片方のパルス出力しか変化しない場合でも正しくその回転方向を判定する。
【解決手段】1対のパルス出力を所定周期でレベルを検出し、その検出結果に基づきチャタリングを除去した信号を生成すると共に前記チャタリング除去後の信号の立上りエッジ及び立下がりエッジに対応したトリガ信号を生成し、その一方のトリガ信号を基にもう一方のパルス出力の、前記チャタリング除去後の信号レベルを検出する。これを両方のパルス出力に対して行い、それらの検出パターンから回転方向を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】1対のパルス出力を所定周期でレベルを検出し、その検出結果に基づきチャタリングを除去した信号を生成すると共に前記チャタリング除去後の信号の立上りエッジ及び立下がりエッジに対応したトリガ信号を生成し、その一方のトリガ信号を基にもう一方のパルス出力の、前記チャタリング除去後の信号レベルを検出する。これを両方のパルス出力に対して行い、それらの検出パターンから回転方向を判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロータリエンコーダ等より出力される位相の異なる1対のパルス出力パターンからその回転方向を判定する装置並びに方法と、その判定装置を用いたカーオーディオシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−156604
音響機器の音量を設定する部品として、回転操作に応じて位相の異なる一対のパルスを出力するロータリエンコーダが知られている。
【0003】
このロータリエンコーダが、例えば車載用音響機器に搭載されている場合、ユーザーが道路条件の悪い場所や振動の発生しやすい条件下にある場所を運転中に、このロータリエンコーダを操作した時、振動により長い間チャタリングの発生する可能性がある。
このチャタリングの影響により、例えば音量を変化させようとした時に、ユーザーの思惑と違う変化が発生する可能性がある。
そこで、ロータリエンコーダを使った装置では、従来、図6に示すようにロータリエンコーダより出力される位相の異なるパルス(M及びN)の信号レベルを、マイクロプロセッサにより定期的に(例えば1ms毎)確認して2回連続で同じレベルが確認された時にそのレベルを正しいレベルとして判定していた。
そしてそれらの確定したM、Nの信号レベルを予め設定されているパターンと照合し、例えば図7の(a)又は(b)のパターンのときは右回転、図7の(c)又は(d)のパターンの時は左回転というようにして回転方向を判定していた。
【0004】
しかしながらこの方式は次のような問題がある。
即ち上記の判定方式は2つの位相の異なるパルスのレベル変化を検出して回転方向を判定するものであり、例えば低レベル(L)から高レベル(H)に変化するのに、N信号よりM信号が先に高レベルになれば右回転、M信号よりN信号が先に高レベルに変化すれば左回転と判定している。従ってN信号とM信号の2つの信号のレベルが変化するまでは回転方向の判定ができない。
【0005】
ところが、例えば図8のように右回転(1)を行い、次に左回転を1クリック行ったにもかかわらずM信号だけが変化し、N信号が変化しなかった場合には回転方向を判定することはできない。即ち図8の左回転時に示した信号の変化のパターンは図7の(a)〜(d)の何れにも該当しないからである。
【0006】
こうした問題点を解消するため本発明者は先に特開2001−156604(特許文献1)に示す方式を提案した。この方式は、図9に示すように、一対のパルスM、Nをそれぞれシフトレジスタ(図示せず)に入力し、このレジスタの各段の出力を組み合わせることでチャタリングを除去した後、信号C´を生成すると共にトリガ生成部でエッジ信号F、Lの出力パターンと上記信号C´と基づいてロータリエンコーダの回転方向を判定するものである。例えば信号F、L、C´が図10の(a)又は(b)のときは右回転、信号F、L、C´が図10の(c)又は(d)のときは左回転と判定される。
しかしながら特許文献1に示す判定方式でも例えば図8の右回転(2)を行った後、更に右回転(3)を行い、1クリック変化されたつもりであったがN信号のみが変化し、M信号が変化しなかった場合には回転方向の判定ができない。
【0007】
即ち図9に示す方式は、M信号の立上り及び立下りを検出してF信号及びL信号を得ると共に、その立上りのタイミング(F信号)でC´信号が高レベル(H)か低レベル(L)であるか、及び立下りのタイミング(L信号)でC´信号が高レベル(H)か低レベル(L)であるかによって回転方向を判定するものであるから必ずM信号が変化しなければ回転方向が判定できない。ところが図8の右回転(2)から右回転(3)のように変化することがあり、右回転(3)ではM信号が変化しないため回転方向の判定ができないのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ロータリエンコーダのスイッチの特性上1クリック分回転させたつもりでもM、Nどちらかの信号が変化しない場合やどちらかの信号が2回変化してしまったりする場合があり、そうした場合には従来の方式は回転方向を正しく検出できないという問題点があった。
