JP2004257493A - 副シリンダ付油圧緩衝装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】リヤクッション25に主シリンダと副シリンダを設け、これらの間を油路で連絡した場合、油路が細いため、意図しない減衰力が発生することがあるので、これを阻止する。
【構成】リヤクッション25のダンパ50に、を主シリンダ63と副シリンダ40を備え、上部38で連結する。主シリンダ63と副シリンダ40は非同軸であり、上部38の内側に油路72を形成する。主シリンダ63の径R1と油路72の径R2はほぼ同程度とし、油路72内における減衰力の発生を阻止する。上部38の内側には、油路72と副シリンダ40の間に隔壁73を設け、ここに絞り通路74を設ける。副シリンダ40内にはガス室76を設け、弾性膜75を介して、油路72と副シリンダ40内とを作動油が流動するようにする。
【選択図】図4
【構成】リヤクッション25のダンパ50に、を主シリンダ63と副シリンダ40を備え、上部38で連結する。主シリンダ63と副シリンダ40は非同軸であり、上部38の内側に油路72を形成する。主シリンダ63の径R1と油路72の径R2はほぼ同程度とし、油路72内における減衰力の発生を阻止する。上部38の内側には、油路72と副シリンダ40の間に隔壁73を設け、ここに絞り通路74を設ける。副シリンダ40内にはガス室76を設け、弾性膜75を介して、油路72と副シリンダ40内とを作動油が流動するようにする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2輪車のサスペンション装置等に使用される副シリンダ付油圧緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなものとして、減衰力を発生する油圧シリンダである主シリンダと、この主シリンダから屈曲する油路を介して接続する副シリンダを備え、副シリンダ内にガス室を設けたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特公昭61−7393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例のように、油路を設けて副シリンダと接続させた場合、主シリンダが高速で縮むと、作動油が油路を流れ、副シリンダのガス室に大きな反力が蓄えられ、主シリンダが伸び側に転じると、ガス室の復元により副シリンダ内へ流入した作動油が主シリンダへ戻される。このとき、油路の径が小さいため、作動油流速が高速となり、したがって予期せぬ減衰力が発生する。しかし、このような減衰力は本来の緩衝装置に必要なものではないから、したがってこのような減衰力の発生を阻止することが求められる。本願発明は、このような要請の実現を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の副シリンダ付油圧緩衝装置に係る請求項1の発明は、内蔵ピストンの摺動により減衰力を発生する主シリンダと、この主シリンダから屈曲する油路を介して接続する主シリンダと非同軸でガス室を有する副シリンダとを備えた副シリンダ付油圧緩衝装置において、前記油路の径を、前記ピストンの最大ストローク時における主シリンダ内壁先端部との距離より大きいことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は上記請求項1において、前記油路の径が主シリンダの内径と略同径であることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は上記請求項1において、前記油路にガス室とを隔てる隔壁を設け、この隔壁に絞り手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は上記請求項1において、前記主シリンダと副シリンダの各軸線を平行にしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、油路の径が、ピストンの最大ストローク時における主シリンダ内壁先端部との距離よりも大きいため、最大ストローク付近でも作動油容量が確保され、作動油流速の均一化が図れ、減衰力が安定する。
また主シリンダと副シリンダの軸線を非同軸としたので、主シリンダに対して副シリンダを屈曲して配置することになり、主シリンダに副シリンダを併設しても全体の長さを主シリンダに近い程度に収めて、コンパクトにすることができる。
【0010】