本発明は、上述のようなロータリエンコーダの内部のスイッチ特性により起因する問題点を解消し、回転方向を正しく判定する装置ならびにその方法を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明にかかる回転方向判定装置は、回転操作に応じて出力される位相の異なる1対のパルスをそれぞれ取り込み、所定の周期でそのレベルを検出する第1のレベル検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て所定のレベル以上になった場合にハイレベルを出力し、全て0となった場合にローレベルを出力する立上りエッジ検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て0となった場合にハイレベルを出力し、全て所定レベル以上になった場合にローレベルを出力する立下りエッジ検出手段、前記立上り及び立下りエッジ検出手段からの出力の立上りエッジに対応して所定幅のパルス信号を出力する立上りエッジトリガ信号生成手段と立下りエッジトリガ信号生成手段、1対のパルスのうち一方のパルス出力に対する前記立上りエッジトリガ信号生成手段及び立下りエッジトリガ信号生成手段により生成される所定幅のパルス信号によりもう一方のパルス出力に対する前記立上りエッジ検出手段の出力レベルを検出する第2のレベル検出手段、及び前記第2のレベル検出手段にて相互に行ったレベル検出結果に基づき回転方向を判定する判定手段を備えたことに一つの特徴を有する。
表現を変えると、本発明の特徴は、回転操作に応じて出力される位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNの出力パターンに基づいて回転方向を判定する回転方向判定装置が、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成されていることにある。
【0010】
本発明の他の特徴は、上記判定手段が、第1のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第2のパルスNの出力レベルを判定すると共に第2のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第1のパルスMの出力レベルを判定し、上記出力レベルの組み合わせパターンから回転方向を判定するように構成したことにある。
【0011】
本発明の他の特徴は、上記第1及び第2のエッジ検出手段がその入力段にn段のシフトレジスタを有し、該シフトレジスタの各段の出力の論理積及び論理和出力よりエッジを検出することにより第1及び第2パルスM、Nに含まれるチャタリングを除去するように構成したことにある。
【0012】
さらに本発明の他の特徴は、回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダ手段と、オーディオ信号が供給され、制御信号に応じて音量を制御する電子ボリュームICと、該電子ボリュームICを制御するマイコンと、上記ロータリエンコーダの出力パルスから音量制御信号を生成し、上記マイコンを介して上記電子ボリュームICを制御する回転方向判定装置とを有するオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定装置は、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成したことにある。
【0013】
さらに本発明の他の特徴は、回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダと、該ロータリエンコーダからのパルス信号M、Nを取り込み、その回転方向を判定する回転方向判定装置がロジック回路として組み込まれているASICユニットと、チューナ、CD等のオーディオ信号のレベルを調整するためのCODEC回路を備え、上記ASICユニットの上記回転方向判定装置の出力信号を上記CODEC回路に加えてオーディオ信号のレベル調整を行うようにしたオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定手段は上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成したことにある。
本発明の他の特徴及び利点は以下の説明よりさらに明瞭に理解することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明にかかる回転方向判定装置は、図1に示すように、クロック生成部10、エッジ検出回路部11、12、エッジ信号のトリガー生成部13、14及び回転方向判定部15より構成される。
エッジ信号検出部11、12には、ロータリエンコーダ(図示せず)の一対のパルス信号であるM、Nの信号が入力されるが、この入力信号には、一般的にチャタリングによるノイズが含まれている。
このロータリエンコーダには種々の形式のものが使用され、使用するロータリエンコーダによっては、チャタリングの発生の時間が異なる。そのため、その仕様に合わせたクロックパルスを生成する必要がある。このクロックパルスは、クロック生成部10で生成され、カウンタ20を使用して何種類かのクロックP、Q、Rが生成される。生成されたクロックは選択部21に印加され、その一つが選択される。この図では選択されたクロックがSで表示されている。
エッジ信号検出部11、12は、信号M、Nが入力される一対のシフトレジスタ22、40を備えている。
シフトレジスタ22は信号Mを6段シフトし、図2に示すよう1クロック周期ずつ遅延した信号M1〜M6を発生する。そして2段目から6段目の出力信号M2〜M6が、ANDゲート23、ORゲート24、NANDゲート25、NORゲート26に加えられる。各ゲート23、24、25、26からは図2のA、B、G、Hに示す出力信号を発生する。
【0015】
信号AとBとはエッジ信号生成部27に加えられ、図2のCに示す信号が生成され、信号GとHとはエッジ信号生成部28に加えられ、図2のIに示す信号が生成される。
【0016】
一方、シフトレジスタ40は信号Nを6段シフトし、図3に示す信号N1〜N6を発生する。そして2段目から6段目の信号N2〜N6がANDゲート41、ORゲート42、NANDゲート43、NORゲート44に加えられる。各ゲート41、42、43、44からは図3のA´、B´、G´、H´に示す出力信号を発生する。
信号A´とB´とはエッジ信号生成部45に加えられ、図2のC´に示す信号が生成され、信号G´とH´とはエッジ信号生成部46に加えられ、図2のI´に示す信号が生成される。
【0017】
エッジ検出回路11と12の動作は同じなので代表して11の回路で動作を説明する。
このエッジ検出回路11は、パルス信号Mのチャタリング除去後の、立上りと立下りのエッジ部でレベルが変化するパルス信号を生成するための回路であるが、そのためにまずパルス信号Mに含まれるチャタリングを除去する処理を行う。このためチャタリングの最大長をLchとすると、このチャタリングの最大長に合わせて動作クロックの周波数CLK(S)とシフトレジスタ22の段数Nを選定する。
つまり、Lch<CLK(S)*Nの関係が成立するように各値を設定する。本実施例ではチャタリングの長さを最大2msと想定し、さらにCLK(S)として周期556μsのクロックを使ったので、シフトレジスタの段数を6段に設定している。
【0018】
次にシフトレジスタ22の2段目から6段目までの出力信号(M2〜M6)のAND論理出力Aは、信号M2〜M6の全てが高レベル(H)にある信号であり、OR論理出力Bは信号M2〜M6の何れかが高レベル(H)にある信号である。
【0019】
エッジ信号生成部27は上記信号A及びBが共に高レベル(H)のときにクロックSに同期して高レベルになり、信号A、Bが共に低レベル(L)のときにクロックSに同期して低レベルになる信号Cを生成する。
【0020】
エッジ信号生成部28は逆に信号G及びHが共に低レベル(L)のときにクロックSに同期して低レベル(L)になり、信号G、Hが共に高レベルのときにクロックSに同期して高レベルになる信号Iを生成する。このようにして処理された信号C及びIは信号Mのチャタリングが除去された信号となる。
【0021】
同様にして図3に示すエッジ検出回路12の出力信号C´及びI´はパルス信号Nに含まれるチャタリングが除去された信号となる。
【0022】
上記のエッジ検出回路11及び12の出力はそれぞれエッジのトリガー信号生成部13及び14に加えられる。トリガー信号生成部13はフリップフロップ29、31及び各出力D、EのAND論理をとるAND回路33と、フリップフロップ30、32及び各出力J、KのAND論理をとるAND回路34を有する。同様にトリガー信号生成部14はフリップフロップ47、49及び各出力D´、F´のAND論理をとるAND回路51と、フリップフロップ48、50及び各出力J´、K´のAND論理をとるAND回路52を有する。
【0023】
エッジトリガー信号生成部13及び14の動作は同じなので代表して13の動作について説明する。まず前記エッジ信号生成部27の出力信号Cはフリップフロップ29に印加され、クロックSに同期してラッチされるので図2のDで示す信号が生成される。更にこの信号Dが次段のフリップフロップ31に印加され、クロックSに同期してラッチされこれが反転されて図2のEに示す信号が生成される。上記信号DとEとのAND論理をとることにより図2のFで示される信号が作られる。
【0024】
同様にフリップフロップ30により図2の信号Jが生成され、フリップフロップ32により図2のKで示される信号が生成され、信号JとKとのAND論理をとることにより図2のLで示される信号が生成される。
【0025】
上記の信号F、Lはエッジ信号C、Iの立上りから1クロック分遅れて発生するトリガーパルスであり、回転方向判定回路15に印加されて、このトリガーパルスのタイミングに前記信号C´が高レベル(H)にあるか、あるいは低レベル(L)にあるかにより回転方向の判定が行われる。
【0026】
同様に、図3に示すようにエッジ信号検出回路12の出力信号C´、I´からトリガーパルスF´、L´が生成される。このトリガーパルスF´、L´は、そのタイミングに前記信号Cが高レベル(H)にあるかあるいは低レベル(L)にあるかにより回転方向の判定が行われる。
【0027】
図4は回転方向判定部15に用意された回転方向の判定表の説明図である。信号Fが高レベル(H)のとき信号C´が低レベル(L)であるか、信号Lが高レベル(H)のとき信号C´が高レベル(H)であれば右回転と判定される。又、信号F´が高レベル(H)のとき信号Cか高レベル(H)にあるか、あるいは信号L´が高レベル(H)のとき信号Cが低レベル(L)のときも右回転と判定される。即ち、パルス信号M及びNの一方のエッジのみしか検出できなかった場合も回転方向の判定ができるようになる。
【0028】
図5は図8のようにロータリエンコーダのスイッチを回転させた場合でも回転方向の判定が可能になることを示す説明図である。
【0029】
例えば右回転(1)から左回転を行い、パルスMのレベルだけが変化し、パルスNのレベルは変わらなかった場合でも、F=H、C´=Hの表から左回転を認識することができる。また右回転(2)から左回転(3)を行い、パルスNのレベルしか変化しなかった場合でもF=H、C´=Hの表から右回転(3)を認識することが可能になる。
【0030】
次に本発明にかかる回転方向判定装置を用いたオーディオ機器について図11を参考して説明する。
図11において100は本発明にかかる回転方向判定装置であり、図示しないロータリエンコーダからのパルス信号M及びNが印加される。この回転方向判定装置100はASICまたはロジック回路で構成され、前述のようにクロック生成部10、エッジ検出部11、エッジトリガー信号生成部12及び回転方向判定部13より構成されている。回転方向判定部13はマイコン101に加えられて制御信号が生成される。
【0031】
電子ボリュームICには端子103からオーディオ信号が加えられ、マイコン101により生成される制御信号に応じて音量が制御され、その出力が端子104に導かれるように構成されている。
【0032】
図12には本発明にかかる回転方向判定装置を特開平11−273321号に記載されたカーオーディオシステムに適用した例を示す。同図において150はCPUモジュール、120はサポートモジュール、130は外部ユニット、140はオプションユニットである。