請求項2によれば、油路の径が主シリンダの径とほぼ同径であるから、油路を通過する作動油は殆ど意図しない減衰力を発生しない。また、十分な作動油の容量を確保できる。
【0011】
請求項3によれば、隔壁に絞り手段を設けたので、油路の径が大きくても、減衰力の調節により、ガス室の及び油圧を適正に調節できる。
【0012】
請求項4によれば、主シリンダと副シリンダの各軸線を平行にしたので、それぞれの加工軸線が一致し、加工が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図1は本形態に係る自動2輪車の側面図、図2はリヤサスペンション部の側面図、図3はその平面図、図4はリヤクッションの全断面図である。
【0014】
図1において、1は前輪、2はフロントフォーク、3はヘッドパイプ、4はハンドル、5はメインフレームである。メインフレーム5は軽合金製の縦長角筒状をなし、ヘッドパイプから左右へ分かれて斜め下がりに後方へ延びている。
【0015】
メインフレーム5の下方には、直列4気筒エンジン6が支持される。支持点はメインフレーム5の中間部とシリンダ上部の連結点7及びメインフレーム5の後端とエンジン6を構成するミッションケース8の後端上部との連結点9の2点である。
【0016】
エンジン6の吸気ポート10には、メインフレーム5に支持されたエアクリーナ11からダウンドラフトで吸気される。12はインジェクタである。エアクリーナ11は燃料タンク13の前部底面側に形成された凹部内に収容されている。
【0017】
排気ポート15からは排気管16が前方へ延出し、エンジン6の下方を通って後方へ延び、左右一対のマフラー17へ接続している。左右のマフラー17は後輪18の両側に配設される。19はエンジン6の前方に配置されたラジエタである。
【0018】
メインフレーム5の後端部からは斜め上がり後方へ左右一対のシートレール20が設けられ、その周囲を囲んでリヤカウル21が設けられ、その上にシート22が設けられる。
【0019】
ミッションケース8の後端上下方向中間部にはピボット軸23でリヤスイングアーム24の前端部を上下方向へ揺動自在に支持されている。リヤスイングアーム24の後端には後輪18が支持される。
【0020】
符号25はリヤクッションである。符号26はステップブラケット、27は出力スプロケット、28はチェーン、29は従動スプロケットである。さらに、車体の前面から左右両側面までをフロントカウル30で覆っている。
【0021】
エンジン6のクランクケース31及びミッションケース8等からるケースは上下分割され、ピボット軸23はこの割り面32よりも若干下方へずれている。
【0022】
図2及び図3に示すように、リヤスイングアーム24は左右一対のアーム部33を備え、その前端部上部間は、第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35で連結されている。第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35は前後へ間隔をもって設けられ、第1のクロス部材34はパイプ状をなし、その両端支持部は、左右のリヤスイングアーム24前端上面に設けられた、上方へ突出する突起部36である。
【0023】
突起部36が形成されるアーム部33の先端部33aはピボット軸23を軸受け支持する部分であり、軽合金等の適宜材料を用いて突起部36と共に鋳造等によって形成される。
【0024】
第2のクロス部材35は左右のアーム部33と溶接等により一体化されたクロスメンバである。これら第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35間には左右へ間隔をもって前後方向へ平行に延びる左右一対のクッションブラケット37が設けられる。クッションブラケット37はリヤクッション25の上端部38を越えて前後へ延び、その前後端部はそれぞれ第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35の上面へ溶接されている。
【0025】
図3に明らかなように、第1のクロス部材34,第2のクロス部材35及び左右のクッションブラケット37に囲まれた平面視略矩形の空間39が形成され、この中に上部38が位置し、さらに副シリンダ40がこの空間39を通って、上部38から斜め上がり後方へ延びている。
【0026】