【0033】
位相の異なる1対のパルスM、Nを生成するロータリエンコーダはフェースプレートユニット131に設けられている。このユニット131からのパルスはASIC127に加えられる。このASIC127には前述の本発明にかかる回転方向判定装置100がロジック回路として組み込まれている。フェースプレートユニット131から加えられたパルスM、Nは上記ASIC127の回転方向判定装置100により音量制御信号に変換され、CODEC回路126に送られる。このCODEC回路126はA/D変換器とD/A変換器が一体に構成されたものでアッテネータも内蔵されている。
【0034】
上記CODEC回路126には、例えばチューナ132から音声信号が加えられており、この信号は前述の音量制御信号に基づき、CODEC回路126内部のアッテネータによりレベルを調整された後アンプ133に出力される。
【0035】
またCDのオーディオ信号はCD−ROMユニット124からパラレル/PCIドライバ123を介してサポートASIC回路127に加えられ、上記と同様にCODEC回路126で音量制御信号に基づきレベルを調整される。CD−ROMオートチェンジャ141からの信号は、シリアル/PCIドライバ125を介してASIC127に印加される。尚メモリ121及びDSP122はASIC127の演算に適宜用いられる。また、システム全体の制御はCPU151により行われる。
このように本発明にかかる回転方向判定装置は多くの用途に適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように本発明にかかる回転方向判定装置及び回転方向判定方法によれば、ロータリエンコーダ等より出力される一対のパルスの立上り及び立下りのエッジからトリガー信号を生成し、一方のパルスのトリガー信号のタイミングで他方のパルスのレベルを調べることを相互に行い、一方のトリガー信号のレベルと他方のパルスのレベルとの対応表からロータリエンコーダの回転方向を判定するようにしたので、回転操作時に一対のパルスの一方しかレベルが変化しないような場合であっても確実に回転方向を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の判定装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の判定装置の内部動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の判定装置の内部動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の判定方式を説明するための図である。
【図5】本発明の判定方式の効果を示す図である。
【図6】従来の回転方向判定方式を説明するための図である。
【図7】従来の回転方向判定方式を説明するための図である。
【図8】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図9】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図10】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図11】本発明にかかる回転方向判定装置を用いた音響機器の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明にかかる回転方向判定装置を用いたオーディオシステムの一例を示すブロック図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はロータリエンコーダ等より出力される位相の異なる1対のパルス出力パターンからその回転方向を判定する装置並びに方法と、その判定装置を用いたカーオーディオシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−156604
音響機器の音量を設定する部品として、回転操作に応じて位相の異なる一対のパルスを出力するロータリエンコーダが知られている。
【0003】
このロータリエンコーダが、例えば車載用音響機器に搭載されている場合、ユーザーが道路条件の悪い場所や振動の発生しやすい条件下にある場所を運転中に、このロータリエンコーダを操作した時、振動により長い間チャタリングの発生する可能性がある。
このチャタリングの影響により、例えば音量を変化させようとした時に、ユーザーの思惑と違う変化が発生する可能性がある。
そこで、ロータリエンコーダを使った装置では、従来、図6に示すようにロータリエンコーダより出力される位相の異なるパルス(M及びN)の信号レベルを、マイクロプロセッサにより定期的に(例えば1ms毎)確認して2回連続で同じレベルが確認された時にそのレベルを正しいレベルとして判定していた。
そしてそれらの確定したM、Nの信号レベルを予め設定されているパターンと照合し、例えば図7の(a)又は(b)のパターンのときは右回転、図7の(c)又は(d)のパターンの時は左回転というようにして回転方向を判定していた。
【0004】
しかしながらこの方式は次のような問題がある。
即ち上記の判定方式は2つの位相の異なるパルスのレベル変化を検出して回転方向を判定するものであり、例えば低レベル(L)から高レベル(H)に変化するのに、N信号よりM信号が先に高レベルになれば右回転、M信号よりN信号が先に高レベルに変化すれば左回転と判定している。従ってN信号とM信号の2つの信号のレベルが変化するまでは回転方向の判定ができない。
【0005】
ところが、例えば図8のように右回転(1)を行い、次に左回転を1クリック行ったにもかかわらずM信号だけが変化し、N信号が変化しなかった場合には回転方向を判定することはできない。即ち図8の左回転時に示した信号の変化のパターンは図7の(a)〜(d)の何れにも該当しないからである。
【0006】
こうした問題点を解消するため本発明者は先に特開2001−156604(特許文献1)に示す方式を提案した。この方式は、図9に示すように、一対のパルスM、Nをそれぞれシフトレジスタ(図示せず)に入力し、このレジスタの各段の出力を組み合わせることでチャタリングを除去した後、信号C´を生成すると共にトリガ生成部でエッジ信号F、Lの出力パターンと上記信号C´と基づいてロータリエンコーダの回転方向を判定するものである。例えば信号F、L、C´が図10の(a)又は(b)のときは右回転、信号F、L、C´が図10の(c)又は(d)のときは左回転と判定される。
しかしながら特許文献1に示す判定方式でも例えば図8の右回転(2)を行った後、更に右回転(3)を行い、1クリック変化されたつもりであったがN信号のみが変化し、M信号が変化しなかった場合には回転方向の判定ができない。
【0007】
即ち図9に示す方式は、M信号の立上り及び立下りを検出してF信号及びL信号を得ると共に、その立上りのタイミング(F信号)でC´信号が高レベル(H)か低レベル(L)であるか、及び立下りのタイミング(L信号)でC´信号が高レベル(H)か低レベル(L)であるかによって回転方向を判定するものであるから必ずM信号が変化しなければ回転方向が判定できない。ところが図8の右回転(2)から右回転(3)のように変化することがあり、右回転(3)ではM信号が変化しないため回転方向の判定ができないのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ロータリエンコーダのスイッチの特性上1クリック分回転させたつもりでもM、Nどちらかの信号が変化しない場合やどちらかの信号が2回変化してしまったりする場合があり、そうした場合には従来の方式は回転方向を正しく検出できないという問題点があった。
本発明は、上述のようなロータリエンコーダの内部のスイッチ特性により起因する問題点を解消し、回転方向を正しく判定する装置ならびにその方法を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明にかかる回転方向判定装置は、回転操作に応じて出力される位相の異なる1対のパルスをそれぞれ取り込み、所定の周期でそのレベルを検出する第1のレベル検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て所定のレベル以上になった場合にハイレベルを出力し、全て0となった場合にローレベルを出力する立上りエッジ検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て0となった場合にハイレベルを出力し、全て所定レベル以上になった場合にローレベルを出力する立下りエッジ検出手段、前記立上り及び立下りエッジ検出手段からの出力の立上りエッジに対応して所定幅のパルス信号を出力する立上りエッジトリガ信号生成手段と立下りエッジトリガ信号生成手段、1対のパルスのうち一方のパルス出力に対する前記立上りエッジトリガ信号生成手段及び立下りエッジトリガ信号生成手段により生成される所定幅のパルス信号によりもう一方のパルス出力に対する前記立上りエッジ検出手段の出力レベルを検出する第2のレベル検出手段、及び前記第2のレベル検出手段にて相互に行ったレベル検出結果に基づき回転方向を判定する判定手段を備えたことに一つの特徴を有する。
表現を変えると、本発明の特徴は、回転操作に応じて出力される位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNの出力パターンに基づいて回転方向を判定する回転方向判定装置が、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成されていることにある。
【0010】
本発明の他の特徴は、上記判定手段が、第1のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第2のパルスNの出力レベルを判定すると共に第2のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第1のパルスMの出力レベルを判定し、上記出力レベルの組み合わせパターンから回転方向を判定するように構成したことにある。
【0011】
本発明の他の特徴は、上記第1及び第2のエッジ検出手段がその入力段にn段のシフトレジスタを有し、該シフトレジスタの各段の出力の論理積及び論理和出力よりエッジを検出することにより第1及び第2パルスM、Nに含まれるチャタリングを除去するように構成したことにある。
【0012】
さらに本発明の他の特徴は、回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダ手段と、オーディオ信号が供給され、制御信号に応じて音量を制御する電子ボリュームICと、該電子ボリュームICを制御するマイコンと、上記ロータリエンコーダの出力パルスから音量制御信号を生成し、上記マイコンを介して上記電子ボリュームICを制御する回転方向判定装置とを有するオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定装置は、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成したことにある。
【0013】
さらに本発明の他の特徴は、回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダと、該ロータリエンコーダからのパルス信号M、Nを取り込み、その回転方向を判定する回転方向判定装置がロジック回路として組み込まれているASICユニットと、チューナ、CD等のオーディオ信号のレベルを調整するためのCODEC回路を備え、上記ASICユニットの上記回転方向判定装置の出力信号を上記CODEC回路に加えてオーディオ信号のレベル調整を行うようにしたオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定手段は上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とより構成したことにある。