上部38は左右のクッションブラケット37の各中間部を横断する段付ボルト41が一方(図では左側)から他方(図では右側)へ貫通し、他方側に設けられたナット42へ締結することにより支持される。このとき上部38の左右は、クッションブラケット37の中央部に形成された内方へ突出するボス37aで支持される。このためより支持剛性が高くなる。
【0027】
ピボット軸23は平面視で第1のクロス部材34の近傍に位置し、その左右両端には一対の外側押さえプレート43が設けられている。左右の外側押さえプレート43の後端にはそれぞれステップブラケット26(図2参照)が取付けられている。
【0028】
外側押さえプレート43には前後方向へ長いボス44が設けられ、その中間部に割り面45を形成することにより、ボス44の後方からボルト46を締結することにより、ピボット軸23を締め付け固定するようになっている。図3中の符号47はミッションケース8の上下分割間を上方から締結するボルトである。
【0029】
図2に示すように、リヤクッション25はダンパ50とクッションスプリング51を備え、クッションスプリング51の上下は、それぞれダンパ50の上下外周に設けられたリテーナ52,53に支持される。
【0030】
ダンパ50の、図では見えないピストンを作動させるジョイントメタル54がダンパ50の下方へ延出し、その下端は略3角形状をなす第1リンク55の一頂点部56へ連結している。ジョイントメタル54の下端54aは二股状をなして頂点部56の左右を挟み、頂点部56をボルト及びナットで固定して連結する。他端側頂点57はミッションケース8の後端下部から延出するステー58へ軸着されている。
【0031】
第1リンク55の中間の頂点部59には直線状のリンクアーム60の一端が連結され、他端はリンクピボット61に連結されている。リンクピボット61は第2のクロス部材35の下端から下方へ突出する突部62に設けられている。
【0032】
図4はリヤクッション25の全断面図である。リヤクッション25のダンパ50は主シリンダ63とキャップ状をなす上部38を介して接続する副シリンダ40を備える。
【0033】
主シリンダ63は、内部にピストン64を備え、主シリンダ63内を摺動することにより、減衰力を発生する。ピストン64はピストンロッド54を軸方向一端側へ延出し、端部にエンドプレート65を備え、ここにバンプラバー66が設けられている。エンドプレート65から外方へ突出するピストンロッド54の先端は二股状の取付部54aになっている。
【0034】
エンドプレート65の外周部にはアジャスタ67によりリテーナ53の位置を調節するようになっている。アジャスタ67は周方向へ多段階に回動し、リテーナ53の軸方向位置を変化させる。リテーナ53と上部38の肩部である上部側のリテーナ52に設けられたスプリングシート68の間にクッションスプリング51が設けられ、縮み時の反力を発生するようになっている。
【0035】
上部38は主シリンダ63の一端部にネジ部69で取付けられ、その軸方向先端部が上端部38をなし、ここにボルト41を通す取付穴70が設けられている。
【0036】
取付穴70とシート68の間に略45°方向に屈曲して斜め側方へ突出する取付部71を設け、ここに副シリンダ40が嵌合されている。取付部71の内側は油路72をなし、その径R2は主シリンダ63の径R1と同程度になっている。
【0037】
油路72と副シリンダ40との間には隔壁73が設けられ、その中央部に絞り通路74が設けられ、油路72と副シリンダ40内との間を作動油が流動するとき、減衰力が発生するようになっている。
【0038】
副シリンダ40内には弾性膜75で囲まれたガス室76が設けられ、高圧ガスが封入されている。ガス室76の外側は絞り通路74を介して油路72と連通する液室77になっている。弾性膜75の開口部は副シリンダ40の一端へ密に嵌合された封止部材78により閉塞されている。封止部材78の中央には調整バルブ79が設けられている。
【0039】
主シリンダ63の軸線C1と、副シリンダ40の軸線C2は略45°をなす非同軸であり、油路72の径R2は油路72内にて作動油の流動による減衰力が発生しない程度の範囲で自由に設定できる。ここで減衰力が発生しないとは、実用域において、リヤクッション25の減衰性能に問題となるような影響が生じる程に大きな減衰力を発生しないことをいう。
【0040】