本発明の他の特徴及び利点は以下の説明よりさらに明瞭に理解することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明にかかる回転方向判定装置は、図1に示すように、クロック生成部10、エッジ検出回路部11、12、エッジ信号のトリガー生成部13、14及び回転方向判定部15より構成される。
エッジ信号検出部11、12には、ロータリエンコーダ(図示せず)の一対のパルス信号であるM、Nの信号が入力されるが、この入力信号には、一般的にチャタリングによるノイズが含まれている。
このロータリエンコーダには種々の形式のものが使用され、使用するロータリエンコーダによっては、チャタリングの発生の時間が異なる。そのため、その仕様に合わせたクロックパルスを生成する必要がある。このクロックパルスは、クロック生成部10で生成され、カウンタ20を使用して何種類かのクロックP、Q、Rが生成される。生成されたクロックは選択部21に印加され、その一つが選択される。この図では選択されたクロックがSで表示されている。
エッジ信号検出部11、12は、信号M、Nが入力される一対のシフトレジスタ22、40を備えている。
シフトレジスタ22は信号Mを6段シフトし、図2に示すよう1クロック周期ずつ遅延した信号M1〜M6を発生する。そして2段目から6段目の出力信号M2〜M6が、ANDゲート23、ORゲート24、NANDゲート25、NORゲート26に加えられる。各ゲート23、24、25、26からは図2のA、B、G、Hに示す出力信号を発生する。
【0015】
信号AとBとはエッジ信号生成部27に加えられ、図2のCに示す信号が生成され、信号GとHとはエッジ信号生成部28に加えられ、図2のIに示す信号が生成される。
【0016】
一方、シフトレジスタ40は信号Nを6段シフトし、図3に示す信号N1〜N6を発生する。そして2段目から6段目の信号N2〜N6がANDゲート41、ORゲート42、NANDゲート43、NORゲート44に加えられる。各ゲート41、42、43、44からは図3のA´、B´、G´、H´に示す出力信号を発生する。
信号A´とB´とはエッジ信号生成部45に加えられ、図2のC´に示す信号が生成され、信号G´とH´とはエッジ信号生成部46に加えられ、図2のI´に示す信号が生成される。
【0017】
エッジ検出回路11と12の動作は同じなので代表して11の回路で動作を説明する。
このエッジ検出回路11は、パルス信号Mのチャタリング除去後の、立上りと立下りのエッジ部でレベルが変化するパルス信号を生成するための回路であるが、そのためにまずパルス信号Mに含まれるチャタリングを除去する処理を行う。このためチャタリングの最大長をLchとすると、このチャタリングの最大長に合わせて動作クロックの周波数CLK(S)とシフトレジスタ22の段数Nを選定する。
つまり、Lch<CLK(S)*Nの関係が成立するように各値を設定する。本実施例ではチャタリングの長さを最大2msと想定し、さらにCLK(S)として周期556μsのクロックを使ったので、シフトレジスタの段数を6段に設定している。
【0018】
次にシフトレジスタ22の2段目から6段目までの出力信号(M2〜M6)のAND論理出力Aは、信号M2〜M6の全てが高レベル(H)にある信号であり、OR論理出力Bは信号M2〜M6の何れかが高レベル(H)にある信号である。
【0019】
エッジ信号生成部27は上記信号A及びBが共に高レベル(H)のときにクロックSに同期して高レベルになり、信号A、Bが共に低レベル(L)のときにクロックSに同期して低レベルになる信号Cを生成する。
【0020】
エッジ信号生成部28は逆に信号G及びHが共に低レベル(L)のときにクロックSに同期して低レベル(L)になり、信号G、Hが共に高レベルのときにクロックSに同期して高レベルになる信号Iを生成する。このようにして処理された信号C及びIは信号Mのチャタリングが除去された信号となる。
【0021】
同様にして図3に示すエッジ検出回路12の出力信号C´及びI´はパルス信号Nに含まれるチャタリングが除去された信号となる。
【0022】
上記のエッジ検出回路11及び12の出力はそれぞれエッジのトリガー信号生成部13及び14に加えられる。トリガー信号生成部13はフリップフロップ29、31及び各出力D、EのAND論理をとるAND回路33と、フリップフロップ30、32及び各出力J、KのAND論理をとるAND回路34を有する。同様にトリガー信号生成部14はフリップフロップ47、49及び各出力D´、F´のAND論理をとるAND回路51と、フリップフロップ48、50及び各出力J´、K´のAND論理をとるAND回路52を有する。
【0023】
エッジトリガー信号生成部13及び14の動作は同じなので代表して13の動作について説明する。まず前記エッジ信号生成部27の出力信号Cはフリップフロップ29に印加され、クロックSに同期してラッチされるので図2のDで示す信号が生成される。更にこの信号Dが次段のフリップフロップ31に印加され、クロックSに同期してラッチされこれが反転されて図2のEに示す信号が生成される。上記信号DとEとのAND論理をとることにより図2のFで示される信号が作られる。
【0024】
同様にフリップフロップ30により図2の信号Jが生成され、フリップフロップ32により図2のKで示される信号が生成され、信号JとKとのAND論理をとることにより図2のLで示される信号が生成される。
【0025】
上記の信号F、Lはエッジ信号C、Iの立上りから1クロック分遅れて発生するトリガーパルスであり、回転方向判定回路15に印加されて、このトリガーパルスのタイミングに前記信号C´が高レベル(H)にあるか、あるいは低レベル(L)にあるかにより回転方向の判定が行われる。
【0026】
同様に、図3に示すようにエッジ信号検出回路12の出力信号C´、I´からトリガーパルスF´、L´が生成される。このトリガーパルスF´、L´は、そのタイミングに前記信号Cが高レベル(H)にあるかあるいは低レベル(L)にあるかにより回転方向の判定が行われる。
【0027】
図4は回転方向判定部15に用意された回転方向の判定表の説明図である。信号Fが高レベル(H)のとき信号C´が低レベル(L)であるか、信号Lが高レベル(H)のとき信号C´が高レベル(H)であれば右回転と判定される。又、信号F´が高レベル(H)のとき信号Cか高レベル(H)にあるか、あるいは信号L´が高レベル(H)のとき信号Cが低レベル(L)のときも右回転と判定される。即ち、パルス信号M及びNの一方のエッジのみしか検出できなかった場合も回転方向の判定ができるようになる。
【0028】
図5は図8のようにロータリエンコーダのスイッチを回転させた場合でも回転方向の判定が可能になることを示す説明図である。
【0029】
例えば右回転(1)から左回転を行い、パルスMのレベルだけが変化し、パルスNのレベルは変わらなかった場合でも、F=H、C´=Hの表から左回転を認識することができる。また右回転(2)から左回転(3)を行い、パルスNのレベルしか変化しなかった場合でもF=H、C´=Hの表から右回転(3)を認識することが可能になる。
【0030】
次に本発明にかかる回転方向判定装置を用いたオーディオ機器について図11を参考して説明する。
図11において100は本発明にかかる回転方向判定装置であり、図示しないロータリエンコーダからのパルス信号M及びNが印加される。この回転方向判定装置100はASICまたはロジック回路で構成され、前述のようにクロック生成部10、エッジ検出部11、エッジトリガー信号生成部12及び回転方向判定部13より構成されている。回転方向判定部13はマイコン101に加えられて制御信号が生成される。
【0031】
電子ボリュームICには端子103からオーディオ信号が加えられ、マイコン101により生成される制御信号に応じて音量が制御され、その出力が端子104に導かれるように構成されている。
【0032】
図12には本発明にかかる回転方向判定装置を特開平11−273321号に記載されたカーオーディオシステムに適用した例を示す。同図において150はCPUモジュール、120はサポートモジュール、130は外部ユニット、140はオプションユニットである。
【0033】
位相の異なる1対のパルスM、Nを生成するロータリエンコーダはフェースプレートユニット131に設けられている。このユニット131からのパルスはASIC127に加えられる。このASIC127には前述の本発明にかかる回転方向判定装置100がロジック回路として組み込まれている。フェースプレートユニット131から加えられたパルスM、Nは上記ASIC127の回転方向判定装置100により音量制御信号に変換され、CODEC回路126に送られる。このCODEC回路126はA/D変換器とD/A変換器が一体に構成されたものでアッテネータも内蔵されている。
【0034】
上記CODEC回路126には、例えばチューナ132から音声信号が加えられており、この信号は前述の音量制御信号に基づき、CODEC回路126内部のアッテネータによりレベルを調整された後アンプ133に出力される。
【0035】
またCDのオーディオ信号はCD−ROMユニット124からパラレル/PCIドライバ123を介してサポートASIC回路127に加えられ、上記と同様にCODEC回路126で音量制御信号に基づきレベルを調整される。CD−ROMオートチェンジャ141からの信号は、シリアル/PCIドライバ125を介してASIC127に印加される。尚メモリ121及びDSP122はASIC127の演算に適宜用いられる。また、システム全体の制御はCPU151により行われる。
このように本発明にかかる回転方向判定装置は多くの用途に適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように本発明にかかる回転方向判定装置及び回転方向判定方法によれば、ロータリエンコーダ等より出力される一対のパルスの立上り及び立下りのエッジからトリガー信号を生成し、一方のパルスのトリガー信号のタイミングで他方のパルスのレベルを調べることを相互に行い、一方のトリガー信号のレベルと他方のパルスのレベルとの対応表からロータリエンコーダの回転方向を判定するようにしたので、回転操作時に一対のパルスの一方しかレベルが変化しないような場合であっても確実に回転方向を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の判定装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の判定装置の内部動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の判定装置の内部動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の判定方式を説明するための図である。
【図5】本発明の判定方式の効果を示す図である。
【図6】従来の回転方向判定方式を説明するための図である。
【図7】従来の回転方向判定方式を説明するための図である。
【図8】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図9】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図10】従来の回転方向判定方式の問題点を示す説明図である。
【図11】本発明にかかる回転方向判定装置を用いた音響機器の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明にかかる回転方向判定装置を用いたオーディオシステムの一例を示すブロック図である。