また、図4中の仮想線64Aはピストン64の通常ストローク限界であり、64Bはバンパラバー66のへたり時におけるストローク限界位置である。この64Bの位置と、主シリンダ63の軸方向端部66との間の距離DよりもR2の方が大きいものとする。これよりR2が小さくなれば、油路72が性能に影響のある減衰力が生じるおそれが出る。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず油路72の径R2が、ピストン64の最大ストローク時64Bにおける主シリンダ63内壁先端部80との距離Dよりも大きいため、最大ストローク付近でも作動油容量が確保され、作動油流速の均一化が図れ、減衰力が安定する。
【0042】
また、主シリンダ63と副シリンダ40の軸線C1及びC2を非同軸としたので、主シリンダ63に対して副シリンダ40を屈曲して配置することになり、主シリンダ63に副シリンダ40を併設しても全体の長さを主シリンダ63の長さに近い程度に収めて、コンパクトにすることができる。
【0043】
さらに、油路72の径R2が主シリンダ63の径R1とほぼ同径であるから、油路72を通過する作動油は殆ど意図しない減衰力を発生しない。また、十分な作動油の容量を確保できる。
【0044】
また、隔壁73に絞り手段としての絞り通路74を設けたので、油路72の径がR2と大きくても、減衰力の調節により、ガス室76から加えられる圧力に対して油圧を適正に調節できる。但し絞り手段は絞り通路74に限定されず絞り弁であってもいよい。
加えて、副シリンダ40が空間39を通って上部38から斜め上がり後方へ延びているため、スペースレイアウト上最も良好な空間に副シリンダ40を設置でき、他の部品との干渉の恐れが少ない。
【0045】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、主シリンダ63と副シリンダ40の同軸配置として、斜めだけでなく、上部38を介して平行させてもよい。この場合、図5のように副シリンダ40を主シリンダ63の横に並べてもよい。また、図6に示すように図5と反対に倒立させてもよい。なお、副シリンダ40の配置以外は全て図4と同じであるため、共通部分には共通符号を付して他の部分についての説明を省略する。このようにすると、主シリンダ63と副シリンダ40が同軸となり、加工軸が一致するから、加工性能が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る自動2輪車の側面図
【図2】リヤサスペンション部の側面
【図3】その平面図
【図4】リヤクッションの全体断面図
【図5】副シリンダの配置を変更した別実施例の全体断面図
【図6】副シリンダの配置を変更したさらに他の実施例の全体断面図
【符号の説明】
16:排気管、25:リヤクッション、38:上端部、40:副シリンダ、50:ダンパ、51:クッションスプリング、72:油路、73:隔壁、74:絞り通路、76:ガス室
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動2輪車のサスペンション装置等に使用される副シリンダ付油圧緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなものとして、減衰力を発生する油圧シリンダである主シリンダと、この主シリンダから屈曲する油路を介して接続する副シリンダを備え、副シリンダ内にガス室を設けたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特公昭61−7393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例のように、油路を設けて副シリンダと接続させた場合、主シリンダが高速で縮むと、作動油が油路を流れ、副シリンダのガス室に大きな反力が蓄えられ、主シリンダが伸び側に転じると、ガス室の復元により副シリンダ内へ流入した作動油が主シリンダへ戻される。このとき、油路の径が小さいため、作動油流速が高速となり、したがって予期せぬ減衰力が発生する。しかし、このような減衰力は本来の緩衝装置に必要なものではないから、したがってこのような減衰力の発生を阻止することが求められる。本願発明は、このような要請の実現を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の副シリンダ付油圧緩衝装置に係る請求項1の発明は、内蔵ピストンの摺動により減衰力を発生する主シリンダと、この主シリンダから屈曲する油路を介して接続する主シリンダと非同軸でガス室を有する副シリンダとを備えた副シリンダ付油圧緩衝装置において、前記油路の径を、前記ピストンの最大ストローク時における主シリンダ内壁先端部との距離より大きいことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は上記請求項1において、前記油路の径が主シリンダの内径と略同径であることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は上記請求項1において、前記油路にガス室とを隔てる隔壁を設け、この隔壁に絞り手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は上記請求項1において、前記主シリンダと副シリンダの各軸線を平行にしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、油路の径が、ピストンの最大ストローク時における主シリンダ内壁先端部との距離よりも大きいため、最大ストローク付近でも作動油容量が確保され、作動油流速の均一化が図れ、減衰力が安定する。
また主シリンダと副シリンダの軸線を非同軸としたので、主シリンダに対して副シリンダを屈曲して配置することになり、主シリンダに副シリンダを併設しても全体の長さを主シリンダに近い程度に収めて、コンパクトにすることができる。
【0010】
請求項2によれば、油路の径が主シリンダの径とほぼ同径であるから、油路を通過する作動油は殆ど意図しない減衰力を発生しない。また、十分な作動油の容量を確保できる。
【0011】
請求項3によれば、隔壁に絞り手段を設けたので、油路の径が大きくても、減衰力の調節により、ガス室の及び油圧を適正に調節できる。
【0012】
請求項4によれば、主シリンダと副シリンダの各軸線を平行にしたので、それぞれの加工軸線が一致し、加工が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図1は本形態に係る自動2輪車の側面図、図2はリヤサスペンション部の側面図、図3はその平面図、図4はリヤクッションの全断面図である。
【0014】
図1において、1は前輪、2はフロントフォーク、3はヘッドパイプ、4はハンドル、5はメインフレームである。メインフレーム5は軽合金製の縦長角筒状をなし、ヘッドパイプから左右へ分かれて斜め下がりに後方へ延びている。
【0015】
メインフレーム5の下方には、直列4気筒エンジン6が支持される。支持点はメインフレーム5の中間部とシリンダ上部の連結点7及びメインフレーム5の後端とエンジン6を構成するミッションケース8の後端上部との連結点9の2点である。
【0016】
エンジン6の吸気ポート10には、メインフレーム5に支持されたエアクリーナ11からダウンドラフトで吸気される。12はインジェクタである。エアクリーナ11は燃料タンク13の前部底面側に形成された凹部内に収容されている。
【0017】
排気ポート15からは排気管16が前方へ延出し、エンジン6の下方を通って後方へ延び、左右一対のマフラー17へ接続している。左右のマフラー17は後輪18の両側に配設される。19はエンジン6の前方に配置されたラジエタである。
【0018】
メインフレーム5の後端部からは斜め上がり後方へ左右一対のシートレール20が設けられ、その周囲を囲んでリヤカウル21が設けられ、その上にシート22が設けられる。
【0019】
ミッションケース8の後端上下方向中間部にはピボット軸23でリヤスイングアーム24の前端部を上下方向へ揺動自在に支持されている。リヤスイングアーム24の後端には後輪18が支持される。
【0020】
符号25はリヤクッションである。符号26はステップブラケット、27は出力スプロケット、28はチェーン、29は従動スプロケットである。さらに、車体の前面から左右両側面までをフロントカウル30で覆っている。
【0021】
エンジン6のクランクケース31及びミッションケース8等からるケースは上下分割され、ピボット軸23はこの割り面32よりも若干下方へずれている。
【0022】
図2及び図3に示すように、リヤスイングアーム24は左右一対のアーム部33を備え、その前端部上部間は、第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35で連結されている。第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35は前後へ間隔をもって設けられ、第1のクロス部材34はパイプ状をなし、その両端支持部は、左右のリヤスイングアーム24前端上面に設けられた、上方へ突出する突起部36である。
【0023】
突起部36が形成されるアーム部33の先端部33aはピボット軸23を軸受け支持する部分であり、軽合金等の適宜材料を用いて突起部36と共に鋳造等によって形成される。