Claims (8)
- 回転操作に応じて出力される位相の異なる1対のパルスの出力パターンに基づいて回転方向を判定する回転方向判定装置であって、前記1対のパルス出力をそれぞれ取り込み、所定の周期でそのレベルを検出する第1のレベル検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て所定のレベル以上になった場合にハイレベルを出力し、全て0となった場合にローレベルを出力する立上りエッジ検出手段、前記レベル検出手段により検出されたレベルが全て0となった場合にハイレベルを出力し、全て所定レベル以上になった場合にローレベルを出力する立下りエッジ検出手段、前記立上り及び立下りエッジ検出手段からの出力の立上りエッジに対応して所定幅のパルス信号を出力する立上りエッジトリガ信号生成手段と立下りエッジトリガ信号生成手段、1対のパルスのうち一方のパルス出力に対する前記立上りエッジトリガ信号生成手段及び立下りエッジトリガ信号生成手段により生成される所定幅のパルス信号によりもう一方のパルス出力に対する前記立上りエッジ検出手段の出力レベルを検出する第2のレベル検出手段、及び前記第2のレベル検出手段にて相互に行ったレベル検出結果に基づき回転方向を判定する判定手段を有することを特徴とする回転方向判定装置。
- 回転操作に応じて出力される位相の異なる1対のパルスの出力パターンに基づいて回転方向を判定する方法であって、前記1対のパルスを取り込み、それぞれのパルス入力に対して所定の周期でレベルを検出し、全てのレベルが所定レベル以上になった場合にハイレベルを出力し、全てのレベルが0になった場合にローレベルになる立上りエッジ検出信号と、全てのレベルが0になった場合にハイレベルを出力し、全て所定レベル以上になった場合にローレベルになる立下りエッジ検出信号を生成すると共に前記立上りエッジ検出信号及び立下りエッジ検出信号の立上りエッジに対応した所定幅のパルス信号を生成し、1対のパルスのうち一方のパルスに対する前記所定幅のパルス信号によりもう一方のパルスに対する立上りエッジ検出信号のレベルを検出することを相互に行って得た検出結果に基づき回転方向を判定することを特徴とする回転方向判定方法。
- 回転操作に応じて出力される位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNの出力パターンに基づいて回転方向を判定する回転方向判定装置であって、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とよりなることを特徴とする回転方向判定装置。
- 請求項3において、上記判定手段は第1のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第2のパルスNの出力レベルを判定すると共に第2のトリガー信号生成手段からの出力パルスのタイミングで第1のパルスMの出力レベルを判定し、上記出力レベルの組み合わせパターンから回転方向を判定することを特徴とする回転方向判定装置。
- 請求項3において第1及び第2のエッジ検出手段はその入力段にn段のシフトレジスタを有し、該シフトレジスタの各段の出力の論理積及び論理和出力よりエッジを検出することにより第1及び第2パルスM、Nに含まれるチャタリングを除去するように構成したことを特徴とする回転方向判定装置。
- 回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダ手段と、オーディオ信号が供給され、制御信号に応じて音量を制御する電子ボリュームICと、該電子ボリュームICを制御するマイコンと、上記ロータリエンコーダの出力パルスから音量制御信号を生成し、上記マイコンを介して上記電子ボリュームICを制御する回転方向判定装置とを有するオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定装置は、上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とよりなることを特徴とするオーディオシステム。
- 回転操作に応じて位相が異なる第1のパルスMと第2のパルスNを生成するロータリエンコーダと、該ロータリエンコーダからのパルス信号M、Nを取り込み、その回転方向を判定する回転方向判定装置がロジック回路として組み込まれているASICユニットと、チューナ、CD等のオーディオ信号のレベルを調整するためのCODEC回路を備え、上記ASICユニットの上記回転方向判定装置の出力信号を上記CODEC回路に加えてオーディオ信号のレベル調整を行うようにしたオーディオシステムにおいて、上記回転方向判定手段は上記第1のパルスMの立上りエッジ及び立下りエッジを検出するための第1のエッジ検出手段と、上記第2のパルスNの立上り及び立下りエッジを検出するための第2のエッジ検出手段と、上記第1の検出手段の信号から、上記第1のパルスMのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第1のエッジトリガー信号生成手段と、上記第2のエッジ検出手段の信号から、上記第2のパルスNのエッジに対応して所定幅のパルス信号を生成する第2のトリガー信号生成手段と、上記第1及び第2のエッジ検出手段の出力と上記第1および第2のトリガー信号生成手段の出力から回転方向を判定する判定手段とよりなることを特徴とするオーディオシステム。
- 請求項6または7において、第1及び第2のエッジ検出手段はそれぞれの入力段にn段のシフトレジスタを有し、該シフトレジスタの各段の出力の論理積及び論理和の出力よりエッジを検出することにより第1及び第2のパルスM、Nに含まれるチャタリングを除去するように構成したことを特徴とするオーディオシステム。
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