【0024】
第2のクロス部材35は左右のアーム部33と溶接等により一体化されたクロスメンバである。これら第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35間には左右へ間隔をもって前後方向へ平行に延びる左右一対のクッションブラケット37が設けられる。クッションブラケット37はリヤクッション25の上端部38を越えて前後へ延び、その前後端部はそれぞれ第1のクロス部材34及び第2のクロス部材35の上面へ溶接されている。
【0025】
図3に明らかなように、第1のクロス部材34,第2のクロス部材35及び左右のクッションブラケット37に囲まれた平面視略矩形の空間39が形成され、この中に上部38が位置し、さらに副シリンダ40がこの空間39を通って、上部38から斜め上がり後方へ延びている。
【0026】
上部38は左右のクッションブラケット37の各中間部を横断する段付ボルト41が一方(図では左側)から他方(図では右側)へ貫通し、他方側に設けられたナット42へ締結することにより支持される。このとき上部38の左右は、クッションブラケット37の中央部に形成された内方へ突出するボス37aで支持される。このためより支持剛性が高くなる。
【0027】
ピボット軸23は平面視で第1のクロス部材34の近傍に位置し、その左右両端には一対の外側押さえプレート43が設けられている。左右の外側押さえプレート43の後端にはそれぞれステップブラケット26(図2参照)が取付けられている。
【0028】
外側押さえプレート43には前後方向へ長いボス44が設けられ、その中間部に割り面45を形成することにより、ボス44の後方からボルト46を締結することにより、ピボット軸23を締め付け固定するようになっている。図3中の符号47はミッションケース8の上下分割間を上方から締結するボルトである。
【0029】
図2に示すように、リヤクッション25はダンパ50とクッションスプリング51を備え、クッションスプリング51の上下は、それぞれダンパ50の上下外周に設けられたリテーナ52,53に支持される。
【0030】
ダンパ50の、図では見えないピストンを作動させるジョイントメタル54がダンパ50の下方へ延出し、その下端は略3角形状をなす第1リンク55の一頂点部56へ連結している。ジョイントメタル54の下端54aは二股状をなして頂点部56の左右を挟み、頂点部56をボルト及びナットで固定して連結する。他端側頂点57はミッションケース8の後端下部から延出するステー58へ軸着されている。
【0031】
第1リンク55の中間の頂点部59には直線状のリンクアーム60の一端が連結され、他端はリンクピボット61に連結されている。リンクピボット61は第2のクロス部材35の下端から下方へ突出する突部62に設けられている。
【0032】
図4はリヤクッション25の全断面図である。リヤクッション25のダンパ50は主シリンダ63とキャップ状をなす上部38を介して接続する副シリンダ40を備える。
【0033】
主シリンダ63は、内部にピストン64を備え、主シリンダ63内を摺動することにより、減衰力を発生する。ピストン64はピストンロッド54を軸方向一端側へ延出し、端部にエンドプレート65を備え、ここにバンプラバー66が設けられている。エンドプレート65から外方へ突出するピストンロッド54の先端は二股状の取付部54aになっている。
【0034】
エンドプレート65の外周部にはアジャスタ67によりリテーナ53の位置を調節するようになっている。アジャスタ67は周方向へ多段階に回動し、リテーナ53の軸方向位置を変化させる。リテーナ53と上部38の肩部である上部側のリテーナ52に設けられたスプリングシート68の間にクッションスプリング51が設けられ、縮み時の反力を発生するようになっている。
【0035】
上部38は主シリンダ63の一端部にネジ部69で取付けられ、その軸方向先端部が上端部38をなし、ここにボルト41を通す取付穴70が設けられている。
【0036】
取付穴70とシート68の間に略45°方向に屈曲して斜め側方へ突出する取付部71を設け、ここに副シリンダ40が嵌合されている。取付部71の内側は油路72をなし、その径R2は主シリンダ63の径R1と同程度になっている。
【0037】
油路72と副シリンダ40との間には隔壁73が設けられ、その中央部に絞り通路74が設けられ、油路72と副シリンダ40内との間を作動油が流動するとき、減衰力が発生するようになっている。
【0038】
副シリンダ40内には弾性膜75で囲まれたガス室76が設けられ、高圧ガスが封入されている。ガス室76の外側は絞り通路74を介して油路72と連通する液室77になっている。弾性膜75の開口部は副シリンダ40の一端へ密に嵌合された封止部材78により閉塞されている。封止部材78の中央には調整バルブ79が設けられている。
【0039】
主シリンダ63の軸線C1と、副シリンダ40の軸線C2は略45°をなす非同軸であり、油路72の径R2は油路72内にて作動油の流動による減衰力が発生しない程度の範囲で自由に設定できる。ここで減衰力が発生しないとは、実用域において、リヤクッション25の減衰性能に問題となるような影響が生じる程に大きな減衰力を発生しないことをいう。
【0040】
また、図4中の仮想線64Aはピストン64の通常ストローク限界であり、64Bはバンパラバー66のへたり時におけるストローク限界位置である。この64Bの位置と、主シリンダ63の軸方向端部66との間の距離DよりもR2の方が大きいものとする。これよりR2が小さくなれば、油路72が性能に影響のある減衰力が生じるおそれが出る。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず油路72の径R2が、ピストン64の最大ストローク時64Bにおける主シリンダ63内壁先端部80との距離Dよりも大きいため、最大ストローク付近でも作動油容量が確保され、作動油流速の均一化が図れ、減衰力が安定する。
【0042】
また、主シリンダ63と副シリンダ40の軸線C1及びC2を非同軸としたので、主シリンダ63に対して副シリンダ40を屈曲して配置することになり、主シリンダ63に副シリンダ40を併設しても全体の長さを主シリンダ63の長さに近い程度に収めて、コンパクトにすることができる。
【0043】
さらに、油路72の径R2が主シリンダ63の径R1とほぼ同径であるから、油路72を通過する作動油は殆ど意図しない減衰力を発生しない。また、十分な作動油の容量を確保できる。
【0044】
また、隔壁73に絞り手段としての絞り通路74を設けたので、油路72の径がR2と大きくても、減衰力の調節により、ガス室76から加えられる圧力に対して油圧を適正に調節できる。但し絞り手段は絞り通路74に限定されず絞り弁であってもいよい。
加えて、副シリンダ40が空間39を通って上部38から斜め上がり後方へ延びているため、スペースレイアウト上最も良好な空間に副シリンダ40を設置でき、他の部品との干渉の恐れが少ない。
【0045】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、主シリンダ63と副シリンダ40の同軸配置として、斜めだけでなく、上部38を介して平行させてもよい。この場合、図5のように副シリンダ40を主シリンダ63の横に並べてもよい。また、図6に示すように図5と反対に倒立させてもよい。なお、副シリンダ40の配置以外は全て図4と同じであるため、共通部分には共通符号を付して他の部分についての説明を省略する。このようにすると、主シリンダ63と副シリンダ40が同軸となり、加工軸が一致するから、加工性能が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る自動2輪車の側面図
【図2】リヤサスペンション部の側面
【図3】その平面図
【図4】リヤクッションの全体断面図
【図5】副シリンダの配置を変更した別実施例の全体断面図
【図6】副シリンダの配置を変更したさらに他の実施例の全体断面図
【符号の説明】
16:排気管、25:リヤクッション、38:上端部、40:副シリンダ、50:ダンパ、51:クッションスプリング、72:油路、73:隔壁、74:絞り通路、76:ガス室
Claims (4)
- 内蔵ピストンの摺動により減衰力を発生する主シリンダと、この主シリンダから屈曲する油路を介して接続する主シリンダと非同軸でガス室を有する副シリンダとを備えた副シリンダ付油圧緩衝装置において、
前記油路の径を、前記ピストンの最大ストローク時における主シリンダ内壁先端部との距離より大きいことを特徴とする副シリンダ付油圧緩衝装置。 - 前記油路の径が主シリンダの内径と略同径であることを特徴とする請求項1の副シリンダ付油圧緩衝装置。
- 前記油路にガス室とを隔てる隔壁を設け、この隔壁に絞り手段を設けたことを特徴とする請求項1の副シリンダ付油圧緩衝装置。
- 前記主シリンダと副シリンダの各軸線を平行にしたことを特徴とする請求項1の副シリンダ付油圧緩衝装置。
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